JP6655018B2 - 点眼用懸濁製剤 - Google Patents
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Description
[項1]
(R)−(−)−2−(4−ブロモ−2−フルオロベンジル)−1,2,3,4−テトラヒドロピロロ[1,2−a]ピラジン−4−スピロ−3’−ピロリジン−1,2’,3,5’−テトラオン(以下、「化合物A」という)またはその生理的に許容される塩を含有する点眼用懸濁製剤。
[項2]
化合物Aまたはその生理的に許容される塩が分散媒中に懸濁している懸濁液である項1に記載の製剤。
[項3]
懸濁液中の化合物Aまたはその生理的に許容される塩の平均粒子径が、1nm以上20μm以下である項2に記載の製剤。
[項4]
懸濁液中の化合物Aまたはその生理的に許容される塩の平均粒子径が、10nm以上20μm以下である項3に記載の製剤。
[項5]
分散媒が水系の分散媒である項2〜4のいずれかに記載の製剤。
[項6]
分散媒が分散剤及び/又は界面活性剤を含む項2〜5のいずれかに記載の製剤。
[項7]
分散媒が分散剤及び界面活性剤を含む項6に記載の製剤。
[項8]
懸濁液のpHが3〜9である項2〜7のいずれかに記載の製剤。
[項9]
懸濁液の浸透圧が20〜1000mOsmである項2〜8のいずれかに記載の製剤。
[項10]
懸濁液1mL中に化合物Aまたはその生理的に許容される塩を1〜500mg含む項2〜9のいずれかに記載の製剤。
[項11]
懸濁液中に溶解している化合物Aまたはその生理的に許容される塩の割合が製剤に含まれる全ての化合物Aまたはその生理的に許容される塩の0.001%〜10%である項2〜10のいずれかに記載の製剤。
[項12]
懸濁液中に溶解している化合物Aまたはその生理的に許容される塩の割合が製剤に含まれる全ての化合物Aまたはその生理的に許容される塩の0.001%〜1%である項2〜11のいずれかに記載の製剤。
[項13]
前眼部疾患及び/又は後眼部疾患を治療するための項1〜12のいずれかに記載の製剤。
[項14]
疾患が、VEGFが関連する疾患である、項13に記載の製剤。
[項15]
疾患が、加齢黄斑変性、糖尿病網膜症、糖尿病黄斑浮腫、近視性脈絡膜新生血管、網膜静脈閉塞症及び/又は白内障である項13又は14に記載の製剤。
[項16]
(1)化合物Aまたはその生理的に許容される塩を含有する製剤と、(2)分散媒を含む製剤を組み合わせてなるキット。
[項17]
製剤(1)における化合物Aまたはその生理的に許容される塩の平均粒子径が1nm以上20μm以下である項16に記載のキット。
[項18]
製剤(1)における化合物Aまたはその生理的に許容される塩の平均粒子径が10nm以上20μm以下である項17に記載のキット。
[項19]
製剤(1)または製剤(2)が、分散剤及び/又は界面活性剤を含んでもよい項16〜18のいずれかに記載のキット。
[項20]
前眼部疾患及び/又は後眼部疾患を治療するための項16〜19のいずれかに記載のキット。
[項21]
化合物Aまたはその生理的に許容される塩を含有する、VEGFが関連する疾患の治療剤。
[項22]
疾患が加齢黄斑変性及び/又は糖尿病網膜症である項21に記載の治療剤。
[項23]
懸濁液中に分散剤及び/又は界面活性剤を含む項2〜4のいずれかに記載の製剤。
[項24]
懸濁液中に分散剤及び界面活性剤を含む項23に記載の製剤。
本発明の製剤において、活性成分として含有する化合物Aは、フリー体であっても、その生理的に、すなわち薬学的に許容される無機及び有機塩基との塩であってもよい。無機及び有機塩基の具体例としては、アルカリ金属(例えばナトリウム、カリウム)、水酸化アンモニウム、イソプロピルアミン、ジエチルアミン、エタノールアミン、ピペリジン、リジン等との塩が挙げられる。また、本発明における化合物Aまたはその生理的に許容される塩は、水和物および溶媒和物の形で存在することもあるので、それらの化合物も本発明における化合物Aまたはその生理的に許容される塩に含まれる。それらの詳細については、特許文献2に記載される。化合物Aまたはその生理的に許容される塩の製造方法は、例えば、特許文献2に記載の方法に従って製造することができる。
