JP6647820B2 - 透明被膜形成用塗布液、透明被膜形成用塗布液の製造方法、透明被膜付基材、および透明被膜付基材の製造方法 - Google Patents
透明被膜形成用塗布液、透明被膜形成用塗布液の製造方法、透明被膜付基材、および透明被膜付基材の製造方法 Download PDFInfo
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Description
金属アルコキシドとキレート形成可能な有機化合物と特定の6官能シラン化合物と金属アルコキシド(ただし、シリコンアルコキシドを除く)とが水および有機溶媒からなる混合溶媒中に溶解又は分散した塗布液を用いると、十分な硬度を有するとともにクラックを生じにくく、さらに耐薬品性にも優れる透明被膜が得られることを見いだした。本発明はこの知見をもとに完成されたものである。
すなわち、本発明は、以下のような、透明被膜形成用塗布液、透明被膜形成用塗布液の製造方法、透明被膜付基材、および透明被膜付基材の製造方法を提供するものである。
また、本発明は、透明被膜形成用塗布液に高屈折率粒子を配合することなく、高屈折率(屈折率1.3〜2.3)な透明被膜を形成できる透明被膜形成用塗布液を提供するものである。
M(OR10)n (3)
(Mは、Be、Al、P、Sc、Ti、V、Cr、Fe、Ni、Zn、Ga、Ge、As、Se、Y、Zr、Nb、In、Sn、Sb、Te、Hf、Ta、W、Pb、B、Bi、Ce、およびCuから選ばれた1種の元素であり、R10は炭素数1から10までの非置換又は置換アルキル基である。nはMの原子価と同じ整数である。)
〔3〕さらに下記一般式(4)で表される4官能シラン化合物およびその加水分解縮合物のうち少なくともいずれか(D)を含み、前記B成分のモル数(M2)に対する前記D成分のモル数(M4)のモル比(M4)/(M2)の値が0.01以上0.5以下の範囲にあることを特徴とする上記〔1〕又は〔2〕に記載の透明被膜形成用塗布液。
Si(R11)4 (4)
(R11は炭素数1から8までの非置換又は置換アルコシキ基、非置換又は置換アリールオキシ基、ビニルオキシ基、水酸基、水素原子、およびハロゲン原子のいずれかであり、同一であってもよく、異なっていてもよい。)
予備工程1:前記有機溶媒と、前記水と、前記B成分(前記一般式(2)で表される6官能シラン化合物)と、加水分解触媒とを配合し、6官能シラン溶液を調製する工程(ただし、前記B成分の配合量は、予備工程2における前記C成分金属1モルに対し0.5モル以上8モル以下の範囲である。)
予備工程2:前記有機溶媒と、前記A成分と、前記C成分(前記一般式(3)で表される金属アルコキシド)とを配合して金属アルコキシド溶液を調製する工程(ただし、前記A成分の配合量は、前記C成分金属1モルに対し、0.25モル以上2モル未満の範囲である。)
本工程:前記予備工程1で得られた前記6官能シラン溶液に、前記予備工程2で得られた前記金属アルコキシド溶液を添加し、次いで水を添加し、5℃以上40℃以下の温度で撹拌混合する工程
〔12〕前記透明被膜の平均膜厚が20nm以上200nm以下であることを特徴とする上記〔11〕に記載の透明被膜付基材。
成膜工程1:前記透明被膜形成用塗布液を基材に塗布する工程
成膜工程2:前記成膜工程1に続き、前記基材を80℃以上150℃以下で加熱し乾燥する工程
成膜工程3:前記成膜工程2に続き、前記基材上に形成された塗布膜に対し紫外線を照射する工程
成膜工程4:前記成膜工程3に続き、前記基材上に形成された塗布膜を80℃以上300℃以下で加熱する工程
更に詳しくは、本発明の透明被膜形成用塗布液は、UV処理および80〜300℃という比較的低温での加熱処理により充分な硬度と耐擦傷性等を示し、高屈折率(屈折率1.3〜2.3)を示す透明被膜を形成することができる。
本発明の透明被膜付基材の製造方法によれば、耐熱性に劣る基材に対しても充分な硬度と耐擦傷性等を示す透明被膜を形成することができる。
本発明の透明被膜付基材は、液晶表示装置の透明電極基板と配向膜との間に用いる絶縁膜、タッチパネルの透明電極上の保護膜等に好適に用いることができる。
本実施形態における透明被膜形成用塗布液(以下、単に「本塗布液」ともいう。)は、金属アルコキシドとキレート形成可能な有機化合物(A)と、上記一般式(2)で表される6官能シラン化合物およびその加水分解縮合物のうち少なくともいずれか(B)と、上記一般式(3)で表される金属アルコキシドおよびその加水分解縮合物のうち少なくともいずれか(C)とを、水および有機溶媒を含む混合溶媒中に溶解又は分散してなるものである。
本塗布液におけるA成分は、金属アルコキシドとキレート形成可能な有機化合物である。
