本発明の第1の実施形態を、図面を参照しつつ説明する。
図1は、本実施形態における油圧ショベルの構造を表す側面図である。なお、以降、油圧ショベルが図1に示す状態にて、運転席に着座した運転者の前側(図1中左側)、後側(図1中右側)、左側(図1中紙面に向かって手前側)、右側(図1中紙面に向かって奥側)を、単に前側、後側、左側、右側と称する。
本実施形態の油圧ショベルは、クローラ式の下部走行体1と、下部走行体1の上側に旋回可能に設けられた上部旋回体2と、上部旋回体2に連結された多関節型の作業装置3とを備えている。そして、下部走行体1は左右の走行モータ(図示せず)によって回転駆動されて走行する。また、上部旋回体2は旋回モータ(図示せず)によって回転駆動されて旋回する。
上部旋回体2は、基礎構造体をなす旋回フレーム4と、旋回フレーム4の前方左側に設けられたキャブタイプの運転室5と、旋回フレーム4上に搭載された機器(詳細には、後述の図2で示すエンジン6及び油圧ポンプ7等)を覆う外装カバー8とを備えている。
作業装置3は、旋回フレーム4に上下方向に回動可能に連結されたブーム9と、ブーム9の先端部に上下方向に回動可能に連結されたアーム10と、アーム10の先端部に上下方向に回動可能に連結された掘削作業用のバケット11とを備えている。そして、ブームシリンダ12、アームシリンダ13、及びバケットシリンダ14の伸縮駆動により、ブーム9、アーム10、及びバケット11がそれぞれ回動するようになっている。アーム10の先端部にはクレーン作業用(すなわち、例えば荷15を吊るため)のフック16が設けられている。
アーム10の基端部には、ブーム9に対するアーム10の回動角度を検出するアーム角度センサ17が取付けられている。ブーム9の基端部には、旋回フレーム4に対するブーム9の回動角度を検出するブーム角度センサ18が取付けられている。ブームシリンダ12のロッド側(図1中上側)油室及びボトム側(図1中下側)油室には、それぞれの内圧を検出する圧力センサ19A,19Bが取付けられている。アーム角度センサ17、ブーム角度センサ18、及び圧力センサ19A,19Bの検出結果は、車体コントローラ20(後述の図3参照)に出力されるようになっている。
運転室5には、運転者が着座する運転席(図示せず)が設けられている。運転席の前側には、左右の走行モータの駆動をそれぞれ指示する走行用操作装置(図示せず)が設けられている。運転席の左側には、旋回モータの駆動及びアームシリンダ13の駆動を指示する十字操作式の作業用操作装置(図示せず)が設けられている。運転席の右側には、ブームシリンダ12の駆動及びバケットシリンダ14の駆動を指示する十字操作式の作業用操作装置21(後述の図2参照)が設けられている。
運転席の左側(言い換えれば、運転室5の乗降口)には、乗降許可位置と乗降規制位置に操作されるゲートロックレバー22(後述の図2参照)と、ゲートロックレバー22の操作位置を検出するロックスイッチ23(後述の図2及び図3参照)が設けられている。ゲートロックレバー22は、乗降許可位置(上昇位置)に操作された場合に運転者の乗降を許容し、乗降規制位置(下降位置)に操作された場合に運転者の乗降を妨げるようになっている。
運転席の右側にはキースイッチ24(後述の図3参照)が設けられ、運転席の前方右側には表示装置25(後述の図3参照)が設けられている。キースイッチ24は、キーを挿入・抜出し可能とし、キーの回転操作に応じてエンジン6の起動・停止等を指示するものである。詳細には、キーがOFF位置からON位置に操作されると、車体コントローラ20、表示装置25、及びエンジンコントローラ26(後述の図3参照)を含む複数の電装品の電源オンを指示し、さらにON位置からSTART位置に操作されると、エンジン6の起動を指示する。その後、運転者がキーから手を離すと、キーがSTART位置からON位置に自動的に戻る。また、キーがON位置からOFF位置に操作されると、エンジン6の停止とともに、複数の電装品の電源オフを指示するようになっている。
次に、本実施形態の油圧ショベルの油圧駆動装置について説明する。図2は、本実施形態における油圧ショベルの油圧駆動装置の構成のうち、代表として、ブームシリンダ12の駆動に係わる構成を表す油圧回路図である。
