JP6607366B2 - 非・微粘結炭からの高強度・高反応性コークス製造方法 - Google Patents
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Description
しかしながら、非粘結炭や微粘結炭(以下、「非・微粘結炭」ということがある。)をコークス原料として粘結炭に配合して使用した場合には、配合炭の流動性や粘結性の不足によりコークスの強度の低下が大きく、配合量が低く制限されたり、高性能粘結材の添加が必要となったりしている。また、原料炭の煩雑な事前処理やブリケット化等の成形を行うことが必要となったりしている。
そのような高強度コークスの製造に関連して、無灰炭(ハイパーコール、HPC)乃至溶剤抽出炭(石炭の溶剤抽出物)の製造に関する技術も開発され(特許文献2,非特許文献1参照)、高強度コークスの製造や高反応性コークスの製造に応用することが検討されている(特許文献3〜6、非特許文献2参照)。
そして、現在のところ、高炉等に使用する高強度のコークス製造には、強粘結炭は実際上欠かせないものとなっている。
しかしながら、このコークス製造方法は、鉄鉱石の含有を前提とするもので、しかも、ダブルロール型成形機、短軸プレス等により、予め混合物をブリケット状に成形することが必要であり、鉄鉱石を含まず、成形することなく乾留する通常のコークス製造に適用することはできないものである。
(1)石炭の溶剤抽出物25〜40wt%、非・微粘結炭60〜75wt%、バインダー0〜10wt%からなる混合物を乾留する、コークスの製造方法。
(2)前記非・微粘結炭は、無煙炭、亜瀝青炭、褐炭から選択される1種又は2種以上である、(1)に記載のコークスの製造方法。
(3)前記溶剤抽出物を抽出する石炭は、無煙炭以外の非粘結炭及び微粘結炭から選択される1種又は2種以上である、(1)又は(2)に記載のコークスの製造方法。
(4)前記バインダーは、石炭又は石油由来のタール、ピッチ、それらの重質留分、高分子凝集剤、糖蜜、澱粉から選択される1種又は2種以上である、(1)〜(3)のいずれか1項に記載のコークスの製造方法。
(5)乾留温度800〜1300℃で保持する乾留時間が5分間〜24時間である、(1)〜(4)のいずれか1項に記載のコークスの製造方法。
(6)前記混合物は、成形することなく炉床上に載置又は堆積した状態で乾留される、(1)〜(5)のいずれか1項に記載のコークスの製造方法。
(7)溶剤抽出物が28〜38wt%であり、非・微粘結炭が62〜72wt%であり、バインダーが0〜8wt%である、(1)〜(6)のいずれか1項に記載のコークスの製造方法。
(8)溶剤抽出物が30〜35wt%であり、非・微粘結炭が65〜70wt%であり、バインダーが0〜5wt%である、(1)〜(7)のいずれか1項に記載のコークスの製造方法。
(9)前記溶剤抽出物は、100メッシュでの篩下である、(1)〜(8)のいずれか1項に記載のコークスの製造方法。
(10)前記非・微粘結炭は、30メッシュでの篩上である、(1)〜(9)のいずれか1項に記載のコークスの製造方法。
(11)前記溶剤抽出物を抽出する石炭は、マウントオーウェン炭、エクストラータ炭、グニュンバヤン炭から選択される1種又は2種以上である、(1)〜(10)のいずれか1項に記載のコークスの製造方法。
(12)前記非・微粘結炭は、ムリア炭、アダロ炭、無煙炭から選択される1種又は2種以上である、(1)〜(11)のいずれか1項に記載のコークスの製造方法。
(13)乾留温度900〜1200℃で保持する乾留時間が10分間〜16時間である、(5)〜(12)のいずれか1項に記載のコークスの製造方法。
(14)乾留温度950〜1150℃で保持する乾留時間が20分間〜10時間である、(5)〜(13)のいずれか1項に記載のコークスの製造方法。
(15)乾留温度1000〜1100℃で保持する乾留時間が30分間〜7時間である、(5)〜(14)のいずれか1項に記載のコークスの製造方法。
本発明の製造方法では、強粘結炭を一切使用しないので、製造される高強度・高反応性コークスのコストを低減することが可能である。
本発明の製造方法では、乾留前に予め石炭を煩雑な事前処理やブリケット化等の成形を行う必要がないので、コークス製造コストを低減することが可能である。
図7に、本発明に基づく実施例のコークス製造プロセスの概念図を示す。
石炭〔例えば、マウントオーエン炭(以下、「Mount Owen」又は「MO」ということがある。) は、まず、溶剤処理され、処理された石炭から溶剤抽出物を得る。次に、該溶剤抽出物を非・微粘結炭(例えば、無煙炭、Adaro等の亜瀝青炭、Mulia等の褐炭)と混合する。最後に、該混合物を乾留して、強度の高いコークスを得る。
