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JP6629691B2 - センサパッケージおよび自動運転車両 - Google Patents
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Description

本発明は、センサ装置および自動運転車両に関するものである。
近年、自動車の安全支援・自動運転、ロボットの制御、そしていわゆるドローン等と呼ばれる自律飛行装置等のアプリケーションが普及しつつある。これらのアプリケーションでは、対象の姿勢や角度を検出することがその制御に重要である。このため、角速度・加速度を検出する慣性センサがこれらのアプリケーションで重要なコンポーネントとなっている。
さらに今日ではMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)と呼ばれる、半導体の微細加工技術を用いて作製される微小機械デバイスによって、実用レベルの確度・精度を有する慣性センサが市販されるようになってきた。MEMSで作製される慣性センサは、半導体プロセスによって作製されるため、センサエレメント(慣性力を検出する機械構造)を並列かつ大量に作ることができる。このことが、従来高価格であった慣性センサの低価格化をもたらし、前述のようなアプリケーションを一般的にする原動力となっている。
一般に、慣性センサを用いた姿勢の検出原理は大きく2つある。1つ目は、重力が垂直方向に常に1G(9.8m/s2)であることを利用し、X、Y、Z方向それぞれの感度を持つ加速度センサから、どちらの方向に重力がかかっているかをみることで、傾き方向、すなわち姿勢を得る方法である。この原理は、対象が加速していたり、回転運動をして遠心力が加速度センサにかかるような状態であったりする場合は、その慣性力(外乱)によって、誤差を生じる。
もうひとつ姿勢検出原理として、角速度センサを時間積分して、積分開始時点からの角度変化量を計算するものがある。この検出原理には、対象が加速していたり、回転運動による遠心力がセンサに印加されたりしていても、本質的にこれらの影響を受けない。これは、加速度センサを用いた姿勢の検出原理にはない特徴である。
しかし、時間積分によって姿勢を検出する原理では、絶対姿勢を得ることができず、得られるのは初期姿勢からの相対姿勢に留まる。何らかの方法で初期姿勢を定義し、相対姿勢を加算することで姿勢を得ることは可能である。しかし、積分によるバイアス誤差の積算があるため、オフセットのドリフトが大きくなり、絶対姿勢に対する誤差が時間と共に大きくなってしまう。そこで、加速度センサによって絶対姿勢の補正を適宜行う共に、角速度センサによって姿勢検出を行う、信号処理を組み合わせた計測システムが用いられることがある。
本技術分野の背景技術として、例えば特許文献1がある。特許文献1では、3軸の角速度センサと、加速度センサの、それぞれの出力をカルマンフィルタで処理し、角速度センサのオフセットドリフトを推定する慣性計測装置において、第4の角速度センサを設けることで、角速度センサのオフセットドリフトを精度よく推定する手法が開示されている。また、特許文献2では全ての検出軸に対して感度を持つ冗長な検出軸を設け、検出軸が故障した際には冗長軸で代用するという機能によって、故障耐性を高めたセンサが開示されている。
特開2012−52904号公報 特開2001−264351号公報
特許文献1に示されるような、角速度の積分と、加速度から姿勢角を得る構成の慣性センサについて検討した結果、以下の課題が明らかとなった。すなわち、角速度センサでは絶対姿勢を得ることができないため、角速度センサを用いて絶対姿勢を精度良く求めるには、初期姿勢を精度良く得ることが重要であり、加速度センサの高精度化が必要となる。
特許文献1に、角速度センサのオフセットドリフト等を向上する技術は開示されているが、絶対姿勢検出の精度向上に関する技術は開示されていない。また、特許文献2に開示された技術は、故障発生時の耐性を高めるものであって、やはり姿勢検出の精度向上に関する技術ではない。
例えば、加速度センサの精度向上に関しては、MEMS型に対していわゆるバルク型と呼ばれる、質量のある検出マスを有する加速度センサを用いる技術がある。しかしながら、コスト・サイズ面での負担を強いることとなるため、背景技術に記載のような、コストが原因で従来普及していなかったアプリケーションを実現するという観点においては、現実的ではない。
また、MEMS型センサにおいて、特別に検出マスの質量を大きくした検出エレメントを開発したり、大きなサイズのMOS(Metal-Oxide Semiconductor)トランジスタを検出回路に利用した低ノイズ回路を開発したりすることで、加速度センサの精度向上を図ることは可能である。しかしながら、開発のための設計コストがかかるほか、開発のための時間もかかってしまう。
本発明は、上記のような課題に鑑みてなされたものであり、物理センサの検出精度向上を目的とする。
本願において開示される発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、請求項に記載の構成の通りである。その1つは、複数の検出軸での検出結果を出力する物理センサを複数備えたセンサ装置であって、複数の検出軸のそれぞれは、検出軸にそった検出方向があり、複数の前記物理センサの中の第1の物理センサは、前記第1の物理センサの複数の検出軸の中に第1の検出軸を有し、複数の前記物理センサの中の第2の物理センサは、前記第2の物理センサの複数の検出軸の中に第2の検出軸を有し、前記第1の検出軸と前記第2の検出軸は重複し、前記第1の検出軸の検出方向と前記第2の検出軸の検出方向は逆方向となるように、前記第1の物理センサと前記第2の物理センサが配置されたことを特徴とする。
本発明によれば、物理センサの検出精度を向上することが可能になる。
実施例1における、慣性センサの例を示す図である。 実施例1における、第1の複合慣性センサの例を示す上面図である。 実施例1における、第1の複合慣性センサの例を示す側面図である。 実施例1における、第2の複合慣性センサの例を示す上面図である。 実施例1における、第2の複合慣性センサの例を示す側面図である。 信号処理集積回路チップの例を示す図である。 差分計算の信号処理の例を示す図である。 カルマンフィルタの信号処理の例を示す図である。 センサ出力に同相ノイズが存在する例を示す図である。 センサ出力に無相関ノイズが存在する例を示す図である。 センサ出力の帯域と、サンプリングレートの関係を示す図である。 実施例2における、複合慣性センサの例を示す上面図である。 実施例2における、複合慣性センサの例を示す側面図である。 実施例3における、慣性センサの例を示す図である。 実施例4における、慣性センサの例を示す図である。 実施例5における、慣性センサの例を示す図である。 実施例6における、慣性センサの例を示す図である。 実施例7における、自動車の例を示す図である。
