〔実施形態1〕
以下、本発明の実施の形態について、図1〜図11に基づき、詳細に説明する。
図1は、本発明の実施形態1に係る照明装置1の概略構成を示す図である。
照明装置1は、レーザ素子(励起光源)2と、発光部3と、ガルバノミラー(照射位置変更部)4と、スライド式シャッタ(遮断部)5と、投光レンズ(投光部)6と、光ファイバ71および導光レンズ72と、動作制御部9と、を備える。また、照明装置1は、フィン23を有する放熱ベース22と、筐体8とを含む。なお、投光レンズ6以外の構成(特に、発光部、照射位置変更部および遮断部)により発光装置の基本構造が形成されている。
<レーザ素子2>
レーザ素子2は、レーザ光を出射する発光素子(チップ)であり、発光部3に含まれる蛍光体を励起する励起光源として機能する。レーザ素子2は、1チップに1つの発光点を有するものであっても、1チップに複数の発光点であってもよい。レーザ素子2が出射するレーザ光のピーク波長(色)は、380nm以上415nm以下(青紫色)の波長領域から選択され、例えば、395nmである。レーザ素子2のレーザ光のピーク波長はこれに限らず、照明装置1の用途または発光部3に含まれる蛍光体の種類に応じて、適宜選択してよい。例えば、レーザ素子2は、420nm以上490nm以下の波長範囲にピーク波長を有する、いわゆる青色近傍のレーザ光を発振してもよい。例えば、レーザ素子2は、波長450nmのレーザ光を発振する。
励起光として、レーザ光を用いることにより、レーザ光でない光(例えば発光ダイオードからの光)を用いる場合より、発光部3に含まれる蛍光体を効率的に励起することができる。励起効率を高めることにより、発光部3を小型化することができる。また、励起光がレーザ光であるため、発光部3における励起光の照射領域を絞ることができる。照射領域を絞ることにより、照明装置1から投光された光が形成する照明パターンの解像度を高めることができる。この点を考慮しなければ、励起光源として、レーザ素子2に代えて発光ダイオードなどの別の発光素子を用いることもできる。
照明装置1においては、レーザ素子2は1つであるが、これに限らず、複数のレーザ素子2が設けられてもよい。
発光部3は、レーザ素子2から出射されたレーザ光を受けて発光し、レーザ光を受けて発光する蛍光体を含んでいる。具体的には、発光部3としては、封止材の内部に蛍光体が分散されているもの(封止型)、蛍光体を固めたもの(結晶型)、または、熱伝導率の高い材質からなる基板上に蛍光体の粒子を塗布した(堆積させた)もの(薄膜型)などが挙げられる。発光部3は、レーザ光を蛍光に変換するため、波長変換素子であるとも言える。
図1に示すように、本実施形態の発光部3では、励起光が主に入射する面と、蛍光が外部に主に出射される面とが同一の面である。このような発光部の構成を、反射型の発光部と称する。発光部3が反射型である場合、反射型の発光部は、励起光が入射する面(すなわち、励起光の光密度が最も高い面)から蛍光を取り出すことができるため、発光効率が高いという利点がある。また、反射型の発光部では、発光部を支持する金属基板または高熱伝導セラミックス基板等をヒートシンクとして用いることができる。このため、発光部がレーザ光によって励起されることによって生じた熱を、効果的に放熱することができるという利点がある。
また、発光部3は、レーザ光の照射による劣化を防止するために、蛍光体を含む部分が有機物を含まないように形成されていることが好ましい。
(蛍光体)
本実施形態では、レーザ素子2によって発振された波長395nmのレーザ光を受けて白色の蛍光を発するように、発光部3の蛍光体として、例えば、BAM(BaMgAl10O17:Eu)、BSON(Ba3Si6O12N2:Eu)、Eu−α(Ca−α−SiAlON:Eu)を用いている。しかしながら、蛍光体は、これらに限定されるものではなく、照明装置1から投光される照明光が白色となるように適宜選択されてよい。あるいは、照明装置1の用途に応じた色となるように、蛍光体は適宜選択されてよい。
例えば、他の酸窒化物蛍光体(例えば、JEM(LaAl(SiAl)6N9O:Ce)、β-SiAlON等のサイアロン蛍光体)、他の窒化物蛍光体(例えば、CASN(CaAlSiN3:Eu)蛍光体)SCASN((Sr,Ca)AlSiN3:Eu)、Apataite((Ca,Sr)5(PO4)3Cl:Eu)系の蛍光体、またはIII−V族化合物半導体ナノ粒子蛍光体(例えば、インジュウムリン:InP)を用いることができる。
また、レーザ素子2が青色近傍のレーザ光を発振する場合には、黄色の蛍光体(例えば、Ceで賦活したイットリウム−アルミニウム−ガーネット系の蛍光体(YAG:Ce蛍光体))を用いることにより、白色光(いわゆる、擬似白色光)が得られる。この場合、発光部3は、レーザ光を散乱する散乱体を含むことが好ましい。
散乱体として、酸化チタン(TiO2)、フュームドシリカ、アルミナ(Al2O3)、酸化ジルコニウム(ZrO2)、まだはダイヤモンド(C)等の粒子を用いることができる。あるいは、その他の粒子を用いてもよい。
また、本実施形態では、発光部3のレーザ光が入射する面の大きさは、約10mm×10mmであるが、これに限られず、照明装置1の用途などに応じて適宜選択可能である。また、本実施形態では、発光部3のレーザ光が入射する面の形状は、矩形であるが、これに限られず、照明装置1の用途などに応じて適宜選択可能である。
(封止型)
発光部3が封止型である場合、蛍光体を封止する封止材は、例えば、ガラス材(無機ガラス、有機無機ハイブリッドガラス)、シリコーン樹脂などの樹脂材料である。ガラス材として低融点ガラスを用いてもよい。封止材は、透明性の高いものが好ましく、レーザ光が高出力の場合には、耐熱性の高いものが好ましい。ゾルゲル法により、酸化ケイ素や酸化チタンにより封止する構造でもよい。レーザ光の反射を防止する反射防止構造が、発光部3の入射面(レーザ光が入射する面)に形成されていることが好ましい。また、封止型の場合、発光部3の表面形状の制御が容易であるため、発光部3の入射面に反射防止膜を形成することは容易である。
(薄膜型)
発光部3が薄膜型とである場合、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、窒化アルミニウム(AlN)セラミック、炭化ケイ素(SiC)セラミック、酸化アルミ(Al2O3)、またはケイ素(Si)などを基板として用いる。その基板の上に蛍光体の粒子を塗布あるいは堆積させた後、基板ごとに所望の大きさに分割する。
蛍光体の薄膜を形成する基板にAlやCuを用いた場合、バリアメタルとして、窒化チタン(TiN)、チタン(Ti)、窒化タングステン(TaN)、またはタングステン(Ta)等を基板の蛍光体粒子を堆積しない側(蛍光体の薄膜を形成する側の反対側する側)に被覆しておくことが望ましい。さらにバリアメタル上にPtやAuをコートしてもよい。
<結晶型>
結晶型の場合、蛍光体の内部に有する空隙の幅が、可視光線の波長の10分の1以下であるような、空隙が小さな板状の蛍光体(小空隙蛍光部材(小空隙蛍光体板))を発光部3として用いることができる。具体的には、空隙の幅(空隙幅)は、0nm以上40nm以下であれば良い。なお、空隙幅が0nmのとき、空隙が存在しないことを意味する。このような蛍光体としては、単結晶、多結晶または焼結体等の蛍光体が挙げられる。
<ガルバノミラー4>
図2は、図1に示した1軸のガルバノミラー4を説明するための図である。
ガルバノミラー4は、発光部3に照射されるレーザ光の照射位置を変更するための可動鏡であり、1軸のガルバノ機構42に取り付けられた平面鏡41が回転運動するものである。換言すれば、ガルバノミラー4は、レーザ素子2から出射されたレーザ光の光路を変更し、発光部3における当該レーザ光の照射位置を変更する照射位置変更部である。平面鏡41の回転角は、ガルバノ機構42に印加される駆動電圧に応じて変化するので、単純な回路で容易に、発光部3におけるレーザ光の照射位置(レーザ光の走査)を制御することができる。
図2に示すように、ガルバノ機構42に所定の駆動電圧を印加することにより、平面鏡41は所定角度でレーザ光を反射することができる。このため、ガルバノミラーの回転運動により、平面鏡41で反射されたレーザ光の光路が変更されるため、発光部3におけるレーザ光の照射位置は左右(x方向)に変更される。
平面鏡41には、レーザ光の反射率を高め、レーザ光による劣化を防止するために、本実施形態では、高反射(High Reflect,HR)コートが施されている。このHRコートは、誘電体多層膜からなり、レーザ素子2のレーザ光の波長において、反射率が高くなるように調整されている。また、平面鏡41にHRコートを施しているだけではなく、レーザ光による劣化を防止するために、本実施形態では、導光レンズ72および投光レンズ6にも、反射防止(Anti Reflect,AR)コートを施している。
なお、照明装置1においては、レーザ光の光路を変更して、発光部3におけるレーザ光の照射位置を変更するためにガルバノミラー4を用いたが、他の可動光学素子を用いてもよい。例えば、ポリゴンミラー、可動曲面鏡、微小な機械部品と電気回路とが融合したMEMS(Micro Electro Mechanical System)ミラー、ピエゾ素子ミラー、音響光学素子、または可動レンズなどを用いてもよい。
以下に、ガルバノミラー4の変形例として、回転機構142により回転するポリゴンミラー141と、1軸のMEMSミラー204と、について説明する。
<ポリゴンミラー141>
図3は、ポリゴンミラー141を説明するための図である。
例えば、照明装置1において、ガルバノミラー4の代わりに、ポリゴンミラー141を用いてもよい。ポリゴンミラー141は、回転軸を中心に回転しながらレーザ光を反射する回転多面鏡である。ポリゴンミラー141は、ポリゴンミラー141を回転させる回転機構142に接続されている。ポリゴンミラー141の回転機構142による回転により、ポリゴンミラー141で反射されたレーザ光の光路が変更されるため、発光部3におけるレーザ光の照射位置は左右(x方向)に変更される。このように、ポリゴンミラー141および回転機構142によって照射位置変更部が構成される。
また、この場合、回転機構142は一般的に等角速度で回転運動(等角回転運動)するので、発光部3においてレーザ光が等角度走査でなく等速走査するように、ポリゴンミラー141と発光部3との間に、いわゆるFθレンズを挿設することが好ましい。Fθレンズは、レーザ光の入射角度θと焦点距離fとを掛け合わせた大きさ(f・θ)の像を結ぶように調整されたレンズあるいはレンズ群である。
また、本実施形態のポリゴンミラー141には、平面鏡41と同様に、レーザ光の反射率を高め、レーザ光による劣化を防止するために、HRコートが施されている。
<MEMSミラー204>
図4は、1軸のMEMSミラー204を説明するための図である。
例えば、照明装置1において、ガルバノミラー4の代わりに、MEMSミラー204を用いてもよい。MEMSミラー204は、レーザ光を反射するミラー部241と、ミラー部241を回転させる駆動部242とを備える。駆動部242に印加する駆動電圧により、駆動部242に対するミラー部241の角度が変化するため、ミラー部241で反射されたレーザ光の光路が変更される。そのため、発光部3におけるレーザ光の照射位置は左右(x方向)に変更される。MEMSミラー204としては、走査スピードを高くすることが可能な共振型MEMSミラーを用いてもよいし、非共振型MEMSミラーを用いてもよい。
<スライド式シャッタ5>
図5は、図1に示したスライド式シャッタ5を説明するための図である。図5の(a)は、レーザ光を遮断する遮断状態を示し、図5の(b)は、レーザ光を遮断しない非遮断状態を示す。
