JP6631865B2 - TGFβ阻害機能を持つキメラタンパク質 - Google Patents
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Description
(1) TGFβI型受容体細胞外ドメイン及びTGFβII型受容体細胞外ドメインを有し、TGFβ1、TGFβ2及びTGFβ3に結合するキメラタンパク質。
(2) TGFβI型受容体細胞外ドメインがALK5細胞外ドメインである、(1)に記載のキメラタンパク質。
(3) TGFβII型受容体細胞外ドメインがTβRII細胞外ドメインである、(1)又は(2)に記載のキメラタンパク質。
(4) さらに二量体化ドメインを有する、(1)から(3)の何れかに記載のキメラタンパク質。
(5) 二量体化ドメインが免疫グロブリンドメインである、(4)に記載のキメラタンパク質。
(6) 免疫グロブリンドメインが、IgGのFcドメイン、IgGの重鎖、又はIgGの軽鎖である、(5)に記載のキメラタンパク質。
(7) ALK5細胞外ドメインのC末端にTβRII細胞外ドメインのアミノ末端(N末端)が結合し、TβRII細胞外ドメインのカルボキシル末端(C末端)に免疫グロブリンドメインのN末端が結合している、(1)から(6)の何れかに記載のキメラタンパク質。
(8) TβRII細胞外ドメインのC末端にALK5細胞外ドメインのN末端が結合し、ALK5細胞外ドメインのC末端に免疫グロブリンドメインのN末端が結合している、(1)から(6)の何れかに記載のキメラタンパク質。
(9) 以下の(a)〜(c)の何れかである、(1)から(8)の何れかに記載のキメラタンパク質。
(a)配列番号4又は配列番号15で表されるアミノ酸配列からなるキメラタンパク質;
(b)配列番号4又は配列番号15で表されるアミノ酸配列と90%以上の配列同一性を有するアミノ酸配列からなり、TGFβ1、TGFβ2及びTGFβ3に結合するキメラタンパク質;又は
(c)配列番号4又は配列番号15で表されるアミノ酸配列において1又は数個のアミノ酸が欠失、置換及び/又は付加しているアミノ酸配列からなり、TGFβ1、TGFβ2及びTGFβ3に結合するキメラタンパク質;
(10) アセチル修飾またはポリエチレングリコール修飾を受けている、(1)から(9)の何れかに記載のキメラタンパク質。
(11) 二量体化している、(1)から(10)の何れかに記載のキメラタンパク質。
(12) 以下の(a)〜(c)の何れかのキメラタンパク質をコードするDNA。
(a)配列番号4又は配列番号15で表されるアミノ酸配列からなるキメラタンパク質;
(b)配列番号4又は配列番号15で表されるアミノ酸配列と90%以上の配列同一性を有するアミノ酸配列からなり、TGFβ1、TGFβ2及びTGFβ3に結合するキメラタンパク質;又は
(c)配列番号4又は配列番号15で表されるアミノ酸配列において1又は数個のアミノ酸が欠失、置換及び/又は付加しているアミノ酸配列からなり、TGFβ1、TGFβ2及びTGFβ3に結合するキメラタンパク質。
(13) 以下の(d)又は(e)の何れかのDNA。
(d)配列番号8又は配列番号16で表される塩基配列からなるDNA;又は
(e)配列番号8又は配列番号16で表される塩基配列において1又は数個の塩基が欠失、置換及び/又は付加している塩基配列からなり、TGFβ1、TGFβ2及びTGFβ3に結合するキメラタンパク質をコードする塩基配列からなるDNA。
(14) (12)又は(13)に記載のDNAを含むベクター。
(15) (14)に記載のベクターを有するウイルス。
(16) (14)に記載のベクター又は(15)に記載のウイルスを有する細胞。
(17) 細菌細胞、酵母細胞、昆虫細胞及び哺乳動物細胞から成る群から選択される細胞である、(16)に記載の細胞。
(18) (16)又は(17)に記載の細胞を培養する工程を含む、(1)から(10)の何れかに記載のキメラタンパク質を製造する方法。
(19) (1)から(11)の何れかに記載のキメラタンパク質、(12)又は(13)に記載のDNA、(14)に記載のベクター、(15)に記載のウイルス、あるいは(16)又は(17)に記載の細胞を含む、薬学的組成物。
