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JP6607746B2 - ラマン分光分析用プローブおよびそれを用いたイメージング方法 - Google Patents
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JP6607746B2 - ラマン分光分析用プローブおよびそれを用いたイメージング方法 - Google Patents

ラマン分光分析用プローブおよびそれを用いたイメージング方法 Download PDF

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Description

本発明は、光活性化型ラマン分光分析用プローブおよびそれを用いたラマンイメージング方法に関する。
近年、ラマン分光法に基づく分子イメージング(ラマンイメージング)が注目を集めている。ラマンイメージングは分子内在の振動を検出し可視化する技術に基づくものであり、局在する分子の振動を指標にすることから無染色・無標識での細胞小器官等のイメージングが可能である。
ラマンイメージングは、また、生体内に本来存在しない分子骨格をタグとして利用し、標的分子のみを選択的にイメージングすることができる。このようなタグとして、例えば、アセチレンやシアン化物といった炭素−炭素または炭素−窒素三重結合を有する分子や金属ナノ粒子等が知られ、これらを組み合わせた方法もこれまでに報告されている(非特許文献1〜3)。
Journal of American Chemical Society, 136, 2014, 13558-13561 Chemical Communications, 47, 2011, 3156-3158 Nanoscale, 2, 2010, 1413-1416
一方で、細胞等の試料に導入されたタグはいずれも常にシグナルを発しているため、分析対象の経時的・空間的な挙動の追跡が困難であり、ラマンイメージングから得られる情報は限られていた。
よって、本発明は、所望のタイミングで所望の場所に存在する場合にのみシグナルを発するような刺激応答性のプローブとそれを用いたイメージング方法の提供を目的とする。
本発明者らは、親水性部位とシクロプロペノン骨格で保護されたアルキンを含む光活性化部位とがそれぞれ複数導入されたポリマーと、金属ナノ粒子との複合体が光活性化型ラマン分光分析用プローブとして機能することを見出した。本発明者らはまた、光活性化型ラマン分光分析用プローブを実際に生細胞中に導入し、光照射後、細胞内から発生したアルキンシグナルをラマン顕微鏡で検出できることを確認した。本発明はこれらの知見に基づくものである。
本発明によれば以下の発明が提供される。
(1)光活性化型ラマン標識ユニットと親水性ユニットとを繰り返し単位として少なくとも含んでなる共重合体と、表面増強ラマン散乱活性を有する金属粒子との複合体からなる光活性化型ラマン分光分析用プローブ。
(2)光活性化型ラマン標識ユニットが式(a):
Figure 0006607746
(上記式中、
は水素原子またはC1−4アルキルを表し、
は式(i):
Figure 0006607746
(上記式中、R11〜R20は、同一または異なっていてもよく、水素原子、C1−6アルキル基、C1−6アルコキシ基、アミノ基、ニトロ基、アゾ基、メルカプト基、カルボキシル基、フェニル基、不飽和の5〜7員の単環複素環式基または9〜11員の不飽和の二環複素環式基を表し、R11〜R20の隣り合う二つの基はそれらが結合している炭素原子と一緒になって5〜7員の飽和または不飽和の単環炭素環または単環複素環あるいは9〜11員の飽和または不飽和の二環炭素環または二環複素環を形成していてもよく、R15およびR16は一緒になってC1−4アルキレン基を表していてもよく、但し、R11〜R20、R11〜R20の隣り合う二つの基が一緒になって形成する炭素環または複素環上の水素原子並びにR15およびR16が一緒になって表すC1−4アルキレン基上の水素原子のいずれか一つは式(a)との結合を表す。)
を表す)
で表される、上記(1)に記載の光活性化型ラマン分光分析用プローブ。
(3)親水性ユニットが式(b):
Figure 0006607746
(上記式中、
は水素原子またはC1−4アルキルを表し、
は水素原子、水酸基またはC1−6アルキル基(このアルキル基は1個または2個以上の水酸基、カルボキシル基および/またはアミノ基により置換されていてもよい)を表す)
で表される、上記(1)または(2)に記載の光活性化型ラマン分光分析用プローブ。
(4)共重合体がアクリル系共重合体またはメタクリル系共重合体である、上記(1)〜(3)のいずれかに記載の光活性化型ラマン分光分析用プローブ。
(5)共重合体の数平均分子量が4,000〜800,000である、上記(1)〜(4)のいずれかに記載の光活性化型ラマン分光分析用プローブ。
(6)共重合体が末端に金属粒子表面修飾ユニットをさらに含む、上記(1)〜(5)のいずれかに記載の光活性化型ラマン分光分析用プローブ。
(7)金属粒子表面修飾ユニットが式(c):
Figure 0006607746
(上記式中、Zは−C(=S)−または−CH(−SH)−を表し、R21はフェニルなどの芳香族基、基−S−R22(R22は炭素数1〜14のアルキル基、好ましくは炭素数12のアルキル基、を表す)、基−O−R23(R23はC1−6アルキル基、好ましくはエチル基、を表す)または基−N(−R24)(−R25)(R24はC1−6アルキル基、好ましくはメチル基、を表し、R25はフェニルなどの芳香族基を表す)を表す。)
で表される、上記(6)に記載の光活性化型ラマン分光分析用プローブ。
(8)共重合体が末端に標的結合ユニットをさらに含む、上記(1)〜(7)のいずれかに記載の光活性化型ラマン分光分析用プローブ。
(9)標的結合ユニットが式(d):
Figure 0006607746
(上記式中、R31、R32およびR33はそれぞれ独立して
水素原子、
シアノ、カルボキシル基、N−ヒドロキシコハク酸イミドエステル基、パラニトロフェニルエステル基、アミノ基、−CHNH、チオール基、−N−C(=NH Cl)CHCHCHSH、マレイミド基、ヨードアセトアミド基、アジド基、アルキン基、ジベンゾシクロオクチン基、ケトン基、アルデヒド基、ヒドラジン基、ヒドロキシアミン基、ジアジリン基、ベンゾフェノン基、ビオチン基、イミノビオチン基、ハロゲン化アルキル基、シトシニルメチルフェニル基およびグアニルメチルフェニル基からなる群(以下「官能基群A」という)から選択される官能基、
1−6アルキル基(このアルキル基は同一または異なっていてもよく前記官能基群Aから選択される1種または2種以上の官能基により置換されていてもよい)、または
−Q1−Q2−C1−6アルキル(Q1は結合またはC1−6アルキレンであり、Q2は−NHCO−または−CONH−であり、C1−6アルキル基は、同一または異なっていてもよく前記官能基群Aから選択される1種または2種以上の官能基により置換されていてもよい)を表し、
31、R32およびR33の少なくとも一つが前記官能基群Aから選択される官能基または官能基群Aから選択される官能基により置換されたC1−6アルキル基あるいは前記官能基群Aから選択される官能基により置換された基−Q1−Q2−C1−6アルキルを表す。)
で表される、上記(8)に記載の光活性化型ラマン分光分析用プローブ。
(10)共重合体が、上記(2)に記載の式(a)の光活性化型ラマン標識ユニットと、上記(3)に記載の式(b)の親水性ユニットとを繰り返し単位として少なくとも含んでなるものである、上記(1)に記載の光活性化型ラマン分光分析用プローブ。
(11)共重合体が、下記式(Ia):
Figure 0006607746
(上記式中、R〜Rは上記(2)に記載の式(a)および上記(3)に記載の式(b)において定義された内容と同義であり、mおよびnは各繰り返し単位の比を表す0より大きい数であり、mが1のとき、nは1〜1000である。)
で表される共重合体である、上記(1)または(10)に記載の光活性化型ラマン分光分析用プローブ。
(12)共重合体が、その一方の末端に上記(7)に記載の式(c)の金属粒子表面修飾ユニットを有し、もう一方の末端に上記(9)に記載の式(d)の標的結合ユニットを有するものである、上記(10)または(11)に記載の光活性化型ラマン分光分析用プローブ。
(13)共重合体が、下記式(I):
Figure 0006607746
(上記式中、R〜R、R21、R31、R32およびR33は上記(2)に記載の式(a)、上記(3)に記載の式(b)、上記(7)に記載の式(c)および上記(9)に記載の式(d)において定義された内容と同義であり、mおよびnは各繰り返し単位の比を表す0より大きい数であり、mが1のとき、nは1〜1000である。)
で表される共重合体である、上記(1)または(12)に記載の光活性化型ラマン分光分析用プローブ。
(14)(a)上記(1)〜(13)のいずれか一項に記載の光活性化型ラマン分光分析用プローブを試料と接触させる工程と、
(b)前記試料に光照射し、試料からの光活性化ラマンスペクトルを検出する工程を含んでなる、試料をイメージングする方法。
(15)試料が細胞を含有し、細胞内および/または細胞外の分析対象の存在をイメージングする、上記(14)に記載の方法。
(16)試料が細胞を含有し、細胞および/または細胞小器官をイメージングする、上記(14)または(15)に記載の方法。
(17)工程(a)の前に、(c)細胞内移行物質および/または分析対象と相互作用する物質を光活性化型ラマン分光分析用プローブに連結する工程をさらに含んでなる、上記(14)〜(16)のいずれかに記載の方法。
(18)光照射およびラマンスペクトルの検出をレーザーラマン顕微鏡を用いて行う、上記(14)〜(17)のいずれかに記載の方法。
本発明のラマン分光分析用プローブは、光照射に応答して生体や細胞内外での分子や、細胞、細胞小器官、組織など生体試料のイメージングに適した強いラマンシグナルを発することができる。従って、本発明のラマン分光分析用プローブによれば、所望のタイミングで所望の場所に存在する標的をイメージングすることができ、ひいては標的の経時的・空間的な挙動を追跡することができる点で有利である。
化合物9のPBS溶液(2mM)の光照射前後のラマンスペクトルを示した図である。A:光照射前、B:光照射後。横軸は波数(1/cm−1)を、縦軸はラマン強度をそれぞれ表す。 化合物9のPBS溶液(200μM)の光照射前後のラマンスペクトルを示した図である。A:光照射前、B:光照射後。横軸は波数(1/cm−1)を、縦軸はラマン強度をそれぞれ表す。 化合物9と金ナノ粒子との複合体溶液の光照射前後のラマンスペクトルを示した図である。A:光照射前、B:光照射後。 本発明の光活性化型ラマン分光分析用プローブが導入されたHeLa細胞を光照射有りまたは光照射無しの条件下で観察した結果を示した図である。A:光照射後の細胞の顕微鏡写真、B:光照射前の細胞の顕微鏡写真、C:Aの顕微鏡像の交差点におけるラマンスペクトル、D:Bの顕微鏡像の交差点におけるラマンスペクトル。 細胞全体を含む領域を走査して得られたラマンイメージング画像の全スペクトルの主成分解析の結果を示す図である。A:光照射後の細胞の解析結果、B:光照射前の細胞の解析結果。
発明の具体的説明
定義
本明細書において「C1−6アルキル基」は、炭素数1〜6のアルキル基を表し、好ましくは炭素数1〜4のアルキル基、すなわち、C1−4アルキル基である。基または基の一部としての「アルキル基」は、直鎖、分岐鎖または環状の炭素数1〜6のアルキル基を意味する。「C1−6アルキル基」の例としては、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、s−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、ネオペンチル、i−ペンチル、t−ペンチル、n−ヘキシル、i−ヘキシル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル等が挙げられる。
本明細書において「C1−6アルコキシ基」とは、炭素数1〜6のアルコキシ基を表し、好ましくは炭素数1〜4のアルコキシ基、すなわち、C1−4アルコキシ基である。基または基の一部としての「アルコキシ基」は、アルキル部分が直鎖、分岐鎖または環状の炭素数1〜6のアルコキシ基を意味する。「C1−6アルコキシ基」の例としては、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、i−プロポキシ、n−ブトキシ、i−ブトキシ、s−ブトキシ、t−ブトキシ等が挙げられる。
本明細書において「不飽和の炭素環」および「不飽和の複素環」とは、二重結合等の不飽和結合を1以上有する炭素環および複素環を意味する。
本明細書において「5〜7員の単環炭素環」は、環員原子が5〜7個の単環性炭化水素を意味する。5〜7員の単環炭素環式基の例としては、フェニル、シクロペンチル、シクロヘキシルおよびシクロヘプチルが挙げられる。
本明細書において「9〜11員の二環炭素環」は、環員原子が9〜11個の二環性炭化水素を意味する。9〜11員の二環炭素環式基の例としてはナフチルが挙げられる。
本明細書において「5〜7員の単環複素環」は、環員原子が5〜7個の単環性複素環を意味し、1〜3個、好ましくは1または2個のヘテロ原子を環員原子として含み、残りの環員原子が炭素原子である単環性複素環であることができる。ここで「ヘテロ原子」は、酸素原子、窒素原子および硫黄原子から選択され、複素環が複数のヘテロ原子を含有する場合には該へテロ原子は同一であっても異なっていてもよい。5〜7員の複素環基の例としては、ピリジル、フリル、チエニル、ピロリル、ピラニル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピロリジニル、ピぺリジニル、ピぺラジニル、モルホリニル、モルホリノ、イソオキサゾリル、オキサゾリル、チアゾリル、イミダゾイル、イソチアゾリルおよびピラジルが挙げられる。
本明細書において「9〜11員の二環複素環」は、環員原子が9〜11個の二環性複素環を意味し、1〜4個、好ましくは1または2個のヘテロ原子を環員原子として含み、残りの環員原子が炭素原子である二環性複素環であることができる。9〜11員の二環複素環基の例としては、ナフチリジニル、シンノリニル、キナゾリニル、キノキサリニルおよびフタラジニルが挙げられる。
本明細書において「置換されていてもよいアルキル基」とは、アルキル基上の1またはそれ以上の水素原子が1またはそれ以上の置換基(同一または異なっていてもよい)により置換されたアルキル基および非置換アルキル基を意味する。置換基の最大数はアルキル上の置換可能な水素原子の数に依存して決定できることは当業者に明らかであろう。
本明細書において「ハロゲン原子」とは、フッ素原子、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子である。
本明細書において「光活性化型ラマン分光分析用プローブ」とは、光照射に応答してラマン分光分析に適したシグナル発することができるプローブを意味する。具体的な構成については以下で説明する。
光活性化型ラマン分光分析用プローブ
本発明の光活性化型ラマン分光分析用プローブ(以下、「本発明のプローブ」ということがある。)は、光活性化型ラマン標識ユニットと親水性ユニットとを少なくとも含んでなる共重合体と、表面増強ラマン散乱活性を有する金属粒子との複合体からなる。
本発明のプローブを構成する共重合体はアクリル系共重合体またはメタクリル系共重合体であることができる。本発明のプローブを構成する共重合体がアクリル系共重合体である場合には、該共重合体を構成する繰り返し単位は、アクリル酸、アクリル酸エステル、アクリル酸アミドなどのモノマー由来の繰り返し単位であることができる。本発明のプローブを構成する共重合体がメタクリル系共重合体である場合には、該共重合体を構成する繰り返し単位は、メタクリル酸、メタクリル酸エステル、メタクリル酸アミドなどのモノマー由来の繰り返し単位であることができる。これらの繰り返し単位は後述のように前記基−Rの光活性化型ラマン標識部位や前記基−Rの親水性基を有することができる。
本発明のプローブを構成する共重合体の重量平均分子量は、5,000〜900,000とすることができるが、好ましくは5,000〜200,000である。本明細書において「重量平均分子量」は、公知のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法によるポリスチレン換算により得ることができる。
本発明のプローブを構成する共重合体の数平均分子量は、4,000〜800,000とすることができるが、好ましくは4,000〜200,000である。本明細書において「数平均分子量」は、公知のGPC法によるポリスチレン換算により得ることができる。
本発明のプローブを構成する共重合体は光活性化型ラマン標識ユニットと親水性ユニットとを少なくとも含んでなるものである。共重合体中の光活性化型ラマン標識ユニットおよび親水性ユニットは、同一であっても異なっていてもよい。
光活性化型ラマン標識ユニットと親水性ユニットとのモル比は生体から得られた試料においてラマン分光分析を行うことができれば特に限定されないが、例えば、1:0.1〜1:100とすることができ、好ましくは、1:1〜1:100であり、より好ましくは1:1〜1:20である。
本発明のプローブを構成する共重合体において、各ユニットの配列順序は特に限定されず、ランダムに配列されても(ランダム共重合体)、交互に配列されても(交互共重合体)、各々がブロック状に配列されても(ブロック共重合体)よい。本発明のプローブを構成する共重合体は、好ましくはランダム共重合体である。
光活性化型ラマン標識ユニットは光照射に応答してラマン分光分析に適したシグナル発することができるユニットである。光活性化型ラマン標識ユニットは、共重合体を構成する繰り返し単位であって、前記式(i)の光活性化型ラマン標識部位を有する繰り返し単位であることができ、好ましくは前記式(a)で表される繰り返し単位である。
式(a)中、Rは、好ましくは水素原子またはメチル基である。
式(a)中のRは式(i)を表す。式(i)中のR11〜R14およびR17〜R20は、好ましくは、同一または異なっていてもよく、水素原子、C1−4アルキル基、C1−4アルコキシ基、アミノ基、ニトロ基、アゾ基、メルカプト基、カルボキシル基、フェニル基または不飽和の5〜7員の複素環式基を表し、R15およびR16は一緒になって炭素数2のアルキレン基を表し、但し、R11〜R14およびR17〜R20並びにR15およびR16が一緒になって表す炭素数2のアルキレン基上の水素原子のいずれか一つが式(a)との結合を表し、より好ましくは、R11〜R14から選択される一つとR17〜R20から選択される一つが同一または異なっていてもよくC1−4アルコキシ基(特に好ましくはメトキシ)を表し、残りが水素原子を表し、R15およびR16が一緒になって炭素数2のアルキレン基を表し、但し、R11〜R14およびR17〜R20並びにR15およびR16が一緒になって表す炭素数2のアルキレン基上の水素原子のいずれか一つが式(a)との結合を表す。上記の場合、好ましくは、炭素数2のアルキレン基上の1つの水素原子が式(a)の基との結合を表す。
