JP6619983B2 - Head−to−Head架橋を用いるmRNAディスプレイ法 - Google Patents
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Description
このため、mRNAに結合しているリボソームについては、最終的には、強制的に解離させる必要があり、この翻訳反応としては、リボソームを高濃度で使用しなければならないという問題があった。
すなわち、本願発明のある実施態様は、標的ドメイン結合部位及び蛍光標識を含むリンカーを作製するリンカー作製工程と;少なくとも、標的ドメイン、可変領域、終止コドンの塩基配列を含むDNAコンストラクトを作製する、DNAコンストラクト作製工程と;前記DNAコンストラクトから転写によって対応するmRNAを調製する、転写工程と;前記mRNAの5’末端を酵素処理して、前記リンカーの3’末端と結合させるmRNA−リンカー連結工程と;前記mRNA−リンカー連結体に含まれる前記mRNAに1個のリボソームが結合して翻訳により前記標的ドメインを生成する翻訳工程と;前記翻訳された標的ドメインが、前記リンカーの前記標的ドメイン結合部位に結合し、mRNA−リンカー−タンパク質連結体を形成するとともに、前記リボソームが前記終止コドンを認識して前記mRNA−リンカー−タンパク質連結体から自動的に遊離するリボソーム遊離工程と;を備える、リボソームの代謝回転が可能なmRNAディスプレイ法である。
そして、所望の配列のmRNAの5’末端に結合させたリンカーに、このmRNAと対応付けしたいタンパク質の配列を含めておくことにより、前記所望の配列(mRNA)と翻訳された前記対応付けしたいタンパク質とを共有結合させ、情報と機能とを対応付けることが可能となる。
図2(B)に示すように、本発明は、リボソームの代謝回転利用が可能なmRNAディスプレイ法であり、(a1)標的ドメイン結合部位及び蛍光標識を含むリンカーを作製するリンカー作製工程と;(a2)少なくとも、可変領域、終止コドン、及び標的ドメインの塩基配列を含むDNAコンストラクトを作製する、DNAコンストラクト作製工程と;(a3)前記DNAコンストラクトから転写によって対応するmRNAを調製する、転写工程と;(a4)前記mRNAの5’末端を酵素処理して、前記リンカーの3’末端と結合させるmRNA−リンカー連結工程と;(a5)前記mRNA−リンカー連結体に含まれる前記mRNAに1個のリボソームが結合して翻訳により前記標的ドメインを生成する翻訳工程と;(a6)前記翻訳された標的ドメインが、前記リンカーの前記標的ドメイン結合部位に結合し、前記リボソームが前記終止コドンを認識してmRNA−リンカー−タンパク質連結体から自動的に遊離するリボソーム遊離工程と;を備えている。
例えば、所望の量のTaqポリメラーゼ、Taq反応バッファー、dNTP混合物及び2種類のプライマー(フォワードプライマー及びリバースプライマー)、テンプレート、スキーム1の反応産物を、及び蒸留水を含むPCRミックスを調製する。こうしたPCRミックスとしては、例えば、後述するような組成の混合液を使用することが、反応効率の面から好ましい。本明細書においては、MGMTの本来の機能である脱メチル化反応を用いるのではなく、単に、基質アナログに共有結合する性質を利用している。このため、スキーム1の反応では、作製したコンストラクトで翻訳まで行ったときに、MGMTが正しく発現されているかどうかを確認している。
所望の量のプライムスター、プライムスター反応バッファー、dNTP混合物及び2種類のプライマー(フォワードプライマー及びリバースプライマー)、テンプレート、標的ドメインのPCR産物及び蒸留水を含む、オーバーラップPCR用溶液を調製する。こうしたオーバーラップPCR用溶液としては、例えば、プライムスター(タカラバイオ(株)製)に添付された説明書に従って調製することが、反応効率の面から好ましい。