以下の実施の形態(実施例)においては、便宜上その必要があるときは、複数のセクションまたは実施の形態に分割して説明するが、特に明示した場合を除き、それらは互いに無関係なものではなく、一方は他方の一部または全部の変形例、詳細、補足説明等の関係にある。また、以下の実施の形態において、要素の数等(個数、数値、量、範囲等を含む)に言及する場合、特に明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されるものではなく、特定の数以上でも以下でもよい。
さらに、以下の実施の形態において、その構成要素(要素ステップ等も含む)は、特に明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。同様に、以下の実施の形態において、構成要素等の形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に明らかにそうでないと考えられる場合等を除き、実質的にその形状等に近似または類似するもの等を含むものとする。このことは、上記数値および範囲についても同様である。
以下の実施において、特に断りのない限り「加速度」と「角速度」は相互に入れ替え可能であるが、説明を簡単にするために、「加速度」と「角速度」の組み合わせとして1通りの実施例を示すこととする。
図1は、慣性センサの例を示す図である。実施例1の慣性センサでは、センサパッケージ部101に、第1の複合慣性センサ102と、第2の複合慣性センサ103と、マイクロコントローラ(マイコン、ないしはマイクロプロセッサ)104と、電源レギュレータIC(Integrated Circuit)105を有する。
第1の複合慣性センサ102は、図1のX正方向に加速度感度を持つ第1の加速度検出軸108aと、図1のY正方向に加速度感度を持つ第2の加速度検出軸108bと、図1のZ軸回り正方向(Yaw)に角速度感度を持つ第1の角速度検出軸109を備えている。
また、第2の複合慣性センサ103は、図1のX負方向に加速度感度を持つ第3の加速度検出軸106aと、図1のZ正方向に加速度感度を持つ第4の加速度検出軸106bと、図1のY軸回り正方向(Roll)に角速度感度を持つ第2の角速度検出軸107を備えている。
従って、第1の複合慣性センサ102と、第2の複合慣性センサ103は、いずれも2つの加速度検出軸と、1つの角速度検出軸を有する、いわゆる3軸検出のセンサである。このように複数の検出軸を有するセンサが、トランスファーモールドパッケージやプリモールドパッケージといったパッケージング技術によって、1つのパッケージで封止されている状態を「センサモジュール」と呼ぶこともある。すなわち、本実施例では、センサパッケージ部101に、2つの3軸センサモジュールが実装される。なお、センサモジュールはセンサの実装される最小の単位であるとも言える。
ここで、電源レギュレータIC105は、コネクタ110から供給された電源電圧を、第1の複合慣性センサ102と第2の複合慣性センサ103に適した電圧へ変換し、配線111を通じて供給する。すなわち、第1の複合慣性センサ102と、第2の複合慣性センサ103は、同一の電源レギュレータIC105から電源の供給を受ける。
マイクロコントローラ104は、第1の複合慣性センサ102および第2の複合慣性センサ103とプリント基板の配線(図示省略)等によって接続されるとともにコネクタ110に接続され、第1の複合慣性センサ102と第2の複合慣性センサ103の測定結果(出力結果)や、その測定結果に基づくセンサパッケージ部101の姿勢に関する情報を、コネクタ110を通じて出力する。この出力する信号の内容や姿勢を計算する信号処理については後述する。
図2は、第1の複合慣性センサ102(センサモジュール)の例を示す上面図である。ここで、図2のZ正方向と上とする。第1の複合慣性センサ102は、パッケージ201、外部電極203、信号処理集積回路チップ(LSI)204、加速度検出エレメントチップ205、角速度検出エレメントチップ206、パッド207、ボンディングワイヤ208からなる。そして、例えばパッド207と角速度検出エレメントチップ206は配線で接続される。
図3は、第1の複合慣性センサ102の例を示す側面図である。ここで、図3のY負方向を側方とする。パッケージ201は、図1では省略したパッケージふた202を含み、内包する半導体チップ等を保護する外装であり、例えばプリモールドパッケージである。図2に示すように、パッケージ201内に空洞(チャンバー)を有する構造の他、熱硬化樹脂によって空洞が埋められてパッケージが形成される構造であってもよい。なお、図2において、図1に示した物と同じ物には同じ符号を付す。
このように、パッケージ201には加速度検出エレメントチップ205と角速度検出エレメントチップ206が含まれるため、パッケージ201が単体でもその出力は、2軸の加速度と1軸の角速度の出力であり、3軸検出モジュールの出力となる。
パッケージ201内の空洞に、信号処理集積回路チップ204は接着剤(図示省略)等によって固定され、さらに、加速度検出エレメントチップ205と角速度検出エレメントチップ206は、信号処理集積回路チップ204にそれぞれ接着剤(図示省略)等で固定される。そして、パッケージ201内に固定された信号処理集積回路チップ204、加速度検出エレメントチップ205、角速度検出エレメントチップ206は、パッド207を通じて電気的に接続される。
まず、加速度検出エレメントチップ205と信号処理集積回路チップ204がどのように加速度を検出して処理するかについて述べる。加速度検出エレメントチップ205には、加速度を検出する第1の検出エレメント211と、第2の検出エレメント212が、直交する検出軸を有して配置されている。このため、加速度検出エレメントチップ205は2軸の加速度検出が可能である。なお、第1の検出エレメント211と第2の検出エレメント212は、図2においてそれぞれ破線で囲まれた部分である。
第1の検出エレメント211は図2のY方向の加速度を検出するエレメントであり、アンカー部211aにばね部211fを通じて検出マス部211cが懸架されるバネマス系が構築される。ここで、静的な線形の加速度が印加されると、
Figure 0006629691
