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JP6631442B2 - 車両用乗員拘束装置 - Google Patents
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JP6631442B2 - 車両用乗員拘束装置 - Google Patents

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Description

本発明は、車両用乗員拘束装置に関する。
車両衝突前及び車両衝突時においてウエビング(シートベルト)の張力を高めることにより乗員の身体を拘束して、当該乗員の安全を図る車両用乗員拘束装置が近年の車両には装備されている。乗員を拘束する方式には種々の態様が存在するが、一例として、車両衝突時に火薬を用いたプリテンショナを作動させて乗員の身体をシートに拘束する方式が知られている。
車両衝突時に乗員の身体は慣性により前方に投げ出されるが、火薬式プリテンショナでウエビングをスプールに巻き取って乗員の身体を拘束することにより、乗員の身体をシートに保持することが可能になる。しかしながら、ウエビングによる拘束で慣性により投げ出される乗員の身体を固定すると、ウエビングにより乗員の胸部が強い圧迫(胸たわみ圧迫)を受けるおそれがある。かかる胸たわみ圧迫が強すぎると、乗員を負傷させるおそれがあるので、車両用乗員拘束装置には、ウエビングによる乗員の拘束を適宜緩和するフォースリミッタ機構が設けられる場合がある。
フォースリミッタ機構は、胸たわみ圧迫が過大になった場合に、スプールに巻き取ったウエビングを引き出すことによりウエビングによる乗員の拘束を緩和する。
また、交通事故では、最初の車両衝突である1次衝突後、後続する車両に追突される等による2次衝突が発生するおそれがある。前述のフォースリミッタ機構が作動した後は、ウエビングは緩んだ状態となるので、そのままの状態では2次衝突で乗員の身体をシートに保持することが困難である。特許文献1には、1次衝突時に火薬式プリテンショナを作動させた後の2次衝突対策として、モータでウエビングを巻き取ることにより乗員の身体をシートに再度拘束するシートベルト制御システムの発明が開示されている。
特開2015−096400号公報
しかしながら、1次衝突の衝撃が強くなかった場合には、火薬式プリテンショナは作動しない場合がある。特許文献1に開示されているシートベル制御システムの発明は、1次衝突で火薬式プリテンショナが作動したことを前提に、2次衝突対策としてモータによりウエビングを巻き取る。従って、特許文献1に開示されている発明は、1次衝突で火薬式プリテンショナが作動しなかった場合に、2次衝突で乗員の身体をシートに保持することが困難になるおそれがあった。
本発明は、上記事実を考慮し、2次衝突のおそれがある場合にウエビング(シートベルト)を確実に巻き取る車両用乗員拘束装置を提供することを目的とする。
請求項1に記載の車両用乗員拘束装置は、モータの回転によりシートベルトの巻き取りが可能なモータリトラクタと、車両衝突のおそれ及び車両衝突を検知可能なセンサ群と、前記モータを高速で回転させて前記シートベルトを巻き取る第1の巻き取り制御と、前記モータを前記第1の巻き取り制御よりも低速で回転させて前記シートベルトを巻き取る第2の巻き取り制御と、を切り替えて実行可能な制御部と、を備える車両用乗員拘束装置であって、前記制御部は、前記センサ群の検知結果に基づき、前記車両衝突が検知された際に前記第1の巻き取り制御が実行されず、かつ車両2次衝突の恐れがある場合に、前記第2の巻き取り制御を実行する
請求項1に記載の車両用乗員拘束装置は、車両衝突後になおも車両2次衝突のおそれがある場合に、シートベルトを巻き取るようにモータを回転させる電圧を駆動回路に生成させる。