(20) TGFβ阻害剤である、(19)に記載の薬学的組成物。
(21) 抗線維症剤である、(19)に記載の薬学的組成物。
(22) 抗腫瘍剤である、(19)に記載の薬学的組成物。
(23) TGFβ阻害に使用するための、(1)から(11)の何れかに記載のキメラタンパク質、(12)又は(13)に記載のDNA、(14)に記載のベクター、(15)に記載のウイルス、あるいは(16)又は(17)に記載の細胞。
(24) 抗線維症の予防及び/又は治療に使用するための、(1)から(11)の何れかに記載のキメラタンパク質、(12)又は(13)に記載のDNA、(14)に記載のベクター、(15)に記載のウイルス、あるいは(16)又は(17)に記載の細胞。
(25) 腫瘍の予防及び/又は治療に使用するための、(1)から(11)の何れかに記載のキメラタンパク質、(12)又は(13)に記載のDNA、(14)に記載のベクター、(15)に記載のウイルス、あるいは(16)又は(17)に記載の細胞。
(26) TGFβ阻害剤の製造のための、(1)から(11)の何れかに記載のキメラタンパク質、(12)又は(13)に記載のDNA、(14)に記載のベクター、(15)に記載のウイルス、あるいは(16)又は(17)に記載の細胞の使用。
(27) 抗線維症剤の製造のための、(1)から(11)の何れかに記載のキメラタンパク質、(12)又は(13)に記載のDNA、(14)に記載のベクター、(15)に記載のウイルス、あるいは(16)又は(17)に記載の細胞の使用。
(28) 抗腫瘍剤の製造のための、(1)から(11)の何れかに記載のキメラタンパク質、(12)又は(13)に記載のDNA、(14)に記載のベクター、(15)に記載のウイルス、あるいは(16)又は(17)に記載の細胞の使用。
(29) (1)から(11)の何れかに記載のキメラタンパク質、(12)又は(13)に記載のDNA、(14)に記載のベクター、(15)に記載のウイルス、あるいは(16)又は(17)に記載の細胞を、TGFβ阻害を必要とする対象者に投与することを含む、TGFβの阻害方法。
(30) (1)から(11)の何れかに記載のキメラタンパク質、(12)又は(13)に記載のDNA、(14)に記載のベクター、(15)に記載のウイルス、あるいは(16)又は(17)に記載の細胞を、対象者に投与することを含む、抗線維症の予防及び/又は治療方法。
(31) (1)から(11)の何れかに記載のキメラタンパク質、(12)又は(13)に記載のDNA、(14)に記載のベクター、(15)に記載のウイルス、あるいは(16)又は(17)に記載の細胞を、対象者に投与することを含む、腫瘍を抑制する方法。
本発明のキメラタンパク質は、TGFβI型受容体細胞外ドメイン及びTGFβII型受容体細胞外ドメインを有し、TGFβ1、TGFβ2及びTGFβ3に結合することを特徴とする。
(a)配列番号4又は配列番号15で表されるアミノ酸配列からなるキメラタンパク質;
(b)配列番号4又は配列番号15で表されるアミノ酸配列と90%以上(好ましくは95%以上、より好ましくは97%以上、特に好ましくは99%以上)の配列同一性を有するアミノ酸配列からなり、TGFβ1、TGFβ2及びTGFβ3に結合するキメラタンパク質;又は
(c)配列番号4又は配列番号15で表されるアミノ酸配列において1又は数個のアミノ酸が欠失、置換及び/又は付加しているアミノ酸配列からなり、TGFβ1、TGFβ2及びTGFβ3に結合するキメラタンパク質;
本発明は、TGFβ1、TGFβ2及びTGFβ3と結合することができるキメラタンパク質をコードするDNAに関する。本発明のDNAは、cDNAであることが好ましい。具体的には、TGFβI型受容体細胞外ドメインをコードするDNA及びTGFβII型受容体細胞外ドメインをコードするDNAを有するDNAが本発明に含まれる。さらにALK5細胞外ドメインをコードするDNAとTβRII細胞外ドメインをコードするDNA配列を有するDNA配列が好ましい。上記DNAにおけるALK5細胞外ドメインをコードするDNAとTβRII細胞外ドメインをコードするDNAの配列順序は特に限定されない。本発明のDNAは、免疫グロブリンドメインをコードするDNAをさらに有することが好ましい。