スライド式シャッタ5は、レーザ素子2から出射され、ガルバノミラー4へ向かう光路上のレーザ光を所定のタイミングで遮断するシャッタ51(遮断部)とシャッタ51の移動を制御するスライド機構52とを備える。具体的には、スライド式シャッタ5では、シャッタ51をスライド機構52により上記光路と略垂直方向にスライド(並進運動)させる。シャッタ51を上記光路と略垂直方向にスライドさせることにより、発光部3へのレーザ光の照射および非照射を切り替えることができる。すなわち、スライド式シャッタ5は、レーザ素子2を連続的に発光させながら(すなわち、レーザ素子2の点灯および非点灯の切替(オンオフ制御)を行うことなく)、機械的に上記照射および非照射を切り替えることができる。さらに換言すれば、スライド式シャッタ5は、発光部3におけるレーザ光の照射光量を、2値制御することができる。
なお、本明細書において、スライド(並進運動)ならびにスイング(回転運動)は、剛体力学的な意味で、用いられる。すなわち、並進運動は、剛体が回転しない運動であり、剛体の各点が同一方向に等距離移動する運動である。これに対し、回転運動は、剛体が回転する運動である。
スライド式シャッタ5は、照明装置1においては、光ファイバ71の出射端と導光レンズ72との間に挿設されているが、レーザ素子2とガルバノミラー4との間の光路の何処に挿設されてもよい。例えば、導光レンズ72とガルバノミラー4との間に配置されてもよい。
また、スライド式シャッタ5では、スライド機構52はシャッタ51を上記光路と略垂直方向にスライドさせているが、上記照射および非照射を切り替えることができればよい。すなわち、シャッタ51は、上記光路とは異なる方向に移動可能であればよい。また、シャッタ51の運動は、スライドにスイングを組み合わせた運動であってもよい。
<シャッタ51>
シャッタ51は、上記光路上のレーザ光を遮断する遮光板である。レーザ光を遮断するときに、迷光が生じないように、シャッタ51の表面はレーザ光の反射率が低いことが好ましい。また、レーザ光を遮断している間は、遮断して吸収したレーザ光によりシャッタ51は発熱する。このため、効率的に放熱できるように、シャッタ51は、強度と熱伝導性とを備えた金属製であることが好ましい。したがって、シャッタ51は、反射を抑える黒色表面処理を施した金属の薄板であることが好ましい。例えば、硬質アルマイト処理を施したアルミ板であってもよく、黒色酸化被膜を形成したステンレス板であってもよく、黒色メッキを施したステンレス板などが好ましい。
シャッタ51は、スライド機構52による制御によって、上記光路上のレーザ光を遮断する遮断位置と、遮断しない非遮断位置との間を移動する。スライド式シャッタ5が遮断状態であるとき、図5の(a)に示すように、シャッタ51は、レーザ光を遮断する遮断位置にあり、スライド式シャッタ5が非遮断状態であるとき、図5の(b)に示すように、シャッタ51は、レーザ光を遮断しない非遮断位置にある。遮断位置においてシャッタ51の主面がレーザ光の光路と略直交するように、シャッタ51は配置されることが好ましい。直交している場合、当該主面が当該光路と直交していない場合(斜交している場合)よりもレーザ光の進行方向から見てシャッタ51の面積が相対的に大きくなるため、シャッタ51を小面積化することができる。また、シャッタ51は、遮断位置においてシャッタ51の主面がレーザ光の光路と斜交するように配置されてもよい。この場合、シャッタ51に吸収されなかったレーザ光は、光ファイバ71から出射されたレーザ光の進行方向とは別の方向へ反射される。このため、シャッタ51で反射されたレーザ光が進行する方向に、レーザ光を吸収する部材を設けることにより、迷光の発生を低減することができる。
また、遮断位置でシャッタ51が交わる光路において、シャッタ51のレーザ光による劣化を防止するために、レーザ光の光密度があまり高くないことが好ましい。例えば、導光レンズ72近傍にシャッタ51を設けることが好ましい。この場合、導光レンズ72によりレーザ光が集光される前あるいは途中であるため、レーザ光のスポット径が大きく光密度が低い。そのため、シャッタ51の素材としてレーザ光を吸収しやすい素材を用いた場合であっても、シャッタ51の劣化を防止することができる。また、シャッタ51の表面のレーザ光を吸収する割合(吸収率)を高くし、レーザ光を反射する割合(反射率)を低くすることができるので、迷光の発生を抑制することができる。
また、シャッタ51の表面は、シャッタ51のレーザ光による劣化を防止するために、レーザ光の反射率が高くてもよい。この場合、シャッタ51の表面において反射されたレーザ光が迷光になりやすいため、シャッタ51と発光部3との間に、特にシャッタ51近傍に、迷光を遮断する仕切り部を設けることが好ましい。仕切り部により、迷光が発光部3に入射しにくくなるため、照明装置1の外部へ投光される照明光に迷光が悪影響を及ぼしにくくなる。例えば、仕切り部として、シャッタ51と導光レンズ72との間の空間Sに、レーザ光がかろうじて通れるような開口が形成された遮断板を配置することが好ましい。また、例えば、仕切り部として、迷光を遮断する割合を高めるために、空間Sに複数の遮断板を配置することも好ましい。
<スライド機構52>
スライド機構52は、シャッタ51をスライドさせる機構であり、動作制御部9によりガルバノミラー4のガルバノ機構42によるレーザ光の走査に同期している。スライド機構52は、ガルバノ機構42に同期して、照明パターンに対応する所定のタイミングで、シャッタ51を遮断位置と非遮断位置とにスライドさせることができれば、どのような機構であってもよい。例えば、スライド機構52は、回転モータの回転運動をポールネジで直進運動に変換し、シャッタ51をスライドさせるためのレールに備えた機構であってもよい。また、例えば、スライド機構52は、回転モータの回転運動をラック・アンド・ピニオン機構で直進運動に変換する機構であってもよく、その他の機構であってもよい。
スライド機構52によるスライドは、レーザ光の光路に略直交する面内における直線運動であることが好ましい。この場合、遮断位置と非遮断位置との間をシャッタ51がスライドする距離を最小限に抑えることができるため、シャッタ51をスライドさせる時間を最小限に押さえることができる。
<投光レンズ6>
図1に示すように、投光レンズ6は、発光部3から出射された蛍光を透過させ、当該蛍光を照明光として、照明装置1の外部に投光する投光用の凸レンズである。発光部3において青色のレーザ光を散乱させる場合には、投光レンズ6は、発光部3から出射されたレーザレーザ光と蛍光とを照明光として投光する。投光レンズ6は、発光部3の蛍光を出射する出射面(レーザ光を入射する入射面と同一)と対向するように配置されており、発光部3から出射された照明光を屈折させることで、所定の角度範囲に投光する。これにより、発光部3から出射された光を、投光レンズ6からその外部へと投光することができる。
なお、発光部3から出射された光を投光する投光部として、投光レンズ6の代わりに、発光部3から出射された光を反射し、照明装置1の外部に投光する凹面鏡(リフレクタ)であってもよい。リフレクタは、例えば、放物線の対称軸を回転軸として、当該放物線を回転させることによって形成される放物曲面(反射曲面)をその反射曲面に含んでいるパラボラミラーであることが好ましい。この場合、発光部3から出射され光は、リフレクタによって、平行に近い光線束を形成してリフレクタの開口部から投光される。これにより、発光部3から出射された光を狭い立体角内に効率的に投光することができる。
その他、投光部としては、複数の投光レンズを組み合わせたものであってもよく、投光レンズとリフレクタとを組み合わせたものであってもよい。
<放熱ベース22>
放熱ベース22は、レーザ素子2を支持する支持部材であり、レーザ素子2からの発熱を放熱する放熱部材でもある。このため、放熱ベース22は、効率的に放熱できるように、強度と熱伝導性とを備えた金属製であることが好ましく、例えば、アルミニウムまたは銅などから主になることが好ましい。なお、放熱ベース22は、金属でない熱伝導性が高い物質(炭化ケイ素および窒化アルミニウムなど)を含む材質であってもよい。
また、放熱ベース22は、放熱効率を高めるために、フィン23を備える。
<フィン23>
フィン23は、レーザ素子2が接合される側とは反対側に、放熱ベース22に設けられる。フィン23は、レーザ素子2から放熱ベース22へ伝えられた熱を冷却(放熱)する冷却機構(放熱機構)であり、複数の冷却板(放熱板)からなる。複数の放熱板からなることにより、フィン23と大気との接触面積が増加するため、フィン23の放熱効率を高めることができる。
なお、照明装置1においては、放熱ベース22とフィン23とは一体であるが、別個に設けてもよい。例えば、別個に設けた場合、放熱ベース22とフィン23との間をヒートパイプ(水冷パイプまたは油冷パイプ)またはペルティエ素子などを介して、熱的に接続すればよい。
また、照明装置1においては、放熱ベース22を放熱板からなるフィン23により自然冷却しているが、他の冷却機構を用いてもよい。例えば、ファン等をさらに設けて、フィン23に風を当てることにより、放熱ベース22を強制冷却してもよい。また、液体冷却方式であってもよく、例えば、フィン23の代わりにラジエターを設けてもよい。
<筐体8>
筐体8は、蛍光体を含む発光部3と、ガルバノミラー4と、スライド式シャッタ5と、導光レンズ72とを収納し、支持している。また、筐体8は、埃や塵から、発光部3とガルバノミラー4とスライド式シャッタ5と導光レンズ72とを保護している。さらに、筐体8は、光ファイバ71から出射されたレーザ光のうち、所定の光路を外れて迷光となった光が照明装置1の外部の空間に漏出するのを防いでいる。
筐体8には、第1開口部83と、第2開口部84とを備える。第1開口部83は、レーザ光を筐体8内部に取り入れるための開口であり、光ファイバ71の出射端が配置されている。第2開口部84は、発光部3からの光を投光するための開口であり、投光レンズ6が設けられている。筐体8は、発光部3からの発熱を効率的に放熱できるように、少なくとも一部が金属製であることが好ましい。
<光ファイバ71>
光ファイバ71は、レーザ素子2から出射されたレーザ光を、筐体8内部へ導光する光学部材である。光ファイバ71の入射端は、レーザ素子2から出射されたレーザ光が入射される端部であり、レーザ素子2の発光端面と光学的に結合している。光ファイバ71の出射端は、レーザ素子2から出射され、光ファイバ71の内部を導光したレーザ光が出射される端部であり、第1開口部83に配置されている。
光ファイバ71によりレーザ光を導光しているため、筐体8に対する、レーザ素子2および放熱ベース22の位置(向きを含む)の自由度を高めることができる。このため、レーザ素子2の冷却に適するように、放熱ベース22を設置しやすい。
図6は、図1に示した光ファイバ71の概略断面図である。照明装置1においては、図6に示すように、光ファイバ71に、直径400μmの円形コアを有する円形ファイバを用いている。これに限らず、コアの直径および形状が光ファイバ71とは異なる光ファイバを用いてもよい。また、光ファイバを用いずに、レンズおよび鏡等を組み合わせて、レーザ光をレーザ素子2から筐体8内部まで導光してもよい。
光ファイバ71は、発光部3におけるレーザ光の1つのスポットにおいて、レーザ光の光量にむらが生じないように、マルチモードの光ファイバを用いることが好ましい。光ファイバ71がマルチモードである場合、光ファイバのコア内部でのレーザ光の分布が均一になるため、レーザ光の分布がトップハット型になり、むらが生じない。また、スポットの内外の境界の光強度が急峻になる。
<導光レンズ72>