請求項1に記載の車両用乗員拘束装置は、かかるモータの回転によって2次衝突のおそれがある場合にシートベルトを確実に巻き取る。
請求項2に記載の車両用乗員拘束装置は、請求項1に記載の発明において、前記モータを回転させる電圧を生成する駆動回路と、乗員の意識の有無を検知するための意識検知部と、車両のドアが開いたことを検知する開検知部と、を備え、前記モータリトラクタは、前記シートベルトの巻き取り時とは逆方向の前記モータの回転により前記シートベルトの引き出しが可能で、前記駆動回路は、前記モータを前記逆方向に回転させる電圧を生成し、前記制御部は、車両衝突後、前記意識検知部の検知結果に基づき前記乗員の意識がないと判定した場合で、かつ前記開検知部により車両のドアが開いたことを検知した場合に、前記モータを前記逆方向に回転させる電圧を前記駆動回路に生成させる制御をする。
請求項2に記載の車両用乗員拘束装置は、乗員の意識がない場合には、車両のドアが開いた場合にモータを回転させてシートベルトの拘束を緩めることができる。
請求項3に記載の車両用乗員拘束装置は、請求項2に記載の発明において、前記意識検知部は、前記モータの出力軸の回転角度を検出する回転角度検出部を含み、前記制御部は、前記シートベルトの巻き取り及び引き出しをするように前記モータを回転させる電圧を前記駆動回路に生成させた際、前記回転角度検出部により検出された前記出力軸の回転角度が線形的に変化した場合に前記乗員の意識がないと判定する。
請求項3に記載の車両用乗員拘束装置は、モータを回転させてシートベルトの拘束力を変化させた場合に、乗員が身じろぎしてモータの出力軸の回転角度が非線形的に変化した場合に乗員の意識があると判定し、モータの出力軸の回転角度が線形的に変化した場合に乗員の意識がないと判定することができる。なお、線形的な場合は、狭義には1次関数のような直線的な変化が認められる場合であるが、本願では、回転角度の時系列での変化が極大値又は極小値を有しない一様なものであれば線形的であると判定する。その逆に、回転角度の時系列での変化が極大値又は極小値を有する一様なものでない場合は非線形的であると判定する。
請求項4に記載の車両用乗員拘束装置は、請求項2に記載の発明において、前記意識検知部は、前記乗員の顔の画像データを取得する車室内カメラを含み、前記制御部は、前記車室内カメラが取得した画像データに基づいて前記乗員の意識の有無を判定する。
請求項4に記載の車両用乗員拘束装置は、車室内カメラが取得した乗員の顔の画像データを既知の方法により画像処理することにより、乗員の意識の有無を判定することができる。
請求項1に記載の車両用乗員拘束装置によれば、両衝突後になおも車両2次衝突のおそれがある場合に、シートベルトを巻き取るようにモータを回転させる電圧を駆動回路に生成させることにより、2次衝突のおそれがある場合にシートベルトを確実に巻き取ることが可能になるという効果を奏する。
請求項2に記載の車両用乗員拘束装置によれば、乗員の意識がない場合には、車両のドアが開いた場合にモータを回転させてシートベルトの拘束を緩めることにより、乗員の救出が容易になるという効果を奏する。
請求項3に記載の車両用乗員拘束装置によれば、モータの出力軸の回転角度の変化の態様から、乗員の意識の有無を判定できるという効果を奏する。
請求項4に記載の車両用乗員拘束装置によれば、乗員の顔の画像データから、乗員の意識の有無を判定できるという効果を奏する。
本発明の実施の形態に係る車両用乗員拘束装置の概略構成の一例を示したブロック図である。 本発明の実施の形態に係る車両用乗員拘束装置の回路の一例を示したブロック図である。 本発明の実施の形態に係る車両用乗員拘束装置のシートベルトリトラクタ制御回路の処理の一例を示したフローチャートである。 本発明の実施の形態に係る車両用乗員拘束装置における2次衝突対応処理の一例を示したフローチャートである。
