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JP6624716B2 - α−スルホ脂肪酸エステル塩含有液 - Google Patents
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JP6624716B2 - α−スルホ脂肪酸エステル塩含有液 - Google Patents

α−スルホ脂肪酸エステル塩含有液 Download PDF

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Description

本発明はα−スルホ脂肪酸エステル塩含有液に関する。

α−スルホ脂肪酸エステル塩(α−SF塩)は、従来、固形物(フレーク、パウダー等)の形態で流通し、主に粉末洗浄剤の洗浄成分として用いられている。しかし、α−SF塩を液体洗浄剤に用いる場合には、主配合槽に配合する前に、予め、フレーク状のα−SF塩固形物を水などに溶解又は分散した液を調製しておく必要があった。
洗浄剤の洗浄成分としては、α−SF塩の他に、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩(LAS)やポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩(AES)等が汎用されている。これらのLASやAESは、高濃度液体(濃縮液)の形態ですでに流通している。
α−SF塩水溶液は、高濃度で使用または保存できることが効率の点で好ましいが、α−SF塩単独水溶液の場合、濃度が高くなるのに伴い粘度が増加し、該濃度が約30質量%以上になると、ヘキサゴナル構造を形成し、流動性を失ったゲル状態となる。
これに対して、高濃度α−SF塩水溶液の流動性を向上させる方法として、特許文献1の実施例には、炭素数14〜16の脂肪酸組成を有するα−スルホ脂肪酸メチルエステルナトリウム塩の粉末と、炭素数18の脂肪酸ポリオキシエチレン(EOp=15)メチルエーテルの溶液を、所定の比率で水に溶解させてα−SF塩水溶液を調製する方法が記載されている。
特開平6−128588号公報
本発明者等の知見によれば、特許文献1に記載されている上記方法で調製したα−SF塩水溶液は、静置保存したときに分離や析出が生じる場合があり、かかる分離や析出が生じた状態のα−SF塩水溶液は、液中における脂肪酸組成が不均一である。
本発明は、静置保存しても液の均一性が良好に保たれ、分離や析出が生じ難いα−スルホ脂肪酸エステル塩含有液を提供することを目的とする。
本発明のα−スルホ脂肪酸エステル塩含有液は、脂肪酸残基の炭素数が16〜18であるα−スルホ脂肪酸エステル塩(a)と、脂肪酸ポリオキシアルキレンアルキルエーテル(b)と、水とを含有し、
(a)および(b)の総含有量が30質量%を超え40質量%以下であり、(a)/(b)の質量比が1.5以上、9.0以下であることを特徴とする。
本発明によれば、静置保存しても液の均一性が良好に保たれ、分離や析出が生じ難いα−スルホ脂肪酸エステル塩含有液が得られる。

本発明のα−スルホ脂肪酸エステル塩含有液は、(a)成分:脂肪酸残基の炭素数が16〜18であるα−スルホ脂肪酸エステル塩と、(b)成分:脂肪酸ポリオキシアルキレンアルキルエーテルと、水とを含有する。
<(a)成分:脂肪酸残基の炭素数が16〜18であるα−スルホ脂肪酸エステル塩>
α−スルホ脂肪酸エステル塩(α−SF塩)は、公知の製造方法により得られるもの、例えば、撹拌機付きの槽型反応装置などを定法により使用し、原料の脂肪酸エステルを、無水硫酸等に接触させてスルホン化することによりα−スルホ脂肪酸エステル(α−SF酸)を調製し、次いで、該α−SF酸を、水酸化ナトリウム等で中和することにより得られるもの、を用いることができる。なお、中和の前後に、過酸化水素等で漂白を行ったものでもよい。
(a)成分は、下記一般式(I)で表される。
[式中、Rは炭素数14〜16の炭化水素基であり、Rは炭素数1〜6の炭化水素基であり、Mは対イオンである。]前記式(I)中、Rの炭化水素基は、直鎖状であっても分岐鎖状であってもよく、又は環状の構造を含んでいてもよい。なかでも、Rの炭化水素基は、脂肪族炭化水素基であることが好ましく、直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基、又は直鎖状若しくは分岐鎖状のアルケニル基がより好ましく、直鎖状のアルキル基、直鎖状のアルケニル基がさらに好ましい。Rの炭素数は14〜16である。Rの炭素数が14以上であると、表面活性が強まり、洗浄成分として洗浄力が向上する。一方、Rの炭素数が16以下であると、α−スルホ脂肪酸エステル塩含有液の外観安定性が向上する。

