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JP6605982B2 - パワーステアリング装置 - Google Patents
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JP6605982B2 - パワーステアリング装置 - Google Patents

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Description

本発明は、例えば自動車の操舵装置に適用され、ベルトを介して伝達されるモータの回転力でもってラック軸の移動をアシストする、いわゆるラックアシスト式のパワーステアリング装置に関する。
従来のラックアシスト式のパワーステアリング装置としては、例えば以下の特許文献1に記載されたものが知られている。
すなわち、このパワーステアリング装置は、所定の制御装置により駆動制御される電動モータの出力軸の先端部外周に固定された入力側プーリと、周知のラック・ピニオン機構を介してステアリングホイールに連係されるラック軸の外周にボールねじ機構を介して設けられ、前記入力側プーリに対して径方向に並列配置される出力側プーリと、がベルト部材により接続されることで、電動モータの回転力がラック軸の軸方向移動力へと変換・伝達される構成となっている。
そして、前記パワーステアリング装置では、前記ラック軸、前記両プーリ及びベルト部材を収容するハウジングに対し、前記電動モータのモータ要素を収容するモータハウジングが複数のボルトによって締結される構成となっている。すなわち、前記ハウジングに貫通形成された複数のボルト挿通孔が円弧状に形成されていて、該各ボルト挿通孔に前記各ボルトを挿通させた状態で入力側プーリの回転軸を偏心させるように、ハウジングに対してモータ要素と一体のモータハウジングを相対回動させることにより、前記電動モータの組み付けに伴ってベルトに張力を付与することが可能となっている。
特開2015−47977号公報
ところで、前記従来のパワーステアリング装置では、前記ラック軸、前記両プーリ及びベルト部材を収容するハウジングが、前記両プーリ及びベルト部材を収容する減速機構収容部を境に第1ハウジングと第2ハウジングとに分割して構成されていて、前記電動モータを反軸受側(前記軸受の反対側)に配置する場合には、前記第1、第2ハウジングを組み合わせた後でなければ前記ベルト部材の張力の調整を行うことができない。
しかし、前記両ハウジングを組み合わせた後に前記ベルト部材の張力の調整を行うとした場合には、予め出力側プーリにベルト部材の一方側を巻き掛け、該ベルト部材が弛んだ状態で前記減速機構収容部内に収容することによって、前記電動モータを組み付ける際に前記弛んだベルト部材に張力を付与することになる。
ところが、前記電動モータの組み付けに際しては、前記出力側プーリに巻き掛けたベルト部材の状態を確認することができないことから、前記ベルト部材の一方側が出力側プーリのフランジ部に乗り上げるなど適切な巻き掛けを行うことができないおそれがあった。
本発明は、かかる技術的課題に鑑みて案出されたものであり、ベルト部材の出力側プーリからの脱落を抑制し得るパワーステアリング装置を提供するものである。
本発明は、ステアリングホイールの回転に伴って軸方向移動することによって転舵輪の転舵に供する転舵軸と、該転舵軸の外周側に設けられるほぼ筒状のナットと、該ナットと前記転舵軸との間に構成されるボール循環溝内を転動して循環する複数のボールとを備え、前記ナットの回転速度を減速しながら前記ナットの回転を前記転舵軸の軸方向移動へと変換するボールねじ機構と、操舵状態に応じて前記転舵軸の軸方向移動力を補助する操舵アシスト力を発生させる電動モータと、前記ナットの一端部外周側に設けられ、該ナットを回転可能に支持する軸受と、前記ナットの他端部外周側に該ナットと一体回転可能に設けられ、幅方向の両側にフランジ部を有する出力側プーリと、前記電動モータの出力軸の外周側に一体回転可能に設けられ、幅方向の両側にフランジ部を有する入力プーリと、前記出力側プーリと前記入力側プーリとの間に巻き掛けられるベルト部材とを備え、前記電動モータの出力を前記転舵軸へと伝達する伝達機構と、内周側に前記軸受を収容する軸受収容部を有する第1ハウジングと、該第1ハウジングの前記軸受収容部に対向して配置され、内周側に前記伝達機構を収容する伝達機構収容部を有する第2ハウジングとを接合してなるハウジングと、前記第1ハウジングと対向する前記伝達機構収容部の側面に貫通形成され、外方から前記入力側プーリを前記伝達機構収容部の内周側へと挿入可能に設けられた貫通孔と、前記両プーリのフランジ部と該両プーリのフランジ部の外縁に共通する接線との接点間に、前記ベルト部材の外側面に対向する前記伝達機構収容部の内側面の少なくとも一部を突出させることにより設けられ、前記ベルト部材の前記出力側プーリからの脱落を規制する突起部と、を備え、前記ベルト部材は、周方向一方側が前記出力側プーリに巻き掛けられた状態で前記伝達機構収容部内に収容されており、前記ハウジング外より前記貫通孔を通じて前記電動モータの出力軸と共に前記伝達機構収容部内へと挿入された前記入力側プーリを前記出力側プーリに対して離間する方向へ回動することによって、周方向他方側が前記入力側プーリに巻き掛けられることを特徴としている。
本発明によれば、ハウジングに設けられた突起部によって、出力側プーリに巻き掛けたベルト部材の当該出力側プーリからの脱落を規制することができ、ベルト部材の適切な組み付けに供される。
本発明に係るパワーステアリング装置の正面図である。 図1に示す伝達機構近傍に係るラック軸の軸線方向に沿う断面図である。 本発明の第1実施形態を表した図2のA−A線断面に相当する図である。 図3の要部拡大図である。 図2のB−B線断面図である。 ベルトの組付作業工程の説明に供するモータユニット組み付け前の状態を表した斜視図である。 本発明の第2実施形態を表した図2のA−A線断面に相当する図である。
以下、本発明に係るパワーステアリング装置の各実施形態を図面に基づいて詳述する。なお、下記の実施形態では、このパワーステアリング装置を、従来と同様、自動車の操舵装置に適用したものを示している。
〔第1実施形態〕
図1〜図6は本発明に係るパワーステアリング装置の第1実施形態を示し、このパワーステアリング装置は、図1、図2に示すように、一端側が図示外のステアリングホイールと一体回転可能に連係される入力軸1と、一端側が図示外のトーションバーを介して入力軸1の他端側に相対回転可能に連結され、他端側がラック・ピニオン機構3を介して図示外の転舵輪に連係される出力軸2と、入力軸1の外周側に配置され該入力軸1と出力軸2との相対回転変位量に基づいて操舵トルクを検出するトルクセンサ4や図示外の車速センサなど各種のセンサによる検出結果に基づいて運転者の操舵トルクに応じた操舵アシストトルクを後述するラック軸5に付与するモータユニット30と、該モータユニット30の出力(回転力)を減速しつつ後述するラック軸5の軸方向の移動力へと変換して伝達する伝達機構20と、から主として構成されている。
前記ラック・ピニオン機構3は、出力軸2の一端部外周に形成された図示外のピニオン歯と、出力軸2の一端部にほぼ直交するように配置されるラック軸5の軸方向の所定範囲に形成される図示外のラック歯とが噛合してなるもので、出力軸2の回転方向に応じてラック軸5が軸方向へ移動するようになっている。そして、ラック軸5の軸方向端部はそれぞれ図示外のタイロッド及びナックルアームを介して左右の転舵輪に連係され、ラック軸5が軸方向へ移動して前記タイロッドを介して前記ナックルアームが引っ張られることで、前記各転舵輪の向きが変更されるようになっている。
前記ハウジング10は、ラック軸5の軸方向の一端側を収容する第1ハウジング11と、ラック軸5の他端側を収容する第2ハウジング12と、に2分割するかたちで構成され、これら両ハウジング11,12が複数のボルトB1〜B3を介して締結されている。ここで、当該ハウジング10の分割構造においては、その分割面が、後述するボールねじ24を構成するナット25の外周側に相当する軸方向位置となるように構成されている。
前記第1ハウジング11は、ラック軸5の一端側を収容するほぼ筒状の第1ラック軸収容部11aと、該第1ラック軸収容部11aの第2ハウジング12側の端部に拡径状に形成され、後述するナット25の軸受けに供する軸受6を収容保持する軸受保持部11bと、該軸受保持部11bの外端側に隣接して設けられ、ロックナット7が螺着することによって軸受6の外輪6aの挟持固定に供する雌ねじ部11cと、該雌ねじ部11cの外周域に延設され、前記第2ハウジング12との接合に供する第1フランジ部11dと、を備える。
ここで、前記軸受6は、軸受保持部11b内に収容され、ロックナット7によって抜け止め固定された外輪6aと、該外輪6aと径方向に対向するナット25の軸方向一端部に一体に形成された内輪6bと、前記外輪6aと前記内輪6bとの間に転動自在に収容された複数の転動体6cと、から構成されている。
