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JP6654819B2 - 放射線検出器及び放射線検出方法 - Google Patents
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JP6654819B2 - 放射線検出器及び放射線検出方法 - Google Patents

放射線検出器及び放射線検出方法 Download PDF

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Description

本発明は、放射線検出器及び放射線検出方法に関する。
放射線検出器及び放射線検出方法に関する技術として、特許文献1〜4が知られている。例えば、特許文献1には、ポジトロンCT装置が記載される。このポジトロンCT装置は、柱状のシンチレータ要素を束ねたシンチレータ束と、当該シンチレータ束の両端に結合された位置検出型光検出器と、を含む検出ユニットを有する。そして、この検出ユニットをリング状に配置することにより、シンチレータ内におけるガンマ線の吸収位置を三次元的に検出する。
特公平6−5290号公報 再公表特許2012−105292号公報 特開2013−140024号公報 特許第5585094号
特許文献1に記載されたような検出ユニットでは、シンチレータの延在方向における一次元の吸収位置と、シンチレータの延在方向に交差する面における二次元の吸収位置と、を別の処理によって取得する。検出ユニットは一対の位置検出型光検出器を有するので、二次元の吸収位置を取得する際には、2個の位置検出型光検出器の出力を利用し得る。このような技術の分野においては、シンチレーション光の位置検出における位置分離特性の向上が望まれている。
そこで、本発明は、位置分離特性の向上が可能な放射線検出器及び放射線検出方法を提供することを目的とする。
本発明の一形態は、放射線検出器である。この放射線検出器は、放射線を吸収してシンチレーション光を発生すると共に所定方向に延在するシンチレータ部と、所定方向と直交し、シンチレーション光に起因する第1の光を出射する第1の出射面と、第1の出射面に対して所定方向に離間して形成され、シンチレーション光に起因する第2の光を出射する第2の出射面と、を有するシンチレータと、第1の出射面に光学的に結合されると共に、第1の光に対応する第1の信号を出力する第1の位置検出型光検出器と、第2の出射面に光学的に結合されると共に、第2の光に対応する第2の信号を出力する第2の位置検出型光検出器と、第1の信号及び第2の信号を利用して、シンチレータにおける放射線が吸収された位置を取得する位置取得部と、を備え、位置取得部は、第1の信号又は第2の信号において一方の信号よりも大きい信号強度を有する他方の信号を利用して、所定方向と直交する面上における放射線が吸収された二次元位置を取得する二次元位置取得部を有する。
この放射線検出器では、シンチレータに放射線が入射されると、シンチレータ部が放射線を吸収してシンチレーション光を発生する。シンチレーション光は、第1の光として第1の位置検出型光検出器に入射すると共に、第2の光として第2の位置検出型光検出器に入射する。このシンチレーション光は、位置検出型光検出器に到達するまでに拡散する。この拡散の度合いは、シンチレーション光の発光位置から位置検出型光検出器までの距離に依存する。発光位置から位置検出型光検出器までの距離が大きい場合には、拡散の度合いも大きくなる。このような拡散の度合いが大きいシンチレーション光が位置検出型光検出器に入射すると、位置検出型光検出器から得られる信号は、信号強度が比較的小さく、信号間の強度の差が小さくなる場合がありえる。このような複数の信号を利用した重心演算結果は、結果の揺らぎが大きく、かつ重心位置がシンチレータの中心に寄る傾向にある。一方、発光位置から位置検出型光検出器までの距離が小さい場合には、拡散の度合いが小さい。そうすると、上述の場合とは逆に、位置検出型光検出器から得られる複数の信号は、信号間の強度の差が大きくなる場合がありえる。このような複数の信号を利用した重心演算結果は、結果の揺らぎが小さいので、良好な分離特性が得られる。そこで、放射線検出器では、位置取得部が、第1の信号及び第2の信号の信号強度を比較して、信号強度の大きい方の信号を利用する。従って、信号強度の大きい方の信号を利用することにより、光の拡散の影響が抑制されるので、位置分離特性を向上することができる。