前記式(I)中、Rの炭化水素基は、直鎖状であっても分岐鎖状であってもよく、又は環状の構造を含んでいてもよい。なかでも、Rの炭化水素基は、脂肪族炭化水素基であることが好ましく、直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基、又は直鎖状若しくは分岐鎖状のアルケニル基がより好ましく、直鎖状のアルキル基、分岐鎖状のアルキル基がさらに好ましい。Rの炭素数は1〜6であり、1〜3が好ましい。Rの炭化水素基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基等が挙げられ、洗浄成分として洗浄力がより向上することから、メチル基、エチル基、n−プロピル基が好ましく、メチル基が特に好ましい。
前記式(I)中、Mは対イオンであり、RCH(COOR)SO とともに水溶性の塩を形成し得るものであればよい。該対イオンとしては、アルカリ金属イオン、プロトン化したアミン、アンモニウム等が挙げられる。該対イオンとなり得るアルカリ金属としては、ナトリウム等が挙げられる。
該対イオンとなり得るアミンは、第1〜3級アミンのいずれであってもよく、総炭素数が1〜6であることが好ましい。該アミンは、ヒドロキシ基を有していてもよく、低温条件下でのα−スルホ脂肪酸エステル塩含有液の水に対する溶解性が高まることから、ヒドロキシ基を有していることが好ましい。このようなアミンとしては、アルカノールアミンが挙げられ、該アルカノール基の炭素数は1〜3が好ましい。アルカノールアミンの具体例としては、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等が挙げられる。
Mとしては、入手しやすいこと、α−スルホ脂肪酸エステル塩含有液の外観安定性が向上することから、アルカリ金属イオンが好ましく、ナトリウムイオンが特に好ましい。

(a)成分のなかでも、前記式(I)におけるRが炭素数14〜16の、直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基、又は直鎖状若しくは分岐鎖状のアルケニル基であり、Rがメチル基である化合物が特に好ましい。
(a)成分は1種単独で用いてもよく、2種以上を適宜組み合わせて用いてもよい。 (a)成分としては、洗浄成分として洗浄力が高まるとともに、水への溶解性が高まることから、脂肪酸残基(アシル基部分をいう)の炭素数が異なるものが混合した混合物を用いることが好ましい。具体的には、前記式(I)におけるRが炭素数14の炭化水素基であるα−SF塩(C16)と、Rが炭素数16の炭化水素基であるα−SF塩(C18)との混合物を用いることが好ましい。C16とC18との混合比率(質量比)は、C16:C18=45:55〜95:5が好ましく、60:40〜90:10がより好ましく、80:20〜85:15がさらに好ましい。かかる質量比が前記の好適な範囲であると、洗浄力、水への溶解性、外観安定性がより良好となる。
本発明のα−スルホ脂肪酸エステル塩含有液中、(a)成分の含有量は、α−スルホ脂肪酸エステル塩含有液の総質量に対して18〜36質量%であり、好ましくは23〜36質量%であり、さらに好ましくは25〜32質量%である。
(a)成分の含有量が下限値以上であれば、本発明の効果が顕著に発揮される。一方、(a)成分の含有量が上限値以下であれば、液の均一性が良好に保たれやすく、分離や析出を生じ難い。
本発明のα−スルホ脂肪酸エステル塩含有液は、脂肪酸残基の炭素数が16〜18であるα−スルホ脂肪酸エステル塩(a)以外の他のα−SF塩を含有してもよい。他のα−SF塩としては、脂肪酸残基の炭素数が12〜14であるものが好ましい。α−SF塩としては、本発明の効果がより発揮されること、洗浄成分として洗浄力が高まることから、脂肪酸残基の炭素数が異なるものが混合した混合物中、(a)成分が該混合物の総質量に対して67%以上が好ましく、80%以上がより好ましく、90%以上がさらに好ましく、100%であってもよい。
本発明のα−スルホ脂肪酸エステル塩含有液においては、脂肪酸残基の炭素数が12〜14のα−スルホ脂肪酸エステル塩を含有することにより、α−スルホ脂肪酸エステル塩含有液の外観安定性および流動性がさらに向上する。
<(b)成分:脂肪酸ポリオキシアルキレンアルキルエーテル>
脂肪酸ポリオキシアルキレンアルキルエーテルは、公知の製造方法により得られるもの、例えば表面改質された複合金属酸化物触媒を用いて、脂肪酸アルキルエステルにアルキレンオキサイドを付加重合させる方法(特開2000−144179号公報参照)により容易に製造することができる。かかる表面改質された複合金属酸化物触媒の好適なものとしては、具体的には、金属水酸化物等により表面改質された金属イオン(Al3+、Ga3+、In3+、Tl3+、Co3+、Sc3+、La3+、Mn2+等)が添加された酸化マグネシウム等の複合金属酸化物触媒や金属水酸化物及び/または金属アルコキシド等により表面改質されたハイドロタルサイトの焼成物触媒である。
また、前記複合金属酸化物触媒の表面改質においては、複合金属酸化物と、金属水酸化物及び/または金属アルコキシドとの混合割合を、複合金属酸化物100質量部に対して、金属水酸化物及び/または金属アルコキシドの割合を0.5〜10質量部とすることが好ましく、1〜5質量部とすることがより好ましい。