前記第2ハウジング12は、ラック軸5の他端側を収容するほぼ筒状の第2ラック軸収容部12aと、該第2ラック軸収容部12aの第1ハウジング11側の端部の外周側に延設され、前記第1ハウジング11との接合に供する第2フランジ部12bと、該第2フランジ部12bの内周側に凹設され、前記伝達機構20の収容に供する伝達機構収容部13と、を備える。
前記伝達機構収容部13は、図2、図3に示すように、前記第2基準軸A2の周域に形成され、後述する入力側プーリ21の収容に供する入力側プーリ収容部13aと、前記第1基準軸A1の周域に形成され、後述する出力側プーリ22の収容に供する出力側プーリ収容部13bと、前記両プーリ収容部13a,13bを連通するように該両プーリ収容部13a,13bに共通する接線に基づいて画成され、後述するベルト23の収容に供するベルト収容部13cと、を備える。
そして、前記ベルト収容部13cの一方側の内側面には、図3、図4に示すように、後述するベルト23の脱落規制に供する突起部14が設けられている。この突起部14は、前記入力側プーリ21及び出力側プーリ22の両フランジ部21b,22cとこれら両フランジ部21b,22cの外縁に共通する接線TPとの接点P1,P2間に設けられ、前記ベルト収容部13cの一方側の内側面の少なくとも一部をベルト23側へと突出させることによって形成されている。
換言すれば、前記突起部14は、入力側プーリ収容部13aの外縁と出力側プーリ収容部13bの外縁とを接続する両収容部13a,13b間の共通接線TW(図4中の仮想線参照)によって画成される従来のベルト収容部13cの側壁を内側へ所定量Xだけオフセットすることにより、ほぼ突条状に形成されている。
そして、かかる突条状に形成された突起部14は、前記両接点P1,P2間の領域のうち出力側プーリ収容部13bに隣接して設けられると共に、出力側プーリ22側の前記接点P2との最小隙間Cxが、ベルト23の厚さTx以下となるように構成されている。
また、前記ベルト収容部13cの一方側の側面には、前記突起部14と重合する領域に、ハウジング10(第2ハウジング12)の外部と連通してベルト23の張力の調整に供する調整用孔15が貫通形成されている。この調整用孔15の内端側には、該調整用孔15を封止するためのプラグ8の螺着に供する雌ねじ部15aが形成されていて、前記ベルト23の張力調整を行わないときは、前記雌ねじ部15aを介して螺着される前記プラグ8によって当該調整用孔15が封止されるようになっている。
前記伝達機構20は、図2に示すように、後述する電動モータ31の出力軸36の先端部外周側に一体回転可能に設けられ、この出力軸36の軸線に相当する第2基準軸A2を中心に回転する入力側プーリ21と、ラック軸5の外周側に相対回転可能に設けられ、前記入力側プーリ21の回転力に基づきラック軸5の軸線に相当する第1基準軸A1を中心に回転する出力側プーリ22と、前記両プーリ21,22間に跨って巻き掛けられ、入力側プーリ21の回転を出力側プーリ21へ伝達することによって前記両プーリ21,22の同期回転に供するベルト23と、前記出力側プーリ22とラック軸5との間に介装され、出力側プーリ22の回転を減速しながらラック軸5の軸方向運動へと変換するボールねじ24と、から主として構成され、全体が前記伝達機構収容部13内に収容されている。
前記入力側プーリ21は、前記出力側プーリ22と比べて比較的小径なほぼ円筒状を呈し、内周側に貫通形成された貫通孔21aを介して電動モータ31の出力軸36に圧入されることによって、該出力軸36と一体回転可能に設けられている。
また、この入力側プーリ21には、軸方向両端側にそれぞれほぼ円環状の1対のフランジ部21b,21bが拡径状に設けられていて、これら両フランジ部21b,21bによって該両フランジ部21b,21bの間に前記ベルト23の上端側の巻き掛けに供するベルト巻き掛け部21cが周方向に沿って形成されている。
前記出力側プーリ22は、ほぼ有底円筒状を呈し、軸方向一端側に後述するナット25への被嵌に供する嵌合凹部22aが開口形成されると共に、他端側端壁にラック軸5を挿通する軸挿通孔22bが貫通形成されている。すなわち、この出力側プーリ22は、嵌合凹部22aを介して後述するナット25に第2ハウジング12側から被嵌して、軸挿通孔22bの外周域に設けられた複数のボルト挿通孔(図示外)に挿通される複数のボルトB4を介してナット25と一体回転可能に設けられている。
