以下の説明は、Qi仕様から知られているものなどの電力伝送手法を利用するワイヤレス電力伝送システムに適用可能な本発明の実施形態に焦点を当てる。しかしながら、本発明はこの用途に限定されるのではなく、多くの他のワイヤレス電力伝送システムに適用されることが理解されよう。
図1は、本発明のいくつかの実施形態による電力伝送システムの一例を示す。電力伝送システムは、送信機コイル/インダクタ103を含む(又はそれに結合される)電力送信機101を含む。システムは、受信機コイル/インダクタ107を含む(又はそれに結合される)電力受信機105をさらに含む。
システムは、電力送信機101から受信機105へのワイヤレス誘導電力伝送を行う。具体的には、電力送信機101は、送信機コイル又はインダクタ103によって磁束として伝播されるワイヤレス誘導電力伝送信号(電力伝送信号、電力伝送信号、又は誘導電力伝送信号とも呼ばれる)を生成する。電力伝送信号は、一般に、約70kHzから約150kHzの間の周波数を有し、多くの場合、Qi準拠システムでは、一般に、95kHzから115kHzの範囲の周波数を有する。送信機コイル103と受信機コイル107とは疎結合であり、それにより、受信機コイル107は電力送信機101からの電力伝送信号(の少なくとも一部)をピックアップする。したがって、電力は、送信機コイル103から受信機コイル107へのワイヤレス誘導結合を介して、電力送信機101から電力受信機105に伝送される。電力伝送信号という用語は、主として、送信機コイル103と受信機コイル107との間の誘導信号/磁場(磁束信号)を参照するために使用されるが、同義的に、さらに、送信機コイル103に供給される電気信号又は受信機コイル107でピックアップされる電気信号への参照として考えられ使用されることが理解されよう。
システムは十分な電力レベルを伝送するように構成され、具体的には、電力送信機は多くの実施形態において500mW、1W、5W、又は50Wを超える電力レベルをサポートする。例えば、Qi対応用途に関しては、電力伝送は、一般に、低電力用途では1〜5Wの電力範囲にあり、例えば台所用途などの高電力用途では100Wを超え1000W超まである。
図2は、図1のシステムの特定の例のシステム構成をもう少し詳しく示す。この例では、電力送信機101の出力回路は共振タンク又は共振回路201を含み、共振タンク又は共振回路201は送信機コイル103を含む(図2では送信機コイル103は、明瞭にするために、共振回路201の外に示されているが、これの一部であると考えられる)。電力送信機101の共振回路201は、送信機共振回路201(又は時には略して単に共振回路201)とも呼ばれる。共振回路201は、一般に、直列又は並列共振回路であり、特に、送信機コイル103と並列に又は直列に結合された共振キャパシタから構成される。電力伝送信号は、好適な駆動周波数(一般に、20〜200kHzの周波数範囲の)をもつ駆動信号を生成するドライバ203によって出力共振回路を駆動することにより生成される。
同様に、電力受信機105の入力回路は、受信機インダクタ107を含む共振回路又は共振タンク205を含む(図2では受信機インダクタ107は、明瞭にするために、共振回路205の外に示されているが、これの一部であると考えられる)。電力受信機105の共振回路205は、受信機共振回路205又は受信機共振回路とも呼ばれる。受信機共振回路205は、一般に、直列又は並列共振回路であり、特に、受信機インダクタ107と並列に(又は直列に)結合された共振キャパシタから構成される。受信機共振回路205は電力コンバータ207に結合され、電力コンバータ207は、受信した電力伝送信号、すなわち、受信機共振回路205によって供給される誘導信号を、外部負荷209に供給される電力に変換する(一般に、当業者によく知られているようなAC/DC変換を実行することによって)。
負荷は、例えば、バッテリであり、電力供給はバッテリを充電するためのものである。別の例として、負荷は別個のデバイスであり、電力供給はこのデバイスに電力を供給するためのものである。
図2のドライバ203は、共振回路201に(したがって、共振キャパシタ(図2に図示せず)及び送信機コイル103に)印加される変動(一般にAC)電圧駆動信号を生成する。いくつかの実施形態では、送信機共振回路201は直列共振回路であり、電圧駆動信号はキャパシタとインダクタにわたって印加される。いくつかの実施形態では、ドライバ203は送信コイル103に直接(又は間接的に)結合され、電圧駆動信号が送信コイル103に供給される。
したがって、システムにおいて、ドライバ203は、送信機共振回路201/送信コイル103に供給される駆動信号を生成し、それにより、送信コイル103が、電力受信機105に電力を供給する電力伝送信号を生成する。駆動信号は、駆動周波数と呼ばれる所与の周波数を有するように生成される、すなわち、駆動周波数は駆動信号の周波数である。
ドライバ203は、送信機コイル103に供給される電流及び電圧を生成する。ドライバ203は、一般に、DC電圧から交番信号を生成するインバータの形態の駆動回路である。ドライバ203の出力部は、一般に、スイッチブリッジのスイッチを適切に切り替えることによって駆動信号を生成するスイッチブリッジである。図3は、ハーフブリッジスイッチブリッジ/インバータを示す。スイッチS1及びS2は、決して同時に閉じられないように制御される。交互に、S2が開いている間S1は閉じており、S1が開いている間S2は閉じている。スイッチは、所望の周波数で開閉され、それによって、出力部で交番信号を生成する。一般に、インバータの出力部は、共振キャパシタを介して送信機コイルに接続される。図4は、フルブリッジスイッチブリッジ/インバータを示す。スイッチS1及びS2は、決して同時に閉じられないように制御される。スイッチS3及びS4は、決して同時に閉じられないように制御される。交互に、S2及びS3が開いている間スイッチS1及びS4は閉じており、次いで、S1及びS4が開いている間S2及びS3は閉じており、それによって、出力部に方形波信号を作り出す。スイッチは、所望の周波数で開閉される。
上述の説明は、左右のブリッジが、180°位相ずれしており、最大出力電力又は最大デューティサイクルを与える場合に対応する。しかしながら、他のシナリオでは、ブリッジの半分が、部分的位相ずれであり、それにより、S2及びS4の両方或いはS1及びS3の両方が同時に閉じられることになる。この状態では、ブリッジ電圧はゼロであり、したがって、この手法は、出力電力又はデューティサイクルを最大値から減少させるのに使用される。
その結果、ドライバ203は駆動信号を生成し、この信号を送信機共振回路201に印加する。送信機共振回路201は、誘導性インピーダンスと容量性インピーダンスとによって形成される。
以下で、電力送信機101及び電力受信機105、107の動作を、Qi仕様による一実施形態を具体的に参照して説明する(本明細書で説明する(又は結果として生じる)変更及び拡張を除いて)。特に、電力送信機101及び電力受信機105、107は、Qi仕様バージョン1.0、1.1、又は1.2に実質的に準拠する(本明細書で説明する(又は結果として生じる)変更及び拡張を除いて)。
電力伝送を制御するために、システムは様々なフェーズを介して進行し、特に、選択フェーズ、ピングフェーズ、識別及び構成フェーズ、並びに電力伝送フェーズが、Qiシステムで使用される。より多くの情報が、例えば、Qiワイヤレス電力仕様のパート1の5章に見いだされる。
例えば、第1の電力受信機105との通信を設定するとき、電力送信機101は、最初は、電力受信機の存在の可能性を単にモニタする選択フェーズにある。電力送信機101は、例えば、Qiワイヤレス電力仕様に記載されているような、この目的のための様々な方法を使用する。そのような存在の可能性が検出された場合、電力送信機101は、電力信号を一時的に生成するピングフェーズに入る。第1の電力受信機105は、受信信号を印加して、その電子機器の電力を増強する。電力信号を受信した後、電力受信機105は、初期パケットを電力送信機101に伝達する。具体的には、電力送信機101と第1の電力受信機105との間の結合度を示す信号強度パケットが送信される。より多くの情報は、例えば、Qiワイヤレス電力仕様のパート1の5章(又はバージョン1.2のセクションSection5.2.3.1)に見いだされる。それにより、ピングフェーズにおいて、電力受信機105が電力送信機101のインタフェースに存在するかどうかが決定される。
信号強度メッセージを受信すると、電力送信機101は識別及び構成フェーズに移る。このフェーズでは、電力受信機105は、出力負荷を切り離したままにし、負荷変調を使用して電力送信機101に伝達する。電力送信機は、この目的のために一定の振幅、周波数、及び位相の電力信号(負荷変調によって引き起こされる変化を除いて)を供給する。メッセージは、電力受信機105によって要求されたように電力送信機101自体を構成するために電力送信機101によって使用される。
