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JP6652967B2 - 細胞を分離するためのデバイス及び方法 - Google Patents
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JP6652967B2 - 細胞を分離するためのデバイス及び方法 - Google Patents

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Description

本発明は、生体物質、特に異なる密度の細胞集団を分離するためのデバイス、方法及びキットに関する。本発明は、血液を様々な成分又は細胞集団に分離するのに特に有用である。
医学及び生物学において、密度勾配は、血液を、赤血球、白血球及び血漿などの異なる分画に分離するために一般に使用される。血液を、規定密度の媒体(例えば、Ficoll(商標)、Ficoll−Paque(商標)、GE Healthcare)に重層し、その後遠心分離する。遠心分離プロセスに際して、血液成分の示差的移動が起こり、各血液分画の層の形成がもたらされる。赤血球はFicoll層を通って移動し、チューブの底に沈殿するが、白血球はFicollより上で、血漿層より下の界面に移動する。白血球は、名目上は1%未満の抹消血を含むが、この技術は、それらの有効で容易な精製を可能にする。
血液分画の有効な分離のために、密度勾配媒体と血液試料との間の界面は、可能な限り明確で、混合は最小でなければならない。これを成し遂げることは困難であり、熟練した確実な技能及び忍耐が要求される。したがって、遠心分離前の密度勾配媒体上への血液の負荷は非常に時間がかかる。さらにこの界面は壊れやすく、チューブをたたいた場合、界面は容易に混合され、破壊されてしまう可能性がある。
遠心分離後に分離されたバンド又は分画の除去又は収集もまた、分画を崩壊又は破壊せず、密度勾配媒体の過剰な持ち越しを回避するように、オペレーターが注意を払う必要がある技術的に困難な課題を提示する。
これらの問題に対処する方法及びデバイスが開発されてきた。
国際公開第2012/149641号(Stem Cell Technologies Inc.)は、試料中に存在する異なる細胞集団の密度勾配分離を支援する、遠心チューブ用のインサートを記載している。このインサートは、遠心チューブ内に適合するようにサイズ化され、支持体、通常円筒形の支持体により位置決め又は安定化され、それによってチューブを上部と下部とに分割する部材を有する。この部材は、普通凹型の構造であり、2以上の開口を有し、その一方は、インサートが適所に配置された場合、チューブの下端部に近く、液体を底部へと通過させるように機能し、第2の開口は、空気を逃がして圧力を均一にするように機能する。このようなインサートを組み込んだ遠心チューブは、市販品として、すなわち、Stem Cell Technologies Inc.からSepMate(商標)として利用可能である。
Sigma−Aldrichから利用可能なAccuspin(商標)チューブは、密度勾配媒体、例えば、リンパ球と他の単核細胞との分離用のHistopaque(登録商標)などと一緒に使用するために設計されている。Accuspinチューブ(Greiner Bio−Oneから利用可能なLeucosep(商標)チューブとしても公知である)は、多孔質高密度ポリエチレン障壁又はフリットにより分離された2つのチャンバを有する、特別に設計されたポリプロピレン遠心チューブである。密度勾配媒体、例えば、Histopaque−1077を、フリットの下の下部チャンバに加える。血液試料を、上部チャンバに加え、チューブを遠心分離する。遠心分離において、赤血球は、密度勾配媒体を含有するチューブの底部に沈殿し、一方、リンパ球及び単球などの単核細胞は、血漿/Histopaque−1077の界面に濃密なバンドを形成する。このバンドを、その後デカントにより、又はピペットを用いて除去することができる。赤血球の混入は、チャンバの間の障壁により回避される。
Floaties(商標)(www.Biofloaties.com)は、小型のオートクレーブ処理可能なポリマーブレンドビーズであり、密度勾配遠心分離による、ヒト全血及び臍帯血試料からの末梢血単核細胞(PBMC)のin vitro単離用に設計されている。ビーズを、遠心チューブ中の密度勾配媒体の上部に直接充填し、血液試料を穏やかに加える。ビーズの大部分は試料の上部に上昇し、試料はその後チューブの中で遠心分離される。遠心分離後、PBMCは血漿−密度勾配媒体の界面近くに層又はバンドを形成し、ビーズ層の間にピペットを挿入することによって収集される。