式(i)中のR11〜R20はまた、好ましくは、同一または異なっていてもよく、水素原子、C1−4アルキル基、C1−4アルコキシ基、アミノ基、ニトロ基、アゾ基、メルカプト基、カルボキシル基、フェニル基または不飽和の5〜7員の複素環式基を表し、但し、R11〜R20のいずれか一つが式(a)との結合を表し、より好ましくは、R11〜R15から選択される一つとR16〜R20から選択される一つが同一または異なっていてもよくC1−4アルコキシ基(特に好ましくはメトキシ)を表し、残りが水素原子を表し、R11〜R20のいずれか一つが式(a)との結合を表す。
式(a)中のRは好ましくは下記式(ii)を表す。
Figure 0006607746
(上記式中、R11〜R14およびR17〜R20は式(i)において定義された内容と同義であり、R101およびR102は同一または異なっていてもよく、水素原子、C1−6アルキル基、C1−6アルコキシ基、アミノ基、ニトロ基、アゾ基、メルカプト基、カルボキシル基、フェニル基、不飽和の5〜7員の単環複素環式基または9〜11員の不飽和の二環複素環式基を表し、但し、R11〜R14、R17〜R20、R101およびR102のいずれか一つが式(a)との結合を表す。)
上記式(ii)のR11〜R14およびR17〜R20は、好ましくは、同一または異なっていてもよく、水素原子、C1−4アルキル基、C1−4アルコキシ基、アミノ基、ニトロ基、アゾ基、メルカプト基、カルボキシル基、フェニル基または不飽和の5〜7員の複素環式基を表し、R101およびR102は水素原子を表し、但し、R11〜R14、R17〜R20、R101およびR102のいずれか一つが式(a)との結合を表し、より好ましくは、R11〜R14から選択される一つとR17〜R20から選択される一つが同一または異なっていてもよくC1−4アルコキシ基(特に好ましくはメトキシ)を表し、残りが水素原子を表し、R101およびR102は水素原子を表し、但し、R11〜R14、R17〜R20、R101およびR102のいずれか一つが式(a)との結合を表す。上記式(ii)においては、好ましくは、R101およびR102のいずれか一つが式(a)との結合を表し、他方が水素原子を表す。
式(i)および式(ii)中のR11〜R20の隣り合う二つの基はそれらが結合している炭素原子と一緒になって5〜7員の飽和または不飽和の単環炭素環または単環複素環あるいは9〜11員の飽和または不飽和の二環炭素環または二環複素環を形成していてもよい。ここで、「隣り合う二つの基」とは、式(i)ではR11とR12、R12とR13、R13とR14、R14とR15、R16とR17、R17とR18、R18とR19およびR19とR20を意味する。また、式(ii)ではR11とR12、R12とR13、R13とR14、R17とR18、R18とR19およびR19とR20を意味する。式(i)において隣り合う二つの基が炭素環または複素環を形成する場合、好ましくは、R11〜R15から選択される一組の隣り合う二つの基と、R16〜R20から選択される一組の隣り合う二つの基のいずれか一方の組または両方の組が炭素環または複素環を形成することができる。炭素環または複素環を形成しないR11〜R20は好ましくは同一または異なっていてもよく水素原子またはC1−4アルコキシ基(特に好ましくはメトキシ)を表し、より好ましくは水素原子を表す。式(ii)において隣り合う二つの基が炭素環または複素環を形成する場合、好ましくは、R11〜R14から選択される一組の隣り合う二つの基と、R17〜R20から選択される一組の隣り合う二つの基のいずれか一方の組または両方の組が炭素環または複素環を形成することができる。炭素環または複素環を形成しないR11〜R14およびR17〜R20は好ましくは同一または異なっていてもよく水素原子またはC1−4アルコキシ基(特に好ましくはメトキシ)を表し、より好ましくは水素原子を表す。
隣り合う二つの基により形成される炭素環および複素環としては、ベンゼン環、ピリジン環、ピリミジン環、フラン環、チオフェン環、ピロール環、ピラン環、ピリダジン環、ピロリジン環、ピぺリジン環、ピぺラジン環、モルホリン環、イソオキサゾール環、オキサゾール環、チアゾール環、イミダゾール環、イソチアゾール環およびピラジン環が挙げられる。
光活性化型ラマン標識ユニットの好ましい態様としては、Rが水素原子またはメチル基を表し、かつ、Rが式(i)(ここで、R11〜R15から選択される一つの基とR16〜R20から選択される一つの基がメトキシを表し、残りが水素原子を表し、但し、R11〜R20のいずれか一つが式(a)との結合を表す)を表す、式(a)の繰り返し単位が挙げられる。
光活性化型ラマン標識ユニットの好ましい態様としては、Rが水素原子またはメチル基を表し、かつ、Rが式(ii)(ここで、R11〜R14から選択される一つの基とR17〜R20から選択される一つの基がメトキシを表し、残りが水素原子を表し、R101およびR102のいずれか一つが式(a)との結合を表し、他方が水素原子を表す)を表す、式(a)の繰り返し単位が挙げられる。
光活性化型ラマン標識ユニットの好ましい態様としてはまた、Rが水素原子またはメチル基を表し、かつ、Rが式(i)(ここで、R11〜R15から選択される一組の隣り合う二つの基と、R16〜R20から選択される一組の隣り合う二つの基のいずれか一方の組または両方の組がそれらが結合している炭素原子と一緒になって5〜7員の飽和または不飽和の単環炭素環または単環複素環あるいは9〜11員の飽和または不飽和の二環炭素環または二環複素環を形成し、残りが水素原子を表し、但し、R11〜R20のいずれか一つが式(a)との結合を表す)を表す、式(a)の繰り返し単位が挙げられる。
光活性化型ラマン標識ユニットの好ましい態様としてはまた、Rが水素原子またはメチル基を表し、かつ、Rが式(ii)(ここで、R11〜R14から選択される一組の隣り合う二つの基と、R17〜R20から選択される一組の隣り合う二つの基のいずれか一方の組または両方の組がそれらが結合している炭素原子と一緒になって5〜7員の飽和または不飽和の単環炭素環または単環複素環あるいは9〜11員の飽和または不飽和の二環炭素環または二環複素環を形成し、残りが水素原子を表し、R101およびR102のいずれか一つが式(a)との結合を表し、他方が水素原子を表す)を表す、式(a)の繰り返し単位が挙げられる。
親水性ユニットは共重合体に親水性を付与することができるユニットである。親水性ユニットは、共重合体の繰り返し単位であって、前記基−R(親水性基)を有する繰り返し単位であることができ、好ましくは前記式(b)で表される繰り返し単位である。
式(b)中、Rは、好ましくは水素原子またはメチル基である。
式(b)中、Rは、好ましくは1個または2個以上の水酸基により置換されたC1−6アルキル基であり、より好ましくは1個または2個以上の水酸基により置換されたC1−4アルキル基であり、より一層好ましくは1個または2個の水酸基により置換されたC1−4アルキル基である。
親水性ユニットの好ましい態様としては、Rが水素原子またはメチル基を表し、かつ、Rが1個または2個の水酸基により置換されたC1−4アルキル基を表す、式(b)の繰り返し単位が挙げられる。
本発明のプローブは共重合体の末端に金属粒子表面修飾ユニットを有することができる。金属粒子表面修飾ユニットは表面増強ラマン散乱活性を有する金属粒子と複合体を形成することができるユニットである。金属粒子との複合体形成の手法は当業界に広く知られており、当業者であれば金属粒子表面修飾ユニットを選択し、導入することができる。
金属粒子表面修飾ユニットとしては、例えば、ジチオフェニルエステル基、トリチオアルキルカルボナート基およびチオール基が挙げられる。後述のように本発明の共重合体はRAFT重合により製造することができるが、その場合、ベンゾジチオエートやアルキルトリチオカルボナートをRAFT剤として用いることで末端にジチオフェニルエステル構造を有する共重合体や、トリチオアルキルカルボナート構造を有する共重合体をそれぞれ製造することができる。また、ジチオフェニルエステル基やトリチオアルキルカルボナート基を重合後に還元することによって、チオール構造を有する共重合体を製造することもできる。
また、細胞内プローブなどと複合化させることを意図した表面修飾された金ナノ粒子が市販されており(コスモ・バイオ社など)、このような表面修飾金ナノ粒子と複合化させるために、所定の官能基や結合物質を有する金属粒子表面修飾ユニットを共重合体の末端に導入してもよい。
金属粒子表面修飾ユニットは、好ましくは前記式(c)で表される繰り返し単位である。式(c)で表される繰り返し単位のうち好ましいものとしては、
・Zが−C(=S)−を表し、R21がフェニルを表すもの、
・Zが−CH(−SH)−を表し、R21がフェニルを表すもの、
・Zが−C(=S)−を表し、R21が基−S−R22(R22は炭素数10〜14のアルキル基を表す)を表すもの、
・Zが−CH(−SH)−を表し、R21が基−S−R22(R22は炭素数10〜14のアルキル基を表す)を表すもの
が挙げられる。
金属粒子表面修飾ユニットの具体例は以下の通りである。
Figure 0006607746
