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JP6632515B2 - 処理用パイル保持体 - Google Patents
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JP6632515B2 - 処理用パイル保持体 - Google Patents

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本発明は、吸水、清掃、又は洗浄処理等の処理に有効に用い得る処理用パイル保持体に関する。
特許第5201721号公報には、「基体とパイルを備えてなり、前記パイルは、その基部が基体に結合された状態で基体上に配設されているパイル保持体であって、前記パイルの外形は、基体の表面に対し起立した軸心線を中心とする、少なくとも端部側が端部に向かって略球面状に縮径する回転曲面状をなし、前記パイルは、その軸心線の少なくとも基部から、ほぼ放射状をなすように密に配された繊維製の線条体を多数有し、前記パイルの基部の基体側を除くパイルの外形の表面部は、前記各線条体の先端部により形成されており、前記パイルは、その高さ/基部直径の比が1/2乃至3/1であり、基体の表面に対し自立性を有するものであることを特徴とするパイル保持体」の発明が記載されている。
このパイル保持体は、自立性を有し、その自立性に基づき弾力性や種々の物質の吸収や取り込みの性能等の処理性能の向上及び維持が実現されるパイルが基体上に配設されたものである。
しかしながら、この種のパイル保持体における、対象物の比較的凹凸等の変化の少ない部分や、対象物の凹凸や起伏等の変化が比較的多い部分に対する処理の効果や効率については、更なる向上が望まれるところである。
特許第5201721号公報
本発明は、対象物の比較的凹凸等の変化の少ない部分に対し、効率良く処理することができると共に、対象物の凹凸や起伏等の変化が比較的多い部分に対し、細部に行き渡りつつ効果的に処理することができる処理用パイル保持体を提供することを目的とする。
本発明の処理用パイル保持体は、次のように表すことができる。
(1) 基体と多数の処理用のパイルを備えてなり、各パイルの基部が基体に結合された状態で、前記多数の処理用のパイルが基体上に配設されているパイル保持体であって、
先端部が自由端である略円柱形状をなす処理用のパイルであって、多数の繊維製の線状体が、パイルの軸線を中心としてほぼ径方向に放射状をなすように密設され且つ軸線方向に密設されてなるパイルが前記基体上に多数配設されてなる区域を複数有し、
前記区域のうち、何れか1以上の所定区域は他の区域に隣接し、前記所定区域に配設されたパイル群を構成するパイルは、隣接する他の区域に配設されたパイル群を構成するパイルに比し、平均して、略円柱形状をなす部分の横断面の面積が4割以上大きく、軸線方向長さ/基部直径の比が1/2乃至4/1であることを特徴とする処理用パイル保持体。
所定区域におけるパイル群を構成する処理用のパイルは、隣接する他の区域に配設されたパイル群を構成する処理用のパイルに比し、平均して、略円柱形状をなす部分の横断面の面積が4割以上大きく、軸線方向長さ/基部直径の比が1/2乃至4/1であるため、隣接する他の区域に配設されたパイル群に比し、各パイルの軸線方向における支持力が十分に大きい。
そのため、パイル群と対象物の間に軸線方向力が作用する状態で対象物に対する処理(例えば、吸水、清掃、又は洗浄等の処理)を行う場合、前記所定区域に配設されたパイル群は、対象物の比較的凹凸等の変化の少ない部分に対し、軸線方向において対象物を効果的に支持し又は対象物に効果的に力を加えつつ、比較的に大きな横断面積の軸線方向における支持力が比較的に大きいパイルにより効率良く処理することができる。