導光レンズ72は、光ファイバ71の出射端から出射されたレーザ光を収束させる集光レンズである。したがって、照明装置1において、レーザ素子2から出射されたレーザ光は、光ファイバ71を経て、第1開口部83から筐体8内部に入り、スライド式シャッタ5により遮断されなければ、導光レンズ72により収束されて、ガルバノミラー4により反射されて、発光部3に照射される。
照明装置1においては、導光レンズ72は、発光部3におけるレーザ光のスポットの直径を、0.4mm程度にするために設けられているが、レーザ素子2から発光部3までの間においてレーザ光があまり広がらない場合や、発光部3においてレーザ光のスポットが大きくてもよい場合は、設けなくてもよい。また、発光部3におけるレーザ光のスポットの直径、および形状を調整するために、導光レンズ72に限らず、レーザ素子2と発光部3との間に適宜レンズおよびミラーなどを設けてよい。
<動作制御部9>
動作制御部9は、投光レンズ6が投光する照明光が形成する照明パターンの形状(明暗パターン)に応じて、スライド式シャッタ5のスライド機構52を制御する制御部である。また、動作制御部9は、発光部3におけるレーザ光の照射位置を変更するように、ガルバノミラー4のガルバノ機構42を制御する制御部である。
動作制御部9は、スライド機構52の応答速度および信号伝達の遅延などを考慮して、ガルバノ機構42の動作に同期するように、スライド機構52の動作を制御する。換言すれば、動作制御部9は、スライド式シャッタ5の遮断動作を、発光部3におけるレーザ光の照射位置の変更動作と同期させるものである。これにより、照明パターンに応じた所定のタイミングで、シャッタ51は、遮断位置から非遮断位置へ、あるいは非遮断位置から遮断位置へスライドする。
具体的には、動作制御部9は、例えば、発光部3に照射されるレーザ光の照射領域を決定する照射領域決定部と、スライド式シャッタ5の遮断動作を制御する遮断制御部とを備える。
照射領域決定部は、照明装置1が備える記憶部(不図示)に記憶された、複数の照明パターンを示すデータ(例えば、照射領域の端部を示す座標値を示す座標データ)を読み出すことにより、ガルバノミラー4によって経時的に変更されるレーザ光の照射位置のうち、どの照射位置に向けてレーザ光が出射されるときに当該レーザ光を遮断するのかを示す遮断タイミングデータを生成する。照射領域決定部によって読み出される照明パターンは、予め設定されていてもよいし、ユーザ指示に基づくものであってもよい。また、上記照明パターンは、予め記憶部に記憶されている必要は必ずしもなく、周囲の状況を検知した検知結果(例えば、実施形態7ではカメラ95の撮像結果)に応じて、照射領域決定部により作成されてもよい。
そして、遮断制御部は、照射領域決定部によって生成された遮断タイミングデータに基づいて、ガルバノミラー4の動作に同期させて、発光部3にレーザ光を照射する場合には非遮断位置へ、発光部3にレーザ光を照射しない場合には遮断位置へとシャッタ51を移動させるためのシャッタ駆動指示をスライド機構52へ出力する。また、後述の実施形態5および6のように非遮断時のレーザ光の光量を変更可能な構成の場合には、遮断制御部は、照射領域の各セグメントに対応付けられた照射光量に従って、光路上における遮断部の位置、または遮断部の透過特性を変更する。これにより、所望の形状を有する照明パターンの投光が可能となる。
<照明パターン>
以下に、照明装置1により実現される照明パターンについて、図7から図11を参照して説明する。
図7は、図1に示したガルバノ機構42に印加する駆動電圧を示すグラフである。横軸は時間を示し、単位はmsec(ミリ秒)である。縦軸は駆動電圧を示し、上側が+(プラス)、下側が−(マイナス)である。また、図8は、スライド式シャッタ5が非遮断状態である場合の、図7に示す駆動電圧がガルバノ機構42に印加されたときの、発光部3におけるレーザ光の照射位置と照射領域とを示す図である。
図9は、スライド式シャッタ5が非遮断状態である場合の、図7に示す駆動電圧がガルバノ機構42に印加されたときの、投光レンズ6から投光された光が形成する照明パターンを示す図である。
図7に示すように、動作制御部9は、ガルバノ機構42に、周波数71.4Hz(周期14msec)のプラスからマイナスまでの三角波の駆動電圧を印加することにより、平面鏡41が往復回転運動をする。本実施形態では、ガルバノ機構42に印加される駆動電圧がプラスの極値であるときに、発光部3において、レーザ光のスポットは、図8の(a)に示す点Aに位置する。一方、ガルバノ機構42に印加される電圧がマイナスの極値であるときに、発光部3において、レーザ光のスポットは、図8の(b)に示す点Bに位置する。したがって、シャッタ51が非遮断位置にある場合、平面鏡41の往復回転運動に伴い、発光部3におけるレーザ光のスポットは、一往復14msecの速さで図8の(c)に示すように、点Aと点Bとの間を往復直線運動することにより、照射領域(レーザ光の走査領域)を形成する。
本実施形態では、照射領域の大きさは約0.4mm×20mmであるが、これに限らない。ガルバノ機構42に印加する電圧の最大値と最小値との設定を変更することにより、照射領域を長くしたり、短くしたりすることができる。また、発光部3におけるレーザ光のスポットの直径を変更することにより、照射領域を太くしたり、細くしたりすることもできる。レーザ光が往復する速さもこれに限らず、ガルバノ機構42に印加する電圧の周波数(周期)を変更することにより、早くしたり、遅くしたりできる。
投光レンズ6により投光される光が形成する照明パターンは、発光部3におけるレーザ光のスポットの動きに対応する。レーザ光のスポットが十分に速く動くと、照明パターンは残像効果により、人間の目には、図9のように、点Aと点Bとの間の照射領域全体がレーザ光で照射されているように見える。なお、照明装置1においては、照明パターンは線状(1次元)であるが、照明パターンが面状(2次元)である照明装置においても、同様に、十分に速くレーザ光が発光部3を走査すれば、残像効果により人間の目は、走査によるちらつきを感じない。
そして、ガルバノ機構42に印加する駆動電圧に同期するように、所望の照明パターンに対応するタイミングで、スライド機構52によりシャッタ51を遮断位置と非遮断位置とにスライドさせることにより、所望の照明パターンを実現することができる。
図10は、所定のタイミングで、スライド式シャッタ5を遮断状態と非遮断状態とに切り替えた場合の、人間の目に見える照明パターンを説明するための図である。また、図11は、別の所定のタイミングで、スライド式シャッタ5を遮断状態と非遮断状態とに切り替えた場合の、人間の目に見える照明パターンを説明するための図である。
図10の(a)および図11の(a)においては、図7に示したガルバノ機構42に印加する駆動電圧に重ねて、スライド機構52のスライドするタイミングが破線で示される。図10の(a)および図11の(a)に示すように、スライド機構52は、パルスが立ち上がったときにシャッタ51を非遮断位置に移動させ、パルスが立ち下がったときにシャッタ51を遮断位置に移動させる。
なお、照明装置1において動作制御部9は、スライド機構52の応答速度等の時間遅れ要素を考慮して、スライド機構52にスライドするタイミングを命令しているが、理解を容易にするために、時間遅れ要素を無視して、図10の(a)および図11の(a)は示されている。すなわち、スライド機構52がシャッタ51をスライドさせるタイミングと、発光部3にレーザ光が照射されるタイミングとは同一であるものとして説明する。
図10の(a)に示すように、動作制御部9は、ガルバノ機構42の駆動電圧が0近傍(所定電圧)であるときに、シャッタ51は非遮断位置に位置し、ガルバノ機構42の駆動電圧がその他の電圧であるときに、シャッタ51は遮断位置に位置するように、スライド機構52を制御する。
そうすると、シャッタ51が遮断位置にある間は、発光部3にレーザ光が照射されないため、図10の(b)に示すように、レーザ光は、発光部3において点Aと点Bとの中央近傍のみに照射される。したがって、投光レンズ6により投光された光が形成する照明パターンも、図10の(c)に示すように、点Aと点Bとの中央近傍に対応する部分のみ明るく、その他は暗くなる。
図11の(a)では、動作制御部9は、に示すように、ガルバノ機構42の駆動電圧がマイナス側の所定電圧近傍であるときに、シャッタ51は遮断位置に位置し、ガルバノ機構42の駆動電圧がその他の電圧であるときに、シャッタ51は非遮断位置に位置するように、スライド機構52を制御する。
そうすると、シャッタ51が遮断位置にある間は、発光部3にレーザ光が照射されないため、図11の(b)に示すように、レーザ光は、発光部3のレーザ光が入射される面における点B寄りの中央部近傍のみに照射されず、その他の点Aと点Bとの照射領域には照射される。したがって、投光レンズ6により投光された光が形成する照明パターンも、図11の(c)に示すように、点Aと点Bとの間の照射領域のうち、点B寄りの中央部近傍に対応する部分のみが暗くなる。すなわち、このときの照明パターンは、上記部分において途切れたような形状となる。
このように、シャッタ51を遮断位置と非遮断位置とにスライドさせることによりレーザ素子2を連続発光させながら、発光部3へのレーザ光の照射および非照射を切り替えることができる。さらに、所定のタイミングで、シャッタ51をスライドさせることにより、照明装置1は所望の形状(明暗パターン)を有する照明パターンを実現できる。さらに、レーザ光が発光部3を2次元的に走査するようにすれば、2次元の照明パターンも実現できる。つまり、照明装置1においては、レーザ素子2から出射されるレーザ光が、パルス光(断続光)か連続光かにかかわらず、任意の形状を有する照明パターンを実現することができる。
<効果>
したがって、照明装置1においては、照明パターンを変更するために、レーザ素子2を駆動する駆動電流をオンオフ切替制御する必要も、変調制御する必要もない。このため、レーザ素子2の駆動電流のオンオフ切替制御または変調制御による電気ノイズの発生を、抑制することができる。このように電気ノイズの発生を低減できるため、レーザ素子2を駆動する駆動回路以外の回路へ、電気ノイズが悪影響を及ぼすことを抑制することができる。
本実施形態では、レーザ素子2の駆動電流のオンオフ切替制御および変調制御の代わりに、スライド式シャッタ5により照明パターンを変更する。スライド式シャッタ5のスライド機構52は、小電流での駆動および制御が可能である。このため、スライド機構52を駆動および制御する駆動回路は、電気ノイズの発生を抑制する回路、または発生した電気ノイズを除去する回路などを設けない単純な電気回路であっても、発生する電気ノイズが小さい。
それゆえ、レーザ素子2の駆動回路とスライド式シャッタ5の駆動回路とは、単純な回路でよいため、照明装置1に設ける電気回路を単純化することができ、照明装置1を小型化することができる。また、照明装置1の製造費用を低減することができる。
また、レーザ素子2の駆動電流のオンオフ切替の回数を減らすことができる。このため、オンオフ切替によりレーザ素子2へ負荷がかかる回数が減るため、レーザ素子2の寿命を延ばすことができ、照明装置1の耐用期間を延ばすことができる。また、レーザ素子2への負荷が減るため、照明装置1の信頼性を高めることができる。
〔実施形態2〕
本発明の実施形態2について、図12〜図13に基づき、説明すれば、以下のとおりである。なお、説明の便宜上、前記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。
図12は、本発明の実施形態2に係る照明装置101の概略構成を示す図である。
