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JP6607893B2 - 不織布 - Google Patents
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Description

本発明は不織布に関する。
生理用ナプキンやおむつなどの吸収性物品において、肌に触れる表面材(表面シートともいう。)に種々の機能を持たせる技術が知られている。
例えば、特許文献1に記載された吸収性物品は、肌の張り付きを防止することを目的として、突条部と突条部間の底部とを備えるトップシートを有する。突条部の頂部には複数の凹部があり、突条部の壁部には開口部が複数配列されている。トップシートが樹脂フィルムからなるものについて、吸収性物品を斜め方向から見ると前記開口部を通して吸収体に吸収された体液を見ることができるとされている。
特開2013−78362号公報
吸収性物品において、吸収力を使用者が実感するとともに、安心して使用できるには、吸収後の排泄物(経血、尿、軟便など)の汚れが肌側表面から見えない(隠ぺい性が高い)ことが重要な条件の一つである。一方、しっかりとした吸収力を使用者が実感できるよう、排泄物が吸収性物品の肌側表面から奥に引き込まれて吸収されていることを目視にて確認できる(隠ぺい性が低く視認性を有する)ことが望まれる。特に、隠ぺい性の差異が視点を変えて生じるようにされていると、次のような使用場面において使用者が吸収性物品の吸収力を効果的に実感することができる。すなわち、使用後の吸収性物品を剥がした際に正面から見て漏れのない安心の吸収力をまず実感できる。次いで持ち上げて表面から奥にしっかりと吸収されている印象を想起させることができる。このような性能を、表面シートに好ましく用いられる肌触りの柔らかい不織布において実現することが望まれる。
しかし、汚れ等の有色物に対する隠ぺい性と、有色物がしっかりと奥に引き込まれていることを確認できる視認性とは、相反する性質であり、両者をしっかりと不織布において両立することは容易ではなかった。特許文献1の樹脂フィルムのように開口部を設けることは、繊維の集合体からなる不織布では強度の点において問題がある。また、不織布に開口部を設けた場合、該不織布の親水性と相俟って液戻りを生じかねないという問題がある。そのため、不織布において、排泄物に対する十分な視認性を開口部によって付与することは難しい。
本発明は、吸収性物品において吸収される排泄物等の有色物に対する隠ぺい性と、該有色物が奥に引き込まれていることを確認できる視認性とを備え、両性質が観察者の見る角度を変えることによって発現し得る不織布に関する。
本発明は、不織布の一方の面側に対して、垂直方向上方から目視した場合の有色物に対する隠ぺい性よりも、斜め方向上方から目視した場合の有色物に対する隠ぺい性が低くなる領域を備える、不織布を提供する。
また本発明は、不織布の一方の面側に、凸頂部、凹底部及び前記凸頂部と前記凹底部とを繋ぐ壁部を備えた凹凸面を有し、前記壁部は、前記一方の面又は反対側の面に対して垂直方向に延出しており、前記壁部の目付量が、前記凸頂部及び前記凹底部の目付量よりも少ない不織布を提供する。
本発明の不織布は、吸収性物品において吸収される排泄物等の有色物に対する隠ぺい性と、該有色物が奥に引き込まれていることを確認できる視認性とを備え、両性質が観察者の見る角度を変えることによって発現し得る。
本発明に係る不織布の好ましい一実施形態を、水平な平面の上に有色物と共に載置した状態を、模式的に示した斜視図である。 隠ぺい性の測定方法の概略を示した構成図である。 本発明に係る不織布の他の好ましい一実施形態を模式的に示した部分断面図である。 本発明に係る不織布のさらに他の好ましい一実施形態を模式的に示した部分断面図である。 本発明に係る不織布のさらに他の好ましい一実施形態を模式的に示した部分断面図である。 本発明に係る不織布のさらに他の好ましい一実施形態を模式的に示した部分断面斜視図である。 図6に示した不織布のII−II線断面図である。 図6に示した不織布のIII−III線断面図である。 (A)図は、図7の縦断面において壁部の角度を示す一部拡大断面図であり、(B)図は、壁部の面が凹凸面である場合の壁部の角度を示す前記(A)図に対応する一部拡大断面図であり、(C)図は、壁部が開孔している場合の壁部の角度を示す前記(A)図に対応する一部拡大断面図である。 本実施形態の不織布の壁部の繊維配向を模式的に示した正面図である。 本実施形態の不織布の頂部、底部及び壁部におけるDTG/繊維投入量と温度との関係図である。 本実施形態の不織布の好ましい製造方法の一例を模式的に示した断面図であり、(A)は支持体雄材上に繊維ウエブを配し、支持体雌材を前記繊維ウエブ上から支持体雄材に押し込む工程を模式的に示した断面図であり、(B)は支持体雌材の上方から第1の熱風を突き付けて繊維ウエブを賦形する工程を模式的に示した断面図であり、(C)は支持体雌材を取り除いて、賦形された繊維ウエブの上方から第2の熱風を吹き付けて繊維同士を融着させる工程を模式的に示した断面図である。 本発明の不織布を表面シートに適用した生理用ナプキンの好ましい一例を示した図面であり、(A)図は部分切り欠き概略斜視図であり、(B)図は(A)図中に示したA部における拡大部分断面斜視図である。
本発明に係る不織布の好ましい一実施形態について、図面を参照しながら、以下に説明する。ただし、本発明がこれにより限定して解釈されるものではない。
図1に示すように、本実施形態の不織布10は、表裏の面を有する。本実施形態においては、上記表裏の面を、一方の面(第1面)10SAと、該一方の面10SAとは反対側の他方の面(第2面)10SBとして説明する。また、不織布10の厚さ方向をZ方向とし、第1面10SAの側を第1面側Z1、第2面10SAの側を第2面側Z2ともいう。本実施形態においては、特に断らない限り、一方の面(第1面)10SAを目視する面(観察面)として示すが、本発明の不織布がこれに限定されるものではなく、他方の面(第2面)10SBを目視する面(観察面)としてもよい。
不織布10は、一方の面10SA側に対して垂直方向V上方から目視した場合の有色物300に対する隠ぺい性よりも、一方の面10SA側に対して斜め方向S上方から目視した場合の有色物300に対する隠ぺい性が低くなる領域を備える。ここで言う「有色物」とは、不織布の一方の面10SA側から他方の面10SB側へと移行される有色のものを意味する。例えば、経血、尿、軟便などの有色の流体である。また「有色」とは有彩色及び無彩色の両方を意味する。
前記「垂直方向V」及び「斜め方向S」の角度は、基本的には、目視される不織布面を基準(以下、基準面ともいう。)にして判断される。本実施形態においては、不織布10の一方の面10SAを基準にして判断される。目視される面10SAが平坦ではなく凹凸面である場合は、不織布10を他方の面10SBを下にして水平な平面10Pに載置した状態にて、平面10Pに接触する側の不織布面、即ち他方の面10SBを基準面として判断することもできる。この場合、実質的に平面10Pと不織布面の他方の面10SBは同一平面である。そのため、他方の面10SBが凹凸面である場合は、平面10Pを基準面としてもよい。本実施形態においては、図1に示すように、不織布10を他方の面10SBを下にして水平な平面10Pに載置した状態にて、平面10Pを不織布基準面10SS(以下、単に基準面10SSともいう。)として判断している。
「垂直方向V」とは、前述した基準面10SSに対して80°より大きく100°未満の角度αであり、一方の面10SAから上方に離れる方向をいう。この基準面10SSに対する角度αは、好ましくは85°以上95°以下であり、より好ましくは89°以上91°以下であり、特に好ましくは90°である。「垂直方向V上方から目視する」とは、角度αにおいて、一方の面10SA側から上方に離れた位置から、垂直方向Vに沿って一方の面10SAに対して目視することをいう(以下、この目視する位置を垂直視点という。)。
また、「斜め方向S」とは、前述した基準面10SSに対して30°以上80°以下の角度βであり、一方の面10SAから上方に離れる方向をいう。この基準面10SSに対する角度βは、好ましくは30°以上70°以下であり、より好ましくは50°以上65°以下であり、更に好ましくは50°以上60°以下である。「斜め方向S上方から目視する」とは、角度βにおいて、一方の面10SA側から上方に離れた位置から、斜め方向Sに沿って一方の面10SAに対して目視することをいう(以下、この目視する位置を斜め視点という。)。
「斜め方向上方から目視した場合の有色物に対する隠ぺい性が低くなる」とは、上述した斜め方向S(例えば、基準面10SSに対して30°以上80°以下)の範囲の少なくとも一点において、目視した場合の有色物に対する隠ぺい性が低くなることを言う。
上記「隠ぺい性」とは、一方の面10SAを上にして不織布10を見たときに、一方の面10SAよりも下方にある有色物300の存在をどの程度認識しにくいかを示す。この「隠ぺい性」は、垂直視点と斜め視点とにおける、不織布10の繊維層を介した色差によって判定される。有色物300に対する隠ぺい性の程度の差をより明確にする観点から、不織布10は全体が単色の繊維層によって構成されていることが好ましく、白色の繊維層によって構成されていることがより好ましい。本実施形態においては、不織布10が白色の繊維層によって構成されているとして以下に説明する。
この色差は、不織布10の繊維層を一方の面10SA側から他方の面10SB側へと向かう光の透過の程度の差によって得られる。すなわち、垂直視点よりも斜め視点において「隠ぺい性」が低いということは、斜め視点において、繊維層を介した光の透過の程度が高いことを意味する。不織布10は開口部を有していてもよいが、有さないことが好ましく、このことが不織布10の「隠ぺい性」に係る性能に寄与する。すなわち、不織布10下方(第2面側Z2)へと移行した有色物300の戻りが抑制される観点から、不織布10は開口部を有していないことが好ましい。これにより、不織布10に必要な有色物300に対する隠ぺい性(排泄物による汚れに対する隠ぺい性)が、有色物300の戻りによって低減することを抑制し得る。また、開口部による不織布10の強度低下を回避することができる。このように不織布の強度が維持されることによって、有色物300に対する隠ぺい性と有色物300が奥に引き込まれていることを認識できる視認性との両立が、不織布の使用時間が長くなっても持続し得るようになる。
(隠ぺい性の測定方法)
色差によって示される隠ぺい性は、完全に隠ぺいしている状態を白色(基準値L93:a128:b128)とし、白色により近いと隠ぺい性が高くなることから、下記の方法によって測定される(図2参照)。
(1)不織布10の測定面(一方の面10SA)を上に向け、下側に向けた面(他方の面10SB)側に日本電色工業株式会社製赤色標準板(以下、標準板ともいう。)210を置く。
(2)不織布10の測定面に対して測定位置M1を決め、角度計を用いて測定位置M1における垂直方向V(角度α)を定める。測定位置M1の垂直方向V上方20cmの位置から撮像装置220を用いて、画像補正用カラーチャート230とともに不織布10越しの標準板210を撮像する(以下、この撮像画像を垂直視点の画像ともいう。)。上記測定位置M1を含む測定面(一方の面10SA)は、不織布10の最上面であり、不織布基準面10SSと平行に設定されている。
(3)不織布10の測定面の測定位置M1において、角度計を用いて斜め方向S(角度β)を定める。測定位置M1の斜め方向S上方20cmの位置から撮像装置220を用いて、画像補正用カラーチャート230とともに不織布10越しの標準板210を撮像する(以下、この撮像画像を斜め視点の画像ともいう。)。
(4)垂直方向上方から撮像した画像、斜め方向上方から撮像した画像を、画像に写しこんだ画像補正用カラーチャートを用いて色情報レベルの均一補正の画像処理を行う。次いで、画像処理された画像データを基に、基準値(白色)からの色差ΔE abを下記数式(A1)に基づいて求める。
