JP6622189B2 - 疼痛及び/又は線維症の調節において脂肪組織由来細胞を使用する方法 - Google Patents
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Description
疼痛の起源は、(ぎっくり腰などの)身体的外傷、重篤な感染症又は疼痛の継続的な原因、例えば、関節炎、癌、耳感染症のような特定の事象であってよい。ある人々は、いかなる過去の傷害又は肉体損傷の痕跡がなくても慢性疼痛を患う。一般的な慢性疼痛の訴えは、頭痛、腰痛、癌性疼痛、関節痛、神経原性疼痛(末梢神経又は中枢神経系自体への損傷から生じる疼痛)及び心因性疼痛(過去の疾患若しくは傷害又は神経系内部若しくは外部の損傷の目に見える兆候によるものでない疼痛)を含む。
人は、2つ以上の共存する慢性疼痛状態を有し得る。これらの異常が共通の原因を有するか否かは、はっきりしないことが多い。
強皮症(scerloderma)は、線維症及び慢性疼痛を伴う自己免疫性リウマチ疾患であり、多様な他の合併症を引き起こし得る。全身性硬化症又は強皮症は、微小血管の異常並びに皮膚及び内部器官の進行性の線維症を特徴とする。強皮症に罹った個体は、しばしば手の病変に関連した日常活動における障害を訴える。強皮症の手に対する治療的介入は、主に、線維症でなく血管徴候の治療に集中する。
別の態様において、本明細書に提供されるのは、個体における感覚異常、アロジニア及び痛覚過敏のような異常な感覚状態を処置する方法であって、個体に治療有効量の脂肪由来幹細胞及び再生細胞を投与することを含み、治療有効量が、前記疼痛における検出可能な改善をもたらすために十分な量である方法である。
具体的な実施形態において、前記方法は、疼痛緩和を必要とする個体又は疼痛を患っている個体を同定することを含む。別の具体的な実施形態において、前記方法は、前記脂肪由来幹細胞及び再生細胞の投与前に、前記個体における疼痛の1つ又は複数の第1のレベルを決定すること、及び前記脂肪由来幹細胞及び再生細胞の投与後に、前記個体における疼痛の1つ又は複数の第2のレベルを決定することを含み、前記治療有効量の脂肪由来幹細胞及び再生細胞が、前記疼痛の前記1つ又は複数の第2のレベルを、疼痛の前記1つ又は複数の第1のレベルに比べて低減させる方法である。
より具体的な実施形態において、前記治療有効量の脂肪由来幹細胞及び再生細胞は、プラセボの投与による改善よりも大きな又はより長期持続性の、前記疼痛における検出可能な改善をもたらす。
より具体的な実施形態において、前記疼痛の生理学的指標は、個体における心拍数である。より具体的な実施形態において、前記個体における前記心拍数は、前記投与後に、前記投与前の前記個体における前記心拍数に比べて低い。別のより具体的な実施形態において、疼痛の前記生理学的指標は、前記個体の収縮期のものである。より具体的な実施形態において、前記個体の収縮期のものは、前記投与後に、前記投与前の前記個体における収縮期のものに比べて低い。別のより具体的な実施形態において、疼痛の前記生理学的指標は、前記個体の拡張期のものである。より具体的な実施形態において、前記個体の拡張期のものは、前記投与後に、前記投与前の前記個体における拡張期のものに比べて低い。
好ましい実施形態は、それを必要とする対象における疼痛を調節する方法であって、治療有効量の脂肪由来幹細胞及び再生細胞を該対象に投与することを含む方法を含む。いくつかの態様において、これらの方法は、疼痛を経験している個体として、前記対象を選択し、同定し又は分類することをさらに含む。いくつかの実施形態において、前記選択、同定又は分類は、医師によって又は臨床若しくは診断評価によって行われる。いくつかの実施形態において、前記方法は、前記脂肪由来再生細胞の投与の前、後又はその間に、前記対象における疼痛を決定又は測定することをさらに含む。
本明細書中で使用されるように、用語「約」は、記述された数値に関する場合、記述された数値のプラス又はマイナス10%以内の値を示す。
本明細書中で使用されるように、細胞は、特別なマーカーが検出可能である場合に、そのマーカーに関して「陽性」である。例えば、脂肪由来再生細胞は、例えば、CD73に関して陽性であり、それは、脂肪由来幹細胞又は再生細胞上で、CD73がバックグラウンドよりも(例えば、アイソタイプ対照又は任意の所与のアッセイのための実験上の陰性対照に比較して)検出可能に大きな量で検出できるからである。細胞は、マーカーが、該細胞を少なくとも1つの他の細胞タイプから識別するために使用可能である場合又は存在するか若しくは該細胞によって発現されるときに細胞を選択若しくは単離するために使用可能である場合にも、該マーカーに関して陽性である。
いくつかの場面において、用語「脂肪組織の単位」は、分離した又は測定可能な脂肪組織の量を指す。脂肪組織の単位は、該単位の質量及び/又は体積を決定することによって測定されてよい。本明細書の開示を参照すると、脂肪組織の単位は、対象から除去された脂肪組織の全量又は対象から除去された脂肪組織の全量未満の量を指してもよい。したがって、脂肪組織の単位は、脂肪組織の別の単位と併合されて、個々の単位の合計である質量又は体積を有する脂肪組織の単位を形成してもよい。
いくつかの場面において、用語「一部」は、全体よりも少ない量の材料を指す。小さいほうの部分は、50%未満の量を指し、大きなほうの部分は、50%超の量を指す。したがって、対象から除去された脂肪組織の全体量未満の脂肪組織の単位は、除去された脂肪組織の一部である。
いくつかの場面において、用語「脂肪組織由来細胞」は、成熟脂肪細胞からの活性細胞成分と結合組織を分離するために処理された脂肪組織から抽出された細胞を指す。分離は、部分的又は完全なものであってよい。すなわち、「脂肪組織由来細胞」は、いくつかの脂肪細胞及び結合組織を含有してもしなくてもよく、凝集体又は部分的に凝集した形態(例えば、細胞外マトリックスにより結合された2つ以上の細胞を含む、血管又はリンパ管の断片)で存在するいくつかの細胞を含有してもしなくてもよい。この画分は、本明細書において「脂肪組織由来細胞」、「脂肪由来細胞」、「脂肪由来再生細胞」又は「ADC」と呼ばれる。典型的に、ADCは、脂肪組織からの細胞を洗浄し、分離することによって得られた細胞のペレットを指す。該ペレットは、典型的に、細胞が遠心容器の底で凝集するように細胞懸濁液を遠心分離するか、或いは異なるやり方で細胞を濃縮することによって得られる。
本明細書に記載されるのは、疼痛を処置する方法であって、脂肪由来幹細胞及び再生細胞、例えば、本明細書及び米国特許第7,390,484号に記載され、調製された脂肪由来幹細胞及び再生細胞の投与を含む方法である。
ある特定の実施形態において、疼痛は、侵害受容性疼痛である。侵害受容性疼痛は、典型的に、組織傷害、疾患又は炎症に続いて、炎症性化学伝達物質のような侵害性刺激が放出され、傷害部位における正常に機能する感覚受容器(侵害受容器)により検出される場合に誘発される。例えば、Koltzenburg, M. Clin. J. of Pain 16:S131-S138 (2000)を参照されたい。侵害受容性疼痛の原因の例としては、化学熱傷又は熱傷、皮膚の切り傷及び挫傷、骨関節炎、リウマチ関節炎、腱炎及び筋膜痛が挙げられるが、これらに限定されない。ある特定の実施形態において、侵害受容性疼痛は、炎症により刺激される。
他のある特定の実施形態において、疼痛は、手術中に引き起こされた組織への外傷から生じたもののような術後痛である。
他のある特定の実施形態において、疼痛は、混合疼痛、例えば、侵害受容性及び神経障害性の要素を有する慢性疼痛である。具体的な実施形態において、前記混合疼痛は、癌性疼痛又は腰痛である。
他のある特定の実施形態において、疼痛は、片頭痛の疼痛又は頭痛、例えば、血管性頭痛、群発性頭痛又は毒性頭痛(toxic headache)、による疼痛である。