位置取得部は、第1の出射面と第2の出射面との間において、所定方向における放射線が吸収された一次元位置を取得する一次元位置取得部をさらに有してもよい。この構成によれば、二次元位置取得部において放射線が吸収された二次元位置が取得され、さらに、一次元位置取得部において、放射線が吸収された一次元位置が取得される。従って、放射線が吸収された二次元位置と一次元位置とを組み合わせることにより、放射線が吸収された三次元位置を取得することができる。
位置取得部は、第1の信号を利用して、第1の出射面上における放射線が吸収された第1の位置を算出する第1の算出部と、第2の信号を利用して、第2の出射面上における放射線が吸収された第2の位置を算出する第2の算出部と、をさらに有し、二次元位置取得部は、一次元位置を利用して、第1の信号又は第2の信号において一方の信号よりも大きい信号強度を有する他方の信号を選択し、選択された信号から算出された第1の位置又は第2の位置の一方を二次元位置として取得してもよい。この構成によれば、位置取得部は、入力された第1の信号をデジタル信号に変換した後に、第1の算出部において第1の位置を算出する。また、位置取得部は、入力された第2の信号をデジタル信号に変換した後に、第2の算出部において第2の位置を算出する。そうすると、アナログ信号が伝送される伝送線路の長さを短くすることができるので、アナログ信号に対するノイズ対策のための構成を簡易にすることが可能になる。従って、放射線検出器の構成を簡易にすることができる。
また、本発明の別の形態は、放射線を吸収してシンチレーション光を発生すると共に所定方向に延在するシンチレータ部と、所定方向と直交し、シンチレーション光に起因する第1の光を出射する第1の出射面と、第1の出射面に対して所定方向に離間して形成され、シンチレーション光に起因する第2の光を出射する第2の出射面と、を有するシンチレータにおける放射線が吸収された位置を取得する放射線検出方法である。この検出方法は、第1の出射面に光学的に結合されると共に、第1の光に対応する第1の信号を出力する第1の位置検出型光検出器から第1の信号を取得する第1の工程と、第2の出射面に光学的に結合されると共に、第2の光に対応する第2の信号を出力する第2の位置検出型光検出器から第2の信号を取得する第2の工程と、第1の信号及び第2の信号を利用して、シンチレータにおける放射線が吸収された位置を取得する第3の工程と、を有し、第3の工程は、第1の信号又は第2の信号において一方の信号よりも大きい信号強度を有する他方の信号を利用して、所定方向と直交する面上における放射線が吸収された二次元位置を取得する第4の工程を含む。
この放射線検出方法は、上記放射線検出器と同様の効果を得ることができる。すなわち、第3の工程は、第1の信号及び第2の信号の信号強度を比較して、信号強度の大きい方の信号を利用する。従って、信号強度の大きい方の信号を利用することにより、光の拡散の影響が抑制されるので、位置分離特性を向上することができる。
第3の工程は、第1の出射面と第2の出射面との間において、所定方向に沿って放射線が吸収された一次元位置を取得する第5の工程をさらに含んでもよい。これらの工程によれば、第4の工程において、放射線が吸収された二次元位置が取得され、さらに、第5の工程において、放射線が吸収された一次元位置が取得される。従って、放射線が吸収された二次元位置と一次元位置とを組み合わせることにより、放射線が吸収された三次元的な位置を取得することができる。
第3の工程は、第1の信号を利用して、第1の出射面上における放射線が吸収された第1の位置を算出する第6の工程と、第2の信号を利用して、第2の出射面上における放射線が吸収された第2の位置を算出する第7の工程と、をさらに含み、第4の工程では、一次元位置を利用して、第1の信号又は第2の信号において一方の信号よりも大きい信号強度を有する他方の信号を選択し、選択された信号から算出された第1の位置又は第2の位置の一方を二次元位置として取得する。これらの工程によれば、第1又は第2の工程における処理により、第1又は第2の位置検出型光検出器から出力されたアナログ信号が、デジタル信号である第1又は第2の位置に変換される。そうすると、アナログ信号が伝送される伝送線路の長さを短くすることができるので、アナログ信号に対するノイズ低減のための構成を簡易にすることが可能になる。従って、放射線検出器の構成を簡易にすることができる。
本発明の一形態に係る放射線検出器及び本発明の別の形態に係る放射線検出方法によれば、放射線が吸収された位置の分離特性を向上することができる。
実施形態に係る放射線検出器の構成を示す図である。 図1の検出ユニットを分解及び拡大して示す斜視図である。 検出ユニットから出力される信号を利用して放射線が吸収された位置を得る処理を説明するための図である。 検出ユニットから出力される信号を利用して放射線が吸収された位置を得る処理を説明するための図である。 実施形態に係る放射線検出方法の主要な工程を示す図である。 比較例に係る放射線検出器の構成を示す図である。 シンチレーション光の拡散と検出精度との関係を説明するための図である。 シンチレーション光の拡散と検出精度との関係を説明するための図である。 変形例に係る放射線検出器が備える検出ユニットを示す図である。 変形例に係る放射線検出器が備える光散乱面を示す図である。
