JP6624716B2 - α−スルホ脂肪酸エステル塩含有液 - Google Patents
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Description
α−スルホ脂肪酸エステル塩(α−SF塩)は、従来、固形物(フレーク、パウダー等)の形態で流通し、主に粉末洗浄剤の洗浄成分として用いられている。しかし、α−SF塩を液体洗浄剤に用いる場合には、主配合槽に配合する前に、予め、フレーク状のα−SF塩固形物を水などに溶解又は分散した液を調製しておく必要があった。
α−SF塩水溶液は、高濃度で使用または保存できることが効率の点で好ましいが、α−SF塩単独水溶液の場合、濃度が高くなるのに伴い粘度が増加し、該濃度が約30質量%以上になると、ヘキサゴナル構造を形成し、流動性を失ったゲル状態となる。
(a)および(b)の総含有量が30質量%を超え40質量%以下であり、(a)/(b)の質量比が1.5以上、9.0以下であることを特徴とする。
本発明のα−スルホ脂肪酸エステル塩含有液は、(a)成分:脂肪酸残基の炭素数が16〜18であるα−スルホ脂肪酸エステル塩と、(b)成分:脂肪酸ポリオキシアルキレンアルキルエーテルと、水とを含有する。
<(a)成分:脂肪酸残基の炭素数が16〜18であるα−スルホ脂肪酸エステル塩>
α−スルホ脂肪酸エステル塩(α−SF塩)は、公知の製造方法により得られるもの、例えば、撹拌機付きの槽型反応装置などを定法により使用し、原料の脂肪酸エステルを、無水硫酸等に接触させてスルホン化することによりα−スルホ脂肪酸エステル(α−SF酸)を調製し、次いで、該α−SF酸を、水酸化ナトリウム等で中和することにより得られるもの、を用いることができる。なお、中和の前後に、過酸化水素等で漂白を行ったものでもよい。
前記式(I)中、R2の炭化水素基は、直鎖状であっても分岐鎖状であってもよく、又は環状の構造を含んでいてもよい。なかでも、R2の炭化水素基は、脂肪族炭化水素基であることが好ましく、直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基、又は直鎖状若しくは分岐鎖状のアルケニル基がより好ましく、直鎖状のアルキル基、分岐鎖状のアルキル基がさらに好ましい。R2の炭素数は1〜6であり、1〜3が好ましい。R2の炭化水素基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基等が挙げられ、洗浄成分として洗浄力がより向上することから、メチル基、エチル基、n−プロピル基が好ましく、メチル基が特に好ましい。
(a)成分のなかでも、前記式(I)におけるR1が炭素数14〜16の、直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基、又は直鎖状若しくは分岐鎖状のアルケニル基であり、R2がメチル基である化合物が特に好ましい。
(a)成分は1種単独で用いてもよく、2種以上を適宜組み合わせて用いてもよい。 (a)成分としては、洗浄成分として洗浄力が高まるとともに、水への溶解性が高まることから、脂肪酸残基(アシル基部分をいう)の炭素数が異なるものが混合した混合物を用いることが好ましい。具体的には、前記式(I)におけるR1が炭素数14の炭化水素基であるα−SF塩(C16)と、R1が炭素数16の炭化水素基であるα−SF塩(C18)との混合物を用いることが好ましい。C16とC18との混合比率(質量比)は、C16:C18=45:55〜95:5が好ましく、60:40〜90:10がより好ましく、80:20〜85:15がさらに好ましい。かかる質量比が前記の好適な範囲であると、洗浄力、水への溶解性、外観安定性がより良好となる。
(a)成分の含有量が下限値以上であれば、本発明の効果が顕著に発揮される。一方、(a)成分の含有量が上限値以下であれば、液の均一性が良好に保たれやすく、分離や析出を生じ難い。
