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JP6650833B2 - 電気配線の敷設構造及びタイヤ - Google Patents
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本発明は、内面に電気配線が敷設されたタイヤと、タイヤの内面に敷設される電気配線の敷設構造に関するものである。
従来、タイヤの内面に加速度センサや圧力センサ等のセンサを装着し、走行時の信号を解析することでタイヤの状態を推定する装置では、センサもしくはセンサの出力を増幅する増幅器を電池と一体になるようにパッケージングされることが多いが、電池寿命の問題から、タイヤ内面に装着された複数の小型発電機によってその電力を賄う場合がある(例えば、特許文献1参照)。
一般に、タイヤ内面に複数の発電機を装着する際には、回転に伴う一次振動が発生しないように、複数の発電機をタイヤ周方向に分散して配置するとともに、発電機、センサ、増幅器などの電気機器あるいは電子機器(以下、機能部品という)を電気配線で接続する方法が採用されている。
電気配線をタイヤ内面に敷設する方法としては、図6に示すように、電気配線1をタイヤ2の内面側とタイヤ2の内面側とは反対側とから、例えば、ブチルテープなどのタイヤ周方向に配向した補強繊維を有する可撓性のテープ(以下、補強テープ3,4という)により挟持して取付けることで方法が考えられる。なお、同図において、21はタイヤトレッド部、22はベルト層、23はインナーライナー部で、補強テープ3,4で挟持された電気配線1は、下側補強テープ4を介して、タイヤ2の内面であるインナーライナー部23表面に取付けられる。
特許第5571206号公報
ところで、タイヤ2の回転時には、図7(a)に示すように、タイヤ2は、非接地部分では丸く接地部分では平坦になるため、電気配線1が敷設されるタイヤ2の内面も同様の変形を繰り返すことになる。
一般的なラジアルタイヤ変形する場合には、図7(b)に示すように、剛性の高いベルト層22を中心とした曲げ変形が生じるため、電気配線1が敷設されるタイヤ2の内面(インナーライナー部23の表面)には、同図の白抜きの矢印示すような、タイヤ回転方向に大きな引張歪が生じる。
タイヤ2の走行時には、上記の張歪が繰り返し電気配線1に作用するため、従来のように、電気配線1を補強テープ3,4で挟持しただけでは、電気配線1に作用する大きな引張歪を十分に低減することが困難であり、その結果、電気配線1が断線してしまうといった問題点があった。
本発明は、従来の問題点に鑑みてなされたもので、タイヤの内面に敷設される電気配線の耐久性能を向上させることを目的とする。
本発明は、タイヤの内面への電気配線の敷設構造であって、前記電気配線のうちの、少なくともタイヤ周方向に延びる電気配線のタイヤの内面側の面及びタイヤの内面側とは反対側の面のいずれか一方、または、両方の面にそれぞれ接着される、タイヤ周方向に配向した補強繊維を有するテープと、前記タイヤの内面側の面に接着されるテープとタイヤ内面との間、もしくは、前記配線とタイヤ内面との間に配置される発泡体等の振動吸収体とを備えることを特徴とする。
このように、補強テープで補強された電気配線とタイヤ内面との間に振動吸収体を挟むことで、タイヤから電気配線に加わる歪入力を緩和できるようにしたので、電気配線の耐久性能を向上させることができる。
また、前記補強繊維を有するテープのタイヤ周方向の両端部を、前記振動吸収体のタイヤ周方向の両端部の壁面及びタイヤの内面まで延長して、振動吸収体とタイヤ内面間の歪みを抑制したので、振動吸収体の耐久性能も向上させることができる。したがって、電気配線の耐久性能が更に向上する。
また、本発明は、内面に電気配線が敷設されたタイヤであって、前記電気配線のうちの、少なくともタイヤ周方向に延びる電気配線のタイヤの内面側の面及びタイヤの内面側とは反対側の面のいずれか一方、または、両方の面にそれぞれ接着される、タイヤ周方向に配向した補強繊維を有するテープと、前記タイヤの内面側の面に接着されるテープとタイヤ内面との間、もしくは、前記電気配線とタイヤ内面との間に配置される振動吸収体とを備えることを特徴とする。
これにより、電気配線の耐久性能に優れたタイヤを得ることができる。
また、前記補強繊維を有するテープのタイヤ周方向の両端部を、前記振動吸収体のタイヤ周方向の両端部の壁面及びタイヤの内面まで延長する構成としたので、電気配線の耐久性能が更に向上する。