具体的な実施形態において、疼痛に関連する前記症状は、自律神経障害、運動を開始する能力のないこと、虚弱、振戦、筋肉の痙攣、ジストニア、ジストロフィー、委縮、浮腫、こわばり、関節圧痛、発汗増加、温度に対する敏感性、軽い接触(アロジニア)、皮膚の色変化、体温上昇又は体温低下、爪及び毛の成長増加、早期の骨変化、網状皮斑又はチアノーゼを伴う発汗過多、脱毛、隆起した、割れた又は脆化した爪、乾燥した手、びまん性骨粗しょう症、不可逆的な組織損傷、薄く光沢のある皮膚、関節拘縮及び顕著な骨脱灰のうちの1つ又は複数を含むが、それに限定されない。
一実施形態において、疼痛を有する個体に投与される、治療有効量の脂肪由来細胞、例えば、幹細胞を含む脂肪由来細胞、再生細胞を含む脂肪由来細胞、幹細胞及び再生細胞を含む脂肪由来細胞などは、該個体における疼痛の検出可能な低減をもたらす量である。該低減は、該個体に検出可能であり、観察者に検出可能であり、又はその両方であることができる。本明細書に提供される処置方法のある特定の実施形態において、個体における疼痛のレベルは、該個体によって、例えば、医師によって導かれた通りに又は処置前の精密検査の一部として、1つ又は複数の個体疼痛スケール(individual pain scales)に従って評価される。他のある特定の実施形態において、個体における疼痛のレベルは、観察者によって、1つ又は複数の観察者疼痛スケール(observer pain scales)を用いて評価される。疼痛のレベルが脂肪由来の幹細胞及び再生細胞の投与の前及び後に、該方法に従って評価される場合、各評価のために同じスケールが使用されることが好ましい。個体における疼痛は、脂肪由来幹細胞及び再生細胞の投与の前に1回又は1回より多く、例えば、2、3、4若しくは5回評価し、脂肪由来幹細胞及び再生細胞の投与の後に1回又は1回より多く、例えば、2、3、4若しくは5回評価することができる。
別の実施形態において、個体における疼痛は、視覚的アナログスケールにより評価される。視覚的アナログスケールにおいて、垂直の線からなるグラフが個体に示され;線の一方の端は、「疼痛無し」とラベルされ、他方の端は「考えられる限り最悪の疼痛」とラベルされる。個体は、該個体によって知覚された疼痛のレベルを示す、2つの端の間の地点において線に印をつけるように求められる。
別の実施形態において、個体における疼痛は、ウォング−ベーカーFACES疼痛評価スケールにより評価される。該FACES疼痛評価スケールにおいては、疼痛のレベルが、楽しく見えるものから段々により不幸に見える、典型的に6つの一連の顔の漫画により示される。具体的な実施形態において、顔は、「痛み無し」、「わずかに痛い」、「もう少し痛い」、「さらに痛い」、「かなり痛い」及び「最悪に痛い」のような句により意味合いが付されている。別の具体的な実施形態において、顔は、「痛み無し」、「弱い、うっとうしい痛み」、「しつこく、不快な煩わしい痛み」、「つらく、悲惨な痛み」、「強い、ひどく不愉快な恐ろしい痛み」及び「考えられる限り最悪の、耐えられない極度の痛み」のような句により意味合いが付され、それ単独か又は数値0〜10のスケールを伴う。
他のある特定の実施形態において、個体における疼痛は、CRIES(泣くこと、ヘモグロビン飽和のためにO2を必要とする(Crying, Requires O2 for SaO2)、バイタルサイン増加(血圧及び心拍数、表情及び不眠)スケールにより評価される。具体的な実施形態において、各5つの特徴は、例えば、2が疼痛を示し、0が疼痛無しを示す、0〜2に格付けされる。スコアは、別個に又は合計して使用されてよい。
ある特定の実施形態において、個体における疼痛は、COMFORTスケールにより評価され、これは、9つの異なる特徴(覚醒、平穏、呼吸困難、泣くこと、身体の動き、筋緊張、顔の張り、血圧及び心拍数)を評価し、それぞれが、1が疼痛が無いか又は最小であり、5が最大の疼痛を示す、1〜5のスケールで格付けされる。スコアは、別個に又は合計して使用されてよい。
本明細書中で使用されるように、「疼痛の処置」などは、疼痛を完全に除去すること;疼痛を患う個体による疼痛の顕著な低減;客観的基準(例えば、心拍数、血圧、筋緊張など)による疼痛若しくは疼痛の指標の検出可能な低減;又は任意の2つ若しくは3つすべての組合せを含むことができる。他のある特定の実施形態において、個体における疼痛は、脂肪由来幹細胞及び再生細胞の投与の前若しくは後のいずれか又はその両方において、生理学的基準、例えば、ストレスの生理学的基準、により評価することができる。そのような生理学的基準は、心拍数又は血圧のような客観的に測定可能な基準、例えば、個体における無疼痛状態に比べた又は予想される正常値(例えば、収縮期の120及び拡張期の80;1分あたり60拍)に比べた心拍数又は血圧の上昇、或いは上昇したレベルのストレスホルモン、例えば、コルチゾール、ノルエピネフリンなどを含むことができる。そのような生理学的基準は、さらに又はその代わりに、顔の表情、筋肉伸長(筋緊張)、発汗、震えなどの、主観的に測定可能な基準を含むことができる。
炎症は、疼痛の唯一の起源ではない。しかしながら、ある特定の実施形態において、脂肪由来幹細胞及び再生細胞は、炎症に関連する又はそれにより引き起こされた疼痛を寛解させるために使用可能である。一実施形態において、本明細書に提供されるのは、個体における疼痛の寛解のための方法であって、該個体中の免疫細胞(複数可)を、有効量の脂肪由来細胞、例えば、幹細胞を含む脂肪由来細胞、再生細胞を含む脂肪由来細胞、幹細胞及び再生細胞を含む脂肪由来細胞などと接触させることを含み、前記有効量が、(1)前記個体における免疫反応を検出可能に抑制し、(2)前記個体における疼痛を検出可能に低減する量である、方法である。具体的な実施形態において、前記脂肪由来幹細胞及び再生細胞は、混合リンパ球反応(MLR)アッセイ又は退行アッセイ(regression assay)においてT細胞増殖を検出可能に抑制する。接触は、例えば、脂肪由来細胞、例えば、幹細胞を含む脂肪由来細胞、再生細胞を含む脂肪由来細胞、幹細胞及び再生細胞を含む脂肪由来細胞などを、個体に、例えば、局所的に、全身的に又は局部的に(又はその組合せにより)投与することによって達成可能である。したがって、本明細書に提供されるのは、個体における疼痛の寛解のための方法であって、該個体中の免疫細胞(複数可)を、有効量の脂肪由来細胞、例えば、幹細胞を含む脂肪由来細胞、再生細胞を含む脂肪由来細胞、幹細胞及び再生細胞を含む脂肪由来細胞などと接触させることを含み、前記有効量が、(1)前記個体における免疫及び/又は炎症反応を検出可能に調節、例えば、抑制し、(2)前記個体における疼痛を検出可能に低減する量である、方法である。具体的な実施形態において、個体中の免疫細胞(複数可)を有効量の脂肪由来幹細胞及び再生細胞と接触させることは、該個体におけるTNF−α、IL−2、IL−3、IL−6、IL−12、IL−17、IL−18及び/又はインターフェロンγ、或いはその任意の組合せの量の減少をもたらす。別の具体的な実施形態において、個体中の免疫細胞(複数可)を有効量の脂肪由来細胞、例えば、幹細胞を含む脂肪由来細胞、再生細胞を含む脂肪由来細胞、幹細胞及び再生細胞を含む脂肪由来細胞などと接触させることは、該個体におけるCCL2、CCL12及び/又はCXCL1、或いはその任意の組合せの量の減少をもたらす。別の具体的な実施形態において、個体中の免疫細胞(複数可)を有効量の脂肪由来細胞、例えば、幹細胞を含む脂肪由来細胞、再生細胞を含む脂肪由来細胞、幹細胞及び再生細胞を含む脂肪由来細胞などと接触させることは、該個体におけるIL−10の量の増加をもたらす。
いくつかの実施形態において、対象における免疫抑制及び/又は免疫調節が、脂肪由来細胞の対象への投与の前及び後に多様なサイトカイン、免疫細胞などのレベルを本明細書に記載のように試験することによって決定され得る。