前述の問題を克服するために多数の市販の製品が利用可能であるが、コスト効率のよい様式で血液分画の有効な分離を成し遂げるための単純で柔軟性のある手段に対する必要性が依然として存在する。本発明は、新規なインサート、方法、遠心チューブ及びキットの提供によりこの必要性に対処する。
国際公開第2012/149641号
本発明の第1の態様に従って、遠心チューブ用インサート(100)であって、凸型の上面(21)及び1以上の凹部(24)をその場に有する外縁(22)を備えた、チューブを上部と下部に分割するために、遠心チューブ内に適合するようにサイズ化されたディスク(20)、並びにインサート(100)がチューブ内に配置された場合、チューブの底に接触する、ディスク(20)の下面(26)から伸びる支柱(30)を備えたインサート(100)を提供する。
一実施形態では、1以上の凹部(24)は、チューブの上部と下部との間の流体連通を可能にする。
別の実施形態では、1以上の凹部(24)は、1以上の凹部(24)にわたって表面張力を発生させ、遠心力の不在下で液体の流動を制限するようにサイズ化する。
別の実施形態では、上面(21)は、1以上の凹部(24)につながる1以上の溝(28)をさらに備える。
一実施形態では、ディスク(20)の上面(21)は、把持要素(40)をさらに備える。
別の実施形態では、把持要素(40)は、ディスク(20)の上面(21)の中心にある。好ましくは、把持要素(40)は棒の形態である。
別の実施形態では、1以上の溝(grove)(28)は、ディスク(20)の中心と1以上の凹部(24)とをつないでいる。
一実施形態では、溝(28)は扇形であり、凹部(24)の場所よりもディスク(20)の中心において狭くなっている。
別の実施形態では、ディスク(20)の下面(26)は凸型である。
別の実施形態では、1以上の凹部(24)は半円形又は長円形である。
一実施形態では、インサートはポリマーで構成される。好ましくは、ポリマーは不活性ポリマーである。好ましくは、ポリマーは、例えばオートクレーブ処理、化学処理により、又はγ線などの適切なエネルギーの照射により滅菌可能である。通常、ポリマーはポリエチレン又はポリプロピレンなどのプラスチックポリマーである。しかし、ポリカーボネート、ポリビニル又はアクリレートポリマーなどの他の不活性プラスチックポリマーも使用することができる。
別の実施形態では、インサートは、微生物汚染を最小にするように処理されている。適切な方法の例としては、オートクレーブ処理、殺菌剤又は抗菌剤による化学処理及び/又はγ線などの適切なエネルギーの照射が挙げられる。
本発明の第2の態様に従って、インサートを備える遠心チューブを提供する。遠心チューブは、密度勾配媒体をさらに含有することができる。
本発明の第3の態様に従って、細胞を分離するための方法であって、
i)一定量の密度勾配媒体を遠心チューブに加えるステップ、
ii)前述のインサートを、支柱がチューブの底に接触するように、密度勾配媒体の表面に配置するステップ、
iii)1以上の細胞を含有する液体試料をディスクの上面にわたって分注し、密度勾配媒体と試料との間に界面を形成するステップ、並びに、
iv)チューブを遠心分離して、1以上の細胞を試料から分離するステップ、
を含む方法を提供する。
一実施形態では、細胞は、哺乳動物細胞、赤血球、白血球及び幹細胞からなる群から選択される。
別の実施形態では、試料は全血を含む。
別の実施形態では、本方法は、1以上の細胞を回収するステップをさらに含む。
本発明の第4の態様に従って、前述のインサート及び遠心チューブを含むキットを提供する。好ましくは、このキットは、一定量の密度勾配媒体をさらに含む。
本発明の第5の態様に従って、前述のインサート及び一定量の密度勾配媒体を提供する。
本発明の第6の態様に従って、1以上の細胞を試料から分離するための前述のインサートの使用を提供する。
定義
本明細書で用いる「遠心チューブ用インサート」という用語は、遠心チューブ内に可逆的又は不可逆的に設置又は固定することができる任意のデバイス又は器具を意味することを意図する。
遠心チューブは、遠心分離可能なチューブである。このチューブは、当分野において一般的なコニカル型の下端部を有しても、又は平坦もしくは丸底であってもよい。市販の遠心チューブの例としては、限定する、ものではないが、Nunc(商標)コニカル滅菌ポリプロピレン遠心チューブ(Thermo Scientific(商標))、Nalgene(商標)Oak Ridgeポリカーボネート、ポリプロピレン又はTeflon(商標)チューブ(Thermo Scientific(商標))及びSterilinポリプロピレンチューブ(Camlab、UK)が挙げられる。