以下、図1、図2を用いて、本実施の形態に係る車両用乗員拘束装置10について説明する。図1において実線は電力が通電される電力線であり、破線は制御信号が通電される信号線である。図1に示されるように、車両用乗員拘束装置10は、シートベルト(ウエビング30)で乗員12を拘束する装置である。
車両用乗員拘束装置10は、シートベルトリトラクタ(モータリトラクタ)20 、ウエビング30、シートベルトリトラクタ駆動回路50(以下、「駆動回路50」と略記)、シートベルトリトラクタ制御回路60(以下、「制御回路60」と略記)、車載のバッテリ80、車両ECU(Electronic Control Unit)82及びセンサ群90を含む。
図1に示される如く、ウエビング30の一端部30A側は、車室床部又はシートクッションフレームに固定されたロワアンカー32に連結されている。ウエビング30の他端部30B側はシートベルトリトラクタ20により巻き取り可能に構成され、シートベルトリトラクタ20から引き出されたウエビング30は、ショルダアンカー34に挿通される。
ウエビング30のショルダアンカー34とロワアンカー32との間には、タングプレート36が設けられている。タングプレート36は、シート14のシートクッション14Aの車幅方向内側に設けられたバックル38に着脱可能となっている。
図1に示したように、シートベルトリトラクタ20から引き出されたウエビング30がショルダアンカー34を介して乗員12の左肩から左胸部、右腹部及び右前腰部上に配設され、かつタングプレート36がバックル38に係合されることにより、ウエビング30は乗員12の身体をシート14に保持する。
バッテリ80は、車両のエンジン始動及び車両の電装品の電源として用いられる二次電池であり、一例として公称電圧が12Vの鉛蓄電池である。
車両ECU82は、車両のエンジン、電装品、その他の装備品を制御する制御装置であり、演算処理装置であるプロセッサ及び記憶装置等によって構成されている。本実施の形態の説明では、車両ECU82には車両衝突を検知する等のためのセンサ群90が接続され、センサ群90によって車両衝突のおそれが検知された場合にはシートベルトリトラクタ20のモータを駆動させてスプール24にウエビング30を巻き取ることによりウエビング30のたるみを除去する。さらに、車両衝突時には、シートベルトリトラクタ20のモータを高速で回転させてウエビング30を迅速に巻き取るようにする。本実施の形態では、モータによって駆動されるプリテンショナを用いることにより、一例としてモータの正回転によってスプール24に巻き取ったウエビング30を、モータを逆回転させることによってスプール24から引き出し、乗員12の身体の拘束を解くことを可能にする。火薬式プリテンショナは一度作動すると再作動が不可能だが、モータで駆動されるプリテンショナは、モータの正回転と逆回転とにより、乗員の身体の拘束と当該拘束の解除とを可逆的に行うことが可能になる。
本実施の形態における、モータの「正回転」及び「逆回転」の記載は便宜上のものである。本実施の形態では、一例として、ウエビング30を巻き取るためのモータの回転方向を「正回転」、ウエビング30を引き出すためのモータの回転方向を「逆回転」として、以下、モータの回転方向の説明を簡略化している。
スプール24の内側にはフォースリミッタ機構40が設けられている。フォースリミッタ機構40は、荷重吸収部材の役割を果たすトーションバー40Aを有し、ウエビング30に付与された引張荷重が所定値を超えると、トーションバー40Aを捩じり変形させつつウエビング30を引き出すようにスプール24を回転させる構成である。
車両ECU82に接続されているセンサ群90は、一例として、ミリ波レーダー90A、レーザーレーダー90B、加速度センサ90C、車載カメラ90D、車室内カメラ90E、ドアセンサ90F及び回転角度センサ90Gである。センサ群90のうち、車両衝突のおそれ及び車両衝突を検知するのは、ミリ波レーダー90A、レーザーレーダー90B、加速度センサ90C及び車載カメラ90Dである。本実施の形態では、センサ群90のうち車両衝突のおそれ及び車両衝突を検知するセンサは、ミリ波レーダー、レーザーレーダー及び車載カメラ90Dの少なくともいずれか1以上と、加速度センサと、を含んで構成される。