(a)配列番号4又は配列番号15で表されるアミノ酸配列からなるキメラタンパク質;
(b)配列番号4又は配列番号15で表されるアミノ酸配列と90%以上の配列同一性を有するアミノ酸配列からなり、TGFβ1、TGFβ2及びTGFβ3に結合するキメラタンパク質;又は
(c)配列番号4又は配列番号15で表されるアミノ酸配列において1又は数個のアミノ酸が欠失、置換及び/又は付加しているアミノ酸配列からなり、TGFβ1、TGFβ2及びTGFβ3に結合するキメラタンパク質。
(d)配列番号8又は配列番号16で表される塩基配列からなるDNA;又は
(e)配列番号8又は配列番号16で表される塩基配列において1又は数個の塩基が欠失、置換及び/又は付加している塩基配列からなり、TGFβ1、TGFβ2及びTGFβ3に結合するキメラタンパク質をコードする塩基配列からなるDNA。
本発明はさらに、本発明のキメラタンパク質をコードするDNA(好ましくはcDNA)を含むベクターに関する。本発明のベクターとしては、任意のプラスミドに、TGFβI型受容体細胞外ドメインをコードするDNA(好ましくはcDNA)、及びTGFβII型受容体細胞外ドメインをコードするDNA(好ましくはcDNA)を組み込むことにより得られるベクターが挙げられる。さらに本発明のベクターとしては、任意のプラスミドに、TGFβI型受容体細胞外ドメインをコードするDNA(好ましくはcDNA)、TGFβII型受容体細胞外ドメインをコードするDNA(好ましくはcDNA)、及び二量体化ドメインをそれぞれコードするDNA(好ましくはcDNA)を組み込んだものを挙げることができる。プラスミドは例えばpBlueScript、pcRII−Topo、pENTR201などが挙げられる。
本発明はさらに、上記した本発明のキメラタンパク質、DNA、ベクター、ウイルス又は細胞を含む、薬学的組成物に関する。本発明の薬学的組成物は、TGFβ阻害剤、抗線維症剤、又は抗腫瘍剤として使用することができる。
ALK5細胞外ドメインをコードするcDNA配列およびTβRII細胞外ドメインをコードするcDNAは、ヒト乳がん細胞(MDA−MB−231)のcDNAをもとに、ALK5細胞外ドメインは配列番号9及び10に示すプライマーにて、TβRII細胞外ドメインは配列番号11及び12に示すプライマーにてPCR法により増幅し、クローニングした。クローニングした各cDNA(配列番号5で表されるcDNAおよび配列番号6又は配列番号14で表されるcDNA)をpCRII−Topoベクター(invitrogen社)に組み込んだ。次いでpENTR201ベクター(Invitrogen社)のマルチクローニングサイト(mcs)に配列番号5で表されるcDNAおよび配列番号6又は配列番号14で表されるcDNAを組み込んだ(図1参照)。次いで本発明のcDNAをmcsでタンデム発現できるようにサブクローニングするため、pENTR201ベクターから切り出した配列番号5で表されるcDNAおよび配列番号6又は配列番号14で表されるcDNAをpFUSE−hIgG1−Fc(Invivogen社)のhIgG1−FcのcDNA配列(配列番号3)の5’末端側(コードされるアミノ酸配列のN末端側)に組み込み、本発明のキメラタンパク質をコードするcDNA(配列番号6及び配列番号16)及び本発明のベクター(pENTR201 ALK5TβRII−Fc)を得た(図1参照)。
実施例1で得られた本発明のベクターからクローニングした本発明のcDNAをpCSII−EF−Rfa(理化学研究所より分与)へLR反応を用いて組み込み、本発明の発現ベクターを得た(図1参照)。
10%FBS含有DMEM培地を用いて、HEK293T細胞(Invitrogen社)3×106個を直径10cm dishに撒きこみ、一晩培養したのちにFugeneHD(登録商標)(Roche社)を用いて実施例2で得られた本発明の発現ベクターのうち配列番号6が組み込まれた発現ベクターを20μgトランスフェクトし、本発明のキメラタンパク質産生細胞を得た。得られた本発明のキメラタンパク質産生細胞を4時間、37℃で培養した後に培地を除去し、FBSを含まないOPTI−MEM培地に置き換えて、24時間インキュベーター内で培養し、培養上清を回収した。回収した上清は0.22μmのポアサイズのフィルターを用いてろ過し、本発明のキメラタンパク質を含む培養上清液を得た。本発明のキメラタンパク質の濃度をヒトIgGFcELISAキット(Bethyl社)を用いて測定した結果、ALK5TβRII(short)Fcは1800ng/mLの濃度であった。