本発明に係るインサートは、様々な容積、例えば、2ml、5ml、10ml、15ml及び50mlなどの遠心チューブと共に使用可能であることは理解されるであろう。
一態様において、本発明に使用される「細胞」は哺乳動物細胞、好ましくはヒト細胞である。本発明に使用可能な哺乳動物細胞の例としては、限定するものではないが、血液細胞、例えば、赤血球、白血球(白血球、リンパ球、顆粒球及び単球を含む)、血小板及び幹細胞(例えば、造血幹細胞)が挙げられる。
「細胞」は骨髄細胞であってもよい。
本明細書で用いる「幹細胞」という用語は、多能性又は複能性幹細胞を含む。幹細胞の例としては、限定するものではないが、胚性幹細胞(ESC)、成体幹細胞、造血幹細胞、神経幹細胞、間葉系幹細胞及び人工多能性幹細胞(iPS)が挙げられる。
本発明に係るインサートの一実施形態の3次元斜視図を示す。 図2aから図2cは、図1のインサートの一連の図を表し、図2aは平面図、図2bは前面図、図2cは、裏面図を表す。 図3aは、本発明に係るインサートの平面図を示す概略図であり、図3bは、溝の詳細な差し込みの図である。 図4a、図4b、及び図4cは、本発明に係る一部の差し込みの概略図である。特に、図4aは、インサートのディスク上面にわたる液体の流動を詳細に表し、図4bは隆起の高さを表し、図4cは溝の深さを表す。 図5aは、空の遠心チューブ内に配置された本発明に係るインサートの概略図であり、図5bは、遠心分離前の、充填された遠心チューブ内に配置された本発明に係るインサートの概略図であり、図5cは、遠心分離後の、充填された遠心チューブ内に配置された本発明に係るインサートの概略図である。 遠心分離による分離前の、Ficoll−Paque密度勾配媒体(下層、560a、b及びc)及び血液/PBSミックス(上層、562a、b及びc)を負荷された3つの遠心チューブ(550a、550b及び550c)の写真である。 遠心分離及び分離プロセスの後の、図6に示す3つの遠心チューブの写真である。 図7の各チューブ(Aは650a、Bは650b及びCは650cに対応する)に由来する白血球分画のフローサイトメトリー分析の結果を表すグラフであり、文字Gは、白血球分画中に存在する顆粒球の部分集団を示し、Mは単球の部分集団及びLはリンパ球の部分集団を示す。FSC及びSSCは、それぞれ、前方散乱及び側方散乱を示す。
本発明に係るインサートの一実施形態を、図1に3次元斜視図で示す。インサート(100)は、遠心チューブ(図示せず)内に配置されると、上部と下部に該チューブを分割するように、遠心チューブに適合するような寸法及びサイズの直径を有するディスク(20)で構成される。インサートは、プラスチック、金属又はガラスなどの適切な材料で製造される、10、15又は50mlなどの規格用量の遠心チューブを含む、任意の遠心チューブに適合するサイズであってよい。別の液体に分離されるべき、標的(血液細胞など)を含有する液体を異なる密度の第1の液体に加えた場合に起こる、異なる密度の液体の混合は、遠心分離において標的と第1の液体との不十分な分離につながるので、インサートは、この混合を最小化するように機能する。インサートはまた、遠心分離プロセスの際の標的と第1の液体との分離を容易にする。通常、第1の液体は密度勾配媒体であり、標的を含有する液体は水性血液試料である。
ディスク(20)は、凸型の上面(21)を有し、その外縁(22)又は外周に複数の凹部(24)を有し、この凹部はどのような形態を取ってもよいが、一般には曲線状の半円形又は長円形である。ディスク(20)の下面(図示せず)から伸びる支柱(30)は、インサート(100)が遠心チューブ(図示せず)内に配置された場合、該チューブの底のより上にディスク(20)を支持する脚として機能する。支柱(30)の長さは、インサートが加えられた場合、ディスクの裏面が液体のメニスカスに接触するように、遠心チューブに加えられた液体の容積に依存してサイズ化される。把持要素(40)は、遠心チューブ内へのインサート(100)の配置及びそこからの除去を容易にする。インサートは、例えば、オペレーターの指もしくはピンセットなどの適切な道具の使用によって手作業で、又は自動化もしくはロボット手段によって遠心チューブに配置及び/又は遠心チューブから取り外すことができる。