照明装置101は、レーザ素子2と、発光部3と、ポリゴンミラー141と、回転機構142と、横軸スイング式シャッタ(遮断部)105と、投光レンズ6と、光ファイバ71および導光レンズ72と、動作制御部9と、を備える。また、照明装置101は、フィン23を有する放熱ベース22と、筐体8とを含む。
図1に示した実施形態1に係る照明装置1から、図12に示す実施形態2に係る照明装置101は、次の3点において相違する。1つは、レーザ光は、ガルバノミラー4との代わりに、ポリゴンミラー141により、発光部3へ反射される。もう1つは、レーザ光は、スライド式シャッタ5の代わりに、横軸スイング式シャッタ105により遮断される。もう1つは、動作制御部9は、スライド式シャッタ5のスライド機構52の代わりに、横軸スイング式シャッタ105の横軸スイング機構152を制御する。
照明装置101においては、発光部3におけるレーザ光の照射位置を変更するためにポリゴンミラー141を用いたが、実施形態1に係る照明装置1と同様に、他の可動光学素子を用いてもよい。例えば、ガルバノミラー、平行運動する曲面鏡、微小な機械部品と電気回路とが融合したMEMSミラー、ピエゾ素子ミラー、音響光学素子、または可動レンズなどを用いてもよい。
従って、図1に示した照明装置1と図12に示す照明装置101との相違点は、実質的には、スライド式シャッタ5がレーザ光を遮断するか、横軸スイング式シャッタ105がレーザ光を遮断するかのみである。
<横軸スイング式シャッタ105>
図13は、図12に示した横軸スイング式シャッタ105を説明するための図である。図13の(a)は、レーザ光を遮断する遮断状態を示し、図13の(b)は、レーザ光を遮断しない非遮断状態を示す。
横軸スイング式シャッタ105は、レーザ素子2から出射され、ポリゴンミラー141へ向かう光路上のレーザ光を所定のタイミングで遮断するシャッタ51(遮断部)とシャッタ51の移動を制御する横軸スイング機構152とを備える。
シャッタ51がレーザ光を遮断する遮断位置(図13の(a))と、遮断しない非遮断位置(図13の(b))とを往復することにより、横軸スイング式シャッタ105は、レーザ素子2の駆動電流をオンオフ切替制御することなく、機械的に、発光部3へのレーザ光の照射および非照射を切り替えることができる。さらに換言すれば、横軸スイング式シャッタ105は、発光部3におけるレーザ光の照射光量を、2値制御することができる。
横軸スイング式シャッタ105は、照明装置101においては、光ファイバ71の出射端と導光レンズ72との間に配置されているが、レーザ素子2とポリゴンミラー141との間の何処に配置されてもよい。例えば、導光レンズ72とポリゴンミラー141との間に配置されてもよい。
<横軸スイング機構152>
横軸スイング機構152は、動作制御部9の制御により、シャッタ51を回転軸の周りに往復回転運動(スイング)させる。その回転軸は、シャッタ51の主面と略直交し、レーザ光の光路に略平行である。具体的には、シャッタ51がレーザ光を遮断可能なように、横軸スイング機構152は、シャッタ51をレーザ光の光路に略平行な回転軸の周りに回転運動(スイング)させる。
ここで、回転する物体の主面とその回転軸とが略直交するような回転を、横軸回転(または水平軸回転)と称する。また、横軸回転に対して、回転する物体の主面とその回転軸とが略平行であるような回転を、縦軸回転(または垂直軸回転)と称する。
すなわち、シャッタ51は、レーザ光の光路に略平行な回転軸に対して回動(横軸回転)可能である。なお、照明装置101においては、シャッタ51が遮断位置から非遮断位置に回転するときと、シャッタ51が非遮断位置から遮断位置に回転するときとでは、シャッタ51の回転方向は反対であるが、横軸スイング機構152は、シャッタ51を一方向のみに回転させてもよい。また、照明装置101においては、シャッタ51の遮断位置と非遮断位置との間の角度は約90度であるが、これに限らない。
横軸スイング機構152は、ポリゴンミラー141によるレーザ光の走査に同期して、シャッタ51を遮断位置と非遮断位置とにスイングさせることができれば、どのような機構であってもよい。
横軸スイング機構152の回転軸は、遮断するレーザ光の光路に平行であることが好ましい。この場合、遮断位置と非遮断位置との間でシャッタ51をスイングさせるための回転角を最小限に抑えることができるため、シャッタ51をスイングさせる時間を最小限に押さえることができる。
<効果>
このように、横軸スイング式シャッタ105を用いた場合であっても、実施形態1と同様に、レーザ素子2の点灯制御を行うことなく、発光部3へのレーザ光の照射および非照射を切り替えることができる。
〔実施形態3〕
本発明の実施形態3について、図14〜図21に基づき、説明すれば、以下のとおりである。なお、説明の便宜上、前記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。
図14は、本発明の実施形態3に係る照明装置201の概略構成を示す図である。
照明装置201は、レーザ素子2と、発光部3と、2つのガルバノミラー4X,4Yと、縦軸スイング式シャッタ205と、投光レンズ6と、光ファイバ71および導光レンズ72と、動作制御部9と、を備える。また、照明装置201は、フィン23を有する放熱ベース22と、筐体8とを含む。
図1に示した実施形態1に係る照明装置1から、図14に示す実施形態3に係る照明装置201は、次の4点において相違する。1つは、コアが円形である光ファイバ71の代わりに、コアが矩形である光ファイバ271を用いているため、発光部3におけるレーザ光のスポットが略矩形になる。もう1つは、レーザ光は、2つのガルバノミラー4X,4Yにより反射されるため、発光部3を2次元的に走査する。もう1つは、レーザ光は、スライド式シャッタ5の代わりに、縦軸スイング式シャッタ205により遮断される。もう1つは、動作制御部9は、スライド式シャッタ5のスライド機構52の代わりに、縦軸スイング式シャッタ205の縦軸スイング機構252を制御する。
<光ファイバ271>
図15は、図14に示した光ファイバ271の概略断面図である。
光ファイバ271は、一辺500μmの正方形のコアを有する矩形ファイバである。また、実施形態1に係る光ファイバ71と同様に、実施形態3に係る光ファイバ271は、マルチモードの光ファイバであることが好ましい。
なお、光ファイバ271の代わりに、レンズ、ミラー、プリズムおよび所定形状の光学的開口部を有する部材などを用いて、発光部3におけるレーザ光のスポットの形状を略矩形にしてもよい。
なお、他の実施形態において、光ファイバ71の代わりに光ファイバ271を用いてもよいことはもちろんである。
<2つのガルバノミラー4X,4Y>
図16は、図14に示した2つの1軸のガルバノミラー4X,4Yの配置を説明するための図である。
2つのガルバノミラー4X,4Yは、図2に示したガルバノミラー4と同等であり、それぞれの回転軸が互いに直交するように設けられている。このため、一方のガルバノミラー4Xの回転運動により、発光部3においてレーザ光のスポットが運動する方向(以下、X方向)と、他方のガルバノミラー4Yの回転運動により、発光部3においてレーザ光のスポットが運動する方向(以下、Y方向)とは、互いに直交する。したがって、図11に示すように、発光部3は、レーザ光のスポットはX方向とY方向とに、2次元的に走査される。
投光レンズ6により投光された光が形成する照明パターンは、発光部3におけるレーザ光のスポットの動きに対応する。したがって、発光部3におけるレーザ光の走査が2次元的であるため、また、十分に速いため、照明パターンは、人間の目には、面状に見える。
なお、ガルバノミラー4X,4Yの一方または両方を、ポリゴンミラーおよびMEMSミラー等の他の可動光学素子に変更してもよい。
<2軸のMEMSミラー204XY>
図17は、1つの2軸のMEMSミラー204XYを説明するための図である。
例えば、2つの1軸のガルバノミラー4X,4Yの代わりに、1つの2軸のMEMSミラー204XYを用いてもよい。2軸のMEMSミラーは、ミラー部241と、ミラー部241を搖動させるY軸駆動部242Yと、ミラー部241を搖動させるX軸駆動部242Xとを備え、Y軸駆動部242Yの回転軸とX軸駆動部242Xの回転軸とは直交する。これにより、2つのガルバノミラー4X,4Yと同様に、1つのMEMSミラー204XYにより、発光部3をレーザ光のスポットはX方向とY方向とに、2次元的に走査できる。
換言すれば、MEMSミラー204XYは、レーザ素子2から出射されたレーザ光の光路を変更し、発光部3における当該レーザ光の照射位置を変更する照射位置変更部である。
なお、他の実施形態において、発光部3における当該レーザ光の照射位置を変更する照射位置変更部として、2つのガルバノミラー4X,4Y、または、2軸のMEMSミラー204XYを用いてもよいことはもちろんである。
<縦軸スイング式シャッタ205>
図18は、図14に示した縦軸スイング式シャッタ205を説明するための図である。図18の(a)は、レーザ光を遮断する遮断状態を示し、図18の(b)は、レーザ光を遮断しない非遮断状態を示す。
縦軸スイング式シャッタ205は、レーザ素子2から出射され、ガルバノミラー4Xへ向かう光路上のレーザ光を所定のタイミングで遮断するシャッタ51(遮断部)と、シャッタ51の移動を制御する縦軸スイング機構252とを備える。シャッタ51がレーザ光を遮断する遮断位置(図18の(a))と、遮断しない非遮断位置(図18の(b))とを往復することにより、縦軸スイング式シャッタ205はレーザ素子2の駆動電流をオンオフ切替制御することなく、機械的に、発光部3へのレーザ光の照射および非照射を切り替えることができる。
縦軸スイング式シャッタ205は、照明装置201においては、光ファイバ71の出射端と導光レンズ72との間に配置されているが、レーザ素子2とガルバノミラー4Xとの間の何処に配置されてもよい。例えば、導光レンズ72とガルバノミラー4Xとの間に配置されてもよい。
なお、実施形態3に係る照明装置201において、縦軸スイング式シャッタ205の代わりに、実施形態1に係るスライド式シャッタ5および、実施形態2に係る横軸スイング式シャッタ105を用いてもよいことはもちろんである。
<縦軸スイング機構252>
縦軸スイング機構252は、動作制御部9の制御により、シャッタ51を回転軸の周りに往復回転運動(スイング)させる。具体的には、シャッタ51がレーザ光を遮断可能なように、縦軸スイング機構252は、レーザ光の光路に略垂直な回転軸の周りにシャッタ51を回転運動(スイング)させる。また、その回転軸は、シャッタ51の主面に略平行である。すなわち、シャッタ51は、レーザ光の光路に略垂直な回転軸に対して回動(縦軸回転)可能である。なお、照明装置201においては、シャッタ51が遮断位置から非遮断位置に回転するときと、シャッタ51が非遮断位置から遮断位置に回転するときとでは、シャッタ51の回転方向は反対であるが、縦軸スイング機構252は、シャッタ51を一方向のみに回転させてもよい。また、照明装置201においては、シャッタ51の遮断位置と非遮断位置との間の角度は約90度であるが、これに限らない。
また、縦軸スイング機構252は、2つのガルバノミラー4X,4Yによるレーザ光の走査に同期して、シャッタ51を遮断位置と非遮断位置とにスイングさせることができれば、どのような機構であってもよい。
縦軸スイング機構252の回転軸は、遮断するレーザ光の光路に直交することが好ましい。この場合、遮断位置と非遮断位置との間でシャッタ51をスイングさせるための回転角を最小限に抑えることができるため、シャッタ51をスイングさせる時間を最小限に押さえることができる。
<照明パターン>
以下に、照明装置201により実現される照明パターンについて、図19から図20を参照して説明する。