本実施の形態に係る電気配線の敷設構造を示す図である。 発泡体の厚みを変えた時の配線体の周方向歪を示す図である。 本発明による電気配線の敷設構造の他の例を示す図である。 発泡体の周方向歪を示す図である。 補強テープを延長したときの配線体の周方向歪を示す図である。 従来の電気配線の敷設構造を示す図である。 走行時におけるタイヤの変形状態を説明するための模式図である。
図1(a),(b)は、本実施の形態に係るタイヤと、タイヤ内面に敷設される電気配線の敷設構造10を示す図で、1は電気配線、2はタイヤ、3は上側補強テープ、4は下側補強テープ、5は振動吸収体としての発泡体である。
なお、図1(a)の左右方向がタイヤ周方向、上下方向がタイヤ径方向である。
電気配線1としては、電源線、信号線、アース線のいずれであってもよい。
上側補強テープ3と下側補強テープ4とは、例えば、ブチルテープなどのタイヤ周方向に配向した補強繊維を有する可撓性のテープで、上側補強テープ3は、電気配線1側に接着剤が塗布された片面テープで、下側補強テープ4は、電気配線1側と発泡体5側の両方に接着剤が塗布された両面テープである。以下、上側補強テープ3と下側補強テープ4とにより挟持された電気配線1を、配線体1Dという。
発泡体5は、タイヤ2の内面であるインナーライナー部23の表面に、接着剤等により固定される。なお、本例では、振動吸収体として発泡体を用いたが、ゴム板等の他の振動吸収体を用いてもよい。
配線体1Dは、発砲体5上に取付けられる。
すなわち、本発明では、配線体1Dとタイヤ2の内面との間に、柔らかい発泡体層を介在させることで、配線体1Dに加わるタイヤ2からの入力を緩和する構造としている。
図2は、タイヤ2の内面に取付けられた、タイヤ周方向長さL=200mmの発泡体5上に配線体1Dを装着し、タイヤが平坦な状態からR300mmまで繰り返し変形した際の配線体1Dに作用する周方向歪の分布を計算したもので、横軸は、発泡体5の中心からのタイヤ周方向に沿った距離(mm)である。
点線は発泡体5がない場合、破線は発泡体5の厚さが5mmの場合、一点鎖線は発泡体5の厚さが10mmの場合、実線は発泡体5の厚さが15mmの場合の周方向歪の分布である。同図から分かるように、配線体1Dとタイヤ2の内面との間に発泡体層を介在させると、発泡体5の厚さが薄くても、発泡体5がない場合に比べて、配線体1Dに作用する周方向歪が大幅に低減する。
このように、本発明の電気配線の敷設構造を採ることにより、配線体1Dに作用する周方向歪を大幅に低減させることができるので、電気配線1の耐久性能を大幅に向上させることができることが分かる。
また、タイヤ2の内面に電気配線を敷設する際に、タイヤ内面に発泡体5を配置し、この発泡体5上に、電気配線1のタイヤの内面側の面及びタイヤの内面側とは反対側の面のいずれか一方、または、両方の面に補強テープ3,4それぞれ接着したものを取り付けるようにすれば、耐久性能に優れた電気配線を有するタイヤを得ることができる。
ところで、図1に示すように、補強テープ3,4が発泡体5の上面のみに配置された構造では、配線体1Dに作用する周方向歪については低減できるが、補強繊維の入った剛性の高い補強テープ3,4と剛性の低い発泡体5との間に剛性段差が生じるため、図4の破線で示すような、発泡体5とタイヤ2との界面で大きな歪みが発生する。
そこで、図3(a),(b)に示すように、補強テープ3,4を発泡体5の上面からタイヤ周方向の側面に沿って延長するとともに、補強テープ3,4の終端をタイヤ2の内面であるインナーライナー部23の表面まで延長する構成とすれば、発泡体5とタイヤ内面間の歪みを抑制することができる。
これは、図1に示す構成では、タイヤ内面の周方向歪みは発泡体5のみを介して配線体1Dに伝達されるのに対し、図3(a),(b)に示す電気配線の敷設構造10A,10Bでは、剛性段差が生じないだけでなく、タイヤ内面の周方向歪みは、補強テープ3,4によっても受け止められるため、発泡体5の歪みが緩和されるからである。なお、発泡体5のタイヤ周方向の側面の断面形状としては、図3(a)に示すような、ほぼ垂直な形状であってもよいし、図3(b)に示すような、斜面であってもよい。
図4は、タイヤ2の内面に取付けられた、タイヤ周方向長さL=200mmの発泡体5上に配線体1Dを装着し、タイヤが平坦な状態からR300mmまで繰り返し変形した際の発泡体5の下部(発泡体5とタイヤ2との界面近傍)の周方向歪の分布を計算したもので、短い破線(最も濃い線;実施例1)は、図1に示した、補強テープ3,4が発泡体5の上面のみに配置された構成、長い破線(最も薄い線;実施例2)は、図3(a)に示した、発泡体5のタイヤ周方向の側面が垂直で、補強テープ3,4がタイヤ内面まで延長している構成、実線(中間の濃度の線;実施例3)は、図3(b)に示した、発泡体5のタイヤ周方向の側面が斜面で、補強テープ3,4がタイヤ内面まで延長している構成のものである。なお、発泡体5の厚さは、いずれも10mmとした。