個体における疼痛の任意の上記処置方法において、該方法は、第2の治療用組成物又は第2の治療法、例えば、抗疼痛薬物又は治療法の投与も含むことができる。好ましい実施形態において、第2の活性剤は、疼痛を緩和し、炎症反応を阻止若しくは調節し、鎮静効果若しくは抗神経痛効果を与え、又は患者の安楽を保証することができる。
ある特定の実施形態において、第2の治療用組成物は、オピオイド系鎮痛剤、非麻薬性鎮痛剤、抗炎症剤、cox−2阻害剤、アルファ−アドレナリン受容体アゴニスト若しくはアンタゴニスト、ケタミン、麻酔剤、NMDAアンタゴニスト、免疫調節剤、免疫抑制剤、抗うつ薬、抗痙攣薬、抗高血圧薬、抗不安薬、カルシウムチャネルブロッカー、筋弛緩薬、コルチコステロイド、高圧酸素、JNK阻害剤、疼痛を緩和することが知られている他の治療薬並びに医薬として許容できるその塩、溶媒和物、水和物、立体異性体、包接体、プロドラッグ及び薬理学的に活性なその代謝物を含むが、それに限定されない。
本明細書に記載の実施形態において有用な他の第2の治療用化合物は、コルチコステロイド(例えば、プレドニソン、デキサメタゾン又はヒドロコルチゾン)、経口活性クラスIb抗不整脈剤(例えば、メキシレチン)、カルシウムチャネルブロッカー(例えば、ニフェジピン)、βブロッカー(例えば、プロプラノロール)、αブロッカー(例えば、フェノキシベンザミン)、及びアルファ2−アドレナリンアゴニスト(例えば、クロニジン)を含むが、それに限定されず、免疫調節化合物とともに使用されることもできる。例えば、Physician's Desk Reference, 1979, 2006及び2190 (57th ed., 2003)を参照されたい。
いくつかの実施形態において、第2の治療薬は、(例えば、単一の組成物中で又は同時に投与される異なる組成物中で)脂肪由来細胞に付随して同時に投与される。いくつかの実施形態において、第2の治療薬は、脂肪由来細胞の投与の前又はその後に(subjsequently)投与される。好ましくは、第2の治療薬は、脂肪由来細胞の24時間以内に投与される。
上記列挙された第2の治療用化合物のいくつかは(例えば、フルオキセチン)、有益な効果を有するが、それ自体は、少数のレシピエントにおいて神経性障害性疼痛を副作用として引き起こすことに注意すべきである。一般に、そのような化合物は、投与するのに安全であると考えられるが、当業者(例えば、医師)は、さらなる神経障害性疼痛のリスクに比べたそのような第2の治療用化合物を投与する相対的な利益を決定することができる。
強皮症は、線維症及び慢性疼痛に関連する自己免疫性リウマチ疾患である。それは、限局性強皮症又は全身性強皮症のいずれかに分類される。限局性強皮症は、モルフェア(皮膚上の様々な大きさの蝋様の斑)又は線状強皮症(腕若しくは脚若しくは額上の硬化した蝋様の皮膚の筋又は線であって、関節の異常をもたらし得る)のいずれかに下位分類され;一方、全身性強皮症は、限局型(CREST症候群−石灰沈着症、レイノー現象、食道機能不全、強指症及び毛細血管拡張症)又はびまん型(限局型疾患よりも、皮膚肥厚が急速に発生し、より多くの皮膚領域を含み、「硬化症」又は内部器官の線維性硬化を発生するリスクがより高い)のいずれかに分類される。これらは、多くの異なる徴候を含む広いカテゴリーである。
最も重要なのは、限局型及びびまん型強皮症がどちらも、肺の血管が細くなって肺を通る血流の障害をもたらす結果として息切れする肺高血圧症並びに肺線維症を伴うことである。体の血管内の炎症はその狭窄をもたらす。炎症によるさらなる損傷及び増加した血圧の影響は、より小さな動脈の破壊に導き得る。結果として、線維症が起こる。このプロセスは、ひどい合併症に導き、心臓及び肺は効率の顕著な喪失を被る可能性がある。肺動脈性肺高血圧症(PAH)は、強皮症患者における死の主因である。
強皮症による重篤な合併症は、以下のものを含む。
心臓:未処置の高血圧は、心臓を痛め;不規則な心臓のリズム及び心肥大は、心不全に導く。
腎臓:悪性の高血圧が発生し、急性腎不全を引き起こす、強皮症腎クリーゼ。
肺:全患者の3分の2が、息切れ、咳、呼吸困難、肺胞炎(肺胞の炎症)、肺炎及び癌のような呼吸器の問題を患う。
消化器系:食道の損傷、胃酸逆流、時には大量出血する可能性がある、胃前庭部毛細血管拡張症(GAVE)。
皮膚及び関節:手根管症候群、関節痛及びこわばり。
口:平坦な白斑、付着した歯肉粘膜の喪失、歯肉退縮及び歯周靭帯(PDL)スペースの散漫な広がり。舌及び食道粘膜下層におけるコラーゲン沈着の結果としての嚥下障害。下顎後枝、鉤状突起及び顆状突起の再吸収。口の弾力性欠如。
いくつかの実施形態において、本明細書に開示された脂肪由来細胞は、びまん型強皮症を有する対象における肺、心臓、腎臓及び関節の線維症を改善する。いくつかの実施形態において、本明細書に開示された脂肪由来細胞は、限局型強皮症に関連する症状を改善又は処置する。
いくつかの実施形態において、本明細書に開示された脂肪由来細胞による処置は、ベースライン(脂肪由来細胞の投与前)から本明細書に記載の脂肪由来細胞の対象への投与後、少なくとも1カ月、少なくとも2カ月、少なくとも3カ月、少なくとも4カ月、少なくとも5カ月、少なくとも6カ月、少なくとも7カ月、少なくとも8カ月、少なくとも9カ月、少なくとも10カ月、少なくとも11カ月、少なくとも1年、又はそれよりも長い期間までの、コーチンスコアにおける顕著な改善、例えば、5%超、10%超、20%超、30%超、40%超又は50%超をもたらす。
いくつかの実施形態において、本明細書に開示された脂肪由来細胞による処置は、ベースライン(脂肪由来細胞の投与前)から本明細書に記載の脂肪由来細胞の対象への投与後、少なくとも1カ月、少なくとも2カ月、少なくとも3カ月、少なくとも4カ月、少なくとも5カ月、少なくとも6カ月、少なくとも7カ月、少なくとも8カ月、少なくとも9カ月、少なくとも10カ月、少なくとも11カ月、少なくとも1年、又はそれよりも長い期間までの、SHAQスコア(強皮症健康評価アンケート)における顕著な改善、例えば、5%超、10%超、20%超、30%超、40%超又は50%超をもたらす。
いくつかの実施形態において、本明細書に開示された脂肪由来細胞による処置は、ベースライン(脂肪由来細胞の投与前)から本明細書に記載の脂肪由来細胞の対象への投与後、少なくとも1カ月、少なくとも2カ月、少なくとも3カ月、少なくとも4カ月、少なくとも5カ月、少なくとも6カ月、少なくとも7カ月、少なくとも8カ月、少なくとも9カ月、少なくとも10カ月、少なくとも11カ月、少なくとも1年、又はそれよりも長い期間までの、対象(subects)の爪郭中の巨大毛細血管(mega−capillaries)数の顕著な減少、例えば、5%超、10%超、20%超、30%超、40%超又は50%超をもたらす。
レイノー現象は、指、かかと及び時には他の領域の変色を引き起こす、寒冷又は感情的ストレスに反応して過度に低下した血流を特徴とする。この状態は、縦方向の隆線によって爪も脆性とし得る。レイノー症候群は、各領域への血液供給を減少させる血管攣縮の結果として発生する。レイノー現象自体は、症状(不快感)を伴う単なる兆候(低潅流)である。それは、病態形成と関連づけられたときに、(原発性レイノー現象としても知られる)原因不明のレイノー病の一部であるか、又はレイノー症候群(続発性レイノー現象)の一部であることができ、これは、最も一般的には全身性エリテマトーデスのような結合組織障害である既知の原因疾患により引き起こされる症候群である。
レイノー現象の現在の治療法は、(i)例えば、長期かつ頻繁な副作用(例えば、体位性高血圧)により望ましくない、カルシウムチャネルブロッカー又はベータブロッカーとともに経口又は静脈内で送達される、毎日の予防的薬物、或いは(ii)作用発現が遅く、症状が(急性に)発生するためにその処置が信頼できないことのいずれかを必要とする。したがって、レイノー現象における処置が必要とされている。