また、所定区域に隣接する他の区域に配設されたパイル群を構成するパイルは、横断面積が比較的に小さいため、対象物の間に軸線方向力が作用することにより先端部が横向き或いは下向きに折り曲がり易いが、所定区域に配設されたパイル群が、軸線方向において対象物を効果的に支持し得、又は対象物に効果的に力を加え得るため、隣接する他の区域に配設されたパイル群は、対象物の凹凸や起伏等の変化が比較的多い部分に対し、横断面積が比較的に小さいパイルが細部に行き渡りつつ効果的に処理することができる。
(2) 上記隣接する他の区域におけるパイル群を構成するパイルの軸線方向長さ/基部直径の比が1/2乃至5/1である上記(1)記載の処理用パイル保持体。
隣接する他の区域に配設されたパイル群を構成するパイルの軸線方向長さ/基部直径の比が1/2乃至5/1である場合、対象物の凹凸や起伏等の変化が比較的多い部分に対し、横断面積が比較的に小さいパイルが細部に行き渡りつつ効果的に処理する上で好ましい。
(3) 上記隣接する他の区域におけるパイル群を構成するパイルが、軸線方向長さ/基部直径の比が1/2乃至3/1であり、且つ、基体の表面に対し自立性を有するものである上記(1)記載の処理用パイル保持体。
所定区域に隣接する他の区域に配設されたパイル群は、対象物の凹凸や起伏等の変化が比較的多い部分に対し、自立性を有するが横断面積が比較的に小さいパイルが細部に行き渡りつつ効果的に処理することができる。
所定区域に隣接する他の区域に配設されたパイル群を構成するパイルは、横断面積が比較的に小さいため、比較的に自立性が損なわれ易いが、所定区域に配設されたパイル群が、軸線方向において対象物を効果的に支持し得、又は対象物に効果的に力を加え得るため、横断面積が比較的に小さいにもかかわらず自立性が維持され易く、対象物の凹凸や起伏等の変化が比較的多い部分に対する処理を、細部も含めて良好に行い得る。
(4) 上記所定区域に配設されたパイル群を構成するパイルの軸線方向長さに対し、所定区域に隣接する他の区域に配設されたパイル群を構成するパイルの軸線方向長さが、平均して同等であるか又は短い上記(2)又は(3)記載の処理用パイル保持体。
(5) 上記繊維製の線状体が単繊維である上記(1)乃至(4)の何れか1項に記載の処理用パイル保持体。
(6) 上記単繊維が0.03乃至3デニールの吸水性に乏しい単繊維である上記(5)記載の処理用パイル保持体。
(7) 上記吸水性に乏しい単繊維の吸水率が、20℃相対湿度65%において5%以下である上記(6)記載の処理用パイル保持体。
(8) 上記各区域におけるパイルが、略円柱形状をなすパイルの各円形状横断面において内方に向かうほど前記非吸水性のフィラメントが高密度状態となり、毛管現象により内方に向かう吸水力が作用するよう構成されているものである上記(6)又は(7)記載の処理用パイル保持体。
(9) 上記パイルの先端部が、放射状に配された繊維製の線状体により略凸曲面状をなす上記(1)乃至(8)の何れか1項に記載の処理用パイル保持体。
(10) 上記繊維製の線状体が0.03乃至3デニールの吸水性に乏しい単繊維であり、
上記各区域におけるパイルは、略円柱形状をなすパイルの各円形状横断面において内方に向かうほど前記非吸水性のフィラメントが高密度状態となり、
上記先端部においても内方に向かうほど前記非吸水性のフィラメントが高密度状態となって、毛管現象により内方に向かう吸水力が作用するよう構成されている上記(9)記載の処理用パイル保持体。
(11) 上記処理用パイル保持体が、各処理用のパイルの基部が基体としての基布に結合された状態で、前記多数の処理用のパイルが基布上に配設されているパイルマットを構成するものである上記(1)乃至(10)の何れか1項に記載の処理用パイル保持体。
(12) 上記処理用パイル保持体が、各処理用のパイルの基部が基体に結合された状態で、前記多数の処理用のパイルが基体上に配設されている清掃又は洗浄材を構成するものである上記(1)乃至(10)の何れか1項に記載の処理用パイル保持体。