(b)成分としては、下記一般式(II)で表される化合物が好ましいものとして挙げられる。
−CO(OR)mOR・・・(II)


[式中、Rは炭素数9〜18の飽和又は不飽和炭化水素基であり、Rは炭素数2〜4の炭化水素基であり、Rは炭素数1〜3の炭化水素基であり、mはアルキレンオキサイドの平均付加モル数を表し、5〜25である。]
前記式(II)中、Rは炭素数9〜18の飽和又は不飽和炭化水素基である。炭素数が上記範囲内であることにより、洗浄性能や外観安定性に優れる。該飽和又は不飽和炭化水素基の炭素数は、それぞれ、10〜18であることが好ましく、11〜17であることがより好ましい。該飽和又は不飽和炭化水素基は、それぞれ、直鎖状又は分岐鎖状であることが好ましい。中でも、式(II)中のRが炭素数11、13の直鎖アルキル基である脂肪酸ポリオキシエチレンメチルエーテルや、式(II)中のRがパーム油由来の炭素数18の不飽和炭化水素基である脂肪酸ポリオキシエチレンメチルエーテルが好ましく、式(II)中のRが炭素数11、13の直鎖アルキル基である脂肪酸ポリオキシエチレンメチルエーテルが、流動性の点から特に好ましい。
は炭素数2〜4のアルキレン基であり、エチレン基またはプロピレン基が好ましい。式中の複数のRはそれぞれ同じであってもよく異なってもよい。すなわち、Rのアルキレン基として、1種類のみを単独で用いてもよく、複数種組み合わせてもよい。たとえば式中のアルキレンオキサイド(OR)が、EOとPOとの混合物であってもよい。
複数種組み合わせる場合のORの付加方法は特に限定されず、たとえばEOとPOを含む場合の付加方法は、例えばランダム付加であってもよく、ブロック付加でもよい。ブロック付加方法としては、たとえば、EOを付加した後、POを付加する方法、POを付加した後、EOを付加する方法、EOを付加した後、POを付加し、さらにEOを付加する方法等が挙げられる。
(b)成分は、洗浄時の泡立ちが良く、安価であることから、式中のm個のORが全てEOであるEO付加体であるか、または式中のm個のORがEOとPOとの混合物であるEO・PO付加体であることが好ましい。
mはアルキレンオキサイドの平均付加モル数を表し、5〜25である。mが前記範囲内であることで、洗浄力、特に皮脂汚れに対する洗浄力が向上する。また、洗浄剤組成物の溶解性が向上する。
EO付加体である場合、mは10〜20が好ましく、12〜20がより好ましく、12〜18が特に好ましい。mは10以上のとき、α−スルホ脂肪酸エステル塩含有液の分離抑制またはヘキサゴナルをミセル相へ改質する効果が高い。
は炭素数1〜3のアルキル基であり、洗浄性能の点からメチル基が好ましい。
(b)成分において、アルキレンオキサイドの付加モル数が異なるアルキレンオキサイド付加体の分布の割合を示すナロー率は、通常20質量%以上、80質量%以下である。
該ナロー率は高いほど、良好な洗浄力が得られる。また、当該ナロー率が20質量%以上、特に30質量%以上であると、界面活性剤の原料臭気の少ない液体洗浄剤組成物が得られやすくなる。これは、(b)成分の製造後、(b)成分と共存する(b)成分の原料である脂肪酸エステルと前記式中のmが1または2のアルキレンオキサイド付加体が少なくなるためである。
ここで、本明細書において「ナロー率」とは、アルキレンオキサイドの付加モル数が異
なるアルキレンオキサイド付加体の分布の割合を示す下記の数1式で表されるものを
意味する。

