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JP6658313B2 - 車両用装飾部品 - Google Patents
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Description

本発明は、車両を装飾するとともに、ミリ波レーダ装置からのミリ波の透過性を有する車両用装飾部品に関する。
車両においては、ミリ波を利用して車間距離や障害物との距離を計測するために、フロントグリル、エンブレム等の車両用装飾部品の後側にミリ波レーダ装置が設置されることがある。このミリ波レーダ装置は、従来、車両用装飾部品に雪が付着すると、計測を一時的に停止する処置を採っている。しかし、ミリ波レーダ装置の普及に伴い、降雪時でも計測を行なうことが要望されている。
そこで、車両用装飾部品に融雪機能を付加することが考えられている。例えば、特許文献1では、車両用装飾部品の主要部が装飾本体部によって構成され、この装飾本体部の前面にヒータ線が形成されている。この形成に際し、ヒータ線に複数の直線部分が設定され、これらの直線部分が一定間隔毎に平行に配置されている。さらに、装飾本体部の前面においてヒータ線の隣り合う直線部分の間には、それらの直線部分に平行に延びる溝部が形成されている。この車両用装飾部品では、前面に付着した雪がヒータ線の熱によって溶かされて水となる。この水は、溝部に沿って流下し、車両用装飾部品から排水される。
また、特許文献2には、車両用装飾部品の主要部が装飾本体部によって構成され、この装飾本体部に金属層が設けられている。この車両用装飾部品では、通電により金属層が発熱し、車両用装飾部品に付着された雪が溶かされる。
特開2004−138572号公報 特開2002−22821号公報
ところが、上記特許文献1におけるヒータ線も、特許文献2における金属層も、付着した雪を溶かす機能を発揮するものの、ミリ波が車両用装飾部品を透過する際に干渉し、透過性能を低下させるおそれがある。
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであって、その目的は、融雪機能を発揮しつつ、ミリ波の透過性能の向上を図ることのできる車両用装飾部品を提供することにある。
上記課題を解決する車両用装飾部品は、車両において、ミリ波レーダ装置からのミリ波の送信方向の前方に取付けられて、同車両を装飾するとともに、ミリ波透過性を有する装飾本体部を備え、前記装飾本体部のうちミリ波の透過領域よりも外側の部分にヒータが設けられている。
上記の構成によれば、ミリ波レーダ装置から送信されたミリ波は、その送信方向前方に位置する車両用装飾部品における装飾本体部を透過する。この際、ヒータは、装飾本体部のうちミリ波の透過領域よりも外側の部分に設けられているため、ミリ波の透過を妨げにくい。
また、ヒータが発熱すると、その熱は装飾本体部における透過領域にも伝わる。従って、車両用装飾部品に雪が付着しても、その雪は、ヒータから伝わる熱によって溶かされる。
上記車両用装飾部品において、前記装飾本体部の後面の複数箇所には、同装飾本体部を車両に取付けるための取付け座が形成されており、前記透過領域は、複数の前記取付け座により囲まれる領域の内側に設定されており、前記ヒータは、複数の前記取付け座により囲まれる領域の外側の部分に設けられていることが好ましい。
上記の構成によれば、車両用装飾部品の装飾本体部は、その後面の複数箇所に設けられた取付け座において車両に取付けられる。
このような車両用装飾部品においては、ミリ波レーダ装置から送信されたミリ波は、装飾本体部において複数の取付け座によって囲まれる領域の内側の透過領域を透過する。この際、ヒータは、複数の取付け座により囲まれる領域の外側の部分に設けられているため、ミリ波の透過を妨げにくい。
上記車両用装飾部品において、前記ヒータは線状をなし、前記透過領域を取り囲む環状に配置されていることが好ましい。