溝(28)はディスク(20)の中心と凹部(24)とをつないでいる。溝(28)の目的は、ディスク(20)の凸型上面(21)に注がれる液体を、この液体が、チューブの下部に存在する密度勾配媒体などの第1の液体の上に層をなすように凹部(24)に、分離プロセスを損なう崩壊又は混合が最小になるように流すことである。
図2a、2b及び2cは、それぞれ、図1のインサート(200)の平面図、前面図及び底部平面図である。図2aは、インサート(200)の上部平面図を提供し、ディスク(120)の中心の把持要素(140)からディスク(120)の外縁(122)又は周縁の凹部(124)へと連続する溝又は流路(128)の配置を示す。インサート(200)の把持要素(140)及び支柱(130)、図2bの前面図に示す。インサート(200)の裏面図である図2cは、ディスク(120)の凹型の下面(126)及び中心支柱(130)を示す。
本発明に係るインサート(300)の一実施形態のディスク(220)の概略上部平面図を図3aに示す。実施例において、ディスク(220)は、その上面(221)の中心(229)から外縁(222)の凹部(224)へ放射状に伸びる扇形の溝を有し、溝(228)は外縁よりディスクの中心において狭くなっている。ディスク(220)の直径(D)は、インサートが意図される遠心チューブのサイズ又は容積に依存して変動し、例えば、50mlの遠心チューブ用のインサートは通常およそ直径26mmのディスクを有する。このようなインサートに対して、曲線状の凹部は幅(W)およそ4mmであり、深さ(D)およそ1mmを有する(図3b)。
図4a、b及びcは、本発明の一実施形態のディスクの部分的概略図を示す。図4aは、ディスクの上面(321)にわたる(矢印の流れの方向により例示される)液体の流れを表す。ディスクの凸型上面の上部に注がれた液体は、扇形の溝(328)を進み、溝の長さを凹部(324)へと下に流れ、その後ディスク表面から下に流れる。溝(328)の深さは、この溝が把持要素(330)とぶつかるディスクの中心から増加していき、外縁(322)において最大になる。図4bは、ディスクの外縁(322)の浸水しない周縁の隆起の高さ(H)を示す詳細の概略であり、50mlの遠心チューブ用インサートの高さはおよそ1mmである。図4cは、溝(328)の深さ(D)を示し、上記インサート用にはおよそ1mmである。深さD及び高さHは、インサートが設計されたチューブの容積に依存して変動する。
図5a、b及びcは、空の遠心チューブ内(図5a)、遠心分離前の、充填された遠心チューブ内(図5b)及び遠心分離後の、充填された遠心チューブ内(図5c)に配置された本発明に係るインサートの概略図である。
図5aは、中空内部(452)又は内壁(453)により画成されたチャンバを封入する蓋(451)を有する、従来の遠心チューブ(450)内に配置された本発明に係るインサート(500)を示す。図5aの遠心チューブ(450)は液体を全く包含していない。チューブの外壁(454)及び内壁(453)は両方とも不活性材料、例えば、プラスチック、ガラス又は金属で製造されている。遠心チューブ(450)は、様々な液体容積、例えば、5ml、10ml、15及び50mlに適合するように設計することができ、この壁には、チャンバ(452)内に存在する容積を示すように印(455)が付けられている。
インサート(500)は、チューブ(450)内への配置を可能にする把持要素(440)を有するディスク(420)及びチューブの底より上にディスクを支持する支柱(430)を備える。液体が、凹部(424)以外を通ってチューブの上部からチューブの下部へと通過不可であるように、外縁(422)がチューブ(450)の内壁(453)に接触するようにディスクをサイズ化して、液体不浸透性障壁を提示する。ディスクの外縁に存在する凹部(424)は、遠心力の不在下ではディスクを越える液体の流れを制限するように設計する。
図5bは、遠心分離及び液体試料(462)から密度勾配媒体への細胞の分離前の、2種の液体(460及び462)、密度勾配媒体(460)及び細胞を含有する液体試料(462)を充填した図5aのチューブ(450)を例示している。図5bに示すチューブを調製するために、所定容積の密度勾配媒体(460)をチューブの下部(A)に注ぎ、次いで、インサートのディスク(420)の下面(426)が支柱(430)によりチューブの底より上に支持された場合、液体(460)のメニスカスがインサートのディスク(420)の下面(426)と流体連通するようにインサート(500)を挿入する。したがって、支柱(430)の長さは、遠心チューブの下部(A)に存在可能な液体(460)又は密度勾配媒体の特定量を規定するスペーサーとして機能する。支柱(430)の長さが、遠心分離及び分離プロセスに使用される液体又は密度勾配媒体(460)の所望の容積並びに遠心チューブの内部容積に依存して変動することは理解されるであろう。通常50mlの遠心チューブに対して、支柱(430)の長さは、ディスク(420)がチューブ(450)の15mlの印に位置するようにサイズ化される。