本実施形態の油圧駆動装置は、エンジン6と、エンジン6によって駆動される油圧ポンプ7及びパイロットポンプ27と、油圧ポンプ7からブームシリンダ12への圧油の流れを制御する油圧パイロット方式の方向切換弁28と、作業用操作装置21とを備えている。
作業用操作装置21は、操作レバー29と、操作レバー29の中立位置から前側の操作量に応じてパイロットリリーフ弁27aによって設定されたパイロットポンプ27の吐出圧を減圧してパイロット圧を生成するパイロット弁30Aと、操作レバー29の中立位置から後側の操作量に応じてパイロットポンプ27の吐出圧を減圧してパイロット圧を生成するパイロット弁30Bとを有している。
そして、操作レバー29を中立位置から前側に操作すると、その操作量に応じてパイロット弁30Aで生成されたパイロット圧が方向切換弁28の受圧部31Aへ出力され、これによって方向切換弁28が図中右側の切換位置に切換えられる。これにより、ブームシリンダ12が縮短するようになっている。また、操作レバー29を中立位置から後側に操作すると、その操作量に応じてパイロット弁30Bで生成されたパイロット圧が方向切換弁28の受圧部31Bへ出力され、これによって方向切換弁28が図中左側の切換位置に切換えられる。これにより、ブームシリンダ12が伸長するようになっている。
なお、他のアクチュエータ(詳細には、アームシリンダ13及びバケットシリンダ14等)の駆動に係わる構成も、ブームシリンダ12の駆動に係わる構成と同様である。すなわち、対応する操作装置からのパイロット圧によって対応する方向切換弁が切換えられ、この方向切換弁を介し供給された油圧ポンプ7からの圧油によって他のアクチュエータが駆動するようになっている。
パイロットポンプ27の吐出油路にはロックバルブ32が設けられており、このロックバルブ32は、上述したゲートロックレバー22の操作に応じて切換えられるようになっている。詳しく説明すると、ゲートロックレバー22が乗降規制位置(下降位置、言い換えれば、アンロック位置)に操作されてロックスイッチ23が閉接点となる場合、ロックスイッチ23を介してロックバルブ32のソレノイド部33が通電されて、ロックバルブ32が図中左側の切換位置に切換えられる。これにより、パイロットポンプ27の吐出油路が連通状態となり、パイロットポンプ27の吐出圧が作業用操作装置21を含む複数の操作装置に導入される。したがって、ブームシリンダ12を含む複数のアクチュエータの駆動を許可するようになっている。
一方、ゲートロックレバー22が乗降許可位置(上昇位置、言い換えれば、ロック位置)に操作されてロックスイッチ23が開接点となる場合、ロックバルブ32のソレノイド部33が通電されず、バネ34の付勢力によってロックバルブ32が図中右側の切換位置に切換えられる。これにより、パイロットポンプ27の吐出油路が遮断状態となる。したがって、ブームシリンダ12を含む複数のアクチュエータの駆動を禁止するようになっている。
次に、本実施形態の油圧ショベルの制御系について説明する。図3は、本実施形態における油圧ショベルの制御系の構成を表すブロック図である。
本実施形態の制御系は、バッテリ35、キースイッチ24、車体コントローラ20、表示装置25、及びエンジンコントローラ26等を備えている。車体コントローラ20、表示装置25、及びエンジンコントローラ26は、CAN(Controller Area Network)を介し互いに通信可能に接続されている。
キースイッチ24は、B端子、ACC端子、及びC端子を有しており、その操作位置に応じてB端子、ACC端子、及びC端子の接続が切換わるように構成されている。詳細には、キースイッチ24がOFF位置に操作されると、B端子、ACC端子、及びC端子が互いに接続されないようになっている。キースイッチ24がON位置に操作されると、B端子及びACC端子が互いに接続されるようになっている。キースイッチ24がSTART位置に操作されると、B端子、ACC端子、及びC端子が互いに接続されるようになっている。