本発明における「懸濁」とは、化合物Aまたはその生理的に許容される塩が分散媒中に固体で存在して分散できる状態をいい、本薬物が一部分散媒中に溶解しているものも含む。保存により、本薬物が沈降や凝集した場合に、使用前に軽く振とうすることにより元の懸濁状態に戻るものも含む。リポソームやエマルジョン製剤のような、油脂系の液滴に薬物を分散、乳化あるいは封入させたものは含まない。詳しくは発明の製剤において、本薬物の粒子を脂質もしくは油成分で被覆(コーティング)する必要はなく、例えば本薬物がリポソーム中に封入された懸濁製剤、本薬物が油脂系の液滴中に包含され、当該液滴が水中に分散された水中油型エマルジョン製剤は本発明に含まれない。
溶解している化合物Aまたはその生理的に許容される塩の割合は、懸濁製剤中に含まれる全ての化合物Aまたはその生理的に許容される塩の通常0.001%〜10%であり、後眼網膜への移行性、化学的安定性、粒子径等の物理的安定性の観点から好ましくは0.001%〜5%であり、更に好ましくは0.001%〜2%であり、より好ましくは0.001%〜1%であり、更に好ましくは0.001%〜0.5%であり、特に好ましくは0.001%〜0.1%である。すなわち、好ましくは本発明の製剤は、添加剤として、本薬物の溶解度を向上させる溶解補助効果を有する成分を含まないが、本薬物の溶解度に影響を与えない程度の量であれば溶解補助効果を有する成分を含んでいても良い。当該溶解補助効果を有する成分として、例えばシクロデキストリン等を挙げることができる。
本発明における「分散」とは、化合物Aまたはその生理的に許容される塩が分散媒中に均一に浮遊している状態をいい、点眼剤として使用する際に支障のない限り、一時的な浮遊や、一部凝集しているもの、又は一部浮遊しているものも含む。
また、本懸濁製剤中に懸濁している固体の化合物Aまたはその生理的に許容される塩の平均粒子径は、好ましくは1nm以上であり、より好ましくは5nm以上であり、更に好ましくは10nm以上である。平均粒子径の範囲は、好ましくは10nm以上20μm以下もしくは1nm以上20μm以下であり、より好ましくは10nm以上2μm以下もしくは1nm以上2μm以下であり、より好ましくは10nm以上700nm以下もしくは1nm以上700nm以下であり、さらに好ましくは1nm以上650nm以下であり、さらに好ましくは1nm以上460nm以下であり、さらに好ましくは1nm以上300nm以下であり、さらに好ましくは10nm以上300nm以下もしくは5nm以上300nm以下であり、さらに好ましくは1nm以上230nm以下であり、さらに好ましくは5nm以上230nm以下であり、さらに好ましくは5nm以上200nm以下であり、特に好ましくは10nm以上200nm以下もしくは10nm以上230nm以下である。
なお、本明細書中における平均粒子径とは、化合物Aまたはその生理的に許容される塩、粉砕後の化合物Aまたはその生理的に許容される塩、あるいは懸濁製剤中に懸濁している固体の化合物Aまたはその生理的に許容される塩の平均粒子径の値であり、懸濁製剤中の本薬物の平均粒子径とは、懸濁液中に固体の状態で存在する本薬物の平均粒子径を意味する。本明細書において、平均粒子径は、以下に記載する装置および方法で算出された平均粒子径の値を意味する。懸濁製剤中で測定する場合は、測定できる程度の濃度に希釈して測定することができる。
湿式粉砕の場合、攪拌機やホモジナイザー等を用い、適当な溶媒(粉砕溶媒)中で撹拌または分散して製造することができる。また、ボールミル、ビーズミル、ホモミキサー、ホモジナイザーのほか、スターバースト等の湿式ジェットミル等の粉砕機を用いて適当な溶媒(粉砕溶媒)中で粉砕して製造することができ、例えば、伊藤製作所社製の遊星ボールミル(LP−4/2)を用いて、粉砕溶媒中の化合物Aまたはその生理的に許容される塩の含量が1〜500mg/mL、30〜370rpmで粉砕することができる。
乾式粉砕の場合、スパイラルジェットミル、ジェット・オー・ミル、カウンタージェットミル、ジェットミル等の気流粉砕機、ハンマーミル、スクリーンミル、サンプルミル等のせん断型粉砕機、ボールミル、ビーズミル等の転動ボールミル類等で製造することができる。
また、本発明で使用する粉砕した化合物Aまたはその生理的に許容される塩は、分散や粉砕等により粒子を小さくするブレイクダウン法の他、スプレードライや晶析、凍結乾燥を用いたビルドアップ法等により製造することができる。