血液細胞などの細胞を含有する液体試料(462)は、ディスク(420)の上面に慎重に注がれ、チューブの上部(B)においてディスクの上に層を形成する。その後キャップ(451)を元に戻し、チューブを遠心分離器に移す。
図5cは、遠心分離後の図5bのチューブの概略図である。チューブ(450)中に存在する液体は、密度に基づき4つの分画、D、E、F及びGに分離される。分画Dは主に血漿を含有し、分画EはFicollであり、分画Fは大部分が赤血球からなり、分画Gは白血球を含有する。ここで細胞の標的集団を、チューブから様々な分画を慎重にピペットにより収集できる、例えば、白血球が必要な場合、分画Dが最初に取り出され、その後分画Gが収集される。又は、赤血球が標的である場合、分画D及びGを廃棄し、インサート(500)及び残りの分画を、かき乱さないように慎重に取り外し、分画Fを収集する。
本発明を、これから以下の実施例を参照しながら記載する。
本発明に係るインサートを、Ficoll−Paque密度勾配媒体上への負荷を支援するその能力、並びにBlood−Ficoll界面において、遠心力の下で血液分画を混合せずに分離させるその能力に関して試験した。
25mlの血液を、2%のヒト血清を含有するリン酸緩衝生理食塩水(PBS)で2倍に希釈した。15mlのFicoll−Paqueを、3×50mlの遠心チューブに加えた。2つのチューブは従来の遠心チューブ(図6の550a及び550c)であり、1つのチューブは(図6の550b)Accuspin(商標)チューブ(Sigma−Aldrich)であった。Accuspin(商標)チューブは、多孔質高密度ポリエチレン障壁又はフリットにより分離された2つのチャンバを有する、遠心分離により全血及び骨髄からのリンパ球と他の単核細胞との分離を支援するように特別に設計されたポリプロピレン遠心チューブである。
25mlの血液/PBSミックス(562a、562b)を、チューブ550a及びb両方のFicoll−Paque層の表面上にピペットにより慎重に加えた。本発明に係るインサート(600)を、第3のチューブ(550c)に加えた。25mlの血液/PBSミックス(562c)を、チューブ550cのインサートの中心上部にピペットにより加え、血液ミックスが溝を流れ落ちて、Ficoll−Paque層の上に層を形成するようにした。
図6は、遠心分離による分離前の、Ficoll−Paque密度勾配媒体(下層、560a、b及びc)及び血液/PBSミックス(上層、562a、b及びc)を負荷された3つのチューブ(550a、550b及び550c)の写真である。見てわかるように、チューブ550a及び550cの2つは、従来の遠心チューブ(チューブ550cは、本発明に係るインサート600を含む)であり、チューブ550bはAccuspin(商標)チューブ(Sigma−Aldrich)である。
3つのチューブはすべて、400gにおいて30分間、連続して遠心分離した。
図7は、遠心分離及び分離プロセス後の図6と同じ3つのチューブを示す。赤血球は、チューブ(650a、b及びc)のFicoll−Paque層(665a、b及びc)の底にペレット化され(664a、b及びc)、白血球(666a、b及びc)は、Ficoll−Paque(665a、b及びc)及び血漿667(a、b及びc)層の界面に分離された。
その後、各チューブからの白血球分画を、ピペットを用いて収集し、ヌクレオカウンター(nucleocounter)(NC100、Sartorius)を使用して計数した。106細胞を、フローサイトメトリー(FACS Calibur、BD Bioscience)により分析し、それらの集団構成を決定した。
図8は、図7の各チューブ(Aは650a、Bは650b及びCは650cに対応する)に由来する白血球分画のフローサイトメトリー分析の結果を表すグラフであり、文字Gは、白血球分画中に存在する顆粒球の部分集団を示し、Mは単球の部分集団及びLはリンパ球の部分集団を示す。これらの図は、白血球集団中に存在する部分集団(顆粒球、単球及びリンパ球)それぞれの百分率も示している。下記の表1は、各チューブの白血球の回収及び細胞生存率を示している。