また、この出力側プーリ22には、軸方向両端側にそれぞれほぼ円環状の1対のフランジ部22c,22cが拡径状に設けられていて、これら両フランジ部22c,22cによって該両フランジ部22c,22cの間に前記ベルト23の下端側の巻き掛けに供するベルト巻き掛け部22dが周方向に沿って形成されている。
前記ベルト23は、内部にガラス繊維や鋼線等が芯材として埋設されてなるVベルトであって、出力側プーリ22の周方向一方側(第2ハウジング12側)においてフランジ部22c,22cの外縁よりも内周側に収容されることで、他方側(第1ハウジング11側)においてもフランジ部22c,22cの内周側に収容可能となるような所定の剛性に設定されている。
前記ボールねじ24は、ラック軸5を包囲する筒状に形成され、該ラック軸5に対して相対回転自在に設けられたナット25と、ラック軸5の外周に設けられた螺旋状の軸側ボールねじ溝26aとナット25の内周に設けられた螺旋状のナット側ボールねじ溝26bとにより構成される所定のリード角を有するボール循環溝26と、該ボール循環溝26内にて転動可能に介装された複数のボール27と、前記ボール循環溝26の両端部を繋いで該ボール循環溝26の両端部間における前記ボール27の循環に供する筒状のチューブ28と、から主として構成されている。
前記モータユニット30は、図1、図2に示すように、後述する出力軸36が突出する軸方向一端側が第2ハウジング12の伝達機構収容部13の外側部に取付固定され、前記操舵アシストトルクを発生させる電動モータ31と、該電動モータ31の他端側に付設され、操舵トルク及び車両速度等に応じて前記電動モータ31を駆動制御する電子コントローラ32と、が一体的に構成されたものである。そして、このモータユニット30は、複数のボルトB1〜B3を介して後述するモータハウジング33を第1、第2ハウジング11,12と共締めすることによってハウジング10に取付固定される。
前記電動モータ31は、いわゆる3相交流式の表面磁石型同期モータであり、第2フランジ部12bと対向する軸方向一端側が閉塞され、かつ他端側が開口されたほぼ有底円筒状のモータハウジング33と、該モータハウジング33の内周面に焼き嵌めにより固定されたほぼ円筒状のステータ34と、該ステータ34の内周側に設けられるほぼ円筒状のロータ35と、該ロータ35の内周に一体回転可能に固定され、前記ロータ35の回転を出力する出力軸36と、を備え、モータハウジング33の一端側外周部には、それぞれ袋状に形成された前記ボルトB1〜B3が螺着する複数の雌ねじ穴33aが設けられている。
前記電子コントローラ32は、軸方向一端側がモータハウジング33の他端部外周側に被嵌するほぼ筒状のボディ37aと該ボディ37aの他端側を閉塞するカバー37bとから構成される制御ハウジング37と、該制御ハウジング37内に収容され、回転角センサ38の出力信号に基づいて電動モータ31の通電を制御するマイクロコンピュータ等の電子部品が搭載された制御基板39と、を備え、前記制御ハウジング37がモータハウジング33の他端側開口を閉塞するように取り付けられることによって、電動モータ31と一体的に構成されている。
また、前記モータハウジング33は、第1基準軸A1と第2基準軸A2との軸間距離Sxの調整に供する軸間調整手段を介してハウジング10に取り付けられ、当該軸間調整手段を介してハウジング10に対しモータハウジング33を相対回動させることによって第1基準軸A1と第2基準軸A2との軸間距離Sxを変化させることで、前記両プーリ21,22間に巻き掛けられたベルト23の張力を調整することが可能となっている。
前記軸間調整手段は、図2、図3、図5に示すように、第1フランジ部21b及び第2フランジ部22cの外周縁部に設けられ、ハウジング10に対するモータハウジング33の相対回動時におけるボルトB1〜B3の軌道に沿って切欠形成されたほぼスリット状の第1ボルト挿通孔41〜43及び第2ボルト挿通孔44〜46と、モータハウジング33の一端部外周側に突設され、ボルトB1〜B3が螺着する袋状の雌ねじ穴47〜49と、第1、第2ボルト挿通孔41〜43,44〜46に挿通されて雌ねじ穴47〜49に螺着されることで前記両ハウジング10,33の締結に供するボルトB1〜B3と、前記ハウジング10に対するモータハウジング33の相対回動の支持に供する相対回動支持機構50と、から主として構成される。