本発明のプローブは、金属粒子表面修飾ユニットとは別に、共重合体の末端に標的結合ユニットを有することができる。標的結合ユニットは必要に応じて分析対象と相互作用できる部分や細胞等への移行物質を導入できるユニットである。このようなユニットとしては、例えば、分析対象と相互作用できる部位等を共有結合で繋ぎ止めることができる官能基(例えば、カルボキシル基、アミノ基、シアノ基等)を有する構造体が挙げられる。後述のように本発明の共重合体はRAFT重合により製造することができるが、その場合、ベンゾジチオエートやアルキルトリチオカルボナートをRAFT剤として用いる際に該エステル部分に標的結合ユニットを導入しておくことで、末端に標的結合ユニットを有する共重合体を製造することができる。また、重合後に末端に有する官能基に対する化学反応によって、新たに望ましい官能基を導入することができる。このような官能基としては、例えば、カルボキシル基、N−ヒドロキシコハク酸イミドエステル基、パラニトロフェニルエステル基、アミノ基、チオール基、マレイミド基、ヨードアセトアミド基、アジド基、アルキン基、ジベンゾシクロオクチン基、ケトン基、アルデヒド基、ヒドラジン基、ヒドロキシアミン基、ジアジリン基、ベンゾフェノン基、ビオチン基、イミノビオチン基、ハロゲン化アルキル基、シトシニルメチルフェニル基、グアニルメチルフェニル基が挙げられる。
標的結合ユニットは、好ましくは前記式(d)で表される繰り返し単位である。式(d)で表される繰り返し単位のうち好ましいものとしては、
31、R32およびR33がそれぞれ独立して
水素原子、
シアノ、カルボキシル基、N−ヒドロキシコハク酸イミドエステル基、パラニトロフェニルエステル基、アミノ基、−CHNH、チオール基および−N−C(=NH Cl)CHCHCHSHからなる群(以下「官能基群B」という)から選択される官能基、
1−4アルキル基(このアルキル基は同一または異なっていてもよく前記官能基群Bから選択される1種または2種以上の官能基により置換されていてもよい)、または
−Q1−Q2−C1−6アルキル(Q1は結合またはC1−4アルキレンであり、Q2は−NHCO−または−CONH−であり、C1−6アルキル基は、同一または異なっていてもよく前記官能基群Aから選択される1種または2種以上の官能基により置換されていてもよい)を表し、
31、R32およびR33の少なくとも一つが前記官能基群Bから選択される官能基または官能基群Bから選択される官能基により置換されたC1−4アルキル基あるいは前記官能基群Aから選択される官能基により置換された基−Q1−Q2−C1−6アルキルを表す
ものが挙げられる。
式(d)で表される繰り返し単位のうちより好ましいものとしては、
31、R32およびR33がそれぞれ独立して
水素原子、
シアノ、カルボキシル基、−CHNHおよび−N−C(=NH Cl)CHCHCHSHからなる群(以下「官能基群C」という)から選択される官能基、
1−4アルキル基(このアルキル基は同一または異なっていてもよく前記官能基群Cから選択される1種または2種以上の官能基により置換されていてもよい)、または
−Q1−Q2−C1−6アルキル(Q1は結合またはC1−4アルキレンであり、Q2は−NHCO−または−CONH−であり、C1−6アルキル基は、同一または異なっていてもよく前記官能基群Aから選択される1種または2種以上の官能基により置換されていてもよい)を表し、
31、R32およびR33の少なくとも一つが前記官能基群Cから選択される官能基または官能基群Cから選択される官能基により置換されたC1−4アルキル基あるいは前記官能基群Aから選択される官能基により置換された基−Q1−Q2−C1−6アルキルを表す
ものが挙げられる。
標的結合ユニットの具体例は以下の通りである。
Figure 0006607746
本発明における共重合体の好ましい態様としては、前記式(a)の繰り返し単位と、式(b)の繰り返し単位とを少なくとも含んでなるものであり、より好ましい態様としては前記式(Ia)で表される共重合体である。式(Ia)の共重合体中、光活性化型ラマン標識ユニットと親水性ユニットは特に限定されず、ランダムに配列されても、交互に配列されても、ブロック状に配列されてもよい。また、式(Ia)中、mおよびnは光活性化型ラマン標識ユニットと親水性ユニットの比(モル比)を表し、mが1のとき、nは1〜1000であり、好ましくは1〜100であり、より好ましくは1〜20である。
本発明における共重合体のよりいっそう好ましい態様としては、前記式(a)の繰り返し単位と、式(b)の繰り返し単位とを少なくとも含んでなり、その一方の末端に式(c)の繰り返し単位を有し、場合によって、もう一方の末端に式(d)の繰り返し単位を有する共重合体が挙げられ、特に好ましくは前記式(I)で表される共重合体である。式(I)の共重合体中、光活性化型ラマン標識ユニットと親水性ユニットは特に限定されず、ランダムに配列されても、交互に配列されても、ブロック状に配列されてもよい。また、式(I)中、mおよびnは光活性化型ラマン標識ユニットと親水性ユニットの比(モル比)を表し、mが1のとき、nは1〜1000であり、好ましくは1〜100であり、より好ましくは1〜20である。
式(I)および式(Ia)において、光活性化型ラマン標識ユニットの繰り返し単位数(m’)と、親水性ユニットの繰り返し単位数(n’)は、例えば、m’=1〜100で、かつ、n’=10〜1000とすることができ、好ましくは、m’=5〜20で、かつ、n’=50〜200である。
式(I)および式(Ia)で表される共重合体の重量平均分子量は、5,000〜900,000とすることができるが、好ましくは5,000〜200,000である。
式(I)および式(Ia)で表される共重合体の数平均分子量は、4,000〜800,000とすることができるが、好ましくは4,000〜200,000である。
本発明のプローブは光活性化型ラマン標識ユニットと親水性ユニットとを少なくとも含んでなる共重合体を、表面増強ラマン散乱活性を有する金属粒子との複合化してなるものである。
本発明において、「表面増強ラマン散乱活性を有する金属粒子」は、表面増強ラマン散乱活性(SERS活性)を有するものであれば特に限定されないが、例えば、金、銀、白金等の金属粒子(好ましくは金属ナノ粒子)が挙げられる。表面増強ラマン散乱活性を有する金属粒子のうちより強いラマンシグナルが得られるものとしては金ナノ粒子および銀ナノ粒子が挙げられ、最も好ましくは金ナノ粒子である。
本発明のプローブで複合体を形成する金属粒子としては、粒径が5〜900nm程度のものを使用することができ、好ましくは10〜100nm程度のものである。なお、金属粒子の粒径は、透過型電子顕微鏡(TEM)での観察結果から求めることができる。
製造方法
本発明のプローブは共重合体部分を製造し、該共重合体を金属粒子と複合化することで製造することができる。
本発明のプローブを構成する共重合体がアクリル系共重合体である場合には、ビニル結合を有するアクリル酸、アクリル酸エステル、アクリル酸アミドなどのモノマーをラジカル重合反応などにより重合させることにより該共重合体を製造することができる。本発明のプローブを構成する共重合体がメタクリル系共重合体である場合には、ビニル結合を有するメタクリル酸、メタクリル酸エステル、メタクリル酸アミドなどのモノマーをラジカル重合反応などにより重合させることにより該共重合体を製造することができる。
光活性化型ラマン標識ユニットと親水性ユニットとを繰り返し単位として少なくとも含んでなる共重合体は、光活性化型ラマン標識部位や親水性基が導入されていない原料モノマーを重合させて重合体を製造し、次いで、光活性化型ラマン標識部位と親水性基を重合体に導入することで製造することができる。この場合、重合体の繰り返し単位中の側鎖が反応性の官能基である場合にはそこに光活性化型ラマン標識部位と親水性基を導入することができる。重合体の繰り返し単位中の側鎖の官能基(例えば、カルボキシル基)が活性エステル構造である場合にはアミンの求核反応によりアミド結合で光活性化型ラマン標識部位と親水性基を導入することができる。金属粒子表面修飾ユニットや標的結合ユニットを重合体の末端に導入する場合には、両ユニットを有するRAFT剤を用いて重合反応を実施することにより行うことができる。
光活性化型ラマン標識ユニットと親水性ユニットとを繰り返し単位として少なくとも含んでなる共重合体は、光活性化型ラマン標識部位があらかじめ導入された原料モノマーと、親水性基があらかじめ導入された原料モノマーとを準備し、これらを重合させて製造することもできる。
本発明のプローブを構成する共重合体は、好ましくはRAFT重合反応により製造できる。具体的には、原料モノマーを重合させて重合体を調製し、次いで光活性化型ラマン標識部位と親水性基を導入することで製造することができる。RAFT重合反応に使用するRAFT剤としてベンゾジチオエートやアルキルトリチオカルボナートをRAFT剤として用いることで末端にジチオフェニルエステル構造やトリチオアルキルカルボナート構造を有する重合体を製造することができる。また、上記の場合、ベンゾジチオエートやアルキルトリチオカルボナートのエステル部分に標的結合ユニットを導入しておくことで、一方の末端に標的結合ユニットを有する重合体を製造することができる。
RAFT重合反応による重合体骨格の合成は下記スキームに従って実施することができる。反応条件は使用する重合開始剤の種類に応じて適宜設定することができるが、反応開始剤として例えば2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビ(4−メトキシ2,4−ジメチルバレロニトリル)、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)などを用いた場合には、30〜100℃の反応温度で、4〜72時間かけて重合反応を実施することができる。
Figure 0006607746
(上記スキーム中、Rは前記式(a)で定義された内容と同義であり、R41はペンタフルオロフェニルなどの活性エステルを表し、Zは−(C=S)−を表し、R21は前記式(c)で定義された内容と同義であり、R31、R32およびR33は前記式(d)で定義された内容と同義であり、pは約10〜約1000を表す。)