表から明らかな通り、従来のFicoll−Paque層形成又はAccuspin(商標)チューブを使用して収集された白血球において、細胞総数、細胞生存率又は細胞集団に関して、本発明に係るインサートを使用した場合と比較して認識可能な差は存在しない。
本発明の好ましい例示的実施形態を説明してきたが、当業者は、本発明が記載の実施形態以外の実施形態により実践可能であり、記載の実施形態は単なる例示目的で提示されており、本発明を限定するものでは決してないことを理解すると思われる。本発明は、下記の特許請求の範囲によってのみ限定される。
[実施態様1]
遠心チューブ(450)用インサート(100,200,300,500,600)であって、
凸型の上面(21,221,321)及び1以上の凹部(24,124,224,324,424)をその場に有する外縁(22,122,222,322,422)を備えた、チューブ(450)を上部と下部に分割するために、遠心チューブ(450)内に適合するようにサイズ化されたディスク(20,120,220,420)、並びに
インサート(100,200,300,500,600)がチューブ(450)内に配置された場合、チューブ(450)の底に接触する、ディスク(20,120,220,420)の下面(26,126,426)から伸びる支柱(30,130,430)、
を備えたインサート(100,200,300,500,600)。
[実施態様2]
1以上の凹部(24,124,224,324,424)が、チューブ(450)の上部と下部との間の流体連通を可能にする、実施態様1に記載のインサート(100,200,300,500,600)。
[実施態様3]
1以上の凹部(24,124,224,324,424)が、1以上の凹部(24,124,224,324,424)にわたって表面張力を発生させ、遠心力の不在下で液体の流動を制限するようにサイズ化される、実施態様1又は実施態様2のいずれかに記載のインサート(100,200,300,500,600)。
[実施態様4]
上面(21,221,321)が、1以上の凹部(24,124,224,324,424)につながる1以上の溝(28,128,228,328)をさらに備える、実施態様1乃至実施態様3のいずれか1項に記載のインサート(100,200,300,500,600)。
[実施態様5]
ディスク(20,120,220,420)の上面(21,221,321)が把持要素(40,140,330,440)をさらに備える、実施態様1乃至実施態様4のいずれか1項に記載のインサート(100,200,300,500,600)。
[実施態様6]
把持要素(40,140,330,440)が、ディスク(20,120,220,420)の上面(21,221,321)の中心にある、実施態様5に記載のインサート(100,200,300,500,600)。
[実施態様7]
把持要素(40,140,330,440)が棒の形態である、実施態様5又は実施態様6のいずれかに記載のインサート(100,200,300,500,600)。
[実施態様8]
1以上の溝(28,128,228,328)が、ディスク(20,120,220,420)の中心と1以上の凹部(24,124,224,324,424)とをつないでいる、実施態様4乃至実施態様7のいずれか1項に記載のインサート(100,200,300,500,600)。
[実施態様9]
溝(28,128,228,328)が扇形であり、凹部(24,124,224,324,424)の場所よりもディスク(20,120,220,420)の中心において狭くなっている、実施態様4乃至実施態様8のいずれか1項に記載のインサート(100,200,300,500,600)。
[実施態様10]
ディスク(20,120,220,420)の下面(26,126,426)が凸型である、実施態様1乃至実施態様9のいずれか1項に記載のインサート(100,200,300,500,600)。
[実施態様11]
1以上の凹部(24,124,224,324,424)が半円形又は長円形である、実施態様1乃至実施態様10のいずれか1項に記載のインサート(100,200,300,500,600)。
[実施態様12]
インサート(100,200,300,500,600)がポリマーで構成される、実施態様1乃至実施態様11のいずれか1項に記載のインサート(100,200,300,500,600)。
[実施態様13]