ミリ波レーダー90Aは、前方の障害物までの距離を検出する前方ミリ波レーダー、前側方の障害物までの距離を検出する前側方ミリ波レーダー、後方の障害物までの距離を検出する後方ミリ波レーダー、後側方の障害物までの距離を検出する後側方ミリ波レーダーを含む。
前方ミリ波レーダーは、例えば、車両のフロントグリル中央付近に設けられ、前側方ミリ波レーダーは、バンパ内の車幅方向両端付近等に設けられ、それぞれ車両前方や前側方にミリ波を出射することで対象物から反射してきた電波を受信し、伝搬時間やドップラー効果によって生じる周波数差などを基に対象物までの距離や自車との相対速度等を測定する。また、後方ミリ波レーダー及び後側方ミリ波レーダーは、車両のリアバンパー等に設けられ、それぞれ車両後方や後側方にミリ波を出射することで対象物から反射してきた電波を受信し、伝搬時間やドップラー効果によって生じる周波数差などを基に対象物までの距離や自車との相対速度等を測定する。
レーザーレーダー90Bは、ミリ波よりも波長が短いレーザー光を車両前方に照射して障害物を検出する装置であり、ミリ波レーダーでは検出しにくい非金属の物体を比較的容易に検出できる。レーザーレーダーから発信されたレーザー光は、障害物で反射されると、波長及び位相が変化するので、車両ECU82は、かかる変化に基づいて障害物の有無及び障害物までの距離を算出する。
車載カメラ(ステレオカメラ)90Dは、例えば、フロントウインドシールドガラス上方の中央付近車室内に設けられ、車両前方を撮影して、周辺障害物を検出すると共に、障害物までの距離を測定する。
加速度センサは、左右のフロントサイドメンバ又はラジエータサポートの予め定めた位置に設けられ、衝突対象の車両用バンパへの衝突によって発生する加速度を検出するセンサである。
車室内カメラ90Eは、車両室内の乗員の様子を撮影するためのカメラであり、特に運転席の乗員の顔の画像データを取得する。取得された画像データは車両ECU82又は画像処理専用プロセッサ(図示せず)に出力され、車両ECU82又は画像処理専用プロセッサにおいて既知の画像処理により乗員の意識の有無を判定する。
ドアセンサ90Fは、車両のドアの開閉状態を検出するセンサであり、例えば、ドア側に設けられたセンサマグネット(図示せず)の磁界を検出するホールセンサ又はMRセンサ等の磁気センサが用いられる。
一例として、ドアセンサ90Fは、ドアが閉じた状態でドア側に設けられたセンサマグネットと所定の間隙で隔てられて対向するように配置される。ドアが開かれてセンサマグネットとドアセンサ90Fとの距離が拡大すると、ドアセンサ90Fによって検出される磁界の強度が低下する。また、ドアが閉じられて、センサマグネットとドアセンサ90Fとが、前述の所定の間隙で隔てられた状態で対向すると、ドアセンサ90Fによって検出される磁界の強度は極大となる。車両ECU82は、かかる磁界の変化からドアの開閉状態を判定する。
回転角度センサ90Gは、スプール24を回転させるモータの出力軸の端部に設けられたセンサマグネットの磁界を検出する磁気センサであり、一例として、MRセンサ等が用いられる。モータの出力軸が回転すると、センサマグネットの磁界は当該回転に従って変化する。車両ECU82は、回転角度センサ90Gによって検出された磁界の変化からモータの出力軸の回転角度を算出する。なお、回転角度センサ90Gは、本来は、シートベルトリトラクタ20内に設けられるが、図1では便宜上、車両ECU82の近くに記載している。回転角度センサ90Gの配置の一例は、図2を用いて説明する。
車両ECU82は、ミリ波レーダー90A、レーザーレーダー90B、加速度センサ90C及び車載カメラ90Dの検出結果を取得して衝突予測を行う。衝突予測については既知の各種技術を適用することができるので、詳細な説明を省略する。