上記の構成によれば、装飾本体部における透過領域を取り囲む環状に配置された線状のヒータが発熱すると、その熱は透過領域に対し、その周りから伝わる。従って、車両用装飾部品において透過領域に対応する箇所に雪が付着しても、その雪は、付着箇所に拘わらずヒータからの熱によって一様に溶かされる。
上記車両用装飾部品において、前記装飾本体部には、一部が樹脂シートにより形成されてなる加熱シートが設けられており、前記ヒータは、前記加熱シートにおける前記樹脂シートに形成されたものであることが好ましい。
上記の構成によれば、加熱シートが装飾本体部の所定の箇所に配置されることで、ヒータが、装飾本体部のうちミリ波の透過領域よりも外側の部分に配置される。
上記車両用装飾部品において、前記装飾本体部は、樹脂材料により形成された基材と、樹脂材料により形成され、かつ前記送信方向における前記基材の前側に配置された透明部材と、前記基材及び前記透明部材の間に形成され、かつミリ波透過性を有する加飾層とを備え、前記加熱シートは、前記基材、前記透明部材及び前記加飾層のうちの1つ又は隣り合う2つに重ねられた状態で配置されていることが好ましい。
上記の構成によれば、車両用装飾部品においては、基材と透明部材との間に形成された加飾層が装飾機能を発揮する。
ミリ波レーダ装置から送信されたミリ波や、対象物に当たって反射したミリ波は、装飾本体部における基材、加飾層及び透明部材をそれぞれ透過する。また、ミリ波は、基材、透明部材及び加飾層のうちの1つ又は隣り合う2つに重ねられた状態で配置されて、装飾本体部に一体となった加熱シートを透過する。この際、ヒータは、装飾本体部のうちミリ波の透過領域よりも外側の部分に設けられているため、ミリ波の透過を妨げにくい。
上記車両用装飾部品によれば、融雪機能を発揮しつつ、ミリ波の透過性能の向上を図ることができる。
一実施形態におけるエンブレムの正面図。 図1の2−2線に沿ったエンブレムの断面構造を、ミリ波レーダ装置とともに示す説明図。 一実施形態におけるエンブレムから加熱シートを取り出して示す正面図。 図2におけるA部を拡大して示す部分側断面図。 図2におけるB部を拡大して示す部分側断面図。 図5に対応する図であり、加熱シートにおける主要部の外周部分の封止構造を説明する部分側断面図。
以下、車両用装飾部品をエンブレムに具体化した一実施形態について、図1〜図5を参照して説明する。なお、各図では、各部材を認識可能な大きさとするために、各部材の縮尺を適宜変更して示している。
車両のエンジンルームの前部には、走行風等の外気をエンジンルームに導入してラジエータを冷却するためのフロントグリルが取付けられている。図5には、フロントグリル11の一部が二点鎖線で図示されている。
また、フロントグリル11の後方であってラジエータの前側には、図2に示すように、A.C.C.(アダプティブクルーズコントロール)におけるセンサとして機能するミリ波レーダ装置15が取付けられている。ミリ波レーダ装置15は、ミリ波を送信し、かつ、対象物に当たって反射したミリ波を受信することで、この送信波と受信波との差から前方車両と自車(車両10)との車間距離や相対速度を測定する。ミリ波とは、波長が1〜10mmであり、周波数が30〜300GHzである電波をいう。A.C.C.は、ミリ波レーダ装置15による測定結果を基にエンジンのスロットルやブレーキを制御して自車(車両10)を加減速し、車間距離をコントロールする。
上記フロントグリル11の厚みは、一般的なフロントグリルと同様、一定ではない。また、フロントグリル11では、一般的なフロントグリルと同様、樹脂製基材の表面に金属メッキ層が形成されている。従って、フロントグリル11は、送信又は反射されたミリ波と干渉する。このため、フロントグリル11において、ミリ波レーダ装置15のミリ波の経路となる箇所、具体的には、ミリ波レーダ装置15からのミリ波の送信方向前方となる箇所、には図5において二点鎖線で示すように窓部12が設けられている。窓部12は、フロントグリル11のうち、後述するエンブレム20が嵌め込まれる箇所である。窓部12の内壁面の底部には、一対の給電用の接続端子13が設けられている。これらの接続端子13は、前後方向へ延びる平面状をなしている。