所望の量のDNAポリメラーゼ、DNAポリメラーゼ反応バッファー、硫酸マグネシウム及び2種類のプライマー(標的ドメイン−タグプライマー(例えば、配列表の配列番号8)及びビオチンタグプライマー(例えば、配列表の配列番号6))、ランダムテンプレート(例えば、配列表の配列番号14)、標的ドメインのPCR産物及び蒸留水を含む、ランダム領域増幅用溶液を調製する。こうした溶液としては、後述する実施例2(1)(1−3)に示すようなランダム領域増幅用バッファーを使用することが、反応効率の面から好ましい。
所望量、例えば、50μL、のストレプトアビジンビーズ(タカラバイオ(株)製)を低吸着チューブ((株)バイオメディカルサイエンス製)に入れ、磁石に付けて上清を捨てる。次いで、所望量、例えば、100μL、の1x結合バッファーを加えて混合する。このチューブを磁石に付けて、上清を捨てる。この操作をさらに2〜3回繰り返す。次いで、所望量、例えば、20μL(約37μg)のランダム領域のPCR産物と、所望量、例えば30μLの蒸留水、所望量、例えば50μLの2x結合バッファーとを混合する。
所望の量のDNAポリメラーゼ、DNAポリメラーゼ反応バッファー、硫酸マグネシウム及びdNTP混合物、上記のようにして得られた標的ドメイン−T7付加産物及びタグ付きのランダム領域、及び蒸留水を含む、フルコンストラクト作製用溶液を調製する。こうした溶液としては、例えば、後述する実施例2(1)(1−5)に示す組成のコンストラクト作製用バッファーを使用することが、反応効率の面から好ましい。
上記のようにして得られたDNAフルコンストラクト、rNTP混合物、T7トランスバッファー、T7酵素ミックス及びRNaseインヒビターを所望の量で含む転写用溶液を調製する。こうした転写用溶液としては、例えば、後述する実施例2(1)(1−6)に示す組成の転写用バッファーを使用することが転写効率の点から好ましい。
(7−1)一段階でのライゲーション
一段階でのライゲーションは、例えば、所望の組成のインキュベーション溶液中でmRNAとリンカーとを連結させる。こうしたインキュベーション溶液としては、例えば、後述する実施例2(3)(3−1)に示す組成の一段階結合用バッファーを使用することが反応効率の点から好ましい。反応条件は、例えば、88〜92℃で1〜3分インキュベートし、0.05〜0.15℃/秒で65〜75℃まで降温させ、約65〜75℃で1〜3分インキュベートし、引き続き、0.05〜0.15℃/秒で20〜30℃まで降温させるようにすることができる。
三段階でのライゲーションは、リン酸基除去バッファー中で、リン酸基の除去を行なう。こうしたリン酸基除去用溶液としては、例えば、後述する後述する実施例2(3)(3−2)に示す組成のリン酸基除去用バッファーを使用することが、反応効率の点から好ましい。反応条件としては、36〜38℃で10〜20分間インキュベートし、その後68〜72℃で4〜8分間インキュベートし、次いで3〜5℃に冷却するようにすることができる。次いで、ここにリン酸基付加用溶液を添加して所望の温度で所望の時間、混合し、インキュベートする。こうしたリン酸基付加用バッファーとしては、後述する実施例2(3)(3−2)に示すライゲーションバッファーを使用することが反応効率の点から好ましい。
まず、ライゲーション産物、RNaseインヒビター等を含む翻訳用溶液1を調製し、36〜38℃で10分〜4時間インキュベートする。こうした翻訳用溶液1としては、例えば、後述する実施例3(1)に示す組成の翻訳用バッファーを使用することが反応効率の点から好ましい。次いで、ここに所望量のローディング用溶液を加えて、所望の時間インキュベートする。例えば、92〜96℃で1〜5分間インキュベートし、翻訳産物を得るようにすることができる。こうしたローディング溶液としては、後述する実施例3(1)に示す組成のローディングバッファーを使用することが、分離精度の点から好ましい。