金属アルコキシドとキレート形成可能な有機化合物としては、例えば、アセチルアセトン、トリフルオルアセチルアセトン、ヘキサフルオルアセチルアセトン、ベンゾイルアセトン、ベンゾイルトリフルオルアセトン、ジベンゾイルメタン、フロイルアセトン、トリフルオルフロイルアセトン、ベンゾイルフロイルメタン、テノイルアセトン、トリフルオルテノイルアセトン、フロイルテノイルアセトン、オキシン、2−メチルオキシン、4−メチルオキシン、5−メチルオキシン、6−メチルオキシン、7−メチルオキシン、オキシン−5−スルホン酸、7−ヨードオキシン−5−スルホン酸、キノリン−2−カルボン酸、キノリン−8−カルボン酸、8−ヒドロキシシノリン、4−ヒドロキシ−1,5−ナフチリジン、8−ヒドロキシ−1,6−ナフチリジン、8−ヒドロキシ−1,7−ナフチリジン、5−ヒドロキシキノキサリン、8−ヒドロキシキナゾリン、2,2′−ビピリジン、2−(2′−チエニル)ピリジン、1,10−フェナントロリン、2−メチル−1,10−フェナントロリン、5−メチル−1,10−フェナントロリン、2,9−ジメチル−1,10−フェナントロリン、4,7−ジメチル−1,10−フェナントロリン、5−クロル−1,10−フェナントロリン、6−ブロム−1,10−フェナントロリン、5−ニトロ−1,10−フェナントロリン、5−フェニル−1,10−フェナントロリン、4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン、ジメチルグリオキシム、ジメチルグリオキシム−o−メチルエステル、ジメチルジチオカルバミン酸、ジエチルジチオカルバミン酸、N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミン、1−ニトロソ−2−ナフトール、2−ニトロソ−1−ナフトール、3−ヒドロキシフラボン、5−ヒドロキシフラボン、1−(2−ピリジルアゾ)−2−ナフトール、4−(2−ピリジルアゾ)レゾルシン、2−(4′−ジメチルアミノフェニルアゾ)ピリジン、エリオクロムブラックA、エリオクロムブラックT、エリオクロムブルーブラックB、エリオクロムブルーブラックR、フタレインコンプレクソン、アルカノールアミン、およびヒドロキシ酸等を挙げることができる。
R1としては、例えばメチル基、エチル基、イソプロピル基、フェニル基、フリル基、チエニル基、トリフルオロメチル基 、メトキシ基、およびエトキシ基等を挙げることが
できる。R1としては、特にメチル基、エチル基、およびエトキシ基が好ましい。
R2のうち有機基としては、例えばメチル基、エチル基、イソプロピル基、フェニル基、フリル基、チエニル基、トリフルオロ基、メトキシ基、およびエトキシ基等を挙げることができる。
A成分としては、1種を用いてもよく任意の2種以上を混合して用いてもよいが、キレート剤としての効果の観点よりアセチルアセトンを用いることが特に好ましい。
本塗布液におけるB成分は、下記の一般式(2)で表される6官能シラン化合物およびその加水分解縮合物の少なくともいずれかである。本塗布液では、B成分を配合することにより、塗布膜の耐クラック性が向上するととともに、耐薬品性や絶縁性も向上する。
このような6官能シラン化合物としては、例えば、1,2−ビス(トリエトキシシリル)エタン((C2H5O)3−Si−C2H4−Si(OC2H5)3)、1,2−ビス(トリエトキシシリル)プロパン、1,2−ビス(トリエトキシシリル)ブタン、1,2−ビス(トリエトキシシリル)ペンタン、1,2−ビス(トリエトキシシリル)ヘキサン、1,2−ビス(トリメトキシシリル)エタン、1,2−ビス(トリメトキシシリル)プロパン、1,2−ビス(トリメトキシシリル)ブタン、1,2−ビス(トリメトキシシリル)ペンタン、および1,2−ビス(トリメトキシシリル)ヘキサンなどが好適に挙げられる。これらは1種を用いてもよく任意の2種以上を混合して用いてもよい。R3があまり長鎖になると十分な硬度を得るのが困難となるおそれもあるので、アルキレン基としては、炭素数2以上6以下のものが好ましい。またR4〜R9が互いに異なると加水分解速度に違いが生じ、均一な反応が起こりにくくなる。それ故、B成分としては、(C2H5O)3−Si−C2H4−Si(OC2H5)3を用いることが好ましい。
また、加水分解縮合後におけるB成分の重量平均分子量(ポリスチレン換算)は、300以上3000以下の範囲であることが耐クラック性の観点より好ましい。ここで、重量平均分子量は、GPC(Gel Permeation Chromatography)により求められる。
さらに、本発明の透明被膜形成用塗布液の製造方法においては、B成分(6官能シラン化合物)をオリゴマー化(重量平均分子量(ポリスチレン換算)300以上3000以下)させてからC成分(金属アルコキシドおよびその加水分解縮合物のうち少なくともいずれか)と共加水分解縮合することが望ましく、このようにして得られた共加水分解縮合物は緻密であり、耐クラック性に優れる。
本塗布液におけるC成分は、下記一般式(3)で表される金属アルコキシドおよびその加水分解縮合物の少なくともいずれかである。
M(OR10)n (3)
ここで、R10は炭素数1から10までの非置換又は置換アルキル基である。Mは金属元素であり、同一であってもよく、異なっていてもよい。nはMの原子価と同じ整数である。
ここで、金属元素MとしてSi以外の金属元素が選択される。具体的には、金属元素Mは、Be、Al、P、Sc、Ti、V、Cr、Fe、Ni、Zn、Ga、Ge、As、Se、Y、Zr、Nb、In、Sn、Sb、Te、Hf、Ta、W、Pb、B、Bi、CeおよびCuから選ばれる少なくとも1種の元素のアルコキシドが用いられる。
本塗布液における混合溶媒としては、水および有機溶媒の混合溶媒が用いられる。混合される有機溶媒のうち少なくとも1種は、沸点が120℃以上であることが好ましい。ただし、沸点が300℃以下であると好ましい。また、20℃における有機溶媒の粘度が1〜400mPa・sの範囲にあることが好ましく、20〜350mPa・sの範囲にあることがより好ましい。
