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JP6631357B2 - 電子時計 - Google Patents
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Description

本発明は、コンパス機能を備えた電子時計に関する。
従来は、電子コンパス機能を備えた腕時計では、2軸または3軸の磁気センサーを内蔵して、地磁気の方位を計測して磁北を求め、デジタルまたは指針で方位を指示している。このような腕時計では、磁気センサーで求めた磁北の方位に対して偏角を補正することで、真北を指示することも可能である。通常、偏角の設定は、使用者が地図などに記載されている偏角値を数値として入力するか、時計自体を真北に向けるなどの方法で設定していた(例えば、特許文献1)。
特開2006−250933号公報
しかしながら、特許文献1の方法では、使用者が偏角情報を自分で調べるか、使用者が真北を知る必要があり、準備が煩雑であった。偏角は、地磁気モデルから計算できるため、地球上の機器の位置を求めることで偏角を計算することも可能である。したがって、GPS等で機器の位置を求めることができれば、偏角を自動設定することも可能である。しかしながら、使用できる電力が限られている腕時計では、位置座標の取得は消費電力の制約から頻繁に行うことができない。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、消費電力を抑えつつ、また煩雑な準備を行うことなく、偏角の特定が可能な電子時計を提供することを解決課題としている。
以上の課題を解決するため、本発明に係る電子時計の一態様は、磁気検出部と、現在位置の位置情報を受信する受信部と、前記位置情報に基づいて偏角を特定する特定部と、前記磁気検出部の出力と偏角とに基づいて、真北の方向を決定する決定部と、前記決定部により決定された真北の方向を表示する方位表示部と、を備える、ことを特徴とする。
前記態様によれば、受信部が現在位置の位置情報を受信すると、特定部は当該位置情報に基づいて偏角を特定する。決定部は、磁気検出部の出力と、偏角とに基づいて、真北の方向を決定する。方位表示部は、決定部が決定した真北の方向を表示する。したがって、使用者が偏角を調べて入力する、あるいは、使用者が電子時計を真北に向ける等の煩雑な作業を行うことなく、偏角の特定が可能となる。
上述した電子時計の一態様において、タイムゾーンを設定するタイムゾーン設定部をさらに備え、前記特定部は、前記タイムゾーン設定部が前記タイムゾーンを設定する際に用いた前記位置情報に基づいて偏角を特定してもよい。この態様によれば、タイムゾーン設定部は、受信部が受信した現在位置の位置情報に基づいて、タイムゾーンを設定する。特定部は、タイムゾーンを設定する際に用いられた前記位置情報に基づいて偏角を特定する。したがって、受信部における現在位置の位置情報の受信が一度で済むので、消費電力を抑えつつ、かつ、使用者が煩雑な作業を行うことなく、偏角の特定が可能となる。
上述した電子時計の一態様において、前記特定部により特定された前記偏角を表示する偏角表示部と、前記偏角表示部に表示された前記偏角を、使用者の操作に応じて調整する偏角調整部と、をさらに備えてもよい。この態様によれば、特定部により偏角が特定されると、偏角表示部は、特定された偏角を表示する。偏角調整部は、使用者の操作に応じて、偏角表示部に表示された偏角を調整する。したがって、特定部により特定され、偏角表示部によって表示された偏角が基準となって偏角の調整が行われるので、最小限の調整で偏角の設定が可能となる。
上述した電子時計の一態様において、前記特定部は、地磁気分布を表す数式を用いて前記偏角を特定してもよい。この態様によれば、特定部は、地磁気分布を表す数式を用いて偏角を特定するので、使用者が偏角を調べて入力する、あるいは、使用者が電子時計を真北に向ける等の煩雑な作業を行うことなく、偏角の特定が可能となる。
上述した電子時計の一態様において、複数の位置情報に対して複数の偏角が関連付けられた偏角テーブルを記憶する記憶部をさらに備え、前記特定部は、前記偏角テーブルを用いて前記偏角を特定してもよい。この態様によれば、受信部によって現在位置の位置情報が受信されると、特定部は、当該位置情報に関連付けられた偏角を偏角テーブルから読み取り、偏角を特定する。したがって、使用者が偏角を調べて入力する、あるいは、使用者が電子時計を真北に向ける等の煩雑な作業を行うことなく、偏角の特定が可能となる。