また、RAFT重合により得られた重合体骨格への光活性化型ラマン標識部位および親水性基の導入は下記スキームに従って実施することができる。すなわち、活性エステルへのアミンの求核反応によりアミド結合で光活性化型ラマン標識部位と親水性基を導入し、式(I)の共重合体を得ることができる。
Figure 0006607746
Figure 0006607746
(上記スキーム中、R〜R、R11〜R14、R17〜R20、R21、R31、R32、R33、R41、mおよびnは前記式(a)、式(b)、式(c)、式(d)、式(ii)、式(I)および前記スキームで定義された内容と同義であり、Zは−(C=S)−を表し、Xはハロゲン原子(例えば塩素原子)を表す。)
式(ii’)の光活性化型ラマン標識化合物は実施例1に従って合成することができる。すなわち、実施例1にはR13およびR18がメトキシ基であり、R11、R12、R14、R17、R19、R20およびR101が水素原子である式(ii’)の光活性化型ラマン標識部位の製造方法が記載されているが、上記以外の光活性化型ラマン標識化合物は、目的とする光活性化型ラマン標識部位に対応する置換基や構造を有する原料化合物を準備するなどすることにより合成できることは当業者に自明であろう。
本発明のプローブは、上記のようにして製造した共重合体部分を表面増強ラマン散乱活性を有する金属粒子と複合化することにより製造することができる。
複合体の形成は公知の方法に従って行うことができる。例えば、末端に金属粒子表面修飾ユニットを有する共重合体と表面増強ラマン散乱活性を有する金属粒子とを接触させることにより複合体を形成させることができる。また、表面修飾金属粒子を使用する場合には、所定の官能基や結合分子を有する共重合体と反応させるか、あるいは接触させることで複合体を形成させることができる。
ラマン分光分析によるイメージング方法
本発明のプローブはラマン分光分析の標識剤として用いることができ、試料をラマンスペクトルによりイメージングすることができる。ここで、「イメージング」とは分析対象を可視化することを意味する。
本発明のプローブは光応答性のラマンシグナルを発することができる。特に重合体部分に前記式(i)や式(ii)の光活性化型ラマン標識部位を有する本発明のプローブは、炭素−炭素三重結合がシクロプロペノン骨格で保護されているところ、光照射により炭素−炭素三重結合が生じることとなる。この炭素−炭素三重結合は生体内には本来存在しない分子骨格であることから、プローブは識別性のあるラマンシグナルを発することができる。従って、本発明のプローブを光応答性の標識剤として用いることで、所望のタイミングで所望の場所の分析対象を標識し、その存在をラマンシグナルとして検出することができる。
例えば、ある物質と結合できる本発明のプローブを細胞内に注入し、細胞内の所望の場所に所望のタイミングで光照射した場合、あるタイミングで細胞内のある場所から別の場所に移動した分子のみを選択的にイメージングすることができる。また、本発明のプローブを細胞や細胞小器官に注入し、所望の場所に所望のタイミングで光照射した場合、細胞の空間的な挙動や形態の変化をイメージングすることができる。このようなイメージングは、例えば、創薬標的タンパク質の細胞内輸送の追跡、重要な生命現象や疾病に関わる細胞における細胞小器官の形態や挙動のイメージング、個体発生時の特定細胞の生体内イメージングと追跡などに用いることができる。一例を挙げると、細胞の核内物質と結合できる本発明のプローブを細胞内あるいは細胞核内に集積させ、細胞核のある部位にレーザー照射して標識を光活性化し、細胞をラマン顕微鏡で観察することで、核内物質の細胞内での挙動を観察することができる。ここで、「細胞小器官」とは細胞内の膜系小器官(例えば、核、小胞体、ゴルジ体、エンドソーム、リソソーム、ペルオキシソーム、ミトコンドリア、葉緑体)に加えて、細胞外に分泌される分泌小胞(例えば、エクソソーム)も含む意味で用いられる。
本発明のイメージング方法において「試料」は、光照射およびラマンスペクトルの検出が可能である限り特に限定されるものではないが、本発明のプローブは生体試料のバックグラウンドシグナルの影響を受けずにラマンスペクトルを検出できることから、好ましくは生体試料である。生体試料としては、例えば、組織、細胞、血液、血清、血漿などの生体から単離された試料が挙げられ、これら以外にも、植物から単離された試料(例えば、植物細胞、植物組織)、微生物などが挙げられる。
本発明のプローブは、分析対象に直接結合させることで分析対象をイメージングすることができ、あるいは、分析対象と特異的に結合する抗体、リガンド、受容体、相補的な核酸プローブ、アプタマー、多糖、脂質などの分析対象と相互作用する物質と結合させ、これらを介して分析対象をイメージングすることができる。
本発明のプローブを細胞内外の分析対象のイメージングに使用する場合には、細胞や細胞小器官への移行物質および/または分析対象と相互作用する物質を光活性化型ラマン分光分析用プローブに連結する工程を、本発明のプローブと試料との接触工程の前に実施してもよい。分析対象と相互作用する物質や、細胞および細胞小器官に集積させる物質は各種の架橋剤やリンカー化合物を介して結合させることができる。本発明で使用可能な架橋剤やリンカー化合物は当技術分野で慣用されており、当業者であれば適宜選択して使用することができる。
イメージングできる分析対象としては生体分子が挙げられるが、これに限定されるものではない。本発明のイメージング方法の対象となる分析対象の例としては、アミノ酸、ペプチド、ポリペプチド、タンパク質、糖タンパク質、リポタンパク質、ヌクレオシド、ヌクレオチド、オリゴヌクレオチド、核酸、糖、炭水化物、オリゴ糖、多糖、脂肪酸、脂質、ホルモン、代謝産物、サイトカイン、ケモカイン、受容体、神経伝達物質、抗原、アレルゲン、抗体、基質、代謝産物、補助因子、阻害物質、薬剤、製剤、栄養分、プリオン、トキシン、毒物、爆発物、農薬、化学兵器物質、生物学的有害物質、放射線同位体、ビタミン、複素環式芳香族化合物、発癌物質、変異誘発物質、麻薬、アンフェタミン、バルビツール酸塩、幻覚発現物質、廃棄物、汚染物質等が挙げられる。
本発明のプローブはまた、マイクロインジェクションなどの手法により細胞や細胞小器官に集積させ、細胞や細胞小器官をイメージングすることができ、あるいは、抗体、リガンド、受容体、アプタマー、多糖などで修飾した本発明のプローブを細胞や細胞小器官と接触させることにより、細胞や細胞小器官に選択的に集積させて細胞や細胞小器官をイメージングすることもできる。後者の場合、ポリアルギニンペプチドなどの細胞透過性物質や、ポリエチレンイミンなどの細胞質導入物質を連結することで本発明のプローブを細胞内や細胞質に移行ないし集積させることができる。また、特定細胞への集積を可能にする物質を連結することで本発明のプローブを該特定細胞へ集積することができ、この場合特定細胞をイメージングすることができる。例えば、葉酸、環状RGDペプチドなどのがん細胞集積物質を連結することで本発明のプローブをがん細胞にそれぞれ移行ないし集積させ、がん細胞の挙動(走化性や免疫細胞による貪食など)を時空間的に追跡することが可能になる。
本発明のプローブを細胞や細胞小器官のイメージングに使用する場合には、細胞や細胞小器官への移行物質を光活性化型ラマン分光分析用プローブに連結する工程を、本発明のプローブと試料との接触工程の前に実施してもよい。細胞および細胞小器官に集積させる物質は各種の架橋剤やリンカー化合物を介して結合させることができる。本発明で使用可能な架橋剤やリンカー化合物は当技術分野で慣用されており、当業者であれば適宜選択して使用することができる。
本発明のイメージング方法において、光照射およびラマンスペクトルの検出を含むラマン分光分析は通常のラマン分光の測定方法に従って行うことができる。
光照射の際の励起波長は特に制限されないが、280〜450nmとすることができ、好ましくは300〜400nmである。ラマンスペクトルを測定する波長は特に制限されないが、式(i)の光活性化部位を有するプローブの場合450〜900cm−1とすることができ、好ましくは500〜800cm−1である。
例えば、ラマン分光の測定は、市販のラマン分光分析器を用いて行うことができる。ラマン分光分析器としては、一般的なラマン分光分析装置全般等が挙げられるが、好ましくはレーザーラマン顕微鏡である。
以下の例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。
実施例1:光活性化型ラマン分光分析用プローブの製造
(1)−(1,2−ビス(3−メトキシフェニル)エチル)アミン(化合物2)の合成
Figure 0006607746
乾燥させた100mL三ツ口フラスコにマグネシウム(6.4g、266mmol)を加え、1,2−ジブロモエタン(100μL)を含有するテトラヒドロフラン(THF)溶液(10mL)を滴下し、撹拌を開始した。そこへ更に3−メトキシベンジルクロリド(化合物1)(5.50mL、37.9mmol)のTHF溶液(55mL)を3時間かけて滴下したのち、更に30分撹拌を行った。得られたTHF溶液を3−メトキシベンゾニトリル(3.3mL、27.0mmol)の入った200mL二ツ口フラスコに移し、1時間加熱還流を行った。その後、水素化ホウ素ナトリウム(NaBH)(2.83g、74.8mmol)のメタノール溶液(40mL)にゆっくり加え1時間撹拌を行った。この反応溶液を溶媒留去により濃縮した。純水で懸濁させジクロロメタンで3回抽出を行い、有機相を硫酸マグネシウムにより乾燥し濃縮した。粗精製状態で薄層クロマトグラフィー(トリクロロメタン:メタノール=50:1、Rf=0.21)を行ったところ、ニンヒドリンによる呈色が確認された。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(トリクロロメタン:メタノール=50:1)による精製を行い、同一物質のフラクションを集め溶媒を減圧留去し、薄黄色のオイルとして化合物2を得た。収量は6.96g、収率は64%であった。同定はH NMRにて行った。