(1)指動脈圧:手が冷却される前後において、指の動脈で圧力が測定される。少なくとも15mHgの低下が症状を示す(陽性)。
(2)ドップラー超音波:血流を評価するため。
(3)全血球数:これは、慢性疾患又は腎不全の貧血を示唆する、正球性貧血を明らかにし得る。
(3)尿素及び電解質に関する血液検査:これは、腎障害を明らかにし得る。
(4)甲状腺機能検査:これは、甲状腺機能低下症を明らかにし得る。
(5)リウマチ因子、赤血球沈降速度及びC反応性タンパク質に関する、自己抗体スクリーニング試験、これは、特定の原因疾患又は全般性の炎症過程を明らかにし得る、
(6)爪郭脈管構造:これは、顕微鏡下で検査され得る。
線維症は、細胞外マトリックス成分の、腎臓、心臓、肺、肝臓、皮膚及び関節を含む内部器官における沈着を特徴とする状態である。
肺線維症は、主な線維性疾患の一つである。特発性肺線維症(IPF)は、進行性線維症を有する肺胞壁の病因不明の慢性炎症を特徴とする。IPF又は原因不明の線維化性肺胞炎は、特発性間質性肺疾患の50%〜60%の症例を引き起こす(IPFに関する総説については、Khalil and O'Connor 2004及びSelman et al. 2004を参照されたい)。
同一パターンの間質性炎症及び線維症が、膠原血管病(例えば、RA、SLE、進行性全身性硬化症、混合性結合組織疾患、真性糖尿病)、塵肺症(例えば、石綿症)、放射線傷害及びある特定の(例えば、ニトロフラントインによる)薬物誘導性肺疾患において発生する。
他の肝臓の細胞(特に、星状細胞、肝細胞及び脂肪摂取性のクッパー細胞及び内皮細胞)も、細胞外マトリックス成分を産生することができる。ディッセ腔中の類洞内皮の下に位置する脂肪摂取細胞は、線維芽細胞の先駆体であり、増殖し、過剰の細胞外マトリックスを産生することができる。コラーゲンの活発な沈着による線維症の発生は、肝細胞の傷害、特に、壊死及び炎症細胞の結果である。これらの細胞から放出される正確な要素は知られていないが、1つ又は複数のサイトカイン又は脂質過酸化の産物の可能性がある。クッパー細胞及び活性化されたマクロファージは炎症性サイトカインを産生する。新しい線維芽細胞が壊死性の肝細胞周囲に形成し;増加したコラーゲン合成が瘢痕に導く。静止状態の星状細胞は、活性化して線維症の上方制御に導くことができる。線維症は、活発な繊維形成及び正常な又は変性コラーゲンの分解異常に由来し得る。脂肪摂取細胞、クッパー細胞及び内皮細胞は、I型コラーゲン、数種のプロテオグリカン及び変性コラーゲンのクリアランスにおいて重要である。これらの細胞の活性における変化は、線維症の程度を変更し得る。病理組織学者にとって、線維組織は、既存の線維の受動的崩壊及び凝縮からより明らかとなり得る。
したがって、コラーゲンの合成増加又は分解減少は、過剰の結合組織の活発な沈着をもたらし、これは、肝機能に影響を与える:(1)細胞周囲の線維症は、細胞栄養を障害し、肝細胞の委縮をもたらす。(2)ディッセ腔内では、繊維組織が類洞周囲に蓄積し、血液から肝細胞への物質の自由な通過を妨げる。(3)肝細静脈及び門脈路周囲の線維症は、肝臓の血流を妨害する。肝臓を横切る静脈抵抗は門脈分枝から類洞へ、そして最終的に肝静脈に向かって増加する。3つの経路すべてが関与し得る。
強皮症、特に全身性硬化症の主な徴候は、線維症による不適当な過剰のコラーゲン合成及び沈着、内皮の機能不全、痙攣、崩壊及び閉塞である。
強皮症は、100万人に約19例の、発生率の安定した希少疾患である。強皮症の原因はわかっていない。しかしながら、遺伝的素因は重要である。異常は、自己免疫並びに内皮細胞及び線維芽細胞機能の変化を含む。実際に、全身性硬化症は、診断の5年以内の死亡率が50%と報告された(Silman, 1991)、自己免疫疾患のおそらく最も重篤なものである。
上記疾患の発症、重症度及び進行に関係付けられる数種の基礎をなす生物学的プロセスは、血管機能不全、内皮細胞の活性化及び損傷、白血球蓄積、自己抗体産生、並びに重要なことに、死に導き得る制御されない線維化反応を含む(Clements and Furst, 1996)。線維芽細胞は、この疾患の発病において重要な役割を有する。強皮症を有する患者から得られた初代線維芽細胞は、インビボで見られるこの疾患の特徴的性質である、顕著に増加した細胞外マトリックス、特にコラーゲン及びフィブロネクチンの合成及び沈着、並びにTGF−β及びCTGFのような成長因子及びサイトカイン産生の変化のうちの多くを示す(Strehlow and Korn, 1998及びLeRoy, 1974)。
腎臓に関して、本明細書に記載の細胞、例えば、幹細胞を含む脂肪由来細胞、再生細胞を含む脂肪由来細胞、幹細胞及び再生細胞を含む脂肪由来細胞などは、増殖性及び硬化性糸球体腎炎、腎性線維化性皮膚症、糖尿病性腎障害、腎臓尿細管間質性線維症及び巣状分節性糸球体硬化症を含むが、それに限定されない状態により引き起こされた線維症を処置又は予防し得る。
皮膚に関して、本明細書に記載の脂肪由来細胞、例えば、幹細胞を含む脂肪由来細胞、再生細胞を含む脂肪由来細胞、幹細胞及び再生細胞を含む脂肪由来細胞などは、デュピュイトラン拘縮、強皮症、ケロイド瘢痕、乾癬、火傷による肥厚性瘢痕、アテローム性動脈硬化症、網膜症、化学療法への曝露から生じた皮膚線維症及び脊髄損傷により引き起こされた仮性強皮症(pseudoscleroderma)を含むが、それに限定されない状態により引き起こされた線維症を処置又は予防し得る。
膵臓に関して、本明細書に記載の細胞、細胞、例えば、幹細胞を含む脂肪由来細胞、再生細胞を含む脂肪由来細胞、幹細胞及び再生細胞を含む脂肪由来細胞などは、膵線維症、間質リモデリング膵炎及び間質線維症を含むが、それに限定されない状態により引き起こされた線維症を処置又は予防し得る。
胃腸管に関して、本明細書に記載の細胞、細胞、例えば、幹細胞を含む脂肪由来細胞、再生細胞を含む脂肪由来細胞、幹細胞及び再生細胞を含む脂肪由来細胞などは、コラーゲン大腸炎、絨毛委縮、陰窩過形成、ポリープ形成、クローン病の線維症及び治癒中の胃潰瘍を含むが、それに限定されない状態により引き起こされた線維症を処置又は予防し得る。
乳房に関して、本明細書に記載の細胞、細胞、例えば、幹細胞を含む脂肪由来細胞、再生細胞を含む脂肪由来細胞、幹細胞及び再生細胞を含む脂肪由来細胞などは、線維嚢胞性疾患及び乳癌に対する繊維形成性の反応、乳房の悪性腫瘍の処置に対する二次的な癌及び線維症を含むが、それに限定されない状態により引き起こされた線維症を処置又は予防し得る。
骨髄に関して、本明細書に記載の細胞、細胞、例えば、幹細胞を含む脂肪由来細胞、再生細胞を含む脂肪由来細胞、幹細胞及び再生細胞を含む脂肪由来細胞などは、骨髄形成異常症における線維症及び新生物疾患を含むが、それに限定されない状態により引き起こされた線維症を処置又は予防し得る。
骨に関して、本明細書に記載の細胞、細胞、例えば、幹細胞を含む脂肪由来細胞、再生細胞を含む脂肪由来細胞、幹細胞及び再生細胞を含む脂肪由来細胞などは、リウマトイドパンヌス形成を含むが、それに限定されない状態により引き起こされた線維症を処置又は予防し得る。
生殖器系に関して、本明細書に記載の細胞、細胞、例えば、幹細胞を含む脂肪由来細胞、再生細胞を含む脂肪由来細胞、幹細胞及び再生細胞を含む脂肪由来細胞などは、子宮内膜症、子宮筋腫、卵巣筋腫及びペロニー病を含むが、それに限定されない状態により引き起こされた線維症を処置又は予防し得る。