本発明の処理用パイル保持体においては、パイル群と対象物の間に軸線方向力が作用する状態で対象物に対する処理(例えば、吸水、清掃、又は洗浄等の処理)を行う場合、前記所定区域に配設されたパイル群は、対象物の比較的凹凸等の変化の少ない部分に対し、軸線方向において対象物を効果的に支持し又は対象物に効果的に力を加えつつ、比較的に大きな横断面積の軸線方向における支持力が比較的に大きいパイルにより効率良く処理することができる。
また、所定区域に隣接する他の区域に配設されたパイル群を構成するパイルは、横断面積が比較的に小さいため、対象物の間に軸線方向力が作用することにより先端部が横向き或いは下向きに折り曲がり易いが、所定区域に配設されたパイル群が、軸線方向において対象物を効果的に支持し得、又は対象物に効果的に力を加え得るため、隣接する他の区域に配設されたパイル群は、対象物の凹凸や起伏等の変化が比較的多い部分に対し、横断面積が比較的に小さいパイルが細部に行き渡りつつ効果的に処理することができる。
吸水パイルマットの模式的正面図である。 吸水パイルマットの模式的要部平面図である。 パイルの模式的拡大横断面図である。 モール糸によりパイルを形成する工程の一部を示す模式図である。 モップ用の清掃材の模式的正面図である。
[1] 本発明の実施の形態
本発明の実施の形態を、図面を参照しつつ説明する。
図面は、何れも本発明の処理用パイル保持体に関するものであって、そのうち図1及び図2は本発明の処理用パイル保持体としての吸水パイルマットについてのもの、図5は本発明の処理用パイル保持体としてのモップ用の清掃材についてのものである。
なお、図1乃至図5は、何れも説明のための模式図であり、実物を示したものではない。
(1) 吸水パイルマットAは、吸水性を有する平面視長方形状の基布S(基体)と多数の略円柱形状の大径パイルP1及び小径パイルP2(吸水用[処理用]のパイル)を備えてなり、前記各大径パイルP1及び小径パイルP2の基部(図1における下端部)が基布Sに結合された状態で、前記多数の大径パイルP1及び小径パイルP2が基布S上に配設されており、大径パイルP1が基布S上に多数配設されてなる区域である長方形状の所定区域Xと、小径パイルP2が基布S上に多数配設されてなる区域である長方形状の他区域Yを、基布Sの平面視における長手方向に交互に有する(例えば、所定区域X、他区域Y、所定区域X、他区域Y、所定区域X、他区域Y)。所定区域X及び他区域Yの長手方向長さは何れも基布Sの短手方向幅で互いに同一であり、所定区域X及び他区域Yの短手方向は基布Sの長手方向であってその幅(短手方向幅)は、所定区域Xの方が他区域Yよりもやや大きい。
(2) 吸水パイルマットAにおける大径パイルP1と小径パイルP2は、総称してパイルPとも言う。
(2-1) パイルPは、2本の50デニールのポリエステル繊維のモノフィラメント糸を芯糸とし、0.52デニールのポリエステル繊維の単繊維Fを飾り糸(中央部が芯糸により保持された単繊維F)として用いた強撚(500T/m)のモール糸Mにより、次のように形成することができる。
すなわち、前記強撚モール糸Mを張力がかかった状態で吸水性を有する基布S(基体)の裏側から表側(図4における上側)へ貫通させることにより、基布Sの表側において強撚モール糸Mを二つ折り状に突出させ(図4における中央及び右側。右側は単繊維Fを省略。)、突出した強撚モール糸Mの先端部である折り返し部に対し、突出の向きに引張力を作用させ、二つ折り状に突出した強撚モール糸Mの張力を維持した後、その引張力を解除することにより、強撚モール糸Mが自ら撚り合わさって1本のパイル状の吸水用(処理用)のパイルとなる。
これを熱処理することにより、撚り合わさった状態の強撚モール糸Mが更に強く自ら撚り合わさり、芯糸Cを中心として略円柱形状をなし、単繊維Fがほぼ径方向に放射状をなすように周方向に密設されて内方に向かうほど高密度状態となり且つ軸線方向に密設された状態をなし、パイルPの先端部Paがほぼ放射状の単繊維Fの先端部により略凸曲面形状をなす多数のパイルP(図4における左側)を形成することができる。