m:検出マス部211cの質量、a:印加された加速度、
k:ばね部211fのばね定数、x:変位量
の式1に従った変位が発生する。
この変位は、検出マス部211cと検出電極211bとのギャップ変化をもたらし、静電容量を変化させる。信号処理集積回路チップ204は電気的にこの静電容量変化を得て、加速度を算出する。この詳細な構成については、後述する。また、第2の検出エレメント212も第1の検出エレメント211と同じ構造であるが、検出軸が異なるため、検出電極の配置が異なる。
次に、角速度検出エレメントチップ206と信号処理集積回路チップ204がどのように角速度を検出して処理するかの原理について述べる。角速度検出エレメントチップ206には、角速度を検出する検出エレメント210が配置されている。検出エレメント210は、図2において破線で囲まれた部分であって、図2のZ軸周りの角速度を検出するエレメントであり、アンカー部210cにばね部210gを通じて検出マス部210fが懸架されるバネマス系が構築される。
ここで、検出マス部210fは、検出マス部210fと駆動電極210bで構成されるコンデンサに信号処理集積回路チップ204から印加された交流信号によって、図2のY方向に、一定の振動数と振動振幅で振動する(駆動振動)。一定の振動数と振動振幅を維持するために、駆動モニタ電極210aが別途設けられ、Y方向の振動数と振動振幅が静電容量変化として信号処理集積回路チップ204に入力される。駆動振動に関する信号処理集積回路チップ204の詳細については後述する。
ここで、検出マス部210fのY方向の振動によって生じる変位速度をvと置くとき、Z軸周りの角速度Ωが印加されると、
Figure 0006629691
の式に従ったコリオリ力が図2のX方向に発生する。
F:コリオリ力、m:検出マス部210fの質量、
Ω:印加角速度、v: 検出マス部210fの変位速度
信号処理集積回路チップ204が、このコリオリ力によって発生するX方向の変位を検出マス部210fと検出電極210d間の静電容量変化として得て、角速度を算出する。なお、ここで発生する変位量は、式1に類似した式で表現されるが、実際は角速度検出エレメントチップ206の封止圧力および駆動方向の振動数、検出方向の振動数に依存した式となる。この式の詳細については説明を省略する。また、この静電容量変化を電気的に得る信号処理集積回路チップ204については後述する。
図4は、第2の複合慣性センサ103(センサモジュール)の例を示す上面図である。ここで、図4のZ正方向と上とする。第2の複合慣性センサ103は、パッケージ301、外部電極303、信号処理集積回路チップ304、加速度検出エレメントチップ305、角速度検出エレメントチップ306、パッド307、ボンディングワイヤ308からなる。そして、例えばパッド307と角速度検出エレメントチップ306は配線で接続される。
図5は、第2の複合慣性センサ103の例を示す側面図である。ここで、図5のY負方向を側方とする。パッケージ301は、図4では省略したパッケージふた302を含み、パッケージ301の構造は、図2、3に示したパッケージ201の構造と同じであるので、説明を省略する。パッケージ301には加速度検出エレメントチップ305と角速度検出エレメントチップ306が含まれるため、パッケージ301が単体でもその出力は、2軸の加速度と1軸の角速度の出力であり、3軸検出モジュールの出力となる。
加速度検出エレメントチップ305には、加速度を検出する第1の検出エレメント311と、第2の検出エレメント312が、直交する検出軸を有して配置されている。このため、加速度検出エレメントチップ305は2軸の加速度検出が可能である。なお、第1の検出エレメント311と第2の検出エレメント312は、図4においてそれぞれ破線で囲まれた部分である。第1の検出エレメント311は図4のY方向の加速度を検出するエレメントであり、第1の検出エレメント211と同じ構造であるため、説明を省略する。
第2の検出エレメント312は、図4のZ方向の加速度を検出するエレメントであり、アンカー部312aにばね部312fを通じて検出マス部312cが懸架されるバネマス系が構築される。なお、図4では、検出マス部312cが面外電極312bに隠れるため、図5に示す。ここで、静的な線形の加速度が印加されると、式1に従った変位が発生する。
この変位を静電容量の変化として得るため、第2の検出エレメント312では、図5に示すように、加速度検出エレメントチップ305のZ方向に面外電極312bが設けられている。検出マス部312cと面外電極312bとのギャップ変化が静電容量の変化をもたらすので、信号処理集積回路チップ204は電気的にこの静電容量変化を得て、加速度を算出する。この詳細な構成については、後述する。
また、図4に示す角速度検出エレメントチップ306には、角速度を検出する検出エレメント310が配置されている。検出エレメント310は、図4において破線で囲まれた部分であって、図4のX軸周りの角速度を検出するエレメントであり、アンカー部310cにばね部310gを通じて検出マス部310fが懸架されるバネマス系が構築される。なお、図4では、検出マス部310fが面外電極310dに隠れるため、図5に示す。
そして、検出マス部310fのY方向の振動によって生じる変位速度をvと置くとき、X軸周りの角速度Ωが印加されると、式2に従った力が図5のZ方向に発生する。このコリオリ力によって発生するZ方向の変位を検出するため、検出エレメント310では、図5に示すように、面外電極310dが設けられており、角速度検出エレメントチップ306は検出マス部310fと面外電極310d間の静電容量変化を得て、角速度を算出する。
なお、図2〜4では、検出マス部211c、210f、312c、310fに対して、検出電極211b、210dと面外電極312b、310dをそれぞれ2つ備える例を示したが、加速度に対して十分な容量変化が得られるのであれば、各電極は1つであってもよい。
次に、第1の複合慣性センサ102の信号処理集積回路チップ204の例について図6を用いて説明する。信号処理集積回路チップ204は、コネクタ110経由でセンサパッケージ部101に供給された電源を、電源レギュレータIC105で所定の電圧に調整されて供給される。ここで、1つの電源レギュレータIC105は、図1で示したとおり同じ配線111を通じて、第1の複合慣性センサ102に加えて第2の複合慣性センサ103へも電源を供給する。