識別及び構成フェーズに続いて、システムは、実際の電力伝送が行われる電力伝送フェーズに移る。具体的には、電力受信機105は、電力要求を伝達した後、出力負荷を接続し、それに受信電力を供給する。電力受信機105は、出力負荷をモニタし、特定の動作点の実際の値と所望の値との間の制御誤差を測定する。電力受信機105は、そのような制御誤差を電力送信機101に、例えば250msごとの最小速度で伝達して、これらの誤差並びに電力信号を変更する要望又は変更しない要望を電力送信機101に示す。
このように、ワイヤレス電力伝送システムの電力送信機101と電力受信機105、107との間の電力伝送を準備及び制御するために、電力受信機105、107は電力送信機101に情報を伝達する。そのような通信はQi仕様バージョン1.0、1.1、及び1.2に標準化されている。
物理レベルにおいて、電力受信機105から電力送信機101への通信チャネルは、キャリアとしてワイヤレス誘導電力信号を使用することによって実施される。電力受信機105は、受信コイル107の負荷を変調することによってデータメッセージを送信する。これにより、電力送信機側において対応した電力信号の変動が生じる。負荷変調は、送信機コイル電流の振幅及び/又は位相の変化によって、又は代替として若しくは追加として送信機コイル103の電圧の変化によって検出される。この原理に基づいて、電力受信機105がデータを変調し、次いで、それを電力送信機101が復調する。このデータは、バイト及びパケットでフォーマットされる。より多くの情報は、http://www.wirelesspowerconsortium.com/downloads/wireless−power−specification−part−1.htmlを介して入手可能であり、Qiワイヤレス電力仕様とも呼ばれる「ワイヤレス電力コンソーシアムによって公表されたSystem description, Wireless power Transfer, Volume I: Low Power, Part 1: Interface Definition, Version 1.0 July 2010」、特に、6章:Communications Interface(又は仕様の後続のバージョンにおいて)に見いだすことができる。
効率的で、高信頼で、安全な電力伝送を行うために、システムは、生成する駆動信号の特性を制御することによって、生成する電力伝送信号の電力を制御するように構成される。
したがって、電力受信機105への電力伝送は、主として、電力伝送フェーズで行われる。このフェーズの間、電力受信機は、出力負荷状態をモニタする、具体的には、特定の動作点の実際の値と所望の値との間の制御誤差を測定する。電力受信機は、これらの制御誤差を制御誤差メッセージで電力送信機に例えば250msecごとの最小速度で伝達する。これにより、電力受信機の継続した存在の指標が電力送信機に供給される。加えて、制御誤差メッセージは閉ループ電力制御を実施するために使用され、電力送信機は、報告された誤差を最小にするように電力信号を適応させる。具体的には、動作点の実際の値が所望の値と等しい場合、電力受信機はゼロの値をもつ制御誤差を伝達し、それにより、電源信号の変化は生じないことになる。電力受信機がゼロとは異なる制御誤差を伝達した場合、電力送信機は、それに応じて電力信号を調節する、すなわち、電力受信機105からのフィードバックに応じて電力伝送信号の電力を増減する。
実際の電力調整は、異なる実施形態では異なる。いくつかのシステムでは、電力は、駆動信号の電圧又は電流を変更することによって調節される。しかしながら、ほとんどの実際の用途では、電力は、駆動信号のデューティサイクル又は周波数を変更することによって調節される。例えば、生成される駆動信号は、アクティブ時間間隔の間所与の値を有し(多くの場合、二者択一的に正及び負)、その中間に電圧がゼロである非アクティブ時間間隔を有する方形波信号である。したがって、電力は、アクティブ時間間隔の間のみ共振回路に供給される。電力レベルは、アクティブ時間間隔の期間をそれぞれ増加及び減少させることによって増加及び減少される。したがって、デューティサイクルは、送信機通信インダクタ209に供給される電力、したがって、電力伝送信号の電力を変化させるように変更される。他の実施形態では、駆動周波数を変化させ、駆動周波数を共振回路の共振周波数の方に移動させることによって電力を増加させ、駆動周波数を共振周波数から遠ざけることによって電力を減少させる。
したがって、電力伝送フェーズの間、システムは、電力受信機から電力送信機に送信される電力制御誤差メッセージに基づいて電力制御ループを動作させる。この電力制御ループは、動作点を所望の値に調節する。具体的には、多くの実施形態において、電力受信機は、所与の電圧が電力受信機において所与の負荷に対して誘導されるように電力伝送信号の電力を制御するために電力制御メッセージを送信する。
電力制御ループ動作に加えて、電力送信機は、さらに、電力伝送の動作範囲に対する限界、したがって、電力制御ループが動作しなければならない制約を採用することができる。特に、電力送信機では、共振回路に供給される電力は、所与の限界未満であるように限定される。
Qiは、当初、5W未満の電力ドレインを有するデバイスと見なされる低電力デバイスのためのワイヤレス電力伝送を規定した。しかしながら、システムは、増大した範囲のデバイス及び電力伝送用途をサポートするためにより高い電力レベルに拡張されている。しかしながら、電力レベルの増加はさらなる課題をもたらしており、いくつかのシナリオでは、低電力用途で使用される手法は、高い電力レベルには適切ではないことが見いだされている。
特に、増加した電力レベル(v1.2.1 Qi仕様の拡大電力プロファイルによって導入されたものなどの)は、潜在的に、ある状況では一部の電力受信機デバイスに損傷をもたらすことが分かっている。特に、電力受信機デバイスが、電力受信機と電力送信機との間の結合を増加させるように突然移動された場合、電力制御ループが本質的に比較的遅いことに起因して過電圧状態が電力受信機に生じることが分かっている。さらに、電力レベルが増加するとより高い限界が必要になり、それは、そのような過電圧状態が場合によっては望ましくないレベルに達するのを防止するのに十分でないことが見いだされている。
具体的には、一般に、電力受信機コイル/受信機共振回路から電力受信機への最大入力電圧は20Vの振幅を超えるべきでないと考えられる。ほとんどの実用的な実施態様では、約25Vまでの電圧は、電子回路(適切な集積回路などの)に損傷を引き起こさない傾向がある。しかしながら、より高い電圧は、いくつかのシナリオ及び用途では、潜在的に、回路を損傷させ、それにより、電力受信機自体に機能不良及び損傷をもたらすことになる。
一般に、低電力用途では、電力制御及び適用限界は、例えばデバイス間の結合の極めて突然の変化の場合でさえ誘導電圧が20Vを超えないようなものである。しかしながら、より高い電力レベルでは、これがすべての状況で保証されるとは限らないことが見いだされている。
一例として、以下のシナリオが考えられる。
− ユーザは、ワイヤレス電力受信機をもつ電話機を、ワイヤレス電力送信機を含む充電器上に置く。ユーザは、2つの間の結合が不十分であるが、電力伝送を開始するには十分な高さである位置に電話機を置くことができる。
− 通信プロトコルの最初のステップの後、電話機は、適切な制御誤差パケットを送ることによってより多くの電力を供給するように充電器に指示する。
− 充電器は、送信機コイル電流を増加させることによって、電話機が満足したことを示す(ゼロ値の制御誤差パケットを送ることによって)まで、又は充電器が電力及び/又は電流限界に達するまで応じる。これは、一般に、充電器及び電話機が通信を確立した後、1又は2秒超を必要とすることはなく、大きい磁場をもたらす。
− 電話機が低結合のために低速度でしか充電していないことをユーザが発見した後、ユーザは、結合が(ずっと)良好な位置まで電話機を素早く移動する。
− この瞬間に、充電器の大きい磁場が、電話機に高い電圧(恐らく20Vを優に超える)を生成し、それにより、電話機の電子機器が損傷される。
潜在的な過電圧状態に対処するための1つの選択肢は、電力受信機に20Vを超える電圧を扱うことができる保護回路又は電圧調整回路を付け加えることである。しかしながら、これは、設計制約のために一般に望ましくないか又は不可能でさえある。特に、それは、受け入れがたいコスト及び複雑さの増加を招きがちである。
シナリオをより詳細に検討するために、図5の等価/シミュレーション回路を考える。この例では、信号発生器501はドライバを表し、Cpは送信機共振回路キャパシタに対応し、Lpは送信機共振回路インダクタを表し、Rpは電力送信機損失を表し、Csは受信機共振回路キャパシタを表し、Lsは受信機共振回路インダクタを表し、Rsは電力受信機損失を表し、kopは、送信機インダクタと受信機インダクタと間の結合を表す。ZLは、電力伝送信号によって電力供給される複素値負荷を表す(内部電力受信機回路並びに外部負荷の両方を含む)。
図6は、Qi拡張電力プロファイル(15W)に対応するパラメータ値を示す。電力送信機の動作点に関する制約条件が表の下に列記されている。
特に、電力送信機は、
− システムの伝達関数の共振ピークより上の周波数でのみ動作することができる、
− 3A(rms)の電流限界を有する、
− 電源から24W超(平均)を引き出すことはできない、
− 共振キャパシタの両端の電圧を120V(rms)に限定しなければならない。
図7及び図8は、kop=0.56、0.448、0.336、0.224、及び0.112の結合係数における図5及び図6のシステムの全動作領域を示す。
図7は、ドライバによって共振回路に供給される電力(したがって、駆動信号の電力)に対応する入力電力を、送信機コイル103を通る電流の関数として示す。図7は、電力伝送信号のローディングが変化するときの様々な結合係数に対する駆動信号電力とコイル電流との間の関係を示す。見て分かるように、結合係数が小さいほど、所与の電力を供給するのに必要とされるコイル電流は高くなる。これは、小さい結合係数では、電力受信機が必要な電力を引き出すのに、磁場強度の増加が必要であることを反映している。磁場強度はコイル電流によって与えられ、したがって、強い磁場ほど高いコイル電流を必要とする。図は、具体的には、電力制御が電力受信機によって与えられた特定の負荷に適応した後の駆動信号電力と送信機コイル電流との間の関係を示す。
この例では、駆動信号の電力は24Wの最大値に限定されており、コイル電流(したがって、駆動信号の電流)は3Aの最大値に限定されている(図7に示すように)。
図8は、対応する電力受信機負荷電圧を様々な結合に対して負荷電流の関数として示す。様々な曲線は、図7に示した制限の下で様々な結合に対して達成される最大値を示す、すなわち、曲線は、電力限界又は電流限界のいずれかが達せられる前に達成することができる最大値を示す。したがって、曲線は、様々な結合値に対して達成することができる可能な動作点の限界を定める。
したがって、特定の曲線の輪郭線内のすべての点は、関連する結合でシステムにとって到達可能である。ポイント801は、特定の例での電力受信機の意図した動作点を示す。システムは、意図した動作点を約kop=0.336まで下がった結合係数で達成することができる(特定の物理的実現を考慮すれば、kop=0.56の結合係数が、可能な最大値であると仮定されている)。この範囲は、十分な位置決め許容範囲をユーザに与えると考えられる。負荷インピーダンスがZL=50Ωより上である場合、システムが、uL=30Vよりかなり上の負荷電圧で潜在的に動作し得ることも分かる。この潜在的な高電圧は、ほとんどの回路があらゆるあり得る環境において好ましくは一般に20Vを超えない最大電圧に対して設計されているので問題である。
図の凡例は曲線の上方の境界に関連して示されていることに留意されたい。しかしながら、これらは、特定の結合係数に対して利用可能な状態/動作点を表す完全に閉じた輪郭線の一部であることに留意されたい。したがって、結合に対する可能な動作点を規定する輪郭線は、図7の電力限界及び電流限界、並びに図示の下方の境界(例えば、図7の右下の曲線及び図8の(0,0)の近くの曲線に対応する)をさらに含む。しかしながら、これらは互いに非常に接近しており、異なる結合で著しくは異ならないので、個々の凡例は明瞭にするために図に含まれていない。さらに、以下のコメント、説明、及び主な原理は、動作点の高い方の境界及び限界の影響に適用し、したがって、低い方の境界の考慮は重要でない。
図9及び図10は、システムが異なる結合値に対して動作パラメータを目標動作点801に向けて制御するとき、信号がどのように変化するかの例を示す。
電力伝送プロトコルの初期設定フェーズの後、電力受信機は、最初に、その電圧を、意図した動作電圧(us=12.0V)のすぐ上のレベル(us=12.6V)に制御する。これは比較的高い負荷インピーダンス(800Ω)で行われ、それに応じて、負荷電流は非常に小さい。しかしながら、この第1のフェーズの間、電力送信機のコイル電流は、依然として比較的大きく、結合が減少すると増加している。例えば、図9で分かるように、0.56の結合のコイル電流は約0.6Aであり、kop=0.224ではコイル電流は約2.4Aである。実際、kop=0.112では、電力受信機電圧が12.6Vに達するには電流は3Aを超えなければならず、したがって、まさに、この動作点はこの結合値では達することができない。
次に、電力受信機は負荷を接続し、それにより、ZL=800ΩからZL=8Ωへの負荷段差が生じる。このかなり大きい負荷段差は電力受信機の電圧を低下させる。結果として生じる即時(中間)動作点は結合に依存する。実際、図10に示されるように、kop=0.56では、電圧は約6Vまで低下し、負荷電流は約0.75Aまで増加する。kop=0.224では、電圧は約10Vまで低下し、負荷電流は約1.2Aまで増加する。電力送信機側では、コイル電流及び駆動信号電力が、対応して、増加する。例えば、kop=0.56では、入力電力は約5Wまで増加し、コイル電流は約01.2Aまで増加する。kop=0.224では、入力電力は約13Wまで増加し、コイル電流は、限定される3Aまで増加する。
次いで、システムは、続いて電力制御を実行する。具体的には、電力受信機は、所望の動作点801に達するまで電力を増加させるように連続的に要求する。図10において、これは、12V、1.5Aの動作点801に達するまで、動作点が8Ω抵抗器に対応する線形経路を上方に移動することに対応する。電力送信機側では、これにより、動作点に達するまで入力電力及びコイル電流が増加することになる。これは、小さい結合係数では限界にぶつかるので3つの最も高い結合係数でのみ可能である。電力送信機での最終の/電力制御された入力電力は、3つの主な結合係数ではほとんど同じである(約20Wであり、違いは、他の損失を示す抵抗器での電力損失である)。しかしながら、コイル電流は、結合が異なると異なる。特にkop=0.56では約2.2Aであり、kop=0.336では2.8Aである。
図では、以下の凡例を使用している。
星:初期の動作点。
正方形:目標に達するように試みた後の最終的な動作点。
菱形:凡例に示された値から最大結合まで移動した後の動作点。
円:凡例に示された値からゼロ結合まで移動した後の動作点。
図11は、結合点が突然変化した場合の瞬時動作点の影響を示す。具体的には、図11は、負荷が増加する前(すなわち、負荷インピーダンスが依然として800Ωである場合、及び負荷インピーダンスがZL=8Ωに低下する前)、結合が現在の結合レベルからkop=0.56の最大結合まで突然変化した場合の動作点の変化を示す。予想通り、変化は、結合の最も大きい段差で、すなわち、kop=0.112の初期結合で最も大きく、高い電流(3Aの限界での)が、大きい磁場、したがって、高い誘導電圧をもたらす。実際、見て分かるように、35Vを超える過電圧が生じ、それによって、潜在的な損傷を引き起こす。
したがって、見て分かるように、システムは、小さい結合係数では増大したコイル電流が必要とされることに起因して潜在的な過電圧の影響を受けやすい。この問題は、一般に、最大限界を低下させることによって単に克服することができず、その理由は、これが、許容範囲を超えて利用可能な動作範囲を制限する(それにより、伝送できる以上に電力量を直接減少させる)ことなしに過電圧を十分に低下させないからである。実際、図12は、コイル電流限界を3Aから2.25Aまで減少させたことの影響を示す。見て分かるように、これは、依然として、30Vまでの過電圧を引き起こす。さらに、分析及びシミュレーションが示すところによれば、12V、1.5Aの所望の動作点は、電流限界がこのように低減される場合、kop=0.56の最大結合でしかサポートされない。したがって、電流限界を2.25Aに制限することにより、過電圧は防止されないが、所望の動作点が電力受信機の最適位置以外で達成されることが防止される。過電圧を低下させるために電流をさらに低減すると、所望の動作点に達することが不可能になる。