以下、添付図面を参照しながら本発明を実施するための形態を詳細に説明する。図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
図1に示されるように、放射線検出器1は、検出ユニット2と、位置取得部3とを備える。検出ユニット2は、ガンマ線等の放射線Hを吸収することにより、放射線Hの線量に対応するシンチレーション光を発生させる。検出ユニット2は、シンチレーション光を電気信号に変換した後に、位置取得部3に出力する。位置取得部3は、検出ユニット2から入力された電気信号を利用して、放射線Hが吸収された位置(以下、単に「放射線吸収位置」ともいう)の情報を出力する。従って、放射線検出器1によれば、放射線吸収位置の情報が得られる。
検出ユニット2は、シンチレータアレイ(シンチレータ)4と、光検出器6A(第1の位置検出型光検出器)と、光検出器6B(第2の位置検出型光検出器)と、を有する。一対の光検出器6A,6Bは、シンチレータアレイ4を挟むように、シンチレータアレイ4の両端に光学的に結合される。このような構成を有する検出ユニット2は、両端検出型と呼ばれる。シンチレータアレイ4は、放射線Hを吸収することにより、シンチレーション光を発生させる。光検出器6A,6Bは、シンチレーション光の強度に対応する電気信号を発生させる。
図2に示されるように、シンチレータアレイ4は、第1の出射面4aと、第2の出射面4bと、Z方向(所定方向)に延在するように光散乱面8によって区分された複数のシンチレータ部7と、を有する。第1の出射面4aは、Z方向と直交するシンチレータアレイ4の一端面である。第2の出射面4bは、Z方向と直交するシンチレータアレイ4の他端面である。なお、複数のシンチレータ部7は、光散乱面8に代えて、空気層によって区分されていてもよい。また、シンチレータは、光散乱面8や空気層によって区分されていない一塊(モノシリック)の構成であってもよい。
シンチレータアレイ4は、第1の出射面4aと第2の出射面4bとの間に延在する側面4cを有する。この側面4cには、光反射層5が設けられる。すなわち、シンチレーション光は、第1の出射面4a及び第2の出射面4bの少なくとも一方からシンチレータアレイ4から出射され、側面4cから出射されることはない。この光反射層5は、例えば、テフロンテープ(テフロンは登録商標)、硫酸バリウム、酸化アルミニウム、酸化チタン、ESR(Enhanced Specular Reflector)フィルム、又はポリエステルフィルム等の材料によって構成される。
シンチレータアレイ4は、放射線吸収位置においてシンチレーション光を発生させる結晶塊である。このシンチレーション光の強度は、吸収した放射線Hの線量に対応する。結晶塊は、例えば、BiGe12(BGO)、CeがドープされたLuSiO(LSO)、Lu2(1−X)2XSiO(LYSO)、GdSiO(GSO)、PrがドープされたLuAG(LuAl12)、CeがドープされたLaBr(LaBr)、CeがドープされたLaCl(LaCl)、又はCeがドープされたLu0.70.3AlO(LuYAP)、Lutetium Fine Silicate(LFS)等の結晶によって、構成される。
シンチレータ部7は、例えば、正角柱状をなす。シンチレータ部7は、Z方向に対して直交するXY平面に沿って、二次元配列される。光散乱面8は、第1の出射面4aから第2の出射面4bまで延在し、複数の光散乱面8はZ方向から見て格子状に組み合されている。光散乱面8は、シンチレータアレイ4を構成する結晶塊の一部を改質(例えばアモルファス化)させることにより形成される。この改質は、レーザ光の照射によって行われる。より具体的には、シンチレータアレイ4を構成する結晶塊に対して光透過性を有するレーザ光を集光させる。そして、結晶塊の所定の面に沿ってレーザ光の集光点を相対的に移動させる。これにより、結晶塊においてレーザ光の集光点において光吸収が発生し、結晶塊の所定の面に沿って改質領域が形成される。例えば、レーザ光がパルスレーザ光である場合には、1パルスのレーザ光の照射によって1つの改質スポットが形成される。そして、結晶塊の所定の面に沿って複数の改質スポットを形成することにより、面状の改質領域が形成される。改質スポットは、シンチレーション光を遮断したり吸収したりするものではない。従って、光散乱面8の全面に改質スポットが形成されていても、入射したシンチレーション光の一部は透過する。光散乱面8は、シンチレーション光の入射角度によってシンチレーション光の透過率が異なる。