図19は、図14に示した2つのガルバノミラー4X,4Yのガルバノ機構42に印加する駆動電圧を示すグラフである。横軸は時間を示し、単位はmsec(ミリ秒)である。縦軸は駆動電圧を示し、上側が+(プラス)、下側が−(マイナス)である。実線の三角波は、ガルバノミラー4Xのガルバノ機構42の駆動電圧を示し、一点鎖線の矩形波は、ガルバノミラー4Yのガルバノ機構42の駆動電圧を示す。
図20は、縦軸スイング式シャッタ205が非遮断状態である場合の、図19に示す駆動電圧がガルバノ機構42に印加されたときの、発光部3におけるレーザ光の照射位置と照射領域とを示す図である。
図19に示すように、ガルバノミラー4Xの駆動電圧(実線の三角波)は、図7に示した駆動電圧と同一である。また、本実施形態では、ガルバノミラー4Yの駆動電圧(一点鎖線の矩形波)は、ガルバノミラー4Xの駆動電圧(実線の三角波)と同一周期であり、ガルバノミラー4Xの駆動電圧がマイナスの極値になったとき(電圧の勾配が負から正に切替わるとき)に、マイナスからプラスに切替わり、ガルバノミラー4Xの駆動電圧がプラスの極値になったとき(電圧の勾配が正から負に切替わるとき)に、プラスからマイナスに切替わる。
これにより、図20に示すように、発光部3におけるレーザ光の照射位置は一周する。具体的には、ガルバノミラー4Xの駆動電圧がプラスの極値かつ、ガルバノミラー4Yの駆動電圧がマイナスの場合、レーザ光は発光部3において、図20の(a)に示すA点に照射される。また、ガルバノミラー4Xの駆動電圧がプラスの極値かつ、ガルバノミラー4Yの駆動電圧がプラスの場合、レーザ光は発光部3において、図20の(a)に示すD点に照射される。また、ガルバノミラー4Xの駆動電圧がマイナスの極値かつ、ガルバノミラー4Yの駆動電圧がマイナスの場合、レーザ光は発光部3において、図20の(a)に示すB点に照射される。また、ガルバノミラー4Xの駆動電圧がマイナスの極値かつ、ガルバノミラー4Yの駆動電圧がプラスの場合、レーザ光は発光部3において、図20の(a)に示すC点に照射される。
したがって、シャッタ51が非遮断位置にある場合、2つのガルバノミラー4X,4Yの平面鏡41の往復回転運動に伴い、発光部3におけるレーザ光のスポットは、一周14msecの速さで図20の(b)に示すように、点Aと点Bと点Cと点Dとの間を動くことにより、図20の(a)に示す照射領域を形成する。
ガルバノミラー4Xの駆動電圧の最大値と最小値との設定を変更することにより、照射領域を、長くしたり、短くしたりすることができる。また、ガルバノミラー4Yの駆動電圧の設定を変更することにより、照射領域を、広くしたり、狭くしたりすることもできる。照射領域をレーザ光が一周する速さもこれに限らず、ガルバノ機構42に印加する電圧の周波数(周期)を変更することにより、早くしたり、遅くしたりできる。
投光レンズ6により投光される光が形成する照明パターンは、発光部3におけるレーザ光のスポットの動きに対応する。レーザ光のスポットが十分に速く動くと、照明パターンは残像効果により、人間の目には、点Aと点Bと点Cと点Dとの間の照射領域全体がレーザ光で照射されているように見える。そして、ガルバノ機構42に印加する駆動電圧に同期するように、所望の照明パターンに対応するタイミングで、縦軸スイング機構252によりシャッタ51を遮断位置と非遮断位置とにスイングさせることにより、所望の照明パターンを実現することができる。
図21は、所定のタイミングで、スライド式シャッタ5を遮断状態と非遮断状態とに切り替えた場合の、発光部3におけるレーザ光の照射領域を示す図である。
図21の(a)においては、図19に示したガルバノ機構42に印加する駆動電圧に重ねて、縦軸スイング機構252のスイングするタイミングが破線で示される。なお、照明装置201において動作制御部9は、縦軸スイング機構252の応答速度等の時間遅れ要素を考慮して、縦軸スイング機構252にスイングするタイミングを命令しているが、理解を容易にするために、時間遅れ要素を無視して、図21の(a)は示されている。すなわち、縦軸スイング機構252がシャッタ51をスライドさせるタイミングと、発光部3にレーザ光が照射されるタイミングとは同一であるものとして説明する。
図21の(a)に示すように、動作制御部9は、ガルバノミラー4Xの駆動電圧がプラスの極値になる直前であり、かつ、ガルバノミラー4Yの駆動電圧がプラスであるときに、シャッタ51は遮断位置に位置し、ガルバノ機構42の駆動電圧がその他の電圧であるときに、シャッタ51は非遮断位置に位置するように、縦軸スイング機構252を制御する。
そうすると、シャッタ51が遮断位置にある間は、発光部3にレーザ光が照射されないため、図20の(b)に示すように、レーザ光は、発光部3において点Aと点Bとの間の点B近傍のみで照射されない。したがって、投光レンズ6により投光された光が形成する照明パターンは、一部分のみ暗く、その他の部分は明るい照明パターンになる。
このように、シャッタ51を遮断位置と非遮断位置とにスイングさせることによりレーザ素子2を連続発光させながら、発光部3へのレーザ光の照射および非照射を切り替えることができる。さらに、所定のタイミングで、シャッタ51をスイングさせることにより、照明装置201は所望の照明パターンを実現できる。つまり、照明装置201においては、レーザ素子2から出射されるレーザ光が、パルス光(断続光)か連続光かにかかわらず、任意の形状(明暗パターン)を有する照明パターンを実現することができる。
<効果>
このように、縦軸スイング式シャッタ205を用いた場合であっても、実施形態1と同様に、レーザ素子2の点灯制御を行うことなく、発光部3へのレーザ光の照射および非照射を切り替えることができる。
また、光ファイバ271を用いることにより、発光部3におけるレーザ光のスポットの形状が矩形になる。このため、発光部3に隙間なくレーザ光を、容易に照射することができる。また、発光部3において、レーザ光の照射された領域と、照射されない領域との間の境界が直線になるため、投光レンズ6から投光される光が形成する照射パターンの形状(明暗パターン)を明瞭にすることができる。このため、照射パターンの解像度を高めることができる。
また、点Aから点Bまでの間に形成された照射領域と、点Cから点Dまでの間に形成された照射領域とを重ならないように制御することが容易となる。この場合、当該領域が重なることによる輝度ムラの発生を抑制することができる。
〔実施形態4〕
本発明の実施形態4について、図22に基づき、説明すれば、以下のとおりである。なお、説明の便宜上、前記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。
図22は、本発明の実施形態4に係る照明装置301の概略構成を示す図である。
照明装置301は、レーザ素子2と、透明基板331上に載置された発光部3と、ガルバノミラー4と、スライド式シャッタ5と、投光レンズ6と、光ファイバ71および導光レンズ72と、動作制御部9と、を備える。また、照明装置201は、フィン23を有する放熱ベース22と、筐体8とを含む。
図1に示した実施形態1に係る照明装置1から、図22に示す実施形態4に係る照明装置301は、次の2点において相違する。1つは、レーザ光を遮断するスライド式シャッタ5が、導光レンズ72と光ファイバ71との間の代わりに、導光レンズ72とガルバノミラー4との間に配置されている。但し、導光レンズ72と光ファイバ71の間に配置されてもよく、この点においては、本実施形態の照明装置401は実施形態1の照明装置1と実質的に相違しない。もう1つは、発光部3が反射型でなく、いわゆる透過型である。
ここで、本実施形態の発光部3においては、励起光が主に入射する面と、蛍光が外部に主に出射される面とが対向している。このような発光部の構成を、透過型の発光部と称する。この点において、本実施形態の照明装置401は実施形態1の照明装置1と本質的に相違する。
また、スライド式シャッタ5の代わりに、横軸スイング式シャッタ105または縦軸スイング式シャッタ205を配置してもよいことはもちろんである。
また、ガルバノミラー4の代わりに、ポリゴンミラー141、MEMSミラー204、2つのガルバノミラー4X,4Y、2軸のMEMSミラー204XY、音響光学素子、または可動レンズや可動曲面鏡などを用いてもよいことはもちろんである。
<透明基板331>
透明基板331は、透過型の発光部3を支持する支持基板であり、発光部3からの熱を逃がすための放熱基板でもある。透明基板331は、ガラス基板またはサファイア基板であることが好ましい。また、透明基板331の表面には、レーザ素子2からのレーザ光を透過させ、発光部3からの蛍光を反射するダイクロックミラーが形成されていることが好ましい。
<効果>
このように、透過型の発光部3を用いた場合であっても、実施形態1と同様に、レーザ素子2の点灯制御を行うことなく、発光部3へのレーザ光の照射および非照射を切り替えることができる。
〔実施形態5〕
本発明の実施形態5について、図23から図24に基づき、説明すれば、以下のとおりである。なお、説明の便宜上、前記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。
図23は、本発明の実施形態5に係る照明装置401の概略構成を示す図である。
照明装置401は、レーザ素子2と、発光部3と、ガルバノミラー4と、横軸スイング式フィルタ405と、投光レンズ6と、光ファイバ71および導光レンズ72と、動作制御部9と、を備える。また、照明装置101は、フィン23を有する放熱ベース22と、筐体8とを含む。
図12に示した実施形態2に係る照明装置101から、図23に示す実施形態5に係る照明装置401は、次の2点において相違する。1つは、レーザ光は、ポリゴンミラー141の代わりに、ガルバノミラー4により発光部3へ反射される。もう1つは、横軸スイング式シャッタ105の代わりに、横軸スイング式フィルタ405がレーザ光を部分的に遮断する。
照明装置401において、発光部3におけるレーザ光の照射位置を変更するためにガルバノミラー4を用いたが、他の可動光学素子を用いてもよい。例えば、ポリゴンミラー、平行運動する曲面鏡、微小な機械部品と電気回路とが融合したMEMSミラー、ピエゾ素子ミラー、音響光学素子、または可動レンズなどを用いてもよい。
従って、図12に示した照明装置101と図23に示す照明装置401との相違点は、実質的には、横軸スイング式シャッタ105がレーザ光を遮断するか、横軸スイング式フィルタ405が部分的にレーザ光を遮断するかのみである。
<横軸スイング式フィルタ405>
横軸スイング式フィルタ405は、レーザ素子2から出射され、ガルバノミラー4へ向かう光路上のレーザ光の少なくとも一部を所定のタイミングで遮断するフィルタ451(遮断部)と、フィルタ451の回転動作を制御する横軸スイング機構152とを備える。
ここで、上記レーザ光の少なくとも一部を遮断するとは、フィルタ451による上記光路上のレーザ光の遮断または非遮断の切替のみではなく、(1)上記レーザ光を遮断することと、(2)非遮断時にフィルタ451の透光部451b(後述)を透過させてレーザ光の光量を変更可能とすることで、その光量の一部を遮断可能とすること、とを意味する。
横軸スイング式フィルタ405は、照明装置401においては、光ファイバ71の出射端と導光レンズ72との間に挿設されているが、レーザ素子2とガルバノミラー4との間の光路の何処に挿設されてもよい。例えば、実施形態4に係る照明装置301のように、導光レンズ72とガルバノミラー4との間に配置されてもよい。
<フィルタ451>
図24は、図23に示した横軸スイング式フィルタ405の含むフィルタ451を説明するための図である。
