以下、添付図を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。以下の実施形態は、本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。なお、説明の便宜上、本発明の実施形態に係る画像形成装置10が使用可能な設置状態(図1に示す状態)の鉛直方向を上下方向6と定義する。また、前記設置状態において操作表示パネル17が設けられた側の面を正面(前面)として前後方向7を定義する。また、前記設置状態の画像形成装置10の正面を基準として左右方向8を定義する。
まず、図1及び図2を参照して画像形成装置10の構成について説明する。
図1に示されるように、画像形成装置10は、プリンター、複写機、FAX装置、及びスキャナーなどの各機能を備える複合機である。この画像形成装置10は、入力された画像をトナーなどの印刷材料を用いて印刷用紙に画像を形成する。なお、画像形成装置10は複合機に限られず、プリンターや複写機、FAX装置などの専用機であっても、本発明は適用可能である。
画像形成装置10は、画像読取部12と、画像形成部14とを備える。画像読取部12は、原稿の画像を読み取る処理を行うものであり、画像形成装置10の上部に設けられている。画像形成部14は、電子写真方式に基づいて画像を形成する処理を行う。また、画像形成部14は、上下二段に配置された2つの給紙装置27,28(シート搬送装置の一例)を備える。上側の給紙装置27は、画像形成部14の最下部に筐体29と一体に設けられている。下側の給紙装置28は、画像形成部14の筐体29の底面にオプションデバイスとして連結された増設タイプのものである。給紙装置28は、筐体29の底面に着脱可能に構成されている。また、画像形成部14の右側には、画像形成後の印刷用紙を外部に排出するための用紙排出部30が設けられている。なお、画像形成部14は電子写真方式のものに限られず、インクジェット記録方式のものであっても、或いはそれ以外の記録方式又は印刷方式のものであってもかまわない。
画像読取部12は、原稿載置台23にセットされた原稿の画像データを読み取る。また、図2に示されるように、画像読取部12はADF(自動原稿送り装置)13を備えている。ADF13は、原稿カバー24に設けられている。ADF13によって原稿が読取位置へ搬送されると、読取位置を通過する原稿の画像が画像読取部12によって読み取られる。なお、図1では、画像読取部12の原稿カバー24の図示が省略されている。
画像形成部14は、画像読取部12で読み取られた画像データや外部から入力された画像データに基づいて、A判サイズやB判サイズなどの規定サイズの印刷用紙(シート部材)に画像を形成する。図2に示されるように、画像形成部14は、主として、給紙装置27,28、電子写真方式の画像転写部18、定着部19、用紙搬送部60、及び駆動装置101を備えている。画像が形成された印刷用紙は排紙スペース21に排出される。
給紙装置27,28は、印刷用紙を縦搬送路26へ給送する。給紙装置27,28それぞれは、トレイ形状の用紙収容部22と、給送機構15(15A,15B)とを備えている。用紙収容部22に、画像転写部18によって画像が形成される印刷用紙が積載されている。給送機構15は、用紙収容部22の右端部の上側に設けられている。各給送機構15は、用紙収容部22に収容された印刷用紙を一枚ずつ取り出して給送する。給紙装置27の給送機構15Aは、ピックアップローラー51Aと、一対のローラーからなる給送ローラー対52Aとを備えている。給紙装置28の給送機構15Bは、ピックアップローラー51Bと、一対のローラーからなる給送ローラー対52Bとを備えている。
給紙装置27の上方に画像転写部18が設けられている。画像転写部18は、感光体ドラム31と、帯電部32と、現像部33と、光走査装置34と、転写ローラー35と、クリーニング部36と、を備えている。