インサート(100,200,300,500,600)が、微生物汚染を最小にするように処理されている、実施態様1乃至実施態様12のいずれか1項に記載のインサート(100,200,300,500,600)。
[実施態様14]
実施態様1乃至実施態様13のいずれか1項に記載のインサート(100,200,300,500,600)を備える遠心チューブ(450)。
[実施態様15]
密度勾配媒体(460)をさらに含む、実施態様14に記載の遠心チューブ(450)。
[実施態様16]
細胞を分離するための方法であって、
i)一定量の密度勾配媒体(460)を遠心チューブ(450)に加えるステップ、
ii)実施態様1乃至実施態様13のいずれか1項に記載のインサート(100,200,300,500,600)を、支柱(30,130,430)がチューブ(450)の底に接触するように、密度勾配媒体(460)の表面に配置するステップ、
iii)1以上の細胞を含有する液体試料(462)をディスク(20,120,220,420)の上面にわたって分注し、密度勾配媒体(460)と試料(462)との間に界面を形成するステップ、並びに、
iv)チューブ(450)を遠心分離して、1以上の細胞を試料から分離するステップ、
を含む方法。
[実施態様17]
細胞が、哺乳動物細胞、赤血球(664a,664b,664c)、白血球(666a,666b,666c)及び幹細胞からなる群から選択される、実施態様16に記載の方法。
[実施態様18]
試料が全血を含む、実施態様16又は実施態様17のいずれかに記載の方法。
[実施態様19]
1以上の細胞を回収するステップをさらに含む、実施態様16乃至実施態様18のいずれか1項に記載の方法。
[実施態様20]
実施態様1乃至実施態様13のいずれか1項に記載のインサート(100,200,300,500,600)及び遠心チューブ(450)を含むキット。
[実施態様21]
一定量の密度勾配媒体(460)をさらに含む、実施態様20に記載のキット。
[実施態様22]
実施態様1乃至実施態様13のいずれか1項に記載のインサート(100,200,300,500,600)及び一定量の密度勾配媒体(460)を含むキット。
[実施態様23]
実施態様20乃至実施態様22のいずれか1項に記載のキットの、1以上の細胞を試料から分離するための使用。
20 ディスク
21 ディスクの上面
22 外縁
24 凹部
26 ディスクの下面
28 溝、流路
30 支柱
40 把持要素
100 インサート
120 ディスク
122 外縁
124 凹部
126 ディスクの下面
128 溝、流路
130 支柱
140 把持要素
200 インサート
220 ディスク
221 ディスクの上面
222 外縁
224 凹部
228 溝
229 ディスクの中心
300 インサート
321 ディスクの上面
322 外縁
324 凹部
328 溝
330 把持要素
420 ディスク
422 外縁
424 凹部
426 ディスクの下面
430 支柱
440 把持要素
450 遠心チューブ
451 キャップ、蓋
452 中空内部、チャンバ
453 内壁
454 外壁
455 容積を示す印
460 密度勾配媒体、液体
462 液体試料
500 インサート
550a 従来の遠心チューブ
550b Accuspin(商標)チューブ
550c 従来の遠心チューブ、第3のチューブ
560a Ficoll−Paque層
560b Ficoll−Paque層
560c Ficoll−Paque層
562a 血液/PBSミックス
562b 血液/PBSミックス
562c 血液/PBSミックス
600 インサート
650a チューブ
650b チューブ
650c チューブ
666a 白血球
666b 白血球
666c 白血球
664a 赤血球
664b 赤血球
664c 赤血球
665a Ficoll−Paque、Ficoll−Paque層
665b Ficoll−Paque、Ficoll−Paque層
665c Ficoll−Paque、Ficoll−Paque層
667a 血漿
667b 血漿
667c 血漿

Claims (15)

  1. 遠心チューブ(450)用インサート(100,200,300,500,600)であって、
    凸型の上面(21,221,321)及び1以上の凹部(24,124,224,324,424)をその場に有する外縁(22,122,222,322,422)を備えた、チューブ(450)を上部と下部に分割するために、遠心チューブ(450)内に適合するようにサイズ化されたディスク(20,120,220,420)、並びに