(2-2) パイルPは、軸線方向長さ/基部直径の比が3/2乃至5/2であり、且つ、基体の表面に対し自立性を有する。パイルPは、模式図である図1に示すように直立することを要するものではなく、基体の表面に対し起立した軸心線は、概ね80度乃至90度である。
パイルPの外形は、端部側が端部に向かって略球面状に縮径する回転曲面状をなし、基部側は略円柱形状の回転曲面状をなすものに概ね沿うものである。
大径パイルP1は、その飾り糸としての単繊維Fの長さが約12mm、基部横断面(軸線に直交する面)の直径は約12mm、軸線方向長さは約24mmである。軸線方向長さが10乃至20%程度異なるものが混合するものとすることもできる。
小径パイルP2は、その飾り糸としての単繊維Fの長さが約6mm、基部横断面(軸線に直交する面)の直径は約6mm、軸線方向長さは約17mmである。軸線方向長さが10乃至20%程度異なるものが混合するものとすることもできる。
(2-3) 基部が基布Sに結合された各パイルPは、基部から先端部に至るまで略円柱形状をなし、その軸線に沿う疎水性繊維(吸水性に乏しい繊維)のモノフィラメント糸からなる芯糸Cにより、0.52デニールの極めて細い多数のポリエステル繊維のフィラメントからなる単繊維F(20℃相対湿度65%において吸水率が5%以下の疎水性繊維[吸水性に乏しい繊維]。以下同じ。)が、パイルPの軸線を中心としてほぼ径方向に放射状をなすように密設され且つ軸線方向に密設された状態で保持されてなり、パイルPの略円柱形状外周面部は単繊維Fの先端部により形成されている。
パイルPの先端部Paは、芯糸Cにより保持されて放射状をなすよう密設された多数の0.52デニールのポリエステル繊維の単繊維Fにより形成されて略凸曲面形状をなし、その略凸曲面部は、それらの単繊維Fの先端部により形成されている。
パイルPの軸線に沿う芯糸Cは、2本の50デニールのポリエステル繊維のモノフィラメント糸(20℃相対湿度65%において吸水率が5%以下の疎水性繊維。以下同じ。)が2組撚り合わさっている。
(2-4) このパイルPの先端部Paにおいては、三次元的に内方(例えば上向きに凸の略半球であればその略半球の底面中央部)に向かって前記極細疎水性単繊維Fの密度が高くなって毛管現象により強い吸水力が作用し、先端部Pa以外の略円柱形状部分においては径方向内方に向かって極細疎水性単繊維Fの密度が高くなって毛管現象により強い吸水力が作用する。そのため、各パイルPは、比較的多量の水を径方向内方に向かって迅速に吸水し得る。
逆に、吸水したパイルPの先端部Paの略凸曲面状外周部やパイルPの略円柱形状外周部は、毛管現象により、水分含有率が低い状態となる。而も、パイルPの先端部Paの略凸曲面状外周部やパイルPの略円柱形状外周面部は、疎水性繊維の単繊維Fの先端部により形成されているので、繊維が占める面積が比較的小さく、且つ、繊維自体が非湿潤状態を維持する。
(3) 所定区域Xには、軸線方向長さが約20乃至24mmの多種類の大径パイルP1が多数配設されており、所定区域Xと基布Sの長手方向に隣接する他区域Yには、軸線方向長さが約12乃至15mmの多種類の小径パイルP2が多数配設されている。
所定区域Xに配設されたパイル群を構成する大径パイルP1は、隣接する他区域Yに配設されたパイル群を構成する小径パイルP2に比し、全てのパイルの略円柱形状をなす部分の横断面の面積が約4倍である。
所定区域Xに配設されたパイル群を構成する大径パイルP1並びに隣接する他区域Yに配設されたパイル群を構成する小径パイルP2は、何れも軸線方向長さ/基部直径の比が3/2乃至5/2であり、且つ、基体の表面に対し自立性を有する。更に、大径パイルP1は軸線方向における支持力が比較的に大きい。
