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JP6635779B2 - 空気入りタイヤ及びその製造方法 - Google Patents
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本発明は、空気入りタイヤ及びその製造方法に関するものである。
従来、空気入りタイヤとして、両端がブロック内で閉じているサイプと、ブロック及びサイプを貫通し、両端で横溝に開口している貫通孔とが形成されたものが公知である(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、前記従来の空気入りタイヤでは、サイプ内に吸い上げることができる水分量を増大させるために、貫通孔では空気の流れを発生させるように構成されている。つまり、この構成は、横溝での排水性を高めたり、ポンピングノイズの発生を抑制したりすることを意図するものではない。
特開2008−1260号公報
本発明は、ポンピングノイズを抑制し、排水性を向上させることができる空気入りタイヤ及びその製造方法を提供することを課題とする。
本発明は、前記課題を解決するための手段として、トレッド部に、タイヤ周方向に延びる複数の主溝と、タイヤ幅方向に延びる複数の横溝とによって形成される複数のブロックを有する空気入りタイヤであって、前記ブロックは、前記主溝及び前記横溝には開口せずに、上面からタイヤ内径方向に延びる閉鎖溝と、前記横溝を構成する前記ブロックの側面にそれぞれ形成され、前記閉鎖溝に連通する凹部とを備え、前記閉鎖溝と前記凹部とによって前記ブロックの両側の前記横溝間を連通する連通路が形成されており、前記閉鎖溝は、タイヤ周方向の進行方向前側から進行方向後側に向かって断面積が徐々に大きくなる拡張部を有することを特徴とする空気入りタイヤを提供する。
この構成により、ウェット路面を走行する際、進行方向R側(前側)の横溝内の水は連通路を通過し、進行方向L側(後側)の横溝内へと流動する。すなわち、進行方向R側の横溝内の水は、その側面に形成した凹部内に流入し、閉鎖溝を通過した後、進行方向L側の横溝を構成する側面の凹部から進行方向L側の横溝内へと流出する。したがって、ブロックに連通路を形成しないものに比べて排水性を向上させることができる。しかも、閉鎖溝は断面積が徐々に大きくなる拡張部を有するため、より一層、排水性を高めることができる。また、ドライ路面を走行する際、進行方向R側の横溝内の空気が圧縮されるが、連通路を介して進行方向L側の横溝へと逃がすことができる。したがって、進行方向R側の横溝内の空気が圧縮状態となることがなく、路面から離れる際、ポンピングノイズが発生することを確実に防止することができる。
前記凹部のうち、前記横溝を構成する前記側面での開口面積は、前記閉鎖溝との連通部分の開口面積よりも大きいのが好ましい。
この構成により、進行方向R側の凹部がいわゆる漏斗としての役割を果たし、横溝内の水を取り込みやすくなる。また凹部が、閉鎖溝内への水の流入時と、閉鎖溝からの水の流出時とで流路断面の急激な変化を緩和し、流路表面からの水の剥離現象を抑制して、スムーズな流れを実現可能とする。
前記閉鎖溝の溝底は、進行方向側の前記横溝から進行方向側の前記横溝に向かって徐々に深くなるように傾斜させてもよい。
また、本発明は、前記課題を解決するための手段として、トレッド部に、タイヤ周方向に延びる複数の主溝と、タイヤ幅方向に延びる複数の横溝とによって形成される複数のブロックを有する空気入りタイヤの製造方法であって、前記ブロックにタイヤ周方向の進行方向前側から進行方向後側に向かって断面積が徐々に大きくなる拡張部を有する閉鎖溝を形成する第1金型部品と、前記ブロックの側面前記横溝及び凹部を形成する第2金型部品と、を備え、加硫成型後、前記第1金型部品を前記閉鎖溝から離脱させた後、前記第2金型部品を前記横溝から離脱させることを特徴とする空気入りタイヤの製造方法を提供する。
本発明によれば、ブロックに、そのタイヤ周方向の両側の横溝同士を連通する連通路を形成するようにしたので、ウェット路面を走行する際、進行方向R側の横溝内の水を進行方向L側の横溝へと流出させることができ、排水性を高めることが可能となる。また、ドライ路面を走行する際、進行方向R側の横溝内の空気を進行方向L側の横溝へと流動させることができ、ポンピングノイズの発生を抑制することが可能となる。