位置検出型の光検出器6Aは、例えば光学用の接着剤を介して、第1の出射面4aに光学的に結合される。光検出器6Aは、第1の出射面4aから出射された第1の光L1(図4参照)の強度を検出し、検出値に応じた大きさの電気信号を出力する。位置検出型の光検出器6Bは、例えば光学用の接着剤を介して、第2の出射面4bに光学的に結合される。光検出器6Bは、第2の出射面4bから出射された第2の光L2(図4参照)の強度を検出し、検出値に応じた大きさの電気信号を出力する。光検出器6A,6Bは、例えば、光電子増倍管、アバランシェフォトダイオード(APD:Avalanche Photo Diode)又はMPPC(Multi−Pixel Photon Counter)等を用いた半導体光検出器である。なお、MPPCは、複数のガイガーモードAPDのピクセルから成るフォトンカウンティングデバイスである。
図3及び図4に示されるように、光検出器6Aは、複数の光検出部11Aと、出力取出部12Aと、を有する。光検出部11Aは、第1の出射面4aに含まれたシンチレータ部7の端面に光学的に結合される。光検出部11Aの数は、シンチレータ部7の数と同数或いはシンチレータ部7の数よりも少ない。本実施形態では、光検出部11Aの数がシンチレータ部7の数と同じである。そうすると、1個の光検出部11Aには、1個のシンチレータ部7が結合される。出力取出部12Aは、抵抗チェーンと出力端子とを有する。抵抗チェーンでは、X方向において互いに隣接する光検出部11A同士が抵抗器を介して電気的に接続される(図3参照)。また、抵抗チェーンでは、Y方向において互いに隣接する光検出部11A同士が抵抗器を介して電気的に接続される(図4参照)。出力取出部12Aは、第1の信号として、信号A1,A2,A3,A4及び、信号A1,A2,A3,A4を足し合わせた第1の合成信号AM(=A1+A2+A3+A4)を出力する(図2参照)。これらの信号は、アナログ信号である。
光検出器6Bは、光検出器6Aと同様の構成を有する。光検出器6Bは、光検出部11Bと、出力取出部12Bと、を有する。光検出部11Bは、第2の出射面4bに含まれたシンチレータ部7の端面に光学的に結合される。出力取出部12Bは、第2の信号として、信号B1,B2,B3,B4及び、信号B1,B2,B3,B4を足し合わせた第2の合成信号BM(=B1+B2+B3+B4)を出力する(図2参照)。これらの信号は、アナログ信号である。
図1に示されるように、位置取得部3は、光検出器6A,6Bから入力された第1の信号及び第2の信号を利用して、放射線吸収位置を示す情報を出力する。この位置情報は、シンチレータアレイ4における三次元的な位置を示す情報である。位置取得部3は、例えば、第1の信号及び第2の信号を処理する所定のソフトウエアにより実現される。このソフトウエアは、パーソナルコンピュータで実行されることにより、パーソナルコンピュータが位置取得部3として機能する。なお、位置取得部3は、所望の論理回路を実装可能なハードウエア(例えばFPGA:Field-Programmable Gate Array)により実現されてもよい。
位置取得部3は、機能的構成要素として一次元位置取得部13と、第1の算出部14Aと、第2の算出部14Bと、二次元位置取得部16と、アナログ‐デジタル変換部を有する。
一次元位置取得部13は、第1の合成信号AM及び第2の合成信号BMを利用して、Z方向における放射線吸収位置を算出する。すなわち、一次元位置取得部13で算出される位置情報は、一次元的な位置情報である。第1の合成信号AM及び第2の合成信号BMは、アナログ‐デジタル変換部においてアナログ‐デジタル変換処理されることにより、デジタル信号化されて一次元位置取得部13に入力される。一次元位置取得部13は、Z方向における放射線吸収位置の情報を位置取得部3の外部及び二次元位置取得部16に出力する。一次元位置取得部13における重心演算処理について説明する。まず、一次元位置取得部13は、式(1)を利用して、比率R1を算出する。
R1=BM/(AM+BM)…(1)
ここで、
AM:第1の合成信号の信号値(=A1+A2+A3+A4)
BM:第2の合成信号の信号値(=B1+B2+B3+B4)
である。次に、比率R1を利用して、Z方向における放射線吸収位置(発光位置)を特定する。
第1の算出部14Aは、第1の信号A1,A2,A3,A4を利用して、第1の出射面4a上における放射線吸収位置を第1の位置として算出する。すなわち、第1の位置とは、二次元的な位置情報である。第1の信号A1,A2,A3,A4は、アナログ‐デジタル変換部においてアナログ‐デジタル変換処理されることにより、デジタル信号化されて第1の算出部14Aに入力される。第1の算出部14Aは、X方向における放射線吸収位置を算出する重心演算と、Y方向における放射線吸収位置を算出する重心演算とを行う。そして、第1の算出部14Aは、放射線Hが吸収された二次元位置を示す情報を二次元位置取得部16に出力する。