上述した電子時計の一態様において、前記記憶部は、前記偏角テーブルを書き換え可能に記憶していてもよい。この態様によれば、偏角が経年変化したとしても、当該経年変化した偏角により新たな偏角テーブルで、記憶部に記憶されている偏角テーブルを書き換えることにより、適切な偏角が特定されることになる。
上述した電子時計の一態様において、使用者の指針操作に応じてタイムゾーンを設定するタイムゾーン設定部をさらに備え、前記特定部は、使用者の開始操作に応じて前記偏角の特定を開始する特定部であって、前記タイムゾーン設定部によるタイムゾーンの設定が行われた場合には、前記開始操作を促す偏角特定促し部をさらに備えてもよい。この態様によれば、使用者の指針操作に応じて、タイムゾーン設定部によりタイムゾーンの設定が行われると、偏角特定促し部は、使用者に対して、偏角の特定の開始操作を促す。使用者がこれに応じて開始操作を行うと、特定部は偏角の特定を開始する。したがって、偏角の特定が必要なタイミングにおいて偏角の特定を促すので、消費電力を抑えつつ、偏角の特定が可能となる。
上述した電子時計の一態様において、使用者の指針操作に応じてタイムゾーンを設定するタイムゾーン設定部をさらに備え、前記特定部は、前記タイムゾーン設定部によるタイムゾーンの設定が行われた場合には、前記偏角を特定してもよい。この態様によれば、使用者の指針操作に応じて、タイムゾーン設定部によりタイムゾーンの設定が行われると、特定部は偏角の特定を開始する。したがって、偏角の特定が必要なタイミングにおいて偏角の特定を促すので、消費電力を抑えつつ、偏角の特定が可能となる。
本発明の第1実施形態に係る電子時計の平面図である。 電子時計の回路構成を示すブロック図である。 電子時計の機能ブロックを示す図である。 地磁気のX成分および地磁気のY成分と、地磁気ベクトルとの関係を示す図である。 磁北および偏角と真北との関係を示す図である。 UTCからの時差と、タイムゾーンとの関係を示す図である。 本発明の第2実施形態における電子時計の回路部の一例を示すブロック図である。 本発明の第2実施形態における電子時計の回路部の他の例を示すブロック図である。 本発明の第3実施形態における電子時計の機能ブロックを示す図である。 秒針をベゼルに表示されたLDNに合わせた例を示す図である。 本発明の第4実施形態における電子時計の機能ブロックを示す図である。 本発明の第4実施形態における偏角表示の例を示す図である。
以下、この発明の好適な実施の形態を、添付図面等を参照しながら詳細に説明する。ただし、各図において、各部の寸法及び縮尺は、実際のものと適宜に異ならせてある。また、以下に述べる実施の形態は、本発明の好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの形態に限られるものではない。
<第1実施形態>
まず、図1ないし図6を参照しつつ本発明の第1実施形態について説明する。図1に、本発明の第1実施形態における電子時計100を示す。電子時計100は、ソーラーパネルで発電した電力により、または当該電力により充電した電池により駆動される電子時計である。電子時計100は、外装ケース80を備えている。外装ケース80は、金属で形成され内部が円筒状のケース胴81に、セラミックまたは金属で形成されたベゼル82が嵌合されて構成されている。なお、本実施形態では、外装ケースを2部品で構成したが、1部品で構成するようにしてもよい。
ベゼル82の内周側には、円盤状の文字板11が時刻表示部分として配置され、この文字板11上には、時刻や日付等を表示する指針13が配置されている。指針13は、時針13aと、分針13bと、秒針13cとから構成される。秒針13cは、コンパス機能を動作させる場合には、方位指針となる。詳しくは後述する。外装ケース80の表面側の開口は、ベゼル82を介してカバーガラス84で塞がれており、カバーガラス84を通じて、内部の文字板11、指針13(時針13a、分針13b、秒針13c)が視認可能となっている。
電子時計100は、竜頭16を手動操作することにより、手動の時刻修正が可能であり、また、操作ボタン17を手動操作することにより、コンパス機能を動作させることが可能である。さらに、操作ボタン17と操作ボタン18とを手動操作することにより、タイムゾーン選択機能を動作させることが可能である。コンパス機能およびタイムゾーン選択機能の詳細については後述する。