キースイッチ24のB端子は、表示装置25及びエンジンコントローラ26と共に、バッテリ35に接続されている。キースイッチ24のACC端子は車体コントローラ20、表示装置25、エンジンコントローラ26、及び他の電装品(図示せず)に接続されている。キースイッチ24のC端子は、エンジンコントローラ26に接続されている。
そして、キースイッチ24がOFF位置からSTART位置又はON位置に操作されたとき、車体コントローラ20、表示装置25、及びエンジンコントローラ26の電源がONとなる。キースイッチ24がSTART位置又はON位置からOFF位置に操作されたとき、車体コントローラ20の電源が即座にオフとなる。また、表示装置25が即座に若しくは後述の処理を行ってから自身の電源をオフとし、エンジンコントローラ26がエンジン6を停止させてから自身の電源をオフとする。
表示装置25は、上述したように運転室5内に設けられており、制御部36、モードスイッチ37、モードランプ38、モニタ39、及びブザー40を有している。モードスイッチ37は、運転者の操作によって掘削モード及びクレーンモードのうちの一方を選択し、その選択信号を制御部36に出力する。制御部36は、モードスイッチ37からの選択信号に基づいてクレーンモードが選択されたか否かを判定し、その判定結果を車体コントローラ20に送信する。また、制御部36は、モードスイッチ37でクレーンモードが選択された場合に、モードランプ38及び回転灯41を点灯させる一方、モードスイッチ37で掘削モードが選択された場合に、モードランプ38及び回転灯41を消灯させるようになっている。回転灯41は、上部旋回体2の運転室5の外側に設けられている。
車体コントローラ20は、演算部42及び判定部43を有している。演算部42は、モードスイッチ37でクレーンモードが選択された場合、アーム角度センサ17、ブーム角度センサ18、及び圧力センサ19A,19Bの検出結果に基づき、フック16を用いて吊り上げた荷15の位置及び実荷重を演算する。詳細には、圧力センサ19A,19Bで検出されたブームシリンダ12のロッド側圧力及びボトム側圧力から、ブームシリンダ12の保持力モーメントを演算する。また、アーム角度センサ17及びブーム角度センサ18で検出されたアーム10の回動角度及びブーム9の回動角度等から、作業装置3のモーメント及び荷15の位置を演算する。そして、演算したブームシリンダ12の保持力モーメントと作業装置3のモーメントとの差が荷15のモーメントとなり、この荷15のモーメントから荷15の実荷重を演算する。演算部42は、演算した荷15の実荷重を判定部43に出力し、演算した荷15の位置及び実荷重を表示装置25に送信する。
車体コントローラ20の判定部43は、定格荷重(言い換えれば、フック16を用いて吊り上げ可能な荷の最大荷重)及びこの定格荷重に基づいて予め設定された基準値(詳細には、例えば定格荷重の95%)を記憶している。そして、演算部42で演算された実荷重が基準値を超えたか否かを判定し、その判定結果を定格荷重と共に表示装置25に送信する。
表示装置25の制御部36は、モードスイッチ37でクレーンモードが選択された場合、車体コントローラ20から受信した荷15の位置、実荷重、及び定格荷重をモニタ39に表示させる。また、車体コントローラ20の判定部43で実荷重が基準値を超えたと判定された場合、ブザー40を吹鳴させるようになっている。
また、表示装置25の制御部36は、モードスイッチ37でクレーンモードが選択されたか否かにかかわらず、ロックスイッチ23からの信号に基づき、ゲートロックレバー22が乗降許可位置に操作されたか否かを判定しており、その判定結果をエンジンコントローラ26に送信する。
エンジンコントローラ26は、キースイッチ24のC端子からの信号に基づき、キースイッチ24がSTART位置に操作されたか否かを判定する。そして、ゲートロックレバー22が乗降許可位置に操作され且つキースイッチ24がSTART位置に操作された場合に、エンジン6を始動させる。
また、エンジンコントローラ26は、キースイッチ24のACC端子からの信号に基づき、キースイッチ24がOFF位置に操作されたか否かを判定する。そして、キースイッチ24がOFF位置に操作された場合に、エンジン6を停止させる。そして、自身の電源をオフとするようになっている。