供給された電源は、信号処理集積回路チップ204内のLSIレギュレータ部502により電圧がさらに調整され、信号処理集積回路チップ204のアナログ部基準電圧として用いられる。このアナログ部基準電圧は、例えば、発振器503、キャリア生成部504、駆動信号生成部505、駆動側CV変換部508、駆動側ADC部509、検出側CV変換部513、検出側ADC部514、Y側CV変換部516、Y側ADC部517、X側CV変換部518、X側ADC部519、温度センサ522、キャリア生成部524に対して、図6の太線で示すように供給されることが好ましい。
なお、第1の複合慣性センサ102の信号処理集積回路チップ204はLSIレギュレータ部502を備えず、電源レギュレータIC105から供給される電源が信号処理集積回路チップ204内の各部へ直接に供給されてもよい。
以下に、信号処理集積回路チップ204における加速度検出の信号処理について述べる。信号処理集積回路チップ204は、発振器503で周波数数100KHz程度の交流信号を生成する。この交流信号はキャリア生成部524で所定の電圧レベルに調整され、加速度検出エレメントチップ205の検出マス部211cに、パッド207とボンディングワイヤ208を通じて印加される。この交流信号をキャリア信号と呼ぶ。
検出マス部211cに印加されるキャリア信号は交流信号であるので、検出マス部211cと検出電極211b−1、211b−2との静電容量に加速度の印加による変化があると、検出電極211b−1、211b−2の交流電流に変化が生じる。この交流電流の変化を静電容量の変化であるとして、この静電容量はCV変換部516で電圧信号に変換され、ADC(Analog-Digital Convertor)部517を通じてデジタル信号へと変換される。
また、加速度検出エレメントチップ205の検出マス部212cにもキャリア信号がキャリア生成部524から印加され、検出電極212b−1、212b−2の交流電流の変化を静電容量の変化であるとして、この静電容量はCV変換部518で電圧信号に変換され、ADC部519を通じてデジタル信号へと変換される。そして、ADC部517とADC部519で変換されたデジタル信号は補正回路521に入力される。
メモリ520には補正内容があらかじめ格納されており、補正回路521はメモリ520の補正内容に従ってオフセットや感度の補正を行ったり、温度センサ522の出力に応じた温度依存性補償を行ったりした後、SPI(Serial Peripheral Interface)通信等のデジタル通信回路523を通じて第1の複合慣性センサ102外へ検出した加速度の情報を出力する。
次に、信号処理集積回路チップ204における角速度検出の信号処理について述べる。角速度の検出には、検出マス部210fを一定の周波数および振幅で振動させる必要がある。これを実現するため、信号処理集積回路チップ204は、発振器503を用いて、検出マス部210fを振動させるための駆動信号となる交流信号を生成する。
図6の例では、加速度検出のためにキャリア生成部524へ出力する発振器503を、角速度検出のための交流信号の生成にも兼用するが、加速度検出のための発振器とは独立な別個体の発振器であってもよい。加速度検出と角速度検出とで異なる周波数の交流信号が使用される場合は、発振器503の出力に図示を省略した分周器や逓倍器が備えられて、それぞれの交流信号が生成されてもよい。
発振器503から出力された交流信号は、駆動信号生成部505にて所定の電圧に増幅され、さらにゲイン調整部506を通じて、角速度検出エレメントチップ206の駆動電極210b−2へ印加される。また、ゲイン調整部506の出力が位相反転器507で位相反転された交流信号は、駆動電極210b−1へ印加される。これらの交流信号の印加によって静電力が生じ、検出マス部210fは振動する。
この振動の振幅と周波数を検出するため、発振器503は周波数が数100KHz程度の交流信号を生成する。この周波数は静電容量検出のためのキャリア信号と同じであっても、異なっていてもよい。周波数が同じである場合は、回路構成が単純になるものの、信号カップリングの発生する可能性があるため、異なる周波数を用いる方が好ましい。
発振器503から出力された交流信号はキャリア生成部504で所定の電圧レベルに調整され、角速度検出エレメントチップ206の検出マス部210fに、パッド207とボンディングワイヤ208を通じて印加される。この交流電圧信号をキャリア信号と呼ぶ。検出マス部210fに印加されるキャリア信号は交流信号であるので、検出マス部210fに変位があると、検出マス部210fと駆動モニタ電極210a−1、210a−2との静電容量が変化し、駆動モニタ電極210a−1、210a−2の交流電流に変化が生じる。
この交流電流の変化を静電容量の変化であるとして、この静電容量はCV変換部508で電圧信号に変換され、ADC部509を経て同期検波部510に送られる。同期検波部510は、検出マス部210fの駆動振動と所定の周波数との位相差と、検出マス部210f変位の振幅成分の2つを抽出し、抽出された位相差を周波数制御部511へ出力し、抽出された振幅成分を振幅制御部512へ出力する。
周波数制御部511は、検出マス部210fの駆動振動との位相差に基づいて、駆動振動の周波数と所定の周波数とが一致するよう、発振器503へ制御信号を出力する。また、振幅制御部512は、あらかじめ定められた検出マス部210fの駆動振幅を維持するよう、ゲイン調整部506へ制御信号を出力する。これら2つの制御信号によって、検出マス部210fの駆動振動は一定の振幅と一定の周波数が維持される。
角速度検出エレメントチップ206の検出マス部210fの駆動振動が維持されている状態で、角速度が印加されると、コリオリ力によって検出電極210d−1、210d−2に対する検出マス部210fの変位が発生し、検出マス部210fと検出電極210d−1、210d−2との静電容量に変化をもたらす。キャリア生成部504から検出マス部210fにキャリア信号が印加されているため、静電容量はCV変換部513で電圧信号に変換され、ADC部514を通じて検出部515へ送られる。
検出部515は、同期検波処理によって検出マス部210fの変位が持つ振幅成分を抽出して、検出マス部210fに加わった力すなわちコリオリ力を算出する。算出されたコリオリ力は、式2に示すとおり印加角速度に比例する力であり、他の係数は定数であるので、検出した印加角速度と言ってよい。検出した印加角速度は、補正回路521でオフセット・ゲイン調整を行ったり、温度センサ522の出力に応じた温度依存性補償を行ったりした後、デジタル通信回路523を通じて第1の複合慣性センサ102外へ出力される。