しかしながら、全負荷、すなわち、負荷インピーダンスZL=8Ωでの過電圧は少ないことがさらに分かっている。これが図10のポイント1001によって示されており、ポイント1001は、最低値から最高値までの結合の突然の変化で生じる所望の動作ポイント801からの最大偏差を示している。見て分かるように、一時的な電圧増加は比較的低く、実際、最大電圧は20V未満であり、したがって、過電圧状態が避けられる。
図13は、電力送信機101の要素をより詳細に示す。電力送信機101には、電力調整を改善し、具体的には、多くのシナリオ及び用途において、受け入れがたい過電圧状態のリスクが生じるのを低減又は防止さえする機能が備わる。
この例において、電力送信機101は、特定の例では送信機コイル103に直接対応する誘導性インピーダンスを含む。しかしながら、他の実施形態では誘導性インピーダンスは、例えば、少なくとも部分的誘導性インピーダンスを有する、すなわち、誘導リアクタンス成分を有する、又は言い換えれば正の虚数部をもつ複素インピーダンスを有する任意の1ポート/2端子要素であることが理解されよう。したがって、図13の送信機コイル103は、より一般的には、端子での電圧が構成要素/回路を通る電流の導関数に少なくとも部分的に依存する線形二端子回路又は(等価な)構成要素である誘導性インピーダンスを表していると考えられる。以下では、誘導性インピーダンスは、簡単のために、送信機コイル103と同じである特定の例を引用することによって参照される。
送信機コイル103は、さらに、容量性インピーダンスに結合され、容量性インピーダンスは、送信機コイル103(誘導性インピーダンス)と一緒に、共振回路、具体的には直列共振回路を形成する。特定の例では、容量性インピーダンスは、単一の共振回路キャパシタ(送信機キャパシタ1301と呼ばれる)に直接対応するが、他の実施形態では容量性インピーダンスは、例えば、少なくとも部分的容量性インピーダンスを有する、すなわち、容量リアクタンス成分を有する、又は言い換えれば負の虚数部をもつ複素インピーダンスを有する任意の1ポート/2端子要素であることが理解されよう。したがって、より一般的には、送信機キャパシタ1301は、端子において回路/構成要素を通る電流が端子の両端の電圧の導関数に少なくとも部分的に依存する線形二端子回路又は(等価な)構成要素である容量性インピーダンスを表すと考えられる。
ほとんどの実施形態では、誘導及び容量性インピーダンスの抵抗性部分は、リアクタンス成分に比べて一般に非常に小さく、多くの場合無視できることが理解されよう。これにより、振動が比較的減衰しない、すなわち、比較的高いQが共振回路に与えられることが保証される。
したがって、明瞭に及び簡単にするために、以下の説明は、(理想的な)インダクタである、具体的には図1及び図2の送信機コイル103である誘導性インピーダンスと、理想的なキャパシタ、すなわち送信機キャパシタ1301である容量性インピーダンスとに焦点を当てる。しかしながら、送信機コイル103への言及は、適宜、誘導性インピーダンス又はリアクタンスへの言及と置き換えられ、送信機キャパシタ1301への言及は、適宜、容量性インピーダンス又はリアクタンスへの言及と置き換えられることが理解されよう。簡単のために、送信機コイル103と送信機キャパシタ1301の対は、共振構成要素とも呼ばれる。
送信機コイル103と送信機キャパシタ1301とは、共振構成で一緒に結合される/接続される。この例では、送信機コイル103と送信機キャパシタ1301とは直列共振構成で結合されているが、他の実施形態では、それらは並列共振構成で結合されることが理解されよう。
送信機コイル103と送信機キャパシタ1301とによって形成された共振回路は、図3及び図4を参照して説明した出力段を有するドライバ1303(図2のドライバ203に対応する)に結合される。したがって、ドライバ1303は駆動信号を生成し、駆動信号は、共振回路を駆動し、具体的には共振回路に振動を誘導する。駆動信号は、共振回路に電力を供給する電力信号である。したがって、駆動信号は、共振回路に電圧及び電流を供給する。駆動信号の電流(駆動電流)は、特定の例では、共振回路の電流、及び送信機コイル103(及び送信機キャパシタ1301)を通る電流と同じある。駆動信号の電圧(駆動電圧)は、送信機キャパシタ1301と送信機コイル103にわたる電圧である。以下の説明は直列共振回路に関するが、説明する原理は並列共振回路にも適用することができる(これらの等価性、特に、直列共振回路及び並列共振回路の電圧及び電流の相補的性質を念頭において)ことが理解されよう。
駆動信号の電力は、共振構成要素が理想であると考えられる図13の例では、電力伝送信号の電力と同じであり、電力伝送信号から引き出される電力に等しい。実際の場合には、駆動信号によって供給される電力の一部は、図5の損失抵抗Rpによって表される損失として消費される。したがって、実際には、駆動信号の電力は、電力伝送信号から引き出される電力よりもわずかに高い。
電力伝送信号から引き出された電力は、送信機コイル103によって生成された磁場中に存在する金属部分の渦電流の誘導に由来する損失などの様々な寄生損失から構成される。電力受信機105の様々な寄生損失を含むそのような損失は、図5の損失抵抗Rsによって表される。しかしながら、これらの損失は、一般に、電力受信機の目標負荷による最大ローディング、すなわち、電力伝送のための意図した目標のローディングと比べて小さい。
電力送信機101は、電力受信機105からのメッセージを受信するように構成されたメッセージ受信機1305をさらに含む。これらのメッセージは、具体的には、当業者に知られているような負荷変調によって受信される。メッセージ受信機1305は、具体的には、電力受信機105が電力伝送信号の増加する、減少する、又は不変の電力レベルを要求しているかどうかを示す電力制御誤差メッセージを受信するように構成される。
メッセージ受信機1305は電力ループコントローラ1307に結合され、電力ループコントローラはさらにドライバ1303に結合される。電力ループコントローラ1307は、電力受信機105から受信した電力制御(誤差)メッセージに応じて駆動信号の電力を適応させるように構成される。したがって、電力ループコントローラ1307は電力制御ループ動作を実施し、それにより、特に電力伝送フェーズの間、電力伝送信号の電力を動的に制御することができる。
電力伝送信号の電力の制御は、駆動信号の電力の制御、したがって、共振回路に供給される電力を制御することによって実行される。このようにして、電力ループコントローラ1307は、駆動信号の電力を適応させるようにドライバ1303を制御する。
前記のように、この制御は、例えば、直接、駆動信号の電圧又は電流成分を制御することによるものであり得るが、多くの場合、駆動信号のデューティサイクル又は周波数を制御することによって達成される(すなわち、駆動信号周波数が共振周波数から離れるほど、電力は低くなる)。
電力ループコントローラ1307は、信頼でき安全な動作を保証するために電力送信機101の動作範囲を限定するようにさらに構成され、具体的には、電力ループコントローラ1307は、例えば、構成要素を潜在的に損傷する過大な信号値を防止しようと努める。
特に、電力ループコントローラ1307は、共振回路の電流及び/又は電圧と駆動信号の電力とが最大限界未満であるという制約に従って、駆動信号を制御するように構成される。電流及び/又は電圧と電力の両方が制約されるシナリオでは、最大限界は、当然、多数の異なる限界(例えば、一方は電力最大限界であり、他方は電流最大限界である)を含む。したがって、電力ループコントローラ1307は、共振回路の電流及び/又は電圧が電流最大限界未満であるという制約と駆動信号の電力が電力最大限界未満であるという制約の少なくとも一方に従って駆動信号の電力を制御するように構成される。以下では、最大限界という用語は、電流/電圧最大限界(電流制約では)と電力最大限界(電力制約では)の両方を適宜参照するために使用される。したがって、最大限界が適用されるという指示は、電流を抑制する場合電流最大限界を参照し、電力を抑制する場合電力最大限界を参照すると考えられる。
以下の説明は電力及び電流の両方が限定される実施形態に焦点を当てるが、これは説明する原理にとって本質的でないことが理解されよう。さらに、実施形態は、共振回路の電流が抑制され/限定され、一方、共振回路の電圧には特定の限界が決定及び適用されない実施形態に焦点を当てる。しかしながら、説明する原理は、同様に、電圧限界(電流/電力限界への代替であろうと追加であろうと)に用いることができることが理解されよう。