    インサート(100,200,300,500,600)がチューブ(450)内に配置された場合、チューブ(450)の底に接触する、ディスク(20,120,220,420)の下面(26,126,426)から伸び、且つ前記遠心チューブ(450)内の所望の位置に前記ディスク(20,120,220,420)を保つ支柱(30,130,430)、
    を備え
    1以上の凹部(24,124,224,324,424)が、チューブ(450)の上部と下部との間の流体連通を可能にする、インサート(100,200,300,500,600)。
  2. 1以上の凹部(24,124,224,324,424)が、1以上の凹部(24,124,224,324,424)にわたって表面張力を発生させ、遠心力の不在下で液体の流動を制限するようにサイズ化される、請求項に記載のインサート(100,200,300,500,600)。
  3. 上面(21,221,321)が、1以上の凹部(24,124,224,324,424)につながる1以上の溝(28,128,228,328)をさらに備える、請求項1又は請求項に記載のインサート(100,200,300,500,600)。
  4. ディスク(20,120,220,420)の上面(21,221,321)が把持要素(40,140,330,440)をさらに備える、請求項1乃至請求項のいずれか1項に記載のインサート(100,200,300,500,600)。
  5. 把持要素(40,140,330,440)が、ディスク(20,120,220,420)の上面(21,221,321)の中心にある、請求項に記載のインサート(100,200,300,500,600)。
  6. 把持要素(40,140,330,440)が棒の形態である、請求項又は請求項に記載のインサート(100,200,300,500,600)。
  7. 1以上の溝(28,128,228,328)が、ディスク(20,120,220,420)の中心と1以上の凹部(24,124,224,324,424)とをつないでいる、請求項乃至請求項のいずれか1項に記載のインサート(100,200,300,500,600)。
  8. 溝(28,128,228,328)が扇形であり、凹部(24,124,224,324,424)の場所よりもディスク(20,120,220,420)の中心において狭くなっている、請求項乃至請求項のいずれか1項に記載のインサート(100,200,300,500,600)。
  9. ディスク(20,120,220,420)の下面(26,126,426)が凸型である、請求項1乃至請求項のいずれか1項に記載のインサート(100,200,300,500,600)。
  10. 1以上の凹部(24,124,224,324,424)が半円形又は長円形である、請求項1乃至請求項のいずれか1項に記載のインサート(100,200,300,500,600)。
  11. インサート(100,200,300,500,600)がポリマーで構成される、請求項1乃至請求項10のいずれか1項に記載のインサート(100,200,300,500,600)。
  12. インサート(100,200,300,500,600)が、オートクレーブ処理、化学処理、及び/又はエネルギーの照射によって処理されている、請求項1乃至請求項11のいずれか1項に記載のインサート(100,200,300,500,600)。
  13. 請求項1乃至請求項12のいずれか1項に記載のインサート(100,200,300,500,600)を備える遠心チューブ(450)。
  14. 密度勾配媒体(460)をさらに含む、請求項13に記載の遠心チューブ(450)。
  15. 細胞を分離するための方法であって、
    i)一定量の密度勾配媒体(460)を遠心チューブ(450)に加えるステップ、
    ii)請求項1乃至請求項12のいずれか1項に記載のインサート(100,200,300,500,600)を、支柱(30,130,430)がチューブ(450)の底に接触するように、密度勾配媒体(460)の表面に配置するステップ、
    iii)1以上の細胞を含有する液体試料(462)をディスク(20,120,220,420)の上面にわたって分注し、密度勾配媒体(460)と試料(462)との間に界面を形成するステップ、並びに、
    iv)チューブ(450)を遠心分離して、1以上の細胞を試料から分離するステップ、
    を含む方法。
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