フィルタ451は、レーザ光をほぼ完全に遮断する金属製の遮光部451aと、レーザ光を部分的に遮断する透光部451bとを備える。透光部451bは、換言すれば、レーザ光の一部を透過する(すなわち、入射されたレーザ光の光量を低下させる)減光フィルタ(光学フィルタ)である。なお、フィルタ451は、本実施形態では円形状となっているが、これに限らず矩形状であってもよい。
透光部451bは、遮光部451aとともに円盤状になるように遮光部451aと別個に形成されている。これに限らず、透光部451bは、遮光部451aとともに扇形状になるように形成されていてもよい。
フィルタ451は、横軸スイング機構152による横軸回転の回転方向に沿って、レーザ光が透過する割合である透過率が変化するように形成されている。すなわち、フィルタ451は照明装置401に回動可能に配置されている。具体的には、透光部451bのレーザ光を遮断する割合である遮断率は、遮光部451aの一端側から他端側へ、周方向に沿って変化する。換言すると、フィルタ451は、互いに遮断率が異なる複数の遮断領域(遮光部451a、および、透光部451bに含まれる、互いに異なる遮断率を有する複数の領域)を有している。また、本実施形態では、フィルタ451が有する複数の遮断領域は、回転方向に沿って配置されている。また、本実施形態の透光部451bは、互いに遮断率が異なる複数の領域を有する1枚の減光フィルタで構成されている。また、当該複数の領域は、透光部451bの遮断率がグラデーション状に変化するように配置されている。
このため、横軸スイング機構152がフィルタ451を、レーザ光の光路に略垂直にスイングすることにより、光路上に位置するフィルタ451の複数の遮断領域を変更することができる。例えば、遮光部451aが光路に交わる場合、レーザ光はフィルタ451を透過できず、発光部3に照射されない。また、例えば、透光部451bのうち遮断率約0%である領域が光路に交わる場合、レーザ光はほとんど遮断されず、ほぼ100%のまま(すなわち、透光部451bに入射されたレーザ光の光量がほとんど低下することなく)発光部3に照射される。また、例えば、透光部451bのうち遮断率約70%である領域が光路に交わる場合、透光部451bに入射されたレーザ光の光量に対して約30%の光量を有するレーザ光が発光部3に照射される。
したがって、横軸スイング機構152により、フィルタ451の回転角度を変更することにより、発光部3に照射されるレーザ光の光量(割合)を変更することができる。また、遮光部451aが1枚の減光フィルタで構成されていることにより、フィルタ451の製造工程を簡素化することができる。
フィルタ451は、レーザ光が照射される位置において、フィルタ451の主面がレーザ光の光路と略直交するように、配置されることが好ましい。フィルタ451の主面がレーザ光の光路と斜交する場合、フィルタ451の表面でレーザ光が屈折するため、レーザ光の光路の制御が複雑化する。したがって、フィルタ451によりレーザ光が屈折することがないように、フィルタ451の主面がレーザ光の光路と略直交するように、配置されることが好ましい。
照明装置401において、フィルタ451の透光部451bは、1枚の減光フィルタで構成されているが、実施形態6のように複数枚の減光フィルタで構成されていてもよい。例えば、互いに遮断率が異なる減光フィルタを回転方向に沿って扇形状に配設することにより、透光部451bが有する上記領域を形成してもよい。
また、本実施形態においては、フィルタ451の遮光部451aは、金属製であり、透光部451bと別個に形成されているが、これに限らない。例えば、遮光率が99%を超えるフィルムをフィルタ451の遮光部としてもよい。この場合、フィルタ451を光学フィルタのみを用いて製造することができる。
<透過率の分布>
透光部451bの透過率の分布は、線形分布であっても、非線形分布であってもよい。また、透光部451bの透過率の分布は、透過率が周方向に沿って滑らかに変化する連続分布であっても、不連続に変化する不連続分布であってもよい。また、透光部451bの透過率の分布は、周方向に沿って単調に(段階的に)変化する分布でなくてもよい。
遮光部451aの一端側から角度α(図24参照)離れた透光部451bの部分の透過率をf(α)として、例えば、f(α)は、αの1次関数であってもよい。この場合、所望の遮断率を1次変換することにより、フィルタ451をスイングさせる角度を容易に算出できる。
また、例えば、照明装置401が投光した光が形成する照明パターンの形状(明暗パターン)が正弦分布パターンを含む場合、f(α)はαの正弦関数であることが好ましい。f(α)がαの正弦関数であるため、フィルタ451が等角速度で回転するだけで、照明パターンの正弦分布パターンを実現することができる。同様に、照明装置401が投光する照明パターンの形状がガウス分布パターンまたはローレンツ分布パターンなどを含む場合、f(α)はαのガウス関数またはローレンツ関数などであることが好ましい。
また、例えば、照明装置401が投光した光が形成する照明パターンの形状が正弦分布パターンとローレンツ分布パターンとを含む場合、透光部451bの透過率の分布は、f(α)がαの余弦関数になるように途中まで徐々に高くなり、f(α)がαのローレンツ関数になるように途中まで徐々に低くなってもよい。
<横軸スイング機構152>
横軸スイング機構152は、ガルバノ機構42に同期して、所定のタイミングで、フィルタ451の所望の遮断率の遮断領域が、レーザ光の光路上に位置するように、フィルタ451をスイングさせる。このようにフィルタ451をスイングさせて、レーザ光の光路に交わるフィルタ451の領域(角度α)変更することにより、発光部3に照射されるレーザ光の光量を変更することができる。
横軸スイング機構152は、ガルバノ機構42に同期して、フィルタ451によるレーザ光の遮断率が所望の遮断率に許容誤差の範囲内で収まる精度で、フィルタ451をスイングさせることができれば、どのような機構であってもよい。横軸スイング機構152によるスイングは、レーザ光に直交する面内における回転運動であることが好ましい。この場合、フィルタ451をスイングさせる時間を最小限に押さえることができる。
<効果>
このように、横軸スイング式フィルタ405を用いた場合であっても、実施形態1と同様に、レーザ素子2の点灯制御を行うことなく、発光部3へのレーザ光の照射および非照射を切り替えることができる。
さらに、シャッタ51の代わりに、フィルタ451を用いることにより、レーザ素子2の点灯制御を行うことなく、発光部3へのレーザ光の照射光量を多段階的に変更することができる。このため、照明装置401は、より複雑な形状(明暗パターン)を有する照明パターンを実現することができる。
〔実施形態6〕
本発明の実施形態6について、図25から図26に基づき、説明すれば、以下のとおりである。なお、説明の便宜上、前記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。
図25は、本発明の実施形態5に係る照明装置501の概略構成を示す図である。
照明装置501は、レーザ素子2と、発光部3と、ポリゴンミラー141および回転機構142と、スライド式フィルタ505と、投光レンズ6と、光ファイバ71および導光レンズ72と、を備える。また、照明装置501は、フィン23を有する放熱ベース22と、筐体8とを含む。
図1に示した実施形態1に係る照明装置1から、図25に示す実施形態6に係る照明装置501は、次の2点において相違する。1つは、レーザ光は、ガルバノミラー4との代わりに、ポリゴンミラー141により、発光部3へ反射される。もう一つは、スライド式シャッタ5の代わりに、スライド式フィルタ505がレーザ光を部分的に遮断する。
照明装置501において、発光部3におけるレーザ光の照射位置を変更するためにポリゴンミラー141を用いたが、他の可動光学素子を用いてもよい。例えば、ガルバノミラー、平行運動する曲面鏡、微小な機械部品と電気回路とが融合したMEMSミラー、ピエゾ素子ミラー、音響光学素子、または可動レンズなどを用いてもよい。
従って、図1に示した照明装置1と図25に示す照明装置501との相違点は、実質的には、スライド式シャッタ5がレーザ光を遮断するか、スライド式フィルタ505が部分的にレーザ光を遮断するかのみである。
<スライド式フィルタ505>
スライド式フィルタ505は、レーザ素子2から出射され、ポリゴンミラー141へ向かう光路上のレーザ光の少なくとも一部を所定のタイミングで遮断するフィルタ551(遮断部)と、フィルタ551の移動を制御するスライド機構52とを備える。
ここで、上記レーザ光の少なくとも一部を遮断するとは、フィルタ451による上記光路上のレーザ光の遮断または非遮断の切替のみではなく、上記レーザ光を遮断することと、非遮断時にフィルタ551の第1〜第4透光部551b〜551e(後述)を透過させて、またはフィルタ551を透過させないことでレーザ光の光量を変更可能とすることで、その光量の一部を遮断可能とすること、とを意味する。
スライド式フィルタ505は、照明装置501においては、光ファイバ71の出射端と導光レンズ72との間に挿設されているが、レーザ素子2とポリゴンミラー141との間の光路の何処に挿設されてもよい。例えば、実施形態4に係る照明装置301のように、導光レンズ72とポリゴンミラー141との間に配置されてもよい。
<フィルタ551>
図26は、図26に示したスライド式フィルタ505の含むフィルタ551を説明するための図である。
フィルタ551は、レーザ光をほぼ完全に遮断する金属製の遮光部551aである遮光板と、レーザ光を部分的に遮断する(すなわち、レーザ光の一部を透過する)第1〜第4透光部551b〜551eである4枚の減光フィルタとを備える。本実施形態では、第1〜第4透光部551b〜551eは、遮光部551aから離れるほどレーザ光が透過する透過率が高くなるように、遮光部551aと同一平面上に移動方向に沿って並べられている。なお、フィルタ551は、本実施形態では矩形状となっているが、これに限らず円形状であってもよい。
フィルタ551は、スライド機構52によるスライドの移動方向(スライド方向)に沿って、レーザ光が透過する割合である透過率が変化するように形成されている。すなわち、フィルタ551は、照明装置501にスライド可能に配置されている。具体的には、第1透光部551bの遮断率は第2透光部551cの遮断率より高く、第2透光部551cの遮断率は第3透光部551dの遮断率より高く、第3透光部551dの遮断率は第4透光部551eの遮断率より高い。換言すると、フィルタ551は、互いに遮断率が異なる複数の遮断領域(遮光部551a、および、第1透光部551b、第2透光部551c、第3透光部551d、第4透光部551e)を有している。また、本実施形態では、フィルタ551が有する複数の遮断領域は、移動方向に沿ってグラデーション状に配置されている。
このため、スライド機構52がフィルタ551を、レーザ光の光路に略垂直にスライドすることにより、光路上に位置するフィルタ551の複数の遮断領域を変更することができる。例えば、遮光部551aが光路に交わる場合、レーザ光はフィルタ551を透過できず、発光部3に照射されない。また、例えば、第2透光部551cが光路に交わる場合、第2透光部551cの遮断率でレーザ光は遮断されて、部分的に発光部3に照射される。また、例えば、フィルタ551がレーザ光の光路から外れている場合、レーザ光は遮断されないので、その光量が100%のまま発光部3に照射される。
したがって、スライド機構52により、フィルタ551の位置を変更することにより、発光部3に照射されるレーザ光の光量(割合)を変更することができる。
フィルタ551は、フィルタ451と同様の理由から、レーザ光が照射される位置において、フィルタ551の主面がレーザ光の光路と直交するように、配置されることが好ましい。