電力及び/又は電流の限界は、異なる実施形態では異なるやり方で達成される。ある実施形態では、ドライバ1303は、例えば、電力ループコントローラ1307によって制御される電流リミッタを含む。他の実施形態では、電力送信機101は、例えば、高速内部制御ループを実装する。例えば、送信機コイル103を通る電流が連続的にモニタされており、電流が電流最大限界を超えて増加する場合、電力ループコントローラ1307は、電流最大限界未満となるように電流を減少させるために、駆動信号の振幅/周波数/デューティサイクルを変更するようにドライバ1303を直ちに制御する。いくつかの実施形態では、システムは、最大限界を強制するより高速の内部制御ループを用いて電力伝送の動作点を制御する外部電力制御ループを実装する。
電力送信機101は、電力受信機による電力伝送信号のローディングを示す負荷指標に応じて最大限界を適応させるように構成されるアダプタ1309をさらに含む。このように、図13の電力送信機101では、電力制御に課される限界、具体的には、最大値又は最大限界は、固定されるのではなく、電力受信機105によって行われるローディングにおける変動を反映するように動的に適応される。このように、図13のシステムにおいて、駆動信号の電力、共振回路の電流、又は場合によっては、両方のいずれかに可変限界を適用するリミタが実装される。
この手法は、多くのシナリオ及び用途において、高い電力レベルでの過電圧の問題に対処することができる。この手法は、電力送信機が高いコイル電流で動作している(それゆえに、強磁場を生成している)とき、しかし、高い電流にもかかわらず電力送信機が少量の電力しか送出していない場合、ユーザがより良好な位置(より高い結合)に電力受信機を移動させるならば、多くの場合、過電圧状態が生じるという認識を反映している。
このようにして、システムは、具体的には、電流が高いが電力が低いシナリオを検出し防止する。そのようなシナリオは、例えば最大電流の固定限界を有することによって避けられるが、そのような固定限界は、一般に、動作範囲を受け入れがたいほど制限し、具体的には、そのような固定限界のため、より高い電力レベルを達成することができない。例えば、それは、Qi仕様をより高い電力レベルに拡張するのを妨げる。しかしながら、いくつかの実施形態では、図13の電力送信機101は、供給される電力に依存する電流最大値、すなわち、電流限界を適用することができる。
例えば、図13の例ではドライバ1303によって供給される電流(すなわち、駆動電流)と同じである送信機コイル103を通る電流の電流最大値/限界は、駆動信号の電力に依存する最大値に制限される。電流限界(電流最大限界)は、電力受信機105による低いローディングに対応する低い電力では低いレベルに低減される。これは、磁場が比較的低く維持されることを保証する(これは、電力受信機ローディングが低いときは問題でない)。したがって、ユーザが電力受信機を移動し、それによって、結合を突然増加させた場合、誘導電圧は、依然として、低いレベルのままであり、過電圧状態は防止される。しかしながら、電力が増加する場合、電流限界も増加され、それにより、より高い磁場強度が許容される。これは、より高い電力レベルの動作点のサポートを可能にし、電力受信機のローディングの増加を反映している。さらに、ユーザが電力受信機を次善の位置から動かすことによって結合が突然改善される場合、電力受信機のローディングの増加により、電圧スパイクは大幅に低下することになる。
したがって、多くの実施形態では、電力送信機は、それが供給している電力の量に応じてコイル電流を限定し、限界は、電力の量が低い場合低い。したがって、電流最大限界は、駆動信号の電力(したがって、共振回路に供給される電力)の単調増加関数として決定される。
動作が、さらに、図14、図15、及び図16に示され、それらは、図7から図12に対応するが、可変電流限界が駆動信号の電力に依存しており、具体的には、電流限界が駆動信号の電力と線形関係にある。
この例では、電力ループコントローラ1307により、駆動信号は、Ip=1.5Aより上の電流で最小量の電力を供給する、すなわち、ゼロ電力を供給するための電流限界がIp=1.5Aに設定されることが保証される。電力が増加するにつれて、電流限界も直線的に増加する。電流限界は、直線的に、最小電力での1.5Aから24Wの最大電力での3Aまで、すなわち、W当たり約62.5mAの勾配でだんだん高くなる。これが、図14に示される。異なる結合での結果として生じる動作範囲が図15に示される。図16は、結合が低レベルからkop=0.56の最大結合に突然変化したときに生じる過電圧を示す。
見て分かるように、潜在的な過電圧問題は、ZL=800Ωのインピーダンスで非常に低減されている。この分析(具体的にはシミュレーション)は、より高い電流及び電力での電圧の増加が依然として低く、実際、最大電圧(最低結合から最高結合へのステップに対する)がわずか約13Vであることをさらに示している。したがって、この場合、電圧は、20Vより上に上昇せず、過電圧状態は生じない。正確なオーバーシュート及び最大電圧は、当然、特に電力送信機の電流調整の速度を含む様々な特性に依存する。
しかしながら、電流限界と電力との間の線形関係は多くの場合有利な性能を提供するが、いくつかのシナリオでは最適ではない。例えば、特定の例では、最大電圧は依然として約22Vに達し、それは20Vの好ましい限界を超えている。その上、ZL=50Ωを少し上回る負荷インピーダンスでは、電力受信機の動作領域は、依然として、uL>35Vの電圧レベルでピークに達する。これを緩和する1つのやり方は、結合係数が決して例えばkop=0.336より上に達しないようなシステムを設計することである(図15を参照)。しかしながら、この手法が採用される場合、利用可能な動作範囲が実質的に限定されるので、電力受信機の意図する動作点もまた調節されなければならない。この手法の別の問題は、位置決め許容範囲を大幅に減少させることである:結合係数がkop=0.336からkop=0.224に減少する場合、システムは、5Wの電力を伝送することさえできない。したがって、入力電力とコイル電流限界との間の線形関係は、すべてのシナリオにとって理想的であるとは限らない。
いくつかの実施形態では、非線形関係を利用することが好ましい。例えば、図17〜図19は、図14〜図16のものに対応するが、入力電力とコイル電流限界との間に二次多項式関係を使用している。
図13の電力送信機101では、したがって、共振回路の電流の最大値は、電力受信機による電力伝送信号のローディングを反映する負荷指標の関数として決定される。
負荷指標は、具体的には、共振回路に供給される電力、すなわち、駆動信号の電力を考慮することによって決定される。ドライバ1303は、具体的には、駆動信号の電力を示す電力指標を決定する。これは、例えば、駆動信号の電流及び電圧を直接測定し、次いで、瞬時電力を計算することによって決定される。次いで、これは、低域通過フィルタ処理され、例えば、RMS電力値が決定される。
しかしながら、多くの実施形態では、電力は、ドライバ1303への入力電力として決定される。これは、多くの実施形態では、より容易であり、複雑さをより低くすることになる。実際、ドライバ1303への入力電圧は、多くの場合、DC電圧であり、したがって、電力は、ドライバ1303への入力電流から直接決定される。ドライバ1303の損失は、一般に、駆動信号の電力と比べてかなり小さいので、ドライバ1303への入力電力は、駆動信号の電力、したがって、電力伝送信号から引き出される電力の正確な尺度になりやすい。したがって、それは、電力受信機105により電力伝送信号から引き出される電力、したがって、電力受信機105のローディングの指標でもある。
したがって、負荷指標は、駆動信号の電力指標に基づいて生成される、すなわち、ドライバ1303への入力電力から生成される。例えば、電力受信機の負荷指標として使用される電力伝送信号電力見積もりを生成するために、ドライバ1303及び共振回路の損失が見積もられ、測定された入力電力から減じられる。他の実施形態では、決定された入力電力が、負荷指標として直接使用される。
この例では、ドライバ1303は駆動信号の電流を抑制する/限定するように構成されており、駆動信号の電流は送信機コイル電流と同じであるのでドライバ1303はやはり本質的に送信機コイル電流を抑制する/限定する。いくつかの実施形態では、駆動信号電流及び送信機コイル電流が同一でないことがある(例えば、送信機コイル103と並列に構成要素がある場合)。そのようなシナリオでは、電力送信機101は、具体的には、送信機コイル電流を、例えば、送信機コイル103と直列の電流リミッタによって限定する。いくつかの実施形態では、送信機コイル経路は、送信機コイル電流を測定するための電流感知部を含み、駆動信号は、この測定された電流が電流最大値を超えないように制御される。
特定の例では、アダプタ1309は、負荷指標によって示されるローディング、具体的には電力指標(例えば、駆動信号電力/電流/電圧に依存する)の単調増加関数として最大限界を決定する。具体的には、電流最大限界は、例えばドライバ入力電力によって見積もられるもののような駆動信号の電力の単調増加関数として決定される。これにより、依然としてシステムが高い電力レベルで動作点をサポートしながら、過電圧状態が低減される
