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JP6620105B2 - コンベヤベルト用ゴム組成物、及びコンベヤベルト - Google Patents
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コンベヤベルト用ゴム組成物、及びコンベヤベルト Download PDF

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Description

本発明は、コンベヤベルト用ゴム組成物、及びコンベヤベルトに関する。
鉄鋼、石炭、セメント等の様々な産業分野において、物品の輸送手段としてコンベヤベルトを備える輸送装置が多く用いられている。こうした輸送装置は、過酷な環境下で用いられることが多く、また、高温の物品を輸送する目的で用いられることも多いことから、コンベヤベルトに対し、ゴム物品としての高い強度に加え、高い難燃性が要求される。その一方で、昨今、輸送装置の低燃費化に対する要求も強くなりつつあり、低ロス性に優れたコンベヤベルトも求められている。
ここで、ゴム物品に高い難燃性及び強度を与えるためには、ゴム成分として天然ゴム及びスチレン−ブタジエンゴム(SBR)を主体的に用いることが知られている。これについてはコンベヤベルトも例外でなく、例えば、特許文献1は、主たるゴム成分として天然ゴムとスチレン−ブタジエンゴムとを用い、適宜難燃剤を配合することにより、難燃性を確保するとともに耐衝撃性が向上したコンベヤベルト用ゴム組成物が得られることを開示している。
特開2012−180475号公報
しかしながら、天然ゴムやスチレン−ブタジエンゴムをゴム成分の主体とする上記ゴム組成物を用いて製造されるコンベヤベルトは、低ロス性が十分でないという問題があり、コンベヤベルトに高い難燃性、強度及び低ロス性を同時に提供できない点に、改良の余地があった。
そこで、本発明の目的は、ゴム物品としての高い強度と高い難燃性とを保持しつつ、低ロス性に優れたコンベヤベルトを得ることが可能なゴム組成物、及び、ゴム物品としての高い強度と高い難燃性とを保持しつつ、低ロス性に優れたコンベヤベルトを提供することにある。
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意検討した結果、ゴム成分の種類及び比率を特定化し、且つ、特定の成分を配合することにより、高い難燃性を保持しつつ、低ロス性に優れたコンベヤベルトを得ることが可能なゴム組成物が得られることを見出した。
すなわち、本発明のコンベヤベルト用ゴム組成物は、天然ゴム及びブタジエンゴムを含むゴム成分と、加硫剤と、加硫促進剤と、カーボンブラックと、塩素化パラフィンと、三酸化アンチモンとを含有し、前記天然ゴムの含有量と前記ブタジエンゴムの含有量との比(天然ゴムの含有量:ブタジエンゴムの含有量)が、質量比で25:75〜45:55であることを特徴とする。
本発明のコンベヤベルトは、前述のコンベヤベルト用ゴム組成物を用いたことを特徴とする。
本発明によれば、ゴム物品としての高い強度と高い難燃性とを保持しつつ、低ロス性に優れたコンベヤベルトを得ることが可能なゴム組成物、及び、ゴム物品としての高い強度と高い難燃性とを保持しつつ、低ロス性に優れたコンベヤベルトを提供することができる。
以下に、本発明を、その一実施形態に基づき詳細に例示説明する。
本発明のコンベヤベルト用ゴム組成物は、少なくとも、天然ゴム及びブタジエンゴムを含むゴム成分と、加硫剤と、加硫促進剤と、カーボンブラックと、塩素化パラフィンと、三酸化アンチモンとを含有し、前記天然ゴムの含有量と前記ブタジエンゴムの含有量との比(天然ゴムの含有量:ブタジエンゴムの含有量)が、質量比で25:75〜45:55であることを特徴とする。
(ゴム成分)