所定区域Xに隣接する他区域Yに配設されたパイル群は、対象物の凹凸や起伏等の変化が比較的多い部分に対し、自立性を有するが横断面積が比較的に小さい小径パイルP2が細部に行き渡りつつ効果的に処理することができる。
所定区域Xに隣接する他区域Yに配設されたパイル群を構成する小径パイルP2は、横断面積が比較的に小さいため、比較的に自立性が損なわれ易いが、所定区域Xに配設された大径パイルP1からなるパイル群が、対象物を軸線方向に効果的に支持し得るため、横断面積が比較的に小さいにもかかわらず自立性が維持され易く、対象物の凹凸や起伏等の変化が比較的多い部分に対する処理を、細部も含めて良好に行い得る。
(4) 図5に示すモップ用の清掃材Bは、基布Sの一方の面に多数のパイルPが設けられ、基布Sの他方の面(図5における上面)に、モップヘッド(図示せず)の下面に設けられる一方の面ファスナー部材に着脱するための他方の面ファスナー部材Dが設けられている点、平面視における大きさ、並びに所定区域X及び他区域Yの数を除き、図1及び図2に示す吸水パイルマットと基本的な構成は同等である。なお、モップ用の清掃材の態様はこれに限るものではない。例えば、上面側にモップヘッドの両端部を挿入してモップヘッドに取り付けるための挿入部を備えるものや、清掃材の両側にパイルPを有しないシート状部(基布の一部でもよい)を備え、そのシート状部をモップヘッドの上側に設けた保持部により保持してモップヘッドに取り付けるもの等であってもよい。
[2] 本発明の実施の形態を、上記以外の形態を含めて更に説明する。
本発明の処理用パイル保持体の実施の形態を、上記以外の形態を含めて更に説明する。
(1) 本発明の処理用パイル保持体は、基体と多数の処理用のパイルを備えてなり、各パイルの基部が基体に結合された状態で、前記多数のパイルが基体上に配設されており、処理用のパイルが前記基体上に多数配設されてなる区域を複数(好ましくは3又は4以上)有する。
(1-1) 本発明の処理用パイル保持体における基体としては、基布(例えば織布、不織布、フェルト、編物等)とするのが一般的であるが、必ずしもこれに限らず、例えばパイルを設けることが可能なシート状材料(例えば皮革、合成樹脂材料、合成ゴム材料等)又はその他の材料を用いることができる。
(1-2) 前記処理用のパイルは、先端部が自由端である略円柱形状をなすパイルであって、多数の繊維製の線状体が、パイルの軸線を中心としてほぼ径方向に放射状をなすように密設され且つ軸線方向に密設されてなるものである。
(a) 多数の繊維製の線状体がパイルの軸線を中心としてほぼ径方向に放射状をなすというのは、幾何学的に径方向に直線的に放射状でなければならないことを意味するものではなく、繊維製の線状体が概ね径方向に放射状をなし、内方に向かうほど高密度状態となるものであればよい。
このパイルは、先端部が、放射状に配された繊維製の線状体により略凸曲面状をなすものとすることができる。
(b) このようなパイルは、例えば、芯糸により繊維製の線状体を保持して飾り糸とした1条のモール糸が2条に折り返され、各条のモール糸の芯糸を中心として撚り合わさり、その撚り合わさった部分が、折り返された箇所を先端部とする1本のモール糸状の略円柱形状パイルをなし、前記先端部は、上記芯糸の折り返された箇所からほぼ放射状をなすように密設された繊維製の線状体の先端部により略凸曲面状をなすものとすることができる。また、パイルの外形の表面部は、パイルの基部の基体側を除いて前記線条体の先端部により形成されているものとすることができる。
(c) 芯糸に保持された多数の繊維製の線状体は、その中間部において芯糸に保持されている。それらの繊維製の線状体は、芯糸に保持されている部分以外は基本的に互いに独立性があるものとすることができる。繊維製の線状体のうち芯糸に保持される中間部は、繊維製の線状体の長さ方向の一定位置であること、特に中央位置であることが望ましい。
