JP6648577B2 - 電力変換装置 - Google Patents
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Description
しかし、電力変換装置における高速スイッチングは電磁ノイズを発生させる原因となり、周辺機器に与える電磁ノイズ障害が大きな問題となっている。
例えば、ノイズフィルタを構成する接地コンデンサにより漏れ電流が増加して漏電遮断器が応動する事例や、コモンモードチョークコイルや零相コアに過大なノイズ電流が流れることによってこれらの部品が過熱状態となり、装置の破損を招く事例等がある。
図3は、可変速電動機駆動システムの主回路構成図である。この図3において、10は三相交流電源(電力系統)、20はダイオード21〜26からなる整流回路、30は直流中間コンデンサ、40はIGBT等の半導体スイッチング素子41〜46からなる三相インバータ、50は交流電動機、60は冷却フィン、R,S,Tは交流入力端子、Eは接地端子、U,V,Wは交流出力端子を示す。
ここで、電磁障害の多くはコモンモードノイズ電流すなわち高周波漏れ電流が原因となっており、電動機巻線の絶縁破壊や周辺機器の誤動作を引き起こす。
また、例えば特許文献1には、零相コアを、交流電源側の三相入力ケーブル及び接地線、または、電動機側の三相出力ケーブル及び接地線を、それぞれ一括して包囲するように配置することが開示されている。
ここで、出力ケーブルが長くなるほど、あるいは電動機の容量が大きいほど、形成される浮遊容量は大きくなるため、コモンモードノイズ電流も大きくなる。従って、零相コアの損失も大きくなり、コアの過熱による温度上昇が顕著になる。
しかし、フィールドにおいては、電力変換装置に接続される電動機の容量や出力ケーブルの長さ等を間違えることによって零相コアに設計値以上の過大なコモンモードノイズ電流が流れる場合があり、その結果、零相コアが過熱して装置の破損に至る危険がある。
この種の零相コアは、例えばフェライトやアモルファス、ファインメット(登録商標)等の材料によって形成される。そして、ノイズ対策に用いられるコア材料は、初透磁率が高く、キュリー温度が高いことが求められており、これらの特性に優れたファインメット(登録商標)からなるコアのキュリー温度は、例えば570[℃]にも達する。
つまり、今後の材料開発や適用装置の流れを考慮すると、キュリー温度が更に高くなり、装置設計上、想定外の条件で使用された際に零相コアが熱暴走する結果、零相コアが組み込まれた装置を破損するような事態が増えることも想定される。
前記零相コアのキュリー温度を、前記零相コアを巻き回す電線の耐熱温度以下となるように設定したものである。
前記零相コアのキュリー温度を、前記電力変換装置が満足するべき規格によって決まる前記零相コアの使用上限温度以下となるように設定したものである。
前記零相コアのキュリー温度を、前記電力変換装置に接続する電線として推奨された推奨電線の耐熱温度以下となるように設定したものである。
前記電力変換装置は、前記半導体スイッチング素子のスイッチング動作に伴って発生するノイズを抑制するためのノイズフィルタを更に備え、前記ノイズフィルタは、少なくとも一つのコモンモードチョークコイルと少なくとも一つの接地コンデンサとを有すると共に、前記零相コアを、前記接地コンデンサよりも前記半導体スイッチング素子側においてコモンモード成分のインピーダンスが大きくなるように電線に巻き回すものである。
また、上記のような特性を有する零相コアの設計、製造は比較的容易であるため、コストの大幅な上昇を招く恐れもない。
始めに、EMC対策用、電力変換装置用のフェライトは、コイルやトランス、AM周波数帯のノイズ対策等に用いられるMn−Zn系フェライトと、FM周波数帯のノイズ対策に用いられるNi−Zn系フェライトに大別されるが、例えば、TDK株式会社のフェライトのカタログによれば、どちらのキュリー温度も、一般的に120[℃]以上となっている。すなわち、フェライトの品質を保証する目安としてキュリー温度の下限値が明示されており、上限値については明示されていないことが多い。これは、電力変換装置用のフェライトについては、インダクタとしての動作範囲を規定することに主眼が置かれているためと考えられる。
ソフトフェライトは、上記用途のほかに、感温スイッチにも使用されている。感温スイッチとは、ソフトフェライトが、キュリー温度を超えると磁性体としての特性を失い、急激にインピーダンスが低下すことを利用して、温度センサとして機能させたものである。
この感温スイッチに用いるソフトフェライトの場合、用途に応じて、約−10[℃]〜+130[℃]の範囲でキュリー温度を設定することができる。
これに対し、EMC対策用、電力変換装置用のソフトフェライトをそのまま零相コアに用いた場合、そのキュリー温度が一般的な電線(耐熱電線を除く)の耐熱温度よりも低いと、零相コアの過熱等の原因になる。
なお、前述したように、電力変換装置用のソフトフェライトはキュリー温度を高める技術開発が進められていることから、ソフトフェライトのキュリー温度を低下させることは比較的容易に実現可能である。
この点、本実施形態によれば、零相コアの低いキュリー温度に応じた耐熱性能を有する電線を選定すれば良いから、設計の自由度が向上する。
ここで、電力変換装置が満足するべき規格とは、電気用品安全法における技術基準、UL規格,CSA規格,IEC規格等が挙げられる。これらの基準や規格では、一般的に、リアクトルやトランス、コア等の素子単体で使用可能な温度範囲(最高温度)よりも高めのキュリー温度が設定されている。これは、各素子の安定した特性を保証できるのはキュリー温度よりも低い温度までであるためと推定される。