本発明のコンベヤベルト用ゴム組成物は、少なくとも、ゴム成分として天然ゴム及びブタジエンゴムを含有する。前記天然ゴム及びブタジエンゴムは、それぞれ、コンベヤベルトの基本的な機械特性の向上及びコンベヤベルトの低ロス性の向上をもたらすことができる。また、本発明のコンベヤベルト用ゴム組成物における、前記天然ゴムの含有量と前記ブタジエンゴムの含有量との比(天然ゴムの含有量:ブタジエンゴムの含有量)は、質量比で25:75〜45:55であることを要する。前記比が25:75未満(すなわち、天然ゴム及びブタジエンゴムの総含有量における天然ゴムの含有量の割合が25質量%未満)であると、コンベヤベルトにゴム物品としての十分な強度をもたらすことができないおそれがあり、一方、前記比が45:55超(すなわち、天然ゴム及びブタジエンゴムの総含有量における天然ゴムの含有量の割合が45質量%超)であると、コンベヤベルトに十分な低ロス性をもたらすことができないおそれがある。なお、前記天然ゴムの含有量と前記ブタジエンゴムの含有量との比は、コンベヤベルトの強度及び低ロス性をより向上させる観点から、30:70〜40:60であることがより好ましい。
また、本発明のコンベヤベルト用ゴム組成物は、必要に応じて、前述した天然ゴム及びブタジエンゴム以外の他のゴム成分を含有することができる。前記他のゴム成分としては、イソプレンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム等のジエン系ゴム成分、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体、ハロゲン化ブチルゴム、シリコーンゴム等の非ジエン系ゴム成分が挙げられ、これらを1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明のコンベヤベルト用ゴム組成物において、ゴム成分中の天然ゴム及びブタジエンゴムの総含有量としては、特に制限はないが、コンベヤベルトの強度及び低ロス性を十分に高める観点から、ゴム成分中90質量%以上が好ましく、95質量%以上がより好ましく、100質量%(すなわち、ゴム成分として天然ゴム及びブタジエンゴムのみを含む)が特に好ましい。
(加硫剤)
本発明のコンベヤベルト用ゴム組成物は、少なくとも、加硫剤を含有する。前記加硫剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、硫黄系加硫剤、有機過酸化物等、一般にゴム用加硫剤として用いられるものが挙げられる。これらの中でも、低コストで効果的に加硫を行う観点から、硫黄系加硫剤を用いることが好ましい。ここで、前記硫黄系加硫剤としては、粉末硫黄、高分散性硫黄、不溶性硫黄、モルホリンジスルフィド等が挙げられる。また、前記有機過酸化物としては、ベンゾイルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、メチルエチルケトンパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン等が挙げられる。なお、前記加硫剤は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明のコンベヤベルト用ゴム組成物における前記加硫剤の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、必要最小限の量で効果的にゴム物品としての強度(以下、「ゴム強度」と称することがある。)を確保する観点から、ジエン系ゴム成分100質量部に対し、0.1質量部〜5質量部が好ましく、1質量部〜2質量部がより好ましい。
(加硫促進剤)
本発明のコンベヤベルト用ゴム組成物は、少なくとも、加硫促進剤を含有する。前記加硫促進剤としては、2−メルカプトベンゾチアゾール、ジベンゾチアジルジスルフィド、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド、N−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド等のベンゾチアゾール系加硫促進剤、1,3−ジフェニルグアニジン等のグアニジン系加硫促進剤、テトラメチルチウラムジスルフィド、テトラエチルチウラムジスルフィド、テトラブチルチウラムジスルフィド、テトラドデシルチウラムジスルフィド、テトラオクチルチウラムジスルフィド、テトラベンジルチウラムジスルフィド、ジペンタメチレンチウラムテトラスルフィド等のチウラム系加硫促進剤、ジメチルジチオカルバミン酸亜鉛等のジチオカルバミン酸塩系、その他ジアルキルジチオリン酸亜鉛等が挙げられる。なお、前記加硫促進剤は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明のコンベヤベルト用ゴム組成物における前記加硫促進剤の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、必要最小限の量で効果的に加硫を促進する観点から、ジエン系ゴム成分100質量部に対し、0.1質量部〜10質量部が好ましく、1質量部〜5質量部がより好ましい。