次いで、得られた翻訳産物を、タグを用いて精製する。まず、所望の組成のPBSと下記のような溶出バッファーとを調製し、タグ付きの磁性ビーズを用いて、低吸着チューブ中で反応させて精製を行なう。例えば、Hisタグを利用する場合には、以下のようにして精製する。まず、130〜140mMのNaCl、2.5〜3.0mMのKCl、5〜15mMのリン酸水素二ナトリウム、1.5〜2.0mMのリン酸二水素カリウムを含む1xPBS(6M NaOHでpH 7.2〜7.4に調整)、及び5〜15mMのリン酸ナトリウムと450〜550mMのイミダゾールを含む2xHisMag溶出バッファー(6M NaOHでpH 7.2〜7.6に調整)を調製する。
以上のようにして得られたDNAコンストラクトを用いてHead-to-Head結合でリンカーとmRNAとを結合させる方法を以下に説明する。
もしくは、これらのホスファターゼ処理及びキナーゼ処理を省いて、T4 RNAリガーゼ処理を行ない、リンカーとmRNAとを直接連結することもできる。
生物種により翻訳に利用されるコドンの種類が異なるので、対象となる遺伝子や遺伝子の由来に合わせて無細胞翻訳系を選択することが好ましい。
(1)材料及び方法
NaCl、KCl、リン酸水素二ナトリウム・12水、リン酸二水素カリウム、6M NaOH、EDTA(エチレンジアミン四酢酸ナトリウム)、ホルムアミドは、和光純薬工業(株)より購入した。MgCl2はナカライテスク(株)より購入した。HEPESは(株)同仁化学研究所より、ジチオスレイトール及びトライトンX-100はSIGMA社より、それぞれ購入した。
(2−1)溶液の調製
まず、蛍光強度によってMGMTの活性を評価するために、10xD-PBS(1.37M NaCl、27mM KCl、100mM リン酸水素二ナトリウム・12水和物、18mM リン酸二水素カリウム(6M NaOHでpH7.4に調整))、1x反応バッファー(10mM MgCl2、1mM ジチオスレイトール、100mM NaCl、18mM HEPES(pH 7.5)、50mM KCl、0.025% トライトンX-100、1μg/mL BSA)、及び停止液(90%ホルムアミド及び20mM EDTA(pH8.0))を調製した。
ついで、基質FQ(2.5pmol/μL:2μLの10μM MGMT F (FITC-MGMT23)、2μLの10μM MGMT Q (MGMT-BHQ1)、3.2μLの水及び0.8μLの10xD-PBS(-)を含む;合計8μL)又は基質F100(2.5pmol/μL:1μLの10μM MGMT F100、2.6μLの水及び0.4μLの10xD-PBS(-)を含む;合計4μL)という2種類の基質溶液を調製した。
本発明のmRNAディスプレイ法及びcDNAディスプレイ法に使用するリンカーは、つくばオリゴサービス(株)に合成を委託した。
2つのコンストラクト(以下、「コンストラクト1」及び「コンストラクト2」という。)を以下のようにして調製した。これらのコンストラクトの模式的な全体構造を図4(A)及び(B)に示す。また、コンストラクト1のDNA配列(839bp)、mRNA配列(809bp)及びタンパク質配列(230aa)を、配列表の配列番号2〜4に示した。同様に、コンストラクト2のDNA配列(896bp)、mRNA配列(866bp)及びタンパク質配列(249aa)を、配列表の配列番号5〜7に示した。
(1−1)MGMT領域の増幅
MGMT領域を増幅させるために、MGMT増幅用溶液(0.5μLのプライムスター(タカラバイオ(株)製)、10μLの5xプライムスター反応バッファー、4μLの2.5 mM dNTP混合物、1μLの10μM MGMTプライマー1、1μLの10μM MGMTプライマー2、0.5μLのSF-コンストラクト-MGMT及び33μLのD.D.W.(二回蒸留水)を含む。合計50μL)を調製した。次いで、95℃で2分、95℃で20秒、65℃で5秒、72℃で30秒というサイクルを30回繰り返してPCRによる増幅を行ない、72℃で5分加熱した後に4℃に冷却して反応を停止させ、PCR産物1を得た。この後、得られたPCR産物1から1μLを取り、7μLの蒸留水及び8μLの2xSTRと混合し、95℃で3分間加熱し、ゲル電気泳動用サンプルとした。