ΔE ab=[(ΔL+(Δa+(Δb1/2 ・・・(A1)
(式中、Lは明度を示し、a及びbは色度を示す。ΔL、Δa及びΔbは、白色である基準値と不織布10の垂直方向上方から撮像した画像、不織布10の斜め方向上方から撮像した画像との差を示す。)
不織布10の垂直方向上方から撮像した画像のΔE abは、垂直方向上方から目視した場合の有色物300に対する隠ぺい率Eαを表す。不織布10の斜め方向上方から撮像した画像のΔE abは、斜め方向上方から目視した場合の有色物300に対する隠ぺい率Eβを表す。隠ぺい率Eα及びEβはいずれも、値が低いほど白色に近く、隠ぺい性が高いことを示す。ここで、隠ぺい率の差が0.5未満の時、JIS L 0804、JIS L 0805に基づき、色差を人が判断できない識別限界となる。つまり、人間は、0.5以上の差がある場合に、隠ぺい率の差を認識できる。隠ぺい率Eαに対する隠ぺい率Eβの差(Eβ−Eα)を隠ぺい率の差とする。
上記の測定方法は、より詳細には以下ようにして行われる。
上記(2)に示した垂直方向Vの角度αは90°にして、画像補正用カラーチャート230とともに垂直視点の画像を撮像する。また、上記(3)に示した斜め方向Sの角度βは、30°以上80°以下の範囲において、所定間隔に角度を変えて、それぞれの斜め視点の画像を撮像する。例えば、垂直方向Vから測定位置M1を支点にして、撮像装置220の光軸L1を30°から80°まで10°ずつ、傾けた位置において、画像補正用カラーチャート230とともに斜め視点の画像を撮像する。なお、100°の位置は実質的に80°の位置と同様になる。角度計には、例えば、シンワ測定株式会社製ブルースラントダイヤル式 品番78544(商品名)を用いることができる。上記測定方法の(2)及び(3)において、撮像位置は、不織布の表面から撮像装置のレンズ最表面まで20cmの距離であり、撮像装置のレンズの光軸が撮像位置から撮影位置M1を向いているようにする。
撮像装置220としては、キヤノン株式会社製デジタルカメラPowerShot S120(商品名)を用いることができる。画像補正用カラーチャート230には、例えば、CASMATCH(商品名:株式会社ベアーメディック製)を用いることができる。また、撮影時の照明には色温度約5000Kの太陽光に近い自然な光白色とされる昼白色の電球を用い、撮像領域に対して垂直方向上方200cmの方向から照らすことが好ましい。撮影時には光源以外の光が入らないよう、カメラのフラッシュを使用しないことが好ましい。
上記(4)に示した画像処理としては、画像補正用カラーチャートを用いる。そして、加納滋(1999)「医療の最前線におけるデジタル画像の活用とその色処理:耳鼻咽喉科領域から」,『第1回デジタル医用画像の「色」シンポジウム:パネルディスカッション 第2部』に準じて補正を行う。処理する画像を、画像処理のソフトウエア 商品名Adobe Photoshop CSS バージョン12.0(アドビ社製)にて開き、チャネルをRGBチャネルに設定する。そして、カラーピッカーにて、CASMATCHの白色領域をホワイト(R[228],G[228],B[228])に色情報レベルの補正を行う。同様に、CASMATCHの灰色領域をグレー(R[114],G[114],B[114])に色情報レベルの補正を行い、CASMATCHの黒色領域をブラック(R[35],G[35],B[35])に色情報レベルの補正を行う。
次いで、垂直視点の画像及び斜め視点の画像について、補正後の画像をLabチャネルに設定し、画像の標準板210の赤色領域相当の領域を選択し、ヒストグラムを確認する。そして、後述する、CIE1976 L色空間(CIELAB色空間)の3次元直交座標(L,a,b)を求める。
CIE1976 L色空間(CIELAB色空間)は、3次元直交座標(L,a,b)により均等知覚色空間を示す。L、a、bはJIS Z 8720:2012 測色用の標準イルミナント(標準の光)及び標準光源に準じ、下記数式(B1)、(B2)及び(B3)にて定義される。
=116×(Y/Y1/3−16 ・・・(B1)
=500×[(X/X1/3−(Y/Y1/3] ・・・(B2)
=200×[(Y/Y1/3−(Z/Z1/3] ・・・(B3)
,Y,Zは照明光源の3刺激値である。
標準の光Cの場合(2度視野XYZ系)
=100、X=98.072、Z=118.225
標準の光D65の場合(2度視野XYZ系)
=100、X=95.045、Z=108.892
ただし、X/X≧0.008856、Y/Y≧0.008856、Z/Z≧0.008856の場合に適用される。
次に、算出した3次元直交座標(L,a,b)を基に、垂直視点の画像又は斜め視点の画像と白色である基準値との間の色差を、前述した数式(A1)にて算出する。
隠ぺい率Eβの値が、隠ぺい率Eαよりの大きく、隠ぺい率(Eβ−Eα)の差が0.5以上となる場合、垂直方向V上方から目視した場合の有色物300に対する隠ぺい性よりも、斜め方向S上方から目視した場合の有色物300に対する隠ぺい性が低くなると判断される。この隠ぺい率の差は、好ましくは1以上、更に好ましくは1.5以上である。
また、隠ぺい率の差が−0.5以下となる場合、垂直方向V上方から目視した場合の有色物300に対する隠ぺい性よりも、斜め方向S上方から目視した場合の有色物300に対する隠ぺい性が高くなると判断される。また、隠ぺい率の差が0.5より小さく、−0.5より大きくなる場合、垂直方向V上方から目視した場合の有色物300に対する隠ぺい性と、斜め方向S上方から目視した場合の有色物300に対する隠ぺい性とは同等であると判断される。
次に、不織布10において、垂直視点の隠ぺい性よりも、斜め視点の隠ぺい性が低くなる好ましい態様について説明する。
不織布10としては、目視の角度によって異なる隠ぺい性を備える限り、様々な形状を有していてもよい。例えば、一方の面10SA側が平坦面であってもよく、凹凸面であってもよい。以下に、不織布10の好ましい態様として、不織布10A〜10Dを挙げて説明する。ただし、本発明の不織布はこれらの態様に限定されるものではない。
図3は、好ましい1実施態様の不織布10(10A)を示している。不織布10Aは、一方の面10SA側及び他方の面側SBが平坦面にされている。
不織布10Aは、厚さ方向に3つの繊維層からなる。セミダル繊維からなるセミダル層21を挟んで、一方の面10SA側及び他方の面10SB側に、セミダル層22とフルダル繊維からなるフルダル層23とを平面方向に交互に配した層を有する。本態様において、一方の面10SA側のセミダル層22及びフルダル層23とからなる層を第1表面層24と言う。他方の面10B側のセミダル層22及びフルダル層23とからなる層を第2表面層25と言う。また、中間のセミダル層21を中間層21ともいう。フルダル繊維からなるフルダル層23は、セミダル繊維からなるセミダル層21及び22よりも光透過率が低く、着色物に対する隠ぺい性が高くなる。
上記「セミダル」とは、光沢が少しある繊維であり、かつ繊維単位質量あたりの色調変化材の質量が1質量%未満の繊維であるか、またはいずれか一方の条件を満たす繊維である。「フルダル」とは、光沢が全くない繊維であり、かつ繊維単位質量あたりの色調変化材の質量が1質量%以上の繊維であるか、またはいずれか一方の条件を満たす繊維である。光沢の測定方法は、JIS L 1013:2010 化学繊維フィラメント糸試験方法、8.24 光沢度によって測定する。色調変化材の含有量による、「セミダル」「フルダル」の判定方法は、JIS L 1013:2010 化学繊維フィラメント糸試験方法、8.25 灰分の測定方法を用いる。この測定方法によって繊維単位質量あたりの灰分を求め、繊維単位質量あたりの灰分を、色調変化材の含有量として判定することができる。
図3に示すように、不織布10Aは、一方の面10SA側と他方の面10SB側において、同じ種類の層が重ならないように配されている。すなわち、第1表面層24のセミダル層22に対し、第2表面層25の対応する位置にはフルダル層23が配され、第1表面層24のフルダル層23に対し、第2表面層25の対応位置にはセミダル層22が配されている。これにより、不織布10Aに一方の面10SA側(又は他方の面10SB側)から垂直方向上方から目視したときに、第1表面層24のフルダル層23、第2表面層25のフルダル層23によって垂直方向の光の透過が遮られ、隠ぺい性が高いものとなる。
一方、斜め方向上方から目視したときに、第1表面層24のセミダル層22、中間のセミダル層21、第2表面層25のセミダル層22を介して、光が透過されやすくされている。この斜め方向において、垂直方向よりも隠ぺい性が低くされている。
すなわち、第1表面層24、中間層21及び第2表面層25の積層領域において、一方の面10SA側に対して垂直視点から目視した場合の有色物(図1参照)に対する隠ぺい性よりも、斜め視点から目視した場合の有色物に対する隠ぺい性が低くされている。これにより、不織布10Aにおいて、有色物に対する隠ぺい性と有色物が奥に引き込まれていることを認識できる視認性とが両立される。
図4は、別の好ましい1実施態様の不織布10(10B)を示している、不織布10Bは、一方の面10SA側及び他方の面側SBが凹凸面にされた不織布である。
不織布10Bは、前述した不織布10Aの積層構造において、第1表面層24及び第2表面層25にセミダル層22が無い態様である。すなわち、中間層であるセミダル層21を挟んで、一方の面10SA側及び他方の面10SB側にフルダル層23を離間配置させて凹凸面を形成した第1表面層24及び第2表面層25を有する。第1表面層24及び第2表面層25それぞれにおいて、フルダル層23の間は繊維が配されない凹部26となっている。すなわち、フルダル層23が凸部23となり、該凸部23と凹部26とが交互配置されている。これにより、不織布10Bの両面10SA及び10SBが凹凸面となっている。凸部23はフルダル層の繊維からなる凸頂部23Aを有し、凹部26はセミダル層の繊維からなる凹底部26Aを有する。また凸部23は、凸頂部23Aと凹底部26Aとを繋ぐフルダル層の繊維からなる壁部3を有する。
不織布10Bにおいては、凹部26の底部には、中間層であるフルダル層21が露出している。また、第1表面層24と第2表面層25とにおいて、フルダル層23が互いに重ならない配置とされている。これにより、第1表面層24のフルダル層23、第2表面層25のフルダル層23によって垂直方向の光の透過が遮られる。そのため、垂直視点から目視したときの隠ぺい性が高いものとなる。一方、斜め視点から目視したときに、第1表面層24の凹部26及び第2表面層25の凹部の位置にて露出する中間のセミダル層21を介して、光が透過されやすくされている。この斜め方向において、垂直方向よりも隠ぺい性が低くされている。
すなわち、第1表面層24、中間層21及び第2表面層25の積層領域において、一方の面10SA側に対して垂直視点から目視した場合の有色物(図1参照)に対する隠ぺい性よりも、斜め視点から目視した場合の有色物に対する隠ぺい性が低くされている。これにより、不織布10Bにおいて、有色物に対する隠ぺい性と有色物が奥に引き込まれていることを認識できる視認性とが両立される。
不織布10A(図3)及び10B(図4)において、第1表面層24、中間層21及び第2表面層25の積層領域は、不織布10Aの全体にあってもよく、一部にあってもよい。一部にある場合、前記積層領域は、少なくとも、液を直接受ける受液領域にあることが好ましい。例えば、吸収性物品においては、着用者の排泄部に対応する領域にあることが好ましい。