本実施形態に係る空気入りタイヤのトレッド部の部分展開図である。 (a)は第1実施形態に係るブロックの平面図、(b)はそのA−A線断面図である。 (a)は第2実施形態に係るブロックの平面図、(b)はそのA−A線断面図、(c)はB−B線断面図である。 (a)は第3実施形態に係るブロックの平面図、(b)はそのA−A線断面図である。 (a)は第4実施形態に係るブロックの平面図、(b)はそのA−A線断面図である。 (a)他の実施形態に係るブロックの断面図、(b)はその側面図である。 (a)他の実施形態に係るブロックの断面図、(b)はその側面図である。 他の実施形態に係るブロックの断面図である。
以下、本発明に係る実施形態を添付図面に従って説明する。なお、以下の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物、あるいは、その用途を制限することを意図するものではない。また、図面は模式的なものであり、各寸法の比率等は現実のものとは相違している。
図1は、本実施形態に係る空気入りタイヤのトレッド部1の部分展開図である。図示しないが、この空気入りタイヤは、一対のビードコア間にカーカスを掛け渡し、カーカスの中間部の外周側に巻き付けたベルトによって補強し、そのタイヤ外径方向にトレッド部1を有する構成となっている。
トレッド部1には、タイヤ周方向に延びる複数本の主溝2と、タイヤ幅方向に延びる複数本の横溝3とによって複数のブロック4が形成されている。図2から図5に示すように、各ブロック4には閉鎖溝5と一対の凹部6によって連通路7が形成されている。連通路7には、以下に示す種々の構成を採用することができる。
(第1実施形態)
第1実施形態に係る連通路7の構成は図2(a)及び(b)に示す通りである。
閉鎖溝5は、ブロック4のタイヤ幅方向中心位置に形成され、タイヤ周方向に長尺な矩形状をしており、タイヤ内径方向に延びている。閉鎖溝5の深さは、ブロック高さ以下に設定されている。
凹部6は、ブロック4の両側の横溝3によって形成された両側面にそれぞれ開口している。すなわち、凹部6は、ブロック4のタイヤ進行方向R側の側面に開口する第1凹部8と、タイヤ進行方向L側の側面に開口する第2凹部9とからなる。各凹部6は略半球面形状で、その中央部には閉鎖溝5が連通している。各凹部6の形成位置は、側面での円形の開口が丁度横溝3の溝底と接する位置である。
第1実施形態に係る連通路7を有するブロック4を備えた空気入りタイヤは、次のようにして製造することができる。すなわち、金型として、閉鎖溝5を形成するための第1金型部品10と、横溝3と共にそこに開口する凹部6を形成するための第2金型部品11とを別途備えたものを使用する。第1金型部品10は板状体からなる。第2金型部品11は、横溝3を形成する突条部分と、そこから突出する半球状で、先端部分が第1金型部品10の端部に当接する平坦面を有する凸部12とを備える。
そして、加硫成型後、型開きする際、まず第1金型部品10を移動させ、次いで第2金型部品11を移動させる。これにより、第1金型部品10の両端部と、第2金型部品11の凸部12の平坦面とが接触状態となっているにも拘わらず、型開きすることができる。すなわち、第2金型部品11が移動する際、既に第1金型部品10が移動した後であるので、第2金型部品11の凸部12によって押圧されるタイヤ構成部分のゴムを、第1金型部品10が移動することにより形成された空間へと弾性変形させることができる。この場合、押圧するのは略半球状の凸部12であり、ゴムの変形量を抑えることができる。したがって、ゴムに切断等の不具合が発生することもない。
このようにして形成された空気入りタイヤでは、進行方向R側の側面に開口する第1凹部8の開口面積が大きくなっている。このため、ウェット路面を走行する際、第1凹部8によって進行方向R側の横溝3に進入した水をスムーズに回収することができる。また第1凹部8は、流路断面積が閉鎖溝5に向かって徐々に小さくなるように形成されている。このため、第1凹部8内に回収された水を、第1凹部8の内面との間で剥離現象を発生させることなく、スムーズに閉鎖溝5側へと流動させることができる。閉鎖溝5を通過して第2凹部9に至った水は、そこでの流路断面積が徐々に広がっているので、流動抵抗を受けることなく、スムーズに進行方向L側の横溝3へと流出される。