いくつかの実施形態において、本明細書に開示された実施形態において有用な脂肪由来細胞、例えば、幹細胞を含む脂肪由来細胞、再生細胞を含む脂肪由来細胞、幹細胞及び再生細胞を含む脂肪由来細胞などの精錬された、富化された、濃縮された、単離された又は精製された集団を得るために、細胞処理ユニット、勾配沈降、ろ過又はこれらのアプローチの任意の1つ又は複数の組合せを用いて脂肪組織が処理される。一般に、脂肪組織が最初に対象(例えば、哺乳動物、家畜、げっ歯類、ウマ、イヌ、ネコ又はヒト)から除去され、次いで、細胞集団、例えば、幹細胞を含む脂肪由来細胞の集団、再生細胞を含む脂肪由来細胞の集団、幹細胞及び再生細胞を含む脂肪由来細胞の集団などを得るために、それが処理される。同種間移植のために、本分野で知られた方法、例えば、骨髄ドナーを選択するために使用される方法を用いて適切なドナーが選択され得る。患者から収集される脂肪組織の体積は、約1ccから約2000ccまで変化可能であり、いくつかの実施形態においては、約3000ccまで変化可能である。除去された組織の体積は、患者ごとに異なり、年齢、体型、凝固プロフィール、血液動態安定性、欠乏又は傷害の重症度、併存疾患及び医師の選択を含むが、それに限定されない多くの要素に依存する。
したがって、脂肪組織は、脂肪由来幹細胞、脂肪由来再生細胞、脂肪由来幹細胞及び再生細胞などに関して容易に富化される細胞集団の豊かな供給源を提供する。脂肪組織の収集は、より患者にやさしく、同様の体積の、例えば、皮膚又はもっと大きな体積の扁桃の収集よりも低い疾病率と関連する。
本明細書に記載のいくつかの実施形態は、活性細胞を成熟脂肪細胞及び結合組織から分離するために、脂肪組織を完全に脱凝集させる方法を対象とするが、さらなる実施形態は、脂肪組織が部分的に脱凝集させられるのみである方法を対象とする。例えば、部分的脱凝集は、1つ又は複数の酵素によって実施されてよく、これは、そうでなければ、組織を完全に脱凝集させるために酵素がその上に残される時間よりも早く、脂肪組織の少なくとも一部から除去される。そのようなプロセスは、より短い加工時間を必要とし、複数の脂肪由来細胞、例えば、幹細胞を含む脂肪由来細胞、再生細胞を含む脂肪由来細胞、幹細胞及び再生細胞を含む脂肪由来細胞などが、その中で部分的に又は完全に接触したままである、組織成分の断片を生成し得る。別の実施形態においては、細胞、例えば、幹細胞を含む脂肪由来細胞、再生細胞を含む脂肪由来細胞、幹細胞及び再生細胞を含む脂肪由来細胞など及び/又は処理の前に組織中でそれらが会合していた成熟脂肪細胞のすべて又は一部から単離された脂肪由来細胞を含む断片を調製するために、機械力(例えば、超音波エネルギー又はせん断力)が加えられる。
上記に加えて、幹細胞、再生細胞、幹細胞及び再生細胞などを含む脂肪由来細胞集団をさらに精製するのに適用され得る、多くの知られた洗浄後の方法がある。これらは、正の選択(標的細胞を選択すること)、負の選択(望ましくない細胞の選択的除去)又はその組合せを含む。本明細書及び文献に記載のフローサイトメトリーによる分離に加えて、細胞は、電荷又はサイズを含むが、それに限定されない多くの異なるパラメータに基づいて分離され得る(例えば、誘電泳動法又は多様な遠心分離法など)。
細胞処理のために使用される段階的メカニズムの多くの他の構成が当業者に明らかであろう。例えば、洗浄及び脱凝集中の組織と食塩水の混合は、撹拌又は流体の再循環によって生じることができる。細胞の洗浄は、スピニングメンブレンアプローチ、差示的接着、(差示的沈降、速度又は勾配分離を含むが、それに限定されない)差示的遠心分離のような連続フローメカニズムにより又は手段の組合せによって仲介され得る。同様に、さらなる成分が、成長因子又は他の生物学的応答調節剤の添加及び細胞とともにレシピエントに移植されることを意図する天然又は合成の成分と細胞との混合を含む、細胞のさらなる操作を可能とする。
処理後操作は、細胞培養又はさらなる細胞の精製も含んでよい(Kriehuber, et al., 2001; Garrafa, et al., 2006)。いくつかの実施形態において、脂肪由来細胞集団、細胞、例えば、幹細胞を含む脂肪由来細胞、再生細胞を含む脂肪由来細胞、幹細胞及び再生細胞を含む脂肪由来細胞など、が得られたら、それは、セルソーティング装置及び/又は勾配沈降を用いてさらに精錬され、濃縮され、富化され、単離され又は精製される。これらの機能を実行するためのメカニズムは、記載された装置内に統合されてよく、又は別個の装置に組み込まれてもよい。しかしながら、多くの実施形態において、治療有効量の脂肪由来細胞、例えば、幹細胞を含む脂肪由来細胞、再生細胞を含む脂肪由来細胞、幹細胞及び再生細胞を含む脂肪由来細胞などの濃縮された集団は、(例えば、強皮症、レイノー症候群又は他の線維症に関連する疾患及び障害における)疼痛及び/又は線維症の低減のための薬物を調製するために使用され、前記濃縮された細胞集団は、細胞を患者に投与する前に細胞を培養することなく、それを必要とする患者に投与されるべきである。すなわち、いくつかの実施形態は、疼痛、線維症又はその両方を低減する方法に関し、治療有効量の脂肪由来細胞、例えば、幹細胞を含む脂肪由来細胞、再生細胞を含む脂肪由来細胞、幹細胞及び再生細胞を含む脂肪由来細胞などの濃縮された集団が、該細胞を患者に投与する前にそれらを培養することなく、それを必要とする患者に投与される。
本明細書に記載の脂肪由来細胞の集団中のある特定の細胞の存在を決定するための、該集団の測定、分析又は特徴づけは、細胞処理ユニットの閉じた系の内部又は細胞処理ユニットの閉じた系の外部で、本分野で利用可能な任意の数のタンパク質及び/又はRNA検出アッセイを用いて行われ得る。さらに、脂肪由来細胞又はある特定の細胞(例えば、幹細胞、前駆細胞、先駆細胞など)の測定、分析又は特徴づけは、単離手順(例えば、ある特定の細胞タイプ(例えば、再生細胞)に特異的な抗体を用いる細胞ソーティング又はある特定の細胞タイプに選択的な培地を用いる勾配分離)の一部であることができるか又はそれを伴うことができる。
成熟脂肪細胞及び結合組織を実質的に除去し、それによって、脂肪由来細胞、例えば、幹細胞を含む脂肪由来細胞、再生細胞を含む脂肪由来細胞、幹細胞及び再生細胞を含む脂肪由来細胞などを含む、不均一な複数の脂肪組織由来細胞であって、対象の体内への設置に好適なものを得るために、上記アプローチに従って未加工の脂肪組織が処理される。抽出された脂肪由来細胞、例えば、幹細胞を含む脂肪由来細胞、再生細胞を含む脂肪由来細胞、幹細胞及び再生細胞を含む脂肪由来細胞などは、成熟脂肪細胞及び結合組織を実質的に含まないこれらの細胞又は不活性成分(例えば、担体)若しくは第2の活性成分(例えば、脂肪由来幹細胞及び/又は脂肪由来内皮細胞)との組合せを含む適切な組成物中で提供される。細胞は、レシピエント中に単独で或いは細胞、組織、組織断片又は細胞成長及び/又は分化の成長因子のような生物学的材料、支持体、装具又は医療装置との組合せ(例えば、単一の組成物で又は同時投与)で設置されてよい。組成物は、例えば、細胞分化因子、成長促進因子、免疫抑制剤又は本明細書中で論じられる医療装置のような追加の構成要素を含んでよい。いくつかの実施形態において、細胞は、上記の添加剤のうちのいずれかとともに、レシピエントへの治療的利益を提供することを目的とする単一の手術方法の場面でそれらが得られた人に設置される(例えば、自家組織の移動)。
ADRCを含む脂肪由来細胞集団を安定化させ、取り込みを容易化するために、適切な塩及び緩衝剤が使用可能である。本明細書において考慮される組成物は、有効量の脂肪由来細胞、例えば、幹細胞を含む脂肪由来細胞、再生細胞を含む脂肪由来細胞、幹細胞及び再生細胞を含む脂肪由来細胞などを、医薬として許容できる担体又は水性媒体中に含むことができる。