ところで、駆動振幅が大きくなり駆動方向の速度も大きくなると、式2に示す通り、角速度によって発生するコリオリ力もこれに比例して大きくなる。従って、センサの感度(Scale Factor)を大きくするという観点では、駆動振幅を最大化することが望ましい。限られた電圧範囲内で最大の駆動振幅を得るためには、検出マス部210fの共振周波数で駆動することが効率上、好適である。従って、周波数制御部511は、駆動信号を、検出マス部210fの共振周波数(一般に、固有振動数とほぼ同一)にするように制御することが好ましい。
第1の複合慣性センサ102は単一電源で動作する回路であってもよいし、複数の電圧の電源で動作する回路であってもよい。単一電源で動作する回路である場合、電源レギュレータIC105とLSIレギュレータ部502は電源として1つの電圧を出力してもよい。
1つの電源電圧を用いて、正方向の加速度または角速度と、負方向の加速度または角速度をアナログ信号で表すために、例えば、加速度または角速度が印加されていない状態のアナログ信号は電源電圧の半分の電圧であってもよい。そして、正方向を表すアナログ信号は電源電圧の半分の電圧より大きい電圧であり、負方向を表すアナログ信号は電源電圧の半部の電圧より小さい電圧であってもよい。
デジタル通信回路523の加速度および角速度の情報は、正方向の情報と負方向の情報を含み、例えば2の補数表現に基づいて、正方向を正の値、負方向を負の値とする極性が含まれてもよい。また、デジタル通信回路523は第1の複合慣性センサ102の外からデータ要求を受信し、データ要求を受信した時点での加速度または角速度の情報のデータを送信してもよい。特に、マイクロコントローラ104からデータ要求を受信し、マイクロコントローラ104へデータを送信してもよい。
次に、マイクロコントローラ104の信号処理について説明する。マイクロコントローラ104は、第1の複合慣性センサ102と第2の複合慣性センサ103から得られた合計2軸角速度出力と、3軸加速度出力(ただし、3軸の中の1軸加速度は2つの複合慣性センサから得られる)を得て、これらの情報からセンサパッケージ部101の姿勢を計算する。
加速度と角速度を用いて姿勢が計算される場合、マイクロコントローラ104は、例えば、初期姿勢を加速度センサ出力と逆三角関数を用いて計算し、それ以降の姿勢変化は角速度の時間積分によって得る相対変化を用いる信号処理を行う。また、いわゆるカルマンフィルタ(Kalman Filter)のような常に加速度と角速度の値を用いるフィルタリング技術を実装し、直接対象の姿勢を推定したり、相補フィルタ(Complemental Filter)と呼ばれる応用に相当する、センサの誤差を推定したりすることで、姿勢を求める信号処理をしていてもよい。
いずれの信号処理であっても、絶対姿勢を検出するための加速度が必要になるため、加速度センサの高精度化が、姿勢を推定する上で重要である。そこで、本実施例では、2つの3軸複合慣性センサの各1軸を共通の検出軸とする。すなわち、図1の例では、第1の複合慣性センサ102の第1の加速度検出軸108aと第2の複合慣性センサ103の第3の加速度検出軸106aを検出方向の異なる重複した検出軸(X軸)とするように、第1の複合慣性センサ102と第2の複合慣性センサ103が配置される。
そして、第1の加速度検出軸108aの信号と第3の加速度検出軸106aの信号とが合成され、X軸の加速度として算出される信号品質(SNR、Signal to Noise Ratio)が改善される。このために、マイクロコントローラ104は、第1の加速度検出軸108aの信号と第3の加速度検出軸106aの信号の例えば差分計算を行う。この差分計算は図7に示すように、第1の加速度検出軸108aの出力と第3の加速度検出軸106aの出力のそれぞれを信号XG+と信号XG-とし、信号XG-を極性反転して2つの信号を加算し、半分にして信号XG+’を得てもよい。
例えば、図9に示すように、第1の加速度検出軸108aと第3の加速度検出軸106aに共通のノイズ要因(コモンノイズ)は、それぞれのセンサ出力である信号XG+と信号XG-に同相で現れる(同相ノイズ)。これに対してマイクロコントローラ104は、逆の感度を有する同一物理量を測る軸同士の信号の一方を極性反転して加算しているため、信号XG+’としてコモンノイズがキャンセルされた信号を得られる。
本実施例におけるコモンノイズの例は、電源レギュレータIC105が、第1の複合慣性センサ102と第2の複合慣性センサ103に共通であるので、電源レギュレータIC105の出力する電圧に変動が生じると、第1の複合慣性センサ102の出力と第2の複合慣性センサ103の出力に現れるノイズである。
この電圧の変動の場合、図9において、「Voltage」は単一電源の電圧であって、電圧が一時的に低下すると、アナログ信号である信号XG+の電圧も電源電圧に従って低下する。アナログ信号である信号XG-の「0」は電源電圧の半分の電圧であるから、信号XG-の電圧は「0」からの差が大きくなるように変化し、図9のようになる。
また、センサパッケージ部101の設置環境に応じて生じる外来電磁波等による影響も、物理的距離が近い第1の複合慣性センサ102と第2の複合慣性センサ103の出力においては、コモンノイズとして現れる。これらのコモンノイズをキャンセルすることは、加速度センサの信号品質改善に好適であり、ひいては姿勢計算の高精度化に有益である。
さらに、図10に示すように、電源や外来電磁波等に限らず、第1の複合慣性センサ102の出力と第2の複合慣性センサ103の出力には、例えばブラウン運動による検出マス部のランダムな変位や検出に関わる回路の熱雑音等が、無相関なノイズとして発生する。このような無相関なノイズについても、マイクロコントローラ104は、逆の感度を有する同一物理量を測る軸同士の信号の一方を極性反転して加算しているため、信号成分は2倍、ノイズ成分は√2倍となり、信号XG+’の信号品質は√2倍(3dB)の改善となる。
本実施例においては、第1の加速度検出軸108aと第3の加速度検出軸106aが逆の感度を有する同一物理量(軸を含む)を測る構成としているが、同一の感度を有してコモンノイズが逆の極性方向に出る場合、あるいは同一の感度を有して無相関なノイズが出る場合は、図7に示した一方を極性反転して加算する処理を、極性反転せずに加算する処理に置き換えてもよい。さらに、図6に示した第1の複合慣性センサ102に搭載された温度センサ522についても、同様の信号処理を施してもよく、他の複合慣性センサの温度センサについても、同様の信号処理を施してもよい。
また、カルマンフィルタのように加速度センサの出力と角速度センサの出力を常にフィルタ入力に用いて対象の姿勢を検出する信号処理を行う場合においても、逆の感度を有する同一物理量(軸を含む)を測る第1の加速度検出軸108aと第3の加速度検出軸106aの両方の出力をフィルタに入力することで、姿勢検出の精度向上が得られる。