いくつかの実施形態では、関数は線形関数であるが、上述のように、有利な動作は、多くのシナリオでは、非線形関数を使用して達成される。
いくつかの実施形態では、アダプタ1309は、負荷指標が第2の閾値未満の駆動信号の電力を示している場合のみ、最大限界を第1の閾値を超えて増加させるように構成される。例えば、図14の例では、アダプタ1309は、駆動信号の電力が0Wの閾値を超えて増加する場合、電流限界を1.5Aの閾値を超えて単に増加させるように構成される。他の実施形態では、他の又は実際はより多くの閾値が含まれてもよいことが理解されよう。例えば、電流限界は、駆動信号の電力が約7Wを超えて増加する場合のみ約2Aを超えて増加する。正確な値は個々の実施形態の優先度及び要件に依存することが理解されよう。特に、正確な値は、電力送信機及び電力受信機の様々な電気的性質、並びに意図した動作範囲に依存する。
多くの実施形態では、アダプタは、電力伝送信号の(電流)ローディングの関数として最大限界を決定するように構成される。アダプタは、(負荷指標)の関数として最大限界を決定するように構成されてもよい。
いくつかの実施形態では、最大限界は、例えば、ローディング/負荷指標の関数として決定されるマージンだけ電力伝送信号のローディングを超える値として決定される。例えば、最大限界は、電力伝送信号のローディングを所定の絶対又は相対オフセットだけ超えるように決定される(例えば、最大限界は、電流ローディングの所定の割合だけ電流ローディングを超える)。
上述の例は、電流限界が負荷指標に基づいて適応されたシナリオに焦点を当てている。しかしながら、上述のように、いくつかの実施形態では、アダプタ1309は、代替として又は追加として、現在経験している負荷状態に基づいて電力最大限界を適応させるように構成される。したがって、いくつかの実施形態では、例えば電力伝送フェーズ中に動作している電力制御ループは、電力受信機による電力伝送信号のローディングを反映する負荷指標に基づいて動的に適応される限界を駆動信号の最大電力が超えないことを条件として、システムを所望の動作点の方に駆動するように構成される。
限界の適応及び変更は、一般に、負荷の変化が生じる速度よりも遅い。例えば、システムは、12V及び1.5Aの所望の動作点で、すなわち、18Wの負荷で動作する。それに応じて、アダプタ1309は、駆動信号の電力を約20Wに制限する。ユーザが、今、電力受信機を移動し、それにより、電力送信機と電力受信機との間の結合が突然増加することになる場合、これは電力受信機で誘導される電圧の増加をもたらす。しかしながら、この電圧の増加は、負荷インピーダンスの電流の増加をもたらし(例えば、これが誘導電圧から直接供給される場合)、それにより、電力受信機による電力消費の増加をもたらす。したがって、電力伝送信号のローディングは突然増加するが、限界適応は一般に比較的遅いので、限界は(少なくとも当分の間)20Wにとどまる。したがって、電力受信機が利用できる電力は最大限界によって制限され、その結果、電力は、一定の量だけしか増加しない。このようにして、初期過電圧は低いレベルに制限される。さらに、電力制御は、高い結合に比較的迅速に適応し、電力伝送を12V及び1.5Aの動作点にあるように回復し、それにより、システムは、電力受信機の電圧の比較的低いスパイクのみで所望の動作点に適応する。
しかしながら、代わりに、所望の動作点が、1.2Wの電力伝送に対応する12V及び0.1Aであった場合、20Wの電力限界により、潜在的に大きい過電圧及び電流が電力受信機で生成されることになる。実際、電力は、一時的に(電力制御ループによって修正されるまで)16倍超に増加し、それによって、50Vを超える電圧の短期スパイクを引き起こす(一定の抵抗負荷が誘導電圧から直接供給される場合)。
しかしながら、今の場合、電力限界は、より低い動作点を反映するように調節される。例えば、アダプタ1309は、電力限界を例えば1.8Wになるように適応させる。この場合、過電圧スパイクは15V未満である。次いで、それは、電力制御ループによって12V、0.1A動作点に戻るように調整される。
このようにして、電力限界は動的に適応され、それにより、結合係数の突然の変化から潜在的に生じる過電圧のスパイクが低下することになる。
異なる制御及び調整は多くの実施形態において異なる時定数で動作することが理解されよう。例えば、多くの実施形態では、最大限界の適応は、電力制御ループの適応よりも大幅に遅い。実際、多くの実施形態では、電力制御ループの調整の時定数は、負荷指標に応じる最大限界の調整/適応の時定数よりも少なくとも5倍又は10倍小さい(速い)。より遅い対応は、例えば、負荷指標が、電力制御ループに適用されるよりも多くの平均化又は低域通過フィルタ処理により決定されることによって引き起こされる。
さらに、最大限界の強制は、電力送信機の速い内部ループによるものとすることができる。限定の時定数は、一般に、電力制御ループの調整の時定数よりも少なくとも5倍又は10倍小さい(速い)。
しかしながら、必ずしもそうとは限らないことが理解されよう。例えば、電流が駆動信号電力に依存する値によって限定される例では、適応は、いくつかの実施形態において、電力制御ループ動作に対する対応する時定数、又はさらにより小さい時定数を有する。
最大限界の更新速度は、多くの実施形態では、0.1Hzよりも高く、1Hz、又は10Hzでさえある。
したがって、最大限界の適応は、電力伝送フェーズの間に、具体的には、電力制御メッセージに基づいた電力制御動作がアクティブである時間の間に(具体的には、制約がアクティブでない時間に)行われる。
いくつかの実施形態/シナリオでは、受信電力制御メッセージは、電力伝送信号の電力(及び電力受信機によって引き出される電力)の変化をもたらす。負荷指標は電力の変化の結果として変化し、それにより、受信電力制御メッセージは、負荷指標の変化、その結果、最大限界の変化をもたらす。具体的には、電力ループコントローラは、電力制御メッセージに応じて駆動信号の電力を適応させるように構成され、アダプタは、電力制御メッセージに応じて最大限界を適応させる(直接、又は駆動信号の電力の変化を介して)ように構成される。
前に説明した例では、負荷指標は、電力送信機によって決定された性質に基づいて電力送信機によって決定される。しかしながら、他の実施形態では、負荷指標は電力受信機から受信された負荷データに基づいて決定され、負荷データは電力受信機による電力伝送信号のローディングを示す。
複雑さの低い例として、電力受信機は、負荷ZLの値のメッセージを規則的に送信し、電力送信機は、この値を負荷指標として直接使用する、すなわち、負荷の値に依存する最大限界を直接設定する(ルックアップテーブルに格納されたデータに基づいて)。
次いで、電力送信機は、電力受信機から受信した負荷データに基づいて電流及び/又は電力限界を適応させる。例えば、図6のパラメータでは、電力送信機は、コイル電流限界を、負荷インピーダンスZL=800Ωでは1.2Aに、及び負荷インピーダンスZL=10Ωでは3Aに設定する。
負荷データを電力送信機101に供給するように構成された電力受信機105の要素の一例が図20に示される。電力受信機105は、電力受信機コイル107と、受信共振回路を設けるために直列に結合された受信機キャパシタ2001とを含む。受信共振回路は、電圧変換、制御などを含む電力受信機105の動作のための様々な機能を含む電力受信機コントローラ2003に結合される。電力受信機コントローラ2003は、負荷ZLに対応する外部負荷2005にさらに結合される。これらの要素の動作は、当業者に知られているような従来の電力受信機の動作に実質的に対応する。それは、図1及び図2を参照して前に説明した手法を利用する。
電力受信機105は、電力受信機のローディングを反映する負荷データ、具体的には、多くの実施形態では、負荷ZLの値を直接示す負荷データを生成するように構成されたデータ発生器2007をさらに含む。
データ発生器2007は、負荷データを含む負荷メッセージを電力送信機に送信するように構成された送信機2009に結合される。負荷データを含むメッセージは、電力制御誤差メッセージと同じやり方で送信される、すなわち、負荷変調を使用して伝達され、例えば周期的に伝達される。実際、いくつかの実施形態では、負荷データは、電力制御誤差メッセージに添付される。
いくつかの実施形態では、データ発生器2007は、電力受信機の負荷の負荷電流、負荷電圧、又は実際は負荷電流と負荷電圧の両方の測定に応じて、電力受信機のローディングを決定するように構成される。