(d) 芯糸に対する繊維製の線状体の保持としては、例えば、複数本の芯糸同士の間(例えば、相互に撚り状態にある複数本の芯糸同士の間)に挟み込む力による保持、1又は好ましくは2本以上の芯糸に対する接着又は融着等の固着物質の固着力による保持、又は、両者の併用(複数本の芯糸同士の間に挟み込む力と、固着物質の固着力による保持の併用)が可能である。
固着物質の固着力による保持を行う場合においては、例えば芯糸として熱融着糸を用い、熱処理により芯糸を融着することができる。
(e) 芯糸としては、例えば、10乃至300デニールのモノフィラメント糸、紡績糸、又はマルチフィラメント撚糸を挙げることができるが、これに限るものではない。前記熱融着糸を用いることもできる。芯糸の素材としては、例えば、ポリエステル系繊維、ポリプロピレン系繊維、ポリエチレン系繊維、ポリアミド系繊維を挙げることができるが、これに限るものではない。
(1-3) 前記処理用のパイルにおける繊維製の線条体としては、例えば、単繊維、或いは、合成繊維若しくは天然繊維ステープル糸等を用いることもできる。
(a) 前記処理用のパイルにおける繊維製の線条体として好ましいのは、0.03乃至3デニールの吸水性に乏しい単繊維である。この吸水性に乏しい単繊維の繊度は、より好ましくは0.05乃至2デニール、更に好ましくは0.1乃至1.5デニールであり、0.1又は0.2乃至1.2デニール、0.1又は0.2乃至1デニール、或いは、0.1又は0.2乃至0.8デニールとすることもできる。
処理用のパイルにおける繊維製の線条体としての単繊維が吸水性に乏しいものとすることにより、処理用のパイルにおいて、毛管現象により内方に向かう吸水力が作用するものとすることができる。
多数の単繊維が、処理用のパイルの軸線を中心としてほぼ径方向に放射状をなすように周方向に密設され且つ軸線方向に密設されて内方に向かうほど高密度状態となり、前記多数の単繊維は0.03乃至3デニールの吸水性に乏しい単繊維であるため、毛管現象により、その内方に向かって強い吸水力が作用し、比較的多量の水を内方に向かって迅速に吸水し得る。
このように吸水した処理用のパイルの外周部は、毛管現象により、水分含有率が低い状態となり、而も、同外周面部は、吸水性に乏しい単繊維の先端部により形成されているので、繊維が占める面積が比較的小さく、且つ繊維自体が非湿潤状態を維持する。そのため、水分を吸収した状態の前記外周面部は比較的乾燥した状態を維持し易く、べとつき感が生じにくい。
(b) 前記単繊維の長さは、例えば3乃至30mmとすることができるがこれに限るものではない。また、前記単繊維の長さは一定であることが望ましいがこれに限るものではない。
(c) 吸水性に乏しい単繊維の吸水率としては、20℃相対湿度65%において、例えば5%以下とすることができる。好ましくは、20℃相対湿度65%において3%以下、より好ましくは2%以下、更に好ましくは1%以下である。そのような単繊維としては、例えば、ポリエステル系繊維、ポリプロピレン系繊維、ポリエチレン系繊維、ポリアミド系繊維等のフィラメントからなるものとすることができ、必要に応じ、全単繊維又は一部の単繊維を捲縮フィラメント等の捲縮したものとすることや、全単繊維又は一部の単繊維の全体又は部分に各種界面活性剤等により親水化処理を施すこともできる。
(d) 前記処理用のパイルにおける繊維製の線条体としての単繊維は、処理用のパイルの軸線方向長1cm当り、例えば1万乃至25万本程度(単繊維の繊度の大小に応じ、本数は、それぞれ少な目及び多目とすることができる。単繊維が0.7デニールの場合、処理用のパイルの軸線方向長1cm当り、例えば5万本程度。)が、その軸線を中心としてほぼ径方向に放射状をなすように密設され且つ軸線方向に密設されたものとすることができる。
(e) 前記処理用のパイルにおける繊維製の線条体としての単繊維は、互いに撚り合わさっていない状態であるものとすることができる。単繊維が互いに撚り合わさっていないことにより、毛管現象による径方向内方に向かって強い吸水力が作用することが妨げられ難い。