ここで本実施形態の大きな特徴として、表示装置25の制御部36は、モードスイッチ37でクレーンモードが選択された場合、車体コントローラ20から受信した荷15の実荷重が所定の閾値以上であるか否かを判定することにより、フック16を用いた吊り荷状態であるか否かを判定する。また、前述したようにロックスイッチ23からの信号に基づき、ゲートロックレバー22が乗降許可位置に操作されたか否かを判定する。また、キースイッチ24のACC端子からの信号に基づき、キースイッチ24がOFF位置に操作されたか否かを判定する。これらの判定結果により、吊り荷状態のまま、クレーン作業が中断されたか否かを判定する。そして、吊り荷状態のまま、クレーン作業が中断されたと判定した場合に、モニタ39及びブザー40を制御して警報を出させる。すなわち、モニタ39に警告表示を行わせるとともに、ブザー40を吹鳴させる。このようなクレーン作業中断警報制御の処理手順を、図4を用いて説明する。
図4は、本実施形態における表示装置25のクレーン作業中断警報制御の処理内容を表わすフローチャートである。なお、本制御は、エンジン6が起動されて、ゲートロックレバー22が乗降規制位置に操作されてから開始するものとする。
まず、ステップS50にて、表示装置25の制御部36は、モードスイッチ37でクレーンモードが選択されたか否かを判定する。モードスイッチ37で掘削モードが選択された場合は、ステップS50の判定が否定され(NO)、ステップS51に移る。ステップS51では、制御部36は、キースイッチ24がOFF位置に操作されたか否かを判定する。キースイッチ24がOFF位置に操作されてない場合は、ステップS51の判定が否定され(NO)、前述のステップS50に戻って上記同様の手順を繰り返す。一方、キースイッチ24がOFF位置に操作された場合は、ステップS51の判定が肯定され(YES)、本制御が終了する。
ステップS50にてモードスイッチ37でクレーンモードが選択された場合は、その判定が肯定され(YES)、ステップS52に移る。ステップS52では、制御部36は、吊り荷状態であるか否かを判定する。吊り荷状態でない場合は、ステップS52の判定が否定され(NO)、前述のステップS51に移って上記同様の手順を繰り返す。一方、吊り荷状態である場合は、ステップS52の判定が肯定され(YES)、ステップS53に移る。ステップS53では、制御部36は、キースイッチ24がOFF位置に操作されたか否かを判定する。キースイッチ24がOFF位置に操作されてない場合は、ステップS53の判定が否定され(NO)、ステップS54に移る。
ステップS54では、制御部36は、ゲートロックレバー22が乗降許可位置に操作されたか否かを判定する。ゲートロックレバー22が乗降規制位置に操作された場合は、ステップS54の判定が否定され(NO)、前述のステップS50に移って上記同様の手順を繰り返す。一方、ゲートロックレバー22が乗降許可位置に操作された場合は、ステップS54の判定が肯定され(YES)、ステップS55に移る。
ステップS55では、制御部36は、モニタ39及びブザー40を制御して警報を作動させる。すなわち、モニタ39に警告表示を行わせるとともに、ブザー40を吹鳴させる。そして、ステップS56に進み、制御部36は、警報時間が規定時間に達しているか否かを判定する。警報時間が規定時間に達してない場合は、ステップS56の判定が否定され(NO)、ステップS57に移る。ステップS57では、制御部36は、吊り荷状態が解消したか否かを判定する。吊り荷状態が解消してない場合は、ステップS57の判定が否定され(NO)、前述のステップS50に戻って上記同様の手順を繰り返す。
ステップS55の警報が繰り返されて、ステップS56にて警報時間が規定時間に達した場合、その判定が肯定され(YES)、ステップS58に移る。また、ステップS57にて吊り荷状態が解消した場合、その判定が肯定され(YES)、ステップS58に移る。ステップS58では、制御部36は、モニタ39及びブザー40を制御して警報を停止させる。そして、前述のステップS50に戻って上記同様の手順を繰り返す。