H NMR(600MHz,CDCl):δ 1.57(brs,2H),2.77(dd,1H),2.97(dd,1H),3.78(s,3H),3.92(s,3H),4.16(dd,1H),6.72−6.96(m,6H),7.20(m,2H)
(2)−(1,2−ビス(3−メトキシフェニル)エチル)トリフルオロアセトアミド(化合物3)の合成
Figure 0006607746
化合物2(2.85g、11.7mmol)のジクロロメタン溶液(28mL)にピリジン(4.1mL)を加えた。0℃に冷却したのち、トリフルオロ酢酸無水物(3.0mL、21mmol)を滴下し、氷浴を外し一晩反応させた。薄層クロマトグラフィーにより出発物質である化合物2の消失を確認した。水でクエンチしたあと、水相から2回抽出を行った。抽出した有機相を合わせ水で1回洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ濃縮した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=1:5,Rf=0.3)により精製し同一分画を濃縮し、薄黄色固体として化合物3を得た。収量は3.05g、収率は78%であった。同定はH NMRにて行った。
H NMR(600MHz,CDCl):δ 3.11(d,2H),3.72(s,3H),3.78(s,3H),5.21(q,1H),6.49(brs,1H),6.56−6.85(m,6H),7.16(t,1H),7.28(t,1H)
(3)−(4,9−ジメトキシ−1−オキソ−6,7−ジヒドロ−1−ジベンゾ[a,e]−シクロプロパン[c]シクロオクテン−6−イル)トリフルオロアセトアミド(化合物4)の合成
Figure 0006607746
乾燥させた100mL二つ口フラスコに塩化アルミニウム(4.40g、32.8mmol)を加え、その後アルゴン雰囲気にした。これにジクロロメタン(45mL)、テトラクロロシクロプロペン(1.05mL、8.6mmol)を加え、室温で10分撹拌した後−20℃に冷却した。さらに化合物3(2.85g、8.06mmol)のジクロロメタン溶液(69mL)を滴下し、2時間撹拌を行った。室温に戻し更に1時間撹拌を行った。反応溶液に水24mLを加え30分間激しく撹拌した。水相からジクロロメタンで3回抽出を行い硫酸マグネシウムで乾燥させ濃縮した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(アセトン:ヘキサン=1:1、Rf=0.25→7:3)を行い、同一分画を濃縮し、薄黄色固体として化合物4を得た。収量は1.58g、収率は49%であった。同定はH NMRで行った。
H NMR(600MHz,DMSO−d):δ 2.90(d,1H),3.41(dd,1H),3.82(s,6H),4.84(brs,1H),6.94(s,1H),7.09(m,3H),7.89(m,2H),10.46(d,1H)
(4)−(4,9−ジメトキシ−1−オキソ−6,7−ジヒドロ−1−ジベンゾ[a,e]−シクロプロパン[c]シクロオクテン−6−イル) アミン塩酸塩(化合物5)の合成
Figure 0006607746
100mL二つ口フラスコに化合物4(168mg、0.414mmol)を加え、その後アルゴン雰囲気にした。これにメタノール(8.6mL)、40%塩酸(6.6mL)を加えて、40℃で24時間反応を行った。懸濁状態であったが、溶液が黄色になった。薄層クロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=9:1)により出発物質である化合物4の消失が確認された。室温で撹拌しながら減圧することで、溶媒を留去した。2−プロパノールに溶解したあとに、ジエチルエーテルを加えることで沈殿させ、吸引ろ過により固体を回収した。反応は定量的に進行し、薄黄色の粉末として化合物5を得た。塩酸塩の形になっていると考えられる。同定はH NMRで行った。
H NMR(600MHz,DMSO−d):δ 1.04(d,2H),3.10(s,1H),3.30(s,1H),3.91(s,6H),4.42(brs,1H),7.12(m,1H),7.18(s,1H),7.26(s,2H),7.88(brs,1H),7.92(s,1H)
(5)ポリ(ペンタフルオロフェニルメタクリレート)(化合物8)の合成
Figure 0006607746
フレームドライによって乾燥させた50mLシュレンク管に4−シアノ−4−(フェニルカルボノチオイルチオ)ペンタン酸(化合物7)(54.8mg、0.196mmol)、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)(4.1mg、0.25mmol)を加え、減圧乾燥後アルゴン雰囲気にした。さらにジオキサン(1.0mL)、ペンタフルオロフェニルメタクリレート(化合物6)(1.0g、4.0mmol)を加えた。凍結脱気を6サイクル行い、酸素を除いた。最後は窒素置換を行った。オイルバスを90℃に設定し、18時間反応させた。反応後、ヘキサンを加えると、沈殿が生じた。沈殿を吸引ろ過により回収した。THFで再溶解しヘキサンを加え沈殿させ、吸引ろ過によって回収する作業を2回行うことで精製し、薄赤色の粉末として化合物8を得た。収量は373mg、転換率は37%であった。H NMRスペクトルの測定結果から、未反応のモノマーを除去することに成功したことが確認された(データ省略)。また、末端の芳香環と、主鎖のプロトンプロトン比から、得られたポリマーの平均重合度は63であり(p=63)、そこから求められる平均分子量はM=15.9kDaであった。
(6)化合物8に光活性化部位と親水性部位とが導入された化合物(化合物9)の合成
Figure 0006607746
50mL二つ口フラスコに、化合物8(204.5mg)と化合物5(61.2mg、0.178mmol)を加え、アルゴン雰囲気にした。これにN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)/THF(1:1)、トリエチルアミン(TEA)(0.13mL)を加え、室温で一晩反応を行った。更に1−アミノ−2−プロパノール(1-amino-2-propanol)(0.25mL)を加え、11時間反応を行った。反応溶液を氷浴につけたジエチルエーテルに加えると、沈殿を生じた。生じた沈殿を遠心分離(10000g、10分)により落とし、上澄みを除いた。そこにDMFを加え再溶解させ、氷浴につけたジエチルエーテルに加え、沈殿を生じさせた。生じた沈殿を遠心分離(10000g、10分)により落とし、上澄みを除いた。この操作を黄色の粘性化合物が観察されなくなるまで繰り返した。最後にジエチルエーテルで一回洗浄し、DMFを洗った。減圧下で一晩乾燥を行い、白色粉末として化合物9を得た。収量は90mgであった。同定はH NMRで行った。化合物5と1−アミノ−2−プロパノールが導入されたことに起因するピークが見られた(データ省略)。その積分比から、ポリマー中の光活性化部位の割合は、10.6mol%から12.2mol%であると考えられた。つまり、重合度63のうち、6.6〜7.7が光活性化部位に変換されたことが確認された。また、計算から平均分子量は10.6kDa〜10.8kDaであると見積もられた。
(7)化合物9と金ナノ粒子との複合体形成
金ナノ粒子(GNP)(シグマアルドリッチ社製)とクエン酸緩衝液をスクリュー瓶に入れて、室温で撹拌を行った。得られたGNP溶液(0.032nM、400μL)に化合物9のPBS溶液(44μL)を加え、室温で30分間撹拌を行い、化合物9と金ナノ粒子との複合体を作製した(化合物9:200μM、GNP:0.03nM)。これを本発明の光活性化型ラマン分光分析用プローブとした。
実施例2:光活性化型ラマン分光分析用プローブを用いたラマン顕微鏡観察
実施例1(6)で作製された化合物9にPBSを加え、2mMおよび200μMの溶液を調製した。これらの溶液に対して365nmの光照射(2.4mW/cm)を行い、光活性化を行った(785nm励起)。光照射前後の溶液について、inVia共焦点ラマンマイクロスコープ(レニショー社製)を用いてラマンスペクトル測定を行った。
その結果、2mM溶液の場合、光照射前ではシクロプロぺノンのC=O伸縮に由来する1850cm−1のピークが観測されたが(図1A)、光照射後ではこのピークが消失し、新たに2138cm−1と2165cm−1にDBCOのアルキン由来のブロードな2つのピークが生じた(図1B)。一方、200μM溶液の場合は、光照射前後で上記の特徴的なピークが弱いか、あるいは観測されなかった(図2AおよびB)。すなわち、化合物9についてはミリモルオーダーの高濃度でしかシグナルが検出できないことが明らかとなった。
次に、実施例1(7)で作製された複合体溶液に対して365nmの光照射(2.4mW/cm)を行い、光活性化を行った(532nm励起)。光照射前後の溶液について、inVia共焦点ラマンマイクロスコープ(レニショー社製)を用いてラマンスペクトル測定を行った。
その結果、光照射前ではシクロプロぺノンのC=O伸縮に由来する1850cm−1のピークが観測されたが(図3A)、光照射後では、このピークが消失し、新たに2142cm−1と2168cm−1に2つのDBCOアルキン由来のブロードなピークが生じた(図3B)。
以上の結果から、実施例1(7)で作製された複合体(本発明の光活性化型ラマン分光分析用プローブ)はマイクロモルオーダーでもシグナルの検出は可能であることが確認された。