数1式中、nmaxは、全体のアルキレンオキサイド付加体中に最も多く存在するアルキレンオキサイド付加体のアルキレンオキサイドの付加モル数を示す。
iはアルキレンオキサイドの付加モル数を示す。
Yiは全体のアルキレンオキサイド付加体中に存在するアルキレンオキサイドの付加モル数がiであるアルキレンオキサイド付加体の割合(質量%)を示す。
前記ナロー率は、例えば該(b)成分の製造方法等によって制御することができる。
本発明のα−スルホ脂肪酸エステル塩含有液において、(b)成分は一種類のみを単独で用いてもよく、複数種類を組み合わせて使用してもよい。

本発明のα−スルホ脂肪酸エステル塩含有液中、脂肪酸残基の炭素数が16〜18であるα−スルホ脂肪酸エステル塩(a)と脂肪酸ポリオキシアルキレンアルキルエーテル(b)の総含有量は、α−スルホ脂肪酸エステル塩含有液の総質量に対して30質量%を超え、40質量%以下であり、好ましくは30質量%を超え、37質量%以下であり、より好ましくは33質量%以上、37質量%以下である。
(a)成分と(b)成分の総含有量が下限値以上であれば、本発明の効果が顕著に発揮される。一方、(a)成分と(b)成分の総含有量が上限値以下であれば、液の均一性が良好に保たれやすく、分離や析出が生じ難い。
本発明のα−スルホ脂肪酸エステル塩含有液は、α−SF塩(a)の製造上不可避の不純物を含んでいてもよい。該不純物としては、例えばアルカリ金属硫酸塩(硫酸ナトリウム等)、アルカリ金属アルキル硫酸塩(メチル硫酸ナトリウム等)、α−スルホ脂肪酸、α−スルホ脂肪酸ジアルカリ塩(α−スルホ脂肪酸ジナトリウム塩等)が挙げられる。
本発明のα−スルホ脂肪酸エステル塩含有液には、本発明の効果を損なわない範囲で必要に応じて、α−SF塩(a)、脂肪酸ポリオキシアルキレンアルキルエーテル(b)およびその製造上不可避の不純物以外の他成分を配合してもよい。
かかる他成分としては、炭素数1〜3のアルコール、pH緩衝剤、防腐剤、キレート剤等が挙げられる。
本発明のα−スルホ脂肪酸エステル塩含有液においては、炭素数1〜3のアルコールを含有することにより、α−スルホ脂肪酸エステル塩含有液の流動性がさらに向上する。炭素数1〜3のアルコールとしては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール等の1価アルコール;エチレングリコール、プロピレングリコール等の多価アルコールが挙げられ、1価アルコールが好ましく、エタノールがより好ましい。
本発明のα−スルホ脂肪酸エステル塩含有液の、30℃における粘度は、0.1〜10Pa・sが好ましく、0.5〜10Pa・sがより好ましく、0.5〜7.5Pa・sがさらに好ましい。上記範囲の下限値以上であると洗浄剤組成へ配合したときの組成物の粘度が適度に保たれ、上限値以下であると組成物を配合する際のハンドリング性が向上する。
本発明のα−スルホ脂肪酸エステル塩含有液の、30℃におけるpHは、5.0〜9.0が好ましく、5.5〜8.0がより好ましい。α−スルホ脂肪酸エステル塩含有液のpHが前記の好ましい範囲内であれば、α−スルホ脂肪酸エステル塩含有液中におけるα−SF塩(a)および脂肪酸ポリオキシアルキレンアルキルエーテル(b)の加水分解が抑制され、液安定化が図れる。