定着部19は、印刷用紙に転写されたトナー像を熱によってその印刷用紙に定着させる。定着部19は、加熱ローラー41と加圧ローラー42とを備える。定着部19によって印刷用紙にトナーが定着される。
縦搬送路26の終端には、印刷用紙が排出される用紙排出口37が設けられている。用紙排出口37の近傍には、排出ローラー対25が設けられている。印刷用紙は、排出ローラー対25によって用紙排出口37から排紙スペース21へ向けて搬送される。
駆動装置101は、給紙装置27,28の各ピックアップローラー51A,51Bを回転駆動する。
以下、図3乃至図10を参照して、駆動装置101の構成について詳細に説明する。
図3に示すように、駆動装置101は、水平方向に長い直方体形状の筐体102を備える。筐体102の内部には、支持フレーム(不図示)が設けられている。筐体102及び前記支持フレームに、駆動装置101を構成する各構成要素が取り付けられている。また、筐体102には、後述の移動ギヤ123を揺動可能に保持するブラケット110が設けられている。このブラケット110は、筐体102に固定保持されている。
図3に示すように、駆動装置101は、第1出力部105と、第2出力部106とを備える。駆動装置101は、第1出力部105及び第2出力部106の回転速度を切り替えるものである。第1出力部105及び第2出力部106は、後述のモーター121(駆動源の一例)の回転駆動力を出力するための駆動出力部である。第1出力部105及び第2出力部106は、筐体102の長手方向(幅方向)へ離間して配置されている。第1出力部105は、筐体102の側面から外側へ突出する回転軸105Aと、回転軸105Aの先端に固定された第1連結ギヤ105Bとを有する。第2出力部106は、筐体102の側面から外側へ突出する回転軸106Aと、回転軸106Aの先端に固定された第2連結ギヤ106Bとを有する。
第1連結ギヤ105Bは、ピックアップローラー51A(図2参照)に連結して、ピックアップローラー51Aを回転可能としている。第2連結ギヤ106Bは、ピックアップローラー51B(図2参照)に連結して、ピックアップローラー51Bを回転可能としている。
図4は、駆動装置101の内部構造を示す斜視図である。図4では、筐体102が省略されている。
図3及び図4に示すように、駆動装置101は、回転駆動力を供給するモーター121と、駆動ギヤ122と、移動ギヤ123と、第1ギヤ部124と、第1入力ギヤ125と、第2ギヤ部126と、アイドルギヤ128と、第2入力ギヤ129と、伝達ギヤ131と、伝達ギヤ132と、を備える。駆動ギヤ122、第1ギヤ部124、第1入力ギヤ125、第2ギヤ部126、アイドルギヤ128、第2入力ギヤ129、伝達ギヤ131、及び伝達ギヤ132は、筐体102及び前記支持フレームに設けられた各軸受け部に回転可能に保持される。モーター121が回転駆動すると、その回転駆動力は、モーター121の回転方向に応じて、後述の第1伝達経路R1(図5の破線参照)又は第2伝達経路R2(図5の点線参照)のいずれかを経て、第1出力部105及び第2出力部106に伝達される。なお、本実施形態では、駆動源の一例としてモーター121を例示するが、本発明の駆動源は、駆動装置101の外部に設けられたモーターの回転駆動力を駆動装置101の駆動ギヤ122に伝達するギヤなどの駆動伝達機構であってもよい。
図5に示されるように、前記第1伝達経路R1は、駆動ギヤ122、移動ギヤ123、第1ギヤ部124、第1入力ギヤ125を介して第1出力部105の回転軸105Aに駆動伝達する経路と、第1ギヤ部124から分岐して伝達ギヤ131、伝達ギヤ132、第2ギヤ部126、アイドルギヤ128、第2入力ギヤ129を介して第2出力部106の回転軸106Aに駆動伝達する経路を含む。前記第1伝達経路R1に含まれる前記各ギヤからなるギヤ群は、所定の減速比でモーター121の回転駆動力を第1出力部105及び第2出力部106に伝達するものであり、本発明の第1駆動伝達部の一例である。