(カーボンブラック)
本発明のコンベヤベルト用ゴム組成物は、少なくとも、カーボンブラックを含有する。前記カーボンブラックは、ジエン系等のゴム成分と混合することにより、コンベヤベルトのゴム強度及び低ロス性の向上に寄与することができる。前記カーボンブラックとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、チャンネルブラック、ファーネスブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック等、一般にゴム用カーボンブラックとして用いられるものが挙げられる。
また、前記カーボンブラックの等級としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、SAF−HS、SAF、ISAF−HS、ISAF、ISAF−LS、N285、N339、HAF−HS、HAF、HAF−LS等の等級のカーボンブラックが挙げられる。これらの中でも、コンベヤベルトのゴム強度及び低ロス性を十分に向上させる観点から、ISAF級のカーボンブラック、又はHAF級のカーボンブラック、を用いることが好ましい。なお、前記カーボンブラックは、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
なお、ISAF級のカーボンブラックとは、窒素吸着比表面積(N2SA)が117〜150m2/gの範囲にあるカーボンブラックを指し、HAF級のカーボンブラックとは、窒素吸着比表面積(N2SA)が83〜100m2/gの範囲にあるカーボンブラックを指す。
本発明のコンベヤベルト用ゴム組成物における前記カーボンブラックの含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、ジエン系ゴム成分100質量部に対し、10質量部〜100質量部が好ましく、20質量部〜70質量部がより好ましく、40〜50質量部が特に好ましい。前記カーボンブラックの含有量が、ジエン系ゴム成分100質量部に対して10質量部以上であることにより、ゴム強度を十分に向上させることができ、一方、ジエン系ゴム成分100質量部に対して100質量部以下であることにより、低ロス性の悪化を防止するとともに混練時の作業性を確保することができる。
(塩素化パラフィン)
本発明のコンベヤベルト用ゴム組成物は、少なくとも、塩素化パラフィンを含有する。ここで、本明細書で塩素化パラフィンとは、平均で炭素数26の鎖状飽和炭化水素化合物であって、該化合物中の水素原子の全部又は一部が塩素原子で置換されているものを指す。前記塩素化パラフィンは、コンベヤベルトの難燃性の向上に寄与する性質を有するほか、適度な粘性を有し、材料同士を凝集させる性質を有する。したがって、本発明において前記塩素化パラフィンを配合すれば、前述した性質により、得られるゴム組成物の難燃性及び成形性が向上するとともに、それを用いたコンベヤベルトのゴム強度を高い水準で保持することができるという効果を奏する。特に、本発明のコンベヤベルト用ゴム組成物においては、一般にゴム強度の向上に寄与し得る天然ゴムの含有量をブタジエンゴムの含有量に比べて低くしていることから、塩素化パラフィンを配合することの利点はとりわけ大きい。
前記塩素化パラフィンの塩素含有量としては、目的に応じて適宜選択することができるが、入手容易性、難燃性、及びゴム強度の向上の観点から、65質量%〜75質量%が好ましい。前記塩素化パラフィンとしては、三工株式会社製「エンパラ70」(塩素含有量70質量%)等が挙げられる。これらは、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明のコンベヤベルト用ゴム組成物における前記塩素化パラフィンの含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、効果的及び効率的に難燃性とゴム強度とを向上させる観点から、ゴム成分100質量部に対し、5質量部〜50質量部が好ましく、5質量部〜40質量部がより好ましく、5質量部〜30質量部が更に好ましく、10質量部〜30質量部が特に好ましく、15質量部〜25質量部が最も好ましい。ここで、コンベヤベルト用ゴム組成物における塩素化パラフィンの含有量を、ゴム成分100質量部に対して40質量部以下、好ましくは30質量部以下とすれば、耐ロール密着性等の作業性を高く保持できるという効果ももたらされる。