有機溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノール、ジアセトンアルコール、フルフリルアルコール、エチレングリコール、ヘキシレングリコール等のアルコール類、酢酸メチルエステル、酢酸エチルエステル等のエステル類、ジエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル等のエーテル類、アセトン、およびメチルエチルケトン等のケトン類等が好ましく挙げられる。これらは1種を用いてもよく任意の2種以上を混合して用いてもよい。
なお、本塗布液における当該有機溶媒としては、前記成分(A)金属アルコキシドとキレート形成可能な有機化合物は除外される。
また、本塗布液には、D成分として、下記一般式(4)で表される4官能シラン化合物およびその加水分解縮合物のうち少なくともいずれかをさらに配合してもよい。
Si(R11)4 (4)
ここで、R11は炭素数1から8までの非置換又は置換アルコキシ基、非置換又は置換アリールオキシ基、ビニルオキシ基、水酸基、水素原子、およびハロゲン原子のいずれかであり、同一であってもよく、異なっていてもよい。
炭素数1から8までの非置換アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、およびブトキシ基等を挙げることができる。同じく置換アルコキシ基としては、前記した非置換アルコキシ基の水素原子をメチル基、エチル基等に置き換えてなる基を挙げることができる。アリールオキシ基としては、フェノキシ基、およびナフチルオキシ基等を挙げることができる。ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、およびヨウ素原子等を挙げることができる。
D成分の4官能シラン化合物としては、例えば、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラブトキシシランテトラクロロシラン、およびトリメトキシシラン等が挙げられる。D成分としてはテトラエトキシシランが特に好ましい。
D成分は、1種のみを用いてもよいし、任意に2種以上を混合して用いてもよい。
本塗布液においては、A成分のモル数(M1)と前記C成分のモル数(M3)のモル比(M1)/(M3)が0.25以上2未満の範囲にあることが必要であり、0.5以上1以下の範囲にあることが好ましい。ここで、A成分やC成分が加水分解した場合であっても、M1やM2は、加水分解前の構造を基準とした値である。
モル比(M1)/(M3)が2以上であると、C成分におけるOR10部の大半に、A成分が配位することになり、B成分とC成分との反応が抑制されるおそれあり、このため、膜硬化時に−M−O−Si−の架橋を形成しにくくなり、得られる透明被膜の硬度が不十分となるおそれがある。また、透明被膜に残存するA成分の量が増加し、膜の表面抵抗値等といった電気的特性が経時的に変化し、信頼性が低下するおそれもある。
また、モル比(M1)/(M3)が0.25未満の場合、C成分の反応の進行が過大となるため、塗布液中での加水分解縮合物の安定性が悪くなり、塗布液寿命が短くなるため、得られる透明被膜の耐クラック性に悪影響を及ぼすおそれがある。
前記モル比(M2)/(M3)が0.5未満であると、塗布液の安定性が低下し、塗布液寿命も短くなるため、得られる透明被膜の膜厚、屈折率、硬度等といった特性が一定して得られない場合があり、さらには耐クラック性が低下するおそれもある。
前記モル比(M2)/(M3)が8を超えると、得られる透明被膜の硬度が不十分となり、やはり耐クラック性が低下するおそれがある。
ここで、B成分やD成分が加水分解した場合であっても、(M2)や(M4)は、加水分解前の構造を基準とした値である。
また、本塗布液が、さらに前記D成分を含有する場合、前記一般式(2)で表される6官能シラン化合物およびその加水分解縮合物の一部と、前記一般式(3)で表される金属アルコキシドおよびその加水分解縮合物の一部と、前記一般式(4)で表される4官能シラン化合物およびその加水分解縮合物の一部との共加水分解縮合物を含有しても構わない。
なお、本発明の透明被膜形成用塗布液には、その効果を阻害しない範囲で、任意成分を添加させることができる。このような任意成分の例としては、無機酸化物微粒子、有機樹脂微粒子、オルガノポリシロキサン樹脂微粒子、顔料、着色料、帯電防止剤、および界面活性剤などが挙げられる。
本塗布液の製造方法は、下記の予備工程1、予備工程2および本工程を含むことを特徴とする。
予備工程1:前記有機溶媒と、前記水と、前記B成分(一般式(2)で表される6官能シラン化合物)と、加水分解触媒とを配合して6官能シラン溶液を調製する工程(ただし、前記B成分の配合量は、予備工程2における前記C成分金属1モルに対し、0.5モル以上8モル以下の範囲である。)
(本願では、予備工程1で調製した、6官能シラン化合物およびその加水分解縮合物のうち少なくともいずれかを含む溶液を「6官能シラン溶液」と称する。)
予備工程2:前記有機溶媒と、前記A成分と、前記C成分(一般式(3)で表される金属アルコキシド)とを配合して金属アルコキシド溶液を調製する工程(ただし、前記A成分は、前記C成分金属1モルに対し、0.25モル以上2モル未満の範囲である。)
(本願では、予備工程2で調製した、金属アルコキシドおよびその加水分解縮合物のうち少なくともいずれかを含む溶液を「金属アルコキシド溶液」と称する。)