(1-4) 処理用のパイルが前記基体上に多数配設されてなる複数の区域のうち、何れか1以上の所定区域は他の区域に隣接し、前記所定区域に配設されたパイル群を構成するパイルは、隣接する他の区域に配設されたパイル群を構成するパイルに比し、平均して(或いは、全てのパイルが)、略円柱形状をなす部分の横断面の面積が4割以上大きく、軸線方向長さ/基部直径の比が1/2(若しくは3/5)乃至4/1であり、且つ、軸線方向における支持力が比較的に大きい。軸線方向長さ/基部直径の比が1/2(若しくは3/5)乃至3/1(若しくは14/5)である場合の同パイルは軸線方向における支持力が比較的に大きく基体の表面に対し自立性を有するものとなり易い。
(a) 処理用のパイルが基体上に多数配設されてなる複数の区域は、例えば、それぞれ同一形状・同一面積であるもの、所定区域と他の区域が隣り合って一定方向に交互に(同じ幅で又は所定区域と他の区域が異なる幅で)並んだもの、所定区域が他の区域に囲まれたもの、所定区域が他の区域を囲んだもの等を挙げることができるが、これに限るものではない。多数の処理用のパイルが基体上に例えば直線状、曲線状又は波形状(例えば正弦波状、三角波状、矩形波状、のこぎり波状)に一列に又は千鳥配列状に配設された部分も1つの区域を構成し得る。
複数の区域同士の間には、パイル以外の何らかの物が区切りとして存在したり、区切りを示すものが描かれていること等を要するものではない。
複数の区域同士の間は、一定方向の直線に沿って区切られているものとすることができるが、これに限るものではない。
1つの区域内に、高さ(或いはその他の寸法)が互いに異なるパイルが存在してもよい。また、1つの区域内に、高さ(或いはその他の寸法)が互いに異なるパイルからなる複数の領域が存在してもよい。
(b) 所定区域は他の区域に隣接し、その所定区域に配設されたパイル群を構成するパイルは、隣接する他の区域に配設されたパイル群を構成するパイルに比し、平均して(或いは、全てのパイルが)、略円柱形状をなす部分の横断面の面積が4割以上大きく(好ましくは2乃至10倍、より好ましくは3又は4乃至9倍)、軸線方向長さ/基部直径の比が1/2乃至4/1である。
(c) 処理用のパイルのうち、軸線方向長さ/基部直径の比が1/2乃至3/1であり、且つ、基体の表面に対し自立性を有するものにおける、基体の表面に対し起立した軸心線としては、基体の表面に対し垂直状をなす軸心線が最も望ましいが、その他、例えば、基体の表面に対し60度乃至90度程度、又は70度若しくは80度乃至90度程度をなす軸心線を挙げることができる。
軸線方向長さ/基部直径の比が1/2乃至4/1(又は3/1)であるパイルの外形の例としては、端部側が端部に向かって略球面状に縮径する回転曲面状をなし、基部側は略円柱形状の回転曲面状をなすもの、基部から端部にわたり端部に向かって略球面状に縮径する回転曲面状をなすものを挙げることができる。
(d) 所定区域に隣接する他の区域におけるパイル群を構成するパイルは、軸線方向長さ/基部直径の比が1/2乃至5/1(又は4/1若しくは3/1)であるものとすることができる。軸線方向長さ/基部直径の比が1/2(若しくは3/5)乃至3/1(若しくは14/5)である場合は基体の表面に対し自立性を有するものとなり易い。
(e) 所定区域に配設されたパイル群を構成するパイルの軸線方向長さに対し、所定区域に隣接する他の区域に配設されたパイル群を構成するパイルの軸線方向長さは、平均して(或いは、全てのパイルが)同等であるか又は短いものとすることが好ましいが、長いものとすることもできる。
(2) 本発明の処理用パイル保持体の具体例としては、
各処理用のパイルの基部が基体としての基布に結合された状態で、前記多数の処理用のパイルが基布上に配設されているパイルマットを構成するもの、
各処理用のパイルの基部が基体に結合された状態で、前記多数の処理用のパイルが基体上に配設されている清掃又は洗浄材を構成するもの、