湿式粉砕を用いて本発明の製剤を作る場合、上記の粉砕装置に化合物Aまたはその生理的に許容される塩と粉砕溶媒を添加して化合物Aまたはその生理的に許容される塩を粉砕したものを、凍結乾燥等で粉砕溶媒を除いて凍結乾燥品とし、分散媒に凍結乾燥品を懸濁させて製剤を調製することができる。凍結乾燥品と分散媒を個々に提供し、使用時に凍結乾燥品を分散媒に懸濁させる用時調製型の形態(キット)も含む。すなわち、(1)本薬物を含む組成物の凍結乾燥品、および(2)分散媒を含むキットも又、本発明の態様である。下記に示すように化合物Aまたはその生理的に許容される塩を界面活性剤、分散剤等の添加剤を含んだ粉砕溶媒を用いて粉砕し、凍結乾燥等で粉砕溶媒を除いた場合は、化合物Aまたはその生理的に許容される塩の凍結乾燥品が界面活性剤、分散剤等の添加剤を含む場合もあり、更に粉砕溶媒の一部を含む場合もある。
また、上記の場合、実施例の様に、粉砕溶媒として分散媒を加え、粉砕した後の懸濁液を凍結乾燥せずに、そのまま、または必要に応じて希釈して、本発明の製剤を提供することもできる。
本発明の製剤には、1回や1週間等の単位で使い切る製剤や、用時懸濁後の使用期間が1週間や1か月等に限られている製剤も含む。
分散媒は好ましくは水系の分散媒である。ここで水系の分散媒とは、分散媒として用いられる溶媒の総量のうち90重量%以上が水であるものをいい、好ましくは分散媒の総量のうち95重量%以上が水であり、更に好ましくは総量のうち99重量%以上が水である水系の溶媒である。分散媒として用いられる溶媒は、特に好ましくは水である。
尚、水系の分散媒に含まれる水以外の溶媒としては、エタノール、グリセリン、プロピレングリコール、ウイキョウ油、フェニルエチルアルコール、モノエタノールアミン、酢酸、氷酢酸、塩酸、ベンジルアルコール、ポリエチレングリコール等が挙げられるが、前述のとおり、ここでいう分散媒には、本薬物が油脂系の液滴中に包含され、当該液滴が水中に分散された水中油型エマルジョン製剤となるものは含まれない。
分散媒は、分散剤、界面活性剤、湿潤剤、等張化剤、緩衝化剤、防腐剤、pH調整剤等の添加剤を含んでもよい。好ましくは、分散媒は界面活性剤及び又は分散剤を含む。
好ましい分散媒としては、水が挙げられ、より好ましくは、分散媒は水に界面活性剤または分散剤のいずれかを含むものであり、さらに好ましくは、水に界面活性剤及び分散剤の両方を含むものである。
また、好ましい分散媒として、水系の溶媒に界面活性剤または分散剤のいずれかを含むもの、水系の溶媒に界面活性剤及び分散剤の両方を含むものも挙げられる。
また、分散媒のpHは、通常3〜9であり、好ましくは3〜8、さらに好ましくは4〜7、特に好ましくは4〜6である。分散媒のpHは、下記のpH調整剤により調整することができる。
懸濁製剤中に分散している固体の化合物Aまたはその生理的に許容される塩の粒子径は、1nm〜5μm、好ましくは10nm〜5μmの粒子径のものについては、懸濁製剤中の化合物Aまたはその生理的に許容される塩の含量を200〜500μg/mL程度になるように分散媒で希釈したサンプルを測定器;Zeta Sizer nano S (Malvern Instruments Ltd, Malvern UK)を用いて行った。算出法としては、動的光散乱法を用いて、Material RI及びDispersant RIを1.33とし、算出した粒子径のZ-average値の平均値を示した。
好ましくは、ポリソルベート80、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンヒマシ油、塩酸アルキルジアミノエチルグリシン、ステアリン酸ポリオキシル40、グリセリン、プロピレングリコール、コンドロイチン硫酸ナトリウムおよびモノステアリン酸アルミニウム、マクロゴール4000、マクロゴール6000が挙げられ、より好ましくはポリソルベート80、塩酸アルキルジアミノエチルグリシンおよびポリオキシエチレン硬化ヒマシ油が挙げられる。また、2種以上、好ましくは2〜3種類の界面活性剤を添加してもよい。
界面活性剤の含量は、懸濁液の総量の0.001〜5重量%が好ましい。
好ましくは、カルボキシビニルポリマー、ヒドロキシエチルセルロース、ポリビニルピロリドン(ポビドン)、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(ヒプロメロース)、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロースナトリウム(カルメロースナトリウム)およびチロキサポールが挙げられ、より好ましくは、カルボキシビニルポリマー、ヒドロキシエチルセルロース、ポリビニルピロリドン(ポビドン)、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(ヒプロメロース)およびポリビニルアルコールが挙げられる。また、2種以上の分散剤を添加してもよい。