また、不織布10Aの第1表面層24及び第2表面層25において、セミダル層22とフルダル層23との交互配置の方向は適宜設定できる。例えば、前記交互配置は、不織布の長手方向(製造時の機械流れ方向(MD;Machine Direction))に沿って配されていてもよい。長手方向に直交する幅方向(製造時の機械流れ方向に直交する方向(CD;Cross Direction))に沿って配されていてもよい。また、セミダル層22及びフルダル層23それぞれの延出長さは、不織布の幅方向または長手方向の全長にわたっていてもよく、全長よりも短くされて一部に配されていてもよい。セミダル層22及びフルダル層23それぞれの延出長さが短くされている場合、該延出方向に沿って、セミダル層22とフルダル層23とが交互に配置されてもよい。すなわち、セミダル層22とフルダル層23とが不織布の長手方向及び幅方向の両方に沿って格子模様に交互配置されてもよい。また長手方向及び幅方向の両方に沿って規則的に配置されていてもよく、長手方向及び幅方向のいずれか一方又は両方に沿って配置周期が途中で変化してもよく、不規則に配置されていてもよい。不織布10A表面にセミダル層22とフルダル層23とによって作られる柄が見えるように配置されていてもよい。これにより、不織布10Aにおいて、意匠を視認させることができる。
不織布10Bの第1表面層24及び第2表面層25において、フルダル層(凸部)23と凹部26との交互配置の方向は、不織布10Aと同様に適宜設定できる。フルダル層(凸部)23及び凹部26の延出長さも、不織布10Aと同様に、適宜設定することができる。凸部23と凹部26とが不織布の長手方向及び幅方向の両方に沿って格子模様に交互配置されてもよい。また長手方向及び幅方向の両方に沿って規則的に配置されていてもよく、長手方向及び幅方向のいずれか一方又は両方に沿って配置周期が途中において変化してもよく、不規則に配置されていてもよい。不織布10B表面に凸部22と凹部26とによって作られる柄が見えるように配置されていてもよい。これにより、不織布10Bにおいて、意匠を視認させることができる。
不織布10A(図3)の一実施形態は次のようにして製造することができるが、製造方法はこれに限定されない。
不織布10Aは、まず、セミダル繊維から成るウエブ又は不織布を2種類(以下、第1セミダル素材、第2セミダル素材という。)、及び、フルダル繊維から成るウエブ又は不織布(以下、フルダル素材という。)を準備する。
次いで、第1セミダル素材及びフルダル素材をMD方向にスリットする。第2セミダル素材の表面に、スリットした第1セミダル素材及びスリットしたフルダル素材を交互に配して積層する。第1セミダル素材の前記表面と対向する裏面に、スリットした第1セミダル素材及びフルダル素材を交互に配して積層する。その際、前記表面に積層した順と互い違いになるように交互に積層し、適宜接合させて不織布10Aを製造する。
その結果、図3に示したように、第2セミダル素材からなる中間層(セミダル層)21を挟んで、第1セミダル素材からなるセミダル層22およびフルダル素材からなるフルダル層23が対向して配される。
また別の方法として、セミダル繊維を用いて、不織布の賦形処理に通常用いられる種々の方法により凹凸面を有する凹凸セミダル素材を形成する。そして、フルダル素材を、凹凸セミダル素材の凹部に積層し、適宜接合させて不織布10Aを製造することもできる。
不織布10B(図4)の一実施形態は次のようにして製造することができるが、製造方法はこれに限定されない。
不織布10Bは、セミダル繊維から成るウエブ又は不織布(以下、セミダル素材という。)、及び、フルダル繊維から成るウエブ又は不織布(以下、フルダル素材という。)を準備する。
フルダル素材をMD方向にスリットする。セミダル素材の表面、及び、その表面に対向する裏面に、スリットしたフルダル素材を段違いになるように交互に配して積層し、適宜接合させて不織布10Bを製造する。
その結果、図4に示したように、セミダル素材からなる中間層(セミダル層)21の両面に位置する第1表面層24及び第2表面層25それぞれにおいて、フルダル素材からなる凸部(フルダル層)23と、凸部間におけるフルダル素材が配されない凹部26とが交互に配置される。
また、不織布10Bにおける凹凸面は、不織布の賦形処理に通常用いられる種々の方法により、さらに追加して凹凸を形成することもできる。
図5は、更に別の好ましい1実施態様の不織布10(10C)を示している。不織布10Cは、一方の面10SA側を凹凸面とし、他方の面10SB側を平坦面としてる。
不織布10Cが有する凹凸面は、凸部28と凹部29とが交互に配置されて形成されている。該凹凸面には、さらに凸部28の頂部28A(以下、凸頂部28Aという。)と凹部29の底部29A(以下、凹底部29Aという。)を繋ぐ壁部3が配されている。凸頂部28A、凹底部29A及び壁部3が、一方の面10SA側に露出して前記凹凸面を形成している。
不織布10Cにおいて、凸頂部28A、凹底部29Aには色調変化材6が配されている。一方、壁部3においては、凸頂部28A及び凹底部29Aよりも色調変化材6の含有量が少なくされている。図5においては、壁部3には色調変化材6が含有されない態様として示されている。
色調変化材6の含有量の測定方法は、JIS L 1013:2010 化学繊維フィラメント糸試験方法、8.25 灰分の測定方法によって求めることができる。または、色調変化材6が酸化チタンである場合には、JIS L 1013:2010 化学繊維フィラメント糸試験方法、8.26 酸化チタンの測定方法、熱触媒活性量による推定方法など各種の測定方法によって求めることができる。熱触媒活性量による推定方法は、示差熱−熱重量同時測定(TG−DTA)方法により色調変化材の熱触媒活性量から測定することができる。そして、質量変化速度:DTG(Derivative Thermogravimetry)[μg/min]を繊維投入量にて割ったDTG/繊維投入量[%/min]が繊維中の色調変化材の含有量[wt%]に相当し、推定値として利用できる。なお、この示差熱−熱重量同時測定(TG−DTA)は、JIS K0129に準拠して行われる。
上記「色調変化材」とは、不織布に入射される光の透過率を下げて散乱させる作用を有する材を言う。例えば、不織布の構成繊維の成分とは屈折率の異なる無機紛体、有機紛体などが挙げられる。
無機紛体としては、例えば、酸化チタン、多孔質酸化ケイ素(シリカ)、多孔質シリカ、酸化アルミニウム(アルミナ)、石灰、粘土鉱物が挙げられる。粘土鉱物としては、スメクタイト、モンモリナイト、ベントナイト、カオリナイト、セリサイト、イライト、グローコナイト、クロライト、ゼオライト、タルク、ミズカナイト、等が挙げられる。
有機紛体としては、ポリエチレン紛体、ポリエステル紛体、ポリプロピレン紛体、ポリアクリル紛体、ポリアクリレート紛体、セルロース紛体、ビスコース紛体、シルク紛体、シリコーン化合物紛体、フッ素化合物紛体、等が挙げられる。またこれらの有機紛体を色素によって着色したものが挙げられる。
不織布10Cにおいて、色調変化材6は、凸頂部28A及び凹底部29Aの表面に配されている。
このような配置は、凸頂部28A及び凹底部29Aの表面への塗布処理によって行うことができる。塗布処理としては、通常用いられる方法により行うことができる。例えば、凸版印刷、凹版印刷、平版印刷、孔版印刷などの印刷塗付処理やスプレー塗付処理、インクジェット塗付処理などが挙げられる。凸頂部28A及び凹底部29Aよりも壁部3の色調変化材の含有量を少なくさせる方法としては、凸頂部28Aおよび凹底部29Aの凹凸の位相を合わせ、凸頂部28A及び凹底部29Aに塗付処理をする方法が挙げられる。また静電誘導を用い凸頂部28A及び凹底部29Aに色調変化材を多く含んだ塗料を塗付処理する方法や、壁部3にマスキングをかけて塗付処理する方法などが挙げられる。
不織布10Cにおいては、色調変化材6が凸頂部28A及び凹底部29Aの表面に配されているため、一方の面10SAに対して垂直方向の光の透過が遮られる。そのため、垂直方向上方から目視したときの隠ぺい性が高いものとなる。一方、斜め方向上方から目視したときに、壁部3における光透過性が凸頂部28A及び凹底部29Aよりも良くされている。この斜め方向において、垂直方向よりも隠ぺい性が低くされている。
すなわち、前記凹凸面の領域において、凸頂部28A及び凹底部29Aに対する垂直方向上方から目視した場合の有色物(図1参照)に対する隠ぺい性よりも、壁部3に対する斜め方向上方から目視した場合の有色物に対する隠ぺい性が低くされている。これにより、不織布10Cにおいて、有色物に対する隠ぺい性と有色物が奥に引き込まれていることを認識できる視認性とが両立される。
凸頂部28A及び凹底部29Aそれぞれにおける色調変化材6の含有量(C1)と壁部3における色調変化材6の含有量(C2)との差(C1−C2)は下記の範囲にあることが好ましい。上述の隠ぺい性と視認性の作用を効果的に発現させる観点から、差(C1−C2)は、0.1質量%以上が好ましく、0.3質量%以上がより好ましい。また、差(C1−C2)は、不織布全体の色ムラを抑える観点から、10質量%以下が好ましく、5質量%以下がより好ましく、3質量%以下が更に好ましい。
凸頂部28A及び凹底部29Aそれぞれにおける色調変化材6の含有量(C1)は、垂直視点における高い「隠ぺい性」を実現する観点から、0(ゼロ)質量%超であり、0.15質量%以上がより好ましく、3質量%以上がさらに好ましい。また、上記含有量(C1)は、繊維成形性や繊維加工性、不織布成形性、不織布加工性を良好に保つ観点から、20質量%以下が好ましく、10質量%以下がより好ましく、5質量%以下がさらに好ましい。
壁部3における色調変化材6の含有量(C2)は、斜め視点における「隠ぺい性」を十分に低減させる観点から、10質量%以下が好ましく、5質量%以下がより好ましく、3質量%がさらに好ましい。また、含有量(C2)は、不織布全体の隠ぺい性を高める観点から、0(ゼロ)質量%以上が好ましく、0.1質量%以上がより好ましく、0.15質量%以上がさらに好ましい。
不織布10Cにおいて、凹凸面の配置方向及び配置領域は、上記不織布10Bと同様に、適宜設定することができる。また、不織布10Cにおける凹凸面は、不織布の賦形処理に通常用いられる種々の方法により形成することができる。
次に、図6〜8を参照して、不織布10の更に別の好ましい1実施態様について説明する。
図6は、凹凸面を有する不織布10(10D)を示している。
不織布10Dは、一方の面側である第1面側Z1に凹凸面8を有し、第1面側Z1とは反対側の他方の面側である第2面側Z2に凹凸面9を有する。凹凸面8は、第1面側Z1側から見た凹部81と凸部82とを有する。また、凹凸面9は、第2面側Z2側からみた凹部91と凸部92とを有する。ここで、凹部81と凸部92とは表裏の関係にあり、凹部91と凸部82とは表裏の関係にある。
図7及び図8に示すように、凹凸面8及び凹凸面9は次のような構成を有する。
凹凸面8は、凹部81の底部81B(以下、凹底部81Bともいう。)、凸部82の頂部82T(以下、凸頂部82Tともいう。)、凸頂部82Tと凹底部81Bを繋ぐ壁部3を備える。凹底部81Bは、第2面側Z2の平坦面をなす外面繊維層2から構成されている。凸頂部82Tは、第1面側のZ1の平坦面をなす外面繊維層1から構成されている。壁部3は、凹部81及び凸部82の側面部をなし、凹部81と凸部82とを区分する共通の壁である。
凹凸面9は、凹部91の底部91B(以下、凹底部91Bともいう。)、凸部92の頂部92T(以下、凸頂部92Tともいう。)、凸頂部92Tと凹底部91Bを繋ぐ壁部3を備える。凹底部91Bは、第1面側Z1の平坦面をなす外面繊維層1から構成されている。凸頂部92Tは、第2面側Z2の平坦面をなす外面繊維層2から構成されている。壁部3は、凹部91及び凸部92の側面部をなし、凹部91と凸部92との共通の壁である。
頂部82Tと底部91Bとは共通の外面繊維層1にて構成される。頂部92Tと底部81Bとは共通の外面繊維層2にて構成される。さらに、壁部3は、凹部81と凹部91との共通の壁である。
壁部3は、図7及び8に示すように、前記一方の面側である第1面側Z1又は反対面側である第2面側Z2に対して垂直方向に延出している。より具体的には、壁部3は、両端部39、39において、外面繊維層1及び2の端部同士を垂直方向に繋ぎ、かつ、前述した凹部81を側面から囲んでいる。すなわち壁部3は、第1面側Z1の凹部81の四方を囲む外壁をなしている。これにより凹部81の内部は、独立した空間を形成している。本実施態様においては、4つの壁部3によって箱型の空間を形成している。ただし、凹部81を囲む壁部3の数や、壁部3によって形成される凹部形状は、これに限定されるものではない。