例えば、電力受信機コントローラ2003は、負荷2005にかかる電圧及び負荷を通る電流を測定するための機能を含む。これらの値はデータ発生器2007に供給され、データ発生器2007は、続いて、電力(これらの値を掛け算することによる)又はインピーダンス(電圧を電流で割り算することによる)のいずれかを計算し、これを、電力送信機101に送信するために送信機2009に転送する。
他の実施形態では、データ発生器2007は、負荷電圧及び/又は電流を電力送信機101に送信するように構成され、次いで、電力送信機101は、続いて、例えば電力又はインピーダンス値を生成する。次いで、これらは負荷指標として使用される。
したがって、ある実施形態では、負荷指標を計算するための機能は電力送信機101内にあり、一方、他の実施形態では電力受信機105内にある。
電力受信機105は、例えば、図21に示すように構成されたデータパケットを使用して電力送信機101に負荷インピーダンスZLの情報を送信する(ここで、インピーダンス値はオーム単位で供給される)。代替として(又は追加として)、図22に示すようなデータパケットが、負荷電圧及び電流を示すために使用される。データ値は、次の関係を利用して電流及び電圧値に変換される。
uL=負荷電圧×2電圧指数 ミリボルト単位
iL=負荷電流×2電流指数 ミリアンペア単位
これらのデータパケットのAckビットは、電力受信機が電力送信機からの肯定応答を要求する(1)か又は要求しない(0)かを示す。図21のデータパケットフォーマットは、短いが、電力受信機が負荷インピーダンスを計算するように要求する。図22のデータパケットは、負荷インピーダンスの計算負担を電力受信機から電力送信機に移す。
いくつかの実施形態では、送信機2009は、電力受信機の負荷の変化が電力変化負荷基準を満たしているという検出に応じて電力送信機に負荷メッセージを送信するように構成される。電力変化負荷基準は、例えば、負荷が、報告されたすぐ前の負荷から所与の量を超えて変化したことでもよく、又は例えば負荷が閾値を横切ることを示してもよい。負荷メッセージをいつ送信すべきかの正確な基準は個々の実施形態に依存することが理解されよう。
基準は、満たされているが、いくつかの実施形態では、特定の負荷値を含まないことを、メッセージは示す。次いで、アダプタ1309は、続いて、受信したメッセージに基づいて最大限界を適応させる。例えば、メッセージは、単に、負荷が異なるカテゴリに入るように変化したことを示し、アダプタ1309は、例えば、この特定のカテゴリの典型的な動作特性を反映するように電流限界を適応させる。
例えば、電力受信機はパケットを電力送信機に送って、負荷が、より高い電流限界を使用することが安全であるか否かを反映する閾値の上又は下にあるか否かを示す。例えば、電力受信機が外部負荷を接続していない場合、そのコイルを見ているインピーダンスは一般に高く、過電圧状況が容易に生じる。しかしながら、電力受信機が外部負荷を接続している場合、そのコイルを見ているインピーダンスは十分に低く、過電圧状況は容易に生じない。負荷データは、外部負荷が接続されているか否かを単に示し、送信機2009は、負荷が接続又は切断されるとき負荷メッセージを送信するように構成される。より詳細には、電力受信機は、例えば、そのコイルを見ているインピーダンスが例えば15Ωより下に低下するときとこのインピーダンスが15Ωより上のレベルに上昇するときの両方においてパケットを電力送信機に送る。次いで、電力送信機は、例えば、負荷が切断されていることを示す情報が受信されているどうか又は負荷が接続されていることを情報が示しているどうかに応じて、例えば、2つの所定の値の間で最大限界を切り替える。
特定の例として、電力送信機は、初めに、電流限界及び電力限界を、約5Wまでの電力を送信することができる送信機に対応する基本Qi電力プロファイルデバイスに適したレベルに設定する。これらの限界に対して、システムは、過電圧が所望のuL=20V値を超えないように保証されるようなものである。電力送信機は約5Wを超える電力を供給することができないので、そのとき、電力受信機は、基本電力プロファイルによって制限された電力レベルで(すなわち、5W未満の電力で)中間動作点を確立するために電力制御ループを最初に使用する。電力受信機は、この中間動作点に達した後、負荷インピーダンスが臨界閾値未満の値(例えば、ZL<15Ω)に達したことを電力送信機に伝達する。電力送信機は、負荷インピーダンスが閾値未満であることを示す負荷データを受信したことに応じて、より高い電力レベルを与えるQi拡張電力プロファイルに適したレベルに電流限界及び電力限界を調節する。それは、さらにオプションとして、ACK応答を送ることによって電力受信機への新しい限界を確かにすることができる。電力受信機は、その後、意図した動作点まで電力要求量を増加させる。
電力受信機の負荷インピーダンスZLが、その後、危険レベル(ZL>15Ω)を超えるように増加した場合、電力受信機は、それを示す新しい負荷メッセージを生成し、それを電力送信機に送信する。これを受信したことに応じて、電力送信機は限界を減少させて基本電力プロファイル限界まで戻す。
いくつかの実施形態では、負荷閾値を横切るとき電力送信機に単に通知する代わりに、電力受信機は、好適な閾値の値を示す情報を電力送信機に送信し、次いで、続いて、電流負荷を示す簡単な負荷メッセージを規則的に送信する。次いで、電力送信機は、受信した値を受信した閾値と比較し、それに応じて限界を設定する。このようにして、この手法により、比較の負担が、電力受信機から電力送信機に移される。
1秒に1回又は数秒に1回が、多くの場合、限界を制御する際に使用するために負荷情報が電力送信機に送信される適切な更新速度である。このように、更新速度は、一般に、電力制御ループの速度よりも低い。
限界が電力受信機からのメッセージに応じて決定されるいくつかの実施形態では、電力送信機は、さらに、電力伝送信号のローディングの変化/駆動信号の電力の変化の検出に応じて、最大限界を自律的に適応させるように構成される。
例えば、システムが12V及び1.5Aの所望の動作点で動作している場合、電力限界は約20Wに設定され、電流限界は約3Aに設定される。さらに、ドライバ1303は約19Wを出力している(すなわち、1Wは寄生損失で失われる)。電力受信機は、負荷メッセージを2秒ごとに送信する。しかしながら、電源アダプタ1309は、駆動信号の電力を連続的にモニタし、これが約2Wに突然低下する場合、電力受信機のローディングの突然激烈な変化が生じている可能性がある。例えば、ユーザが、電力受信機の外部負荷を単に取り外したか又はオフに切り替えた可能性がある。
しかしながら、電力送信機は、最悪の場合としてさらなる2秒の間存在しないことがある次の負荷メッセージの受信までこれが通知されない。ユーザが結合を増加させるために電力受信機をさらに移動する場合、過電圧状態が発生し、これは電流上限によって効果的に緩和されない。これは、場合によっては、例えば電力受信機の回路に損傷を引き起こす。
しかしながら、この例では、アダプタ1309が、電力レベルの低下を素早く検出し、続いて、レベルを直ちに減少させる。例えば、激烈な電力変化が検出された瞬間、アダプタ1309はそれに応じてレベルを調節する。特定の例では、アダプタ1309は、続いて、駆動信号の電力の変化の検出に応じて、限界を例えば3W及び1.5Aに即座に減少させる。次いで、アダプタ1309は次の1つの負荷メッセージ(又は複数の負荷メッセージ)を待ち、次いで、これらに応じて限界を適応させる。したがって、いくつかの例では、電力送信機は、限界の独立した非常に速い適応を実施する。
別の例として、負荷電圧及び電流に関連する電力受信機から受信した情報に基づいて、送信機への対応する動作パラメータが決定される。このようにして、受信した負荷指標と電力送信機パラメータ(具体的には駆動信号の性質)との関係は、通常動作の間に確立される。例えば、5W、10W、及び15Wのローディングに対する駆動信号の性質が確立され、ルックアップテーブルに格納される。さらに、異なる動作点に対して、好適な限界が、識別され、ルックアップテーブルに格納される。
電力受信機が負荷を突然変化させた場合、この変化は、電力受信機が変化の情報を提供する前に電力送信機で検出される。それに応じて、電力送信機は、検出された電流状態を最も密接に反映していると考えられる格納された動作点のうちの1つを識別する。次いで、電力送信機は、この動作点に対する格納された動作値を取り出し、格納された限界を含めてそれらを適用する。
このようにして、そのような手法は、電力受信機からの情報に基づいて正確な動作を可能にするとともに、依然として、電力送信機が突然の負荷変動に極めて迅速に対応し、それによって、過電圧状態のリスクの低減を可能にする。