実施例3:細胞内導入用光活性化型ラマン分光分析用プローブの製造
光活性化型ラマン分光分析用プローブがエンドサイトーシスにより細胞内に導入されるのを可能にするために、光活性化型ラマン分光分析用プローブの生体分子結合ユニットに細胞内導入用の分子デバイス(ポリアルギニンペプチド)を導入したプローブ(細胞内導入用光活性化型ラマン分光分析用プローブ)を作製した。
(1)アジド化された化合物9の合成
Figure 0006607746
実施例1(6)で作製された化合物9(13.4mg、1.26μmol、1eq.)とN,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)(0.51mg、2.47μmol、1.96eq.)を二口フラスコに入れ、アルゴン雰囲気にした。これにDMF(0.3mL)、アジドプロピルアミン(10μL、76.3μmol、60.6μmol)を加え、19時間撹拌を行った。その後、薄層クロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=4:1)により、出発物質である化合物9の消失を確認した。更に、ニンヒドリン呈色によりアジド由来の呈色も確認した。そこで、反応溶液を氷冷したジエチルエーテル中に加えて遠心分離を行い、得られた再沈殿物を回収し、減圧乾燥を行い、アジド化された化合物9を得た。
(2)ポリアルギニンペプチドで修飾された化合物9の合成
ペプチド(G3R15GYC(NH2−GGGRRRRRRRRRRRRRRRGYC−COOH)(配列番号1):Mw=2855.3、1.10mg、764μM、1eq.)をPBS(0.5mL)に溶解させた。これにマレイミドアルキン(0.21mg、1eq.)のDMSO溶液(50μL)を加え、室温、遮光下で24時間反応させた。得られた反応溶液にアルゴンバブリングを15分間行ったものを、実施例3(1)で作製されたアジド化された化合物9(4.06mg、1eq.)、硫酸銅五水和物(0.92mg、9.6eq.)、トリス(3−ヒドロキシプロピルトリアゾリルメチル)アミン(THPTA)(1.86mg、11.2eq.)およびアスコルビン酸ナトリウム(7.37mg、93.4eq.)を入れたチューブに移し、振とう器で4日間反応を行った。得られた反応溶液を透析チューブ(分子量分画:3.5kDa)に移し、透析による精製を8時間行い、ポリアルギニンペプチドで修飾された化合物9を得た。
(3)ポリアルギニンペプチドで修飾された化合物9と金ナノ粒子との複合体形成
金ナノ粒子をクエン酸緩衝液に溶解させて得られた溶液1.5mL(0.032nM)をマイクロチューブに加え、遠心分離(1500g、4℃、30分)を行った後、上清を除いた。これに、実施例3(2)で作製されたポリアルギニンペプチドで修飾された化合物9の水溶液(1.5mg/mL)1mLを加え、遮光下で4日間振とう器で反応を行った。遠心分離(1500g、4℃、30分)を行った後、上清を除いた。これにmilliQ水を加えて再分散させ、遠心分離(1500g、4℃、30分)を行った後上清を除く操作を2回行い、これを細胞内導入用光活性化型ラマン分光分析用プローブとした。なお、細胞内導入用光活性化型ラマン分光分析用プローブはこのまま保存し、細胞イメージングに用いる直前に、無血清DMEM培地(1mL)を加えて再分散させたものを以下の実施例4で使用した。
実施例4:光活性化型ラマン分光分析用プローブを用いたラマン顕微鏡観察
石英ガラスボトムディッシュ(直径35mm)を用いて、HeLa細胞(理化学研究所バイオリソースセンターより入手)を血清入りDMEM培地で10時間培養した。培地を除き、PBS溶液で洗浄後、実施例3(3)で作製した細胞内導入用光活性化型ラマン分光分析用プローブ(1mL)を加え、37℃で2時間培養を行った。培養後、波長360nm(4.3J/cm)の光照射を行うものと、光照射を行わないコントロールのそれぞれについてinVia共焦点ラマンマイクロスコープ(レニショー社製)を用いてラマン顕微鏡観察およびラマンスペクトル測定を行った。なお、ラマン顕微鏡で観察する前に、培地を除き血清入りのDMEM培地(1mL)に交換した。ラマン顕微鏡観察には785nmの励起光を用いた。
その結果、光を照射した細胞内のラマンスペクトルからは、SERS効果によって増強されたポリマーのピークが観察されるとともに、光照射によって活性化されたアルキン由来のピーク(2160cm−1)も観察された(図4AおよびC)。一方、光を照射していない細胞内のラマンスペクトルからは、SERS効果によって増強されたポリマーのピークは観察されるが、アルキン由来のピークは観察されなかった(図4BおよびD)。
次に、上記結果が、細胞内の都合の良い部位のラマンスペクトルのみを選択して示しているのではないことを示すために、細胞全体を含む領域を走査して得られたラマンイメージング画像の全スペクトルをラマン顕微鏡画像解析用ソフト(WiRE4、レニショー社)を用いて主成分解析を実施した。
その結果、光を照射した細胞からは、第3成分および第4成分にアルキン由来のピークが観察されたが(図5A)、光を照射していない細胞からは、第10成分まで調べてもアルキン由来のピークが観察されなかった(図5B)。なお、第5成分以降は大部分がノイズであり、有意なピークが観察されなかったため割愛した。
以上の結果から、生体分子結合ユニットに細胞内導入用の分子デバイスを修飾することによって細胞内に光活性化型ラマン分光分析用プローブを導入することができること、また、光照射によってそのアルキンシグナルを細胞内で活性化でき、ラマン顕微鏡によってそのアルキンシグナルを検出できることが確認された。

Claims (16)

  1. 光活性化型ラマン標識ユニットと親水性ユニットとを繰り返し単位として少なくとも含んでなる共重合体と、表面増強ラマン散乱活性を有する金属粒子との複合体からなる光活性化型ラマン分光分析用プローブであって、
    前記光活性化型ラマン標識ユニットが式(a):
    Figure 0006607746
    (上記式中、
    は水素原子またはC 1−4 アルキルを表し、
    は式(i):
    Figure 0006607746
    (上記式中、R 11 〜R 20 は、同一または異なっていてもよく、水素原子、C 1−6 アルキル基、C 1−6 アルコキシ基、アミノ基、ニトロ基、アゾ基、メルカプト基、カルボキシル基、フェニル基、不飽和の5〜7員の単環複素環式基または9〜11員の不飽和の二環複素環式基を表し、R 11 〜R 20 の隣り合う二つの基はそれらが結合している炭素原子と一緒になって5〜7員の飽和または不飽和の単環炭素環または単環複素環あるいは9〜11員の飽和または不飽和の二環炭素環または二環複素環を形成していてもよく、R 15 およびR 16 は一緒になってC 1−4 アルキレン基を表していてもよく、但し、R 11 〜R 20 、R 11 〜R 20 の隣り合う二つの基が一緒になって形成する炭素環または複素環上の水素原子並びにR 15 およびR 16 が一緒になって表すC 1−4 アルキレン基上の水素原子のいずれか一つは式(a)との結合を表す。)
    を表す)
    で表される、光活性化型ラマン分光分析用プローブ。
  2. 親水性ユニットが式(b):
    Figure 0006607746
    (上記式中、
    は水素原子またはC1−4アルキルを表し、
    は水素原子、水酸基またはC1−6アルキル基(このアルキル基は1個または2個以上の水酸基、カルボキシル基および/またはアミノ基により置換されていてもよい)を表す)
    で表される、請求項に記載の光活性化型ラマン分光分析用プローブ。
  3. 共重合体がアクリル系共重合体またはメタクリル系共重合体である、請求項1または2に記載の光活性化型ラマン分光分析用プローブ。
  4. 共重合体の数平均分子量が4,000〜800,000である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の光活性化型ラマン分光分析用プローブ。
  5. 共重合体が末端に金属粒子表面修飾ユニットをさらに含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の光活性化型ラマン分光分析用プローブ。
  6. 金属粒子表面修飾ユニットが式(c):
    Figure 0006607746
    (上記式中、Zは−C(=S)−または−CH(−SH)−を表し、R21は芳香族基、基−S−R22(R22は炭素数1〜14のアルキル基を表す)、基−O−R23(R23はC1−6アルキル基を表す)または基−N(−R24)(−R25)(R24はC1−6アルキル基を表し、R25は芳香族基を表す)を表す。)
    で表される、請求項に記載の光活性化型ラマン分光分析用プローブ。
  7. 共重合体が末端に標的結合ユニットをさらに含む、請求項1〜6のいずれか一項に記載の光活性化型ラマン分光分析用プローブ。
  8. 標的結合ユニットが式(d):
    Figure 0006607746
    (上記式中、R31、R32およびR33はそれぞれ独立して
    水素原子、
    シアノ、カルボキシル基、N−ヒドロキシコハク酸イミドエステル基、パラニトロフェニルエステル基、アミノ基、−CHNH、チオール基、−N−C(=NH Cl)CHCHCHSH、マレイミド基、ヨードアセトアミド基、アジド基、アルキン基、ジベンゾシクロオクチン基、ケトン基、アルデヒド基、ヒドラジン基、ヒドロキシアミン基、ジアジリン基、ベンゾフェノン基、ビオチン基、イミノビオチン基、ハロゲン化アルキル基、シトシニルメチルフェニル基およびグアニルメチルフェニル基からなる群(以下「官能基群A」という)から選択される官能基、