また、本実施形態では、互いに遮断率が異なる複数の減光フィルタを、第1〜第4透光部551b〜551eに用いているため、1枚のフィルタ内で遮断率を変える必要がない。このため、減光フィルタの費用を低減し、照明装置501の製造費用を抑制することができる。
また、フィルタ551の第1〜第4透光部551b〜551eは、遮断率が互いに異なる4枚の減光フィルタに限らない。例えば、フィルタ551の第1〜第4透光部551b〜551eは、一体に形成されていてもよく、遮光部551aと一体に形成されていてもよい。フィルタ551の透光部である減光フィルタの数は、3枚以下であっても、5枚以上であってもよい。特に、多数の減光フィルタが一体に形成されている場合、フィルタ551の透光部は、実施形態5に係るフィルタ451のように、滑らかな変化する透過率の分布を有することができる。このため、発光部3に照射されるレーザ光の光量をより細かくに変更することができる。
また、本実施形態においては、フィルタ551の遮光部551aは、金属製であり、第1〜第4透光部551b〜551eと別個に形成されているが、これに限らない。例えば、遮光率が99%を超える光学フィルムをフィルタ551の遮光部としてよい。この場合、フィルタ551を光学フィルタのみを用いて製造することができる。
<透過率の分布>
第1〜第4透光部551b〜551eの透過率の分布は、フィルタ451と同様に、線形分布であっても、非線形分布であってもよい。また、第1〜第4透光部551b〜551eの透過率の分布は、透過率が滑らかに変化する連続分布であっても、不連続に変化する不連続分布であってもよい。また、第1〜第4透光部551b〜551eの透過率の分布は、スライドする移動方向に沿って単調に変化する分布でなくてもよい。
遮光部551aの一端からの距離β(図26参照)離れた第1〜第4透光部551b〜551eの部分の透過率をf(β)として、例えば、f(β)は、βの1次関数であってもよく、正弦関数、ガウス関数またはローレンズ関数であってもよい。
<スライド機構>
スライド機構52は、回転機構142に同期して、所定のタイミングで、フィルタ551の所望の遮断率の遮断領域が、レーザ光の光路上に位置するように、フィルタ551をスライドさせる。このように、フィルタ551をスライドさせて、レーザ光の光路に交わるフィルタ551の領域(距離β)変更することにより、発光部3に照射されるレーザ光の光量を変更することができる。
スライド機構52は、回転機構142に同期して、フィルタ551によるレーザ光の遮断率が所望の遮断率に許容誤差の範囲内で収まる精度で、フィルタ551をスライド
させることができれば、どのような機構であってもよい。例えば、回転モータに、ポールネジとレールとを組み合わせた機構であってもよく、回転モータに、ラックとピニオンとを組み合わせた機構であってもよく、その他の機構であってもよい。スライド機構52によるスライドは、レーザ光に直交する面内における直線運動であることが好ましい。この場合、フィルタ551をスライドさせる時間を最小限に押さえることができる。
<変形例1>
照明装置501において、スライド式フィルタ505の代わりに、光学フィルタとして液晶装置を用いてもよい。
液晶装置においては、よく知られているように、液晶に印加する電圧を変更することにより、光線の透過率(遮断率)を変更可能である。したがって、スライド機構52によりフィルタ551をスライドさせる代わりに、液晶に印加する電圧を変更することにより、発光部3に照射されるレーザ光の光量を変更することができる。換言すると、液晶装置は、遮断部として、レーザ素子2から出射され、ポリゴンミラー141へ向かう光路上のレーザ光の少なくとも一部を所定のタイミングで遮断するものである。
同様に、照明装置401において、横軸スイング式フィルタ405の代わりに、光学フィルタとして液晶装置を用いてもよい。
また、同様に、実施形態1〜4において、スライド式シャッタ5、横軸スイング式シャッタ105、または縦軸スイング式シャッタ205の代わりに、液晶装置を用いてもよい。この場合、シャッタ51を遮断位置にスライドまたはスイングさせる代わりに、液晶の透過率を約0%にし、シャッタ51を非遮断位置にスライドまたはスイングさせる代わりに、液晶の透過率を約100%にすればよい。
<効果>
このように、スライド式フィルタ505を用いた場合であっても、実施形態1と同様に、レーザ素子2の点灯制御を行うことなく、発光部3へのレーザ光の照射および非照射を切り替えることができる。
さらに、シャッタ51の代わりに、フィルタ551を用いることにより、レーザ素子2の点灯制御を行うことなく、発光部3へのレーザ光の照射光量を多段階的に変更することができる。このため、照明装置401は、より複雑な形状(明暗パターン)を有する照明パターンを実現することができる。
同様に、シャッタ51の代わりに液晶装置を用いた場合であっても、実施形態1と同様に、レーザ素子2の点灯制御を行うことなく、発光部3へのレーザ光の照射および非照射を切り替えることができる。また、より複雑な形状(明暗パターン)を有する照明パターンを実現することもできる。
〔実施形態7〕
本発明の実施形態7について、図27および図28に基づき、説明すれば、以下のとおりである。なお、説明の便宜上、前記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。
本発明に係る照明装置は、車両用前照灯(ヘッドランプ)としての用途に適合する。また、車両以外の移動物体(例えば、人間・船舶・航空機・潜水艇・ロケットなど)のヘッドランプとしての用途にも適合する。また、サーチライトおよびプロジェクタとしての用途、室内照明器具としての用途にも適合する。
図27は、図1に示した実施形態1に係る照明装置1を、状況適応型(AdaptiveDriving Beam,ADB)前照灯と称されるヘッドランプとして備える車両600を示す概念図である。これに限らず、車両600が他の実施形態に係る照明装置をADBヘッドランプとして備えてもよいことは、もちろんである。また、図28は、図27に示した車両600が備える制御部90を説明するための概略ブロック図である。
図27に示すように、車両600は、車両600の前部(ヘッド)に照明装置1を備える。また、照明装置1は、フィン23を有する放熱ベース22が車両600の外殻に位置するように、また、投光レンズ6が車両600の前方に発光部3からの照明光を投光するように、配設されている。これに限らず、照明装置1に含まれる各部材の性能および形状、車両におけるヘッドランプの設計指針等に応じて、照明装置1は適宜配設されてよい。
車両600は、照明装置1をADB型のヘッドランプとして制御できるように、カメラ95と、照明装置1の動作制御部9を含む制御部90と、をさらに備える。このため、車両600の走行状況に応じて、照明装置1は車両600の前方に適切な照明パターンを有する光を投光することができる。例えば、対向車両または先行車両が眩しくないように、その位置のみ暗くする配光の照明パターンを、自動的に投光することが可能になる。
<カメラ95>
カメラ95は、照明装置1が照明光を投光する投光領域を含む車両600の前方周辺を連続的に撮影する。カメラ95は、例えば、車両600の室内前方のルームミラー近傍に配置される。カメラ95は、車載カメラであり、車両600の移動速度に応じて適宜選択されればよい。例えば、車両600が、時速400kmで移動する場合は、カメラ95のフレームレートは120Hz以上のであることが好ましい。また、カメラ95のフレームレートは、照明装置1のフレームレートより高いことが好ましい。
カメラ95は、制御部90に接続されており、遅くともレーザ素子2からレーザ光が出射された時点から撮影を開始し、撮影した画像データ(動画像)を制御部90へ出力する。
なお、カメラ95の代わりに、車両600の前方に存在する物体に赤外線を照射して、その反射波を検知する赤外線レーダ(レーダ)であってもよい。赤外線レーダを利用する場合も、カメラ95と同様、汎用性の高い技術を用いて、車両600の前方に存在する物体の検知を行うことができる。また、カメラ95は可視光用であっても良いし、赤外光用のものであってもよく、赤外および可視の両方の機能を有していても良い。なお、カメラ95を赤外光用とすることにより、人間を含む恒温動物の検知が容易となる。また、カメラ95は、1台のカメラである必要はなく、複数台のカメラを用いても良い。
<制御部90>
制御部90は、車両600を統括的に制御するものであり、主として、検知部91、識別部92および動作制御部9を備えている。
(検知部91)
検知部91は、カメラ95によって撮影された動画像を解析して、動画像中の物体を検出するものである。具体的には、検知部91は、カメラ95から動画像を取得したとき、動画像中の投光可能エリアに含まれる物体を検出する。
検知部91は、動画像中の投光可能エリア内に物体が検出された場合、物体が検出された座標値を示す検出信号を識別部92に出力する。
(識別部92)
識別部92は、検知部91から出力された検出信号に示される座標値における物体の種類を、画像認識により識別するものである。具体的には、識別部92は、検知部91から検出信号を取得したとき、検出信号に示される座標値に示される物体の移動速度、形状、位置などの特徴点を抽出し、特徴点を数値化した特徴値を算出する。
そして、識別部92は、車両600が備える記憶部(不図示)に記憶された、物体の種類ごとの特徴点が数値化された基準値を管理する基準値テーブルを参照して、当該基準値テーブルに、算出した特徴値との誤差が所定閾値以内である基準値を検索する。
例えば、基準値テーブルには、車両、道路標識、歩行者、動物または想定される障害物などに対応する基準値が予め登録され、管理されている。算出した特徴値との誤差が所定閾値以内の基準値が特定された場合、識別部92は、当該基準値で示される物体を、検知部91によって検出された物体であるものと判定する。
識別部92は、検知部91によって検出された物体が、基準値テーブルに予め登録された物体であると判定したとき、当該物体と、当該物体が検出された座標値とを示す識別信号を動作制御部9に出力する。
(動作制御部9)
動作制御部9は、実施形態1で説明したように、ガルバノ機構42およびスライド機構52を制御するとともに、スライド機構52の遮断動作を、ガルバノ機構42の、発光部3におけるレーザ光の照射位置を変更する変更動作と同期させる。
本実施形態では、動作制御部9は、識別部92から出力された識別信号に示される物体の種類に応じて、当該識別信号に示される座標値を含む所定の範囲(物体の検出領域)に投光する、または投光しないように、スライド機構52の遮断動作を制御する。
例えば、動作制御部9は、検知部91から出力された識別信号に示される物体の種類が、対向車または先行車などである場合、当該対向車または先行車などが検出された検出領域に対応する領域には投光しない形状を有する照明パターンを形成するように、上記遮断動作を制御する。これにより、対向車または先行車の運転者が、車両600の投光によるグレアを感じないようにすることができる。この場合、ハイビームのまま走行することが可能となる。
また、動作制御部9は、識別部92から出力された識別信号に示される物体の種類が、道路標識または障害物などである場合、当該道路標識または障害物などが検出された検出領域に対応する領域に投光する形状を有する照明パターンを形成するように、上記遮断動作を制御する。これにより、車両600の運転者に対して注意喚起することができる。