各処理用のパイルの基部が基体としての基布に結合された状態で、前記多数の処理用のパイルが基布上に配設されている傘袋等における水分吸収保持材を構成するもの
等を挙げることができるが、これらに限るものではない。
A 吸水パイルマット
B 清掃材
C 芯糸
D 面ファスナー部材
F 単繊維
M モール糸
P パイル
P1 大径パイル
P2 小径パイル
Pa 先端部
S 基布
X 所定区域
Y 他区域

Claims (12)

  1. 基体と多数の処理用のパイルを備えてなり、各パイルの基部が基体に結合された状態で、前記多数の処理用のパイルが基体上に配設されているパイル保持体であって、
    先端部が自由端である略円柱形状をなす処理用のパイルであって、多数の繊維製の線状体が、パイルの軸線を中心としてほぼ径方向に放射状をなすように密設され且つ軸線方向に密設されてなるパイルが前記基体上に多数配設されてなる区域を複数有し、
    前記区域のうち、何れか1以上の所定区域は他の区域に隣接し、前記所定区域に配設されたパイル群を構成するパイルは、隣接する他の区域に配設されたパイル群を構成するパイルに比し、平均して、略円柱形状をなす部分の横断面の面積が4割以上大きく、軸線方向長さ/基部直径の比が1/2乃至4/1であることを特徴とする処理用パイル保持体。
  2. 上記隣接する他の区域におけるパイル群を構成するパイルの軸線方向長さ/基部直径の比が1/2乃至5/1である請求項1記載の処理用パイル保持体。
  3. 上記隣接する他の区域におけるパイル群を構成するパイルが、軸線方向長さ/基部直径の比が1/2乃至3/1であり、且つ、基体の表面に対し自立性を有するものである請求項1記載の処理用パイル保持体。
  4. 上記所定区域に配設されたパイル群を構成するパイルの軸線方向長さに対し、所定区域に隣接する他の区域に配設されたパイル群を構成するパイルの軸線方向長さが、平均して同等であるか又は短い請求項2又は3記載の処理用パイル保持体。
  5. 上記各区域におけるパイルが、略円柱形状をなすパイルの各円形状横断面において内方に向かうほど上記繊維製の線状体高密度状態となるよう構成されているものである請求項1乃至4の何れか1項に記載の処理用パイル保持体。
  6. 上記パイルの先端部が、放射状に配された繊維製の線状体により略凸曲面状をなす請求項1乃至の何れか1項に記載の処理用パイル保持体。
  7. 上記処理用パイル保持体が、各処理用のパイルの基部が基体としての基布に結合された状態で、前記多数の処理用のパイルが基布上に配設されているパイルマットを構成するものである請求項1乃至の何れか1項に記載の処理用パイル保持体。
  8. 上記処理用パイル保持体が、各処理用のパイルの基部が基体に結合された状態で、前記多数の処理用のパイルが基体上に配設されている清掃又は洗浄材を構成するものである請求項1乃至の何れか1項に記載の処理用パイル保持体。
  9. 上記繊維製の線状体が単繊維である請求項1乃至の何れか1項に記載の処理用パイル保持体。
  10. 上記単繊維がポリエステル系繊維、ポリプロピレン系繊維、又はポリエチレン系繊維の0.03乃至3デニールのフィラメントである請求項記載の処理用パイル保持体。
  11. 上記各区域におけるパイルが、略円柱形状をなすパイルの各円形状横断面において内方に向かうほど上記単繊維が高密度状態となり、毛管現象により内方に向かう吸水力が作用するよう構成されているものである請求項10記載の処理用パイル保持体。
  12. 上記パイルの先端部が、放射状に配された単繊維により略凸曲面状をなし、
    前記先端部においても内方に向かうほど前記単繊維が高密度状態となって、毛管現象により内方に向かう吸水力が作用するよう構成されている請求項11記載の処理用パイル保持体。
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