本工程:前記予備工程1で得られた前記6官能シラン溶液に、前記予備工程2で得られた前記金属アルコキシド溶液を添加し、次いで水を添加し、5℃以上40℃以下の温度で撹拌混合する工程
<予備工程1>
予備工程1では、有機溶媒中で水および加水分解用媒の存在下、B成分である6官能シラン化合物について加水分解縮合を進行させ、6官能シラン化合物の加水分解縮合物が混合溶媒に分散してなる6官能シラン溶液を調製する。
加水分解触媒としては、従来公知の触媒を使用することができ、その例としては、(a)硝酸、酢酸、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸、フッ化水素などの無機酸、(b)シュウ酸、マレイン酸などのカルボン酸、(c)メタンスルフォン酸などのスルホン酸、および(d)酸性或いは弱酸性の無機塩などを例示することができるがこれらに限定されるものではない。また、これらの触媒を任意に複数種混合使用してもよい。
加水分解触媒の量は、B成分の6官能シラン化合物に対して0.001〜1モル%(SiO2換算、外割)の範囲内であることが好ましい。
B成分の混合溶媒における量は、加水分解縮合が進行できる程度であれば、格別に限定されるものではないが、0.01〜8質量%(SiO2換算)の範囲が好ましい。
予備工程1では、通常は有機溶媒に水、加水分解用触媒、B成分(前記一般式(2)で表される6官能シラン化合物)を添加し、5〜40℃で5〜120分の撹拌を行い、6官能シラン溶液を調製する。
なお、D成分をさらに配合する場合は、この予備工程1において配合する。好ましい配合量は上記した通りである。
予備工程2では、有機溶媒にA成分とC成分(一般式(3)で表される金属アルコキシド)を添加し、撹拌することにより金属アルコキシドやその加水分解縮合物を含む金属アルコキシド溶液を調製する。好ましい有機溶媒は上記した通りである。また、A成分やC成分(一般式(3)で表される金属アルコキシド)の例としては、上記した各化合物を好適に挙げることができる。
予備工程2におけるC成分のモル数(M3)に対するA成分のモル数(M1)のモル比(M1)/(M3)は、0.25以上2未満の範囲にあることが必要である。予備工程2において、A成分はC成分のアルコキシ基に配位するが、モル比(M1)/(M3)が0.25以上、2未満の範囲にあれば、A成分が有するキレート配位基に配位されない金属アルコキシドが残存するので、C成分の反応性を制御する点で好ましい。なお、モル比(M1)/(M3)は、0.5以上1以下の範囲がより好ましい。
モル比(M1)/(M3)が2以上の場合、金属アルコキシドのアルコキシ基に対する配位が進行しすぎるので、金属アルコキシドの安定化が過大となり、6官能シラン等との共加水分解縮合にも影響し、透明被膜形成用塗布液の低温硬化(80〜300℃)にも適さなくなるおそれがある。
予備工程2におけるC成分のMOX換算濃度は0.04〜9.5質量%の範囲が好ましい。
予備工程2で調製される金属アルコキシド溶液は、A成分が配位した金属アルコキシドやその加水分解縮合物を含んでいる。
予備工程1で調製した6官能シラン溶液に、予備工程2で調製した金属アルコキシド溶液を添加し、続いて水を添加し、5〜40℃で撹拌混合し、本塗布液を調製する。
ここで、B成分のモル数(M2)とC成分のモル数(M3)は、モル比(M2)/(M3)が0.5以上8以下の範囲を満たすことが好ましい。モル比(M2)/(M3)がこの範囲にあると、共加水分解反応が円滑に進むからである。
上記した水の添加により、6官能シランの加水分解縮合物と金属アルコキシドおよび/又はその加水分解縮合物との共加水分解縮合反応が促進されるので、緻密な透明被膜を得るうえで好ましい。
本実施形態に係る透明被膜付基材の製造方法では、以下の成膜工程1から成膜工程4までを実施することを特徴とする。
成膜工程1:本塗布液を基材に塗布する工程
成膜工程2:前記成膜工程1に続き、前記基材を80℃以上150℃以下で加熱し乾燥する工程
成膜工程3:前記成膜工程2に続き、前記基材に対し紫外線を照射する工程
成膜工程4:前記成膜工程3に続き、前記基材を80℃以上300℃以下で加熱する工程
<成膜工程1>
成膜工程1では、本塗布液を基材へ塗布する。塗布方法としては、ディップ法、スピナー法、バーコート法、スプレー法、ロールコーター法、フレキソ印刷法、スリットコート法等従来公知の方法を採用することができる。前記した基材としては、例えば、ガラス、ITO膜が処理された基材、ポリカーボネート、アクリル樹脂、PET、およびTAC等の素材を用いたシート、フィルム、およびパネル等が挙げられる。
加熱および乾燥の温度は、基材を変質させることなく所望の強度、硬度、耐擦傷性等が得られれば特に制限はないが、80〜150℃の範囲が好ましく、90〜140℃の範囲がより好ましい。また、加熱および乾燥は、1〜10分程度かけることが好ましい。
乾燥と加熱に明確な境は無く、所望の硬度、強度等を有する透明被膜が得られれば一時に乾燥および加熱を実施してもよく、乾燥した後乾燥温度より高温で加熱してもよい。
乾燥方法や加熱方法としては従来公知の方法を採用することができる。また、電磁波照射処理を併用することもできる。
乾燥温度および加熱温度が80℃未満の場合は、溶剤の残存や、−M−O−M−、又は、−M−O−Si−の架橋不足により、十分な膜強度が得られず、加熱乾燥温度が350℃を超えると、B成分の有機基が分解し、目的の膜特性が得られなくなることがある。