すなわち、前記軸間調整手段は、前記相対回動支持機構50による支持状態において、前記第1基準軸A1及び第2基準軸A2と平行かつ該両基準軸A1,A2に対し径方向に所定量Yだけオフセットするように設けられた第3基準軸A3を中心として、モータハウジング33をハウジング10(第2ハウジング12)に対し相対回動させることで、前記両基準軸A1,A2の軸間距離Sxを変化させることが可能となっている。
前記相対回動支持機構50は、前記モータハウジング33の第2ハウジング12との接合面に前記第3基準軸A3を中心とした断面円形状となるように突設され、かつ内周部に電動モータ31の出力軸36の挿通に供する軸挿通孔51aが貫通形成された嵌挿部51と、前記第2ハウジング12のモータハウジング33との接合面に前記第3基準軸A3を中心とした断面円形状となるように凹設され、その内周側において前記嵌挿部51が嵌合し、かつ相対回動可能な内周面を有する受容部52と、から主として構成される。
前記受容部52には、その端壁を構成する前記伝達機構収容部13の側面に、前記電動モータ31の出力軸36に固定された入力側プーリ21の外方からの挿入に供する貫通孔52aが貫通形成されている。この貫通孔52aは、第2基準軸A2を中心とした所定の内径に設定され、前記軸間調整手段による前記両基準軸A1,A2の調整代が確保されている。
以下、前記パワーステアリング装置におけるベルト23の組付作業について説明する。
まず、前記ボールねじ24が組み付けられたラック軸5の一端側を第1ハウジング11の第1ラック軸収容部11a内に収容しつつ、軸受6を組み付けた後、ボールねじ24のナット25の他端部外周に出力側プーリ22を被嵌して、該出力側プーリ22をボルトB4によってナット25に固定する。
続いて、前記出力側プーリ22のベルト巻き掛け部22dにベルト23を巻き掛けてから、図6に示すように、ラック軸5の他端側を第2ハウジング12の第2ラック軸収容部12a内に収容しつつ、当該第2ハウジング12のフランジ部12bを第1ハウジング11のフランジ部11dに接合する。
前記両ハウジング11,12を接合した後、予め組み立てられた前記モータユニット30における出力軸36の先端部外周に入力側プーリ21を圧入固定した後、該入力側プーリ21を、第2ハウジング12の貫通孔52aを通じて伝達機構収容部13(入力側プーリ収容部13a)内へと挿入し、ベルト23の上端側を前記入力側プーリ21のベルト巻き掛け部21cに巻き掛ける。
ここで、従来では、前記ベルト23の入力側プーリ21への巻き掛けに際し、該ベルト23には未だ張力が付与されていないため、該ベルト23の全部又は一部が出力側プーリ22から脱落(フランジ部22b,22bへの乗り上げを含む)してしまうおそれがあったものの、前記両ハウジング11,12を接合することでベルト23の出力側プーリ22への巻き掛け状態を確認することができなくなる結果、該出力側プーリ22に対するベルト23の適切な巻き掛けが困難なものとなっていた。
これに対して、本実施形態に係るパワーステアリング装置では、図3、図4に示すように、入力側プーリ21及び出力側プーリ22のフランジ部21b,22cと前記接線TPとの接点P1,P2の間に突起部14が設けられていることから、該突起部14によって、出力側プーリ22のベルト巻き掛け部22dに巻き掛けられたベルト23の脱落を規制することができる。これにより、ベルト23のベルト巻き掛け部22dへの巻き掛け状態が維持され、該ベルト23の前記両プーリ21,22への適切な巻き掛けを確保することができる。
こうして、前記両プーリ21,22にベルト23を巻き掛けた後は、前記各ボルトB1〜B3を第1、第2ハウジング11,12の第1、第2ボルト挿通孔41〜43,44〜46に挿通すると共にモータハウジング33の雌ねじ穴47〜49に螺着させて、ハウジング10に対するモータハウジング33の仮止めを行う。
そして、前記モータユニット30を仮止めした後、ベルト23に対する張力の付与及び調整を行う。すなわち、前記ハウジング10に対してモータハウジング33の相対回動が可能となる仮止め状態にて、ハウジング10を固定したまま該ハウジング10に対してモータハウジング33を相対回動させる。
具体的には、前記調整用孔15を通じてベルト23の張力を確認しながら、前記第3基準軸A3を中心に、ハウジング10に対してモータハウジング33を、出力側プーリに対して入力側プーリが離間する方向、すなわち第1基準軸A1に対して第2基準軸A2が離間する方向へ相対回動させる。
そして、前記ベルト23の張力が規定値に到達したところで前記相対回動を停止させ、当該位相を維持したまま、前記各ボルトB1〜B3を増し締めして前記両ハウジング10,33を完全に締結することによって、前記ベルト23の組付作業が完了することとなる。