本発明のα−スルホ脂肪酸エステル塩含有液は、上記の(a)成分と(b)成分と水を混合することにより製造できる。例えば、(a)成分と(b)成分と必要に応じて任意成分とを、溶媒である水に溶解しつつ所定のpHに調整することにより製造できる。(a)成分には、例えば中和もしくは漂白後のペースト状物、又は固形物のいずれも用いることができる。
以下、実施例及び比較例を挙げて、本発明をより具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に限定されるものではない。なお、本実施例において、「%」は、特に断りがない限り「質量%」を示す。
表1に示す原料を使用した。
なお、(a)成分であるα−スルホ脂肪酸メチルエステルナトリウム塩(α−SF−Na)の配合には、α−スルホ脂肪酸メチルエステルのナトリウム塩のフレーク状固形物(以下「α−SF塩固形物」という)を用いた。α−SF塩固形物は、ペースト状のα−SF塩の濃縮物を以下のようにして製造し、これを冷却、解砕することにより調製した。
(製造例1)ペースト状のα−SF−Na塩(a1)の製造
本例では、原料である脂肪酸エステルとして、パルミチン酸メチル(ライオン株式会社製の商品名パステルM−16)と、ステアリン酸メチル(ライオン株式会社製の商品名パステルM−180)とを、85:15の質量比となるように予め混合した脂肪酸メチルエステル混合物を用いた。
撹拌機付きの容量1kLの反応装置に、脂肪酸メチルエステル混合物330kgを注入し、撹拌しながら、反応温度を80℃に保ち、窒素ガスで8容量%に希釈したSOガス(スルホン化ガス)115.6kg(前記脂肪酸メチルエステル混合物に対して1.2倍モル)をバブリングしながら4時間かけて等速で吹き込んだ。その後、無水硫酸ナトリウムを、前記脂肪酸メチルエステル混合物100質量部に対して0.25質量部投入し、80℃に保ちながら30分間熟成を行った。その後、低級アルコールとしてメタノール13.5kgを供給し、温度条件80℃、熟成時間75分間でエステル化を行った。ついで、反応装置から抜き出したエステル化物を、ラインミキサーを用いて、当量の水酸化ナトリウム水溶液を添加することにより連続的に中和した。
ついで、この中和物を漂白剤混合ラインに注入し、35容量%過酸化水素水を純分換算で、AI含有量に対して1質量%を供給して混合し、80℃に保ちながら漂白を行い、α−SF−Na塩(a1)を得た。
なお、得られたα−SF−Na塩(a1)に含まれるα−SF−Na塩の分子量は、仕込み原料の炭素鎖長比率(質量比率)より算出し、377とした。
(製造例2)ペースト状のα−SF−Na塩(a2)の製造
本例では、原料である脂肪酸エステルとして、パルミチン酸メチル(製造例1と同じ)と、ステアリン酸メチル(製造例1と同じ)とを、6:4の質量比となるように予め混合した脂肪酸メチルエステル混合物を用いた。
撹拌機付きの容量1kLの反応装置に脂肪酸メチルエステル混合物330kgを注入し、撹拌しながら、反応温度80℃で、窒素ガスで8容量%に希釈したSOガス(スルホン化ガス)112.8kg(前記脂肪酸メチルエステル混合物に対して1.2倍モル)をバブリングしながら4時間かけて等速で吹き込んだ。その後、無水硫酸ナトリウムを、前記脂肪酸メチルエステル混合物100質量部に対して0.25質量部投入し、80℃に保ちながら30分間熟成を行った。
その後、前記α−SF−Na塩(a1)の製造と同様にして、α−SF−Na塩(a2)を得た。
なお、得られたα−SF−Na塩(a2)に含まれるα−SF−Na塩の分子量は、仕込み原料の炭素鎖長比率(質量比率)より算出し、384とした。