(三酸化アンチモン)
本発明のコンベヤベルト用ゴム組成物は、少なくとも三酸化アンチモンを含有する。前記三酸化アンチモンは、コンベヤベルトの難燃性の向上をもたらすことができる。特に、前記三酸化アンチモンは、前記塩素化パラフィンと併用することにより、効果的に難燃性を向上させることができる。
前記三酸化アンチモンとしては、日本精鉱株式会社製「PATOX−M」、等が挙げられる。
前記コンベヤベルト用ゴム組成物における三酸化アンチモンの含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、効果的及び効率的に難燃性を向上させる観点から、ゴム成分100質量部に対し、2質量部〜20質量部が好ましく、3質量部〜10質量部がより好ましく、4質量部〜8質量部が特に好ましい。
また、三酸化アンチモンの含有量としては、特に制限されないが、塩素化パラフィンの含有量に対する三酸化アンチモンの含有量の割合(三酸化アンチモンの含有量/塩素化パラフィンの含有量)が、質量比で0.15〜0.30であることが好ましい。これにより、塩素化パラフィンと三酸化アンチモンとを併用することによる難燃性の向上効果をよりもたらすことができる。
(ヒドラジド化合物)
また、本発明のコンベヤベルト用ゴム組成物は、さらに、1種以上のヒドラジド化合物を含有することが好ましい。前記ヒドラジド化合物は、ゴム組成物中でカーボンブラックに対する分散助剤としての機能を有し、コンベヤベルトの低ロス性を向上させることができる。
前記ヒドラジド化合物は、コンベヤベルトの引張強さ及び耐ミル収縮性を一層向上させる観点から、ナフトエ酸ヒドラジド又はその誘導体であることが好ましい。前記ナフトエ酸ヒドラジド又はその誘導体としては、下記式(I):
Figure 0006620105
[式中、Xは水素原子、ヒドロキシル基、アミノ基又は下記式(II):
Figure 0006620105
で表される基であり;R1〜R4は、それぞれ独立して水素原子又は炭素数1〜18のヒドロカルビル基を表し、R1とR2、R3とR4は互いに結合して環構造を形成してもよい]で表されるナフトエ酸ヒドラジド又はその誘導体が挙げられる。
式(I)及び式(II)におけるR1〜R4としての炭素数1〜18のヒドロカルビル基としては、炭素数1〜18の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、炭素数2〜18の直鎖状若しくは分岐状のアルケニル基、炭素数3〜18のシクロアルキル基、炭素数6〜18のアリール基及び炭素数7〜18のアラルキル基が挙げられる。上記シクロアルキル基、アリール基及びアラルキル基の環上には、低級アルキル基、低級アルコキシル基、アミノ基、アルキル置換アミノ基、ヒドロキシル基等の適当な置換基を有していてもよい。前記アルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基等が挙げられる。前記アルケニル基としては、ビニル基、アリル基、プロペニル基、ブテニル基、ヘキセニル基、オクテニル基、デセニル基等が挙げられる。前記シクロアルキル基としては、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、メチルシクロヘキシル基等が挙げられる。前記アリール基としては、フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基、メチルナフチル基等が挙げられる。前記アラルキル基としては、ベンジル基、フェネチル基、ナフチルメチル基等が挙げられる。