電子時計100は、文字板11内に、クロノグラフ時針用小窓12と、インジケーター14と、液晶表示部15とを備えている。クロノグラフ時針用小窓12は、クロノグラフ機能を動作させた際に、時間表示を行う。インジケーター14は、電池の充電状態等、各種機能の表示を行う。また、クロノグラフ時針用小窓12とインジケーター14は、コンパス機能を動作させた際には、偏角の表示のために用いられる。詳しくは後述する。液晶表示部15は、各種情報の表示のために用いられる。
図2に、電子時計100の回路構成を示す。図2に示すように、電子時計100の回路は、CPU20と、操作部21と、RTC22と、モータードライバー23と、液晶ドライバー24と、GPSレシーバー25と、磁気センサー26と、RAM27と、EEPROM28とを備えている。
CPU20は、EEPROM28に格納されたプログラムに基づいて、指針13による時刻表示動作、GPSレシーバー25の受信動作、位置情報に基づく偏角の特定処理、磁気センサー26と偏角に基づく方位決定処理、および方位表示処理等を制御する。
操作部21は、竜頭16、操作ボタン17、および操作ボタン18のそれぞれに連動してオン/オフするスイッチを含んでいる。本実施形態では、操作ボタン17の操作に連動して操作部21のスイッチがオン状態になると、コンパス機能が有効となる。また、操作ボタン18の操作に連動して操作部21のスイッチがオン状態になると、タイムゾーン設定機能が有効となる。さらに、操作ボタン17と操作ボタン18の同時操作に連動して操作部21のスイッチがオン状態になると、偏角の特定処理が開始される。詳しくは後述する。
RTC22は、常時動作し、時刻表示のための内部時刻を計時し内部時刻情報を生成する。内部時刻情報は、電子時計100の内部で計時される時刻の情報であり、図示を省略する水晶振動子によって生成される基準クロック信号によって更新される。CPU20は、RTC22によって生成される内部時刻情報に基づいて、指針13による時刻表示動作を制御する。
モータードライバー23は、CPU20からの制御信号に応じて、ステッピングモーター30に対して駆動信号を出力する。ステッピングモーター30は、時針13a、分針13b、秒針13c、クロノグラフ時針用小窓12用の指針、およびインジケーター14の指針のそれぞれに対応して複数設けられている。ステッピングモーター30は、前記駆動信号に応じて、時針13a、分針13b、秒針13c、クロノグラフ時針用小窓12用の指針、およびインジケーター14の指針を駆動する。
液晶ドライバー24は、CPU20からの表示情報に応じて、液晶表示部15を駆動し、当該表示情報に応じた文字等を液晶表示部15に表示させる。液晶表示部15は、液晶ドライバー24によって駆動され、種々の情報を表示する。
GPSレシーバー25は、GPS衛星からの電波を受けるアンテナ31に接続されており、アンテナ31で受けた電波の信号を処理する受信回路を備えている。当該信号には、現在位置を示す位置情報と、時刻情報等が含まれており、CPU20は、GPSレシーバー25の出力に基づいて現在位置を示す位置情報と、時刻情報とを取得することが可能となっている。
磁気検出部としての磁気センサー26は、本実施形態では2軸の磁気センサーであり、文字板11に平行な2軸方向の地磁気成分を計測する。CPU20は、磁気センサー26から出力される地磁気成分に基づいて、地磁気ベクトルの方向を算出する。
RAM27は、CPU20のワークメモリー、あるいは、一時的なデータの記憶メモリーとして用いられる。EEPROM28は、電源を切っても記憶内容が保持される不揮発性メモリーであり、書き換えが可能になっている。本実施形態においては、EEPROM28には、現在の偏角、および偏角テーブルが書き換え可能に記憶されている。偏角テーブルの詳細については後述する。
図3は電子時計100の機能ブロックを示す図である。図3に示すように、CPU20は、記憶部としてのEEPROM28に記憶されたプログラムを実行することにより、タイムゾーン設定部20a、特定部20b、および決定部20cとして機能する。タイムゾーン設定部20aは、受信部としてのGPSレシーバー25により受信した時刻情報および位置情報に基づいてタイムゾーンの設定を行う。特定部20bは、前記位置情報に基づいて偏角を特定する。決定部20cは、磁気検出部としての磁気センサー26の出力と前記偏角に基づいて、真北の方位を決定する。タイムゾーン設定部20a、特定部20b、および決定部20cの機能の詳細については後述する。
方位表示部31は、前記決定部20cにより決定された真北の方向を表示する。本実施形態においては、モータードライバー23、ステッピングモーター30、および秒針13cが方位表示部34として機能する。