図1及び図2に示すように、エンブレム20は、その主要部をなす装飾本体部21と加熱シート33とを備えている。装飾本体部21は、基材22、透明部材25及び加飾層32を備えており、全体として楕円の板状をなしている。また、装飾本体部21は、前方へ膨らむように緩やかに湾曲している。
基材22は、誘電正接(誘電体内での電気エネルギ損失の度合いを表す指標値)の小さな樹脂材料であるAES(アクリロニトリル−エチレン−スチレン共重合)樹脂等の樹脂材料によって有色に形成されている。AES樹脂の誘電正接は、0.007である。誘電正接が小さければ、ミリ波が熱エネルギに変換され難いため、ミリ波の減衰を抑制可能である。
図4は、図2のA部を拡大して示している。同図4に示すように、基材22の前部には、前後方向に対しほぼ直交する一般部23と、その一般部23よりも前方へ突出する凸部24とが形成されている。一般部23は、図1におけるエンブレム20の背景領域20aに対応し、凸部24はエンブレム20の文字領域20bに対応している。
図1及び図2に示すように、基材22の後面の複数箇所には、装飾本体部21を車両10(フロントグリル11)に取付けるための取付け座22aが形成されている。
なお、基材22は、AES樹脂に代えて、透明部材25と比誘電率が近い樹脂、例えば、ASA(アクリロニトリル−スチレン−アクリレート共重合)樹脂、PC(ポリカーボネート)樹脂、PC/ABS(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合)樹脂等によって形成されてもよい。
図2及び図4に示すように、透明部材25は、誘電正接の小さな樹脂材料であるPC樹脂等の樹脂材料により透明に形成されている。PC樹脂の誘電正接は、0.006であり、比誘電率はAES樹脂の比誘電率とほぼ同じである。透明部材25は、基材22の前側に配置されている。さらに、透明部材25は、その前部を構成する前透明部材26と、後部を構成する後透明部材27とに分割されている。後透明部材27の後部には、上記基材22の前部の形状に対応した形状に形成されている。すなわち、後透明部材27の後部であって、基材22の一般部23の前方となる箇所には、前後方向に対しほぼ直交する一般部28が形成されている。後透明部材27の後部であって、基材22の凸部24の前方となる箇所には、一般部28よりも前方へ凹む凹部29が形成されている。
なお、透明部材25は、上記PC樹脂と同様に、誘電正接の小さな樹脂材料であるPMMA(ポリメタクリル酸メチル)樹脂によって形成されてもよい。
前透明部材26の前面には、樹脂に対する公知の表面処理剤を塗布することにより、ハードコート層31が形成されている。表面処理剤としては、例えば、アクリレート系、オキセタン系、シリコーン系等の有機系ハードコート剤、無機系ハードコート剤、有機無機ハイブリッド系ハードコート剤等が挙げられる。このようなハードコート剤により形成されるハードコート層31は、前透明部材26の前面に対して、傷付き防止作用、汚れ防止作用、紫外線カットによる耐光性及び耐候性向上作用、撥水作用の向上等の有用な作用をもたらす。なお、ハードコート層31は、必要に応じて、ミリ波が透過できる範囲内で着色されてもよい。
加飾層32は、フロントグリル11を含め車両10の前部を装飾するためのものであり、基材22と後透明部材27との間に形成されており、ミリ波透過性を有している。加飾層32は、例えば、黒色等の有色層と金属層との組合わせによって構成されている。有色層は、印刷等の方法によって、後透明部材27の一般部28に形成されている。金属層は、後透明部材27の凹部29の後面及び有色層の後面全体に、インジウム等の金属材料を蒸着することにより形成されている。なお、加飾層32では、金属層の腐食を抑制するために、アクリル系又はウレタン系の樹脂材料からなる腐食防止層によって金属層が被覆されてもよい。