凹部81は、深さH8を有し、第1面側Z1に開口径W8を有する開口部83を有する。凹部91は、深さH9を有し、第2面側Z2に開口径W9を有する開口部93を有する。深さH8及びH9は同等の深さであっても、同等の深さでなくてもよい。壁部3を厚く、不織布全体の隠ぺい性を高めるためには、異なる深さを有することが好ましい。壁部3を薄く、壁部3に対する斜め方向上方からの有色物の視認性を高めるためには、同等の深さを有することが好ましい。
また、凹部81の深さH8と、開口部83の開口径W8、開口部93の開口径W9との関係から、壁部を透して見たときの有色物の隠ぺい性が変わってくる。すなわち前記関係によっては、前述した斜め視点の角度β(図1参照)が小さく、見る角度が低いと、凸頂部82や凸頂部92に邪魔されて隠ぺい性が高まる。また、斜め視点の角度βが大きく、見る角度が高いと、凹底部81Bや凹底部91Bを見ることになり隠ぺい性が高まる。したがって、凹部81の深さH8と開口部83の開口径W8、開口部93の開口径W9との関係に応じて、壁部3を見るのに好ましい角度βが存在する。
すなわち、例えば、開口部83側から壁部を介し開口部93を通して有色物(図1参照)を見る場合、角度βと凹部81の深さH8、開口部83の開口径W8、開口部93の開口径W9との間には、下記数式(R1)のような関係があることが好ましい。
(H8/W8)≧tanβ≧(H8/(W8+W9)) ・・・(R1)
壁部3から次の開口部93を通して有色物を見る場合は、角度βと凹部81の深さH8、開口部83の開口径W8、開口部93の開口径W9との間には、下記数式(R2)の関係があることが好ましい。
(H8/(2×W8+W9))≧tanβ≧(H8/(2×W8+2×W9)) ・・・(R2)
壁部3からN個先の開口部93を通して有色物を見る場合は、角度βと凹部81の深さH8、開口部83の開口径W8、開口部93の開口径W9との間には、下記数式(R3)の関係があることが好ましい。
(H8/(N×(W8+W9)−W9))≧tanβ≧(H8/(N×(W8+W9))) ・・・(R3)
斜め視点の角度βを上記範囲とすることによって、壁部3を通して不織布10の厚さ方向奥まで引き込まれた有色物(図1参照)が確認しやすくなる。つまり、斜め視点で見る角度βを上記範囲とすることによって、隠ぺい性が低くなる。また、斜め視点で見る角度βを上記範囲とすることによって、前述した隠ぺい率の差(Eβ−Eα)が大きくなる。斜め視点の角度βにて壁部3を介して見る場合に、不織布10の厚さ方向奥まで引き込まれた有色物(図1参照)が確認しやすくなる範囲、または隠ぺい性が低くなる範囲、または隠ぺい率の差が大きくなる範囲、を広げる観点からは、開口部93の開口径W9を大きくするのが好ましく、開口部83の開口径W8に対する開口部93の開口径W9の比を大きくするのが好ましい。斜め視点の角度βにて壁部3を介して見る場合に、不織布10の厚さ方向奥まで引き込まれた有色物(図1参照)が急に確認しやすくなること、または隠ぺい性が急に低くなること、または隠ぺい率の差が急に大きくなることによって驚きをもって高い吸収性を実感できるようにする観点から、深さH8を大きくすることが好ましく、開口部83の開口径W8に対する深さH8の比を大きくするのが好ましい。
上記した、斜め視点の角度βと凹部81の深さH8、開口部83の開口径W8、開口部93の開口径W9との間の関係は、不織布10Dに限らず、前述した不織布10Bなど凹凸面を有する種々の態様の不織布に適用され得る。
さらに壁部3は、凹部81を囲むものとして、不織布10Dの長手方向(Y方向)に沿って配された第1壁部31と、不織布10Dの幅方向(X方向)に沿って配された第2壁部32とを有する。第1壁部31は、図7に示したように、第1外面繊維層1(11)の端部11A及び外面繊維層2の端部2Aを垂直方向に繋いでいる。第2壁部32は、図8に示したように、第1外面繊維層1(12)の端部12A及び外面繊維層2の端部2Aを垂直方向に繋いでいる。図7及び8においては、第2面側Z2を下にして水平な平面に載置したときの第2面側Z2の面を不織布基準面10SSとして示している(以下、基準面10SSともいう。)。以下、図7に示す不織布10Dの幅方向(X方向)に沿った縦断面を、F1−F1断面ともいう。図8に示す不織布10Dの長手方向(Y方向)に沿った縦断面を、F2−F2断面ともいう。
壁部3は、不織布基準面10SSに対して厚さ方向に角度θで起立している。壁部3の角度θは、凹部81中央における縦断面(F1−F1断面又はF2−F2断面)において、壁部3の面(断面における壁部3の面に相当する直線)と基準面10SSとがなす角度である。F1−F1断面における角度θをθ1、F2−F2断面における角度θをθ2とする。いずれの角度θ1、θ2ともに、下記の規定値内にあることが好ましい(以下、角度θ1及びθ2を総称して角度θと言う。)。
角度θは、不織布基準面10SSに対して垂直方向上方から見た場合に、壁部3から不織布10の内部又は下方の有色物を見えにくくする観点から、80°より大きく、好ましくは85°以上であり、より好ましくは89°以上である。そして上記角度θは、100°より小さく、好ましくは95°以下であり、より好ましくは91°以下である。すなわち、壁部3の延出する垂直方向は、図1に示す垂直方向V上方から目視する方向に沿うようにされている。
なお、壁部3の上端部3Aと下端部3Bとの間において、不織布基準面10SSに対する壁部3の角度θが部分的に上記範囲外であっても許容される。例えば、壁部3の上端部3Aと下端部3Bとの間において、上記縦断面にて見た壁部3が波打った形状であってもよい。
壁部3の角度θは、具体的には、以下のようにして測定することができる。
まず、不織布10を、凹凸面8または凹凸面9を含むように、第1面側Z1面から第2面側Z2面に向かって、若しくは第2面側Z2面から第1面側Z1面に向かって切り、縦断面(F1−F1断面又はF2−F2断面)を得る。
次に不織布10の基準面10SSが水平になるように静置し、凹部81、凸部82、壁部3、または凹部91、凸部92、壁部3を含む縦断面(F1−F1断面又はF2−F2断面)を撮像し、断面画像を得る。撮像した断面画像から壁部3の角度θを測定する。
角度θの測定方法の一つとしては、目視される壁部3の面と基準面10SSとの成す角度を測定し、壁部3の角度θとする。具体的には、凹底部81Bと壁部3の交点3Bから凸部82の端部3Aに向かう仮想面J1、または凹底部91Bと壁部3の交点3Cから凸部92の端部3Dに向かう仮想面J2を設定する。その仮想面J1又はJ2と基準面10SSとの成す角度を測定し、壁部3の角度θとすることができる(図9(A)参照)。
目視される壁部3の面が平坦ではなく凹凸面である場合は、壁部3の凹凸面のうち、壁部外側(目視する側に合わせて凹部8側又は凹部9側)にある凸面頂部に接するように仮想面J3又はJ4を設定する。その仮想面J3又はJ4と基準面10SSとの成す角度を測定し、壁部3の角度θとする(図9(B)参照)。
壁部3が開孔している場合は、凹底部81Bと壁部3の交点3Bから凸部82の端部3Aに向かう仮想面J5、または凹底部91Bと壁部3の交点3Cから凸部92の端部3Dに向かう仮想面J6を設定する。その仮想面J5又はJ6と基準面10SSとの成す角度を測定し、壁部3の角度θとすることができる(図9(C)参照)。
なお、凸部82の端部3Aは、該凸部82に隣接する凹部81において、開口部83の開口径W8の始点又は終点である。凸部92の端部3Dは、該凸部92に隣接する凹部81において、開口部93の開口径W9の始点又は終点である。
凹部81を側部から囲む壁部3は、それぞれ同程度に傾いていることが好ましい。つまり各壁部の角度θの値が同じであることが好ましい。
不織布基準面10SSに対する各壁部3の角度θが同じであることによって、不織布のMD方向、CD方向から見た時、同角度にて隠ぺい性が低下する効果が得られ、不織布が均一に見えるという効果を奏する。
また、凹部81を側部から囲む壁部3は、それぞれ異なる角度に傾いていることも好ましい。つまり各壁部の角度θの値が異なることが好ましい。不織布基準面10SSに対する各壁部3の角度θが異なることによって、不織布の目視する面10SAを様々な角度から見た時、異なる角度にて隠ぺい性が低下する効果が得られ、吸収後の見た目に意匠をつける効果を奏する。
更にまた、凹部81を側部から囲む壁部3の内、一部が同程度に傾いて、一部が異なる角度にて傾いていることも好ましい。つまり各壁部の角度θの内、一部の角度θが同じであり、他のの角度θが異なる場合である。例えば、不織布のMD方向、CD方向、それぞれの壁部の角度が同じである場合である。この場合、不織布のMD方向、CD方向、それそれより見た時、それぞれが同角度にて隠ぺい性が低下する効果が得られ、吸収後の見た目に意匠をつける効果を奏する。
さらに、図示はしていないが、不織布10Dは、外面繊維層1、2と壁部3とは相互に、少なくとも一部の繊維同士が融着して継ぎ目なく一体化している。不織布10Dは、壁部3が第1面側Z1の外面繊維層1と第2面側Z2の外面繊維層2とを連結して支えることによって嵩高く厚さのあるものとなっている。不織布10Dの厚さとは、外面繊維層1、2や壁部3の局所の厚さではなく、不織布全体の賦形された形状における見掛け厚さを指すものである。なお、不織布10Dにおいて、外面繊維層1、2と壁部3と接続部分以外の各部位においても少なくとも一部の繊維同士の交点にて融着している。また不織布10Dには融着しない交点があってもよい。また、不織布10Dは熱可塑性繊維以外の繊維を含んでもよく、熱可塑性繊維がそれ以外の繊維との交点にて融着する場合を含む。
壁部3の目付量は、凸頂部82T(凹底部91B)及び凹底部81B(凸頂部92T)の目付量よりも少なくされている。これにより、壁部3は、凸頂部82T(凹底部91B)及び凹底部81B(凸頂部92T)よりも光の透過率が低くされている。
すなわち、壁部3に対する斜め方向上方から目視した場合の有色物に対する隠ぺい性が、凸頂部82T(凹底部91B)及び凹底部81B(凸頂部92T)に対する垂直方向上方から目視した場合の有色物に対する隠ぺい性よりも低くされている。これにより、不織布10Dにおいて、有色物に対する隠ぺい性と有色物が奥に引き込まれていることを認識できる視認性とが両立される。不織布10Dは、両面の凹凸面において壁部3を斜め視点で目視することができ、いずれの面側においても上記効果を奏する。
なお、垂直視点及び斜め視点は、前述の不織布10A〜10Cに示したものと同様の意味である。また、「隠ぺい性」の差異は、不織布10Aによって定義した△E abによって示される色差として判断される。
壁部3の目付量を、凸頂部82T(凹底部91B)及び凹底部81B(凸頂部92T)の目付量よりも少なくさせる方法として、新たに繊維や不織布を部分的に積層する方法の他、予めウエブに粗密をつける方法が挙げられる。特に、ウエブに加工を加えると、ウエブに粗密をつけることができ好ましい。このような場合、壁部3の目付が、凸頂部82T(凹底部91B)、凹底部81B(凸頂部92T)の目付より少なくする方法の一つの例として、ウエブの延伸加工による方法がある。この延伸加工は、予め繊維を融着前のウエブに成形し、該ウエブを凹凸賦形する際に行う。該延伸加工においては、凸頂部82T(凹底部91B)となる部分(図7、8参照)と凹底部81B(凸頂部92T)となる部分(図7、8参照)の構成繊維36、36との間に、壁部3となる構成繊維37の部分がZ(Z1、Z2)方向に延伸される(図10参照)。このとき延伸されることで壁部3の目付は減り、凸頂部82T(凹底部91B)、凹底部81B(凸頂部92T)より目付が少なくなる。これによって、壁部3の光散乱度が低下するため光透過量が向上し、斜め方向から壁部3を通して不織布の内部が見え易くなる。