ペースト状のα−SF−Na塩の濃縮:
それぞれ得られたペースト状のα−SF−Na塩(a1)、(a2)を、回転数1060rpm、羽根先端速度約11m/sで回転している真空薄膜蒸発機(伝熱面:0.5m、筒状の処理部の内径:205mm、伝熱面と掻き取り手段である羽根先端とのクリアランス:3mm、商品名「エクセバ」、神鋼パンテック株式会社製)に35kg/hrで導入し、内壁加熱温度(伝熱面の温度)135℃、真空度(処理部内の圧力)0.007〜0.014MPaの条件で濃縮を行った。得られた濃縮物の温度は115℃であり、水分含有量は2.5質量%であった。
α−SF塩固形物の製造:
得られた各濃縮物を、投入プーリー間クリアランスを2mmに調整した日本ベルティング株式会社製のダブルベルト式ベルトクーラー(NR3−Lo.クーラー)に連続的に222kg/hで供給し、冷却した。この際のベルト移動速度を6m/sとし、また、冷却水の流量は、上ベルト側1500L/h(ベルト裏面上に向流方式で流下して冷却)、下ベルト側1800L/h(ベルト裏面に噴霧して冷却)とし、冷却水供給温度を20℃とした。ついで、冷却ベルトから排出されて得られたα−SF塩含有物シートを、排出プーリー付近に設置された付属の解砕機にて200rpmの回転数で解砕することにより、25℃のフレーク状のα−SF塩固形物(a1)、(a2)をそれぞれ得た。
α−SF塩固形物中のアニオン界面活性剤濃度(α−スルホ脂肪酸メチルエステルナトリウム塩(α−SF−Na)とα−スルホ脂肪酸ジナトリウム塩(di−Na塩)との合計濃度(AI))を以下のようにして測定した。<AIの測定方法>
α−スルホ脂肪酸メチルエステルナトリウム塩(α−SF−Na)とα−スルホ脂肪酸ジナトリウム塩(di−Na塩)の合計(AI)の含有量を以下のようにして測定した。
AI純分として約0.16gとなる量の試料を、容量200mLメスフラスコに正確に量り取り、イオン交換水(蒸留水)を標線まで加え、超音波で試料をイオン交換水に溶解させた。溶解後、約25℃まで冷却し、この試料水溶液中から5mLをホールピペットで滴定瓶に取り、メチレンブルー指示薬25mLとクロロホルム15mLとを加え、さらに0.004mol/L塩化ベンゼトニウム溶液5mLを加えた後、0.002mol/Lアルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム溶液で滴定した。滴定は、その都度、滴定瓶に栓をして激しく振とうした後、静置し、白色板を背景として分離した両層が同一色調になった点を終点とした。
同様に、空試験(試料を使用しない以外は上記と同じ試験)を行い、前記アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム溶液の滴定量の差から、α−SF塩固形物中のAIの含有量を下式より算出した。
AI含有量(質量%)=(空試験での滴定量(mL)−滴定量(mL))×0.002(mol/L)×α−スルホ脂肪酸メチルエステル塩の分子量/(試料採取量(g)×5(mL)/200(mL))/10