ステップS53にてキースイッチ24がOFF位置に操作された場合は、その判定が肯定され(YES)、ステップS59に移る。ステップS59では、制御部36は、モニタ39及びブザー40を制御して警報を規定時間作動させる。そして、本制御が終了する。
なお、上記において、エンジン6は、特許請求の範囲に記載の原動機を構成し、キースイッチ24は、原動機の起動指示及び停止指示を行う原動機スイッチを構成する。ロックバルブ32は、ゲートロックレバーが乗降規制位置に操作された場合に、ブームシリンダ、アームシリンダ、及びバケットシリンダを含む複数のアクチュエータの駆動を許可する一方、ゲートロックレバーが乗降許可位置に操作された場合に、複数のアクチュエータの駆動を禁止するロック装置を構成する。
モードスイッチ37は、掘削モード及びクレーンモードのうちの一方を選択するモード選択装置を構成する。車体コントローラ20の演算部42及び判定部43と表示装置25の制御部36及びブザー40は、モード選択装置でクレーンモードが選択された場合に、アーム角度センサ、ブーム角度センサ、及び圧力センサの検出結果に基づき、フックを用いて吊り上げた荷の実荷重を演算し、実荷重が予め定格荷重に基づいて設定された基準値を超えたか否かを判定し、この判定が肯定された場合に第1警報を出す第1警報装置を構成する。
ロックスイッチ23は、ゲートロックレバーの操作位置を検出する検出装置を構成する。表示装置25の制御部36(図4のステップS50、S52、S54、S55参照)、モニタ39、及びブザー40は、モード選択装置でクレーンモードが選択された場合、フックを用いた吊り荷状態にあり且つゲートロックレバーが乗降許可位置に操作されたか否かを判定し、この判定が肯定された場合に第2警報を出す第2警報装置を構成する。
また、表示装置25の制御部36(図4のステップS50、S52、S53、S59参照)、モニタ39、及びブザー40は、モード選択装置でクレーンモードが選択された場合、フックを用いた吊り荷状態にあり且つ原動機スイッチによる原動機の停止指示が行われたか否かを更に判定し、この判定が肯定された場合に第3警報を出す第2警報装置を構成する。
次に、本実施形態の動作及び作用効果を説明する。
運転者は、フック16を用いた吊り荷状態のまま、クレーン作業を中断することが可能である。すなわち、運転者は、吊り荷状態のまま、例えばエンジン6を停止させることなく、ゲートロックレバー22を乗降許可位置に操作して、運転室5から降りることが可能である。この場合、上述の図4のステップS50及びS52〜S54を経由してステップS55に進み、運転室5内の表示装置25のモニタ39及びブザー40が警報を出す。あるいは、運転者は、例えばキースイッチ24をOFF位置に操作してエンジン6を停止させてから、ゲートロックレバー22を乗降許可位置に操作して、運転室5から降りることが可能である。この場合、上述の図4のステップS50、S52、及びS53を経由してステップS59に進み、運転室5内の表示装置25のモニタ39及びブザー40が警報を出す。
したがって、吊り荷状態でクレーン作業を中断させない様に注意を促すことができる。
本発明の第2の実施形態を、図5及び図6を用いて説明する。なお、本実施形態において、第1の実施形態と同等の部分は同一の符号を付し、適宜、説明を省略する。
図5は、本実施形態における油圧ショベルの制御系の構成を表すブロック図である。
本実施形態では、原動機スイッチとして、キースイッチ24の代わりに、プッシュスイッチ44が運転席の右側に設けられている。車体コントローラ20、エンジンコントローラ26、及び他の電装品とバッテリ35の間にはACCリレー45が設けられている。また、エンジンコントローラ26とバッテリ35の間にはCリレー46が設けられている。