なお、この場合、不織布化前のウエブに対して延伸処理を行うため、繊維は壁部3がなす垂直方向に沿った繊維の配向性を強められる。このことが、より斜め視点の目視において、下側奥の有色物に対する視認性が高まり、垂直視点の目視による「隠ぺい性」との差がより明確となり好ましい。
凸頂部82T(凹底部91B)及び凹底部81B(凸頂部92T)それぞれの目付量(N1)と壁部3の目付量(N1)との差(N1−N2)は、隠ぺい性を確保する観点から、0g/m以上であり、好ましくは0.5g/m以上であり、より好ましくは1g/m以上である。また、前記差(N1−N2)は、壁部の潰れにくさを確保する観点から、100g/m以下であり、好ましくは50g/m以下であり、より好ましくは35g/m以下である。
凸頂部82T及び凹底部91B(外面繊維層1)の目付量は、隠ぺい性を確保する観点から、好ましくは0.1g/m以上であり、より好ましくは1g/m以上であり、さらに好ましくは3g/m以上である。そして、壁部の潰れにくさを確保する観点から、好ましくは1000g/m以下であり、より好ましくは100g/m以下であり、さらに好ましくは50g/m以下である。
凹底部81B及び凸頂部92T(外面繊維層2)の目付量は、隠ぺい性を確保するという観点から、好ましくは0.1g/m以上であり、より好ましくは1g/m以上であり、さらに好ましくは3g/m以上である。そして、壁部の潰れにくさを確保する観点から、好ましくは1000g/m以下であり、より好ましくは100g/m以下であり、さらに好ましくは50g/m以下である。
壁部3の目付量は、壁部の潰れにくさを確保する観点から、好ましくは0.1g/m以上であり、より好ましくは0.5g/m以上であり、さらに好ましくは1g/m以上である。そして、視認性を確保する観点から、好ましくは100g/m以下であり、より好ましくは75g/m以下であり、さらに好ましくは50g/m以下である。
不織布の目付量の測定方法は、測定対象の不織布を10cm×10cmに切って試料とする。10cm×10cmの試料がとれない場合はできるだけ大きな面積に切って試料とする。天秤を用いて、試料の質量をg単位にて小数点第2位まで測定し、その測定値を試料の面積にて割った値を目付量とする。
不織布の各部位の目付量の測定方法は、測定対象の不織布から各部位を切り出す。切り出した幅及び長さをmm単位にて小数点第1位まで精密に測定し、合計が50mm以上になるまで試料を切り出す。その合計が50mm以上になった試料の質量を、精密天秤を用いてg単位にて小数点第4位まで測定し、その測定値を試料の面積にて割った値を目付量とする。
市販の吸収性物品に測定対象の不織布が組み込まれている場合は、コールドスプレーを用いて吸収性物品から不織布を丁寧に剥がして試料に用いる。この際、試料にホットメルト接着剤が付着している場合には、有機溶媒を用いてホットメルト接着剤を除去する。この手法は、本願明細書における他の不織布の測定に関して、すべて同様である。
さらに不織布10Dは、前述のように、平坦面である外面繊維層1、2を壁部3が垂直方向に支える立体構造を有する。この立体構造によって、不織布基準面10SSに対して斜め視点の角度βを変えて見た場合、ある角度にて、不織布10D下方のより奥の方まで引き込まれた排泄物の確認が可能となる。これにより、不織布10表面から、有色物(例えば、排泄液)に対する吸収性能の高さを確認することができる。
このような観点から、見掛け厚さ及び目付量について次の範囲であることが好ましい。
不織布10Dの見掛け厚さは、壁部3を通して不織布10の厚さ方向奥まで引き込まれた有色物を確認しやすくするという観点から、好ましくは1.5mm以上であり、より好ましくは2mm以上であり、更に好ましくは3mm以上である。そして、見掛け厚さの上限は特に制限されるものでは無いが、壁部の潰れにくさの観点から、好ましくは100mm以下であり、より好ましくは50mm以下であり、更に好ましくは10mm以下である。また、吸収性物品の表面材として使用する場合に、携帯性等に優れる観点から、好ましくは10mm以下であり、より好ましくは9mm以下であり、更に好ましくは8mm以下である。
[不織布10Dの見掛け厚さの測定方法]
不織布の見掛け厚さの測定方法は、まず、測定対象の不織布を10cm×10cmに切って試料とする。10cm×10cmの試料がとれない場合はできるだけ大きな面積に切って試料とする。試料全面に均等に50Paの圧力をかけた状態にして、変位センサを使用して、不織布の見掛け厚さを測定する。3か所測定し、3か所の測定値の平均を不織布の見掛け厚さとする。変位センサには、例えば、オムロン株式会社製高精度変位センサZS−LD80(商品名)を挙げることができる。
本実施態様の不織布10Dにおいて、「隠ぺい性」の差異をより効果的に発現させる観点から、前述した色調変化材を用いて含有量を次のように設定することが好ましい。すなわち、壁部3が、凸頂部82T(凹底部91B)及び凹底部81B(凸頂部92T)よりも色調変化材の含有量を少なくされていることが好ましい。これにより、壁部3の光透過率は、凸頂部82T(凹底部91B)及び凹底部81B(凸頂部92T)よりも低くなり、両者の「隠ぺい性」差異がより明確となる。この色調変化材については、図5を参照して説明した不織布10Dにおいて用いたものと同様のものである。そのため、不織布10Dにおいて、色調変化材の測定方法、含有させる方法、好ましい含有量など前述の不織布10Cについて説明した内容が適用される。
また本実施態様においては、色調変化材を含有させる方法として、前述の不織布10Cについて説明した塗布方法の他、予め不織布の構成繊維に含ませておく方法が挙げられる。不織布の構成繊維が複数の樹脂から成る場合、複数の樹脂に均等に色調変化材を含有させてもよい。また、複数の樹脂に不均等に色調変化材を含有させてもよく、複数の樹脂のうち一つの樹脂又はいくつかの樹脂に色調変化材を含有させてもよい。例えば、熱融着性芯鞘繊維であれば、鞘部分に色調変化材があると「隠ぺい性」の差異をより効果的に発現しやすくなり好ましく、芯部分にあると色調変化材が鞘の熱融着性を阻害しにくく好ましい。また不織布が複数の繊維から成る場合、複数の繊維に均等に色調変化材を含有させてもよく、また、複数の繊維に不均等に色調変化材を含有させてもよく、複数の繊維のうち一つの繊維又はいくつかの繊維に色調変化材を含有させてもよい。特に、複数の繊維から成るウエブに加工を加えると、不織布内での色調変化材の含有量を変化させることができ好ましい。このような場合、壁部3に含まれる色調変化材が、凸頂部82T(凹底部91B)、凹底部81B(凸頂部92T)に含まれる色調変化材より単位体積当たり少なくする方法の一つの例として、ウエブの延伸加工による方法がある。この延伸加工は、予め色調変化材を含んだ繊維を融着前のウエブに成形し、該ウエブを凹凸賦形する際に行う。該延伸加工においては、凸頂部82T(凹底部91B)となる部分(図7、8参照)と凹底部81B(凸頂部92T)となる部分(図7、8参照)の構成繊維36、36との間に、壁部3となる構成繊維37の部分がZ(Z1、Z2)方向に延伸される(図10参照)。このとき構成繊維36と構成繊維37の色調変化材の含有量が異なると、含有量の多い構成繊維36が凸頂部82T(凹底部91B)と凹底部81B(凸頂部92T)になり、含有量の少ない構成繊維37が壁部3になる。また、構成繊維36と構成繊維37の色調変化材の含有量を変化させることで、凸頂部82T(凹底部91B)と凹底部81B(凸頂部92T)と壁部3の色調変化材の含有量を異ならせることもできる。
前記延伸加工により壁部3を不織布10Dの厚さ方向に引き延ばすことによって、壁部3の単位体積当たりの色調変化材量を減少させることができる。これによって、壁部3の光透過量が向上し、斜め方向から壁部3を通して不織布の内部が見え易くなる。一方、延伸加工により頂部82T及び底部81Bの色調変化材量は変化しない。
なお、この場合、不織布化前のウエブに対して延伸処理を行うため、繊維は壁部3がなす垂直方向に沿った繊維の配向性を強められる。このことが、より斜め視点の目視において、下側奥の有色物に対する視認性が高まり、垂直視点の目視による「隠ぺい性」との差がより明確となり好ましい。
図11は、上記の延伸加工行った場合の凸頂部、凹底部、壁部のそれぞれから等量の繊維を取り出し、質量変化速度(DTG)/繊維投入量を測定した結果であり、凸頂部、凹底部、壁部の色調変化材の含有量の差の具体例を示している。凸頂部、凹底部、壁部のそれぞれから1mg繊維を取り出し、φ5オープンパン(アルミニウム)に入れて、株式会社日立ハイテクサイエンス製STA7200RV(商品名)を用い、昇温速度10℃/minにて計測を行った。この具体例では、酸化チタンを用い、凸頂部、凹底部よりも壁部の質量変化速度(DTG)が1割程度低くなった。すなわち、凸頂部、凹底部よりも壁部の酸化チタン比率(TiO比率)が低く、色調変化材の含有量が少なくされている。ここでTiO比率は、色調変化材の含有量になる。
さらに不織布10Dの構成繊維の繊度(繊維径)は、「隠ぺい性」の差異をより効果的に発現させる観点から、次のように異ならせることが好ましい。
すなわち、凸頂部82T(凹底部91B)を構成する繊維の繊度および凹底部81B(凸頂部92T)を構成する繊維の繊度より、壁部3を構成する繊維の繊度を大きくすることが好ましい。これにより、壁部3に入射される光の散乱は凸頂部82T(凹底部91B)及び凹底部81B(凸頂部92T)よりも抑えられる。すなわち、壁部3における光透過率は凸頂部82T(凹底部91B)及び凹底部81B(凸頂部92T)よりも高くなる。これにより、両者の「隠ぺい性」の差異がより明確となる。
繊維の繊度を変化させる方法として、新たに繊度の異なる繊維を部分的に積層する方法の他、予め不織布の構成繊維に繊度の異なる繊維を含有させる方法が挙げられる。特に、複数の繊維から成るウエブに加工を加えると、不織布内での繊度を変化させることができ好ましい。このような場合、壁部3に含まれる繊維の繊度が、凸頂部82T(凹底部91B)、凹底部81B(凸頂部92T)に含まれる繊維の繊度より太くする方法の一つの例として、ウエブの延伸加工による方法がある。この延伸加工は、予め繊維を融着前のウエブに成形し、該ウエブを凹凸賦形する際に行う。該延伸加工においては、凸頂部82T(凹底部91B)となる部分(図7、8参照)と凹底部81B(凸頂部92T)となる部分(図7、8参照)の構成繊維36、36との間に、壁部3となる構成繊維37の部分がZ(Z1、Z2)方向に延伸される(図10参照)。このとき構成繊維36と構成繊維37の繊維の繊度が異なると、繊度の比較的細い構成繊維36が凸頂部82T(凹底部91B)と凹底部81B(凸頂部92T)になり、繊度の比較的太い構成繊維37が壁部3になる。また、構成繊維36と構成繊維37の繊度を変化させることで、凸頂部82T(凹底部91B)と凹底部81B(凸頂部92T)と壁部3の繊度を異ならせることもできる。
前記延伸加工により壁部3を不織布10Dの厚さ方向に引き延ばすことによって、壁部3の繊維の繊度を太くさせることができる。これによって、壁部3の繊維の光散乱度が低下するため光透過量が向上し、斜め方向から壁部3を通して不織布の内部が見え易くなる。
なお、この場合、不織布化前のウエブに対して延伸処理を行うため、繊維は壁部3がなす垂直方向に沿った繊維の配向性を強められる。このことが、より斜め視点の目視において、下側奥の有色物に対する視認性が高まり、垂直視点の目視による「隠ぺい性」との差がより明確となり好ましい。
壁部3を構成する繊維の繊度と凸頂部82T(凹底部91B)及び凹底部81B(凸頂部92T)を構成する繊維の繊度との差は、以下のようにする。「隠ぺい性」の差異をより明確にする観点から、0.01dtex以上が好ましく、0.05dtex以上がより好ましく、0.1dtex以上が更に好ましい。また、上記繊度の差は、隠ぺい性と視認性とを両立させるという観点から、10dtex以下が好ましく、5dtex以下がより好ましく、1dtex以下が更に好ましい。