上記式(I)で表されるナフトエ酸ヒドラジド又はその誘導体として、具体的には、1−ヒドロキシ−N’−(1−メチルエチリデン)−2−ナフトエ酸ヒドラジド、1−ヒドロキシ−N’−(1−メチルプロピリデン)−2−ナフトエ酸ヒドラジド、1−ヒドロキシ−N’−(1−メチルブチリデン)−2−ナフトエ酸ヒドラジド、1−ヒドロキシ−N’−(1,3−ジメチルブチリデン)−2−ナフトエ酸ヒドラジド、1−ヒドロキシ−N’−(2,6−ジメチル−4−ヘプチリデン)−2−ナフトエ酸ヒドラジド、3−ヒドロキシ−N’−(1−メチルエチリデン)−2−ナフトエ酸ヒドラジド、3−ヒドロキシ−N’−(1−メチルプロピリデン)−2−ナフトエ酸ヒドラジド、3−ヒドロキシ−N’−(1−メチルブチリデン)−2−ナフトエ酸ヒドラジド、3−ヒドロキシ−N’−(1,3−ジメチルブチリデン)−2−ナフトエ酸ヒドラジド、3−ヒドロキシ−N’−(2,6−ジメチル−4−ヘプチリデン)−2−ナフトエ酸ヒドラジド、3−ヒドロキシ−N’−(1,2−ジフェニルエチリデン)−2−ナフトエ酸ヒドラジド等が好適に挙げられる。これらの中でも、カーボンブラックを効果的に分散して低ロス性をより向上させる観点から、3−ヒドロキシ−N’−(1−メチルエチリデン)−2−ナフトエ酸ヒドラジド、3−ヒドロキシ−N’−(1−メチルプロピリデン)−2−ナフトエ酸ヒドラジド、3−ヒドロキシ−N’−(1−メチルブチリデン)−2−ナフトエ酸ヒドラジド、3−ヒドロキシ−N’−(1,3−ジメチルブチリデン)−2−ナフトエ酸ヒドラジド、3−ヒドロキシ−N’−(2,6−ジメチル−4−ヘプチリデン)−2−ナフトエ酸ヒドラジド、3−ヒドロキシ−N’−(1,2−ジフェニルエチリデン)−2−ナフトエ酸ヒドラジド等がより好ましい。
前記コンベヤベルト用ゴム組成物におけるヒドラジド化合物の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、コンベヤベルトの低ロス性を十分に向上させる観点に加え、圧延作業時の収縮を抑制する(耐ミル収縮性を向上させる)効果をもたらす観点から、ゴム成分100質量部に対し、0.1質量部〜5質量部が好ましい。同様の観点から、前記コンベヤベルト用ゴム組成物におけるヒドラジド化合物の含有量は、ゴム成分100質量部に対し、0.1質量部〜3質量部がより好ましく、0.5質量部〜3質量部が更に好ましい。
そして、前記コンベヤベルト用ゴム組成物は、塩素化パラフィンの含有量が、ゴム成分100質量部に対し、10質量部〜30質量部であり、且つ、ヒドラジド化合物の含有量が、ゴム成分100質量部に対し、0.5質量部〜3質量部であることが特に好ましい。このように塩素化パラフィンの含有量及びヒドラジド化合物の含有量の適正化を図ることにより、強度、難燃性及び低ロス性を良好なものとしつつ、更に精錬〜圧延時の作業性(耐ミル収縮性及び耐ロール密着性)を相乗的に改善することができる。
また、前記コンベヤベルト用ゴム組成物は、塩素化パラフィンの含有量に対するヒドラジド化合物の含有量の割合(ヒドラジド化合物の含有量/塩素化パラフィンの含有量)が、質量比で0.005〜0.25であることが好ましい。これにより、強度、難燃性、低ロス性、耐ミル収縮性及び耐ロール密着性をバランスよく良好なものとすることができる。
(その他の成分)
本発明のコンベヤベルト用ゴム組成物は、さらに、必要に応じ前記成分以外の添加剤等を含有してもよい。かかる添加剤等としては、例えば、加硫促進助剤、リターダー(スコーチ防止剤)、前記カーボンブラック以外の補強性充填剤、老化防止剤、可塑剤、ワックス類、酸化防止剤、滑剤、紫外線吸収剤、分散剤、相溶化剤、均質化剤等が挙げられる。
(コンベヤベルト用ゴム組成物)
本発明のコンベヤベルト用ゴム組成物は、上記各成分を、例えば、開放混合式の練りロール機、密閉混合式のバンバリーミキサー、ブラベンダー又はニーダー等の混練機を用いて混練することにより製造することができる。
本発明のコンベヤベルト用ゴム組成物は、歪2%、振動数10Hzでの20℃における貯蔵弾性率(E’)及び損失正接tanδから算出されるロスインデックス(tanδ/E’1/3)が0.110以下であることが好ましく、0.100以下であることがより好ましく、0.097以下であることが更に好ましい。前記コンベヤベルト用ゴム組成物のロスインデックスが0.110以下であることにより、低ロス性に一層すぐれたコンベヤベルトを製造することができる。
なお、前記ロスインデックスは、例えば、コンベヤベルト用ゴム組成物における天然ゴムの含有量と前記ブタジエンゴムの含有量との比や、コンベヤベルト用ゴム組成物におけるカーボンブラック又はカーボンブラック以外の補強性充填剤の含有量を、本発明の範囲内で適宜変更することにより、調整することができる。
本発明のコンベヤベルト用ゴム組成物は、JIS K6251に準拠して測定される引張強さ(Tb)が14.0MPa以上であることが好ましく、15.0MPa以上であることがより好ましく、15.5MPa以上であることが更に好ましい。前記コンベヤベルト用ゴム組成物の引張強さ(Tb)が14.0MPa以上であることにより、ゴム強度が十分に高いコンベヤベルトを製造することができる。