また、前記第2伝達経路R2は、駆動ギヤ122、移動ギヤ123、第2ギヤ部126、アイドルギヤ128、第2入力ギヤ129を介して第2出力部106の回転軸106Aに駆動伝達する経路と、第2ギヤ部126から分岐して伝達ギヤ132、伝達ギヤ131、第1ギヤ部124、第1入力ギヤ125を介して第1出力部105の回転軸105Aに駆動伝達する経路を含む。前記第2伝達経路R2に含まれる前記各ギヤからなるギヤ群は、前記第1伝達経路R1に対して異なる減速比でモーター121の回転駆動力を第1出力部105及び第2出力部106に伝達するものであり、本発明の第2駆動伝達部の一例である。
本実施形態に係る駆動装置101は、モーター121からの回転駆動力を、モーター121の回転方向に応じて、前記第1伝達経路R1を経て第1出力部105及び第2出力部106に伝達し、或いは、前記第2伝達経路R2を経て第1出力部105及び第2出力部106に伝達する。これにより、駆動装置101は、第1出力部105及び第2出力部106の回転速度を切り替えることができる。
モーター121は、正逆回転可能なDCブラシレスモーターである。モーター121は、筐体102内の下方に固定保持されている。モーター121に印加する電圧を変えることで、モーター121は変速することができる。なお、モーター121はステッピングモーターであってもよい。
モーター121のモーター軸(出力軸)には平歯車からなる駆動ギヤ122が固着されている。したがって、モーター121が正回転方向に回転駆動すると駆動ギヤ122は正回転し、モーター121が逆回転方向に回転駆動すると駆動ギヤ122は逆回転する。つまり、駆動ギヤ122は、モーター121の正逆回転に応じた方向に回転する。駆動ギヤ122は、平歯車からなる移動ギヤ123に噛合している。なお、駆動ギヤ122は、モーター121に固着したギヤに限らず、モーター121のモーター軸に固定された出力ギヤに噛合するギヤであってもよい。また、駆動ギヤ122は、はすば歯車を用いることもできる。これにより、騒音や振動を低減させることができる。
ブラケット110は、駆動ギヤ122の下方に設けられており、駆動ギヤ122の下方で移動ギヤ123の回転軸123Aを支持している。ブラケット110は、駆動ギヤ122と移動ギヤ123とが噛み合うように、移動ギヤ123を支持している。ブラケット110には、回転軸123Aの軸方向の両端部を支持するための一対のガイド孔111(支持孔の一例)が形成されている。各ガイド孔111は、ブラケット110の両側面それぞれから突出する筒形状のフランジ部112の内孔である。移動ギヤ123の回転軸123Aは、ガイド孔111によって側方(図4の矢印D21又は矢印D22の方向)へ移動可能に、且つ回転可能に支持されている。
ガイド孔111は、筐体102の長手方向(図3において左右方向)に長い略楕円形状の長孔である。ガイド孔111は、駆動ギヤ122のピッチ円と略同心円を描く円弧状に形成されている。これにより、移動ギヤ123は駆動ギヤ122との噛み合いを維持しながら、回転軸123Aがガイド孔111内を幅方向へ転がりながら移動し易くなる。
移動ギヤ123は、回点軸123Aがガイド孔111によって支持されることにより、第1位置(図4及び図5に示される位置)と第2位置との間で移動可能なように配置される。言い換えると、ガイド孔111は、移動ギヤ123を前記第1位置と前記第2位置との間で移動可能且つ回転可能に支持する。ここで、前記第1位置は、ガイド孔111内の一方側(第1出力部105側)の端面111A(図5参照)に回転軸123Aが当接する位置である。また、前記第2位置は、ガイド孔111内の他方側(第2出力部106側)の端面111B(図5参照)に回転軸123Aが当接する位置である。