駆動回路50は、シートベルトリトラクタ20のモータに印加する電圧を生成する回路であり、後述するように、FET(電界効果トランジスタ)等のスイッチング素子で構成されたHブリッジ回路を含んでいる。駆動回路50のHブリッジ回路を構成するスイッチング素子は、制御回路60によって制御される。
制御回路60は、いわゆるマイクロコンピュータであり、前述の駆動回路50のスイッチング素子を制御する。
図2は、本実施の形態に係る車両用乗員拘束装置10の回路の一例を示したブロック図である。制御回路60は、車両ECU82からの指令に基づいて、駆動回路50を制御する。駆動回路50は、各々がN型FETであるFET52A、52B、52C、52Dで構成されたHブリッジ回路であり、FET52Aのソース(S)とFET52Cのドレイン(D)とが接続されると共に、FET52BのソースとFET52Dのドレインとが接続されている。また、FET52A、52Bの各々のドレインは車載のバッテリ80の正極に接続され、FET52C、52Dの各々のソースは、後述する電流検出部70を介して接地されている。
駆動回路50を構成するN型FETの各々は、ゲート(G)に正電荷の電圧が印加されるとドレインとソースとの間が通電可能な状態(オン状態)になるスイッチとして機能する。本実施の形態では、シートベルトリトラクタ20のモータ22がウエビング30をスプール24に巻き取る際には、制御回路60から正電荷の制御信号をFET52A及びFET52Dの各々のゲートに出力することにより、FET52A及びFET52Dをオン状態にして、モータ22を正回転させる。また、制御回路60から正電荷の制御信号をFET52B及びFET52Cの各々のゲートに出力することにより、FET52B及びFET52Cをオン状態にして、モータ22を逆回転させることができる。
モータ22を正回転させる際に、駆動回路50のFET52A及びFET52Dのいずれか一方を断続的にオンオフさせることにより、パルス状の電圧を生成してモータ22に印加するPWM(パルス幅変調)を行う。同様に、モータ22を逆回転させる際に、駆動回路50のFET52B及びFET52Cのいずれか一方を断続的にオンオフさせることにより、パルス状の電圧を生成してモータ22に印加するPWMを行う。前述のように、N型FETは、ゲートに正電荷の制御信号が印加されるとオン状態になるので、制御回路60は、断続的にオンオフを繰り返すパルス状の制御信号をFET52A及びFET52Dのいずれか一方のゲート又はFET52B及びFET52Cのいずれか一方のゲートに出力することにより、上述のPWMによる電圧生成を駆動回路50に実行させる。
モータ22に印加する電圧をパルス状にすることにより、モータ22に印加する電圧の実効電圧値を制御する。モータ22に印加する電圧を制御しない場合、モータ22のコイルの電流値(以下、「モータ電流」と略記)が定格電流値を超えてしまい、モータ22が焼損するおそれがあるが、モータ22に印加する電圧をPWMで生成することにより、実効電圧値を抑制してモータ22が焼損することを防止しつつ、モータ22を高速で回転させることが可能となる。
電流検出部70は、抵抗値が0.2mΩ〜数Ω程度のシャント抵抗70Aの両端の電位差をアンプ70Bで増幅してシャント抵抗70Aの電流に比例する電圧値を信号として出力する。制御回路60は、電流検出部70から出力された信号に基づいてモータ電流を算出する。算出したモータ電流がモータ22の定格電流値を超えるおそれがある場合に、制御回路60は、駆動回路50のスイッチング素子が断続的にオン状態になる時間を短くする制御信号を出力する。かかる制御信号により、駆動回路50は、PWMで生成する電圧のパルス幅を小さくして、実効電圧値を低下させるので、モータ電流が定格電流値を超えることを防止できる。