第1の算出部14Aの動作を説明する。第1の算出部14Aは、X方向における放射線吸収位置を算出する。具体的には、まず、第1の算出部14Aは、式(2)を利用して、比率R2を算出する。
R2=(A1+A3)/AM…(2)
次に、比率R2とヒストグラムG2(図3参照)の横軸に示された値とを対応させることにより、X方向における放射線吸収位置を特定する。
第1の算出部14Aの動作をさらに説明する。第1の算出部14Aは、Y方向における放射線吸収位置を算出する。具体的には、まず、第1の算出部14Aは、式(3)を利用して、比率R4を算出する。
R4=(A1+A2)/AM…(3)
次に、比率R4とヒストグラムG4(図4参照)の横軸に示された値とを対応させることにより、Y方向における放射線吸収位置を特定する。
以上の動作により得られた、X方向における放射線吸収位置とY方向における放射線吸収位置とを利用することにより、第1の出射面4a上における放射線Hが吸収された二次元位置(第1の位置)が取得される。
第2の算出部14Bは、第2の信号B1,B2,B3,B4を利用して、第2の出射面4b上における放射線吸収位置を第2の位置として算出する。すなわち、第2の位置とは、二次元的な位置情報である。第2の信号B1,B2,B3,B4は、アナログ‐デジタル変換部においてアナログ‐デジタル変換処理されることにより、デジタル信号化されて第2の算出部14Bに入力される。第2の算出部14Bは、X方向における放射線吸収位置を算出する重心演算と、Y方向における放射線吸収位置を算出する重心演算とを行う。そして、第2の算出部14Bは、放射線Hが吸収された二次元位置を示す情報を二次元位置取得部16に出力する。
第2の算出部14Bの動作を説明する。第2の算出部14Bは、X方向における放射線吸収位置を算出する。具体的には、まず、第2の算出部14Bは、式(4)を利用して、比率R3を算出する。
R3=(B1+B3)/BM…(4)
次に、比率R3とヒストグラムG3(図3参照)の横軸に示された値とを対応させることにより、X方向における放射線吸収位置を特定する。
第2の算出部14Bの動作をさらに説明する。第2の算出部14Bは、Y方向における放射線吸収位置を算出する。具体的には、まず、第2の算出部14Bは、式(5)を利用して比率R5を算出する。
R5=(B1+B2)/BM…(5)
次に、比率R5とヒストグラムG5(図4参照)の横軸に示された値とを対応させることにより、Y方向における放射線吸収位置を特定する。
以上の動作により得られた、X方向における放射線吸収位置とY方向における放射線吸収位置とを利用することにより、第2の出射面4b上における放射線Hが吸収された二次元位置(第2の位置)が取得される。
二次元位置取得部16は、光検出器6Aから出力された第1の信号と、光検出器6Bから出力された第2の信号と、のいずれの信号を用いるかの判定を行う。換言すると、二次元位置取得部16は、第1の位置又は第2の位置のいずれか一方をXY平面上における放射線吸収位置として選択する。この処理では、光検出器6Aから出力された第1の信号と、光検出器6Bから出力された第2の信号との比率R1、またはアナログ−デジタル変換された第1の合成信号AMと第2の合成信号BMの大小関係を比較することにより、放射線吸収位置から光検出器までの距離が近いほうの光検出器を判定する。そして、特定された光検出器の信号から算出された位置情報を選択し、当該位置情報を出力する。
続いて、図5を参照しつつ、放射線検出方法について説明する。この方法は、放射線検出器1によって実行される。
まず、第1の信号を取得する工程を実施する(第1の工程:S1)。工程S1は、光検出器6Aによって実施される。工程S1では、上述したように、光検出器6Aが第1の信号として、信号A1,A2,A3,A4及び、第1の合成信号AM(=A1+A2+A3+A4)を取得する。そして、光検出器6Aは、第1の信号を位置取得部3に出力する。
次に、第2の信号を取得する工程を実施する(第2の工程:S2)。工程S2は、光検出器6Bによって実施される。工程S2では、上述したように、光検出器6Bが第2の信号として、信号B1,B2,B3,B4及び、第2の合成信号BM(=B1+B2+B3+B4)を取得する。そして、光検出器6Bは、第2の信号を位置取得部3に出力する。