なお、実施形態5の照明装置401、または実施形態6の照明装置501を上記ヘッドランプとして用いた場合、上記検出領域に対応する領域に投光する光の光量を調整することができる。例えば、検出された物体が対向車または先行車である場合であっても、当該対向車または先行車が検出された検出領域に対応する領域に投光される光の光量を、0にするのではなく、当該対向車または先行車の運転者がグレアを感じない程度にまで低下させるといった制御も可能となる。
<効果>
このように、実施形態1〜6の照明装置を車両600のヘッドランプに適用することにより、レーザ素子2の点灯制御を行うことなく、上記のような種々の制御(ADB制御)を行うことが可能となる。
〔ソフトウェアによる実現例〕
照明装置1、101、201、301、401、501の制御ブロック(特に、動作制御部9の照射領域決定部および遮断制御部)は、集積回路(ICチップ)等に形成された論理回路(ハードウェア)によって実現してもよいし、CPU(Central Processing Unit)を用いてソフトウェアによって実現してもよい。また、車両600の制御ブロック(特に、制御部90の検知部91、識別部92および動作制御部9)についても、集積回路(ICチップ)等に形成された論理回路(ハードウェア)によって実現してもよいし、CPU(Central Processing Unit)を用いてソフトウェアによって実現してもよい。
後者の場合、照明装置1、101、201、301、401、501および車両600は、各機能を実現するソフトウェアであるプログラムの命令を実行するCPU、上記プログラムおよび各種データがコンピュータ(またはCPU)で読み取り可能に記録されたROM(Read Only Memory)または記憶装置(これらを「記録媒体」と称する)、上記プログラムを展開するRAM(Random Access Memory)などを備えている。そして、コンピュータ(またはCPU)が上記プログラムを上記記録媒体から読み取って実行することにより、本発明の目的が達成される。上記記録媒体としては、「一時的でない有形の媒体」、例えば、テープ、ディスク、カード、半導体メモリ、プログラマブルな論理回路などを用いることができる。また、上記プログラムは、該プログラムを伝送可能な任意の伝送媒体(通信ネットワークや放送波等)を介して上記コンピュータに供給されてもよい。なお、本発明は、上記プログラムが電子的な伝送によって具現化された、搬送波に埋め込まれたデータ信号の形態でも実現され得る。
〔まとめ〕
本発明の態様1に係る発光装置(照明装置1、101、201、301、401、501のうち、主に筐体8の内部の構成)は、励起光源(レーザ素子2)から出射された励起光(レーザ光)を受けて発光する発光部(3)と、前記励起光源から出射された前記励起光の光路を変更し、前記発光部における前記励起光の照射位置を変更する照射位置変更部(ガルバノミラー4、ポリゴンミラー141と回転機構142、MEMSミラー204、ガルバノミラー4Xとガルバノミラー4Y、MEMSミラー204XY)と、前記励起光源から前記照射位置変更部へ向かう光路上の励起光の少なくとも一部を所定のタイミングで遮断する遮断部(シャッタ51、フィルタ451、フィルタ551)と、を備えることを特徴とする。
上記の構成によれば、遮断部は、励起光源から照射位置変更部へ向かう光路上の励起光の少なくとも一部を所定のタイミングで遮断することにより、発光部に照射される励起光の少なくとも一部を所定のタイミングで遮断することができる。このため、発光装置は、励起光源から出射される励起光の光量を変更することなく(すなわち、励起光源の点灯制御を行うことなく)、発光部へ照射される励起光の光量を所定のタイミングで変更することができる。
また、上記の構成によれば、照射位置変更部が発光部における励起光の照射位置を変更することにより、励起光が発光部を走査することができる。このため、励起光を受けて発光する発光部は、励起光に走査された走査領域(照射領域)から発光することができる。
したがって、照射位置変更部が照射位置を変更するともに、遮断部が発光部へ照射される励起光の光量を所定のタイミングで変更することにより、励起光が発光部に形成する照射領域が所望の形状となるように、励起光を走査することができる。これにより、発光部から発せられる光は、所望の形状を有する照明パターンを形成することができる。
つまり、本願発明の発光装置によれば、励起光源の点灯制御(駆動制御)を行うことなく、上記所望の形状を有するように、発光部に照射領域を形成することができる。それゆえ、励起光源の駆動制御に伴う悪影響(電気ノイズに伴う発光装置が有する電気回路への影響、または電気回路の複雑化等)を低減することができる。
また、本願発明の発光装置では、励起光源の点灯制御の代わりに、遮断部の遮断動作を制御する。ここで、遮断動作は小電流での駆動および制御が可能である。このため、遮断部を駆動および制御する電気回路は、電気ノイズの発生を抑制する回路、または、発生した電気ノイズを除去する回路などを設けなくても、発生する電気ノイズが小さい。
それゆえ、発光装置が備える電気回路を単純化することができ、発光装置の小型化と製造費用の低減とが可能になる。また、励起光源を点灯制御しなくてよいため、点灯制御により励起光源にかかる負荷を減らすことができる。負荷が減るため、励起光源の寿命を延ばすことができ、発光装置の耐用期間を延ばすことと、発光装置の信頼性を高めることとができる。
本発明の態様2に係る発光装置(照明装置1、101、201、301、401、501のうち、主に筐体8の内部の構成)は、上記態様1に記載の発光装置であり、前記遮断部(シャッタ51、フィルタ451、フィルタ551)の遮断動作を、前記励起光(レーザ光)の照射位置の変更動作と同期させる動作制御部(9)をさらに備えることが好ましい。
上記の構成によれば、動作制御部は、遮断部の遮断動作と照射位置変更部の変更動作とを同期させることにより、発光部へ照射される励起光の光量の変更と、発光部におけるレーザ光の照射位置の変更とを、同期させることができる。したがって、励起光が発光部に形成する照射領域が所望の形状となるような励起光の走査を、容易な手法で実現することができる。
本発明の態様3に係る発光装置(照明装置1、101、201、301のうち、主に筐体8の内部の構成)は、上記態様1または2に記載の発光装置であり、前記遮断部(シャッタ51)は、前記光路上の励起光(レーザ光)を遮断する遮断位置(図5の(a)、図13の(a)、図18の(a)参照)と、遮断しない非遮断位置(図5の(b)、図13の(b)、図18の(b)参照)との間を移動することが好ましい。
上記の構成によれば、遮断部は、所定のタイミングで遮断位置と非遮断位置との間を移動することにより、発光部への励起光の遮断と非遮断とを所定のタイミングで切り替えることができる。このため、発光装置は、発光部への励起光の照射および非照射の切り替えを、励起光源の駆動制御を行うことなく実現することができる。
本発明の態様4に係る発光装置(照明装置401、501のうち、主に筐体8の内部の構成)は、上記態様1または2に記載の発光装置であり、前記遮断部(フィルタ451、フィルタ551)は、前記励起光を遮断する割合である遮断率が互いに異なる遮断領域((1)遮光部451aおよび透光部451bの各領域、または、(2)遮光部551a、第1透光部551b、第2透光部551c、第3透光部551d、および第4透光部551e)を有し、前記光路上における前記遮断率は、前記光路上に配置される前記遮断領域が変更されることにより変更されることが好ましい。
上記の構成によれば、遮断部は、所定のタイミングで励起光の光路上に配置される遮断領域を変更することにより、発光部へ照射される励起光の光量を所定のタイミングで変更することができる。このため、発光装置は、発光部への励起光の照射および非照射の切り替えを、励起光源の駆動制御を行うことなく実現することができる。
また、上記構成によれば、遮断部は、光路上に配置される遮断領域が変更されることにより、遮断領域に設定された透過率に応じて、光路上の励起光の遮断する割合を変更することができる。このため、発光装置は、励起光源の駆動制御を行うことなく、発光部へ照射される励起光の光量を段階的に変更することができる。
したがって、発光部から発せられる光は、より複雑な形状を有する照明パターンを形成することができる。
本発明の態様5に係る発光装置(照明装置501のうち、主に筐体8の内部の構成)は、上記態様4に記載の発光装置であり、前記遮断部(フィルタ551)は、スライド可能に設置されており、前記遮断領域(遮光部551a、第1透光部551b、第2透光部551c、第3透光部551dおよび第4透光部551e)は、前記遮断部のスライド方向に沿って配置されていることが好ましい。
上記の構成によれば、互いに遮断率が異なる遮断領域は、スライド方向に沿って配置されている。このため、遮断部は、スライドすることにより、光路上に配置される遮断領域を変更することができる。
本発明の態様6に係る発光装置(照明装置401のうち、主に筐体8の内部の構成)は、上記態様4に記載の発光装置であり、前記遮断部(フィルタ451)は、回動可能に設置されており、前記遮断領域(遮光部451aおよび透光部451bの各領域)は、前記遮断部の回転方向に沿って配置されていることが好ましい。
上記の構成によれば、互いに遮断率が異なる遮断領域は、回転方向に沿って配置されている。このため、遮断部は、回転することにより、光路上に配置される遮断領域を変更することができる。
本発明の態様7に係る発光装置(照明装置401、501の変形例のうち、主に筐体8の内部の構成)は、上記態様1または2に記載の発光装置であり、前記遮断部(液晶装置)は、前記励起光を遮断する割合である遮断率を変更可能な光学フィルタであることが好ましい。
上記の構成によれば、遮断部は、所定のタイミングで遮断率を変更することにより、発光部へ照射される励起光の光量を所定のタイミングで変更することができる。このため、発光装置は、発光部への励起光の照射および非照射の切り替えを、励起光源の駆動制御を行うことなく実現することができる。
また、上記構成によれば、遮断部は、遮断率を変更することにより、励起光源の駆動制御を行うことなく、発光部へ照射される励起光の光量を段階的に変更することができる。したがって、発光部から発せられる光は、より複雑な形状を有する照明パターンを形成することができる。
本発明の態様8に係る照明装置(1、101、201、301、401、501)は、上記態様1から7の何れか1態様に記載の発光装置と、前記発光装置から出射された光を投光する投光部(投光レンズ6)と、を備える。
上記の構成によれば、透光部は、発光装置の発光部が発する光を、照明装置の外部へ投光することができる。このため、発光部において形成された所望の形状を有する照射領域に対応する照明パターンを有する光を投光することができる。
本発明の態様9に係る車両(600)は、上記態様8に記載の照明装置(1、101、201、301、401、501)を前照灯として備える。
上記の構成によれば、車両は、本発明に係る照明装置を前照灯として備える。このため、前照灯は、車両前方に、発光部において形成された所望の形状を有する照射領域に対応する照明パターンを有する光を投光することができる。
特に、車両が車両の走行状況をモニターするモニター装置(車載カメラ(カメラ95)、ドライビングレコーダなど)を備える場合、前照灯は、車両前方に、走行状況に応じて形成される照明パターンを有する光を、自動的に投光することができる。すなわち、照明装置は、状況適用型(ADB)のヘッドランプとして機能することができる。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。さらに、各実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を組み合わせることにより、新しい技術的特徴を形成することができる。