(1)溶剤と石炭とを混合してスラリーを調製するスラリー調製工程
(2)前記スラリー調製工程で得られたスラリーを、300〜420℃(好ましくは350〜400℃)の温度に加熱し、10分間〜1時間程度(好ましくは20〜50分間程度)抽出した後、所定温度以下に冷却する抽出工程
(3)前記抽出工程で得られたスラリーを、濾過、遠心分離、重力沈降等の任意の分離操作により液部(溶剤可溶成分)と非液部(溶剤不溶成分)とに分離する固液分離工程
(4)前記分離工程で分離された液部(溶剤可溶成分)から前記溶剤を分離して無灰炭としての溶剤抽出物を得る工程
(5)分離された溶剤を、再利用のために回収する工程
なお、本発明における非粘結炭、微粘結炭、褐炭、亜瀝青炭、無煙炭等の石炭の種類についての用語は、JIS M0104とJIS M 1002-1978の規定によるものである。
乾留される混合物における非・微粘結炭の添加量は、60〜75wt%、好ましくは62〜72wt%、より好ましくは65〜70wt%である。
前記混合物の成分として使用される非・微粘結炭の粒径は、限定するものではないが、30メッシュや26メッシュの篩上とすると、コークスの高い破壊強度を得る上で望ましい。
溶剤抽出物の添加量は、25wt%未満であると、製造されるコークスの破壊強度が十分でなく、40wt%よりも大幅に添加量が超過すると、コークスに大きな孔が存在し、却って破壊強度は低下する。溶剤抽出物の添加量が40wt%超、45wt%以下程度の範囲では、比較的高い破壊強度を示すが、溶剤抽出物の添加量が40wt%超となると、その材料コストが大きくなるのであまり望ましくない。
このバインダーは、乾留される混合物に用いなくても良いが(バインダー配合量0wt%)、バインダーを用いる場合は、該混合物の10wt%以下の範囲で使用することができる。
乾留される混合物におけるバインダーの添加量は0〜10wt%、好ましくは0〜8wt%、より好ましくは0〜5wt%である。
本発明における乾留条件は、特に限定されるものではなく、コークス炉を使用するコークス製造における公知の乾留条件を採用することができる。
例えば、乾留する際の乾留温度(炉温)は、800〜1300℃、好ましくは900〜1200℃、より好ましくは950〜1150℃、さらに好ましくは1000℃〜1100℃に設定することができる。
常温等から乾留温度まで昇温する際の速度(平均昇温速度)は、1〜200℃/分、好ましくは2〜100℃/、より好ましくは3〜50℃/分、さらに好ましくは4〜30℃/分に設定することができる。
前記乾留温度で保持する時間(乾留時間)は、5分間〜24時間程度、好ましくは10分間〜16時間程度、より好ましくは20分間〜10時間程度、さらに好ましくは30分間〜7時間程度とすることができる。
乾留温度での保持時や、昇温、降温の際の高温時(例えば、300℃以上、500℃以上等)における雰囲気は、特に非酸化性ガスを流す必要はなく、炉内が密閉されていれば酸素は消費され、石炭の揮発雰囲気になるが、必要であれば、石炭の酸化による劣化を防止するため、非酸化性ガス雰囲気(例えば、窒素雰囲気、炭酸ガス雰囲気)とすればよい。
非・微粘結炭の1種であるマウントオーウェン炭(MO)から、特開2009−13320号公報に記載されたと同様の方法により、MOの溶剤抽出物(以下、「MOSXF」ということがある。)を調製した。具体的には、マウントオーウェン炭に溶剤として1−メチルナフタレンを混合した後、抽出セルに詰めた。予熱部で360〜400℃に加熱された予熱溶剤を送液ポンプで一定流量1時間、抽出セルに流すことにより、石炭の可溶成分を溶剤に溶解した。次いで、平均孔径0.8μmの焼結フィルターで固液分離し、石炭の抽出物が抽出液として回収され、その後、抽出液から溶剤を蒸散することで、溶剤抽出物を得た。
MOSXFの調製方法と同様にして、エクストラータ炭(以下、「XSTRATA」ということがある。)、グニュンバヤン炭(以下、「GN」ということがある。)から、それぞれ、溶剤抽出物XSTRATASXF、GNSXFを調製した。
非・微粘結炭の1種であるアダロ炭(以下、「Adaro」ということがある。)を、通常のコークス炉における乾留とほぼ同様の載置、堆積状態となるように、大きな外力を加えることなく、ステンレス製の配管を用いた容器(φ20mm)に充填し(嵩密度800kg/m3)、窒素雰囲気の炉中に入れ、室温から1000℃まで3℃/分で昇温、1000℃で30分間保持、常温まで自然冷却の炉温条件で乾留した。乾留後のアダロ炭試料は、図1の写真に示すとおり、固形化せず粒子状のままであった。