プッシュスイッチ44は、その押し操作により、指示信号を出力するようになっている。詳細には、エンジン6が停止状態であって且つ車体コントローラ20、表示装置25、及びエンジンコントローラ26を含む複数の電装品の電源がオフ状態であれば、複数の電装品の電源をオン状態へ切換える指示信号(以降、便宜上、ON指示信号と称す)を出力する。また、エンジン6が停止状態であって且つ複数の電装品の電源がオン状態であれば、エンジン6を起動する指示信号(以降、便宜上、START指示信号と称す)を出力する。また、エンジン6が駆動状態であって且つ複数の電装品の電源がオン状態であれば、エンジン6を停止するとともに、複数の電装品の電源をオフ状態へ切換える指示信号(以降、便宜上、OFF指示信号と称す)を出力する。
表示装置25の制御部36Aは、プッシュスイッチ44のON指示信号を入力した場合、表示装置25の電源をオン状態へ切換える。また、ACCリレー45の接点を閉状態に切換えて、車体コントローラ20、エンジンコントローラ26、及び他の電装品の電源をオン状態へ切換えるようになっている。
表示装置25の制御部36Aは、プッシュスイッチ44のSTART指示信号を入力した場合、条件に応じて、プッシュスイッチ44のSTART指示信号を有効化又は無効化する。詳しく説明すると、ゲートロックレバー22が乗降許可位置に操作されたと判定した場合は、プッシュスイッチ44のSTART指示信号を有効化する。すなわち、Cリレー46の接点を閉状態に一時的に切換えて、Cリレー46からエンジンコントローラ26に信号を出力させる。この信号に応じて、エンジンコントローラ26がエンジン6を起動させる。
一方、ゲートロックレバー22が乗降規制位置に操作されたと判定した場合は、プッシュスイッチ44のSTART指示信号を無効化する。すなわち、Cリレー46の接点を開状態のままとする。
表示装置25の制御部36Aは、プッシュスイッチ44のOFF指示信号を入力した場合、条件に応じて、プッシュスイッチ44のOFF指示信号を有効化又は無効化する。詳しく説明すると、モードスイッチ37で掘削モードが選択された場合は、プッシュスイッチ44のOFF指示信号を有効化する。すなわち、表示装置25の電源をオフ状態へ切換える。また、ACCリレー45の接点を開状態に切換える。これにより、車体コントローラ20及び他の電装品の電源をオフ状態へ切換える。また、ACCリレー45の切換えに応じて、エンジンコントローラ26がエンジン6を停止させ、その後、自身の電源をオフとするようになっている。
また、モードスイッチ37でクレーンモードが選択された場合で吊り荷状態でない場合に、プッシュスイッチ44のOFF指示信号を有効化する一方、モードスイッチ37でクレーンモードが選択された場合であって吊り荷状態である場合に、プッシュスイッチ44のOFF指示信号を無効化するようになっている。
また、第1の実施形態と同様、表示装置25の制御部36Aは、吊り荷状態のまま、クレーン作業が中断されたか否かを判定する。そして、吊り荷状態のまま、クレーン作業が中断されたと判定した場合に、モニタ39及びブザー40を制御して警報を出させる。すなわち、モニタ39に警告表示を行わせるとともに、ブザー40を吹鳴させる。このようなクレーン作業中断警報制御の処理手順を、図6を用いて説明する。
図6は、本実施形態における表示装置25のクレーン作業中断警報制御の処理内容を表わすフローチャートである。なお、本制御は、エンジン6が起動されてゲートロックレバー22が乗降規制位置に操作されてから開始するものとする。
まず、ステップS60にて、表示装置25の制御部36Aは、モードスイッチ37でクレーンモードが選択されたか否かを判定する。モードスイッチ37で掘削モードが選択された場合は、ステップS60の判定が否定され(NO)、ステップS61に移る。ステップS61では、制御部36Aは、プッシュスイッチ44のOFF指示信号が入力されたか否かを判定する。プッシュスイッチ44のOFF指示信号が入力されてない場合は、ステップS61の判定が否定され(NO)、前述のステップS60に戻って上記同様の手順を繰り返す。一方、例えばプッシュスイッチ44のOFF指示信号が入力された場合は、ステップS61の判定が肯定され(YES)、ステップS62の停止制御に移る。
ステップS62の停止制御では、表示装置25の制御部36Aは、表示装置25の電源をオフ状態へ切換える。また、ACCリレー45の接点を開状態に切換える。これにより、車体コントローラ20及び他の電装品の電源をオフ状態へ切換える。また、ACCリレー45の切換えに応じて、エンジンコントローラ26がエンジン6を停止させ、その後、自身の電源をオフとする。そして、本制御が終了する。