成膜工程3では、成膜工程2に続いて、加熱乾燥した透明被膜に紫外線(UV)を照射する。例えば、2kwの高圧水銀灯を用いて3,000mJ/cm2の紫外線を照射する。UV照射により、加熱乾燥した透明被膜内でA成分の脱離が生じて、透明被膜は成膜工程4で架橋しやすい状態となる。紫外線としては、波長254nmの紫外線と波長365nmの紫外線のうち少なくともいずれかを含んでいることが残留溶媒の除去や−M−O−M−、又は、−M−O−Si−の架橋を促進する観点より好ましい。特に、波長254nmの紫外線と波長365nmの紫外線の双方を含んでいることがさらに好ましい。
成膜工程3に続いて、成膜工程4として、透明被膜を80〜300℃の範囲で加熱する。この加熱により透明被膜は十分に架橋の進んだ状態となる。加熱温度が80〜300℃の範囲にあれば、例えばITO配線の抵抗変化抑制の点で有利である。なお、加熱時間は、1〜10分とすることが好ましい。
本実施形態における透明被膜付基材は、タッチパネル等の表示素子において、配線見えを抑制でき、鉛筆硬度、耐薬品性および絶縁性が高い。また、本実施形態における透明被膜形成用塗布液を用いると、塗布膜のクラックの発生がほとんど無く、比較的低温で硬化が可能である。
ここで、上記成膜工程により得られた透明被膜基材における透明被膜の平均膜厚(T)は20〜200nmの範囲にあることが好ましく、40〜150nmの範囲にあることがより好ましい。
透明被膜の平均膜厚(T)が20nm以上であると、膜厚が十分であるため成膜できない部分(塗布ムラ)が生じにくく、成膜した効果も十分に得られる。一方、透明被膜の平均膜厚(T)が200nm以下であると、クラックの発生を十分に抑制することができ、また、膜の強度や硬度も十分なものとなる。
本発明の透明被膜付基材は、液晶表示装置の電極基板と配向膜との間に用いる絶縁膜、タッチパネルの透明電極上の保護膜等に好適に用いることができる。
透明被膜形成用塗布液および透明被膜付基材を製造するための各工程は以下の通りである。配合する各成分の種類および配合量を表1に示す。
(予備工程1)
ヘキシレングリコール(和光純薬(株)製)4673.08g、純水214.07gおよび濃度60質量%の硝酸3.57gを混合し、5分間撹拌した。次に、撹拌しながらB成分の6官能シラン化合物として1,2−ビス(トリエトキシシリル)エタン(ヤマナカヒューテック(株)製:SiO2濃度33.8質量%)を1055.55g添加し、30分間撹拌して固形分濃度6.0質量%の予備液1−1を調製した。
ヘキシレングリコール(和光純薬(株)製)を2966.06g、A成分のカルボニル基含有有機化合物としてアセチルアセトン(和光純薬(株)製)を148.66g、C成分の金属アルコキシドとしてオルガチックス TA−10(マツモトファインケミカル(株)製:TiO2濃度28質量%)を849.47g混合し、5分間撹拌して固形分濃度6.0質量%の予備液2−1を調製した。
撹拌しながら予備液1−1に予備液2−1を混合し、10分間撹拌した後、純水49.55gを加え、5℃で144時間撹拌した。撹拌終了後、0.2μmのフィルターで濾過を行い、凝集物等を除去して全固形分濃度6.0質量%の透明被膜形成用塗布液(1)を調製した。
透明被膜形成用塗布液(1)をフレキソ印刷法にて、ITO膜付ガラス基板(AGCファブリテック(株)製、厚み:1.1mm)上に塗布し、90℃で5分間乾燥し、次に、波長365nmの紫外線(3000mJ/cm2)と波長254nmの紫外線(2000mJ/cm2)を照射した後、230℃で30分間加熱して透明被膜付基材(1−1)を調製した。
得られた透明被膜付基材(1−1)について、膜厚、鉛筆硬度、表面抵抗、耐薬品性を以下の方法で測定した。結果を表1に示す。
別途、2μmのアクリル樹脂層をシリカ膜付ガラス基板(AGCファブリテック(株)製、厚み:1.1mm)上に形成した。アクリル樹脂層はバーコーター(No.3)を用いて塗布し、ついで90℃で5分間乾燥した後、230℃で30分間加熱した。透明被膜形成用塗布液(1)をフレキソ印刷法にて、該アクリル樹脂層付ガラス基板上に塗布し、90℃で5分間乾燥し、ついで、3000mJ/cm2の紫外線(波長365nm)を照射した後、230℃で30分間加熱して透明被膜付基材(1−2)を調製した。
得られた透明被膜付基材(1−2)について、耐クラック性を以下の方法で測定した。結果を表1に示す。
別途、透明被膜形成用塗布液(1)をフレキソ印刷法にて、6インチシリコンウェハ((株)松崎製作所製、厚み:0.625mm)上に塗布し、90℃で5分間乾燥し、ついで、3000mJ/cm2の紫外線(波長365nm)を照射した後、230℃で30分間加熱して透明被膜付基材(1−3)を調製した。
得られた透明被膜付基材(1−3)について、屈折率を以下の方法で測定した。結果を表1に示す。
以下の予備工程以外は、実施例1と同様にして、透明被膜形成用塗布液(2)を調製し、さらに透明被膜付基材(2−1)〜(2−3)を製造した。その後、実施例1と同様にして評価を行った。
(予備工程1)
ヘキシレングリコール(和光純薬(株)製)5841.36g、純水267.58gおよび濃度60質量%の硝酸4.46gを混合し、5分間撹拌した。次に、撹拌しながらB成分の6官能シラン化合物として1,2−ビス(トリエトキシシリル)エタン(ヤマナカヒューテック(株)製:SiO2濃度33.8質量%)を1319.44g添加し、30分間撹拌して固形分濃度6.0質量%の予備液1−2を調製した。