また、凸頂部82T(凹底部91B)及び凹底部81B(凸頂部92T)を構成する繊維の繊度は、以下のようにする。吸収される排泄物の透過性を得るという観点から、好ましくは0.1dtex以上であり、より好ましくは0.5dtex以上であり、さらに好ましくは1dtex以上である。そして隠ぺい性を得るという観点から、好ましくは100dtex以下であり、より好ましくは10dtex以下であり、さらに好ましくは5dtex以下である。
また、壁部3を構成する繊維の繊度は、以下のようにする。凸頂部82T(凹底部91B)及び凹底部81B(凸頂部92T)を構成する繊維の繊度よりも大きく、視認性を得るという観点から、好ましくは0.1dtex以上であり、より好ましくは0.5dtex以上であり、さらに好ましくは1dtex以上である。そして不織布全体の隠ぺい性を得るという観点から、好ましくは100dtex以下であり、より好ましくは10dtex以下であり、さらに好ましくは5dtex以下である。
[繊度の測定方法]
不織布加工前の繊維の繊度はJIS L1015に準拠して求めることができる。
不織布となった繊維の繊度、不織布の各部位における繊維の繊度は、繊維断面の繊維径から求めることができる。電子顕微鏡等により繊維の断面形状を計測し、繊維の断面積(複数の樹脂より形成されている繊維では各々の樹脂成分の断面積)を計測する。それとともに、DSC(示差熱分析装置)により、樹脂の種類(複数樹脂の場合は、およその成分比)を特定して、比重を割り出し、繊度を算出する。例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)から構成される短繊維であれば、まず断面を観察し、その断面積を算出する。その後、DSCにて測定することによって、融点やピーク形状から単成分の樹脂から構成されており、それがPET芯であることを同定する。その後、PET樹脂の密度と断面積を用いて、繊維の質量を算出することによって、繊度を算出する。
次に、不織布10(10D)のより具体的な構造について説明する。
不織布10Dは、図6に示したように、第1面側Z1の外面繊維層1として、第1、第2外面繊維層11、12を有する。第1、第2外面繊維層11、12は、不織布10Dの平面視交差する異なる方向のそれぞれに沿って延出する長さを有する。延出する方向は、不織布10Dの辺に沿う、互いに直交するX方向とY方向である。Y方向は不織布10Dの長手方向であり、X方向は不織布10Dの幅方向である。
第1外面繊維層11は、不織布10Dの平面視において、Y方向に切れ目なく連続して延出している。すなわち、第1外面繊維層11は不織布10Dの長さ方向全体に亘って切れ目なく連続している。そして第1外面繊維層11は、Y方向と直交するX方向に、複数が互いに離間して配されている。
第2外面繊維層12は、X方向に延出しており、X方向に離間して並列する第1外面繊維層11、11の間を繋いで配されている。「第1外面繊維層11、11間を繋いで」いるとは、第1外面繊維層11を挟んで隣り合う第2外面繊維層12同士が直線状に並んでいることをいう。具体的には、第2外面繊維層12の中心線と、第1外面繊維層11を挟んで隣り合った第2外面繊維層12の中心線とのズレが、第2外面繊維層12の幅(長手方向の長さ)の範囲であることをいい、例えば5mm以内であることをいう。第2外面繊維層12は、第1外面繊維層11よりも第1面側Z1の位置が若干低く形成されていることが好ましい。そのため第2外面繊維層12は、第1外面繊維層11の介在によりX方向の長さが分断され、複数個が互いに離間しながらX方向に列をなしている。また、第2外面繊維層12の幅(Y方向の長さ)は、第1外面繊維層11の幅(X方向の長さ)よりも狭くされていることが好ましい。このような第2外面繊維層12のX方向の列は、更にY方向について複数が互いに離間して配されている。なお、第2外面繊維層の形状は本実施形態のものに限定されず、例えば、前記第1面側Z1の位置や幅を第1外面繊維層11と同様にしてもよい。
上記のように外面繊維層1が延出方向の異なる複数種を有する場合、延出方向とされる「平面視交差する異なる方向」はX方向及びY方向に限定されない。不織布10Dの平面方向における交差する方向であれば種々の態様をとり得る。
第2面側Z2の外面繊維層2は、複数互いに離間して配されている。具体的には、第1面側Z1の第1外面繊維層11、11の間の離間空間を覆うようにして、外面繊維層11の延出方向(Y方向)に沿って複数個が互いに離間して列をなしている。さらに、外面繊維層2のY方向の列は、Y方向と直交するX方向について、複数が互いに離間して配されている。すなわち、外面繊維層2はX方向にも配列されている。このように外面繊維層2の配列方向は、外面繊維層1と面が重ならない位置にて、外面繊維層1の延出方向に一致している。そのため、外面繊維層1の延出方向が上記X方向及びY方向と異なる方向を取る場合、外面繊維層2の配列方向もこれに応じて上記X方向及びY方向と異なる方向となる。
また図6〜8に示したように、壁部3は、第1面側Z1の第1外面繊維層11と第2面側Z2の外面繊維層2とを繋ぐ第1壁部31と、第1面側Z1の第2外面繊維層12と第2面側Z2の外面繊維層2とを繋ぐ第2壁部32を有する。壁部3(第1壁部31及び第2壁部32)は、外面繊維層1及び2の離間配置に合わせて、不織布10Dの平面方向に複数が互いに離間して配されている。
壁部3を構成する第1壁部31、第2壁部32は、それぞれが不織布10Dの平面視交差する異なる方向に沿って複数が配されている。具体的には、第1壁部31は、第2面側Z2の外面繊維層2のY方向の辺に一致する長さを有し、第1面側Z1の第1外面繊維層11の延出方向に沿った面を備える。すなわち、第1壁部31の面はY方向に沿って配されている。一方、第2壁部32は、第2面側Z2の外面繊維層2のX方向の辺に一致する長さを有し、第1面側Z1の第2外面繊維層12の延出方向に沿った面を備える。すなわち、第2壁部32の面はX方向に沿って配されている。このように壁部3(第1壁部31及び第2壁部32)の面の沿う方向は、外面繊維層1(第1外面繊維層11及び第2外面繊維層12)の延出に一致している。そのため、外面繊維層1の延出方向が上記X方向及びY方向と異なる方向を取る場合、壁部3の面の沿う方向もこれに応じて上記X方向及びY方向と異なる方向となる。
図6に示したように、面の向きが異なる第1壁部31及び第2壁部32のいずれにおいても、図10に示すように不織布10Dの厚さ方向に構成繊維36、37が配向している。すなわち、壁部3は、不織布10Dの長手方向及び幅方向に関係なく、平面方向におけるいずれの方向(例えばX方向とY方向)に向いた面であっても構成繊維36、37が不織布10の厚さ方向(Z方向)への配向性が高められている。従来の不織布のように基本的にランダムに繊維が配向し融着された不織布を凹凸に賦形するだけでは、このように異なる複数の方向に向いた壁部3を厚さ方向に配向したものとすることはできない。仮に配向があったとしても不織布製造時の機械流れ方向の1方向となる。これに対し、本実施形態の不織布10は、どの方向に向く壁部3(本実施形態においては互いに直交する面を持つ第1壁部31及び第2壁部32)においても、不織布10Dの厚さ方向の繊維配向を有する。
これにより、壁部3を透過する光の乱反射が低減され、不織布の厚さ方向奥まで引き込まれた有色物(例えば、排泄物)が確認しやすくなり、しかも不織布の表面から厚さ方向奥に吸収しているように見える。
不織布10Dの第1面側Z1には、前述した凹凸面8が配されている。
凹凸面8は、4つの壁部3(2つの第1壁部31と2つの第2壁部32)に囲まれた凹部81を有する。凹部81は、第1外面繊維層11と第2外面繊維層12とによって区画される第1面側Z1の領域から、第2面側Z2の外面繊維層2までの厚さ方向の領域にある。凹部81は、第2面側Z2の外面繊維層2を底部とし、第1面側Z1に開口している。凹部81が配されていることによって、不織布基準面10SSに対してあらゆる方向の斜め方向からの光の少なくとも一部は、壁部3を透過しやすくなる。これによって、斜め視点のどの方向から見た場合であっても、不織布10の厚さ方向奥の方まで引き込まれた有色物(例えば、排泄物)が見えやすくなる。
凹部81は、第2面側Z2の外面繊維層2の四辺から立設された4つの壁部3に囲まれてなる。そのため、凹部81は、外面繊維層2のX方向及びY方向の配列に対応して、複数が互いに離間して配列されている。この配列において、凹部81同士は互いに連通することなく独立している。
さらに、凹部81の存在が心理的にも風合いがよいように見える。また、おむつの表面材として使用した際には開口は通気性の高さを想起させ、快適感を与える。さらに空間が保持されることによって空気の通り道を作り、通気性が実際によくなり、蒸れを抑える。
本実施態様において、複数の独立した凹部81は、互いに離間しながら第1外面繊維層11によってY方向に連接されている。これにより、不織布10の第1面側Z1の面の形状が保持されやすい。また、第1外面繊維層11と第2外面繊維層12とが第1面側Z1における高さを異ならせていることにより、押圧力の不織布10の平面方向への波及が抑えられて好ましい。
不織布10Dの第2面側Z2には、前述した第2面側Z2の凹凸面9が配されている。
凹凸面9は、外面繊維層1(第1外面繊維層11、第2外面繊維層12)の2種それぞれに対応して、2種類の凹部91を有する。具体的には、第1外面繊維層11が底部となる凹部911及び第2外面繊維層12が底部となる凹部912を有する。第2面側Z2において、凹部911がY方向に連続し、凹部912がX方向に連続し、凹部911と凹部912とが連通している。
次に、不織布10Dの製造方法の好ましい一実施形態について、図12を参照して以下に説明する。
本実施形態の不織布10Dの製造方法においては、不織布化する前の繊維ウエブ110を賦形するための支持体雄材120と支持体雌材130とを用いる。図12(A)に示すように、支持体雄材120の上に繊維ウエブ110を載置し、繊維ウエブ110の上から支持体雌材130にて抑えて挟み込んで賦形する。
支持体雄材120は、不織布10Dの凹部81を囲む4つの壁部3及び第2面側Z2の外面繊維層2が賦形される位置に対応して多数の突起121を有する。突起121、121間は、第1面側Z1の外面繊維層1が賦形される位置に対応する支持体凹部122とされている。これにより、支持体雄材120は凹凸形状を有しており、突起121と支持体凹部122とが平面視異なる方向に交互に配されている。支持体凹部122の支持体底部123は熱風が吹き抜ける構造となっており、例えば多数の孔が配されている(図示せず)。なお、前記「異なる方向」は、不織布10Dを製造する支持体としては、不織布10DにおけるY方向(長手方向)とX方向(幅方向)に一致する方向であることが好ましい。本実施形態の製造方法においては、Y方向は機械流れ方向に相当し、X方向は機械流れ方向に直交する幅方向に相当する。ただし「異なる方向」は、本発明の不織布の凹凸構造によって異なるものであり、Y方向及びX方向に限定されない。
支持体雌材130は、支持体雄材120の支持体凹部122に対応する格子状の突起131を有する。突起131、131間は、支持体雄材120の突起121に対応する支持体凹部132とされている。これにより、支持体雌材130は凹凸形状を有しており、突起131と支持体凹部132とが平面視異なる方向に交互に配されている。支持体凹部132の支持体底部133は熱風が吹き抜ける構造となっており、例えば多数の孔が配されている。突起131、131間の距離は、支持体雄材120の突起121の幅よりも広くされている。その距離は、支持体雄材120の突起121と支持体雌材130の突起131とによって繊維ウエブ110を挟み込んで繊維が厚さ方向に配向する壁部3を好適に賦形できるよう適宜設定される。
まず、本実施形態においては、融着する前の繊維ウエブ110を所定の厚さとなるようカード機(図示せず)からウエブを賦形する装置に供給する。