患者に投与される脂肪由来細胞、例えば、幹細胞を含む脂肪由来細胞、再生細胞を含む脂肪由来細胞、幹細胞及び他の再生細胞を含む脂肪由来細胞などの数は、脂肪組織の処理後の細胞収率に関連し得る。さらに、送達される用量は、患者への細胞の送達経路に依存する。膵内送達系が使用される場合、必要な細胞はより少なく、それは、これらの系及び方法が、膵臓の状態を処置するための最も直接的な経路を提供できるからである。患者に投与される細胞の用量は、採取された脂肪組織及びドナーの(利用可能な脂肪組織の量の尺度としての)肥満度指数にも依存する。採取される組織の量は、損傷又は機能不全の程度によっても決定される。複数の組織採取物を使用するか又は投与の間での細胞の適切な貯蔵を伴う単一の採取物を使用する、複数の処置は、本発明の範囲内にある。
いくつかの実施形態において、脂肪由来細胞(例えば、幹細胞を含む脂肪由来細胞、再生細胞を含む脂肪由来細胞、幹細胞及び他の再生細胞を含む脂肪由来細胞など)の、利益の意図される部位への直接投与が好ましい。これは、(逆流メカニズムを含む)動脈又は静脈輸注によるか又は本明細書に開示された若しくは本分野で知られた他の手段による好適なカニューレの挿入を介した、組織中への局所注射、膵臓の構造体又は膵管への直接注射によって達成され得る。
ある特定の実施形態において、本明細書に記載の脂肪由来細胞、例えば、幹細胞を含む脂肪由来細胞、再生細胞を含む脂肪由来細胞、幹細胞及び再生細胞を含む脂肪由来細胞などは、例えば、動物疼痛モデルにおいて、疼痛を低減又は寛解させるそれらの能力を特徴とする。例えば、脂肪由来幹細胞及び再生細胞のバッチ又はロットが産生される場合、疼痛の1つ又は複数の動物モデルを用いて該バッチ又はロットのサンプルが試験される。疼痛アッセイにおいて疼痛の許容できる低減をもたらすサンプルがそこから得られた脂肪由来幹細胞及び再生細胞は、次いで、さらなる用途に関して、例えば、任意のタイプの疼痛の寛解又は特定のタイプの疼痛の寛解に関して選択され得る。試験される脂肪由来幹細胞及び再生細胞は、治療的に有効であるとみなされるためには、1つのアッセイにおいて試験され及び/又は有効性を示すことのみが必要であり;複数の又はすべての疼痛の動物モデルにおける試験は必要でない。ある特定の実施形態において、サンプルの脂肪由来幹細胞及び再生細胞は、1つ又は複数の関連するタイプの疼痛又は特別な患者集団の処置に関連する疼痛に関連する疼痛アッセイにおいて試験され得る。
他のある特定の実施形態において、脂肪由来細胞、例えば、幹細胞を含む脂肪由来細胞、再生細胞を含む脂肪由来細胞、幹細胞及び再生細胞を含む脂肪由来細胞などのサンプルは、一連のタキソール注射の投与後にラットにおいて経時的に疼痛が発生する、末梢神経障害のタキソールアッセイを用いて試験され得る。
他のある特定の実施形態において、脂肪由来細胞、例えば、幹細胞を含む脂肪由来細胞、再生細胞を含む脂肪由来細胞、幹細胞及び再生細胞を含む脂肪由来細胞などのサンプルは、坐骨神経のうちの1つの周囲を緩く結紮することによって誘発される疼痛が、弱い機械的刺激に対して患部後肢を急激に引っ込めることによって示される、神経障害性疼痛(アロジニア)のBennetモデルを用いて試験され得る。
他のある特定の実施形態において、脂肪由来細胞、例えば、幹細胞を含む脂肪由来細胞、再生細胞を含む脂肪由来細胞、幹細胞及び再生細胞を含む脂肪由来細胞などのサンプルは、神経障害性疼痛(例えば、アロジニア)の完全フロイントアジュバントモデルを用いて試験され得る。例えば、1×106〜1×107個i.v.の初回用量で1群あたり5匹のラットが使用され、CFA誘発性の後肢痛覚過敏の低減によって有効性が決定されることができる。ビヒクル対照と処置群の間の比較のためにStudentの独立t検定が適用される。他の疼痛薬(osあたりmg/kg)、例えば、アスピリン>100;シクロスポリンA>100;デキサメタゾン>30;ガバペンチン約200;インドメタシン>10;又はモルヒネ30が、陽性対照として使用され得る。
他のある特定の実施形態において、脂肪由来細胞、例えば、幹細胞を含む脂肪由来細胞、再生細胞を含む脂肪由来細胞、幹細胞及び再生細胞を含む脂肪由来細胞などのサンプルが、例えば、術後痛の後肢切開モデルを用いて試験され得る。
他のある特定の実施形態において、脂肪由来細胞、例えば、幹細胞を含む脂肪由来細胞、再生細胞を含む脂肪由来細胞、幹細胞及び再生細胞を含む脂肪由来細胞などのサンプルが、テールフリック疼痛刺激に対する反応が、脂肪由来幹細胞及び再生細胞の投与の前及び後に評価される、テールフリックモデルを用いて試験され得る。
本明細書に提供される疼痛アッセイは、非限定的な例のみであり、本分野で知られた他のアッセイも同様に使用されてよい。
強皮症は、皮膚又は他の器官における過剰なコラーゲン沈着を特徴とする慢性疾患である。強皮症は、限局性又は全般性であることができる。該疾患の限局性形態は、身体障害性であるが、非致死性の傾向がある。びまん性強皮症又は全身性硬化症として顕在化する該疾患の全身性形態は、心臓、腎臓、肺又は小腸の損傷の結果として致死性であり得る。強皮症の3つのタイプは、全身性であるびまん性強皮症及び限局型全身性強皮症(CREST症候群)並びに皮膚に限定されるモルフェア/線状強皮症である。犠牲者が急激な発症、広範な皮膚の硬化及び顕著な内部器官、特に肺及び胃腸管の損傷を経験する、びまん性強皮症が最も重篤な形態である。
12人の強皮症患者(平均年齢54.5±10.3歳;範囲34〜68歳)を脂肪由来再生細胞で処置した、ヒト臨床試験を実施した。すべての患者は、罹患期間が14.3±7.7年(平均±標準偏差)(範囲5年〜34年)の、随伴性レイノー症候群を伴う強皮症の診断を受けた。
エピネフリンが血管収縮を誘発するのに十分な時間をおいた後、直径2mmのメルセデス式脂肪吸引カニューレ(Mentor,Santa Barbara,CA)を用いて同じ切開部位を通して脂肪組織を吸引した。約120gの脂肪組織を吸引した。次いで、切開部位を縫合により閉じて、該領域に圧迫包帯をあてた。
脂肪由来細胞、例えば、再生細胞を含む脂肪由来細胞を本明細書に記載の方法を用いて処理した。次いで、5mLの生成物を乳酸リンゲル液で最終体積10mLに希釈した(指1本あたり1mL)。
図2に示すように、鋭い針(25G)を用いて第1の注射部位を切開した。
次いで、ブラントカニューレを切開部位に挿入した。図3に示すように、カニューレに取り付けた1mLシリンジを、1つの指あたり1mLのADRCを送達するために使用した(指の各側に0.5mL)。正確な注射を実施するために、処置した外科医の必要に応じて拡大した。
次いで、乾燥包帯で注射部位を閉じ、20回のすべての注射が完了するまで、その後の注射を上記の通りに実施した。
この試験の主要エンドポイントは、(視覚的アナログスケール;VASにより評価した)疼痛、レイノー重症度スコア及び手の機能の2つの広範な評価;コーチンスコア及び強皮症健康評価アンケートであった。これらを、処置の前(ベースライン)及び処置後に間隔を置いて実施した。2及び6カ月のフォローアップポイントに関して、本明細書にデータを提供する。
レイノー症候群は、寒さのような刺激が血管収縮及び四肢、特に指の末端への血流の喪失を誘発する、有痛性状態である。重度の虚血の期間に、再灌流及び顕著な疼痛が続く。強皮症患者は、それぞれが1時間以上続くことの多いレイノーエピソードを、毎日、複数回有し得る。レイノースコア(RS)は、該疾患の重症度の有効な患者報告尺度である。
ベースラインにおける平均RSは、28±5(平均±標準偏差;範囲20〜34)であった。処置の2カ月後、RSは、平均12±8(範囲1.5〜26)まで改善した。この変化は、統計学的に有意であった(対応のあるT検定によりp<0.001)。各患者は、2カ月の時間枠にわたって、RSの改善を示した。2カ月における各患者のデータを平均及び標準偏差とともに示すグラフ(太線)を図4に示す。複合群のデータを示すグラフを図11に示す。