本発明のα−スルホ脂肪酸エステル塩含有液は、脂肪酸残基の炭素数が16〜18であるα−スルホ脂肪酸エステル塩(a)以外の他のα−SF塩を含有してもよい。他のα−SF塩としては、脂肪酸残基の炭素数が12〜14であるものが好ましい。α−SF塩としては、本発明の効果がより発揮されること、洗浄成分として洗浄力が高まることから、脂肪酸残基の炭素数が異なるものが混合した混合物中、(a)成分が該混合物の総質量に対して67%以上が好ましく、80%以上がより好ましく、90%以上がさらに好ましく、100%であってもよい。
本発明のα−スルホ脂肪酸エステル塩含有液においては、脂肪酸残基の炭素数が12〜14のα−スルホ脂肪酸エステル塩を含有することにより、α−スルホ脂肪酸エステル塩含有液の外観安定性および流動性がさらに向上する。
<(b)成分:脂肪酸ポリオキシアルキレンアルキルエーテル>
脂肪酸ポリオキシアルキレンアルキルエーテルは、公知の製造方法により得られるもの、例えば表面改質された複合金属酸化物触媒を用いて、脂肪酸アルキルエステルにアルキレンオキサイドを付加重合させる方法(特開2000−144179号公報参照)により容易に製造することができる。かかる表面改質された複合金属酸化物触媒の好適なものとしては、具体的には、金属水酸化物等により表面改質された金属イオン(Al3+、Ga3+、In3+、Tl3+、Co3+、Sc3+、La3+、Mn2+等)が添加された酸化マグネシウム等の複合金属酸化物触媒や金属水酸化物及び/または金属アルコキシド等により表面改質されたハイドロタルサイトの焼成物触媒である。
(b)成分としては、下記一般式(II)で表される化合物が好ましいものとして挙げられる。
[式中、R3は炭素数9〜18の飽和又は不飽和炭化水素基であり、R4は炭素数2〜4の炭化水素基であり、R5は炭素数1〜3の炭化水素基であり、mはアルキレンオキサイドの平均付加モル数を表し、5〜25である。]
前記式(II)中、R3は炭素数9〜18の飽和又は不飽和炭化水素基である。炭素数が上記範囲内であることにより、洗浄性能や外観安定性に優れる。該飽和又は不飽和炭化水素基の炭素数は、それぞれ、10〜18であることが好ましく、11〜17であることがより好ましい。該飽和又は不飽和炭化水素基は、それぞれ、直鎖状又は分岐鎖状であることが好ましい。中でも、式(II)中のR3が炭素数11、13の直鎖アルキル基である脂肪酸ポリオキシエチレンメチルエーテルや、式(II)中のR3がパーム油由来の炭素数18の不飽和炭化水素基である脂肪酸ポリオキシエチレンメチルエーテルが好ましく、式(II)中のR3が炭素数11、13の直鎖アルキル基である脂肪酸ポリオキシエチレンメチルエーテルが、流動性の点から特に好ましい。
R5は炭素数1〜3のアルキル基であり、洗浄性能の点からメチル基が好ましい。
(b)成分において、アルキレンオキサイドの付加モル数が異なるアルキレンオキサイド付加体の分布の割合を示すナロー率は、通常20質量%以上、80質量%以下である。
なるアルキレンオキサイド付加体の分布の割合を示す下記の数1式で表されるものを
意味する。
本発明のα−スルホ脂肪酸エステル塩含有液において、(b)成分は一種類のみを単独で用いてもよく、複数種類を組み合わせて使用してもよい。
本発明のα−スルホ脂肪酸エステル塩含有液中、脂肪酸残基の炭素数が16〜18であるα−スルホ脂肪酸エステル塩(a)と脂肪酸ポリオキシアルキレンアルキルエーテル(b)の総含有量は、α−スルホ脂肪酸エステル塩含有液の総質量に対して30質量%を超え、40質量%以下であり、好ましくは30質量%を超え、37質量%以下であり、より好ましくは33質量%以上、37質量%以下である。
本発明のα−スルホ脂肪酸エステル塩含有液は、α−SF塩(a)の製造上不可避の不純物を含んでいてもよい。該不純物としては、例えばアルカリ金属硫酸塩(硫酸ナトリウム等)、アルカリ金属アルキル硫酸塩(メチル硫酸ナトリウム等)、α−スルホ脂肪酸、α−スルホ脂肪酸ジアルカリ塩(α−スルホ脂肪酸ジナトリウム塩等)が挙げられる。