次に図12(A)に示すように、支持体雄材120上に、熱可塑性繊維を含む繊維ウエブ110を配し、繊維ウエブ110上から、支持体雌材130を支持体雄材120に押し込む。このとき、支持体雄材120の突起121を支持体雌材130の支持体凹部132に挿入する。また、支持体雄材120の支持体凹部122に支持体雌材130の突起131を挿入する。これにより繊維が厚さ方向と平面方向に配向された形状を作る。
この状態にて、図12(B)に示すように、支持体雌材130の側から繊維ウエブ110に対し第1の熱風W1を吹き付ける。すなわち、不織布10における第2面となる側から第1の熱風W1を吹き付ける。これにより、繊維ウエブ110は不織布10の凹凸形状を保持可能な程度に融着される。繊維ウエブ110においては、繊維同士が極めて緩く融着している状態となっている。
さらに、突起121の頂部と支持体凹部132の底部との間では、第1の熱風W1の吹き抜けが抑えられ、繊維が平面方向において融着される。これにより、第2面側Z2の外面繊維層2に相当する繊維層が賦形される。また、支持体凹部122の底部と突起部131の頂部との間において、繊維が平面方向に配向する。突起部131は熱風を阻害しているので、形成される繊維層には融着が少なく、滑らかな繊維層が得られる。これにより、第1面側Z1の外面繊維層1に相当する繊維層が賦形される。このとき厚み方向に配向している壁部の形状も保持される。
なお、図面中の矢印は第1の熱風W1の流れを模式的に示している。
第1の熱風W1の温度は、熱可塑性繊維が厚み方向と平面方向に形状を保持できる温度に設定される。この種の製品に用いられる一般的な繊維材料を考慮すると、繊維ウエブ110を構成する熱可塑性繊維の融点に対して0℃以上70℃以下高いことが好ましく、5℃以上50℃以下高いことがより好ましい。
第1の熱風W1の風速は、効果的に融着させる観点から、2m/s以上が好ましく、3m/s以上がより好ましい。また、第1の熱風W1の風速は、装置規模をコンパクトにできる観点から、100m/s以下が好ましく、80m/s以下がより好ましい。
このようにして、繊維ウエブ110を仮融着させて凹凸形状に保持する。
なお、支持体雄材120の突起121の高さ及び支持体雄材130の突起131の高さは、製造する不織布10の見掛け厚さ等によって適宜決定される。例えば、2mm以上が好ましく、3mm以上がより好ましく、5mm以上が更に好ましく、また、15mm以下が好ましく、10mm以下がより好ましく、9以下が更に好ましい。
次に、支持体雌材130を取り外し、図12(C)に示すように、凹凸形状に賦形された繊維ウエブ110の各繊維が適度に融着可能な温度の第2の熱風W2を吹きつけて、繊維同士をさらに融着させる。この場合も第1の熱風W1と同様に、繊維ウエブ110に対し、不織布10における第2面となる側から第2の熱風W2を吹き付ける。このときの第2の熱風W2の温度は、この種の製品に用いられる一般的な繊維材料を考慮すると、繊維ウエブ110を構成する熱可塑性繊維の融点に対して0℃以上70℃以下高いことが好ましく、5℃以上50℃以下高いことがより好ましい。
第2の熱風W2の風速は、支持体雄材120の突起121の高さにもよるが、2m/s以上が好ましく、3m/s以上がより好ましい。これにより、繊維への熱伝達を十分なものとして繊維同士を融着させ、凹凸形状の固定を十分なものとすることができる。また、第2の熱風W2の風速は、100m/s以下が好ましく、80m/s以下がより好ましい。これにより、繊維へ過度な熱伝達を抑えて、不織布10の風合いを良好なものとすることができる。
なお、支持体雌材の表面粗さを小さくすることによって、第1の熱風W1の吹き付けの工程を省略することが可能である。また表面粗さを小さくすることによって、融着していない繊維をまとわりつかせることがなく、第2の熱風W2の吹き付けの工程において支持体雌材130を取り外すことが可能である。つまりウエブを作製後、支持体雄材120と支持体雌材130とを嵌合し、そのまま支持体雌材130を取り外し、第2の熱風W2によって処理をすることが可能である。これにより、より簡便な加工となる。
熱可塑性繊維としては、不織布の素材として通常用いられるものを特に制限なく採用できる。例えば、単一の樹脂成分からなる繊維や、複数の樹脂成分からなる複合繊維などであってもよい。複合繊維としては、例えば芯鞘型、サイドバイサイド型などがある。
熱可塑性繊維として低融点成分及び高融点成分を含む複合繊維(例えば鞘が低融点成分、芯が高融点成分の芯鞘型複合繊維)を用いる場合、繊維ウエブ110に吹き付ける熱風の温度は、低融点成分の融点以上であり、かつ高融点成分の融点未満であることが好ましい。より好ましくは、低融点成分の融点以上高融点成分の融点より10℃低い温度であり、さらに好ましくは、低融点成分の融点より5℃以上高く高融点成分の融点より20℃以上低い温度である。
以上説明したようにして、不織布10Dが作製される。支持体雄材120の突起121と支持体雌材130の突起131との間においては、繊維ウエブ110の繊維が揃って厚さ方向に配向し、壁部3が形成される。このとき突起121の周囲のいずれの方向に向いた面においても、繊維が厚さ方向(縦方向)に配向した壁部3が形成される。これにより、不織布10Dが有する、4つの壁部3に側面が囲まれた凹部81が形成される。加えて、突起121の頂部と支持体凹部132の底部との間にて、繊維が平面方向に配向する第2面側Z2の外面繊維層2が形成される。また、支持体凹部122の底部と突起部131の頂部との間に繊維が平面方向に配向する第1面側Z1の外面繊維層1が形成される。
得られた不織布10Dは、図12(C)における下側の面が第1面側Z1であり、その反対側の面が第2面側Z2となる。つまり、不織布10Dにおける第1面側Z1は支持体雄材120が配された側であり、第2面側Z2は第1の熱風W1及び第2の熱風W2が吹き付けられた側である。そのため、第1の熱風W1の吹き付け量の相違から、第1面側Z1の外面繊維層1よりも、第2面側Z2の外面繊維層2の繊維同士の融着点が多くなる。さらに、熱量の相違から、第2面側Z2の外面繊維層2の表面よりも、第1面側Z1の外面繊維層1の表面が、ざらつき感が少なく肌触りがよいものとなる。また第1の熱風W1を吹き付ける工程を省略しても、第2の熱風W2からの距離により同様の効果が得られる。また、繊維ウエブ110を挟んだ状態にして支持体雄材120を支持体雌材130に挿入することによって、第2面側Z2の外面繊維層2の繊維は引っ張られて、より支持体雄材120へと向かう。そのため支持体雄材120の支持体凹部122の底部に賦形された第1面側Z1の外面繊維層1よりも、支持体雄材120の突起121の頂部に賦形された第2面側Z2の外面繊維層2の繊維量が少なくなる。
本実施形態の製造方法において、連続生産を考慮すると、支持体雄材120及び支持体雌材130を組み込む装置を搬送可能なコンベア式またはドラム式のものとすることが好ましい。また、支持体雌材130を取り除いた後、賦形された不織布10を支持体雄材120から引き剥がし、ロール状に(図示せず)巻き取っていくことが好ましい。
この製造方法においては、不織布10Dの厚さは、支持体雄材120の突起121及び支持体雌材130の突起131の高さによって、適宜決定される。例えば、突起の高さを高くするとシートの見掛け厚さが厚くなり、低くするとシートの見掛け厚さが薄くなる。また、突起の高さを高くすると不織布10Dの繊維密度が低くなり、低くするとシートの不織布10Dの繊維密度が高くなる。
各実施形態にて説明した不織布10(10A〜10D)は、例えば生理用ナプキンや使い捨ておむつなどの吸収性物品の表面シート等に適用することができる。表面シートとして用いる場合、どちらの面を着用者の肌面に向けて用いてもよい。ただし、不織布基準面に対して角度を変えて見た場合、ある角度にて不織布の厚さ方向奥まで引き込まれた排泄物が確認し易く、不織布表面から厚さ方向奥に吸収している印象を想起させ易い観点から、第1面側Z1を着用者の肌面側に向けて用いることが好ましい。また、優れたクッション性と柔らかな肌触りの観点から、製造時において熱風があたる面とは反対側である第1面側Z1を着用者の肌面側に向けて用いることが、繊維の融着点が比較的少なく風合いが滑らかなため好ましい。
次に、不織布10を表面シートに用いた薄型の生理用ナプキン100の基本構成について、図13を参照して以下に説明する。図13では、生理用ナプキン100の幅方向をX、長手方向をYにて示した。
図13に示すように、生理用ナプキン100は、縦長の本体104を備える。本体104は、肌当接面側に配置される液透過性の表面シート101と、非肌当接面側に配置される液難透過性の裏面シート102と、表面シート101と裏面シート102との間に介在される液保持性を有する吸収体103とを有する。本体104の両側部には、外方に延出するウイング105(105a、105b)を備えている。なお、図面では、ウイング105を折り畳んだ状態を示している。
上記本体104の形状は、装着時に着用者の股下部分を介して下腹部側から臀部側へと配される長手方向(Y方向)とこれと直交する幅方向(X方向)とを有する縦長の形状である。本発明においては、特に断らない限り、人体に接触する側を肌当接面側または表面側といい、下着に接する側を非肌当接面側または裏面側という。さらに生理用ナプキン100の平面視において相対的に長さのある方向を長手方向といい、この長手方向と直交する方向を幅方向という。上記長手方向は典型的には装着状態において人体の前後方向と一致する。
表面シート101には、上記不織布10を用いる。その際、凹部81が肌当接面側になるように配する。
上記裏面シート102は、防水性があり透湿性を有していれば特に限定されない。例えば特開2013−128628号公報に記載されているようなフィルムが用いられる。
吸収体103には、例えば、繊維集合体またはこれと吸収性ポリマーとを併用させたもの等を用いることができる。例えば特開2013−128628号公報に記載されているような繊維集合体が用いられる。また吸収体103を被覆する被覆シート(図示せず)を用いてもよい。
上記ウイング105は、撥水性を有し、嵩高であり、繊維密度の疎な柔らかい不織布からなり、その基部が上記表面シート101と裏面シート102とに挟持され固定されている。ウイング105は、例えば特開2013−128628号公報に記載されているような不織布が用いられる。
上記生理用ナプキン100は、表面シート101に不織布10を用いたことから、不織布基準面10SS(図1参照)に対して角度を変えて見た場合、ある角度にて不織布10の厚さ方向奥まで引き込まれた排泄物が確認し易くなる。また、不織布の表面から厚さ方向奥に吸収している印象を想起させ易くなり、表面から厚さ方向奥に吸収しているように見える。つまり、生理用ナプキン100を手に持ち、基準面10SSを見た時の印象に対し、手をひねることによって奥まで引き込まれた排泄物が確認でき、奥に吸収している印象を想起させることができる。ここでいう「手」とは、肩より指先までを言い、腕も含む。また、手をひねるとは、主に手首もしくは前腕をひねることをいう。ここで、手をひねる動作によって、手をひねったように感じるのが10°以上、手前に限界まで手をひねったように感じるのが80°、奥に限界まで手をひねったように感じるのが80°である。また、内側に限界まで手をひねったように感じるのが90°以上、外側に限界まで手をひねったように感じるのが80°である。このため、斜め方向Sにて隠ぺい性が低くなる不織布10を生理用ナプキン100に用いることによって、手をひねると印象が変化する機能を付与することができる。また不織布10は表面シートだけでなく、裏面シート、表面シートと裏面シートの間の中間シート、吸収体シートとしても同様の効果が得られる。
本発明の不織布は各種用途に用いることができる。例えば、成人用や乳幼児用の使い捨ておむつ、生理用ナプキン、パンティーライナー、尿取りパッド等の吸収性物品の表面シートとして好適に使用することができる。さらに、生理用品やおむつ等の表面シートと吸収体との間に介在させるサブレイヤー、吸収体の被覆シート(コアラップシート)などとして用いることもできる。