また、ドライ路面を走行する際、進行方向R側の横溝3の両側のブロック4が接地して押し込まれることにより、進行方向R側の横溝3内の空気が圧縮される。このとき、連通路7を介して進行方向L側の横溝3へと圧縮された空気が流動する。したがって、前記ブロック4が路面から離れ、進行方向R側の横溝3が大気に開放されたとしても、進行方向R側の横溝3内には既に圧縮された空気は存在せず、従ってポンピングノイズが発生することもない。
(第2実施形態)
第2実施形態に係る連通路7の構成は図3に示す通りである。
閉鎖溝5は、ブロック4の上面での開口形状は前記第1実施形態に係るものと同様であるが、内部の流路部分はブロック4の上面開口よりも断面積が大きくなるように形成されている点で相違する。すなわち、閉鎖溝5の溝底部分には、上方開口の幅寸法よりも両側で断面半円となる領域分ずつ広げられた連通領域13が形成されている。また、連通領域13の両端部の進行方向R側と進行方向L側とが延長部14となっている。延長部14は、凹部6に向かうに従って徐々に開口断面積が小さくなり、凹部6の中心部分に連通する中空状に形成されている。
前記構成の閉鎖溝5を形成するために、第1金型部品10が、板状で、下端部が連通領域13を形成できるように両側に断面半円状に膨出した円柱状部15を有するもので構成されている。円柱状部15の両端には、徐々に外径寸法が小さくなる突出部16が形成されている。加硫成型では、第1金型部品10の突出部16と第2金型部品11の凸部12とが接触状態にある。そして、金型を開放する際、最初に第1金型部品10を移動させると、突出部16に対応する部分のゴムが変形するが、突出部自体の突出寸法がそれほど大きくなく、占有体積もそれほど大きくないので、ゴムに亀裂等を発生させる心配はない。また突出部16はそれよりも外径寸法の大きな円柱部15に設けられているため十分な強度を有し、第1金型部品10の移動時に突出部16が変形する等の不具合を発生させることもない。
前記構成の連通路7を備えた空気入りタイヤでは、閉鎖溝5と凹部6の連通部分が突出部16によって形成されているため、前述の通り、金型を開放する際の亀裂等の不具合も発生しにくく、十分な強度を有する。したがって、長期に亘って使用しても、ブロック4が損傷しにくい、またウェット路面を走行する際、連通路7の流路断面を十分に広げることができるため、進行方向R側の横溝3から進行方向L側の横溝3への排水をスムーズに行わせることが可能となる。
(第3実施形態)
第3実施形態に係る連通路7の構成は図4に示す通りである。
閉鎖溝5は、ブロック4の上面中央部をタイヤ周方向に延びている点では、前記第1及び第2実施形態と同様であるが、長手方向に2分割されている点で相違する。すなわち、ブロック4の上面中央部をタイヤ周方向に延びる第1閉鎖溝17と第2閉鎖溝18とが形成されている。第1閉鎖溝17と第2閉鎖溝18の両端部には、前記第2実施形態と同様に、延長部14が形成されている。第1閉鎖溝17と第2閉鎖溝18とは延長部14同士で連通されている。第1凹部8には第2閉鎖溝18の延長部14が、第2凹部9には第1閉鎖溝17の延長部14がそれぞれ連通されている。
前記構成の閉鎖溝5を形成するために、第1金型部品10が第1板状体19と第2板状体20の2部品で構成されている。この場合、第1板状体19及び第2板状体20は、前記第2実施形態に係る第1金型部品10と長手方向の寸法を除き、ほぼ同様な構成とすることができる。そして、これら第1板状体19及び第2板状体20についても、型開き時に時間差を設けて移動させるようにすればよい。これにより、金型開放時、第1板状体19と第2板状体20を移動させる際に、突出部16の移動によってゴムに亀裂等の不具合を発生させる心配がない。また突出部自体も変形することがない。
前記構成の連通路7を備えた空気入りタイヤでは、前記第2実施形態と同様な効果に加え、閉鎖溝5を分離することでブロック自体の強度を向上させることができる。したがって、長期に亘って使用しても損傷しにくい。
(第4実施形態)
第4実施形態に係る連通路7の構成は図5に示す通りである。
閉鎖溝5は、タイヤ幅方向に延びるものをタイヤ周方向に並設したものである。ここでは、閉鎖溝5は4箇所に並設され、各閉鎖溝5間は前記第2又は第3実施形態と同様に、延長部14によって連通されている。すなわち、閉鎖溝5の両面には下端部中央から徐々に開口断面積が小さくなる延長部14が延在し、隣接する閉鎖溝5から延びる延長部14と互いに連通されている。