分散剤の含量は、懸濁液の総量の0.001〜5重量%が好ましい。
等張化剤としては、塩化ナトリウム、塩化カリウム、ソルビトール、ブドウ糖、ショ糖、D-マンニトール、エタノール、オレイン酸、ケイ酸マグネシウム、軽質無水ケイ酸、コリンリン酸塩などが挙げられる。好ましくは塩化ナトリウムが挙げられる。
緩衝化剤としては、リン酸ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、酢酸ナトリウム、クエン酸、クエン酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、トロメタモールなどが挙げられる。好ましくは、リン酸水素二ナトリウム及びクエン酸が挙げられる。
防腐剤としては、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、塩化セチルピリジニウムなどの第4級アンモニウム塩、パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸プロピル、パラオキシ安息香酸ブチルなどのパラオキシ安息香酸エステル類、ベンジルアルコール、フェネチルアルコール、ソルビン酸およびその塩、グルコン酸クロルヘキシジン液などが挙げられる。
pH調整剤としては、塩酸、クエン酸、氷酢酸、リン酸、リン酸二水素ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、リン酸水素ナトリウム水和物などが挙げられる。
本発明の製剤は、特にVEGFが関連する疾患、VEGFが関連して発症する疾患、またはVEGFが関連する発症後の疾患に適用することが期待できる。
T. Negoro et. al. J. Med. Chem. 1998, 41, 4118-4129に記載の方法により得られた化合物Aの粗生成物(10g)に活性炭(50%wet、0.8g)および2−プロパノール(101g)を加え、反応液を還流温度(約84℃)まで加熱し、30分間保温した。同温度でろ過後、2−プロパノール(13.8g)で洗浄し、得られた溶液を75℃以上で加温し、反応液を60℃まで冷却し、1時間保温後、0℃まで冷却した。析出した固体をろ取、減圧乾燥し、化合物Aの白色結晶を得た(9.3g)。XRD ; 2θ=11.5, 15.4, 15.7, 16.3, 16.9, 18.2, 19.3, 20.1, 20.9, 21.6, 22.2, 23.3, 24.0, 24.7, 25.1, 26.4, 27.5, 28.4, 28.8, 29.6, 29.9, 30.9, 31.9, 32.4 示差走査熱量測定(DSC)において、補外融解開始温度が186.7℃である吸熱ピークを示した。
0.02mol/Lリン酸水素二ナトリウム水溶液に塩化ナトリウムを0.9%(w/v)添加した水溶液(a)に、0.01mol/Lクエン酸水溶液に塩化ナトリウムを0.9%(w/v)添加した水溶液(b)をpH=5.0になるまで添加し(添加割合:(a):(b)=約1:1)、pH5.0−クエン酸−リン酸緩衝液を得た。ヒドロキシプロピルメチルセルロース20gを精製水380gに溶解させて5%ヒドロキシプロピルメチルセルロース溶液を400g調製し、これにpH5.0−クエン酸−リン酸緩衝液1600gを加えて2000gとし、1%ヒドロキシプロピルメチルセルロース溶液を得た。1%ヒドロキシプロピルメチルセルロース溶液400gに27〜33%塩酸アルキルジアミノエチルグリシン水溶液を500mg加えて溶解させ、さらにポリソルベート80を2.5g加えて溶解させた。1%ヒドロキシプロピルメチルセルロース溶液を加えて全量を500gとし、1mol/L塩酸でpH5.0に調整し、分散媒(pH5.0)を得た。上記で調製した分散媒(pH5.0)の組成を以下に示す。
ジェットミルで粉砕した化合物A(平均粒子径:1.43μm)4gおよび参考例2で得られた分散媒(pH5.0)12mLをスクリュー管に加え、スターラーで30分間撹拌した。粉砕ポットに撹拌後のサンプル全量を加え、スクリュー管に付着したサンプルを分散媒4mLで洗い込んだ。粉砕ポットに以下に記載した各直径サイズのジルコニア製ビーズを50g加えた。伊藤製作所社製の遊星ボールミル(LP−4/2)に粉砕ポットをセットし、300rpmで2時間粉砕した。篩で粉砕液をろ過してビーズを取り除いた後、シンキー社製の撹拌・脱泡機「あわとり練太郎AR―250」で30秒間撹拌、30秒間脱泡し、懸濁製剤A1、A2、A3、B〜Dを得た。