次に、放射線吸収位置を取得する工程を実施する(第3の工程:S3)。工程S3は、位置取得部3によって実施される。工程S3では、第1の信号及び第2の信号を利用して、シンチレータアレイ4において放射線Hが吸収された位置を示す情報を取得する。以下、この工程S3について詳細に説明する。
まず、Z方向における放射線吸収位置を取得する(第5の工程:S4)。工程S4は、一次元位置取得部13によって実施される。工程S4では、式(1)を利用して比率R1を算出する。比率R1を利用して、Z方向における放射線吸収位置(発光位置)を特定する。
次に、第1の信号を利用して、第1の位置を取得する工程を実施する(第6の工程:S5)。工程S5は、第1の算出部14Aによって実施される。工程S5では、式(2)を利用した重心演算によって、X方向における放射線吸収位置を特定する。さらに、工程S5では、式(3)を利用した重心演算によって、Y方向における放射線吸収位置を特定する。そして、X方向及びY方向における放射線吸収位置を利用して、放射線Hが吸収された第1の出射面4a上の二次元位置(第1の位置)を特定する。この二次元位置を示す信号は、デジタル信号である。
次に、第2の信号を利用して、第2の位置を取得する工程を実施する(第7の工程:S6)。工程S6は、第2の算出部14Bによって実施される。工程S6では、式(4)を利用した重心演算によって、X方向における放射線吸収位置を特定する。さらに、工程S6では、式(5)を利用した重心演算によって、Y方向における放射線吸収位置を特定する。そして、X方向及びY方向における放射線吸収位置を利用して、放射線Hが吸収された第2の出射面4b上の二次元位置(第2の位置)を特定する。この二次元位置を示す信号は、デジタル信号である。
次に、放射線吸収位置を得る工程を実施する(第4の工程:S7,S8,S9)。工程S7,S8,S9は、二次元位置取得部16によって実行される。工程S7では、光検出器6Aから得られた第1の合成信号AMと光検出器6Bから得られた第2の合成信号BMを比較して、一方の信号強度よりも大きい信号強度を有する他方の信号を特定する。
工程S7では、例えば、第1の合成信号AMは、第2の合成信号BMよりも大きいか否かを判断する。この判断基準を満たす(工程S7:YES)場合には、XY平面上における放射線吸収位置として、第1の信号から得られた第1の位置を選択する(工程S8)。一方、この判断基準を満たさない(工程S7:NO)場合には、XY平面上における放射線吸収位置として、第2の信号から得られた第2の位置を選択する(工程S9)。
以上の工程S1〜S9を実行することにより、シンチレータアレイ4において、放射線Hが吸収された三次元位置が特定される。
以下、放射線検出器1の作用効果について、比較例に係る放射線検出器100の作用効果と比較しつつ説明する。図6に示されるように、比較例に係る放射線検出器100は、検出ユニット102と、位置取得部103とを備える。検出ユニット102は、検出ユニット2と同様の構成を有する。位置取得部103は、一次元位置取得部113と、信号加算部114と、二次元位置取得部116とを有する。一次元位置取得部113は、一次元位置取得部13と同様の構成を有し、同様の動作を行う。二次元位置取得部116は、第1及び第2の信号を利用して、XY平面上における放射線吸収位置を取得する。しかし、その取得においては、信号加算部114において第1の信号に第2の信号が足し合わされた合成信号を利用する点で、放射線検出器1の二次元位置取得部16と相違する。
ここで、シンチレーション光の発光位置と、分離特性との関係について図7及び図8を参照しつつ説明する。図7(a)、(b)及び図8(a)、(b)は、シンチレータアレイ4における発光位置と、それぞれの光検出部11Aにより取得された複数の信号における強度と、複数の信号を利用して算出された重心演算の結果とを示す。図7(a)は、発光位置から光検出部11Aまでの距離が大きい場合の例示である。図7(b)は、発光位置から光検出部11Bまでの距離が小さい場合の例示である。
まず、図7(a)に示されるように、シンチレーション光は、光検出部11Aに到達するまでに拡散する。この拡散の度合いは、発光位置から光検出部11Aまでの距離に依存する。図7(a)の例では、発光位置から光検出部11Aまでの距離が大きいので、拡散の度合いも大きくなる。このような拡散の度合いが大きいシンチレーション光が複数の光検出部11Aに入射する。そうすると、複数の光検出部11Aから得られる複数の信号は、信号強度が比較的小さく、信号間の強度の差が小さくなる場合がありえる。このような複数の信号を利用した重心演算結果は、結果の揺らぎが大きく、かつ重心位置がシンチレータアレイ4の中心に寄る傾向にある。また、図8(a)に示されるように、発光位置から光検出部11Aまでの距離が大きく、かつ、発光位置が外側に位置するシンチレータ部7である場合にも、同様の理由により分離特性の低下が生じ得る。