上記測定の結果、α−SF塩固形物(a1)中のアニオン界面活性剤濃度は90.0質量%、α−SF塩固形物(a2)中のアニオン界面活性剤濃度は88.1質量%であった。<α−スルホ脂肪酸ジナトリウム塩の含有量の測定方法>
α−SF塩固形物中のα−スルホ脂肪酸ジナトリウム塩の含有量を以下のようにして測定した。
α−スルホ脂肪酸ジナトリウム塩の標準品0.02g、0.05g、0.1gをそれぞれ容量200mLメスフラスコに正確に量り取り、水約50mLとエタノール約50mLとを加えて溶解させた。溶解後、約25℃まで冷却し、メタノールを標線まで正確に加え、これを標準液とした。この標準液約2mLを、0.45μmのクロマトディスクを用いて濾過後、下記測定条件の高速液体クロマトグラフィーによる分析を行い、そのピーク面積から検量線を作成した。
[高速液体クロマトグラフィー分析の測定条件]
・装置:LC−6A(島津製作所製)
・カラム:Nucleosil 5SB(ジーエルサイエンス社製)
・カラム温度:40℃
・検出器:示差屈折率検出器RID−6A(島津製作所製)
・移動相:0.7%過塩素酸ナトリウムのHO/CHOH=1/4(体積比)溶液
・流量:1.0mL/min.
・注入量:100μL
次に、AI純分として1.5gのα−SF塩固形物を、容量200mLメスフラスコに正確に量り取り、水約50mLとエタノール約50mLとを加えて溶解させた。溶解後、約25℃まで冷却し、メタノールを標線まで正確に加え、これを試験溶液とした。試験溶液約2mLを、0.45μmのクロマトディスクを用いて濾過後、上記と同じ測定条件の高速液体クロマトグラフィーで分析し、上記検量線を用いて試料溶液中のα−スルホ脂肪酸ジナトリウム塩の濃度を求めた。

かかる測定の結果、α−SF塩固形物(a1)中のdi−Na塩濃度は4.2質量%、α−SF塩固形物(a2)中のdi−Na塩濃度は3.6質量%であった。
以上より、α−SF塩固形物(a1)中のα−スルホ脂肪酸メチルエステルナトリウム塩(α−SF−Na)は85.8質量%、α−SF塩固形物(a2)中のα−スルホ脂肪酸メチルエステルナトリウム塩(α−SF−Na)は84.5質量%と算出され、本実施例において、(a)成分の含有量についてはこれらの値を使用した。
本例で用いた脂肪酸ポリオキシアルキレンアルキルエーテルは特開2000−144179号公報に記載の実施例における製造例に準じて合成した。

(製造例3)脂肪酸ポリオキシエチレンメチルエーテル(m=平均15、ナロー率33質量%)(b1)の製造
化学組成が2.5MgO・Al2O3・nH2Oである水酸化アルミナ・マグネシウム(協和化学工業(株)製、商品名:キョーワード300)を、600℃で1時間、窒素雰囲気下で焼成して得られた焼成水酸化アルミナ・マグネシウム(未改質)触媒2.2gと、0.5規定の水酸化カリウムエタノール溶液2.9mLと、ラウリン酸メチルエステル262.5gおよびミリスチン酸メチルエステル87.5gとを4リットルオートクレーブに仕込み、オートクレーブ内で触媒の改質を行った。次いで、オートクレーブ内を窒素で置換した後、昇温を行い、温度を180℃、圧力を3atmに維持しつつ、酸化エチレン1048gを導入し、撹拌しながら反応させた。さらに、反応液を80℃に冷却し、水159gと、濾過助剤として活性白土および珪藻土をそれぞれ5g添加した後、触媒を濾別して、(b1)を得た。触媒に対するアルカリ添加量は、(b)のナロー率が33質量%となるように調節した。

(製造例4)脂肪酸ポリオキシエチレンメチルエーテル(m=平均11、ナロー率33質量%)(b2)の製造
酸化エチレンの添加量を768gとしたこと以外は、製造例3と同様にして、目的物を得た。