例えば、図8に示すようなカルマンフィルタの一種である相補フィルタを用いる例を説明する。ここで、θGyroは角速度センサの時間積分によって計算された姿勢、θXG+、θXG-はそれぞれ加速度センサの出力から逆三角関数によって計算された姿勢である。この相補フィルタは、角速度センサの時間積分の誤差を推定し、これを補償する。
このとき、本実施例の構成であれば、図8のように、相補フィルタに入力する信号(θGyro、θXG-)を増やすことができる。相補フィルタでは、入力された複数の信号によりもっともらしいθGyroの誤差を推定するので、θXG+とθXG-に独立した信号成分が含まれていれば、相補フィルタの誤差推定精度を向上することができる。
なお、マイクロコントローラ104は、同一物理量(軸を含む)を測る第1の加速度検出軸108aと第3の加速度検出軸106aのそれぞれにおいて検出される加速度の信号の帯域よりも2倍以上早いサンプルレートで、第1の複合慣性センサ102と第2の複合慣性センサ103のそれぞれからデータを読み出す。図11に、一例として第3の加速度検出軸106aにおいて検出される加速度の信号が100Hzの帯域を有している際の周波数応答グラフを示す。すなわち、少なくとも-3dBの応答低下がある周波数100Hzを、第3の加速度検出軸106aにおいて検出される信号の帯域の上限としている。
そして、この帯域である少なくとも直流から100Hzまでには、加速度を表す信号成分、コモンノイズ、および相関のないノイズが含まれており、マイクロコントローラ104でのサンプリングレート(読み出し速度、複合慣性センサへのデータ要求の送信間隔)が200Hz未満であると、加速度を表す信号成分、コモンノイズ、および相関のないノイズの信号波形をエイリアシング現象によって歪ませ、以上で説明したとおりの動作を得られない可能性がある。このため、図11の矢印701で示す200Hz以上すなわち2倍以上早いサンプルレートであることが望ましい。
以上のように、本実施例において得られる逆の感度を有する同一物理量(軸を含む)を測る第1の加速度検出軸108aと第3の加速度検出軸106aを活用した信号品質改善は、特に新たな加速度検出軸を追加して得るものではなく、それ単体で加速度・角速度センサとしての機能を提供する3軸センサモジュールを2つ使う構成において必然的に重複する検出軸を、信号処理の入力として活用してもよい。これにより、特別なコスト(ハード費用、開発期間、設置面積)を追加することなく、精度の良い加速度センサ出力、すなわち絶対姿勢の検出を実現すること可能となる。
実施例1では、第1の複合慣性センサ102が第1の検出エレメント211と第2の検出エレメント212を備えて、2つの検出軸とする例を説明したが、実施例2では、2つの検出軸を有する第1の検出エレメント211の例を説明する。図12は実施例2の複合慣性センサの例を示す上面図であり、図13は実施例2の複合慣性センサの例を示す側面図である。図2、3を用いて既に説明した構造は、説明を省略する。
ばね部211fは、図12のX軸とY軸の両方に検出マス部211cが変位できる自由度を有し、図12のX方向への静的な線形加速度が印加された際の変位は検出電極211eで検出され、図12のY方向への静的な線形加速度が印加された際の変位は検出電極211bで検出される。これにより、第1の検出エレメント211は2軸の加速度検出を行う。そして、図1に示したセンサパッケージ部101の第1の複合慣性センサ102を図12、13に示した構造とする。
かかる構成とすることで、実施の形態1と同様の長所を活かしつつ、加速度検出エレメントチップ205の面積縮小等、より小型化・低価格化を実現できる。
実施例1では、第1の複合慣性センサ102と第2の複合慣性センサ103を図1に示す配置とする例を説明したが、実施例3では、第1の複合慣性センサ402と第2の複合慣性センサ403を図14に示す配置とする例を説明する。図14は実施例3の慣性センサの例を示す図である。実施例3の慣性センサは、センサパッケージ部401に、第1の複合慣性センサ402と、第2の複合慣性センサ403と、マイクロコントローラ404と、電源レギュレータIC405を有する。電源レギュレータIC405は第1の複合慣性センサ402と第2の複合慣性センサ403に電源を供給する。
ここで、実施例3の慣性センサは、実施例1の慣性センサと異なり、第1の複合慣性センサ402と第2の複合慣性センサ403が、同一形状の略直方体であって、それらの同一の面に対して同一の検出軸を有する、物理的および電気的に同一仕様の複合慣性センサであるが、第1の複合慣性センサ402とマイクロコントローラ404と電源レギュレータIC405の配置された面(XY面)に対して略垂直の段差411(XZ面)に第2の複合慣性センサ403は配置される。
このため、例えば、第1の複合慣性センサ402は、図14のX正方向に加速度感度を持つ第1の加速度検出軸407aと、図14のY正方向に加速度感度を持つ第2の加速度検出軸407bと、図14のZ軸回り正方向(Yaw)に角速度感度を持つ第1の角速度検出軸408を備えているのに対し、第2の複合慣性センサ403は、図14のX負方向に加速度感度を持つ第3の加速度検出軸408aと、図14のZ正方向に加速度感度を持つ第4の加速度検出軸408bと、図14のY軸回り正方向(Roll)に角速度感度を持つ第2の角速度検出軸409を備えることとなる。
これにより、図14に示した慣性センサは、X方向、Y方向、Z方向の加速度を検出でき、YewとRollの角速度を検出できるとともに、図1に示した慣性センサの例と同じくX正方向の加速度とX負方向の加速度を独立して検出できる。
かかる構成とすることは、実施例1に比較して以下のような利点がある。すなわち、逆の感度を有する同一物理量を測る第1の加速度検出軸407aと第3の加速度検出軸408aの差分計算を行うことで、実施例1で示した信号品質の改善効果を得ることができる。
さらに、第1の複合慣性センサ402と第2の複合慣性センサ403は、同一仕様の3軸センサモジュールであるので、電源レギュレータIC405の変動に追従して発生するコモンノイズの変動量や、感度に加え、温度依存性(バイアス、感度)も2つの3軸センサモジュール間で極めて近い特性を有することが期待される。これらは差動でキャンセルされることが期待されるので、実施例3として有用な効果を得られる。