モータ22は、直流で駆動されるブラシ付きDCモータであり、コイルの一端は駆動回路50を構成するFET52AのソースとFET52Cのドレインとに各々接続され、コイルの他端は駆動回路50を構成するFET52BのソースとFET52Dのドレインとに各々接続されている。
モータ22の出力軸92はシートベルトリトラクタ20のスプール24に接続されており、モータ22が正回転すると、ウエビング30がスプール24に巻き取られる。また、モータ22が逆回転すると、ウエビング30がスプール24から引き出されるようになる。
本実施の形態では、車両衝突時に、モータ22を高速で正回転させてウエビング30を迅速に巻き取る場合には、PWMで生成する電圧のパルス幅を大きくすることにより、モータ22に印加される電圧の実効電圧値を高める。しかしながら、電源であるバッテリ80の電圧では、モータ22を高速回転させることが困難な場合には、車両衝突時にバッテリ80よりも高電圧の電力を供給可能な構成を適宜用いる。
例えば、車両衝突のおそれがある場合に、バッテリ80を蓄えるコンデンサを備え、車両衝突時にはコンデンサを放電させて得た電力を絶縁型DC−DCコンバータのような昇圧回路で昇圧する構成を用いる。又は、複数のコンデンサを含むチャージポンプを用いてもよい。チャージポンプは、複数のコンデンサを並列に接続した状態で当該複数のコンデンサを充電し、当該複数のコンデンサの接続を直列に切り替えて放電することにより高電圧を生成する。ただし、上記の構成を用いて電力を昇圧した場合には、モータ電流が定格電流を超えるリスクが高まるので、前述の電流検出部70の検知結果に基づいて駆動回路50を制御することが望ましい。
回転角度センサ90Gは、スプール24の端部でもある出力軸92の端部に設けられたセンサマグネット94と対向して設けられている。スプール24及び出力軸92が回転すると、センサマグネット94も回転し、当該回転により回転角度センサ90Gによって検出される磁界が変化する。車両ECU82は、当該磁界の変化から出力軸92の回転角度を算出する。
次に本実施の形態の作用について説明する。図3は、本実施の形態に係る車両用乗員拘束装置10の制御回路60の処理の一例を示したフローチャートである。ステップ300では、車両衝突のおそれがあるか否かを判定する。本実施の形態では、一例として、ミリ波レーダー90A、レーザーレーダー90B及び車載カメラ90Dの検知結果に基づいて車両ECU82が車両の自動ブレーキを作動させた場合を車両衝突のおそれがある場合として、ステップ300で肯定判定をする。ステップ300で否定判定の場合には、ミリ波レーダー90A、レーザーレーダー90B、加速度センサ90C及び車載カメラ90Dによる検知を継続する。
ステップ300で肯定判定の場合には、ステップ302でモータ22を低速で正回転させるように駆動回路50を制御する。制御回路60は、モータ22をウエビング30のたるみを取るのに至適な回転速度で正回転させるための電圧を駆動回路50が生成するように、PWMの制御信号を駆動回路50に出力する。
ステップ304では、加速度センサ90Cの検知結果に基づいて車両ECU82が車両衝突を検知したか否かを判定する。ステップ304で肯定判定の場合には、ステップ306でモータ22を高速で正回転させるように駆動回路50を制御する。制御回路60は、モータ22を高速回転させるための電圧を駆動回路50が生成するように、PWMの制御信号を駆動回路50に出力する。ステップ306でモータ22を高速で回転させた後は、処理を終了する。
ステップ304で否定判定の場合、例えば、車両衝突を検知せず、かつミリ波レーダー90A、レーザーレーダー90B及び車載カメラ90Dが障害物を検知しなくなった場合には、ステップ308でバッテリ80からモータ22への電力供給を停止する。具体的には、駆動回路50へのPWMの制御信号の出力を停止する。ステップ308でバッテリ80からモータ22への電力供給を停止した後は、手順をステップ300に戻し、ミリ波レーダー90A、レーザーレーダー90B、加速度センサ90C及び車載カメラ90Dによる検知を継続する。