上記実験例1で調製したMOSXFを、上記実験例2と同じ状態、条件で乾留した。乾留後のMOSXF試料は、図2の写真に示すとおり、固形化したものの、大きな孔が多く存在する多孔状で、強度が低かった。このことから、MOSXFは、高温での溶融性が高すぎて、多孔状になったものと考えられる。
上記Adaroが60wt%、上記実施例1で調製したMOSXFが40wt%となるように混合し、該混合物を、上記実験例2と同じ状態、条件で、すなわち、大きな外力を加えることなく、ステンレス製の配管を用いた容器(φ20mm)に充填し(嵩密度800kg/m3)、窒素雰囲気の炉中に入れ、室温から1000℃まで3℃/分で昇温、1000℃で30分間保持、常温まで自然冷却の炉温条件で乾留した。乾留後のAdaro+MOSXF混合物は、図3の写真に示すとおり固形化しており、しかも、大きな孔が存在しない硬い形態となっていた。
各種非・微粘結炭として、無煙炭(以下、「Anth」ということがある。)、アダロ炭(以下、「Adaro」ということがある。)、ムリア炭(以下、「Mulia」ということがある。)の3種類を準備した。
上記実験例1で調製した溶剤抽出物(MOSXF、XSTRATASXF、GNSXF)25〜40wt%と、上記非・微粘結炭60〜75wt%を物理的に混合し、5種類の混合物の試料(4g〜5g)、Adaro+MOSXF40、Mulia+MOSXF40、Anth+MOSFXF25、Adaro+XSTRATASXF30、Adaro+GNSXF30を作製した〔各試料末尾の2桁の数字は、混合物における溶剤抽出物の配合量(wt%)を示す〕。なお、非・微粘結炭は、30メッシュの篩上の粒子を、溶剤抽出物は、100メッシュの篩下の粒子をそれぞれ使用した。これら5種類の混合物の試料を、上記実施例1と同じ状態、条件で乾留し、5種類の実施例のコークス、Adaro+MOSXF40、Mulia+MOSXF40、Anth+MOSFXF25、Adaro+XSTRATASXF30、Adaro+GNSXF30を得た。
標準コークスとしてのグニエラコークス(GON)の破壊強度3.01MPaに対して、Adaro+GNSXF30は、やや低かったものの、グニエラコークスとほぼ同等であった。Adaro+GNSXF30以外の他の実施例のコークスについては、Adaro+MOSXF40が4.18MPa、Mulia+MOSXF40が4.66MPa、Anth+MOSXF25が3.58MPa、Adaro+XSTRATASXF30が4.25MPaと、標準コークスより高い強度を持っていることが分かった。
溶剤抽出物添加量が種々異なるAdaro+MOSXF混合物、Mulia+MOSXF混合物を調製し、それら混合物を上記実施例1と同じ状態、条件で乾留してコークスとした。図5にその結果を示す。Adaro+MOSXFとMulia+MOSXFのどちらも、溶剤抽出物の添加量が25〜45wt%程度の範囲(特に30〜40wt%の範囲)にある場合に高い破壊強度を示した。
上記実施例2で製造したAdaro+MOSXF40、Mulia+MOSXF40、Anth+MOSFXF25と、標準コークスとしてのグニエラコークス(GON)をそれぞれ別個に熱重量測定装置に投入し、1100℃でCO2ガス化反応を行った。その結果を図6に示す(横軸はガス化時間、縦軸はガス化転換率)。Adaro+MOSXF40とMulia+MOSXF40は、標準コークスであるグニエラコークス(GON)よりも格段にガス化反応性が良好であった。Anth+MOSFXF25についても、GONと同等以上のガス化反応性を示した。
Claims (4)
- 石炭の溶剤抽出物25〜40wt%、非粘結炭60〜75wt%、バインダー0〜10wt%からなる混合物を乾留する、コークスの製造方法であって、前記溶剤抽出物を抽出する石炭は、無煙炭以外の非粘結炭及び微粘結炭から選択される1種又は2種以上であり、溶剤抽出物の100メッシュでの篩下粒子と、非粘結炭の30メッシュでの篩上粒子と、バインダーが存在する場合にはバインダーをも含め、混合し、その混合物を乾留する、コークスの製造方法。
- 前記非粘結炭は、無煙炭、亜瀝青炭、褐炭から選択される1種又は2種以上である、請求項1に記載のコークスの製造方法。
- 前記バインダーは、石炭又は石油由来のタール、ピッチ、それらの重質留分、高分子凝集剤、糖蜜、澱粉から選択される1種又は2種以上である、請求項1又は2に記載のコークスの製造方法。
- 乾留温度800〜1300℃で保持する乾留時間が5分間〜24時間である、請求項1〜3のいずれか1項に記載のコークスの製造方法。
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