実施例1〜3では2つの複合慣性センサを用いる例を説明したが、実施例4では3つの複合慣性センサを用いる例を説明する。図15は実施例4の慣性センサの例を示す図である。実施例4の慣性センサは、センサパッケージ部101に、第1の複合慣性センサ601と、第2の複合慣性センサ602と、第3の複合慣性センサ603と、マイクロコントローラ(図示省略)と、電源レギュレータIC605を有する。電源レギュレータIC605は第1の複合慣性センサ601と第2の複合慣性センサ602と第3の複合慣性センサ603に電源を供給する。
ここで、基板610がセンサパッケージ部101内でXY面となるように配置された両面基板であり、第2の複合慣性センサ602と第3の複合慣性センサ603は、基板610の同一面に実装され、第1の複合慣性センサ601は、第2の複合慣性センサ602と第3の複合慣性センサ603が実装されている基板610の裏側に実装されている。また、第1の複合慣性センサ601は、第3の複合慣性センサ603と同一仕様の複合慣性センサすなわちセンサモジュールである。
本実施例においては、図15に示すように、第1の複合慣性センサ601の第1の加速度検出軸604aと、第2の複合慣性センサ602の第2の加速度検出軸605bが逆の感度を有する同一物理量を測る加速度検出軸に該当する。また、第1の複合慣性センサ601の第2の加速度検出軸604bと、第3の複合慣性センサ603の第2の加速度検出軸606bが逆の感度を有する同一物理量を測る加速度検出軸に該当する。また、第2の複合慣性センサ602の第1の加速度検出軸605aと、第3の複合慣性センサ603の第1の加速度検出軸606aが逆の感度を有する同一物理量を測る加速度検出軸に該当する。
そして、本実施例において、電源レギュレータIC605が3軸に関わる複合慣性センサへ電圧を供給しているため、電源変動に対するコモンノイズのキャンセル効果は、3軸の加速度について得ることができ、実施例1で示した逆の感度を有する同一物理量を測る加速度検出軸の合成による信号品質の改善を、3軸の加速度について得ることができる。
なお、実施例3で説明したように、センサパッケージ部101内に段差(図示省略)が設けられ、第2の複合慣性センサ602の代わりに、第1の複合慣性センサ601および第3の複合慣性センサ603と同一仕様の複合慣性センサが段差に実装されてもよい。これにより、3つの複合慣性センサが同一仕様となるため、3軸において実施例3で説明した効果が得られる。
さらに、同様の効果を得るために、複合慣性センサが、例えば2軸角速度検出、3軸加速度検出の構造を有するものであってもよい。この5軸複合慣性センサを2つ用いることで同様の効果、すなわち逆の感度を有する同一物理量を測る加速度検出軸の合成による信号品質の改善を、3軸の加速度について得ることができる。
実施例1〜4ではセンサパッケージ部101、401の中にマイクロコントローラ104、404が備えられる例を説明したが、実施例5ではマイクロコントローラ1104がセンサパッケージ部1010a、1010bの外に備えられる例を説明する。図16は実施例5の慣性センサの例を示す図である。センサパッケージ部1010a、1010bのそれぞれはコネクタ1100a、1100bに接続された通信バス1101を介して、基板1102上に設置された通信IC1103に接続される。
基板1102上で、通信IC1103は通信線1105を介してマイクロコントローラ1104と位置情報取得モジュール1106に接続される。マイクロコントローラ1104は、実施例1〜4のマイクロコントローラ104、404より計算能力の高いMPU(Micro Processing Unit)を含み、主に実施例1で説明した信号品質の改善を図るため同一物理量を測る加速度検出軸を用いる信号処理を実行する。これにより、姿勢検出のための信号処理が複雑な手順であっても、これを処理することができる上、実施例1に示した利点も引き続き得ることができる。
位置情報取得モジュール1106はGPS(Global Positioning System)受信機のような地球上の絶対座標を得るシステムのためのモジュールであってもよい。この場合、マイクロコントローラ1104で地球上の緯度によって異なる重力を補正することで、姿勢検出精度の向上が見込める。なお、センサパッケージ部1010a、1010bは実施例1〜4で説明したセンサパッケージ部101、401のいずれかであってもよい。
実施例1〜5では1つの複合慣性センサが複数の検出軸を有する例を説明したが、実施例6では1つの複合慣性センサが1つの検出軸を有する例を説明する。図17は実施例6の慣性センサの例を示す図である。実施例6の慣性センサは、センサパッケージ部1201に、第1の慣性センサ1202と、第2の慣性センサ1203と、マイクロコントローラ1204と、電源レギュレータIC1205を有する。
第1の慣性センサ1202は、図17のX正方向に加速度感度を持つ第1の加速度検出軸1206を備え、第2の慣性センサ1203は、図17のX負方向に加速度感度を持つ第2の加速度検出軸1207を備えている。電源IC1205は第1の慣性センサ1202と第2の慣性センサ1203に電源を供給する。
かかる構成においても、傾きを1つの検出軸で計測することは可能である。すなわち、X正方向の加速度出力をXoutとすると、値域の限定こそあるが、Sin-1(Xout)で1つの検出軸の傾きを得られる。従って、実施例1で示した信号処理を適用することで、逆の感度を有する同一角速度を測る2つの出力を合成し、傾きを精度良く算出することが可能である。
また、本実施の慣性センサが角速度センサである場合は、初期傾きは得られないものの、実施例1で示した信号処理を適用することで、逆の感度を有する同一角速度を測る2つの出力を合成し、相対的な傾きを精度良く算出することができる。
実施例1〜6では慣性センサの例を説明したが、実施例7では慣性センサの応用の例を説明する。図18は自動車1301の例を示す図である。実施例7の自動車1301は、第1のセンサパッケージ部1302と、第2のセンサパッケージ部1303と、それらを接続する通信路1304を、自動車1301内に含む。
第1のセンサパッケージ部1302は、図1に示す第1の複合慣性センサ102と、マイクロコントローラ104と、電源レギュレータIC105を有し、第1のセンサパッケージ部1302の第1の複合慣性センサ102は、図1のX正方向に加速度感度を持つ第1の加速度検出軸108aと、図1のY正方向に加速度感度を持つ第2の加速度検出軸108bと、図1のZ軸回り正方向(Yaw)に角速度感度を持つ第1の角速度検出軸109を備える。
第2のセンサパッケージ部1303は、自動車1301内に設置され、自動車の姿勢検出以外の用途向けの慣性センサである。そして、第2のセンサパッケージ部1303の慣性センサの少なくとも1つの加速度検出軸は、第1の加速度検出軸108aあるいは第2の加速度検出軸108bと逆の感度を有する同一物理量を測る慣性センサを含む。