ヘキシレングリコール(和光純薬(株)製)を1853.78g、A成分のカルボニル基含有有機化合物としてアセチルアセトン(和光純薬(株)製)を92.91g、C成分の金属アルコキシドとしてオルガチックス TA−10(マツモトファインケミカル(株)製:TiO2濃度28質量%)を530.92g混合し、5分間撹拌して固形分濃度6.0質量%の予備液2−2を調製した。
以下の予備工程以外は、実施例1と同様にして、透明被膜形成用塗布液(3)を調製し、さらに透明被膜付基材(3−1)〜(3−3)を製造した。その後、実施例1と同様にして評価を行った。
(予備工程1)
ヘキシレングリコール(和光純薬(株)製)6620.20g、純水303.26gおよび濃度60質量%の硝酸5.05gを混合し、5分間撹拌した。次に、撹拌しながらB成分の6官能シラン化合物として1,2−ビス(トリエトキシシリル)エタン(ヤマナカヒューテック(株)製:SiO2濃度33.8質量%)を1495.36g添加し、30分間撹拌して固形分濃度6.0質量%の予備液1−3を調製した。
ヘキシレングリコール(和光純薬(株)製)を1112.27g、A成分のカルボニル基含有有機化合物としてアセチルアセトン(和光純薬(株)製)を55.75g、C成分の金属アルコキシドとしてオルガチックス TA−10(マツモトファインケミカル(株)製:TiO2濃度28質量%)を318.55g混合し、5分間撹拌して固形分濃度6.0質量%の予備液2−3を調製した。
以下の予備工程以外は、実施例1と同様にして、透明被膜形成用塗布液(4)を調製し、さらに透明被膜付基材(4−1)〜(4−3)を製造した。その後、実施例1と同様にして評価を行った。
(予備工程1)
ヘキシレングリコール(和光純薬(株)製)2336.54g、純水107.03gおよび濃度60質量%の硝酸1.78gを混合し、5分間撹拌した。次に、撹拌しながらB成分の6官能シラン化合物として1,2−ビス(トリエトキシシリル)エタン(ヤマナカヒューテック(株)製:SiO2濃度33.8質量%)を527.78g添加し、30分間撹拌して固形分濃度6.0質量%の予備液1−4を調製した。
ヘキシレングリコール(和光純薬(株)製)を5190.60g、A成分のカルボニル基含有有機化合物としてアセチルアセトン(和光純薬(株)製)を260.15g、C成分の金属アルコキシドとしてオルガチックス TA−10(マツモトファインケミカル(株)製:TiO2濃度28質量%)を1486.57g混合し、5分間撹拌して固形分濃度6.0質量%の予備液2−4を調製した。
以下の予備工程以外は、実施例1と同様にして、透明被膜形成用塗布液(5)を調製し、さらに透明被膜付基材(5−1)〜(5−3)を製造した。その後、実施例1と同様にして評価を行った。
(予備工程1)
ヘキシレングリコール(和光純薬(株)製)4612.00g、純水214.07gおよび濃度60質量%の硝酸3.57gを混合し、5分間撹拌した。次に、撹拌しながらB成分の6官能シラン化合物として1,2−ビス(トリエトキシシリル)エタン(ヤマナカヒューテック(株)製:SiO2濃度33.8質量%)を703.7gとD成分の4官能シラン化合物としてエチルシリケート(多摩化学(株)製:SiO2濃度28.8質量%)を412.94g添加し、30分間撹拌して固形分濃度6.0質量%の予備液1−5を調製した。
ヘキシレングリコール(和光純薬(株)製)を2966.06g、A成分のカルボニル基含有有機化合物としてアセチルアセトン(和光純薬(株)製)を148.66g、C成分の金属アルコキシドとしてオルガチックス TA−10(マツモトファインケミカル(株)製:TiO2濃度28質量%)を849.47g混合し、5分間撹拌して固形分濃度6.0質量%の予備液2−5を調製した。
以下の予備工程以外は、実施例1と同様にして、透明被膜形成用塗布液(6)を調製し、さらに透明被膜付基材(6−1)〜(6−3)を製造した。
その後、実施例1と同様にして評価を行った。
(予備工程1)
ヘキシレングリコール(和光純薬(株)製)4612.00g、純水214.07gおよび濃度60質量%の硝酸3.57gを混合し、5分間撹拌した。次に、撹拌しながらB成分の6官能シラン化合物として1,2−ビス(トリエトキシシリル)エタン(ヤマナカヒューテック(株)製:SiO2濃度33.8質量%)を703.7gと3官能シラン化合物としてメチルトリメトキシシラン(信越化学工業(株)製: KBM−13、SiO2濃度33.7質量%)を352.89g添加し、30分間撹拌して固形分濃度6.0質量%の予備液1−6を調製した。
ヘキシレングリコール(和光純薬(株)製)を2966.06g、A成分のカルボニル基含有有機化合物としてアセチルアセトン(和光純薬(株)製)を148.66g、C成分の金属アルコキシドとしてオルガチックス TA−10(マツモトファインケミカル(株)製:TiO2濃度28質量%)を849.47g混合し、5分間撹拌して固形分濃度6.0質量%の予備液2−6を調製した。
以下の予備工程以外は、実施例1と同様にして、透明被膜形成用塗布液(7)を調製し、さらに透明被膜付基材(7−1)〜(7−3)を製造した。その後、実施例1と同様にして評価を行った。
(予備工程1)
ヘキシレングリコール(和光純薬(株)製)6737.03g、純水308.61gおよび濃度60質量%の硝酸5.14gを混合し、5分間撹拌した。次に、撹拌しながらB成分の6官能シラン化合物として1,2−ビス(トリエトキシシリル)エタン(ヤマナカヒューテック(株)製:SiO2濃度33.8質量%)を1521.75g添加し、30分間撹拌して固形分濃度6.0質量%の予備液1−7を調製した。