実施例2で得られた本発明の発現ベクターのうち配列番号16が組み込まれた発現ベクターはA549細胞(ATCC)にトランスフェクトし、本発明のキメラタンパク質産生細胞を得た他は配列番号6が組み込まれた発現ベクターと同様に処理し、本発明のキメラタンパク質を含む培養上清液を得た。ALK5TβRII(long)Fcは1200ng/mLの濃度であった。
比較のため、配列番号5で表されるcDNA、配列番号6で表されるcDNAおよび配列番号14で表されるcDNAを組み込んだpFUSE−hIgG1−FcのhIgG1−FcのcDNAの5’末端側に組み込んだcDNAをそれぞれ作成し、実施例2と同様にpCSII−EF−RfaへLR反応を用いて組み込み、ALK5Fc発現ベクター及びTβRIIFc発現ベクターを得た。ALK5Fc発現ベクター及びTβRII(short)Fc発現ベクターを実施例3と同様にHEK293T細胞に処理し、TβRII(long)Fc発現ベクターを実施例3と同様にA549細胞に処理し、培養して、ALK5Fcを含む培養上清及びTβRIIFcを含む培養上清を得た。得られた培養上清は実施例3と同様にろ過し、比較用キメラタンパク質の濃度を、ヒトIgGFcELISAキットを用いて測定した。その結果、ALK5Fcが2300ng/mL、TβRII(long)Fcが2000ng/mL、TβRII(short)Fcが2100ng/mLの濃度であった。
HEK293T細胞を、2×104個を24 well plate直径10cm dishに撒きこんで一晩培養した。そののちに、TGFβに応答してホタルルシフェラーゼを発現するプラスミド(CAGA)12−MLP−Luc(EMBO J., 17 3091(1998)に基づき樹立)と補正用のウミシイタケルシフェラーゼ発現プラスミドpGL4−TK−Renilla−Luc(Invitrogen社)を、共にFugeneHD(登録商標)を用いてHEK293Tに導入した。TGFβ1、TGFβ2及びTGFβ3(いずれも1ng/mL)を、実施例3で得られた配列番号4で表される本発明のキメラタンパク質溶液又はALK5Fc溶液又はTβRIIFc溶液と共に、図2に記載の濃度となるようにHEK293T細胞の培養液に添加し、24時間培養した。24時間後にDual−Luciferase(登録商標) Reporter Assay System(プロメガ社)を用いて細胞を溶解して、Mithras LB 940 Multimode Microplate Reader(BERTHOLD TECHNOLOGIES社)で発光強度を測定した。得られたホタルルシフェラーゼ発光強度の値は、ウミシイタケルシフェラーゼ発光強度により補正を行った。TGFβ1、TGFβ2及びTGFβ3を処理した場合のそれぞれの発光強度を図2に示す。発光強度と、キメラタンパク質とTGFβとの結合の強さは反比例し、発光強度が低い場合はキメラタンパク質とTGFβとが結合し、高い場合はキメラタンパク質とTGFβとが結合していないことを示す。
実施例3で得られた配列番号15で表される本発明のキメラタンパク質に関しては、A549細胞を用いたこと、及び、配列番号4で表される本発明のキメラタンパク質溶液、配列番号15で表される本発明のキメラタンパク質溶液、ALK5Fc溶液又はTβRIIFc溶液は終濃度500ng/mLとした他は、配列番号4で表される本発明のキメラタンパク質と同様にして実験を行った。TGFβ1、TGFβ2及びTGFβ3を処理した場合のそれぞれの発光強度を図3に示す。
実験例2で得られた配列番号5で表される本発明のキメラタンパク質のcDNAを組み込んだ本発明の発現ベクター又は比較例で得られた比較用ベクター2種と、パッケージング用プラスミドのpCAG−HIV(理化学研究所より分与)及びpCMV−VSV−G−RSV−Rev(理化学研究所より分与)をHEK293FT(Invitrogen社)にトランスフェクトし、実施例3と同様に培養して、レンチウイルスを含む培養上清を回収し、本発明の発現ベクター又は比較例で得られた比較用ベクター2種をそれぞれ含むレンチウイルス液を得た。