そして、第1のセンサパッケージ部1302のマイクロコントローラ104は通信路1304を介して第2のセンサパッケージ部1303から検出された加速度を取得し、第1のセンサパッケージ部1302内で検出された加速度と合成することにより信号品質を改善する。得られた加速度は、自動車1301の運転の制御に用いられてもよい。
かかる構成によって、あらかじめ自動車に設置されている慣性センサを利用し、信号品質を改善することができる。このことは、自動運転や安全運転支援システムといった車両姿勢検出が重要なアプリケーションを、低コストで実現し得るために好適である。また、本実施例は、自動車以外であっても、ロボットやドローン等、慣性センサを用いて姿勢制御を行う装置に活用可能である。
101 センサパッケージ部
102 第1の複合慣性センサ
103 第2の複合慣性センサ
104 マイクロコントローラ
105 電源レギュレータIC
106a 第3の加速度検出軸
108a 第1の加速度検出軸
111 配線

Claims (9)

  1. 複数の検出軸での検出結果を出力する物理センサを複数備えたセンサ装置と、前記センサ装置の出力を時間積分して測定対象の加速度及び角速度を計算するセンサパッケージであって、
    前記加速度及び前記角速度の複数の検出軸のそれぞれは、検出軸にそった検出方向があり、
    複数の前記物理センサの中の第1の物理センサは、前記第1の物理センサの複数の検出軸の中に第1の検出軸を有し、
    複数の前記物理センサの中の第2の物理センサは、前記第2の物理センサの複数の検出軸の中に第2の検出軸を有し、
    前記第1の検出軸と前記第2の検出軸は重複し、前記第1の検出軸の検出方向と前記第2の検出軸の検出方向は逆方向となるように、前記第1の物理センサと前記第2の物理センサが配置され
    前記第1の検出軸と前記第2の検出軸から検出される加速度を示す信号が入力されるコントローラを有し、
    前記コントローラは、前記加速度を示す信号から前記第1の物理センサ及び前記第2の物理センサに生じる誤差を推定する相補フィルタを有すること
    を特徴とするセンサパッケージ
  2. 請求項1に記載のセンサパッケージであって、
    前記第1の物理センサは、前記第1の検出軸を含む加速度を検出する二つの検出軸と、角速度を検出する一つの検出軸を有する第1の3軸センサモジュールであり、
    前記第2の物理センサは、前記第2の検出軸を含む加速度を検出する二つの検出軸と、角速度を検出する一つの検出軸を有する第2の3軸センサモジュールであること
    を特徴とするセンサパッケージ
  3. 請求項に記載のセンサパッケージであって、
    前記第1の物理センサと前記第2の物理センサは共通の電源が供給されること
    を特徴とするセンサパッケージ
  4. 請求項2に記載のセンサパッケージであって、
    前記第1の物理センサは、前記第1の物理センサの複数の検出軸の中に、第1の検出軸と直交する第3の検出軸をさらに有し、
    前記第2の物理センサは、前記第2の物理センサの複数の検出軸の中に、第2の検出軸と直交する第4の検出軸をさらに有し、
    さらに前記第3の検出軸と前記第4の検出軸は直交するように、前記第1の物理センサと前記第2の物理センサが配置され、前記第1の検出軸と前記第3の検出軸と前記第4の検出軸により3軸物理センサとなること
    を特徴とするセンサパッケージ
  5. 請求項4に記載のセンサパッケージであって、
    前記第1の物理センサは、
    前記第1の検出軸と前記第3の検出軸のいずれとも直交する第5の検出軸をさらに有し、
    前記第1の検出軸と前記第3の検出軸で加速度を検出し、
    前記第5の検出軸で角速度を検出し、
    前記第2の物理センサは、
    前記第2の検出軸と前記第4の検出軸のいずれとも直交する第6の検出軸をさらに有し、
    前記第2の検出軸と前記第4の検出軸で加速度を検出し、
    前記第6の検出軸で角速度を検出すること
    を特徴とするセンサパッケージ
  6. 請求項2に記載のセンサパッケージであって、
    互いに直交する第1の基板と第2の基板を有し、
    前記第1の物理センサと前記第2の物理センサは、同じ形状であり、
    前記第1の物理センサの第1の面と前記第2の物理センサの第2の面は同じ形状であり、
    前記第1の面と直交する前記第1の物理センサの第3の面と、前記第2の面と直交する前記第2の物理センサの第4の面は同じ形状であり、
    前記第1の基板に前記第1の面が接し、前記第2の基板に前記第2の面が接し、前記第3の面を通過する前記第1の検出軸と、前記第4の面を通過する前記第2の検出軸は重複し、前記第1の検出軸の検出方向と前記第2の検出軸の検出方向は逆方向となるように、前記第1の物理センサと前記第2の物理センサが配置されたこと
    を特徴とするセンサパッケージ
  7. 請求項2に記載のセンサパッケージであって、
    表と裏のある両面基板を有し、
    前記第1の物理センサと前記第2の物理センサは、同じ形状であり、
    前記第1の物理センサの第1の面と前記第2の物理センサの第2の面は同じ形状であり、
    前記第1の物理センサの第3の面と、前記第2の物理センサの第4の面は同じ形状であり、
    前記両面基板の表に前記第1の面が接し、前記両面基板の裏に前記第2の面が接し、前記第3の面を通過する前記第1の検出軸と、前記第4の面を通過する前記第2の検出軸は重複し、前記第1の検出軸の検出方向と前記第2の検出軸の検出方向は逆方向となるように、前記第1の物理センサと前記第2の物理センサが配置されたこと
    を特徴とするセンサパッケージ
  8. 請求項2に記載のセンサパッケージにおいて、
    前記物理センサそれぞれから検出結果が読み出されるサンプルレートは、
    前記物理センサの信号帯域の2倍以上であること
    を特徴とするセンサパッケージ
  9. 請求項1に記載のセンサ装置を備えた自動運転車両であって、
    前記第1の検出軸は加速度を検出する検出軸であり、
    前記第2の検出軸は加速度を検出する検出軸であり、
    前記第1の検出軸での加速度の検出結果と前記第2の検出軸での加速度の検出結果を合成し、前記第1の検出軸での加速度の結果とし、
    前記第1の検出軸での加速度の結果を用いて運転を制御すること
    を特徴とする自動運転車両。
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