    1−6アルキル基(このアルキル基は同一または異なっていてもよく前記官能基群Aから選択される1種または2種以上の官能基により置換されていてもよい)、または
    −Q1−Q2−C1−6アルキル(Q1は結合またはC1−6アルキレンであり、Q2は−NHCO−または−CONH−であり、C1−6アルキル基は、同一または異なっていてもよく前記官能基群Aから選択される1種または2種以上の官能基により置換されていてもよい)を表し、
    31、R32およびR33の少なくとも一つが前記官能基群Aから選択される官能基または官能基群Aから選択される官能基により置換されたC1−6アルキル基あるいは前記官能基群Aから選択される官能基により置換された基−Q1−Q2−C1−6アルキルを表す。)
    で表される、請求項に記載の光活性化型ラマン分光分析用プローブ。
  9. 共重合体が、下記式(Ia):
    Figure 0006607746
    (上記式中、
    は水素原子またはC 1−4 アルキルを表し、
    は式(i):
    Figure 0006607746
    (上記式中、R 11 〜R 20 は、同一または異なっていてもよく、水素原子、C 1−6 アルキル基、C 1−6 アルコキシ基、アミノ基、ニトロ基、アゾ基、メルカプト基、カルボキシル基、フェニル基、不飽和の5〜7員の単環複素環式基または9〜11員の不飽和の二環複素環式基を表し、R 11 〜R 20 の隣り合う二つの基はそれらが結合している炭素原子と一緒になって5〜7員の飽和または不飽和の単環炭素環または単環複素環あるいは9〜11員の飽和または不飽和の二環炭素環または二環複素環を形成していてもよく、R 15 およびR 16 は一緒になってC 1−4 アルキレン基を表していてもよく、但し、R 11 〜R 20 、R 11 〜R 20 の隣り合う二つの基が一緒になって形成する炭素環または複素環上の水素原子並びにR 15 およびR 16 が一緒になって表すC 1−4 アルキレン基上の水素原子のいずれか一つは式(a)との結合を表す。)
    を表し、
    は水素原子またはC 1−4 アルキルを表し、
    は水素原子、水酸基またはC 1−6 アルキル基(このアルキル基は1個または2個以上の水酸基、カルボキシル基および/またはアミノ基により置換されていてもよい)を表し、
    mおよびnは各繰り返し単位の比を表す0より大きい数であり、mが1のとき、nは1〜1000である。)
    で表される共重合体である、請求項1または2に記載の光活性化型ラマン分光分析用プローブ。
  10. 共重合体が、その一方の末端に式(c)
    Figure 0006607746
    (上記式中、Zは−C(=S)−または−CH(−SH)−を表し、R 21 は芳香族基、基−S−R 22 (R 22 は炭素数1〜14のアルキル基を表す)、基−O−R 23 (R 23 はC 1−6 アルキル基を表す)または基−N(−R 24 )(−R 25 )(R 24 はC 1−6 アルキル基を表し、R 25 は芳香族基を表す)を表す。)
    で表される金属粒子表面修飾ユニットを有し、もう一方の末端に式(d)
    Figure 0006607746
    (上記式中、R 31 、R 32 およびR 33 はそれぞれ独立して
    水素原子、
    シアノ、カルボキシル基、N−ヒドロキシコハク酸イミドエステル基、パラニトロフェニルエステル基、アミノ基、−CH NH 、チオール基、−N−C(=NH Cl )CH CH CH SH、マレイミド基、ヨードアセトアミド基、アジド基、アルキン基、ジベンゾシクロオクチン基、ケトン基、アルデヒド基、ヒドラジン基、ヒドロキシアミン基、ジアジリン基、ベンゾフェノン基、ビオチン基、イミノビオチン基、ハロゲン化アルキル基、シトシニルメチルフェニル基およびグアニルメチルフェニル基からなる群(以下「官能基群A」という)から選択される官能基、
    1−6 アルキル基(このアルキル基は同一または異なっていてもよく前記官能基群Aから選択される1種または2種以上の官能基により置換されていてもよい)、または
    −Q1−Q2−C 1−6 アルキル(Q1は結合またはC 1−6 アルキレンであり、Q2は−NHCO−または−CONH−であり、C 1−6 アルキル基は、同一または異なっていてもよく前記官能基群Aから選択される1種または2種以上の官能基により置換されていてもよい)を表し、
    31 、R 32 およびR 33 の少なくとも一つが前記官能基群Aから選択される官能基または官能基群Aから選択される官能基により置換されたC 1−6 アルキル基あるいは前記官能基群Aから選択される官能基により置換された基−Q1−Q2−C 1−6 アルキルを表す。)
    で表される標的結合ユニットを有するものである、請求項2または9に記載の光活性化型ラマン分光分析用プローブ。
  11. 共重合体が、下記式(I):
    Figure 0006607746
    (上記式中、
    は水素原子またはC 1−4 アルキルを表し、
    は式(i):
    Figure 0006607746
    (上記式中、R 11 〜R 20 は、同一または異なっていてもよく、水素原子、C 1−6 アルキル基、C 1−6 アルコキシ基、アミノ基、ニトロ基、アゾ基、メルカプト基、カルボキシル基、フェニル基、不飽和の5〜7員の単環複素環式基または9〜11員の不飽和の二環複素環式基を表し、R 11 〜R 20 の隣り合う二つの基はそれらが結合している炭素原子と一緒になって5〜7員の飽和または不飽和の単環炭素環または単環複素環あるいは9〜11員の飽和または不飽和の二環炭素環または二環複素環を形成していてもよく、R 15 およびR 16 は一緒になってC 1−4 アルキレン基を表していてもよく、但し、R 11 〜R 20 、R 11 〜R 20 の隣り合う二つの基が一緒になって形成する炭素環または複素環上の水素原子並びにR 15 およびR 16 が一緒になって表すC 1−4 アルキレン基上の水素原子のいずれか一つは式(a)との結合を表す。)
    を表し、
    は水素原子またはC 1−4 アルキルを表し、
    は水素原子、水酸基またはC 1−6 アルキル基(このアルキル基は1個または2個以上の水酸基、カルボキシル基および/またはアミノ基により置換されていてもよい)を表し、
    Zは−C(=S)−または−CH(−SH)−を表し、
    21 は芳香族基、基−S−R 22 (R 22 は炭素数1〜14のアルキル基を表す)、基−O−R 23 (R 23 はC 1−6 アルキル基を表す)または基−N(−R 24 )(−R 25 )(R 24 はC 1−6 アルキル基を表し、R 25 は芳香族基を表す)を表し、
    31 、R 32 およびR 33 はそれぞれ独立して
    水素原子、
    シアノ、カルボキシル基、N−ヒドロキシコハク酸イミドエステル基、パラニトロフェニルエステル基、アミノ基、−CH NH 、チオール基、−N−C(=NH Cl )CH CH CH SH、マレイミド基、ヨードアセトアミド基、アジド基、アルキン基、ジベンゾシクロオクチン基、ケトン基、アルデヒド基、ヒドラジン基、ヒドロキシアミン基、ジアジリン基、ベンゾフェノン基、ビオチン基、イミノビオチン基、ハロゲン化アルキル基、シトシニルメチルフェニル基およびグアニルメチルフェニル基からなる群(以下「官能基群A」という)から選択される官能基、
    1−6 アルキル基(このアルキル基は同一または異なっていてもよく前記官能基群Aから選択される1種または2種以上の官能基により置換されていてもよい)、または
    −Q1−Q2−C 1−6 アルキル(Q1は結合またはC 1−6 アルキレンであり、Q2は−NHCO−または−CONH−であり、C 1−6 アルキル基は、同一または異なっていてもよく前記官能基群Aから選択される1種または2種以上の官能基により置換されていてもよい)を表し、
    31 、R 32 およびR 33 の少なくとも一つが前記官能基群Aから選択される官能基または官能基群Aから選択される官能基により置換されたC 1−6 アルキル基あるいは前記官能基群Aから選択される官能基により置換された基−Q1−Q2−C 1−6 アルキルを表し、
    mおよびnは各繰り返し単位の比を表す0より大きい数であり、mが1のとき、nは1〜1000である。)
    で表される共重合体である、請求項1または10に記載の光活性化型ラマン分光分析用プローブ。
  12. (a)請求項1〜11のいずれか一項に記載の光活性化型ラマン分光分析用プローブを試料と接触させる工程と、
    (b)前記試料に光照射し、試料からの光活性化ラマンスペクトルを検出する工程を含んでなる、試料をイメージングする方法。
  13. 試料が細胞を含有し、細胞内および/または細胞外の分析対象の存在をイメージングする、請求項12に記載の方法。
  14. 試料が細胞を含有し、細胞および/または細胞小器官をイメージングする、請求項12または13に記載の方法。
  15. 工程(a)の前に、(c)細胞内移行物質および/または分析対象と相互作用する物質を光活性化型ラマン分光分析用プローブに連結する工程をさらに含んでなる、請求項12〜14のいずれか一項に記載の方法。
  16. 光照射およびラマンスペクトルの検出をレーザーラマン顕微鏡を用いて行う、請求項12〜15のいずれか一項に記載の方法。
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