本発明のα−スルホ脂肪酸エステル塩含有液には、本発明の効果を損なわない範囲で必要に応じて、α−SF塩(a)、脂肪酸ポリオキシアルキレンアルキルエーテル(b)およびその製造上不可避の不純物以外の他成分を配合してもよい。
本発明のα−スルホ脂肪酸エステル塩含有液の、30℃における粘度は、0.1〜10Pa・sが好ましく、0.5〜10Pa・sがより好ましく、0.5〜7.5Pa・sがさらに好ましい。上記範囲の下限値以上であると洗浄剤組成へ配合したときの組成物の粘度が適度に保たれ、上限値以下であると組成物を配合する際のハンドリング性が向上する。
本発明のα−スルホ脂肪酸エステル塩含有液は、上記の(a)成分と(b)成分と水を混合することにより製造できる。例えば、(a)成分と(b)成分と必要に応じて任意成分とを、溶媒である水に溶解しつつ所定のpHに調整することにより製造できる。(a)成分には、例えば中和もしくは漂白後のペースト状物、又は固形物のいずれも用いることができる。
表1に示す原料を使用した。
(製造例1)ペースト状のα−SF−Na塩(a1)の製造
本例では、原料である脂肪酸エステルとして、パルミチン酸メチル(ライオン株式会社製の商品名パステルM−16)と、ステアリン酸メチル(ライオン株式会社製の商品名パステルM−180)とを、85:15の質量比となるように予め混合した脂肪酸メチルエステル混合物を用いた。
(製造例2)ペースト状のα−SF−Na塩(a2)の製造
本例では、原料である脂肪酸エステルとして、パルミチン酸メチル(製造例1と同じ)と、ステアリン酸メチル(製造例1と同じ)とを、6:4の質量比となるように予め混合した脂肪酸メチルエステル混合物を用いた。
ペースト状のα−SF−Na塩の濃縮:
それぞれ得られたペースト状のα−SF−Na塩(a1)、(a2)を、回転数1060rpm、羽根先端速度約11m/sで回転している真空薄膜蒸発機(伝熱面:0.5m2、筒状の処理部の内径:205mm、伝熱面と掻き取り手段である羽根先端とのクリアランス:3mm、商品名「エクセバ」、神鋼パンテック株式会社製)に35kg/hrで導入し、内壁加熱温度(伝熱面の温度)135℃、真空度(処理部内の圧力)0.007〜0.014MPaの条件で濃縮を行った。得られた濃縮物の温度は115℃であり、水分含有量は2.5質量%であった。
α−SF塩固形物の製造:
得られた各濃縮物を、投入プーリー間クリアランスを2mmに調整した日本ベルティング株式会社製のダブルベルト式ベルトクーラー(NR3−Lo.クーラー)に連続的に222kg/hで供給し、冷却した。この際のベルト移動速度を6m/sとし、また、冷却水の流量は、上ベルト側1500L/h(ベルト裏面上に向流方式で流下して冷却)、下ベルト側1800L/h(ベルト裏面に噴霧して冷却)とし、冷却水供給温度を20℃とした。ついで、冷却ベルトから排出されて得られたα−SF塩含有物シートを、排出プーリー付近に設置された付属の解砕機にて200rpmの回転数で解砕することにより、25℃のフレーク状のα−SF塩固形物(a1)、(a2)をそれぞれ得た。
α−スルホ脂肪酸メチルエステルナトリウム塩(α−SF−Na)とα−スルホ脂肪酸ジナトリウム塩(di−Na塩)の合計(AI)の含有量を以下のようにして測定した。
上記測定の結果、α−SF塩固形物(a1)中のアニオン界面活性剤濃度は90.0質量%、α−SF塩固形物(a2)中のアニオン界面活性剤濃度は88.1質量%であった。<α−スルホ脂肪酸ジナトリウム塩の含有量の測定方法>
α−SF塩固形物中のα−スルホ脂肪酸ジナトリウム塩の含有量を以下のようにして測定した。
・装置:LC−6A(島津製作所製)
・カラム:Nucleosil 5SB(ジーエルサイエンス社製)
・カラム温度:40℃
・検出器:示差屈折率検出器RID−6A(島津製作所製)
・移動相:0.7%過塩素酸ナトリウムのH2O/CH3OH=1/4(体積比)溶液
・流量:1.0mL/min.