図4は、本実施の形態に係る車両用乗員拘束装置10における2次衝突対応処理の一例を示したフローチャートである。ステップ400では、加速度センサ90Cの検知結果に基づいて車両ECU82が車両衝突の発生を検知したか否かが判定され、肯定判定の場合には手順をステップ402に移行させる。ステップ400で否定判定の場合には、手順をステップ410に移行させる。
ステップ402では、図3のステップ306に示したように、モータ22が高速回転してプリテンショナが作動したか否かを判定する。加速度センサ90C等で検知された車両衝突の衝撃が弱い場合にはプリテンショナが作動しない場合もあるからである。プリテンショナが作動したか否かは、回転角度センサ90Gによって検出された出力軸92の回転角度の変化によって判定する。一例として、回転角度センサ90Gによって検出された出力軸92の回転角度が正回転方向に急激に所定値以上変化した場合、プリテンショナが作動したと判定することができる。ステップ402で否定判定の場合には、ステップ404で2次衝突のおそれがあるか否かを判定する。ステップ404では、ミリ波レーダー90A、レーザーレーダー90B及び車載カメラ90Dにより車両周囲の障害物を検知し、障害物が検知された場合には、肯定判定をする。
ステップ404で肯定判定の場合には、ステップ406でモータ22を正回転させてウエビング30を巻き取った後、手順をステップ410に移行させる。ステップ404で否定判定の場合には、ウエビング30を巻き取らずに手順をステップ410に移行させる。
ステップ402で否定判定の場合には、ステップ408でフォースリミッタ機構40によるウエビング30の引き出し量が閾値以下か否かを判定する。ウエビング30の引き出し量は、回転角度センサ90Gによって検出した出力軸92(スプール24)の逆回転方向の回転角度から算出される。ステップ408で肯定判定の場合には、ステップ406でウエビング30を巻き取ることを要しないので、手順をステップ410に移行させる。ステップ408で否定判定の場合には、手順をステップ404に移行させて、2次衝突のおそれがあるか否かを判定する。
ステップ410では乗員12の意識の有無を判定する。乗員12の意識の有無は、車室内カメラ90Eによって取得した乗員12の顔の画像データをエッジ抽出等の既知の画像処理技術により要素を抽出し、抽出した要素に基づいて、乗員12の意識の有無を判定する。例えば、エッジ抽出された要素の位置が所定時間が経過しても不動の場合は、乗員12の意識がないと判定する。
または、モータ22の回転と回転角度センサ90Gの検知結果とによって乗員12の意識の有無を判定する。具体的には、モータ22を正回転及び逆回転させてウエビング30による拘束力を変化させ、その際に回転角度センサ90Gによって検出された回転角度の変化から乗員12の意識の有無を判定する。乗員12に意識があれば、ウエビング30の締め付けに対して身じろぎする等の抵抗を示すので、回転角度センサ90Gによって検出された出力軸92の回転角度は非線形的に変化する。乗員12に意識がない場合には、ウエビング30の締め付けに抵抗しないので、回転角度センサ90Gによって検出された出力軸92の回転角度は線形的に変化する。なお、線形的な場合は、狭義には1次関数のような直線的な変化が認められる場合であるが、本実施の形態では、回転角度の時系列での変化が極大値又は極小値を有しない一様なものであれば線形的であると判定する。その逆に、回転角度の時系列での変化が極大値又は極小値を有する一様なものでない場合は非線形的であると判定する。
ステップ410では、上記の車室内カメラ90Eを用いた判定と、回転角度センサ90Gを用いた判定との何れかを用いてもよいが、本実施の形態では、判定の精度を高めるために、車室内カメラ90Eを用いた判定と、回転角度センサ90Gを用いた判定とを併用する。なお、ステップ410で否定判定の場合には、処理をリターンする。