説明している例では、磁場強度、したがって電力伝送信号の強度は、適応限界によって限定される。磁場強度は、送信機コイル103を通る電流に直接依存し、説明は、送信機コイルの電流が適応限界を使用して限定される例に焦点を当てる。
電流の限定は、直接又は間接的に実行される。例えば、電流リミッタが、送信機コイルと直列に直接差し込まれる。より間接的な手法は、ドライバの動作パラメータを制御することによって、例えば、デューティサイクル、駆動信号周波数、ドライバ出力回路電圧、又はドライバへの入力電流を制御することなどによって駆動信号電流を限定するものである。送信機コイルがキャパシタ及びドライバと直列である(すなわち、共振回路が、ドライバの出力部に直接結合され他の並列電流経路がない直列共振回路である)例では、駆動電流(ドライバからの出力電流)は送信機コイル電流と同じであり、したがって、ドライバ電流の制御及び限定は、やはり、送信機コイル電流の直接制御及び限定である。
同様に、送信機コイル電流が限界を超えているか否かを決定するための送信機コイル電流の決定は、直接又は間接的に実行される。例えば、これは、電流感知部が送信機コイルを通る電流を直接感知することによって(例えば、電流感知部が、磁場強度の関数である出力を供給する(例えば、送信機コイルの近くに位置づけられた測定コイルにより)ことによって)達成される。そのような手法は、送信機コイル電流が駆動電流と同じでない場合、例えば、共振回路が並列共振回路である場合、又はドライバの出力部に並列電流経路があるなどのシナリオで特に有効である。
他の実施形態では、送信機コイル電流の間接測定が、例えば、ドライバ出力回路への入力電流を測定することなどによって適用される。
多くの実施形態において、限定と測定とを統合できることも理解されよう。例えば、送信機コイル電流は、測定され、システムがドライバ出力回路への入力供給に調節可能な電流限界を課することによって限定される。他の実施形態では、異なる性質が評価され制御される。例えば、並列共振回路では、送信機コイルを通る電流は、別個の電流感知コイルによって直接感知され、この値に基づいて、ドライバ出力回路への入力電流への限定が課される。
したがって、電力伝送信号強度を限定するのに、コイル電流は限定されるパラメータである。そうするのに、例えば、コイル電圧、共振キャパシタの電圧などの他の関連するパラメータを測定及び/又は限定することができる。共振回路への駆動電流はコイル電流に影響を及ぼすが、これとコイル電流との間の関係は、いくつかの実施形態では、他のパラメータ(例えば、動作周波数など)に強く依存する。特に、共振キャパシタが送信機コイルと並列である場合、共振回路のQ(quality factor)が高く、駆動周波数が共振周波数に対応しているとき、高いコイル電流を達成するのに非常に小さい駆動電流しか必要としない。特に、そのような実施形態では、例えば、送信機コイル電流を直接測定し、例えば、測定した電流が限界を超えている場合、例えば駆動信号電圧を低下させることによって送信機コイル電流を限定することが有利である。
さらに、例えば、電流に対する異なる尺度を使用できることも理解されよう。例えば、電流限界は、平均、振幅、又はRMS電流値に対する限界とすることができる。したがって、電流及び/又は電力値は、一般に、全サイクルを反映し、単一サイクル内の変動に起因して変動しない値である。値は、サイクル全体の性質を表し、一般に、少なくとも1サイクルにわたって平均された値(駆動信号/共振回路の)である。
結論として、主に説明した手法は、ワイヤレス電力伝送システムにおける電力制御に関するものである。電力制御メッセージが電力受信機から受信され、電力伝送信号の電力はこれらのメッセージに従って適応される。しかしながら、この手法は、従来の電力ループではなく、電力が最大限界未満であることに従い、電力コントローラがこの適応を実行することによって、電力メッセージに応じて適応に制約をさらに導入している。したがって、電力コントローラは、最大限界によって制限されることを除いて電力伝送信号の電力を適応させ変更することができる。したがって、電力制御適応は、2つの考慮事項、すなわち、受信電力制御メッセージ及び最大限界に同時に従う。
さらに、最大限界は、一定限界又は固定限界ではなくて、むしろ電力受信機による電力伝送信号のローディングに応じて適応される。したがって、電力制御ループによって制御される電力伝送信号の電力に課される最大限界は、電力伝送信号のローディングに基づいて調節される(したがって、電力伝送信号の電力に関連する)。
この手法は、ワイヤレス電力伝送信号における非常に柔軟な電力制御を提供し、電力制御は、非常に大きいダイナミックレンジをカバーする非常に柔軟で正確な電力制御を行い、さらに同時に、例えば電力受信機が移動したため例えば結合係数が迅速に変化するときに従来のシステムでは経験されている過電圧状態を防止する。
この手法は、特に、電力制御が、大きいダイナミックレンジ内で自由に利用可能であり、一方、同時に、損傷を与える過電圧状態が生じないようにするために安全限界を課すことを保証する電力制御手法を提供する。重要なことには、この手法は、電力制御によってカバーされるダイナミックレンジ内に安全限界が入ることを可能にし、そうすることで、安全限界が、潜在的に損傷を与える過電圧状態を防止するために実際に必要な電流動作点に極めて近くなるのを可能にする。この手法は、結合係数の突然の変化の場合の過電圧状態を防止する方法と、非常に大きいダイナミックレンジにわたって効率的な電力制御を行う方法との矛盾する問題への解決策を提供している。
上述の説明は、明瞭にするために、様々な機能回路、ユニット、及びプロセッサを参照して本発明の実施形態を説明したことが理解されよう。しかしながら、様々な機能回路、ユニット、又はプロセッサの間で機能を好適に分配することが本発明を損なうことなく使用され得ることは明らかであろう。例えば、別個のプロセッサ又はコントローラによって実行されるように示された機能は、同じプロセッサ又はコントローラによって実行されてもよい。それゆえに、特定の機能ユニット又は回路への言及は、厳密な論理的又は物理的な構造又は組織を示すのではなく説明した機能を提供するための好適な手段への言及と単に見なされるべきである。
本発明は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、又はこれらの任意の組合せを含む任意の好適な形態で実施される。本発明は、オプションとして、1つ又は複数のデータプロセッサ及び/又はデジタルシグナルプロセッサで動作するコンピュータソフトウェアとして少なくとも部分的に実施される。本発明の一実施形態の要素及び構成要素は、物理的に、機能的に、及び論理的に任意の好適なやり方で実施される。実際、機能は、単一のユニットにおいて、複数のユニットにおいて、又は他の機能ユニットの一部として実施される。そのため、本発明は、単一のユニットで実施されてもよく、又は物理的に及び機能的に様々なユニット、回路、及びプロセッサの間で分配されてもよい。
本発明をいくつかの実施形態に関連して説明したが、本発明は本明細書に記載した特定の形態に限定されるものではない。むしろ、本発明の範囲は添付の特許請求の範囲によってのみ限定される。追加として、特徴が特定の実施形態に関連して説明されたように見えることがあるが、当業者は、説明した実施形態の様々な特徴が本発明に従って組み合わされ得ることを認識されよう。特許請求の範囲において、含んでいる(comprising)という用語は、他の要素又はステップの存在を排除しない。
その上、別々に列挙されているが、複数の手段、要素、回路、又は方法のステップは、例えば、単一の回路、ユニット、又はプロセッサによって実施されてもよい。追加として、個々の特徴が異なる請求項に含まれることがあるが、これらは、場合によっては、有利に組み合わされ、異なる請求項に含まれていることが、特徴の組合せが実現可能でない及び/又は有利でないことを意味しない。さらに、ある特徴が請求項の1つのカテゴリに含まれることは、このカテゴリへの限定を意味するのではなく、その特徴が、適宜、他の請求項のカテゴリに等しく適用可能であることを示す。その上、特許請求の範囲における特徴の順序は、特徴が機能すると考えられるいかなる特定の順序も意味せず、特に、方法請求項における個々のステップの順序は、ステップがこの順序で実行されなければならないことを意味しない。むしろ、ステップは、任意の好適な順序で実行される。加えて、単数の言及は複数を排除しない。したがって、「1つの(a)」、「1つの(an)」、「第1の(first)」、「第2の(second)」などへの言及は、複数を排除しない。特許請求の範囲における参照符号は、明瞭化の例がいかなる意味でも特許請求の範囲の範囲を限定するものと解釈されるべきでないので、単に提供されているにすぎない。