次に、本実施形態の電子時計100におけるコンパス機能について説明する。本実施形態においては、操作ボタン17を押下することにより、コンパス機能が動作するように構成されている。決定部20cとしてのCPU20は、操作部21のスイッチがオン状態となったことを検出すると、操作ボタン17が押下されたと判断し、方位計測を開始する。方位計測は、磁気センサー26から出力される地磁気成分に基づいて、地磁気ベクトルの方向を算出することにより行う。地磁気ベクトルを求めるためには、文字板11に平行な地磁気の水平成分を測定する必要があるため、使用者は、文字板11を水平に保つ。磁気センサー26は、文字板11に平行な地磁気のX成分と、文字板11に平行であって当該X方向に垂直な地磁気のY成分を計測し、決定部20cとしてのCPU20に出力する。図4は、地磁気のX成分および地磁気のY成分と、地磁気ベクトルとの関係を示す図である。CPU20は、図4に示すように、地磁気のX成分と、地磁気のY成分とによって合成される地磁気ベクトルの方位角を算出する。この方位角が、磁北の方位角となる。
図5は、磁北および偏角と真北との関係を示す図である。決定部20cとしてのCPU20は、EEPROM28に記憶された偏角を読み出し、図5に示すように磁北の方位角に対して偏角を足し合わせることにより、真北の方位角を算出し、真北の方向を決定する。この場合、偏角は、予め特定部20bにより特定され、EEPROM28に記憶されているものとする。
CPU20は、算出した真北の方位角に従って、モータードライバー23を制御して、ステッピングモーター30を回転させ、方位指針としての秒針13cが真北を向くように回転させる。このように、本実施形態においては、モータードライバー23、ステッピングモーター30、および秒針13cが、真北の方向を表示する方位表示部34として機能する。本実施形態では、所定の期間、例えば1分間、上述した方位計測と、方位指針としての秒針13cの運針とを、所定間隔、例えば0.5秒ごとに繰り返す。このようにすれば、方位指針としての秒針13cにより、連続的に真北を指示することが可能となる。
本実施形態では、操作ボタン18を押下することにより、タイムゾーン設定機能が動作するように構成されている。タイムゾーン設定部20aとしてのCPU20は、操作部21のスイッチがオン状態となったことを検出すると、GPSレシーバー25に、現在位置の位置情報と時刻情報とを受信させる。図6は、UTC(協定世界時)からの時差と、タイムゾーンとの関係を示す図である。タイムゾーン設定部20aとしてのCPU20は、GPSレシーバー25によって受信した位置情報に基づいて、現在位置がどのタイムゾーンに属しているかを判断し、タイムゾーンを設定する。設定したタイムゾーンは、EEPROM28に記憶させる。
上述したように、タイムゾーン設定を行う際には、GPSレシーバー25により現在位置の位置情報が取得される。そこで、本実施形態では、タイムゾーン設定が行われる際には、その際に取得した前記位置情報に基づいて、偏角の更新処理を行う。偏角値を設定し直す必要があるのは、地球上で大きく移動した場合であり、この場合というのはタイムゾーンの設定を行う必要のある状況と類似しているからである。特定部20bとしてのCPU20は、上述したタイムゾーン設定の際にGPSレシーバー25によって現在位置の位置情報が取得されると、EEPROM28に記憶された偏角テーブルを参照し、当該位置情報に基づく偏角を特定する。偏角テーブルは、例えば磁気偏角分布図等を用いて作成する。磁気偏角分布図とは、地球上の緯度経度と偏角の分布との関係を示す図である。磁気偏角分布図における縦軸は緯度を示し、横軸は経度を示している。また、偏角は例えば5度ごとの間隔の等偏角線により表されている。本実施形態では、このような磁気偏角分布図を、緯度および経度の両方において10度ごとのメッシュ状に分割し、緯度および経度の座標に対する偏角を示す偏角テーブルを予め作成しておく。この偏角テーブルは、EEPROM28に書き換え可能に記憶させる。現在位置の位置情報が、緯度と経度の座標として取得できれば、当該座標に対応する偏角を、前記偏角テーブルから特定することが可能となる。特定部20bとしてのCPU20は、上述したタイムゾーン設定の際にGPSレシーバー25によって現在位置の位置情報が取得されると、当該位置情報が前記偏角テーブルにおけるどの座標値に属するかを判定する。そして、CPU20は、当該座標値に対応する偏角を前記偏角テーブルから読み出し、現在位置における偏角を特定する。CPU20は、特定した偏角により、EEPROM28に記憶されている偏角を更新する。