以下、本発明を実施例に基づきさらに詳しく説明するが、本発明はこれにより限定して解釈されるものではない。なお、本実施例において「%」は、特に断らない限りいずれも質量基準である。
(実施例1)
図6に示す不織布を、色調変化材として酸化チタン(TiO)が2.7〜3質量%入った繊度1.5〜1.6dtexの熱可塑性繊維を用い、図12に示す製造工程を含むエアスルー製造方法によって作製した。これを実施例1の不織布試料とした。第1の熱風W1による吹き付け処理は、温度160℃、風速55m/s、吹き付け時間3s条件にて行った。第2の熱風による吹き付け処理は、温度160℃、風速55m/s、吹き付け時間3sの条件にて行った。
実施例1の不織布試料は、見掛け厚さが7.2mmであった。凹部81の深さH8は6mmであり、開孔径W8はCD方向に2mm、MD方向に3mmであった。凹部91の深さH9は6mmであり、開孔径W9はCD方向に2mm、MD方向に1.5mmであった。また凸頂部82Tは、質量変化速度(以下、DTGとも称す。)/繊維投入量が30%/minであった。凹底部81Bは、DTG/繊維投入量が30%/minであった。壁部3は、DTG/繊維投入量が27%/minであった。壁部の角度θ、目付量、TiO比率、隠ぺい率、繊度は表1に示したとおりであった。
(実施例2)
実施例2の不織布試料は、実施例1と同様に作製した不織布試料を裏返したものとした。
実施例2の不織布試料は、見掛け厚さが7.2mmであった。凹部81の深さH8は6mmであり、開孔径W8はCD方向に2mm、MD方向に1.5mmであった。凹部91の深さH9は6mmであり、開孔径W9はCD方向に2mm、MD方向に3mmであった。また凸頂部82Tは、DTG/繊維投入量が30%/minであった。凹底部81Bは、DTG/繊維投入量が30%/minであった。壁部3は、DTG/繊維投入量が27%/minであった。壁部の角度θ、目付量、TiO比率、隠ぺい率、繊度は表1に示したとおりであった。
(実施例3)
実施例3の不織布試料は、図3に示した不織布10Aであり、色調変化材としてTiOが0.15質量%入った繊度2.5dtexの熱可塑性繊維を用い、エアスルー製造方法によってセミダル不織布と別のセミダル不織布を作製した。また、色調変化材としてTiOが3質量%入った繊度2.5dtexの熱可塑性繊維を用い、エアスルー製造方法によってフルダル不織布を作製した。セミダル不織布、フルダル不織布をスリットし、別のセミダル不織布の両面にスリットしたそれぞれを交互に積層し、エアスルーにより接合させて、表1に示した目付量、TiO比率、隠ぺい率、繊度を有する不織布10Aを作製した。その際、別のセミダル不織布を挟んでセミダル不織布とフルダル不織布とを対向させて配した。
(実施例4)
実施例4の不織布試料は、図4に示した不織布10Bであり、色調変化材としてTiOが0.15質量%入った繊度2.5dtexの熱可塑性繊維を用い、エアスルー製造方法によってセミダル不織布を作製した。また、色調変化材としてTiOが3質量%入った繊度2.5dtexの熱可塑性繊維を用い、エアスルー製造方法によってフルダル不織布を作製した。フルダル不織布をスリットし、セミダル不織布の両面に、フルダル不織布を離間して配した。その際、セミダル不織布の一方の面に配されたフルダル不織布の対向する位置には、セミダル不織布の他方の面に配されたフルダル不織布間の凹部が対向するするように配した。すなわち、フルダル不織布を凸部とし、該凸部と凹部とを交互配置し、セミダル不織布を挟んでフルダル不織布と凹部とを対向して配置した。このように配した後、エアスルーにより接合させて、表1に示した壁部の角度θ、目付量、TiO比率、隠ぺい率、繊度を有する不織布10Bを作製した。
実施例4の不織布試料において、実施例1の凹部81に相当する、第1表面層24の凹部26の深さは6mmであり、開孔径はCD方向に3mmであった。また、実施例1の凹部91に相当する、第2表面層25の凹部26の深さは6mmであり、開孔径はCD方向に3mmであった。
(実施例5)
実施例5の不織布試料は、図5に示した不織布10Cであり、色調変化材としてTiOが0.15質量%入った繊度2.5dtexの熱可塑性繊維を用い、エアスルー製造方法によって不織布と別の不織布を作製した。そして、不織布をスリットし、別の不織布の片面に間隔を開けて積層し、エアスルーにより接合させて不織布10Cを作製した。その後、作製した不織布試料に、スプレーのりを用いて色調変化材6の酸化チタン(TiO)を3質量%となるよう塗布して、表1に示した壁部の角度θ、目付量、TiO比率、隠ぺい率、繊度を有する実施例5の不織布試料とした。
実施例5の不織布試料において、実施例1の凹部81に相当する、一方の面10SA側の凹部29の深さは6mmであり、開孔径はCD方向に3mmであった。
(比較例1)
色調変化材6として酸化チタン(TiO)が3wt%入った繊度2.5dtexの熱可塑性繊維を用い、エアスルー製造方法によって凹凸賦形しないフラットな不織布を作製し、比較例1の不織布試料とした。不織布試料は全体の厚さ2.0mm、目付量、TiO比率、隠ぺい率、繊度は表1に示したとおりであった。
(比較例2)
ロリエFしあわせ素肌(商品名、花王株式会社2016年製)から表面シートを剥がして、その剥がした表面シートを比較例2の不織布試料とした。比較例2の不織布試料は全体の厚さが2.2mmであり、壁部の角度θ、目付量、TiO比率、隠ぺい率、繊度は表1に示したとおりであった。比較例2の不織布試料において、実施例1の凹部81に相当する凹部の深さは1.5mmであり、開孔径はCD方向に3mm、MD方向に3mmであった。
(比較例3)
上記比較例1の製造方法によって作製した開孔のあるフラット不織布に半径3mmの円をMD方向に6mm間隔、CD方向に6mmの間隔に切り取って、比較例3の不織布試料とした。比較例3の不織布試料は全体の厚さが2.0mmであり、目付量、TiO比率、隠ぺい率、繊度は表1に示したとおりの開孔のあるフラット不織布であった。比較例3の不織布試料において、実施例1の凹部81に相当する凹部の深さとして、開孔部の深さを測定し、その値は2mmであり、開孔径はCD方向に6mm、MD方向に6mmであった。
(比較例4)
ムーニーエアフィット Sサイズ(商品名、ユニ・チャーム株式会社2016年製)から表面シートを剥がして、その剥がした表面シートを比較例4の不織布試料とした。比較例4の不織布試料は全体の厚さが1.1mmであり、壁部の角度θ、目付量、TiO比率、隠ぺい率、繊度は表1に示したとおりであった。比較例4の不織布試料において、実施例1の凹部81に相当する凹部の深さは0.5mmであり、開孔径はCD方向に2mmであった。
(比較例5)
パンパース パンパースのはじめての肌へのいちばん Sサイズ(商品名、ザ プロクター エンド ギャンブル カンパニー2016年製)から開孔のある表面シートを剥がして、その剥がした表面シートを比較例5の不織布試料とした。比較例5の不織布試料は全体の厚さが0.5mmであり、目付量、TiO比率、隠ぺい率、繊度は表1に示したとおりの開孔のあるフラット不織布であった。比較例5の不織布試料において、実施例1の凹部81に相当する凹部の深さとして、開孔部の深さを測定し、その値は0.5mmであり、開孔径はCD方向に2mm、MD方向に3mmであった。
上記実施例及び比較例について隠ぺい率(ΔE ab)及び隠ぺい率の差(Eβ−Eα)を求めた。
前述した(隠ぺい性の測定方法)に基づいて、撮像装置の光軸L1(図2参照)を30°から90°まで10°ずつ傾けた位置にして撮像し、それぞれの角度におけるL色空間の3次元直交座標(L,a,b)を測定した。測定した値と白色基準値の色座標との色差を隠ぺい率(ΔE ab)として算出した。隠ぺい率(ΔE ab)のうち、垂直方向(90°)から見た場合の結果を隠ぺい性Eαとし、斜め方向(80°〜30°)から見た場合の隠ぺい性Eβとした。両者の差を隠ぺい率の差(Eβ−Eα)として判定した。結果は、表1及び2に示す通りであった。また、凹部の深さ及び開孔径と角度βとの関係は、表3に示すとおりであった。
表2に示すとおり、実施例1〜5は、垂直方向(90°)から見た場合について、比較例1、3〜5よりも隠ぺい率ΔE abが低く、白色に近い状態に視認されるため、隠ぺい性が高くなっていた。さらに、実施例1〜5は、比較例1〜5よりも少なくともCD方向において、隠ぺい率の差Eβ−Eαが0.5以上となる目視方向の角度が存在し、その角度において視認性が優れていた。特に、実施例1〜2はCD方向とともにMD方向も斜め方向からの視認性に優れた視認角度を有していた。これに対し、比較例1〜5は、斜め方向からの隠ぺい率が垂直方向からの隠ぺい率の値よりも低く、視認性のコントラストは見られなかった。特に凹凸面を有する比較例2がどの角度の視点においても低い隠ぺい率を示しており、視認性の高い視認角度を有さなかった。このように、実施例1〜5は、垂直方向上方から目視した場合の有色物に対する隠ぺい性と斜め方向上方から目視した場合の有色物に対する視認性との相反する性質を兼ね備えていることがわかった。
また、実施例1、2、4及び5は、表3に示すとおり、凹凸面について、前述した数式(R1)、(R2)及び(R3)の関係を満たすβが80°〜30°内に存在しており、比較例2〜5は上記関係を満たすβが80°〜30°内に存在しなかった。実施例1、2、4及び5は、表2及び3に示す通り、上記関係式を満たす、凹部の深さ、開孔径、視認角度の組み合わせがより高い視認性のコントラストを奏することが分かった。具体的には、表2に示す通り、実施例1ではMD60°・CD60°、実施例2ではMD60°・MD30°・CD60°、実施例4ではCD60°・CD30°、実施例5ではCD60°・CD30°の斜め視点の隠ぺい率と垂直視点の隠ぺい率との差が大きくなっていた。
3 壁部
10、10A〜10D 不織布
10SA 一方の面(第1面)
10SB 他方の面(第2面)
26、29 凹部
28 凸部
28A 凸頂部
29A 凹底部
300 有色物
S 斜め方向
V 垂直方向

Claims (7)

  1. 不織布の一方の面側に対して、垂直方向上方から目視した場合の有色物に対する隠ぺい性よりも、斜め方向上方から目視した場合の有色物に対する隠ぺい性が低くなる領域を備え、
    前記領域に、凸頂部、凹底部、及び前記凸頂部と前記凹底部とを繋ぐ壁部を備えた凹凸面を有し、前記壁部は、前記凸頂部及び前記凹底部よりも、構成繊維の繊度が大きい、不織布。
  2. 前記不織布は色調変化材を含有しており、
    前記壁部は、前記凸頂部及び前記凹底部よりも、該色調変化材の含有量が少ない請求項1記載の不織布。
  3. 不織布の一方の面側に対して、垂直方向上方から目視した場合の有色物に対する隠ぺい性よりも、斜め方向上方から目視した場合の有色物に対する隠ぺい性が低くなる領域を備え、
    前記領域に、凸頂部、凹底部、及び前記凸頂部と前記凹底部とを繋ぐ壁部を備えた凹凸面を有し、
    前記不織布は色調変化材を含有しており、
    前記壁部は、前記凸頂部及び前記凹底部よりも、該色調変化材の含有量が少ない、不織布。
  4. 前記壁部に対する前記斜め方向上方から目視した場合の有色物に対する隠ぺい性が、前記凸頂部及び前記凹底部に対する前記垂直方向上方から目視した場合の有色物に対する隠ぺい性よりも低い請求項1〜3のいずれか1項に記載の不織布。
  5. 不織布の一方の面側に前記凹凸面を有し、前記壁部は、前記一方の面又は反対側の面に対して垂直方向に延出しており、
    前記壁部の目付量が、前記凸頂部及び前記凹底部の目付量よりも少ない、請求項1〜4のいずれか1項に記載の不織布。
  6. 請求項1〜のいずれか1項に記載の不織布を用いた吸収性物品。
  7. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の不織布を表面シートとして用いた吸収性物品。
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