なお、前記引張強さ(Tb)は、例えば、コンベヤベルト用ゴム組成物における天然ゴムの含有量と前記ブタジエンゴムの含有量との比や、コンベヤベルト用ゴム組成物におけるカーボンブラック及び塩素化パラフィンの含有量を、本発明の範囲内で適宜変更することにより、調整することができる。
(コンベヤベルト)
本発明のコンベヤベルトは、前記コンベヤベルト用ゴム組成物を用いたことを特徴とする。一実施形態においては、前記コンベヤベルト用ゴム組成物を、コンベヤベルトのうち、少なくとも、スチールコード等からなる補強材の下側の、駆動プーリー、従動プーリー、保形ローター等と接触する内周側の表層ゴム(下面カバーゴム)に用いることができ、また、補強材の上側の、輸送物品と接触する外周側の表層ゴム(上面カバーゴム)に用いることもできる。本発明のコンベヤベルトは、前記コンベヤベルト用ゴム組成物を用いているため、高い難燃性とゴム強度とが保持されている上、低ロス性に優れる。
本発明のコンベヤベルトの具体的な製造例としては、上記ゴム組成物からなるシートで補強材を挟み込み、このゴム組成物を加熱圧着して加硫接着することにより、補強材にゴム組成物を接着及び被覆することが挙げられる。これらの場合、加硫条件は適宜選択し得るが、通常140〜170℃で10〜80分の条件とすることが好ましい。
また、本発明のコンベヤベルトを用い、輸送装置を製造することができる。かかる輸送装置は、本発明のコンベヤベルトを用いているため、高い難燃性とゴム強度とを保持しつつ、低ロス性に優れている。なお、本発明のコンベヤベルトは、任意の輸送装置に適用可能であるが、特に、例えば高温環境で使用される輸送装置や、高温物品の輸送を目的とする輸送装置に好適である。
以下、実施例を挙げて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明は下記の実施例になんら限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲において適宜変更可能である。
1700mlのバンバリーミキサーを用い、表1に示す配合(単位:質量部)の未加硫ゴム組成物を調製し、更に、かかる未加硫ゴム組成物を160℃で15分間加硫して、加硫ゴム組成物を調製した。かかる加硫ゴム組成物について、引張強さ、ロスインデックス、難燃性、耐ロール密着性及び耐ミル収縮性を、以下に示す方法に従って評価した。結果を表1に示す。
(引張強さ(Tb))
JIS K 6251に準拠して、引張強さ(MPa)を求めた。結果を表1に示す。かかる値が大きいほど、ゴム強度に優れることを示す。具体的には、かかる値が14.0MPa以上であることが好ましい。
(ロスインデックス)
レオメトリックス社製粘弾性測定装置を用い、温度20℃、歪み2%、振動数10Hzにおける貯蔵弾性率(E’)及び損失正接tanδを測定し、得られた測定値を用いてロスインデックス(tanδ/E’1/3)を算出した。結果を表1に示す。かかる値が小さいほど、低ロス性に優れることを示す。具体的には、かかる値が0.110以下であることが好ましい。
(難燃性)
JIS難燃3級試験(JIS K6324:2000)の試験方法に準拠して試験を行い、計測された炎の持続時間により、以下の5段階で、難燃性を評価した。結果を表1に示す。
5:炎の持続時間が10秒以下
4:炎の持続時間が10秒超25秒以下
3:炎の持続時間が25秒超40秒以下
2:炎の持続時間が40秒超60秒以下(3級合格)
1:炎の持続時間が60秒超(3級不合格)
(耐ロール密着性)
6インチロール、ゲージ2mm、フロントロール20rpm、バックロール18rpmの条件にてロール加工を行い、以下の5段階で、耐ロール密着性を評価した。結果を表1に示す。
5:ロールへのサンプルの密着がほとんど見られない(作業性が非常に良好)
4:ロールへのサンプルの密着が僅かに見られるものの、容易に作業可能である(作業性がより良好)
3:ロールへのサンプルの密着がある程度見られるものの、比較的容易に作業可能である(作業性が良好)
2:ロールへのサンプルの密着度合が強いが、ロールから剥がすことができる(作業可能)
1:ロールへのサンプルの密着度合が極めて強く、ロールから剥がすことができない(作業困難)
(耐ミル収縮性)