ヘキシレングリコール(和光純薬(株)製)を1001.04g、A成分のカルボニル基含有有機化合物としてアセチルアセトン(和光純薬(株)製)を50.17g、C成分の金属アルコキシドとしてオルガチックス TA−10(マツモトファインケミカル(株)製:TiO2濃度28質量%)を286.70g混合し、5分間撹拌して固形分濃度6.0質量%の予備液2−7を調製した。
以下の予備工程以外は、実施例1と同様にして、透明被膜形成用塗布液(8)を調製し、さらに透明被膜付基材(8−1)〜(8−3)を製造した。その後、実施例1と同様にして評価を行った。
(予備工程1)
ヘキシレングリコール(和光純薬(株)製)1791.35g、純水82.06gおよび濃度60質量%の硝酸1.37gを混合し、5分間撹拌した。次に、撹拌しながらB成分の6官能シラン化合物として1,2−ビス(トリエトキシシリル)エタン(ヤマナカヒューテック(株)製:SiO2濃度33.8質量%)を404.63g添加し、30分間撹拌して固形分濃度6.0質量%の予備液1−8を調製した。
ヘキシレングリコール(和光純薬(株)製)を5709.66g、A成分のカルボニル基含有有機化合物としてアセチルアセトン(和光純薬(株)製)を286.16g、C成分の金属アルコキシドとしてオルガチックス TA−10(マツモトファインケミカル(株)製:TiO2濃度28質量%)を1635.22g混合し、5分間撹拌して固形分濃度6.0質量%の予備液2−8を調製した。
以下の予備工程以外は、実施例1と同様にして、透明被膜形成用塗布液(9)を調製し、さらに透明被膜付基材(9−1)〜(9−3)を製造した。その後、実施例1と同様にして評価を行った。
(予備工程1)
ヘキシレングリコール(和光純薬(株)製)4669.95g、純水214.07gおよび濃度60質量%の硝酸3.57gを混合し、5分間撹拌した。次に、撹拌しながらシラン化合物としてエチルシリケート(多摩化学(株)製:SiO2濃度28.8質量%)を1055.68g添加し、30分間撹拌して固形分濃度6.0質量%の予備液1−9を調製した。
ヘキシレングリコール(和光純薬(株)製)を2966.06g、A成分のカルボニル基含有有機化合物としてアセチルアセトン(和光純薬(株)製)を148.66g、C成分の金属アルコキシドとしてオルガチックス TA−10(マツモトファインケミカル(株)製:TiO2濃度28質量%)を849.47g混合し、5分間撹拌して固形分濃度6.0質量%の予備液2−9を調製した。
各実施例・各比較例により得られた透明被膜付基材に対し、以下の評価を行った。また、透明被膜形成用塗布液についても以下のようにして経時安定性を評価した。結果を表1に示す。
(1)膜厚
表面粗さ測定機(東京精密(株)製:サーフコム)にて測定した。
(2)表面抵抗値
表面抵抗値は、表面抵抗測定機((株)三菱化学アナリテック製:ハイレスターUX MCP−HT800)にて測定した。
塗布膜の表面を目視観察し、以下の基準で耐クラック性を評価した。
◎:塗布面内にクラックが認められない
○:エッジ部に僅かにクラックが認められる
×:塗布面内にクラックが生じる
JIS−K−5600に準じて鉛筆硬度試験器により測定した。即ち、透明被膜表面に対して45度の角度に鉛筆をセットし、所定の加重を負荷して一定速度で引っ張り、傷の有無を観察した。
(5)屈折率
分光エリプソメーター(SOPRA(株)製:ES4G、@550nm)にて測定した。
40℃に加熱したリン酸/硝酸/酢酸/水(質量比:80/5/5/10)混合液に各透明被膜付基材を5分間浸漬し、純水で洗浄した。その後60℃に加熱したジエチレングリコールモノブチルエーテル/2-アミノエタノール(質量比:70/30)混合液に当該透明被膜付基材を5分間浸漬し、純水で洗浄した後の塗布膜の状態を目視および光学顕微鏡で観察し、以下の基準で耐薬品性を評価した。
○:塗布膜に変化が認められない
×:塗布膜の剥離あるいはクラックが生じている
(7)塗布液の経時安定性
塗布液を40℃で72時間加熱した後、E型粘度計(東機産業(株)製:TV‐25型)にて粘度を測定し、以下の基準で評価した。
◎:粘度に変化が認められない
○:わずかに粘度の増加がみられる(5mPa・s未満)
×:明らかな粘度の増加がみられる(5mPa・s以上)
表1に示すように、実施例1〜6より、本発明の透明被膜形成用塗布液を用いて製造された透明被膜付基材は、表面硬度、耐クラック性、および耐薬品性のすべてに優れることがわかる。
一方、比較例1〜3より、本発明の構成を有しない透明被膜形成用塗布液を用いたのでは表面硬度、耐クラック性、および耐薬品性のすべてを満足させることはできない。
Claims (14)
- 金属アルコキシドとキレート形成可能な有機化合物(A)と、
下記一般式(2)で表される6官能シラン化合物およびその加水分解縮合物のうち少なくともいずれか(B)と、
下記一般式(3)で表される金属アルコキシドおよびその加水分解縮合物のうち少なくともいずれか(C)とを、
水および有機溶媒を含む混合溶媒中に溶解又は分散してなり、
前記A成分のモル数(M1)と前記C成分のモル数(M3)のモル比(M1)/(M3)が0.25以上2未満の範囲にあり、
前記B成分のモル数(M2)と前記C成分のモル数(M3)のモル比(M2)/(M3)が0.5以上8以下の範囲にある
ことを特徴とする透明被膜形成用塗布液。