実施例5で得られたレンチウイルス液をMDA−MB−231DLuc(Anticancer Res.,25,3817(2005)に基づき樹立したMDA−MB−231の高骨転移性株にレンチウイルスによりルシフェラーゼを導入した株)に処理し、本発明のキメラタンパク質(ALK5TβRII(short)Fc)及び比較用キメラタンパク質2種(ALK5Fc、TβRII(long)Fc)をそれぞれ発現するMDA−MB−231DLucを作成した。これらの細胞を6well plateに2×106個の細胞を10%FBS含有D−MEMで2mLの容量で撒き、コンフルエントな条件下で2日間培養した。TGFβ1、TGFβ2、及びTGFβ3(いずれも0.2ng/mL)を培養液中に添加して30分後に細胞を回収した。回収した細胞からタンパク質を抽出し、Western blottingによってリン酸化Smad2(P−Smad2)の発現量及びSmad2及びSmad3の総発現量(Total Smad2/3)をそれぞれ、抗P−Smad2抗体(Cell signaling社)、抗Total Smad2/3(BDバイオサイエンス社)を用いて確認した。リン酸化Smad2(P−Smad2)の発現量及びSmad2及びSmad3の総発現量(Total Smad2/3)を図4に示す。Smad2はTGFβによりリン酸化される細胞内情報伝達分子である。NTは無処理条件の略称である。
実施例6で得られた本発明のキメラタンパク質(ALK5TβRII(short)Fc)及び比較用キメラタンパク質2種をそれぞれ発現するMDA−MB−231DLuc(ALK5TβRII(short)Fc発現MDA−MB−231DLuc、ALK5Fc発現MDA−MB−231DLuc、TβRII(long)Fc発現MDA−MB−231DLuc)を用いて、TGFβにより促進される細胞の遊走能を評価した。8.0μmポアサイズの24ウェルセルカルチャーインサート(BDファルコン社)内に1mM塩酸で3mg/mLに希釈したI型コラーゲン(新田ゼラチン社)をコートした後にピペットで余分な水分を除き、3×105個の上記MDA−MB−231DLucをインサート内に加え、TGFβ2及びTGFβ3を最終濃度が0.3ng/mLとなるように、リザーバー側のウェルとインサート内に加えて、無血清のD−MEMで48時間培養した。培養後にインサートを回収し、10%ホルマリンに10分間浸漬して細胞を固定した。クリスタルバイオレッド液で細胞を染色し、インサートの裏側に遊走した細胞を顕微鏡観察下でカウントした。測定結果を図5に示す。
実施例6で得られた本発明のキメラタンパク質及び比較用キメラタンパク質2種をそれぞれ発現するMDA−MB−231DLucを2.5×105個/ウェルを12 well plateに10%FBS含有D−MEMで撒き、一晩培養した後にTGFβ2及びTGFβ3(いずれも1ng/mL)を添加して24時間後にRNeasy(キアゲン社)を用いてtotal RNAの回収を行った。回収したRNAは濃度を測定後、各処理群で同量のRNAを使用してPrimeScriptTM RT reagent Kit(タカラバイオ社)を用いてcDNAの合成を行った。得られたcDNAを水で25倍に希釈し、SYBR(登録商標) Green PCR Master Mix(アプライドバイオシステム社)を用いて、定量的PCRを行い、StepOnePlusリアルタイムPCRシステム(アプライドバイオシステム社)によってTGFβ誘導性の遺伝子であるPAI−1、Smad7、IL−10、PTHrPの発現量を測定した。これら遺伝子の発現量は同時に測定したGAPDHの発現量を用いて補正した。図6にこれら遺伝子の補正済み発現量を示す。
配列番号2:TβRII細胞外ドメイン(short)のアミノ酸配列
配列番号3:hIgG1Fcのアミノ酸配列
配列番号4:ALK5TβRII(short)Fcのアミノ酸配列
配列番号5:ALK5細胞外ドメインのcDNA配列
配列番号6:TβRII細胞外ドメイン(short)のcDNA配列
配列番号7:hIgG1FcのcDNA配列
配列番号8:ALK5TβRII(short)FcのcDNA配列