なお、偏角は、国際標準地球磁場(IGRF − International Geomagnetic Reference Field)や、World Magnetic Model(WMM)といった地磁気モデルを使うことも可能である。地磁気モデルは、地磁気分布を表す数式である。現在位置の位置情報を座標として取得することができれば、地磁気モデルを用いることにより、現在位置の偏角を求めることができる。本実施形態では、上述のように偏角テーブルをEEPROM28に記憶しておく代わりに、地磁気モデルと地磁気パラメーターとをEEPROM28に記憶しておいてもよい。この場合には、特定部20bとしてのCPU20は、GPSレシーバー25によって現在位置の位置情報を取得した際に、EEPROM28に記憶しておいた地磁気モデルを用いて偏角を算出し、現在位置の偏角を特定すればよい。
但し、地磁気モデルを用いて偏角を算出する場合には、CPU20の負荷が大きくなり、消費電力が増大する。そこで、地球の座標を緯度および経度の両方において10度ごとのメッシュ状に分割し、分割した各座標に対する偏角を、予め地磁気モデルを用いて算出して、偏角テーブルを作成しておいてもよい。そして、このように地磁気モデルを用いて作成した偏角テーブルをEEPROM28に記憶しておいてもよい。この場合には、特定部20bとしてのCPU20は、GPSレシーバー25によって現在位置の位置情報を取得した際に、EEPROM28に記憶しておいた、地磁気モデルによる偏角テーブルを用いて偏角を算出し、現在位置の偏角を特定すればよい。
以上のように、本実施形態によれば、タイムゾーンの設定が行われ、GPSレシーバー25による位置情報の取得が行われた際に、当該位置情報を用いて偏角更新処理を行うので、消費電力の大きいGPSレシーバー25の動作を最低限に抑えることができる。GPSレシーバー25を1回動作させるだけで、タイムゾーンの設定と偏角更新処理との両方を行うことができるので、電池寿命を延ばすことが可能となる。また、偏角更新処理は、使用者が地図などに記載されている偏角値を調べて入力する等の操作を行わなくても、タイムゾーンの設定の際に取得した前記位置情報に基づいて行われるので、使用者が煩雑な準備を行う必要がない。
<第2実施形態>
本発明の第2実施形態について図7および図8を参照して説明する。本実施形態は、電子時計100における地磁気パラメーターまたは偏角テーブルの書き換え機能について説明する。図7は、第2実施形態における電子時計100の回路部の一例を示すブロック図である。図7に示すように、本実施形態の電子時計100は、Bluetooth(登録商標)Low Energyによる低電力無線通信チップ40を備えている。低電力無線通信チップ40は、アンテナ32を介して、Bluetooth(登録商標)による無線通信が可能となっている。
地球の磁極は絶えず動いており、磁気偏角には経年変化がある。地磁気モデルにおいては、地磁気のモデル計算をするための地磁気パラメーターは時々更新されている。そこで、本実施形態においては、偏角を計算するための地磁気モデルの地磁気パラメーター、または地磁気モデルから計算した偏角テーブルを、EEPROM28に書き換え可能に記憶しておく。
また、地磁気パラメーター、または地磁気モデルから計算した偏角テーブルの更新プログラムを予めEEPROM28に記憶しておく。この更新プログラムは、竜頭16や操作ボタン17,18等の操作に応じてCPU20が実行するように構成してもよいし、所定期間ごとにCPU20が実行するように構成してもよい。更新プログラムをCPU20が実行すると、CPU20は低電力無線通信チップ40を介して、外部機器から地磁気パラメーター、または地磁気モデルから計算した偏角テーブルを取得する。そして、CPU20は、取得した地磁気パラメーターまたは偏角テーブルを用いて、EEPROM28に記憶されていた地磁気パラメーターまたは偏角テーブルを更新する。このようにすれば、地磁気パラメーター、または地磁気モデルから計算した偏角テーブルを最新のものに更新することができる。
前記更新プログラムは、CPU20が、外部機器からの更新指示を低電力無線通信チップ40により受信した際に実行するようにしてもよい。また、電子時計100にファームウェアアップデート機能を備え、ファームウェアとともに地磁気パラメーター、または地磁気モデルから計算した偏角テーブルを、外部機器から電子時計100に送信するようにしてもよい。この場合には、CPU20は、ファームウェアとともに地磁気パラメーターまたは偏角テーブルを低電力無線通信チップ40により受信すると、EEPROM28に記憶されていた地磁気パラメーターまたは偏角テーブルを更新する。このようにしても、地磁気パラメーター、または地磁気モデルから計算した偏角テーブルを最新のものに更新することができる。