(R3は炭素数2〜6のアルキレン基である。R4〜R9は炭素数1から8までの非置換又は置換アルコキシ基、非置換又は置換アリールオキシ基、ビニルオキシ基、水酸基、およびハロゲン原子のいずれかであり、同一であってもよく、異なっていてもよい。)
M(OR10)n (3)
(Mは、Be、Al、Sc、Ti、V、Cr、Fe、Ni、Zn、Ga、Ge、As、Se、Y、Zr、Nb、In、Sn、Sb、Te、Hf、Ta、W、Pb、Bi、Ce、およびCuから選ばれた1種の元素であり、R10は炭素数1から10までの非置換又は置換アルキル基である。nはMの原子価と同じ整数である。) - 当該透明被膜形成用塗布液において、
前記B成分に由来するSiO2換算濃度(C2)が0.005〜12質量%の範囲にあり、
前記C成分に由来するMOX換算濃度(C3)が0.02〜14質量%の範囲にあり、
前記C2と前記C3の合計(CT)が0.1〜15質量%の範囲にある
ことを特徴とする請求項1に記載の透明被膜形成用塗布液。 - さらに下記一般式(4)で表される4官能シラン化合物およびその加水分解縮合物のうち少なくともいずれか(D)を含み、
前記B成分のモル数(M2)に対する前記D成分のモル数(M4)のモル比(M4)/(M2)の値が0.01以上0.5以下の範囲にある
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の透明被膜形成用塗布液。
Si(R11)4 (4)
(R11は炭素数1から8までの非置換又は置換アルコキシ基、非置換又は置換アリールオキシ基、ビニルオキシ基、水酸基、およびハロゲン原子のいずれかであり、
同一であってもよく、異なっていてもよい。) - 当該透明被膜形成用塗布液において、
前記B成分に由来するSiO2換算濃度(C2)が0.005〜12質量%であり、
前記C成分に由来するMOX換算濃度(C3)が0.02〜14質量%であり、
前記D成分に由来するSiO2換算濃度(C4)が0〜12質量%であり、
前記C2、前記C3および前記C4の合計(CT)が0.1〜15質量%である
ことを特徴とする請求項3に記載の透明被膜形成用塗布液。 - 前記有機溶媒の沸点が120℃以上であり、
20℃における粘度が1〜400mPa・sの範囲にある
ことを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれかに記載の透明被膜形成用塗布液。 - 以下の予備工程1、予備工程2、および本工程を実施することを特徴とする請求項1から請求項5までのいずれかに記載の透明被膜形成用塗布液の製造方法。
予備工程1:前記有機溶媒と、前記水と、前記B成分(前記一般式(2)で表される6官能シラン化合物)と、加水分解触媒とを配合し、6官能シラン溶液を調製する工程(ただし、前記B成分の配合量は、予備工程2における前記C成分金属1モルに対し0.5モル以上8モル以下の範囲である。)
予備工程2:前記有機溶媒と、前記A成分と、前記C成分(前記一般式(3)で表される金属アルコキシド)とを配合して金属アルコキシド溶液を調製する工程(ただし、前記A成分の配合量は、前記C成分金属1モルに対し、0.25モル以上2モル未満の範囲である。)
本工程:前記予備工程1で得られた前記6官能シラン溶液に、前記予備工程2で得られた前記金属アルコキシド溶液を添加し、次いで水を添加し、5℃以上40℃以下の温度で撹拌混合する工程 - 加水分解および縮合後における前記B成分の重量平均分子量(ポリスチレン換算)が、300以上3000以下の範囲である
ことを特徴とする請求項6に記載の透明被膜形成用塗布液の製造方法。 - 前記予備工程1において、さらに請求項3におけるD成分(前記一般式(4)で表される4官能シラン化合物)を添加し、
前記B成分のモル数(M2)に対する前記D成分のモル数(M4)のモル比(M4)/(M2)が、0.01以上0.5以下の範囲である
ことを特徴とする請求項6又は請求項7に記載の透明被膜形成用塗布液の製造方法。 - 前記本工程において、前記B成分と前記C成分との共加水分解および縮合反応を行う
ことを特徴とする請求項6又は請求項7に記載の透明被膜形成用塗布液の製造方法。 - 前記本工程において、前記B成分、前記C成分、および前記D成分の共加水分解および縮合反応を行う
ことを特徴とする請求項8に記載の透明被膜形成用塗布液の製造方法。 - 請求項1から請求項5までのいずれかに記載の透明被膜形成用塗布液を基材に塗布してなる
ことを特徴とする透明被膜付基材。 - 前記透明被膜の平均膜厚が20nm以上200nm以下である
ことを特徴とする請求項11に記載の透明被膜付基材。 - 以下の成膜工程1から成膜工程4までを実施することを特徴とする請求項11又は請求項12に記載の透明被膜付基材の製造方法。
成膜工程1:前記透明被膜形成用塗布液を基材に塗布する工程
成膜工程2:前記成膜工程1に続き、前記基材を80℃以上150℃以下で加熱し乾燥する工程
成膜工程3:前記成膜工程2に続き、前記基材上に形成された塗布膜に対し紫外線を照射する工程
成膜工程4:前記成膜工程3に続き、前記基材上に形成された塗布膜を80℃以上300℃以下で加熱する工程 - 前記紫外線が波長254nmの紫外線と波長365nmの紫外線のうち少なくともいずれかを含んでいる
ことを特徴とする請求項13に記載の透明被膜付基材の製造方法。
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