図5に示すように、データは、すべての患者が、彼らのレイノー状態スコア(「RCS」)において20%の最小限の改善を示したことをさらに示す。すべての患者にわたって、ベースラインから2カ月目までで、53.7%のRCSの低減を観察し(p<.0001)、6カ月目において67.5%の低減に達した(p<.0001)。図11を参照されたい。これらのデータ並びに手の疼痛に関するデータ(VAS)及び以下に論じる爪郭毛細血管顕微鏡検査は、本明細書に開示する脂肪由来再生細胞が、強皮症の血管徴候の改善において有用であることを実証する。
疼痛は、強皮症を有する患者にとってしばしば起こる問題である。これは、レイノー症候群、指の潰瘍の存在並びにこわばり及び限られた手の可動域のような他の要因から生じる。
標準的な視覚的アナログスケールを用いて疼痛を評価し、患者は、彼らの現在の痛みの感覚を、例えば、100mmの線上に印をつけることによって1〜100のスケールで報告する。これは、強皮症を含む多様な臨床状態における疼痛の評価のための、非常に広く使用され、よく有効化されたツールである。
ベースラインにおける疼痛の平均は、59.4±17.2(平均±標準偏差;範囲20〜80)であった。処置の2カ月後、疼痛スコアは、21.6±17.5(範囲0〜40)の平均まで改善した。この変化は、統計学的に有意であった(対応のあるT検定によりp<0.001)。12人の患者についての集約データを図11に提供する。
VASツールを用いて評価した疼痛における変化の妥当性の試験は、0〜4mmのスコアは、「疼痛無し」、5〜44mmは、「弱い疼痛」、45〜75は、「中程度の疼痛」及び75〜100は、「重度の疼痛」として評価されてよいことを示した。これらの基準によって、処置前に重度の疼痛を有する患者が2人あり;処置後ではなく、実際に、処置前に重度の疼痛を有した両患者は、処置の2カ月後には疼痛を有さなかった。同じ基準により、処置前に中程度の疼痛を有した患者が9人いたが、2カ月ではわずかに1人であった。2カ月において評価した12人のうちの11人(92%)は、ベースラインにあったただ1人の患者(8%)に比べて、弱い疼痛を有するか又は疼痛を有さなかった。VASツールの同じ試験は、33%の疼痛の変化が患者にとって臨床的に重要であることを示した。処置した12人の患者のうちの9人(75%)は、少なくとも33%の疼痛の減少を示した。
強皮症のような病状は、患者の全体的な健康及び生活の質に非常に大きな打撃を与える。強皮症健康評価アンケート(SHAQ)は、強皮症を有する患者において健康を評価するためのよく確立された有効なツールである。
標準的なSHAQを使用して健康を評価した。ベースラインにおける平均スコアは、1.28±0.31(平均±標準偏差;範囲0.8〜1.9)であった。処置の2カ月後に、平均SHAQスコアは、0.66±0.56(範囲0〜1.5)の平均まで改善した。この変化は、統計学的に有意であった(対応のあるT検定によりp<0.0001)。平均及び標準偏差とともに各患者に関するデータを示すグラフ(太線)を以下に示す。
図11に示すように、大多数の患者がSHAQスコアにおける大きな改善を示した。SHAQは、診療においてSSc状態の変化の有用なマーカーともみなされ、それは、SHAQ(HAQ)における改善が医師による全体的評価における改善と関連しているからである。この全体的側面は、処置部位(手)から遠い領域において患者に利益を与える介入の能力を示し、顔及び他の領域における強皮症症状の改善の患者報告と一致する。これらのデータは、本明細書に開示された脂肪由来再生細胞が、強皮症を有する対象の全体的な一般的健康状態における持続的な改善(例えば、6カ月超)のために有用であることを実証する。
コーチン手機能スコア(「CHFS」)は、広く使用される有効な手の機能の患者報告尺度である。このツールは、ボタンを留め、ジッパーを上げて食物を準備するような、手による日常作業を行うための患者の能力を評価する。
CHFSにより評価した手の機能の改善は、手の力及び第1角部の距離の顕著な増加とも関連した。当分野で認められているJamarスコアによって握力を評価した。Schmidt, et al. (1970), Arch Phys Med Rehabil. 51: 321 7を参照されたい。6カ月目には、握力は、ベースラインに比べて、利き手について+4.8(±6.4)kg(p=0.033)及び非利き手について+4.0(±3.5)kg(p=0.033)、平均して増加した。さらに、ピンチ力スコアの顕著な増加を6カ月目に観察した。具体的には、ピンチ力は、利き手について+1.0(±1.1)kg(p=0.009)及び非利き手について+0.8(±1.2)kg(p=0.050)、平均して増加した。
対象は、ミリメーターで表した第1角部の距離の測定並びに第2、第3及び第4角部の距離の合計により評価した、手の機能の改善を示した。対象は、指腹から末端の手掌線(palmar line)までの距離により測定した指の屈曲の顕著な改善を示した。データを以下の表1に表す。
指の潰瘍は、強皮症患者において比較的好発する。本試験における患者12人のうち5人が、ベースラインにおいて指の潰瘍を有した。指の潰瘍の治癒を、2及び6カ月のフォローアップ訪問において認めた。以下の表2にデータを表す。
6.ADRCが強指症及び線維症を改善する
強指症(Sclerodactaly)及び線維症における顕著な改善も観察した。
改変Rodnan皮膚スコア(MRSS)は、皮膚厚みを評価するために最も広く使用される試験であり、びまん型皮膚全身性硬化症を有する患者における疾患重症度及び死亡リスクの本分野で認められた代替尺度であり:皮膚の肥厚の増加は、内部器官の関与及び死亡率増加と関連する。さらに、皮膚厚みスコアの改善は、より好ましいアウトカムと関連する。Czirjak, et al. (2008) Rheumatology 49(suppl. 5): 44-45を参照されたい。総皮膚表面積は、自由裁量で17の異なる領域:(対で)指、手、前腕、腕、足、下肢及び大腿並びに顔、胸及び腹部に分割される。これらの各領域において、皮膚スコアを手による触診で評価する。皮膚スコアは、0が未関与の皮膚、1が弱い肥厚、2が中程度の肥厚及び3が重度の肥厚(カサカサの皮膚)にあたる。総皮膚スコアは、個々の領域の皮膚スコアの合計であり、可能性のある最大スコアは51である。皮膚スコアは、皮膚線維症の程度と相関する傾向があり、これは、次に、肺線維症、強皮症、心疾患、腎疾患及び胃腸の合併症のような線維症及び内部器官の機能不全の程度と相関する。
患者:私があなたに述べたように、処置後、私は自分が新しい10本の指を得たように感じました。私は、もはや以前と同じ感覚を持っていません。私はずっとフレキシブルに感じ;私にはもう痛みがなく、この電気的なタイプの痛みはもう私の手に、私の前腕に、そして私の肩にもないのです。私がレイノー症候群に罹っていたときに比べて、私の指の青みは少ないです。私の指はまだ少し白いですが、私は以前よりもずっと活動的です。私は痛みを伴わずに何事も自然に(無意識に)行うことができます。私は非常に幸福です。しかしながら、私は右手にまだいくらか「重さ」を感じ、指は左手に比べてまだ少し膨れています。
医師:それでは、あなたの日常生活における変化は何ですか?
患者:すべてが変わりました。以前には、私の髪を整えることも乾かすこともできず;手紙をタイプすることができず、缶箱のふたを開けること、野菜を剥くこと、肉を切ること、皿を洗うこと、メイクすることもできませんでした。絵を描くこと、縫物のような、私ができなかったことがたくさんありましたが、今はすべてを自然に、無意識にできます。
患者B:引用
患者:私は手を使うことができませんでした。昔はそのような肉を切ったりできたものです。私は肉を切ることができませんでした。
医師:そして、今は?
患者:今、私はなんでもすることができ、キーボードを使うことができ、私の指先にはもはやこの電気的な感覚がありません。以前には、私には、指先に痛みとこの「電気的な」感覚がありました。
医師:どんな種類の痛みがあなたの指先にあったのですか?