(製造例5)脂肪酸ポリオキシエチレンメチルエーテル(m=平均15、ナロー率33質量%)(b3)の製造
原料として、オレイン酸メチルやリノール酸メチルを主成分とする、パーム油由来の炭素数18留分由来の脂肪酸メチルエステル混合物(商品名パステルM182、ライオン株式会社製)を用いたことと、酸化エチレンの添加量を780gとしたこと以外は、製造例3と同様にして、目的物を得た。
<脂肪酸ポリオキシアルキレンアルキルエーテルの酸化エチレンの付加モル数測定方法>
下記測定条件により、酸化エチレンの付加モル数が異なる酸化エチレン付加体の分布を測定し、前記数1式によりナロー率(質量%)を算出した。
[HPLCによる酸化エチレン付加体の分布の測定条件]
装置:LC−6A((株)島津製作所製)、
検出器:SPD−10A、
測定波長:220nm、
カラム:Zorbax C8(Du Pont(株)製)、
移動相:アセトニトリル/水=60/40(体積比)、
流速:1mL/分、
温度:20℃
(実施例1〜14、比較例1〜5)
表2〜4に示す組成に従い、(a)、(b)成分を水に加え混合し、70℃で均一透明になるまで攪拌した後、放冷して、実施例1〜14、比較例2〜5のα−スルホ脂肪酸エステル塩含有液を得た。また、(b)成分を加えなかったこと以外は上記と同様にして、比較例1のα−スルホ脂肪酸エステル塩含有液を得た。
表中、配合成分の含有量は純分換算量を示す。
精製水の含有量を示す「バランス」は、液体洗浄剤に含まれる全配合成分の合計の配合量(質量%)が100質量%となるように加えられる残部を意味する。
得られたα−スルホ脂肪酸エステル塩含有液のpH(30℃)は、いずれの例も5.5〜7.5の範囲内であった。
各例のα−スルホ脂肪酸エステル塩含有液について、下記の方法で外観の評価および30℃における粘度の測定を行った。評価結果を表2〜4に示す。
<外観の評価方法>
α−スルホ脂肪酸エステル塩含有液を調製する際に、70℃で均一透明になるまで攪拌した後、30℃の雰囲気中に1日間静置した後に目視で観察した。下記の基準で評価した。なお、分離が生じた状態とは、溶液の中に小球体の塊が多数浮遊しやや濁った状態や、透明で大きな塊がいくつか浮遊した状態が観察された。
〇:均一で透明であった。
△:分離が生じた。
×:析出が生じた。
<粘度の測定方法>
試料を30℃に調整し、B型粘度計(TOKIMEC社製)を用いて測定した。測定条件を以下に示す。なお、外観の評価結果が×、△であるものは粘度を測定しなかった(粘度を測定していないことを表中に「−」と示した)。
測定条件:回転数30rpm、30秒後の粘度を測定。
粘度が0.1〜5Pa・sの範囲のとき、ロータNo.3を使用。
粘度が0.1Pa・s以下のとき、ロータNo.1又は2を使用。
粘度が5Pa・s以上のとき、ロータNo.4を使用。
表2〜4の結果に示されるように、α−SF塩(a)と脂肪酸ポリオキシエチレンメチルエーテル(b)の総含有量が40質量%を超える比較例3、5、および(a)/(b)の質量比が大きい比較例4は、30℃で静置保存したときに分離した。
特に実施例5と比較例3を比べると、(a)/(b)の質量比は同じであり、(a)成分と(b)成分の総含有量がわずか2質量%増えただけで、外観の評価が○から△へ低下した。
脂肪酸ポリオキシエチレンメチルエーテル(b)を含まない比較例1、および(a)成分と(b)成分の総含有量が45質量%である比較例2は、静置保存したときに析出が生じた。
実施例1〜4、8〜11を比べると、(a)成分と(b)成分の総含有量が同じであるとき、(a)/(b)の質量比が小さいほど、粘度が低くなった。

Claims (1)

  1. 下記一般式(I)で表されるα−スルホ脂肪酸エステル塩(a)と、下記一般式(II)で表される脂肪酸ポリオキシアルキレンアルキルエーテル(b)と、水とを含有し、
    (a)および(b)の総含有量が30質量%を超え40質量%以下であり、(a)/(b)の質量比が1.5以上、9.0以下であることを特徴とするα−スルホ脂肪酸エステル塩含有液。
    [式(I)中、R は炭素数14〜16の炭化水素基であり、R は炭素数1の炭化水素基であり、Mはナトリウムイオンである。]
    −CO(OR )mOR ・・・(II)
    [式(II)中、R は炭素数9〜18の飽和又は不飽和炭化水素基であり、R は炭素数2〜4の炭化水素基であり、R は炭素数1〜3の炭化水素基であり、mはアルキレンオキサイドの平均付加モル数を表し、5〜25である。]
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