オーバーラップPCRにより、上記(1−1)で得られたMGMT領域にT7領域を付加するために、T7領域付加用溶液(0.5μLのプライムスター、10μLの5xプライムスター反応バッファー、4μLの2.5 mM dNTP混合物、1μLの10μM T7プライマー、0.3μLの10μM T7-リンカーハイブリ-MGMT、1μLの10μM MGMTプライマー2、1μLのMGMT PCR産物及び33μLのD.D.W.を含む、合計50μL)を調製した。
次いで、ランダム領域を増幅させるために、ランダム領域増幅用バッファー(4μLのVentR (exo-) DNAポリメラーゼ(BioLabs社製)、20μLの10xVentR (exo-) DNAポリメラーゼ反応バッファー、4μLの100mM MgSO4、16μLの2.5mM dNTP混合物、2μLの100μM MGMT-His tag Xaプライマー、2μLの100μMビオチン-cNew Ytagプライマー、1μLの10μMランダムテンプレート及び151μLのD.D.W.を含む。合計200μL)を調製した。このバッファーをサーマルサイクラーに入れ、95℃で2分処理した後に、[95℃で20秒、65℃で30秒、75℃で1分]というサイクルを30回繰り返し、72℃で5分加熱した後に、4℃に冷却してPCR産物3を得た。
50μLのストレプトアビジンビーズ(Dynabeads MyOne Streptavidin C1、Invtrogen社製)を低吸着チューブに入れ、このチューブを磁石に付けて、上清を捨てた。ここに、100μLの1x結合バッファーを入れて混合し、磁石に付けて、上清を捨てた。100μLの1x結合バッファーを入れて混合し、磁石に付けて、上清を捨てるという操作をさらに2回繰り返した。
以上のようにして得られたコンストラクト1作製用の各PCR増幅産物を用いて、コンストラクト1をフルコンストラクトとして作製するために、フルコンストラクト作製用バッファー(4μLのVentR(exo-)DNAポリメラーゼ(BioLabs社製)、20μLの10xVentR(exo-)DNAポリメラーゼ反応バッファー、4μLの100mM MgSO4、16μLの2.5mM dNTP混合物、9μLのT7〜MGMT領域(15 pmol)、1.3μLのHis tag〜ランダム領域 (15pmol)及び141.7μLのD.D.W.を含む、合計196μL)を調製した。
得られたコンストラクト1をmRNAに転写するために、転写用バッファー(2μLのDNAフルコンストラクト(3.6pmol)、3μLの2.5mM rNTP混合物、2μLの5xT7トランスバッファー、2μLのT7酵素混合物及び1μLのRNaseインヒビターを含む。合計10μL)を調製した。上記転写用バッファーをサーマルサイクラーに入れ、37℃で2時間インキュベートした。次いで、ここに1μLのRQ1 RNase-Free DNase (1U/μL、Promega社製)を加え、37℃で15分間インキュベートしてRNA精製用試料とした。RNAの精製には、RNeasy Mini Kit(QIAGEN社製)を使用した。まず、上記RNA精製用試料に、RNA精製用バッファー(90μLのRNase free water、350μLのRLTバッファー及び250μLの99%エタノール)を加えて、混合液とした。
上記(1−5)で得られたDNAコンストラクト1をmRNAへ転写するために、転写用バッファー溶液(2μLのDNAフルコンストラクト(3.6pmol)、3μLの2.5mM rNTP混合物、2μLの5xT7トランスファーバッファー、2μLのT7酵素ミックス、1μLのRNaseインヒビター(RNasin Plus PNase Inhibitor, Promega社製)を含む。合計10μL)を調製した。この転写用バッファーをサーマルサイクラーに入れ、37℃で2時間インキュベートした。ついで、ここにRQ1 RNase-Free DNase (1U/μL)を1μL加え、37℃で15分間インキュベートした。
(3−1)一段階での結合
次いで、得られた809 bpのmRNAの5’末端に、上記(2)で得たFITCラベルしたBGリンカー配列を、ハイブリダイゼーション法で相補結合させ、その後、T4 RNAリガーゼで酵素的に結合した。mRNAに結合したリンカーを、ゲル電気泳動後にFITCの蛍光で検出した。以下、手順に従って詳細を述べる。