前記構成の閉鎖溝5を形成するために、第1金型部品10が第1〜第4板状体21〜24で構成されている。各板状体21〜24の両面には下端部中央に突出部16が形成されている。そして、これら板状体21〜24でも、型開き時に隣り合うものを時間差を設けて移動させるようにすればよい。例えば、第1及び第3板状体21及び23を移動させた後、第2及び第4板状体22及び24を移動させるようにすればよい。これにより、突出部16の移動によってゴムに亀裂等の不具合を発生させる心配がないし、又突出部16自体も変形することがない。
前記構成の連通路7を備えた空気入りタイヤでは、前記第2実施形態と同様な効果に加え、閉鎖溝5を多数形成することで、ウェット路面走行時にブロック4の表面が接地した際の吸水力を向上させることができる。
(その他の実施形態)
なお、本発明は、前記実施形態に記載された構成に限定されるものではなく、種々の変更が可能である。
前記実施形態では、ブロック4の側面に開口する凹部6の形状を円形としたが、これに限らず、図6及び図7に示すように種々の形態を採用することができるし、これらの形状に限定されるものでもない。
図6では、ブロック4の側面での凹部6の開口形状は、上方に向かうに従って徐々に幅寸法が狭くなる三角形とされている。凹部6は、三角形の底辺部分が閉鎖溝5の溝底と面一とされており、上方に突出する部分が閉鎖溝5に向かって徐々に低くなるように開口形状を変位させている。
図7では、ブロック4の側面での凹部6の開口形状は、上方に向かって円弧状に膨出する半円状とされている。凹部6は、半円の直径部分が閉鎖溝5の溝底と面一とされており、上方に突出する部分が閉鎖溝5に向かって徐々に低くなるように開口形状を変位させている。
前記実施形態では、連通路7をブロック4の上面に対して平行に形成するようにしたが、図8に示すように、傾斜させて形成するようにしてもよい。具体的には、閉鎖溝5は、タイヤ周方向の進行方向R側(前側)から進行方向L側(後側)に向かって断面積が徐々に大きくなる拡張部5aを有する。この閉鎖溝5の溝底5bは、進行方向R側の横溝3から進行方向L側の横溝3に向かって徐々に深くなるように傾斜している。連通路7を斜めに形成することで、連通路7内に進入した水を排出しやすくすることができる。
1…トレッド部
2…主溝
3…横溝
4…ブロック
5…閉鎖溝
5a…拡張部
5b…溝底
6…凹部
7…連通路
8…第1凹部
9…第2凹部
10…第1金型部品
11…第2金型部品
12…凸部
13…連通領域
14…延長部
15…円柱部
16…突出部
17…第1閉鎖溝
18…第2閉鎖溝
19…第1板状体
20…第2板状体
21…第1板状体
22…第2板状体
23…第3板状体
24…第4板状体

Claims (4)

  1. トレッド部に、タイヤ周方向に延びる複数の主溝と、タイヤ幅方向に延びる複数の横溝とによって形成される複数のブロックを有する空気入りタイヤであって、
    前記ブロックは、前記主溝及び前記横溝には開口せずに、上面からタイヤ内径方向に延びる閉鎖溝と、前記横溝を構成する前記ブロックの側面にそれぞれ形成され、前記閉鎖溝に連通する凹部とを備え、
    前記閉鎖溝と前記凹部とによって前記ブロックの両側の前記横溝間を連通する連通路が形成されており、
    前記閉鎖溝は、タイヤ周方向の進行方向前側から進行方向後側に向かって断面積が徐々に大きくなる拡張部を有することを特徴とする空気入りタイヤ。
  2. 前記凹部のうち、前記横溝を構成する前記側面での開口面積は、前記閉鎖溝との連通部分の開口面積よりも大きいことを特徴とする請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  3. 前記閉鎖溝の溝底は、進行方向側の前記横溝から進行方向側の前記横溝に向かって徐々に深くなるように傾斜していることを特徴とする請求項1又は2に記載の空気入りタイヤ。
  4. トレッド部に、タイヤ周方向に延びる複数の主溝と、タイヤ幅方向に延びる複数の横溝とによって形成される複数のブロックを有する空気入りタイヤの製造方法であって、
    前記ブロックにタイヤ周方向の進行方向前側から進行方向後側に向かって断面積が徐々に大きくなる拡張部を有する閉鎖溝を形成する第1金型部品と、前記ブロックの側面前記横溝及び凹部を形成する第2金型部品と、を備え、
    加硫成型後、前記第1金型部品を前記閉鎖溝から離脱させた後、前記第2金型部品を前記横溝から離脱させることを特徴とする空気入りタイヤの製造方法。
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