このように、タイヤが変形した場合、図3(a),(b)に示す構成のように、補強テープ3,4をタイヤ内面まで延長させれば、発泡体5に作用する周方向歪みを大幅に低減できるので、発泡体5の耐久性能を向上させることができる。
また、図5は、配線体1Dに作用する周方向歪の分布を計算したもので、短い破線(実施例1)は、図1に示した、補強テープ3,4が発泡体5の上面のみに配置された構成、長い破線(実施例2)は、図3(a)に示した、発泡体5のタイヤ周方向の側面が垂直で、補強テープ3,4がタイヤ内面まで延長している構成、実線(実施例3)は、図3(b)に示した、発泡体5のタイヤ周方向の側面が斜面で、補強テープ3,4がタイヤ内面まで延長している構成のものである。
同図から分かるように、図1に示す構成も、図3(a),(b)に示す構成も、配線体1Dに作用する周方向歪については大差がないことが分かる。すなわち、発泡体5の耐久性能を向上させても、配線体1Dに作用する周方向歪が増加することはない。したがって、図3(a),(b)に示す構成とすれば、電気配線1の耐久性能と発泡体5の耐久性能とをともに向上させることができる。
[実施例]
図6に示した従来例、図1に示した本発明の実施例1、図3(a)に示した実施例2、図3(b)に示した実施例3の構成について、室内長距離耐久試験を実施した結果を以下の表1に示す。
試験タイヤのタイヤサイズは、いずれも、225/60R17である。
また、耐久試験は、荷重620kgf、空気圧100kPaで、1万km走行後の電気配線、及び、発泡体の断列状態を調べた。
Figure 0006650833
表1から明らかなように、従来例では、図6に示すA点(中央部付近)で電気配線が完全に断線していた。
また、実施例1では、電気配線の断線はなかったものの、図1に示すB点(発泡体とタイヤとの界面近傍)で発泡体が破断した。
これに対して、実施例2,3では、電気配線の断線も発泡体の破断もなかった。
これにより、配線体1Dとタイヤ内面との間に発泡体5を介在させることで、電気配線の耐久性能が向上することが確認された。
また、補強テープ3,4をタイヤ内面まで延長する構成とすれば、電気配線1の耐久性能と発泡体5の耐久性能がともに向上することも確認された。
以上、本発明を実施の形態及び実施例を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は前記実施の形態に記載の範囲には限定されない。前記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者にも明らかである。そのような変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲から明らかである。
1 電気配線、1D 配線体、2 タイヤ、
10,10A,10B 電気配線の敷設構造
21 タイヤトレッド部、22 ベルト層、23 インナーライナー部、
3,4 補強テープ、5 発泡体。

Claims (4)

  1. タイヤの内面への電気配線の敷設構造であって、
    前記電気配線のうちの、少なくともタイヤ周方向に延びる電気配線のタイヤの内面側の面及びタイヤの内面側とは反対側の面のいずれか一方、または、両方の面にそれぞれ接着される、タイヤ周方向に配向した補強繊維を有するテープと、
    前記タイヤの内面側の面に接着されるテープとタイヤ内面との間、もしくは、
    前記電気配線とタイヤ内面との間に配置される振動吸収体とを備えることを特徴とする電気配線の敷設構造。
  2. 前記補強繊維を有するテープのタイヤ周方向の両端部が、前記振動吸収体のタイヤ周方向の両端部の壁面及びタイヤの内面まで延長されていることを特徴とする請求項1に記載の電気配線の敷設構造。
  3. 内面に電気配線が敷設されたタイヤであって、
    前記電気配線のうちの、少なくともタイヤ周方向に延びる電気配線のタイヤの内面側の面及びタイヤの内面側とは反対側の面のいずれか一方、または、両方の面にそれぞれ接着される、タイヤ周方向に配向した補強繊維を有するテープと、
    前記タイヤの内面側の面に接着されるテープとタイヤ内面との間、もしくは、
    前記電気配線とタイヤ内面との間に配置される振動吸収体とを備えることを特徴とするタイヤ。
  4. 前記補強繊維を有するテープのタイヤ周方向の両端部が、前記振動吸収体のタイヤ周方向の両端部の壁面及びタイヤの内面まで延長されていることを特徴とする請求項3に記載のタイヤ。
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