JP6609017B2 - タービン動翼の補修方法 - Google Patents
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(第1の実施形態)
ここでは第1の実施形態に係るガスタービン動翼の補修方法および補修したタービン高温部品の一例について述べる。図1は、第1の実施形態におけるタービン高温部品の補修方法の一例を示すフローチャートである。図2は、第1の実施形態におけるタービン高温部品の補修方法の補修工程毎の断面模式図である。
ガスタービン第1段動翼の外面には、高温の燃焼ガスから第1段動翼の基材10を保護するために、この基材10の表面に遮熱コーティング(以下、コーティングと称することがある)が施工されている。この遮熱コーティングは二層構造であり、まず、基材10に中間層となるボンドコート(ボンド層と称することもある)9が遮熱コーティングの一層目として施されており、この上に、ジルコニア(例えばイットリア安定化ジルコニア:YSZ)を主成分とする、熱伝導性の小さいセラミックス製のトップコート7が遮熱コーティングの二層目として施されている。上記のボンドコート9は、Ni、Co、Cr、Al、Yなどの金属コーティングであり、基材10との間の熱膨張差を緩和して密着性を向上させるものである。
第1の実施形態では、まず、S1の受入検査を行なう。この受入検査では、使用後のタービン部品を受け入れて、このタービン部品の損傷状態の検査を実施する。
例えば、S3の目視ではき裂11が十分に確認できなかったが、S4の表面の組織観察において、基材10の表面を拡大鏡で観察した結果、結晶粒界12に微細なき裂11、または、き裂が発生する直前の損傷が生じていたとする。
この場合、当該第1段動翼は再使用することなく、そのまま廃却することになる。
次に、第2の実施形態について説明する。図3は、第2の実施形態におけるタービン高温部品の補修方法の補修工程毎の断面模式図である。以下の各実施形態において、第1の実施形態と同様の構成や手順の説明は省略することがある。
第2の実施形態では、補修対象のタービン部品は、Ni基超合金のガスタービン第2段動翼で、この動翼の材料は図3に示すように普通凝固材(等軸晶)である。この第2段動翼の外面には、高温の燃焼ガスから基材10を保護するためにNi、Co、Cr、Al、Yなどの、つまりボンドコート9と同様の材質の金属コーティング13が施工される。この金属コーティング13は、Ni−Co−CrマトリックスにCoAl相を析出させることで耐酸化性を向上させており、動翼の長時間の使用により、外表面側よりCoAl相が消失し、耐酸化性が低下する。
第2の実施形態では、まず、S1の受入検査の後、S2として、動翼の長時間使用により劣化した金属コーティング13(金属コーティング13上に形成された酸化スケール8を含む)をアルミナブラストにより可能な限り除去する。
その後、基材10の表面の組織を観察するために、第2の実施形態では、応力的に最も厳しい翼前縁部および後縁部を、酸性の液体である10%過酸化水素塩酸溶液を用いてエッチングする。ここで用いる溶液は、これに限らず、例えば、塩酸とリン酸との混合酸溶液であってもよい。この処理により、後のS4にて基材10の組織、特に結晶粒界12を観察することができる。このエッチング後に、S3の表面のき裂検査として、基材10の表面の目視を行なう。ここで、基材10に巨視的にき裂11が生じている場合は目視で十分に検出できるが、基材10の結晶粒界12に発生した、目視では検出できないき裂については、S3では検査できない。
例えば、S3の目視ではき裂11が十分に確認できなかったが、拡大鏡で観察した結果、結晶粒界12に微細なき裂や、き裂が発生する直前の損傷が生じていたとする。この場合、当該第2段動翼は再使用することなく、そのまま廃却することになる。
次に、第3の実施形態について説明する。図4は、第3の実施形態におけるタービン高温部品の補修方法の一例を示すフローチャートである。図5は、第3の実施形態におけるタービン高温部品の補修方法の補修工程毎の断面模式図である。