懸濁製剤A1、A2、A3:ビーズの直径サイズは0.5mmを使用
懸濁製剤B:ビーズの直径サイズは2.0mmを使用
懸濁製剤C:ビーズの直径サイズは3.0mmを使用
懸濁製剤D:ビーズの直径サイズは5.0mmを使用
懸濁製剤A2:195.2nm
懸濁製剤A3:227.0nm
懸濁製剤B:451.2nm
懸濁製剤C:609.9nm
懸濁製剤D:801.2nm
懸濁製剤E:1944nm
懸濁製剤F:9560nm
懸濁製剤G:20430nm
点眼用懸濁製剤A1〜A3、B〜G各100μLに1%HPMC800μLとアセトニトリル100μLを加え、ボルテックスで振とうした。その100μLを10mL容メスフラスコにとり、1%HPMC/アセトニトリル(1:1)を加え完全に溶解させ正確に10mLとし、点眼用懸濁製剤の含量測定サンプルとした。SHIMADZU社製の超高速液体クロマトグラフ、カラムYMC−Pack Pro C18 5μm 150×4.6mmを用いて点眼用懸濁製剤A1〜A3、B〜Gの化合物A含量(溶解している化合物Aおよび懸濁している化合物Aを合わせた含量)を測定したところ、以下のとおりであった。
懸濁製剤A2:216.2mg/mL
懸濁製剤A3:207.1mg/mL
懸濁製剤B:211.0mg/mL
懸濁製剤C:195.6mg/mL
懸濁製剤D:218.8mg/mL
懸濁製剤E:135.4mg/mL
懸濁製剤F:201.8mg/mL
懸濁製剤G:224.5mg/mL
0.02mol/Lリン酸水素二ナトリウム水溶液に塩化ナトリウムを0.9%(w/v)添加した水溶液(c)に、0.01mol/Lクエン酸水溶液に塩化ナトリウムを0.9%(w/v)添加した水溶液(d)をpH=3.0になるまで添加し(添加割合:(c):(d)=約2:8)、pH3.0−クエン酸−リン酸緩衝液を得た。得られたpH3.0−クエン酸−リン酸緩衝液を上記pH5.0−クエン酸−リン酸緩衝液場合と同様の方法により処理し、分散媒(pH3.0)を得た。上記で調製した分散媒(pH3.0)の組成を以下に示す。
0.02mol/Lリン酸水素二ナトリウム水溶液に塩化ナトリウムを0.9%(w/v)添加した水溶液(e)に、0.02mol/Lリン酸二水素ナトリウム水溶液に塩化ナトリウムを0.9%(w/v)添加した水溶液(f)をpH=8.0になるまで添加し(添加割合:(e):(f)=約19:1)、pH8.0−リン酸緩衝液を得た。得られたpH8.0−クエン酸−リン酸緩衝液を上記pH5.0−クエン酸−リン酸緩衝液場合と同様の方法(ただし、1mol/L塩酸の代わりに1mol/L水酸化ナトリウムを用いた)により処理し、分散媒(pH8.0)を得た。上記で調製した分散媒(pH8.0)の組成を以下に示す。
直径1.0mmのビーズおよび参考例4に記載のpH3.0、参考例2に記載のpH5.0又は参考例5に記載のpH8.0の分散媒を用い、実施例1と同様の方法で点眼用懸濁製剤H、I、Jを得た。得られた点眼用懸濁製剤のpHはそれぞれ、以下のとおりであった。
懸濁製剤I(pH5):5.07
懸濁製剤J(pH7):7.10
懸濁製剤I(pH5):263.2nm
懸濁製剤J(pH7):256.0nm
また、点眼用懸濁製剤H、I、Jの化合物Aの含量を上記に記載の方法でそれぞれ測定したところ、以下のとおりであった。
懸濁製剤I(pH5):220.0mg/mL
懸濁製剤J(pH7):222.4mg/mL
0.1mol/Lリン酸二水素ナトリウム水溶液に塩化ナトリウムを0.9%(w/v)添加した溶液に、0.1mol/Lリン酸水素二ナトリウム水溶液に塩化ナトリウムを0.9%(w/v)添加した溶液を加え、pHを8.0に調整し、精製水で1.25倍に希釈した(以下、「pH8.0の溶解液」と記載)。得られた溶液1mLに対してジェットミルで粉砕した化合物Aを400μg、エタノールを0.08mL添加して化合物Aを溶解させ、点眼用溶解製剤Zを得た。