以上のように、本実施形態に係るパワーステアリング装置では、前記入力側プーリ21及び出力側プーリ22のフランジ部21b,22cと前記接線TPとの接点P1,P2間に、ハウジング10(第2ハウジング12)の一部を突出させてなる突起部14が設けられている。このため、当該突起部14により、出力側プーリ22に巻き掛けたベルト23の当該出力側プーリ22から脱落を規制することができ、当該ベルト23の適切な組み付けに供される。
具体的には、出力側プーリ22の前記接線TPとの接点P2における突起部14との間の最小隙間Cxがベルト23の厚さTx以下となるように構成されていることで、前記ベルト23の良好な脱落規制を図ることができる。
また、前記パワーステアリング装置では、前記伝達機構収容部13において、前記突起部14が前記脱落規制の対象である出力側プーリ収容部13bに隣接して設けられている。これにより、前記ベルト23の出力側プーリ22からの脱落をより効果的に規制することができる。
さらに、前記突起部14には、伝達機構収容部13の内外を連通してベルト23の張力の調整に供する調整用孔15が設けられている。このように、比較的大きな肉厚となりうる突起部14を利用して前記調整用孔15を設けることにより、ハウジング10の肉厚の増大化を伴うことなく、当該調整用孔15の大きな調整代を確保することができる。
加えて、前記突起部14は、前記伝達機構収容部13において、ベルト23の直線部23a,23a(図3参照)と対向する内側面のうち一方側(プラグ82が螺着される側)の内側面のみに設けられている。このように、前記突起部14を伝達機構収容部13の一方側の内側面のみに設けることにより、当該突起部14を設けたことによるハウジング10の重量の増大、ひいてはパワーステアリング装置の重量の増大を抑制することができる。
また、前記突起部14をハウジング10の一方側の内側面に配置するに際し、前記パワーステアリング装置では、ベルト23が、出力側プーリ22の周方向一方側において前記フランジ部22c,22cの外縁よりも内周側に収容されることで他方側においても前記フランジ部22c,22cの内周側に収容可能な剛性に設定されている。すなわち、このような剛性に設定することにより、突起部14を前記一方側の内側面に配置するのみで足り、パワーステアリング装置の重量の増大化を抑制できるメリットがある。
〔第2実施形態〕
図7は、本発明に係るパワーステアリング装置の第2実施形態を示したものであり、前記第1実施形態に係るベルト23の脱落規制の方法を変更したものである。なお、それ以外の構成については前記第1実施形態と同様であることから、以下では、図7を基に、前記第1実施形態と異なる構成のみを説明する。
すなわち、本実施形態に係るパワーステアリング装置では、前記ベルト23の外側面に対向する前記伝達機構収容部13の内側面と前記出力側プーリ22のフランジ部22c,22cの外縁との径方向間の間隔Cyが、ベルト23の厚さTx以下となるように設定されている。
このように、本実施形態に係るパワーステアリング装置では、伝達機構収容部13の内側面と出力側プーリ22のフランジ部22c,22cの外縁との径方向間の間隔Cyがベルト23の厚さTx以下となるように設定されていることにより、かかる狭小の間隔Cyを構成する前記出力側プーリ22のフランジ部22c,22cをもって、この出力側プーリ22に巻き掛けたベルト23の当該出力側プーリ22からの脱落を規制することができ、当該ベルト23の適切な組み付けに供される。
本発明は前記実施形態の構成に限定されるものではなく、例えば前記突起部14は、前記実施形態で例示したようなベルト収容部13cの長手方向のほぼ全範囲に亘って形成した突条のほか、前記ベルト収容部13cの内側面の一部を突出させて形成した突起状のものなど、本発明の作用効果を奏し得る形態であれば、適用するパワーステアリング装置の仕様等に応じて自由に変更可能である。
以上説明した実施形態に基づくパワーステアリング装置としては、例えば、以下に述べる態様のものが考えられる。