配列番号9:ALK5細胞外ドメインのフォワードプライマー
配列番号10:ALK5細胞外ドメインのリバースプライマー
配列番号11:TβRII細胞外ドメイン(short)のフォワードプライマー
配列番号12:TβRII細胞外ドメイン(short)のリバースプライマー
配列番号13:TβRII細胞外ドメイン(long)のアミノ酸配列
配列番号14:TβRII細胞外ドメイン(long)のcDNA配列
配列番号15:ALK5TβRII(long)Fcのアミノ酸配列
配列番号16:ALK5TβRII(long)FcのcDNA配列
Claims (19)
- TGFβI型受容体細胞外ドメインであるALK5細胞外ドメインのC末端にTGFβII型受容体細胞外ドメインであるTβRII細胞外ドメインのN末端が結合している、TGFβ1、TGFβ2及びTGFβ3に結合するキメラタンパク質。
- さらに二量体化ドメインを有する、請求項1に記載のキメラタンパク質。
- 二量体化ドメインが免疫グロブリンドメインである、請求項2に記載のキメラタンパク質。
- 免疫グロブリンドメインが、IgGのFcドメイン、IgGの重鎖、又はIgGの軽鎖である、請求項3に記載のキメラタンパク質。
- TβRII細胞外ドメインのC末端に免疫グロブリンドメインのN末端が結合している、請求項3又は4に記載のキメラタンパク質。
- 以下の(a)〜(c)の何れかである、請求項1から5の何れか1項に記載のキメラタンパク質。
(a)配列番号4又は配列番号15で表されるアミノ酸配列からなるキメラタンパク質;
(b)配列番号4又は配列番号15で表されるアミノ酸配列と90%以上の配列同一性を有するアミノ酸配列からなり、TGFβ1、TGFβ2及びTGFβ3に結合するキメラタンパク質;又は
(c)配列番号4又は配列番号15で表されるアミノ酸配列において1又は数個のアミノ酸が欠失、置換及び/又は付加しているアミノ酸配列からなり、TGFβ1、TGFβ2及びTGFβ3に結合するキメラタンパク質; - アセチル修飾またはポリエチレングリコール修飾を受けている、請求項1から6の何れか1項に記載のキメラタンパク質。
- 二量体化している、請求項1から7の何れか1項に記載のキメラタンパク質。
- 以下の(a)〜(c)の何れかのキメラタンパク質をコードするDNA。
(a)配列番号4又は配列番号15で表されるアミノ酸配列からなるキメラタンパク質;
(b)配列番号4又は配列番号15で表されるアミノ酸配列と90%以上の配列同一性を有するアミノ酸配列からなり、TGFβ1、TGFβ2及びTGFβ3に結合するキメラタンパク質;又は
(c)配列番号4又は配列番号15で表されるアミノ酸配列において1又は数個のアミノ酸が欠失、置換及び/又は付加しているアミノ酸配列からなり、TGFβ1、TGFβ2及びTGFβ3に結合するキメラタンパク質。 - 以下の(d)又は(e)の何れかのDNA。
(d)配列番号8又は配列番号16で表される塩基配列からなるDNA;又は
(e)配列番号8又は配列番号16で表される塩基配列において1又は数個の塩基が欠失、置換及び/又は付加している塩基配列からなり、TGFβ1、TGFβ2及びTGFβ3に結合するキメラタンパク質をコードする塩基配列からなるDNA。 - 請求項9又は10に記載のDNAを含むベクター。
- 請求項11に記載のベクターを有するウイルス。
- 請求項11に記載のベクター又は請求項12に記載のウイルスを有する細胞。
- 細菌細胞、酵母細胞、昆虫細胞及び哺乳動物細胞から成る群から選択される細胞である、請求項13に記載の細胞。
- 請求項13又は14に記載の細胞を培養する工程を含む、請求項1から7の何れか1項に記載のキメラタンパク質を製造する方法。
- 請求項1から8の何れか1項に記載のキメラタンパク質、請求項9又は10に記載のDNA、請求項11に記載のベクター、請求項12に記載のウイルス、あるいは請求項13又は14に記載の細胞を含む、薬学的組成物。
- TGFβ阻害剤である、請求項16に記載の薬学的組成物。
- 抗線維症剤である、請求項16に記載の薬学的組成物。
- 抗腫瘍剤である、請求項16に記載の薬学的組成物。
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