[5−[(1Z,2E)−2−メチル−3−フェニルアリリデン]−4−オキソ−2−チオキソチアゾリジン−3−イル]酢酸(以下「化合物B」と記載する)2gおよび参考例2に記載の分散媒(pH5.0)6mLをスクリュー管に加え、スターラーで30分間撹拌した。粉砕ポットに撹拌後のサンプル全量を加え、スクリュー管に付着したサンプルを分散媒2mLで洗い込んだ。粉砕ポットに直径1.0mmのビーズを50g加えた。伊藤製作所社製の遊星ボールミル(LP−4/2)に粉砕ポットをセットし、300rpmで6時間粉砕した。篩で粉砕液をろ過してビーズを取り除いた後、シンキー社製の撹拌・脱泡機「あわとり練太郎AR―250」30秒間撹拌、30秒間脱泡し、点眼用懸濁製剤X1を得た。また、(2S,4S)−6−フルオロ−2’,5’−ジオキソスピロ[クロマン−4,4’−イミダゾリジン]−2−カルボアミド(以下「化合物C」と記載する)1.84gおよび参考例2に記載の分散媒(pH5.0)6mLをスクリュー管に加え、スターラーで30分間撹拌した。得られた撹拌後のサンプルを上記化合物Bと同様に取り扱い点眼用懸濁製剤Y1を得た。
懸濁製剤Y1:290.8nm
懸濁製剤X2:8970nm
懸濁製剤Y2:5430nm
また、懸濁製剤X1、Y1、X2、Y2の化合物Bおよび化合物C含量を上記に記載の方法で測定したところ、以下のとおりであった。
懸濁製剤Y1:214.1mg/mL
懸濁製剤X2:187.7mg/mL
懸濁製剤Y2:196.8mg/mL
点眼用懸濁製剤について、37℃で保存したときの化合物Aの含量推移及び25℃で保存したときの粒子径の推移を以下の手順で評価した。
糖尿病モデルラットの両眼に、一般に懸濁剤として投与可能な含有量である化合物Aを懸濁させた点眼用懸濁製剤A1(200mg/mL)および化合物Aを溶解させた点眼用溶解製剤Z(400μg/mL)を、5分間おきに片眼5μL(ラットに点眼投与可能な最大量)ずつ、計5回点眼投与した。投与60分後の角膜中、網膜中および血漿中の化合物Aの濃度を測定した。
なお、他の剤形と異なり、点眼剤では、1回に点眼投与可能な液量に制限があり、点眼可能な最大量での薬物の組織への移行量が重要である。その液量は動物種によって異なるが、ラットの場合、最大で片眼5μLである。
点眼用溶解製剤としては、化合物Aの水に対する溶解度は非常に低いため、添加剤の添加により本来の溶解度よりも高い濃度である400μg/mLの化合物Aを溶解させたものを点眼用溶解製剤Zとして用いた。
また、Diabetic Retinopathy, INTECH, Phapter 15 「Prophylactic Medical Treatment of Diabetic Retinopathy」, Akihiro Kakehashi et al.に記載のSDTラットへの経口反復投与で網膜毛細血管の脆弱化及び網膜でのVEGF産生抑制が確認された投与量である1.0mg/kgの化合物Aを1日1回、21日間経口反復投与した。最終投与60分後の角膜中、網膜中および血漿中の化合物Aの濃度を測定した。結果を図2および図3に示す。
点眼用懸濁製剤A1の点眼投与による化合物Aの各組織中濃度は、およそ血漿中:角膜中:網膜中=1:101:33.5
点眼用溶解製剤Zの点眼投与による化合物Aの各組織中濃度は、およそ血漿中:角膜中:網膜中=1:1689:1
また、経口反復投与による化合物Aの各組織中濃度は、およそ血漿中:角膜中:網膜中=1:1:1
また、各投与群における網膜/血漿比率(網膜/血漿比率=網膜中化合物A濃度(μg/g)÷血漿中化合物A濃度(μg/mL))は以下の通りであった。
点眼用懸濁製剤A1投与群の網膜/血漿比率=33.5
点眼用溶解製剤Z投与群の網膜/血漿比率=1.1
経口反復投与群の網膜/血漿比率=1.0
点眼用溶解製剤Zを点眼投与したラットでは、網膜/血漿比率は1.1であり、化合物Aを経口投与したラットの網膜/血漿比率(1.0)とほぼ同じであったことから、点眼用溶解製剤Zではほとんどが鼻涙管などを介して全身循環血流から網膜に到達したと推測される。
一方、本発明の点眼用懸濁製剤A1を投与したラットでは、網膜/血漿比率は33.5であり、SDTラットにおける糖尿病網膜症の薬効用量を経口投与した場合の網膜/血漿比率(1.0)や点眼用溶解製剤Zを投与した場合の網膜/血漿比率(1.1)の30倍以上高かった。このことから、点眼用懸濁製剤では、網膜への直接的な移行経路による移行が示唆された。
点眼用溶解製剤Zを点眼投与したラットでは、化合物A本来の溶解度に比べて高い濃度(400μg/mL)を溶解させたにも関わらず網膜への移行は0.0473μg/gと低く、治療効果は期待できない程度であった。一方、点眼用懸濁製剤A1を投与したラットでは、一般に懸濁剤として投与可能な含量(200mg/mL)で、治療効果が十分に期待できる高い網膜への移行性(342μg/g)が示された。