6インチロール、ゲージ2mm、フロントロール20rpm、バックロール18rpmの条件にてロール加工を行った。次いで、十分に熱入れを行った後、ロールを止め、加工後のシートをロールに張り付けたままで5cm四方で打ち抜き、打ち抜かれた後のシートの圧延方向の寸法変化率を測定し、以下の5段階で、耐ミル収縮性を評価した。結果を表1に示す。
5:寸法変化率が40%未満
4:寸法変化率が40%以上50%未満
3:寸法変化率が50%以上60%未満
2:寸法変化率が60%以上70%未満
1:寸法変化率が70%以上

Figure 0006620105
*1 スチレン−ブタジエンゴム:JSR株式会社製「JSR1500」
*2 ブタジエンゴム:JSR株式会社製「BR01」
*3 塩素化パラフィン:三工株式会社製「エンパラ70」、塩素含有量70質量%
*4 三酸化アンチモン:日本精鉱株式会社製「PATOX−M」
*5 ヒドラジド化合物A:大塚化学株式会社製「BMH」、3−ヒドロキシ−N’−(1,3−ジメチルブチリデン)−2−ナフトエ酸ヒドラジド
*6 ヒドラジド化合物B:大塚化学株式会社製「IDH−S」、イソフタル酸ジヒドラジド
*7 カーボンブラック:東海カーボン株式会社製「N330」、HAF級ファーネスブラック
*8 加硫剤:鶴見化学工業株式会社製「サルファックス5」、硫黄
*9 加硫促進剤A:大内新興化学株式会社製「ノクセラーD」、1,3−ジフェニルグアニジン
*10 加硫促進剤B:三新化学工業株式会社製「サンセラーCM」、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド
表1の結果から、天然ゴム及びブタジエンゴムを含むゴム成分、加硫剤、加硫促進剤、カーボンブラック、塩素化パラフィン、及び三酸化アンチモンを含有し、前記天然ゴムの含有量と前記ブタジエンゴムの含有量との比(天然ゴムの含有量:ブタジエンゴムの含有量)が質量比で25:75〜45:55である本発明のコンベヤベルト用ゴム組成物を用いることにより、ゴム物品としての高い強度と高い難燃性とを保持しつつ、低ロス性に優れたコンベヤベルトが得られることが分かる。
また、表1の結果から、塩素化パラフィンの含有量及びヒドラジド化合物の含有量の適正化を図ることにより、強度、難燃性及び低ロス性を良好なものとしつつ、更に耐ミル収縮性及び耐ロール密着性が相乗的に改善されることも分かる。

Claims (8)

  1. 天然ゴム及びブタジエンゴムを含むゴム成分と、加硫剤と、加硫促進剤と、カーボンブラックと、塩素化パラフィンと、三酸化アンチモンと、1種以上のヒドラジド化合物とを含有し、
    前記天然ゴムの含有量と前記ブタジエンゴムの含有量との比(天然ゴムの含有量:ブタジエンゴムの含有量)が、質量比で25:75〜45:55であり、
    前記塩素化パラフィンの含有量に対する前記ヒドラジド化合物の含有量の割合が、質量比で0.005〜0.25である
    ことを特徴とするコンベヤベルト用ゴム組成物。
  2. 前記ヒドラジド化合物が、ナフトエ酸ヒドラジド又はその誘導体である、請求項に記載のコンベヤベルト用ゴム組成物。
  3. 前記塩素化パラフィンの含有量が、ゴム成分100質量部に対し、5質量部〜50質量部である、請求項1又は2に記載のコンベヤベルト用ゴム組成物。
  4. 前記ヒドラジド化合物の含有量が、ゴム成分100質量部に対し、0.1質量部〜5質量部である、請求項1〜3のいずれかに記載のコンベヤベルト用組成物。
  5. 前記塩素化パラフィンの含有量が、ゴム成分100質量部に対し、10質量部〜30質量部であり、且つ、前記ヒドラジド化合物の含有量が、ゴム成分100質量部に対し、0.5質量部〜3質量部である、請求項1〜4のいずれかに記載のコンベヤベルト用ゴム組成物。
  6. 歪2%、振動数10Hzでの20℃における貯蔵弾性率(E’)及び損失正接tanδから算出されるロスインデックス(tanδ/E’1/3)が0.110以下である、請求項1〜のいずれかに記載のコンベヤベルト用ゴム組成物。
  7. JIS K6251に準拠して測定される引張強さ(Tb)が14.0MPa以上である、請求項1〜のいずれかに記載のコンベヤベルト用ゴム組成物。
  8. 請求項1〜のいずれかに記載のコンベヤベルト用ゴム組成物を用いたことを特徴とする、コンベヤベルト。
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