モーター121の回転駆動により、モーター121及び駆動ギヤ122が図4に示す第1方向D11に回転すると、駆動ギヤ122の回転駆動力が移動ギヤ123に伝達され、その回転駆動力によって、ガイド孔111内を回転軸123Aが端面111A側(図4の矢印D21側)へ回転しながら移動し、移動ギヤ123は前記第1位置に至る。
一方、モーター121の逆方向の回転駆動により、モーター121及び駆動ギヤ122が図4に示す第2方向D12に回転すると、駆動ギヤ122の回転駆動力が移動ギヤ123に伝達され、その回転駆動力によって、ガイド孔111内を回転軸123Aが端面111B側(図4の矢印D22側)へ回転しながら移動し、移動ギヤ123は前記第2位置に至る。
移動ギヤ123が前記第1位置に到達したとき、移動ギヤ123は第1ギヤ部124に噛合する。このとき、移動ギヤ123は、第2ギヤ部126に噛合していない。一方、移動ギヤ123が前記第2位置に到達したとき、移動ギヤ123は第2ギヤ部126に噛合する。このとき、移動ギヤ123は、第1ギヤ部124に噛合していない。
第1ギヤ部124は平歯車からなる。第1ギヤ部124は、第1入力ギヤ125及び伝達ギヤ131と噛み合っている。また、伝達ギヤ131は、隣接する伝達ギヤ132と噛み合っている。
なお、第1ギヤ部124には、第1ギヤ部124と同軸に一体に取り付けられた出力ギヤ133(図3参照)が設けられている。出力ギヤ133には、外部に回転駆動力を伝達する出力軸(不図示)が設けられている。画像形成部14内の感光体ドラム31や転写ローラー35、加熱ローラー41、排出ローラー対25、縦搬送路26における各搬送ローラーなどは、出力ギヤ133から出力された回転駆動力を受けて回転される。
第2ギヤ部126は平歯車からなる。第2ギヤ部126は、第1ギヤ部124に対して減速比が異なるように歯数が設定されている。第2ギヤ部126は、伝達ギヤ132とアイドルギヤ128と噛み合っている。また、アイドルギヤ128は、第2入力ギヤ129と噛み合っている。
モーター121が正方向に回転駆動する場合、駆動ギヤ122が前記第1方向D11(図4参照)に回転し、駆動ギヤ122の回転駆動力が移動ギヤ123に伝達され、移動ギヤ123は、その回転駆動力によって前記第1位置に移動する。前記第1位置では、移動ギヤ123は第1ギヤ部124に噛合し、回転駆動力は第1ギヤ部124を介して前記第1伝達経路R1(図5参照)に沿って伝達されて、第1出力部105の第1連結ギヤ105B及び第2出力部106の第2連結ギヤ106Bが夫々所定の回転速度で回転する。
モーター121が逆方向に回転駆動する場合、駆動ギヤ122が前記第2方向D12(図4参照)に回転し、駆動ギヤ122の回転駆動力が移動ギヤ123に伝達され、移動ギヤ123は、その回転駆動力によって前記第2位置に移動する。前記第2位置では、移動ギヤ123は第2ギヤ部126に噛合し、回転駆動力は第2ギヤ部126を介して前記第2伝達経路R2(図5参照)に沿って伝達されて、第1出力部105の第1連結ギヤ105B及び第2出力部106の第2連結ギヤ106Bが夫々所定の回転速度で回転する。駆動ギヤ122が前記第2方向D12に回転した場合、第1連結ギヤ105B及び第2連結ギヤ106Bは、第1ギヤ部124に対する第2ギヤ部126の減速比の差異に応じて、駆動ギヤ122が前記第1方向D11に回転した場合に対して、異なる回転速度で夫々回転する。
上述のように、駆動装置101を構成することによって、モーター121の回転方向を切り替えることで、第1出力部105の第1連結ギヤ105B及び第2出力部106の第2連結ギヤ106Bの回転速度を簡単に変更することができる。
次に、移動ギヤ123を支持するためのブラケット110について説明する。