また、その量は、懸濁した場合が溶解した場合の500倍[(200mg/mL)/(400μg/mL)]を点眼しているにもかかわらず、溶解した場合の7230倍[(342μg/g)/(0.0473μg/g)]と非常に大きいものであった。一方、前眼部の角膜中および血漿中へは、懸濁した場合が溶解した場合の500倍量を点眼したにもかかわらず、懸濁した場合はそれぞれ溶解した場合の14倍および232倍程度しか移行が見られなかった。
SDラットの両眼に、点眼用製剤A2を、片眼5μLずつ、5分間おきに1回または3回または5回点眼投与し、60分間後の角膜中、網膜中および血漿中の化合物Aの濃度を測定した。その結果を図4に示す。
SDラットの両眼に、点眼用製剤A3、点眼用製剤B〜Gを、片眼5μLずつ1回点眼投与し、60分間後の角膜中、網膜中および血漿中の化合物Aの濃度を測定した。その結果を図5に示す。
また、点眼用製剤A3を分散媒で希釈し、濃度の異なる点眼用懸濁製剤(20mg/mL)を調製し、上記と同様にSDラットに投与し、60分間後の網膜中、角膜中および血漿中の化合物Aの濃度を測定した(III−2)。その結果を図9に示す。
図9より、化合物Aの懸濁濃度の増加に伴い、網膜中の化合物Aの濃度の上昇が見られた。通常、後眼部への薬物送達は、水に溶解している成分量に依存していると考えられていたが、驚くべきことに、化合物Aの網膜移行量は、溶解している成分量にかかわらず、懸濁状態として存在する化合物Aの濃度に伴い増加した。また、懸濁濃度によらず、経口投与あるいは溶液の点眼投与の場合の網膜/血漿比率(経口投与:1.0、溶液の点眼投与:1.1)に比べて高い網膜/血漿比率(約12)を示した。
SDラットの両眼に、点眼用製剤H(pH3)、点眼用製剤I(pH5)または点眼用製剤J(pH7)を、片眼5μLずつ1回点眼投与し、60分間後の角膜中、網膜中および血漿中の化合物Aの濃度を測定した。その結果を図6に示す。
SDラットの両眼に、点眼用製剤I、点眼用製剤F、点眼用製剤G、点眼用製剤X1、点眼用製剤X2、点眼用製剤Y1または点眼用製剤Y2を、片眼5μLずつ1回点眼投与し、60分間後の網膜中のそれぞれの薬物濃度を測定した。その結果を図7に示す。
化合物Aによる抗VEGF作用について、J Diabetes Complications. 2012 ;26(5):369-77に記載された、細胞遊走能の実験方法に準じて検討した。実験には、Cell System社より購入した正常ヒト網膜毛細血管内皮細胞(HREC)を使用し、細胞培養液はCS−C培地(Cell System社)を使用した。化合物A、化合物B、化合物Cはジメチルスルホキシド(DMSO)に溶解して、DMSO濃度が0.1%になるように細胞培養液で希釈して使用した。ルセンティスは製剤原液50μLあたり4mLの細胞培養液で希釈して使用した。HRECを6ウェルプレートに播種し、培養密度が80−90%になるまで培養した。VEGFの刺激による細胞遊走能評価の20−24時間前に、ウシ胎児血清濃度を0.1%含む細胞培養液に交換した。その後、単層培養細胞層を各ウェルにつき1か所、200μLのピペットチップで創傷させ、創傷幅の長さを顕微鏡下で測定した。創傷後、それぞれの試験条件に応じて、VEGF、各種アルドース還元酵素阻害剤(化合物A、化合物B、化合物C)またはルセンティスを含む細胞培養液に交換した。培地を交換して約18時間後に、創傷幅の長さを顕微鏡下で測定し、創傷直後との比較により抗VEGF作用を評価した。結果を図8に示す。
本試験より、化合物Aまたはその生理的に許容される塩は、VEGF刺激による細胞遊走亢進作用に対して抑制作用を示し、すでに産生されたVEGFに対しても抗VEGF作用を示すことが明確に明らかとなった。すなわち、VEGFが関連する発症後の加齢黄斑変性や糖尿病網膜症等の治療の可能性が示された。なお、この抗VEGF作用は他のアルドース還元酵素阻害剤に比べ強力であり、抗VEGF抗体製剤であるルセンティスと同程度の効力であった。
サンプル(1)の調製:実施例1に記載した手順に従い、分散媒(pH5.0)及び直径0.5mmのビーズを用いて、化合物Aを含有する点眼用懸濁製剤(250mg/mL)を調製した。