患者:それは、電気的な種類の痛みのようなもので、私は、常にこの電気的な痛みをいたるところに感じたものです。
他の引用:
私の指は、5年ぶりにその正常な色に戻りました。
私はもう全く痛みを感じません。
私はもう寒くなく、いつも手袋をはめていることをやめました。
私は私の子供達が食べる肉を切り、私の髪をブラッシングし、普通の生活に戻っています。
私は仕事(秘書)に復帰しています。
これらのデータは、本明細書に開示された脂肪由来細胞が、例えば、強皮症患者における、疼痛及び線維症を治療するために有用であることを実証する。特に、該データは、本明細書に開示された脂肪由来再生細胞が、強皮症患者における血管機能及び線維症を改善するために有用であることを実証する。
脂肪由来細胞を使用する、神経障害性疼痛の処置
慢性疼痛、例えば、米国人の少なくとも30%が罹患する状態である神経障害性疼痛は、神経障害としても知られる神経系の障害などによって引き起こされるものであり、損傷され、機能を障害され又は傷害された神経線維を含む、組織損傷を伴い又はそれにより引き起こされ得る。神経障害性疼痛は、例えば、病変、神経変性プロセス又は末梢若しくは中枢神経系の一部の長期の機能不全によっても引き起こされ得る。しかしながら、神経障害性疼痛は、識別できる組織損傷が明らかでない場合にも存在し得る。
以下は、慢性の痛みのある末梢単神経障害のためのラットモデルである。
末梢単神経障害を、ラットにおいて以下のように外科的に誘発する。ペントバルビタールナトリウム(40mg/kgi.p.)でラットを麻酔する。総坐骨神経を、大腿部の中心のレベルにおいて、大腿二頭筋を通る鈍的切開により露出させる。坐骨神経の三分流地点の近くにおいて、約7mmの神経を癒着組織から取り外し、4本の結紮糸(4.0クロムガット)をその周りに、約1mmの間隔で緩く結ぶ。こうして冒された神経の長さは45mmである。40倍の倍率で見た時に、神経の直径がわずかに締め付けられて見えるように、結紮糸を結ぶ。所望の程度の締め付けは、表面の神経上膜脈管構造を通る循環を妨害するが、停止させない。切開部を層状に閉じる。各動物において、坐骨神経を結紮しないこと以外は同じ切開を反対側に行う。対照ラットの群を使用し、ここで、何頭かのラットは手術を受けず、他は両側の偽処置を受ける(結紮しない坐骨露出)。
逆さにした透明なプラスチックケージ(18×28×13cm)の下で、ラットを窓ガラスでできた高架床上に置く。ガラス床の下の放射熱源は、後肢足底に向ける。刺激開始が、後肢から反射した光を受けるように位置決めされた光電セルによって制御されたタイマーを作動させる。後肢の引っ込め反射が、光電セルの光を妨害し、自動的にタイマーを停止させる。潜時を最も近い0.1秒まで測定する。5分間隔の逐次試験で後肢を交互に試験する。各試験期間中、5回の潜時測定を各後肢について行う。1つの側面あたり5回の潜時を平均し、結紮した側の平均潜時から対照の側の平均潜時を除することによって相違スコアを計算で求める。各処置群について相違スコアを比較する。
再生細胞を含む脂肪由来細胞を用いる非限局型線維症の処置
広範な線維症と化学療法はしばしば関連する。この臨床観察は、ブレオマイシンのような薬剤が局所的又は全身的に送達されて、(組織学的評価によって測定可能な)顕著な皮膚厚みの増加によって証明される線維症を誘発する、動物モデルに伸展した。そのような1つのモデルにおいて、ブレオマイシンがマウスの皮膚中に注射される。ブレオマイシン処置したマウスへのADRCの局所的又は全身的(例えば、血管内)送達は、線維症の低減を示す処置区域における皮膚厚みの減少及び血管分布の改善をもたらす。
具体的には、ブレオマイシン(0.1mL;300μg/ml)を皮下注射によって肩甲骨間領域及び両脇腹に、26ゲージ針を用いて、週7日間、4週連続してマウスに送達する。ブレオマイシンによる傷害の完了の1週間後にマウスをADRCで処置する。BLM注射の5週間及び13週間後に、組織学的分析によって皮膚線維症を評価する。結果は、皮膚厚みが正常な傷害されない皮膚のそれから識別できなかったように、ADRCによる処置がブレオマイシンにより誘発された皮膚病変を矯正することを示す。同様に、ADRCによる処置は、血管分布の顕著な増加に関連する。
同様に、全身的なブレオマイシンの投与又は吸入による投与は、肺線維症のモデルである。この様式で傷害を受けた動物のADRCによる処置は、線維症の低減及び結果としての肺機能の改善に導くことができる。
本明細書に開示された組成物及び方法は、本明細書に記載の具体的実施形態による範囲に限定されるべきでない。実際に、以上の記載及び付随する図面から、記載されたものに加えて、該組成物及び方法の多様な改変が本分野の当業者に明らかである。そのような改変は、添付の請求項の範囲内に属することを目的とする。
多様な出版物、特許及び特許出願が本明細書中で引用され、その開示は参照することにより全体として組み込まれる。
次に、本発明の好ましい態様を示す。
1. それを必要とする対象における疼痛を調節する方法であって、
治療有効量の脂肪由来再生細胞を前記対象に投与すること
を含む、方法。
2. 疼痛を経験している個体として、前記対象を選択し、同定し又は分類することをさらに含む、上記1に記載の方法。
3. 前記選択、同定又は分類が、医師又は臨床若しくは診断評価によって行われる、上記1又は2に記載の方法。
4. 前記脂肪由来再生細胞の投与の前、後又はその間に、前記対象における疼痛を決定又は測定することをさらに含む、上記1から3のいずれか1項に記載の方法。
5. それを必要とする対象における線維症を調節する方法であって、
再生細胞を含む脂肪由来細胞の治療有効量を前記対象に投与すること
を含む、方法。
6. 線維症を経験しているか又は繊維性疾患を有する個体として、前記対象を選択し、同定し又は分類することをさらに含む、上記5に記載の方法。
7. 前記選択、同定又は分類が、医師又は臨床若しくは診断評価によって行われる、上記5又は6に記載の方法。
8. 前記脂肪由来再生細胞の投与の前、後又はその間に、線維症又はTNFαの量若しくはレベルのようなそのマーカーを、前記対象において又は前記対象から得られた生体サンプルにおいて決定又は測定することをさらに含む、上記5から7のいずれか1項に記載の方法。
9. それを必要とする対象における関節の可動域を改善する方法であって、
再生細胞を含む脂肪由来細胞の治療有効量を前記対象に投与すること
を含む、方法。
10. 関節可動性の喪失又は関節の可動域の低減を経験している個体として、前記対象を選択し、同定し又は分類することをさらに含む、上記9に記載の方法。
11. 前記選択、同定又は分類が、医師又は臨床若しくは診断評価によって行われる、上記9又は10に記載の方法。
12. 前記脂肪由来再生細胞の投与の前、後又はその間に、前記対象の関節の可動性又は可動域を決定又は測定することをさらに含む、上記9から11のいずれか1項に記載の方法。
13. 前記脂肪由来再生細胞が、幹細胞を含む、上記1から12のいずれか1項に記載の方法。
14. 前記脂肪由来再生細胞が、先駆細胞を含む、上記1から13のいずれか1項に記載の方法。
15. 前記脂肪由来再生細胞が、前駆細胞を含む、上記1から14のいずれか1項に記載の方法。
16. 前記対象が強皮症を有する、上記1から15のいずれか1項に記載の方法。
Claims (18)
- 対象における強皮症の治療で用いるための、脂肪由来幹細胞(ADSCs)及び脂肪由来再生細胞(ADRCs)を含む医薬組成物であって、前記ADRCsがCD45陽性細胞を含み、かつ、成熟幹細胞(ASCs)、内皮細胞、内皮先駆細胞、内皮前駆細胞、マクロファージ、線維芽細胞、周皮細胞、平滑筋細胞、前脂肪細胞、分化した又は脱分化した脂肪細胞、角化細胞、単能性及び多能性前駆及び先駆細胞並びにリンパ球からなる群から選択される、任意の異種又は同種の細胞である、前記医薬組成物。
- 強皮症の治療が、強指症の治療、強皮症由来の線維症の抑制、強皮症の血管徴候の治療、又は強皮症由来の疼痛の抑制を含む、請求項1に記載の医薬組成物。
- 強皮症が限局型強皮症又はびまん型強皮症である、請求項1又は2に記載の医薬組成物。
- 線維症が皮膚の線維症又は内臓の線維症であり、内臓は、肺、心臓、腎臓、食道、胃腸管の任意の部分及び関節からなる群より選ばれてもよい、請求項2に記載の医薬組成物。
- 強皮症の治療がレイノー現象の治療を含む、請求項1に記載の医薬組成物。
- 細胞がさらに添加剤を含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載の医薬組成物。
- 強皮症の治療が、改変Rodnan皮膚スコアの改善、ピンチ力の改善、コーチン手機能スコアの改善、握力の改善、指の伸展又は屈曲の改善、指の潰瘍の低減、新しい指の潰瘍の発生の低減、又は対象の全体的な健康状態の改善を含む、請求項1に記載の医薬組成物。
- 疼痛がレイノー現象由来である、請求項2に記載の医薬組成物。
- 強皮症の血管の症状の治療が、指の毛細血管係蹄の数の低減、指の巨大毛細血管の数の増加、ジストロフィー毛細血管の数の低減、沈殿物の低減、及び無血管スコアの低減からなる群より選ばれる爪郭毛細血管顕微鏡検査のパラメータの改善を含む、請求項2に記載の医薬組成物。
- 強皮症の血管徴候の治療がレイノー現象の治療又は皮膚浮腫の改善を含む、請求項2に記載の医薬組成物。
- 脂肪由来幹細胞及び脂肪由来再生細胞が対象の指への直接注入用に調合される、又は静脈内注射用に調合される、請求項1〜10のいずれか1項に記載の医薬組成物。
- 脂肪由来幹細胞及び脂肪由来再生細胞が複数用量での投与用に調合される、請求項1〜11のいずれか1項に記載の医薬組成物。
- 細胞が、対象に投与する前に培養することなく、対象に投与される、請求項1〜12のいずれか1項に記載の医薬組成物。
- 脂肪由来細胞の少なくとも一部が凍結保存されている、請求項1〜13のいずれか1項に記載の医薬組成物。
- 細胞が、移植されるヒトの脂肪組織から抽出される、請求項1〜14のいずれか1項に記載の医薬組成物。
- 手の機能障害の改善のための、強皮症の治療で用いるための請求項1に記載の医薬組成物。
- 強皮症の治療が、全身性硬化症を伴う対象における、レイノー現象又はレイノー現象由来の疼痛の治療を含む、請求項1に記載の医薬組成物。
- 前記細胞が培養されていない細胞である、請求項1から17のいずれか1項に記載の医薬組成物。
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