一方、図7(b)に示されるように、発光位置から光検出部11Aまでの距離が小さい場合には、拡散の度合いが小さい。そうすると、上述の例とは逆に、複数の光検出部11Aから得られる複数の信号は、信号間の強度の差が大きくなる場合がありえる。このような複数の信号を利用した重心演算結果は、結果の揺らぎが小さいので、良好な分離特性が得られる。また、図8(b)に示されるように、発光位置が外側に位置するシンチレータ部7であっても、発光位置から光検出部11Aまでの距離が小さい場合には、同様の理由により良好な分離特性が得られる。
従って、発光位置と光検出部11A,11Bまでの距離が大きいほど、分離特性が低下する傾向にある。そこで、本実施形態の放射線検出器1では、位置取得部3が、第1の信号及び第2の信号の信号強度を比較して、信号強度の大きい方の信号を利用する。従って、信号強度の大きい方の信号を利用することにより、光の拡散の影響が抑制されるので、分離特性の低下を抑制できる。本実施形態に係る放射線検出器1及び放射線検出方法は、シンチレータ部7同士が完全に光学的に分離されていない構成(光散乱面8)において、シンチレーション光Lが光検出器6A,6Bに到達するまでに拡散する場合に特に有効である。
位置取得部3は、第1の出射面4aと第2の出射面4bとの間において、Z方向における放射線Hが吸収された一次元位置を取得する一次元位置取得部13をさらに有する。この構成によれば、二次元位置取得部16において放射線Hが吸収された二次元位置が取得され、さらに、一次元位置取得部13において、放射線Hが吸収された一次元位置が取得される。従って、放射線Hが吸収された二次元位置と一次元位置とを組み合わせることにより、放射線Hが吸収された三次元的な位置を取得することができる。
位置取得部3は、第1の信号を利用して、第1の出射面4a上における放射線Hが吸収された第1の位置を算出する第1の算出部14Aと、第2の信号を利用して、第2の出射面4b上における放射線Hが吸収された第2の位置を算出する第2の算出部14Bと、をさらに有する。二次元位置取得部16は、一次元位置を利用して、第1の信号又は第2の信号において一方の信号よりも大きい信号強度を有する他方の信号を選択し、選択された信号から算出された第1の位置又は第2の位置の一方を二次元位置として取得する。
この構成によれば、位置取得部3は、入力された第1の信号をデジタル信号に変換した後に、第1の算出部14Aにおいて第1の位置を算出する。また、位置取得部3は、入力された第2の信号をデジタル信号に変換した後に、第2の算出部14Bにおいて第2の位置を算出する。そうすると、アナログ信号が伝送される伝送線路の長さを短くすることができるので、アナログ信号に対するノイズ対策のための構成を簡易にすることが可能になる。従って、放射線検出器1の構成を簡易にすることができる。
以上、本発明の放射線検出器1及び放射線検出方法について説明したが、本発明は、上記実施形態に限られるものではない。
例えば、図9に示されるように、検出ユニット2Aのシンチレータアレイ4Aは、光散乱面8とは別の光散乱面9を有していてもよい。複数の光散乱面9は、Z方向に沿って互いに間隔をあけて形成される。光散乱面9は、Z方向に対して直交する面である。光散乱面9は、シンチレータ部7の端面と同じ形状を有し(図10(a)参照)、Z方向からみて互いに重なるように形成される。シンチレータ部7は、光散乱面9によって複数のセグメント領域に分割される。例えば、セグメント領域は、立方体の形状を有する。光散乱面9は、光散乱面9を通過するシンチレーション光の一部を散乱させることにより、シンチレーション光の強度を減衰させる。なお、光散乱面9は、シンチレータ部7の端面と同じ形状に限定されることはなく、種々の形状を取りえる。例えば、光散乱面9Aは、シンチレータ部7をZ方向から見たとき、シンチレータ部7の縁部に沿って形成された縁取り形状の光散乱部を有するものであってもよい(図10(b)参照)。
光散乱面9を有するシンチレータアレイ4Aによれば、光散乱面9によってセグメント領域ごとに光量の分配が可能になり、ヒストグラムG6に示されるように各セグメント領域におけるカウント数に大小関係を設定することができる。このようなヒストグラムG6を利用することにより、式(1)により算出される比率R1がヒストグラムG6の横軸におけるどの値に対応するかを判別することにより、シンチレーション光が発生したセグメント領域を特定することが可能になる。例えば、比率R1がヒストグラムG6の3つ目の山の部分に対応する場合には、左から3つ目のセグメント領域7A’においてシンチレーション光Lが発生したと判別される。