サンプル(2)の調製:ポリソルベート80の代わりにポリオキシエチレン硬化ヒマシ油を用いて、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油0.3%を含む分散媒(pH5.0)を参考例2に従い調製した。この分散媒15mLと化合物A 5gをスクリュー管に加え、5分間超音波照射し、スギノマシン製スターバーストミニの粉砕用シリンジに全量を加えた。スクリュー管に付着したサンプルは分散媒5mLで洗い込んだ。粉砕圧245MPaで30分間粉砕し、化合物Aを含有する点眼用懸濁製剤(250mg/mL)を調製した。
サンプル(3)の調製:ジェットミルで粉砕した化合物A1gをグリセリン10gに添加し、スターラーで1時間撹拌し、化合物Aを含有する懸濁製剤を調製した。
サンプル(4)の調製:ジェットミルで粉砕した化合物A1gを水10gに添加し、スターラーで1時間撹拌し、化合物Aを含有する懸濁製剤を調製した。
サンプル(1)〜(4)各500μLを日立工機社製の遠心分離機HITACH−GXを用いて遠心分離(150,000rpm、10分、5℃)し、得られた上澄み100μLに1%HPMC800μLとアセトニトリルまたは水100μLを加え、ボルテックスで振とうし、含量測定サンプルとした。SHIMADZU社製の超高速液体クロマトグラフ、カラムYMC−Pack Pro C18 5μm 150×4.6mmを用いて溶解している化合物Aの量を測定した。その結果を表6に示す。表6より、水系の懸濁液中で溶解している化合物Aの割合は、極僅かであった。
Claims (20)
- (R)−(−)−2−(4−ブロモ−2−フルオロベンジル)−1,2,3,4−テトラヒドロピロロ[1,2−a]ピラジン−4−スピロ−3’−ピロリジン−1,2’,3,5’−テトラオン(以下、「化合物A」という)またはその生理的に許容される塩を含有する点眼用懸濁製剤であって、製剤中の化合物Aまたはその生理的に許容される塩の平均粒子径が、1nm以上20μm以下である点眼用懸濁製剤。
- 化合物Aまたはその生理的に許容される塩が分散媒中に懸濁している懸濁液である請求項1に記載の製剤。
- 懸濁液中の化合物Aまたはその生理的に許容される塩の平均粒子径が、10nm以上20μm以下である請求項1または2に記載の製剤。
- 分散媒が水系の分散媒である請求項2または3に記載の製剤。
- 分散媒が分散剤及び/又は界面活性剤を含む請求項2〜4のいずれかに記載の製剤。
- 分散媒が分散剤及び界面活性剤を含む請求項5に記載の製剤。
- 懸濁液のpHが3〜9である請求項2〜6のいずれかに記載の製剤。
- 懸濁液の浸透圧が20〜1000mOsmである請求項2〜7のいずれかに記載の製剤。
- 懸濁液1mL中に化合物Aまたはその生理的に許容される塩を1〜500mg含む請求項2〜8のいずれかに記載の製剤。
- 懸濁液中に溶解している化合物Aまたはその生理的に許容される塩の割合が製剤に含まれる全ての化合物Aまたはその生理的に許容される塩の0.001%〜10%である請求項2〜9のいずれかに記載の製剤。
- 懸濁液中に溶解している化合物Aまたはその生理的に許容される塩の割合が製剤に含まれる全ての化合物Aまたはその生理的に許容される塩の0.001%〜1%である請求項2〜10のいずれかに記載の製剤。
- 前眼部疾患及び/又は後眼部疾患を治療するための請求項1〜11のいずれかに記載の製剤。
- 疾患が、VEGFが関連する疾患である、請求項12に記載の製剤。
- 疾患が、加齢黄斑変性、糖尿病網膜症、糖尿病黄斑浮腫、近視性脈絡膜新生血管、網膜静脈閉塞症及び/又は白内障である請求項12又は13に記載の製剤。
- (1)化合物Aまたはその生理的に許容される塩を含有する製剤と、(2)分散媒を含む製剤を組み合わせてなる請求項1〜14のいずれかに記載の製剤を調製するためのキット。
- 製剤(1)における化合物Aまたはその生理的に許容される塩の平均粒子径が10nm以上20μm以下である請求項15に記載のキット。
- 製剤(1)または製剤(2)が、分散剤及び/又は界面活性剤を含んでもよい請求項15または16に記載のキット。
- 前眼部疾患及び/又は後眼部疾患を治療するための請求項15〜17のいずれかに記載のキット。
- 懸濁液中に分散剤及び/又は界面活性剤を含む請求項2または3に記載の製剤。
- 懸濁液中に分散剤及び界面活性剤を含む請求項19に記載の製剤。
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