すなわち、当該パワーステアリング装置は、その1つの態様において、ステアリングホイールの回転に伴って軸方向移動することによって転舵輪の転舵に供する転舵軸と、該転舵軸の外周側に設けられるほぼ筒状のナットと、該ナットと前記転舵軸との間に構成されるボール循環溝内を転動して循環する複数のボールとを備え、前記ナットの回転速度を減速しながら前記ナットの回転を前記転舵軸の軸方向移動へと変換するボールねじ機構と、操舵状態に応じて前記転舵軸の軸方向移動力を補助する操舵アシスト力を発生させる電動モータと、前記ナットの一端部外周側に設けられ、該ナットを回転可能に支持する軸受と、前記ナットの他端部外周側に該ナットと一体回転可能に設けられ、幅方向の両側にフランジ部を有する出力側プーリと、前記電動モータの出力軸の外周側に一体回転可能に設けられ、幅方向の両側にフランジ部を有する入力プーリと、前記出力側プーリと前記入力側プーリとの間に巻き掛けられるベルト部材とを備え、前記電動モータの出力を前記転舵軸へと伝達する伝達機構と、内周側に前記軸受を収容する軸受収容部を有する第1ハウジングと、該第1ハウジングの前記軸受収容部に対向して配置され、内周側に前記伝達機構を収容する伝達機構収容部を有する第2ハウジングとを接合してなるハウジングと、前記第1ハウジングと対向する前記伝達機構収容部の側面に貫通形成され、外方から前記入力側プーリを前記伝達機構収容部の内周側へと挿入可能に設けられた貫通孔と、前記両プーリのフランジ部と該両プーリのフランジ部の外縁に共通する接線との接点間に、前記ベルト部材の外側面に対向する前記伝達機構収容部の内側面の少なくとも一部を突出させることにより設けられ、前記ベルト部材の前記出力側プーリからの脱落を規制する突起部と、を備え、前記ベルト部材は、周方向一方側が前記出力側プーリに巻き掛けられた状態で前記伝達機構収容部内に収容されており、前記ハウジング外より前記貫通孔を通じて前記電動モータの出力軸と共に前記伝達機構収容部内へと挿入された前記入力側プーリを前記出力側プーリに対して離間する方向へ回動することによって、周方向他方側が前記入力側プーリに巻き掛けられる。
前記パワーステアリング装置の好ましい態様において、前記出力側プーリの前記接線との接点と前記突起部との間の最小隙間が前記ベルト部材の厚さ以下となるように構成されている。
別の好ましい態様では、前記パワーステアリング装置の態様のいずれかにおいて、前記突起部は、前記伝達機構収容部の内外を連通して前記ベルト部材の張力の調整に供する調整用孔を有する。
さらに別の好ましい態様では、前記パワーステアリング装置の態様のいずれかにおいて、前記伝達機構収容部は、前記ベルト部材の延出方向一方側において前記入力側プーリを収容する入力側収容部と、他方側において前記出力側プーリを収容する出力側収容部とを有し、前記突起部は、前記伝達機構収容部において、前記出力側収容部に隣接して設けられている。
さらに別の好ましい態様では、前記パワーステアリング装置の態様のいずれかにおいて、前記突起部は、前記伝達機構収容部において、前記ベルト部材の1対の直線部と対向する内側面のうち一方側の内側面のみに設けられている。
さらに別の好ましい態様では、前記パワーステアリング装置の態様のいずれかにおいて、前記ベルト部材は、前記出力側プーリの周方向一方側において前記フランジ部の外縁よりも内周側に収容されることで他方側においても前記フランジ部の内周側に収容可能な剛性に設定されている。
また、別の観点から、パワーステアリング装置は、ステアリングホイールの回転に伴って軸方向移動することによって転舵輪の転舵に供する転舵軸と、該転舵軸の外周側に設けられるほぼ筒状のナットと、該ナットと前記転舵軸との間に構成されるボール循環溝内を転動して循環する複数のボールとを備え、前記ナットの回転速度を減速しながら前記ナットの回転を前記転舵軸の軸方向移動へと変換するボールねじ機構と、操舵状態に応じて前記転舵軸の軸方向移動力を補助する操舵アシスト力を発生させる電動モータと、前記ナットの一端部外周側に設けられ、該ナットを回転可能に支持する軸受と、前記ナットの他端部外周側に該ナットと一体回転可能に設けられ、幅方向の両側にフランジ部を有する出力側プーリと、前記電動モータの出力軸の外周側に一体回転可能に設けられ、幅方向の両側にフランジ部を有する入力プーリと、前記出力側プーリと前記入力側プーリとの間に巻き掛けられるベルト部材とを備え、前記電動モータの出力を前記転舵軸へと伝達する伝達機構と、内周側に前記軸受を収容する軸受収容部を有する第1ハウジングと、該第1ハウジングの前記軸受収容部に対向して配置され、内周側に前記伝達機構を収容する伝達機構収容部を有する第2ハウジングとを接合してなるハウジングと、前記第1ハウジングと対向する前記伝達機構収容部の側面に貫通形成され、外方から前記入力側プーリを前記伝達機構収容部の内周側へと挿入可能に設けられた貫通孔と、を備え、前記ベルト部材の外側面に対向する前記伝達機構収容部の内側面と前記出力側プーリのフランジ部の外縁との径方向間の間隔が前記ベルト部材の厚さ以下となるように設定され、前記ベルト部材は、周方向一方側が前記出力側プーリに巻き掛けられた状態で前記伝達機構収容部内に収容されており、前記ハウジング外より前記貫通孔を通じて前記電動モータの出力軸と共に前記伝達機構収容部内へと挿入された前記入力側プーリを前記出力側プーリに対して離間する方向へ回動することによって、周方向他方側が前記入力側プーリに巻き掛けられる。