上述した更新指示、または、地磁気パラメーターもしくは地磁気モデルから計算した偏角テーブルは、低電力無線通信チップ40により受信する構成に限定される訳ではない。図8は、本実施形態における電子時計100の回路部の他の例を示すブロック図である。図8に示すように、CPU20に接続された書換え端子41を備えていてもよい。書換え端子41は、例えば、電子時計100の裏蓋を開けた際に、外部機器と接続可能に配置しておく。このようにすれば、外部機器と書換え端子41とを接続することにより、外部機器から、上述した更新指示、または、地磁気パラメーターもしくは偏角テーブルを送信することが可能となる。このようにしても、地磁気パラメーター、または地磁気モデルから計算した偏角テーブルを最新のものに更新することができる。
<第3実施形態>
本発明の第3実施形態について図9および図10を参照して説明する。上述した実施形態においては、タイムゾーン設定の際にGPSレシーバー25により現在位置の位置情報を取得し、当該位置情報を用いて同時に偏角を特定する例を示した。本実施形態では、手動のタイムゾーン設定の際に、使用者に対して偏角の特定の開始を促す。図9は、本実施形態における電子時計100の機能ブロックを示す図である。図9に示すように、本実施形態における電子時計100は、偏角特定促し部33を備えている。本実施形態では、CPU20の制御によって、偏角の特定の開始を促すメッセージを表示させる液晶表示部15が偏角特定促し部33として機能する。
タイムゾーン設定は、GPSを使わずに使用者が手動で行うことも可能である。本実施形態では、例えば、使用者が竜頭16を一段引き出し、操作ボタン17を押下することにより、手動のタイムゾーン設定モードとなる。この状態においては、使用者が竜頭16を操作することにより、秒針13cをベゼル82に表示されたいずれかのタイムゾーンに合わせることが可能となっている。図10は、秒針13cをベゼル82に表示されたLDNに合わせた例を示している。タイムゾーン設定部20aとしてのCPU20は、手動のタイムゾーン設定モードにおいて、秒針13cによっていずれかのタイムゾーンが指定された場合には、現在のタイムゾーンを、指定されたタイムゾーンに更新する。図10に示す例では、CPU20は、タイムゾーンをロンドンのタイムゾーンに設定する。設定したタイムゾーンは、EEPROM28に記憶させる。このように、本実施形態においては、タイムゾーン設定部20aとしてのCPU20は、使用者による指針(秒針13c)の操作に応じてタイムゾーンを設定する。
タイムゾーンの設定を行う必要があるのは、ある国から別の国に移動した場合なので、偏角についても更新する必要があると考えられる。そこで、本実施形態においては、CPU20は、偏角特定促し部33としての液晶表示部15に、偏角の特定を開始する操作を促すメッセージを表示させる。図10に示す例では、液晶表示部15に、“DEC UPD?”というメッセージを表示させる。“DEC UPD?”は、“DECLINATION UPDATE?”の略である。
使用者が、偏角の特定の開始を希望する場合には、例えばこの状態で操作ボタン18を押下する。特定部20bとしてのCPU20は、手動のタイムゾーン設定モードにおいて、操作ボタン18に対応する操作部21のスイッチがオン状態になったことを検出すると、偏角更新処理を開始する。偏角更新処理は、第1実施形態で説明した処理と同様であり、GPSレシーバー25を起動させて現在位置の位置情報を取得し、位置情報に基づいて偏角を特定する。さらに、特定部20bとしてのCPU20は、特定した偏角を現在の偏角として更新し、EEPROM28に記憶させる。
本実施形態においては、使用者が希望した場合に偏角更新処理を行うので、消費電力の大きいGPSレシーバー25の動作を最低限に抑えることができる。したがって、電池寿命を延ばしつつ、かつ、使用者が地図などに記載されている偏角値を調べて入力する等の操作を行わなくても、偏角の更新が可能となる。
なお、手動のタイムゾーン設定が行われた場合に、上述のような偏角の特定の開始を促すメッセージを表示させることなく、偏角更新処理を実行するようにしてもよい。この場合には、特定部20bとしてのCPU20は、手動のタイムゾーン設定が行われた場合に、偏角を特定する特定部として機能することになる。この場合でも、手動のタイムゾーン設定に合わせて偏角更新処理を行うので、消費電力の大きいGPSレシーバー25の動作を最低限に抑えることができる。したがって、電池寿命を延ばしつつ、かつ、使用者が地図などに記載されている偏角値を調べて入力する等の操作を行わなくても、偏角の更新が可能となる。