第3の実施形態では、補修対象のタービン部品は、Ni基超合金のガスタービン第2段動翼で、この動翼の材料は第2の実施形態と同じく図5に示すように普通凝固材である。第2の実施形態と同様に、第2段動翼の外面には、高温の燃焼ガスから基材10を保護するためにNi、Co、Cr、Al、Yなどの金属コーティング13が施工される。
第3の実施形態では、S1の受入検査の後、S2として、動翼の長時間使用により劣化した金属コーティング13(金属コーティング13上に形成された酸化スケール8を含む)をアルミナブラストにより可能な限り除去する。
次に、第4の実施形態について説明する。図6は、第4の実施形態におけるタービン高温部品の補修方法の補修工程毎の断面模式図である。
第4の実施形態では、補修対象のタービン部品は、Ni基超合金のガスタービン第2段動翼で、この動翼の材料は、第1の実施形態と同じく図6に示すように一方向凝固材である。第2および第3の実施形態と同様に、第2段動翼の外面には高温の燃焼ガスから基材10を保護するためにNi、Co、Cr、Al、Yなどの金属コーティング13が施工される。
第4の実施形態における補修方法の手順は、補修対象のタービン部品である第2段動翼の材料が一方向凝固材である他は、第3の実施形態と同様である。
次に、第5の実施形態について説明する。図7は第5の実施形態におけるタービン高温部品の補修方法の一例を示すフローチャートである。図8は、第5の実施形態におけるタービン高温部品の補修方法の補修工程毎の断面模式図である。
第5の実施形態では、補修対象のタービン部品は、Ni基超合金のガスタービン第3段動翼で、この動翼材料は、第2および第3の実施形態と同じく図8に示すように普通凝固材である。
第5の実施形態では、S1の受入検査の後、S21として、動翼の長時間使用により生成した、基材10上の酸化スケール8をアルミナブラストにより除去する。
さらに、基材10の表面の組織を観察するため、ここでは、応力的に最も厳しい翼前縁部および後縁部を10%過酸化水素塩酸溶液を用いてエッチングする。ここで用いる溶液は、これに限らず、例えば、塩酸とリン酸との混合酸溶液であってもよい。この処理により、後のS4で基材10の組織、特に結晶粒界12を観察することができる。この後は、動翼は、第2の実施形態などで説明した、表面のき裂検査(S3)、表面の組織観察(S4)、出荷前検査(S6)を経て、廃却または再利用に供される。
Claims (1)
- 結晶粒界を有し、かつ、普通凝固材であるタービン動翼を補修する、タービン動翼の補修方法であって、
前記タービン動翼の使用後に前記タービン動翼を受入れて、前記タービン動翼の損傷検査を行う受入検査工程と、
前記損傷検査を終えた前記タービン動翼の基材の表面上に形成された酸化層を除去する除去工程と、
前記タービン動翼の使用により前記基材の結晶粒界に生じた炭化物又はガンマプライム相の少なくともいずれか一方を固溶させるための溶体化熱処理を施す工程と、
前記酸化層が除去されて前記溶体化熱処理が施された前記基材の表面のき裂を目視で検査する工程と、
前記溶体化熱処理が施された前記基材のうち翼前縁部および翼後縁部をエッチング処理する工程と、
前記エッチング処理が施された部分に対し、拡大鏡を用いてき裂又はき裂が発生する前の損傷の有無の確認のための組織観察を行なう工程と、
前記組織観察で前記き裂又は損傷が確認された場合には前記タービン動翼の廃却を選択し、前記組織観察で前記き裂又は損傷が確認されない場合には前記タービン動翼の再利用を選択する工程と、
を有するタービン動翼の補修方法。
Priority Applications (1)
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| JP2017071336A Division JP2018173023A (ja) | 2017-03-31 | 2017-03-31 | タービン部品の補修方法 |
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