リンカーのライゲーション用にリン酸基除去用バッファー(8μLのmRNA (8pmol)、1μLの10xアンタークティックリン酸バッファー及び1μLのアンタークティックホスファターゼ(New England Biolabs社製)を含む。合計10μL)を調製した。このバッファーをサーマルサイクラーに入れ、37℃で15分間インキュベートした。次いで70℃で5分間インキュベートし、4℃に冷却してmRNAの5’末端からリン酸基を除去した。この溶液に、ライゲーションバッファー(10.5μLのRNase free water、2.5μLの10xT4 RNAリガーゼバッファー及び1μLのT4ポリヌクレオチドキナーゼ(10ユニット/μL)を含む。合計24μL)を調製して加え、混合物とした。
一方で、反応を進めていく過程でmRNAが徐々に短くなっていることが明らかになり、引き続く反応で使用するためには、mRNAの分解を防ぐ必要があることが示された。mRNAが短くなった原因としては、mRNAが不安定な物質であり、RNaseによる分解や加熱による加水分解等が起こりやすいこと、及び脱リン酸化酵素の反応溶液に亜鉛イオンが含まれているため、加熱時の加水分解が促進されてしまった可能性があること等が考えられた。
別のロットのT4 RNAリガーゼを用いて、再度、mRNAの5’末端の三リン酸とリンカーの3’末端の-OHとの結合を試みた。今回は、mRNAに対してBG-リンカーが過剰量となるように加えてハイブリダイズさせ(表2参照)、T4 RNAリガーゼを100ユニット/μL加えて反応させたところ、mRNAにBG-リンカーが結合したことが確認できた。結果を図21に示す。
(1)in vitro 翻訳
上記実施例1で作製したBGリンカー・mRNAのライゲーション産物を、PUREflex(日本ミリポア(株)社製)を用いて翻訳した。まず、xμLのライゲーション産物(xpmol)、25μLの溶液1、2.5μLの溶液2、2.5μLの溶液3、5μLのRNase インヒビター(40ユニット/μL)及び(15−x)μLのRNase free waterを含む翻訳用バッファー(合計50μL)を調製し、37℃で、1〜4時間インキュベートして翻訳産物を得た。
次に、Hisタグ精製用に、137mM NaCl、2.7mM KCl、10mM リン酸二ナトリウム・12水和物及びリン酸二水素カリウムを含む1xPBS(6M NaOHでpH 7.4に調整)及び20mM リン酸ナトリウム及び500mMのイミダゾール(6M NaOHでpH 7.4に調整)を含むHisMag溶出バッファーを調製した。
(1)コンストラクト1の立体構造の予測
既に述べた通り、実施例1で得られたコンストラクト1は、MGMTの後ろに4アミノ酸長のスペーサーを挟んでHisタグ配列が来るように設計されている。このため、本来ならば、HisタグがNi-NTAビーズに結合して、翻訳産物が回収されるはずである。しかし、逆の結果が出たことから、SWISS-MODEL構造予測にもとづき、コンピューターシミュレーションでHisタグ部分がどのようにフォールディングしているかを検討した。
そこで、MGMTとHisタグ配列との間に、4アミノ酸長のスペーサーと、19アミノ酸長のαスタンドペプチドとを挟んだ構造を、SWISS-MODEL構造予測法にもとづいて、コンピューターシミュレーションした(図26(A)及び(B)参照)。この結果、このコンストラクト2では、Hisタグ部分はタンパク表面に出ており、Hisタグ精製に好適な構造をとることが明らかになった。このため、以下のようにしてDNAコンストラクト2を作製し、Hisタグ精製を試みた。
コンストラクト1の作製と同様にして、コンストラクト2を構成する各領域を増幅させ、最後にこれらを連結し、オーバーラップPCR法を用いて896bpのコンストラクト2(コンストラクト2に挿入されたHis Tag提示用部分(57nts)の配列については、配列表の配列番号15を参照)を作製した。