<第4実施形態>
本発明の第4実施形態について図11および図12を参照して説明する。上述した実施形態においては、タイムゾーン設定の際に、偏角を特定する、あるいは偏角の特定の開始を促す例を示した。本実施形態は、タイムゾーン設定に拘わらず、偏角の調整処理モードにおいて偏角の調整処理を行う。本実施形態では、一例として、使用者が竜頭16を一段引き出し、操作ボタン18を押下することにより、偏角の調整処理モードとなる。
図11は、本実施形態における電子時計100の機能ブロックを示す図である。図11に示すように、本実施形態における電子時計100は、偏角表示部35と、偏角調整部20dとを備えている。偏角表示部35は、電子時計100のモードが偏角の調整処理モードになった際に、CPU20の制御によりEEPROM28に記憶された偏角を表示させる。EEPROM28に記憶された偏角は、特定部20bとしてのCPU20により特定された偏角である。偏角の表示には、図12に示すように、クロノグラフ時針用小窓12の指針と、インジケーター14の指針と、秒針13cが用いられる。クロノグラフ時針用小窓12の指針は、偏角の100の位および10の位を表し、秒針13cは1の位を表す。インジケーター14の指針は、東偏または西偏の極性を、インジケーター14の+または−で表す。磁北が真北より右に傾いている場合を東偏、左に傾いている場合を西偏という。本実施形態では、インジケーター14の+は東偏を表し、−は西偏を表す。図12は、本実施形態における偏角表示の例を示す図である。図12に示す例では、インジケーター14の指針が+を示しているので、東偏であることがわかる。また、クロノグラフ時針用小窓12の指針が0を示しているので、偏角の100の位と10の位は0であることがわかる。さらに、秒針13cが7時を示しているので、偏角の1の位は7であることがわかる。したがって、図12に示す例では、偏角は、東偏7度であることがわかる。このように、本実施形態においては、CPU20の制御によって駆動されるクロノグラフ時針用小窓12の指針と、インジケーター14の指針と、秒針13cが偏角表示部35として機能する。
電子時計100のモードが偏角の調整処理モードになると、まず、特定部20bとしてのCPU20により特定された偏角が、クロノグラフ時針用小窓12の指針と、インジケーター14の指針と、秒針13cとにより表示される。偏角の調整処理モードにおいては、使用者が竜頭16を操作することにより、秒針13cを回転させて偏角の調整を行うことが可能となっている。本実施形態では、操作部21として、竜頭16の回転を検出する回転検出部が備えられている。偏角調整部20dとしてのCPU20は、操作部21の回転検出部により竜頭16の回転を検出すると、竜頭16の回転に応じて秒針13cを回転させる。これにより、偏角表示部35によって表示された偏角を、使用者の操作に応じて調整することが可能となる。使用者が、竜頭16を回転させて偏角を調整した後に、例えば操作ボタン18を押下すると、偏角調整部20dとしてのCPU20は、その時点で秒針13cが指している秒数を読み取り、調整された偏角の値としてし、EEPROM28に記憶させる。このように、本実施形態においては、CPU20が、偏角表示部35に表示された偏角を、使用者の操作に応じて調整する偏角調整部20dとして機能する。
以上のように、本実施形態によれば、偏角の調整を行う際には、まず、特定部20bとしてのCPU20が位置情報に基づいて特定した偏角を表示し、次に、使用者による偏角の調整を行う。したがって、最小限の操作で偏角の調整を行うことが可能となる。
<変形例>
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、例えば次に述べるような各種の変形が可能である。また、次に述べる変形の態様は、任意に選択された一または複数を、適宜に組み合わせることもできる。
(変形例1)
上述した実施形態においては、GPS衛星から現在位置の位置情報を取得する例について説明したが、Wi−Fi(登録商標)の基地局情報等から、現在位置の位置情報を取得するようにしてもよい。
(変形例2)
上述した実施形態においては、タイムゾーンの設定を行った際に、偏角の更新を促し、あるいは、偏角の更新処理を行う例について説明したが、本発明はこのような構成に限定される訳ではない。例えば、偏角の調整を行った際に、タイムゾーンの設定を促し、または、タイムゾーンの設定処理を実行するようにしてもよい。
(変形例3)