ステップ60にてモードスイッチ37でクレーンモードが選択された場合は、その判定が肯定され(YES)、ステップS63に移る。ステップS63では、制御部36Aは、吊り荷状態であるか否かを判定する。吊り荷状態でない場合は、ステップS63の判定が否定され(NO)、前述のステップS61に移って上記同様の手順を繰り返す。一方、吊り荷状態である場合は、ステップS63の判定が肯定され(YES)、ステップS64に移る。
ステップS64では、制御部36Aは、プッシュスイッチ44のOFF指示信号が入力されたか否かを判定する。プッシュスイッチ44のOFF指示信号が入力されてない場合は、ステップS64の判定が否定され(NO)、ステップS65に移る。ステップS65では、制御部36Aは、ゲートロックレバー22が乗降許可位置に操作されたか否かを判定する。ゲートロックレバー22が乗降規制位置に操作された場合は、ステップS65の判定が否定され(NO)、ステップS60に戻って上記同様の手順を繰り返す。一方、ゲートロックレバー22が乗降許可位置に操作された場合は、ステップS65の判定が肯定され(YES)、ステップS66に移る。
ステップS66では、制御部36Aは、モニタ39及びブザー40を制御して警報を作動させる。すなわち、モニタ39に警告表示を行わせるとともに、ブザー40を吹鳴させる。そして、ステップS67に進み、制御部36Aは、警報時間が規定時間に達しているか否かを判定する。警報時間が規定時間に達してない場合は、ステップS67の判定が否定され(NO)、ステップS68に移る。ステップS68では、制御部36Aは、吊り荷状態が解消したか否かを判定する。吊り荷状態が解消してない場合は、ステップS68の判定が否定され(NO)、前述のステップS60に戻って上記同様の手順を繰り返す。
ステップS66の警報が繰り返されて、ステップS67にて警報時間が規定時間に達した場合、その判定が肯定され(YES)、ステップS69に移る。また、ステップS68にて吊り荷状態が解消した場合、その判定が肯定され(YES)、ステップS69に移る。ステップS69では、制御部36Aは、モニタ39及びブザー40を制御して警報を停止させる。そして、前述のステップS60に戻って上記同様の手順を繰り返す。
ステップS64にてプッシュスイッチ44のOFF指示信号が入力された場合は、その判定が肯定され(YES)、ステップS70に移る。ステップS70では、制御部36Aは、モニタ39及びブザー40を制御して警報を作動させる。そして、ステップS67に進み、制御部36Aは、警報時間が規定時間に達しているか否かを判定する。警報時間が規定時間に達してない場合は、ステップS67の判定が否定され(NO)、ステップS68に移る。ステップS68では、制御部36Aは、吊り荷状態が解消したか否かを判定する。吊り荷状態が解消してない場合は、ステップS68の判定が否定され(NO)、前述のステップS60に戻って上記同様の手順を繰り返す。
ステップS70の警報が繰り返されて、ステップS67にて警報時間が規定時間に達した場合、その判定が肯定され(YES)、ステップS69に移る。また、ステップS68にて吊り荷状態が解消した場合、その判定が肯定され(YES)、ステップS69に移る。ステップS69では、制御部36Aは、モニタ39及びブザー40を制御して警報を停止させる。そして、前述のステップS60に戻って上記同様の手順を繰り返す。
なお、上記において、表示装置25の制御部36A(図6のステップS60、S63、S65、S66参照)、モニタ39、及びブザー40は、モード選択装置でクレーンモードが選択された場合、フックを用いた吊り荷状態にあり且つゲートロックレバーが乗降許可位置に操作されたか否かを判定し、この判定が肯定された場合に第2警報を出す第2警報装置を構成する。また、表示装置25の制御部36A(図6のステップS60、S63、S64、S70参照)、モニタ39、及びブザー40は、モード選択装置でクレーンモードが選択された場合、フックを用いた吊り荷状態にあり且つ原動機スイッチによる原動機の停止指示が行われたか否かを更に判定し、この判定が肯定された場合に第3警報を出す第2警報装置を構成する。