5…ラック軸(転舵軸)
10…ハウジング
11…第1ハウジング
12…第2ハウジング
13…伝達機構収容部
14…突起部
20…伝達機構
21…入力側プーリ
21b…フランジ部
22…出力側プーリ
22c…フランジ部
23…ベルト(ベルト部材)
24…ボールねじ(ボールねじ機構)
25…ナット
26…ボール循環溝
27…ボール
31…電動モータ
36…出力軸
52a…貫通孔

Claims (5)

  1. ステアリングホイールの回転に伴って軸方向移動することによって転舵輪の転舵に供する転舵軸と、該転舵軸の外周側に設けられるほぼ筒状のナットと、該ナットと前記転舵軸との間に構成されるボール循環溝内を転動して循環する複数のボールとを備え、前記ナットの回転速度を減速しながら前記ナットの回転を前記転舵軸の軸方向移動へと変換するボールねじ機構と、
    操舵状態に応じて前記転舵軸の軸方向移動力を補助する操舵アシスト力を発生させる電動モータと、
    前記ナットの一端部外周側に設けられ、該ナットを回転可能に支持する軸受と、
    前記ナットの他端部外周側に該ナットと一体回転可能に設けられ、幅方向の両側にフランジ部を有する出力側プーリと、前記電動モータの出力軸の外周側に一体回転可能に設けられ、幅方向の両側にフランジ部を有する入力プーリと、前記出力側プーリと前記入力側プーリとの間に巻き掛けられるベルト部材とを備え、前記電動モータの出力を前記転舵軸へと伝達する伝達機構と、
    内周側に前記軸受を収容する軸受収容部を有する第1ハウジングと、該第1ハウジングの前記軸受収容部に対向して配置され、内周側に前記伝達機構を収容する伝達機構収容部を有する第2ハウジングとを接合してなるハウジングと、
    前記第1ハウジングと対向する前記伝達機構収容部の側面に貫通形成され、外方から前記入力側プーリを前記伝達機構収容部の内周側へと挿入可能に設けられた貫通孔と、
    前記両プーリのフランジ部と該両プーリのフランジ部の外縁に共通する接線との接点間に、前記ベルト部材の外側面に対向する前記伝達機構収容部の内側面の少なくとも一部を突出させることにより設けられ、前記ベルト部材の前記出力側プーリからの脱落を規制する突起部と、
    を備え、
    前記出力側プーリの前記接線との接点と前記突起部との間の最小隙間が、前記ベルト部材の厚さ以下となるように構成され、
    前記ベルト部材は、周方向一方側が前記出力側プーリに巻き掛けられた状態で前記伝達機構収容部内に収容されており、前記ハウジング外より前記貫通孔を通じて前記電動モータの出力軸と共に前記伝達機構収容部内へと挿入された前記入力側プーリを前記出力側プーリに対して離間する方向へ回動することによって、周方向他方側が前記入力側プーリに巻き掛けられることを特徴とするパワーステアリング装置。
  2. 前記突起部は、前記伝達機構収容部の内外を連通して前記ベルト部材の張力の調整に供する調整用孔を有することを特徴とする請求項1に記載のパワーステアリング装置。
  3. 前記伝達機構収容部は、前記ベルト部材の延出方向一方側において前記入力側プーリを収容する入力側収容部と、他方側において前記出力側プーリを収容する出力側収容部とを有し、
    前記突起部は、前記伝達機構収容部において、前記出力側収容部に隣接して設けられていることを特徴とする請求項1に記載のパワーステアリング装置。
  4. 前記突起部は、前記伝達機構収容部において、前記ベルト部材の1対の直線部と対向する内側面のうち一方側の内側面のみに設けられていることを特徴とする請求項1に記載のパワーステアリング装置。
  5. 前記ベルト部材は、前記出力側プーリの周方向一方側において前記フランジ部の外縁よりも内周側に収容されることで他方側においても前記フランジ部の内周側に収容可能な剛性に設定されていることを特徴とする請求項に記載のパワーステアリング装置。
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