上述した実施形態においては、液晶表示部15を用いて偏角の更新を促す例について説明したが、指針13またはインジケーター14の指針あるいはクロノグラフ時針用小窓12の指針をもちいて偏角の更新を促すようにしてもよい。もしくは、これらの指針の組み合わせで偏角の更新を促すようにしてもよい。
11…文字板、12…クロノグラフ時針用小窓、14…インジケーター、13…指針、13a…時針,13b…分針,13c…秒針、15…液晶表示部、16…竜頭、17…操作ボタン、18…操作ボタン、20…CPU、20a…タイムゾーン設定部、20b…特定部、20c…決定部、20d…偏角調整部、21…操作部、22…RTC、23…モータードライバー、24…液晶ドライバー、25…GPSレシーバー(受信部)、26…磁気センサー(磁気検出部)、27…RAM、28…EEPROM(記憶部)、30…ステッピングモーター、31…アンテナ、32…アンテナ、33…偏角特定促し部、34…方位表示部、35…偏角表示部、40…低電力無線通信チップ、41…書換え端子、80…外装ケース、81…ケース胴、82…ベゼル、84…カバーガラス、100…電子時計。

Claims (9)

  1. 磁気検出部と、
    現在位置の位置情報を受信する受信部と、
    前記位置情報に基づいて偏角を特定する特定部と、
    前記磁気検出部の出力と偏角とに基づいて、真北の方向を決定する決定部と、
    前記決定部により決定された真北の方向を表示する方位表示部と、
    前記特定部により特定された前記偏角を表示する偏角表示部と、
    前記偏角表示部に表示された前記偏角を、使用者の操作に応じて調整する偏角調整部と、を備える、
    ことを特徴とする電子時計。
  2. 前記偏角調整部は、使用者の操作に応じた指針の回転により前記偏角の調整を行う、
    ことを特徴とする請求項1記載の電子時計。
  3. タイムゾーンを設定するタイムゾーン設定部をさらに備え、
    前記特定部は、前記タイムゾーン設定部が前記タイムゾーンを設定する際に用いた前記位置情報に基づいて偏角を特定する、
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の電子時計。
  4. 磁気検出部と、
    現在位置の位置情報を受信する受信部と、
    前記受信部が受信した前記位置情報に基づいて偏角を特定する特定部であって、使用者の開始操作に応じて前記偏角の特定を開始する特定部と、
    前記磁気検出部の出力と偏角とに基づいて、真北の方向を決定する決定部と、
    前記決定部により決定された真北の方向を表示する方位表示部と、
    使用者の指針操作に応じてタイムゾーンを設定するタイムゾーン設定部と、
    前記タイムゾーン設定部によるタイムゾーンの設定が行われた場合には、前記開始操作を促す偏角特定促し部と、を備える、
    ことを特徴とする電子時計。
  5. 磁気検出部と、
    現在位置の位置情報を受信する受信部と、
    前記磁気検出部の出力と偏角とに基づいて、真北の方向を決定する決定部と、
    前記決定部により決定された真北の方向を表示する方位表示部と、
    使用者の指針操作に応じてタイムゾーンを設定するタイムゾーン設定部をさらに備え、
    前記受信部が受信した前記位置情報に基づいて偏角を特定する特定部であって、前記タイムゾーン設定部によるタイムゾーンの設定が行われた場合には、前記偏角を特定する特定部と、を備える
    ことを特徴とする電子時計。
  6. 前記タイムゾーン設定部は、使用者の操作に応じて、文字盤の外周に表示された複数のタイムゾーンのうちのいずれかに指針を合わせることで前記タイムゾーンを設定する、
    ことを特徴とする請求項4または請求項5に記載の電子時計。
  7. 前記特定部は、地磁気分布を表す数式を用いて前記偏角を特定する、
    ことを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載の電子時計。
  8. 複数の位置情報に対して複数の偏角が関連付けられた偏角テーブルを記憶する記憶部をさらに備え、
    前記特定部は、前記偏角テーブルを用いて前記偏角を特定する、
    ことを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載の電子時計。
  9. 前記記憶部は、前記偏角テーブルを書き換え可能に記憶する、
    ことを特徴とする請求項8に記載の電子時計。
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