次に、本実施形態の動作及び作用効果を説明する。
運転者は、吊り荷状態のまま、クレーン作業を中断することが可能である。すなわち、運転者は、吊り荷状態のまま、例えばエンジン6を停止させる意図がなく、ゲートロックレバー22を乗降許可位置に操作して、運転室5から降りることが可能である。この場合、上述の図6のステップS60及びS63〜S65を経由してステップS66に進み、運転室5内の表示装置25のモニタ39及びブザー40が警報を出す。あるいは、運転者は、例えばエンジン6を停止させる意図でプッシュスイッチ44を操作してから、ゲートロックレバー22を乗降許可位置に操作して、運転室5から降りることが可能である。この場合、上述の図6のステップS60、S63、及びS64を経由してステップS70に進み、運転室5内の表示装置25のモニタ39及びブザー40が警報を出す。また、上述の図6のステップS62に移行しないので、エンジン6が停止しない。
したがって、吊り荷状態でクレーン作業を中断させない様に注意を促すことができる。
なお、第1及び第2の実施形態においては、図4のステップS55,S59及び図6のステップS66,S70の警報が、モニタ39の警告表示とブザー40の吹鳴である場合を例にとって説明したが、これに限られず、本発明の趣旨及び技術思想を逸脱しない範囲内で変形が可能である。すなわち、図4のステップS55,S59及び図6のステップS66,S70の警報が、例えばモニタ39の警告表示のみ、若しくはブザー40の吹鳴のみでもよい。あるいは、上部旋回体2の運転室5外に設けられたホーンの吹鳴を追加してもよい。また、ゲートロックレバー22が乗降許可位置に操作された場合(ステップS55又はS66)とエンジン6の停止指示が行われた場合(ステップS59又はS70)で、警報の種類(すなわち、報知器又は警報方法)を異ならせてもよい。
また、第1及び第2の実施形態においては、モードスイッチ37でクレーンモードが選択されたとき、フック16を用いた吊り荷状態にあり且つゲートロックレバー22が乗降許可位置に操作されたか否かを判定し、この判定が肯定された場合に警報を出す第1機能と、モードスイッチ37でクレーンモードが選択されたとき、フック16を用いた吊り荷状態にあり且つキースイッチ24又はプッシュスイッチ44によるエンジン6の停止指示が行われたか否かを判定し、この判定が肯定された場合に警報を出す第2機能とを有する場合を例にとって説明したが、これに限られず、本発明の趣旨及び技術思想を逸脱しない範囲内で変形が可能である。すなわち、前述した第1機能を有するものの、前述した第2機能を有しなくともよい。
また、第1及び第2の実施形態においては、表示装置25の制御部36は、車体コントローラ20の演算部42で演算された実荷重が所定の閾値以上であるか否かを判定することにより、フック16を用いた吊り荷状態であるか否かを判定する場合を例にとって説明したが、これに限られず、本発明の趣旨及び技術思想を逸脱しない範囲内で変形が可能である。すなわち、例えば荷15を撮影するたためのカメラ等を設け、このカメラの映像に基づいて吊り荷状態であるか否かを判定してもよい。
また、第1及び第2の実施形態においては、車体コントローラ20が演算部42及び判定部43を有し、表示装置25が制御部36又は36Aを有する場合(言い換えれば、演算部42及び判定部43が一体として構成され、それらと制御部36又は36Aが別体として構成された場合)を例にとって説明したが、これに限られず、本発明の趣旨及び技術思想を逸脱しない範囲内で変形が可能である。すなわち、例えば車体コントローラ20が演算部42を有し、表示装置25が判定部43及び制御部36又は36Aを有してもよい(言い換えれば、判定部43及び制御部36又は36Aが一体として構成され、それらと演算部42が別体として構成されてもよい)。また、例えば演算部42、判定部43、及び制御部36が一体として構成されもよいし、それぞれ別体として構成されてもよい。