ステップ410で肯定判定の場合には、ステップ412でドアセンサ90Fにより車両のドアが開けられたか否かを判定する。本実施の形態では、乗員12の意識がないのにドアが開けられた場合を、救助のために車両のドアが開けられた場合とみなす。ステップ412で否定判定の場合には、処理をリターンする。
ステップ412で肯定判定の場合には、ステップ414でモータ22を逆回転させて処理をリターンする。乗員12の意識がない場合は、モータ22を逆回転させることでウエビング30を緩め、乗員12の救出を容易にするためである。
以上説明したように、本実施の形態によれば、車両衝突後に、車両衝突のおそれがある場合に、モータ22を正回転させることにより、ウエビング30を確実に巻き取り、乗員12の身体をシート14に保持することが可能になる。
また、本実施の形態によれば、車両衝突後に乗員12の意識がない場合で、かつ車両のドアが開けられた場合には、モータ22を逆回転させて、ウエビング30を緩めることにより、乗員12の救出を容易にする。
10 車両用乗員拘束装置
12 乗員
14 シート
14A シートクッション
20 シートベルトリトラクタ(モータリトラクタ)
22 モータ
24 スプール
30 ウエビング(シートベルト)
50 シートベルトリトラクタ駆動回路
60 シートベルトリトラクタ制御回路
80 バッテリ
82 車両ECU(制御部)
90 センサ群
90A ミリ波レーダー
90B レーザーレーダー
90C 加速度センサ
90D 車載カメラ
90E 車室内カメラ(意識検知部)
90F ドアセンサ(開検知部)
90G 回転角度センサ(意識検知部、回転角度検知部)

Claims (4)

  1. モータの回転によりシートベルトの巻き取りが可能なモータリトラクタと、
    車両衝突のおそれ及び車両衝突を検知可能なセンサ群と、
    前記モータを高速で回転させて前記シートベルトを巻き取る第1の巻き取り制御と、前記モータを前記第1の巻き取り制御よりも低速で回転させて前記シートベルトを巻き取る第2の巻き取り制御と、を切り替えて実行可能な制御部と、を備える車両用乗員拘束装置であって、
    前記制御部は、前記センサ群の検知結果に基づき、前記車両衝突が検知された際に前記第1の巻き取り制御が実行されず、かつ車両2次衝突の恐れがある場合に、前記第2の巻き取り制御を実行する車両用乗員拘束装置。
  2. 前記モータを回転させる電圧を生成する駆動回路と、
    乗員の意識の有無を検知するための意識検知部と、
    車両のドアが開いたことを検知する開検知部と、
    を備え、
    前記モータリトラクタは、前記シートベルトの巻き取り時とは逆方向の前記モータの回転により前記シートベルトの引き出しが可能で、
    前記駆動回路は、前記モータを前記逆方向に回転させる電圧を生成し、
    前記制御部は、車両衝突後、前記意識検知部の検知結果に基づき前記乗員の意識がないと判定した場合で、かつ前記開検知部により車両のドアが開いたことを検知した場合に、前記モータを前記逆方向に回転させる電圧を前記駆動回路に生成させる制御をする請求項1に記載の車両用乗員拘束装置。
  3. 前記意識検知部は、前記モータの出力軸の回転角度を検出する回転角度検出部を含み、
    前記制御部は、前記シートベルトの巻き取り及び引き出しをするように前記モータを回転させる電圧を前記駆動回路に生成させた際、前記回転角度検出部により検出された前記出力軸の回転角度が線形的に変化した場合に前記乗員の意識がないと判定する請求項2に記載の車両用乗員拘束装置。
  4. 前記意識検知部は、前記乗員の顔の画像データを取得する車室内カメラを含み、
    前記制御部は、前記車室内カメラが取得した画像データに基づいて前記乗員の意識の有無を判定する請求項2に記載の車両用乗員拘束装置。
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