図6及び図7に示すように、ブラケット110は、上述のガイド孔111と、ブラケットの両側面を構成する側面基部110A,110Bと、取り付け孔110C,110Dと、一対の組み込み孔110E(図6参照)とを有する。
側面基部110A,110Bは、互いに対向して形成されるとともに、その下側で互いに連結され、移動ギヤ123がその一部を突出させて収容することができるように、その上側が開放して形成されている。
側面基部110Aの左右両側には、取り付け孔110C,110Cが形成されている。取り付け孔110C,110Dを筐体102(図3参照)に形成された一対の突起(不図示)に嵌め込むことで、ブラケット110は筐体102に固定される。
側面基部110A,110Bの各中央の上側には、ガイド孔111が形成されている。各ガイド孔111は、側面基部110A,110Bから互いに外側に向かって突出するフランジ部112によって形成されている。具体的には、ガイド孔111は、フランジ部112の内孔である。ガイド孔111は、ガイド孔111の上下方向の両面(上面及び下面)を構成する円弧面111Cと、円弧面111Cの両端に設けられた半円状の端面111A,111Bとからなる。各円弧面111Cは、移動ギヤ123の回転軸123Aが端面111A,111Bの間を移動可能であるように形成されている。移動ギヤ123の回転軸123Aは、円弧面111C内を幅方向へ移動可能であり、また、端面111A,111Bのいずれかに当接した状態で回転可能となる。
移動ギヤ123の回転軸123Aがガイド孔111の端面111A,111Bのいずれかに長期間に亘って片当りした状態で回転しても、また、ガイド孔111の円弧面111Cに接触しつつ円弧面111Cを繰り返し移動しても、移動ギヤ123の回転軸123Aが磨耗し、また、ガイド孔111の端面111A,111Bが擦り減ることが抑えられるように、ブラケット110及び移動ギヤ123の回転軸123Aの各材料が組み合わされる。即ち、ブラケット110は、PBT(ポリブチレンテレフタレート)樹脂にて上記の所定の形状に成形され、移動ギヤ123は、ポリアセタール樹脂からなる。従って、ブラケット110は、移動ギヤ123に比べて剛性が大きく、移動ギヤ123の回転軸123Aがブラケット110のガイド孔111のいずれかの端面111A,111Bに長期間に亘って片当りした状態で回転しても、ガイド孔111の端面111A,111Bが擦り減ることが抑えられる。また、筐体102は、ガラスフィラーを含有したPPE(ポリフェニレンエーテル)樹脂からなり、モーター121や複数のギヤを保持する強度を備える。一方、ブラケット110は筐体102に比べて摩擦係数が小さく摺動性能が良好であるために、移動ギヤ123の回転軸123Aが磨耗するおそれがない。
図8及び図9に示すように、ブラケット110の側面基部110A,110B、及び各フランジ部112には、それらの上側に穿った組み込み孔110Eが夫々形成されている。組み込み孔110Eは、移動ギヤ123をブラケット110に組み込むためのものである。一対の組み込み孔110Eは、移動ギヤ123の回転軸123Aの軸方向の長さより僅かに短く、また、幅方向には回転軸123Aの外周部より僅かに大きく穿設されている。
移動ギヤ123をブラケット110に組み込む場合、移動ギヤ123の回転軸123Aをブラケット110の組み込み孔110Eに対向させて押し込むと、ブラケット110の組み込み孔110Eが回転軸123Aの軸方向に拡がり、移動ギヤ123の回転軸123Aは、ブラケット110の組み込み孔110E内に挿入される。移動ギヤ123の回転軸123Aがブラケット110の組み込み孔110E内に挿入されると、拡がった組み込み孔110Eは復元し、移動ギヤ123の回転軸123Aがブラケット110のガイド孔111に嵌装される。