・注入量:100μL
次に、AI純分として1.5gのα−SF塩固形物を、容量200mLメスフラスコに正確に量り取り、水約50mLとエタノール約50mLとを加えて溶解させた。溶解後、約25℃まで冷却し、メタノールを標線まで正確に加え、これを試験溶液とした。試験溶液約2mLを、0.45μmのクロマトディスクを用いて濾過後、上記と同じ測定条件の高速液体クロマトグラフィーで分析し、上記検量線を用いて試料溶液中のα−スルホ脂肪酸ジナトリウム塩の濃度を求めた。
かかる測定の結果、α−SF塩固形物(a1)中のdi−Na塩濃度は4.2質量%、α−SF塩固形物(a2)中のdi−Na塩濃度は3.6質量%であった。
本例で用いた脂肪酸ポリオキシアルキレンアルキルエーテルは特開2000−144179号公報に記載の実施例における製造例に準じて合成した。
(製造例3)脂肪酸ポリオキシエチレンメチルエーテル(m=平均15、ナロー率33質量%)(b1)の製造
化学組成が2.5MgO・Al2O3・nH2Oである水酸化アルミナ・マグネシウム(協和化学工業(株)製、商品名:キョーワード300)を、600℃で1時間、窒素雰囲気下で焼成して得られた焼成水酸化アルミナ・マグネシウム(未改質)触媒2.2gと、0.5規定の水酸化カリウムエタノール溶液2.9mLと、ラウリン酸メチルエステル262.5gおよびミリスチン酸メチルエステル87.5gとを4リットルオートクレーブに仕込み、オートクレーブ内で触媒の改質を行った。次いで、オートクレーブ内を窒素で置換した後、昇温を行い、温度を180℃、圧力を3atmに維持しつつ、酸化エチレン1048gを導入し、撹拌しながら反応させた。さらに、反応液を80℃に冷却し、水159gと、濾過助剤として活性白土および珪藻土をそれぞれ5g添加した後、触媒を濾別して、(b1)を得た。触媒に対するアルカリ添加量は、(b)のナロー率が33質量%となるように調節した。
(製造例4)脂肪酸ポリオキシエチレンメチルエーテル(m=平均11、ナロー率33質量%)(b2)の製造
酸化エチレンの添加量を768gとしたこと以外は、製造例3と同様にして、目的物を得た。
(製造例5)脂肪酸ポリオキシエチレンメチルエーテル(m=平均15、ナロー率33質量%)(b3)の製造
原料として、オレイン酸メチルやリノール酸メチルを主成分とする、パーム油由来の炭素数18留分由来の脂肪酸メチルエステル混合物(商品名パステルM182、ライオン株式会社製)を用いたことと、酸化エチレンの添加量を780gとしたこと以外は、製造例3と同様にして、目的物を得た。
<脂肪酸ポリオキシアルキレンアルキルエーテルの酸化エチレンの付加モル数測定方法>
下記測定条件により、酸化エチレンの付加モル数が異なる酸化エチレン付加体の分布を測定し、前記数1式によりナロー率(質量%)を算出した。
[HPLCによる酸化エチレン付加体の分布の測定条件]
装置:LC−6A((株)島津製作所製)、
検出器:SPD−10A、
測定波長:220nm、
カラム:Zorbax C8(Du Pont(株)製)、
移動相:アセトニトリル/水=60/40(体積比)、
流速:1mL/分、
温度:20℃
表2〜4に示す組成に従い、(a)、(b)成分を水に加え混合し、70℃で均一透明になるまで攪拌した後、放冷して、実施例1〜14、比較例2〜5のα−スルホ脂肪酸エステル塩含有液を得た。また、(b)成分を加えなかったこと以外は上記と同様にして、比較例1のα−スルホ脂肪酸エステル塩含有液を得た。
表中、配合成分の含有量は純分換算量を示す。
精製水の含有量を示す「バランス」は、液体洗浄剤に含まれる全配合成分の合計の配合量(質量%)が100質量%となるように加えられる残部を意味する。
<外観の評価方法>
α−スルホ脂肪酸エステル塩含有液を調製する際に、70℃で均一透明になるまで攪拌した後、30℃の雰囲気中に1日間静置した後に目視で観察した。下記の基準で評価した。なお、分離が生じた状態とは、溶液の中に小球体の塊が多数浮遊しやや濁った状態や、透明で大きな塊がいくつか浮遊した状態が観察された。
<粘度の測定方法>
試料を30℃に調整し、B型粘度計(TOKIMEC社製)を用いて測定した。測定条件を以下に示す。なお、外観の評価結果が×、△であるものは粘度を測定しなかった(粘度を測定していないことを表中に「−」と示した)。
Claims (1)
- 下記一般式(I)で表されるα−スルホ脂肪酸エステル塩(a)と、下記一般式(II)で表される脂肪酸ポリオキシアルキレンアルキルエーテル(b)と、水とを含有し、
(a)および(b)の総含有量が30質量%を超え40質量%以下であり、(a)/(b)の質量比が1.5以上、9.0以下であることを特徴とするα−スルホ脂肪酸エステル塩含有液。
[式(I)中、R 1 は炭素数14〜16の炭化水素基であり、R 2 は炭素数1の炭化水素基であり、Mはナトリウムイオンである。]
R 3 −CO(OR 4 )mOR 5 ・・・(II)
[式(II)中、R 3 は炭素数9〜18の飽和又は不飽和炭化水素基であり、R 4 は炭素数2〜4の炭化水素基であり、R 5 は炭素数1〜3の炭化水素基であり、mはアルキレンオキサイドの平均付加モル数を表し、5〜25である。]
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