このため、前述したごとく、フィールドにおいて、電力変換器に接続される電動機の容量や配線長を間違えた状態で使用する場合には、零相コアに設計値以上の過大なコモンモード電流が流れることになり、過熱、破損に至るおそれがある。
EMC対策用、電力変換装置用のソフトフェライトでは、キュリー温度の最低温度の製造バラツキを管理し、装置として適切に動作する温度範囲を保証する必要があるのに対し、感温スイッチ用のソフトフェライトの場合、キュリー温度の上限値の製造バラツキのみを管理すれば良く、零相コアが、電力変換装置の要求規格に基づく使用上限温度以上に過熱されるのを防止することができる。
この実施形態は、特に、零相コアを電力変換装置に外付け部品として販売する際に、零相コアと電力変換装置とを梱包箱に同梱して提供する場合等を想定している。
零相コアが電力変換装置の内部に設置される場合には、最悪の場合を想定して高耐熱電線を使用すれば装置の破損を防止することも可能であるが、製造メーカが零相コアを外付け部品として出荷する際には、納入先で使用する電線を管理できないため、上述した事故が発生する可能性は高い。
これにより、電力変換装置に適正でない長さの電線が接続されるような場合であっても、零相コアの温度が電線の耐熱温度を超えて過熱することがなくなり、装置の破損等を防止することができる。また、零相コアを電力変換装置に外付けして使用すると、従来では過熱状態の零相コアに使用者や管理者が接触して火傷する危険があるが、この実施形態によれば、零相コアが過熱するおそれがないため、火傷等を防止することができる。
すなわち、インバータ40の駆動により発生するコモンモードノイズ電流は、図3に示すように、インバータ40→出力ケーブル(交流出力端子U,V,W)→電動機50→接地線→三相交流電源10→入力ケーブル(交流入力端子R,S,T)→整流回路20→直流中間回路→インバータ40という一巡の経路で流れるので、この経路上に零相コア71〜73の何れかを配置すれば、所定のコモンモードノイズ効果が得られることになる。
また、図1(b)は直流中間回路にノイズフィルタ80を接続した例である。この場合には、ノイズフィルタ80と電動機50との間の領域Bにおいて、直流中間回路(正負の電線)または出力ケーブル92の何れかを包囲するように零相コアを配置すれば良い。
図示されていないが、コモンモードチョークコイルを電源側に接続して接地コンデンサを直流中間回路に接続する、というようにノイズフィルタの構成部品を分散して配置する場合でも、零相コアは、接地コンデンサよりもインバータ側(電動機側)の直流中間回路または出力ケーブルに設置される。
つまり、ほとんどのコモンモードノイズ電流が流れる経路は、図1(a),(b)に示した領域A,B、すなわち、零相コアの適用範囲に含まれる。
図2(b)に示したπ形ノイズフィルタ82を使用する場合には、接地コンデンサ82e,82dの容量をそれぞれC1,C2とすると、一般的にはC1≦C2とする場合が多いため、接地コンデンサ82dよりもインバータ側に零相コアを配置すれば良いことになる。
20:整流回路
21〜26:ダイオード
30:直流中間コンデンサ
40:三相インバータ
41〜46:半導体スイッチング素子
50:三相交流電動機
60:冷却フィン
80,81,82:ノイズフィルタ
81a,81c:線間コンデンサ
81d:接地コンデンサ
81b:コモンモードチョークコイル
82a,82c:線間コンデンサ
82d,82e:接地コンデンサ
82b:コモンモードチョークコイル
91:入力ケーブル
92:出力ケーブル
93:接地線
R,S,T:交流入力端子
R’,S’,T’:交流入力端子
E,E’,Ein,Eout:接地端子
U,V,W:交流出力端子
Claims (4)
- 半導体スイッチング素子のスイッチング動作により、入力電力を所定の電力に変換して出力する電力変換装置であって、前記スイッチング動作により発生する電磁ノイズを抑制するための零相コアを備えた電力変換装置において、
前記零相コアのキュリー温度を、前記零相コアを巻き回す電線の耐熱温度以下となるように設定したことを特徴とする電力変換装置。 - 半導体スイッチング素子のスイッチング動作により、入力電力を所定の電力に変換して出力する電力変換装置であって、前記スイッチング動作により発生する電磁ノイズを抑制するための零相コアを備えた電力変換装置において、
前記零相コアのキュリー温度を、前記電力変換装置が満足するべき規格によって決まる前記零相コアの使用上限温度以下となるように設定したことを特徴とする電力変換装置。 - 半導体スイッチング素子のスイッチング動作により、入力電力を所定の電力に変換して出力する電力変換装置であって、前記スイッチング動作により発生する電磁ノイズを抑制するための零相コアを備えた電力変換装置において、
前記零相コアのキュリー温度を、前記電力変換装置に接続する電線として推奨された推奨電線の耐熱温度以下となるように設定したことを特徴とする電力変換装置。 - 請求項1〜3の何れか1項に記載した電力変換装置において、
前記電力変換装置は、前記半導体スイッチング素子のスイッチング動作に伴って発生するノイズを抑制するためのノイズフィルタを更に備え、
前記ノイズフィルタは、少なくとも一つのコモンモードチョークコイルと少なくとも一つの接地コンデンサとを有すると共に、
前記零相コアを、前記接地コンデンサよりも前記半導体スイッチング素子側においてコモンモード成分のインピーダンスが大きくなるように電線に巻き回すことを特徴とする電力変換装置。
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