要するに、光散乱面9を有するシンチレータアレイ4Aによれば、シンチレータアレイ4Aの軸方向(Z方向)に対して垂直方向のレーザ加工を施して光学的な領域分けがなされているので、領域分けを行っていないものと同様に重心演算を行うと、各領域に対応した明確な分布が得られる。
1…放射線検出器、2…検出ユニット、3…位置取得部、4…シンチレータアレイ、4a…第1の出射面、4b…第2の出射面、6A…光検出器(第1の位置検出型光検出器)、6B…光検出器(第2の位置検出型光検出器)、7…シンチレータ部、8…光散乱面、11A,11B…光検出部、12A,12B…出力取出部、13…一次元位置取得部、14A…第1の算出部、14B…第2の算出部、16…二次元位置取得部、H…放射線、L…シンチレーション光、L1…第1の光、L2…第2の光。

Claims (2)

  1. 放射線を吸収してシンチレーション光を発生すると共に所定方向に延在するシンチレータ部と、前記所定方向と直交し、前記シンチレーション光に起因する第1の光を出射する第1の出射面と、前記第1の出射面に対して前記所定方向に離間して形成され、前記シンチレーション光に起因する第2の光を出射する第2の出射面と、を有するシンチレータと、
    前記第1の出射面に光学的に結合されると共に、前記第1の光に対応する第1の信号を出力する第1の位置検出型光検出器と、
    前記第2の出射面に光学的に結合されると共に、前記第2の光に対応する第2の信号を出力する第2の位置検出型光検出器と、
    前記第1の信号及び前記第2の信号を利用して、前記シンチレータにおける前記放射線が吸収された位置を取得する位置取得部と、を備え、
    前記位置取得部は、前記第1の信号又は前記第2の信号において一方の信号よりも大きい信号強度を有すると共に拡散の度合いの小さい他方の信号を利用して、前記所定方向と直交する面上における前記放射線が吸収された二次元位置を取得する二次元位置取得部と、
    前記第1の出射面と前記第2の出射面との間において、前記所定方向における前記放射線が吸収された一次元位置を取得する一次元位置取得部と、
    前記第1の信号を利用して、前記第1の出射面上における前記放射線が吸収された第1の位置を算出する第1の算出部と、
    前記第2の信号を利用して、前記第2の出射面上における前記放射線が吸収された第2の位置を算出する第2の算出部と、を有し、
    前記二次元位置取得部は、前記一次元位置を利用して、前記第1の信号又は前記第2の信号において一方の信号よりも大きい信号強度を有する他方の信号を選択し、選択された信号から算出された前記第1の位置又は前記第2の位置の一方を前記二次元位置として取得する、放射線検出器。
  2. 放射線を吸収してシンチレーション光を発生すると共に所定方向に延在するシンチレータ部と、前記所定方向と直交し、前記シンチレーション光に起因する第1の光を出射する第1の出射面と、前記第1の出射面に対して前記所定方向に離間して形成され、前記シンチレーション光に起因する第2の光を出射する第2の出射面と、を有するシンチレータにおける前記放射線が吸収された位置を取得する放射線検出方法であって、
    前記第1の出射面に光学的に結合されると共に、前記第1の光に対応する第1の信号を出力する第1の位置検出型光検出器から前記第1の信号を取得する第1の工程と、
    前記第2の出射面に光学的に結合されると共に、前記第2の光に対応する第2の信号を出力する第2の位置検出型光検出器から前記第2の信号を取得する第2の工程と、
    前記第1の信号及び前記第2の信号を利用して、前記シンチレータにおける前記放射線が吸収された位置を取得する第3の工程と、を有し、
    前記第3の工程は、前記第1の信号又は前記第2の信号において一方の信号よりも大きい信号強度を有すると共に拡散の度合いの小さい他方の信号を利用して、前記所定方向と直交する面上における前記放射線が吸収された二次元位置を取得する第4の工程と、
    前記第1の出射面と前記第2の出射面との間において、前記所定方向において前記放射線が吸収された一次元位置を取得する第5の工程と、
    前記第1の信号を利用して、前記第1の出射面上における前記放射線が吸収された第1の位置を算出する第6の工程と、
    前記第2の信号を利用して、前記第2の出射面上における前記放射線が吸収された第2の位置を算出する第7の工程と、を含み、
    前記第4の工程では、前記一次元位置を利用して、前記第1の信号又は前記第2の信号において一方の信号よりも大きい信号強度を有する他方の信号を選択し、選択された信号から算出された前記第1の位置又は前記第2の位置の一方を前記二次元位置として取得する、放射線検出方法。
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