ところで、ガイド孔111は、ブラケット110と一体に形成されたものであるため、ブラケット110自体が回転軸123Aに対して摩擦係数の小さい材質で形成されている場合に、回転軸123Aが幅方向へ移動せずに滑って回転し続ける場合がある。特に、上述したように、ガイド孔111の摩耗を考慮して回転軸123Aよりも剛性が大きい材料でブラケット110を構成した場合、ブラケット110の回転軸123Aに対する摩擦係数は小さくなる。回転軸123Aが滑って幅方向へ移動しなくなると、モーター121の回転駆動力が第1出力部105及び第2出力部106に伝達されず、給紙装置27,28や画像形成装置10の動作不良を生じさせることになる。このため、本実施形態では、後述するように、ブラケット111には、ゴムパッド140(負荷部材の一例)が設けられている。
ゴムパッド140は、ガイド孔111における回転軸123Aの支持面と回転軸123Aとの間に負荷を与える部材である。図8及び図9に示すように、ゴムパッド140は、摩擦抵抗の大きいNBRなどのシート状の弾性部材を矩形状にカットしたものであり、ガイド孔111の下側の円弧面111Cに貼り付けられている。つまり、ゴムパッド140は、回転軸123Aの移動時に回転軸123Aの周面に摩擦抵抗を生じさせるシート状の摩擦部材である。本実施形態では、ゴムパッド140の上面とガイド孔111の各端面111A,111Bが同一面となるように、円弧面111Cの上面に形成された矩形状の凹陥部にゴムパッド140が設けられている。なお、ゴムパッド140は、回転軸123Aの移動方向に対して回転軸123Aの周面に摩擦抵抗を生じさせるものであれば、どのような材質のものであってもよい。
このようなゴムパッド140がブラケット110に設けられているため、回転軸123Aがガイド孔111内を幅方向へ転がりながら移動する際に、ゴムパッド140から摩擦抵抗を受けるため、滑ることなく確実にガイド孔111内を前記第1位置或いは前記第2位置まで移動することができる。特に、上述したように、ガイド孔111が、駆動ギヤ122のピッチ円と略同心円を描く円弧状に形成されている場合は、円弧面111Cから端面111A,111Bまでは昇り傾斜しているため、ゴムパッド140が無い場合は滑りが生じ易いが、上述したようにゴムパッド140が円弧面111Cに設けられているため、ガイド孔111が端面111A,111Bへ向けて昇り傾斜していても、回転軸123Aは確実に前記第1位置或いは前記第2位置まで移動することができる。
上述の実施形態では、ガイド孔111の下側の円弧面111Cにゴムパッド140を設けた例について説明したが、本発明はこのような構成に限られない。例えば、図10に示すように、ゴムパッド140に加えて、回転軸123Aを下方へ付勢するバネ部材145(負荷部材、付勢部材、弾性部材の一例)が設けられていてもよい。バネ部材145は、例えばコイルバネなどの弾性部材である。ブラケット110の組み込み孔110Eにバネ部材145の一方端が挿入されており、その他方端は、バネ部材145を圧縮させた状態で図示しない支持部によって支持されている。バネ部材145と回転軸123Aとの間には、回転軸123Aの回転を阻害しないように、ポリアセタール樹脂で形成された筒状のブッシュ部材146が設けられている。バネ部材145は、ブッシュ部材146を介して回転軸123Aを下方へ付勢している。これにより、バネ部材145が回転軸123Aを下方へ弾性的に付勢することにより、円弧面111C上のゴムパッド140と回転軸123Aとの間に負荷が与えられる。このような構成であれば、回転軸123Aの移動方向に対して回転軸123Aの周面に更に大きな摩擦抵抗を生じさせることができ、その結果、回転軸123Aは、滑ることなく確実にガイド孔111内を前記第1位置或いは前記第2位置まで移動することができる。
なお、ゴムパッド140及びバネ部材145の両方をブラケット110に設ける必要はなく、少なくともどちらかの一つがブラケット110に設けられていればよい。