以上より、mRNAの5’末端側にBGリンカーを結合させること、さらにそのBGリンカーに翻訳されたタンパク質が結合することを確認し、Head-to-Head Linking(H-to-H 結合)を形成させることができた。この技術では、大量のリボソームを使用することなく、インビトロ翻訳が可能である。なお、H-to-H 結合を実際のインビトロセレクションに使用する際には、翻訳前に未反応のリンカーを取り除くステップを加えることで、この方法が改善されることが期待された。
配列番号2:MGMTのDNA配列
配列番号3:MGMT DNA増幅用プライマー
配列番号4:MGMT DNA増幅用プライマー
配列番号5:T7プライマー
配列番号6:ビオチン−cNew Ytagプライマー
配列番号8:His tag−XaR プライマー
配列番号9:PCRで増幅されたMGMTのmRNA
配列番号10:配列番号9から翻訳されたタンパク質のアミノ酸配列
配列番号11:人工的なミオグロビンタンパク質のアミノ酸配列
配列番号13:C末端遊離型スタンドペプチド
配列番号14:ランダムプライマー
配列番号15:コンストラクト2に挿入されたHis−tag提示配列
配列番号16:コンストラクト2のmRNA
配列番号17:配列番号16から翻訳されたタンパク質のアミノ酸配列
Claims (6)
- 標的ドメイン結合部位及び蛍光標識を含むリンカーを作製するリンカー作製工程と;
少なくとも、標的ドメイン、可変領域、及び終止コドンの塩基配列を含むDNAコンストラクトを作製する、DNAコンストラクト作製工程と;
前記DNAコンストラクトから転写によって対応するmRNAを調製する、転写工程と;
前記mRNAの5’末端を酵素処理して、前記リンカーの3’末端と結合させるmRNA−リンカー連結工程と;
前記mRNA−リンカー連結体に含まれる前記mRNAに1個のリボソームが結合して翻訳により前記標的ドメインを生成する翻訳工程と;
前記翻訳された標的ドメインが、前記リンカーの前記標的ドメイン結合部位に結合し、mRNA−リンカー−タンパク質連結体を形成するとともに、前記リボソームが前記終止コドンを認識して前記mRNA−リンカー−タンパク質連結体から自動的に遊離するリボソーム遊離工程と;
を備える、リボソームの代謝回転が可能なmRNAディスプレイ法。 - 前記DNAコンストラクト作製工程で使用する所望のドメインは、O6-メチルグアニン−DNA−メチルトランスフェラーゼ(MGMT)及びMGMTの機能性変異体タンパク質からなる群から選ばれるいずれかのものであることを特徴とする、請求項1に記載のリボソームの代謝回転が可能なmRNAディスプレイ法。
- 前記DNAコンストラクトは、前記塩基配列の下流側に、所望の長さのスペーサー、所望の長さのαへリックス構造を有するαスタンドペプチド、及び精製用タグを含み、さらに可変ペプチド配列又は可変タンパク質のいずれか一方を含むことを特徴とする、請求項2に記載のリボソームの代謝回転が可能なmRNAディスプレイ法。
- 前記スペーサーの長さは3〜5アミノ酸長であり、前記αスタンドペプチドの長さは17〜21アミノ酸長であることを特徴とする、請求項3に記載のリボソームの代謝回転が可能なmRNAディスプレイ法。
- 前記精製用タグが、Hisタグ、FLAGタグ及びビオチン様ペプチドからなる群から選ばれるいずれかのものであることを特徴とする、請求項3又は4に記載のリボソームの代謝回転が可能なmRNAディスプレイ法。
- mRNAの5’三リン酸とリンカーを、mRNAの5’末端から三リン酸を除去する三リン酸除去酵素、三リン酸が除去されたmRNAの5’末端にリン酸を付加するキナーゼ、及びリンカーとmRNAの5’三リン酸状態の末端とを直接連結するT4 RNAリガーゼにより連結するか、または直接T4 RNAリガーゼで連結することを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載のリボソームの代謝回転が可能なmRNAディスプレイ法。
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