上記基材22、透明部材25及び加飾層32を備えてなる装飾本体部21では、上記複数の取付け座22aによって囲まれる領域の内側に、図1において二点鎖線で示すように、ミリ波の透過領域Z1が設定されている。
図2及び図3に示すように、加熱シート33は、面状発熱体、フィルムヒータ等とも呼ばれるものであり、樹脂シート34と、その樹脂シート34上に形成された線状のヒータ35とを備えている。樹脂シート34としては、例えば、PC樹脂によって形成されたものが用いられる。また、線状のヒータ35としては、例えば、ニクロム線、透明導電膜、カーボン発熱体、銀ペースト等を印刷することにより形成されたものが用いられる。ヒータ35は、さらに、樹脂材料によって前側から被覆されてもよい。
加熱シート33における主要部33aは、前透明部材26と後透明部材27との間において、それらの前透明部材26及び後透明部材27に重ねられた状態で配置されている。主要部33aは、前透明部材26及び後透明部材27に密着していて、それらと一体になっている。主要部33aは、上述した装飾本体部21と同様に、前方へ膨らむように緩やかに湾曲している。この主要部33aでは、ヒータ35は、複数の上記取付け座22aにより囲まれる領域の外側の部分に設けられている。このヒータ35の設けられた部分は、装飾本体部21の透過領域Z1よりも外側の部分である。こうした条件を満たす箇所として、本実施形態では、ヒータ35は、樹脂シート34の外周縁に沿って楕円形状に配線されている。
図5は、図2のB部を拡大して示している。図3及び図5に示すように、加熱シート33は、上記主要部33aに加え、同主要部33aの下端部から装飾本体部21の外部へ延びる接続部33bを備えている。ここでは、接続部33bは、主要部33aとの境界部分において後方へ屈曲されており、主要部33aの下端部から後方へ延びている。なお、図3では、接続部33bが屈曲されていない状態で図示されている。ヒータ35の両端部の受電用の接続端子36は、この接続部33bに形成されている。これらの接続端子36は、前後方向へ延びる平面状をなしている。
また、図4に示すように、加飾層32と基材22との間には、同基材22よりも荷重たわみ温度(熱変形温度)の高い材料からなる熱伝達抑制層37が形成されている。本実施形態では、この熱伝達抑制層37が、紫外線(UV)硬化塗料によって形成されている。
さらに、装飾本体部21及び加熱シート33のうち少なくとも透過領域Z1(図1参照)では、エンブレム20の前後方向の厚みTが、次の式1を満たす値と実質的に等しい値に均一に設定されている。ここで、「実質的に等しい厚み」とは、±0.2mmの誤差範囲内に含まれる厚みのことを意味する。
T={(λe/2)/√(εp)}n・・・(式1)
ただし、上記式中の各記号の意味は以下の通りである。
λe:ミリ波の波長
εp:透明部材25(又は基材22)の比誘電率
n:整数
このように、エンブレム20の厚みTは、半波長を比誘電率の平方根にて除算した値の整数倍に設定されている。本実施形態では、前透明部材26及びハードコート層31の前後方向の合計の厚みT1が1.2mmに設定されている。後透明部材27、加飾層32、熱伝達抑制層37及び基材22の前後方向の合計の厚みT2(後透明部材27の前面と基材22の後面との間隔)が6.0mmに設定されている。こうした設定により、エンブレム20の前後方向の厚みTは、約7.2mmとなっている。
次に、上記のように構成された本実施形態のエンブレム20の作用及び効果について説明する。
このエンブレム20では、ヒータ35は、加熱シート33における樹脂シート34に形成されている。そのため、エンブレム20の製造に際し、加熱シート33を前透明部材26と後透明部材27との間の規定の箇所に配置することで、ヒータ35を、装飾本体部21における透過領域Z1よりも外側の部分に配設することができる。
このエンブレム20は、フロントグリル11の窓部12に前方から嵌め込まれる。この嵌め込みの際には、図5に示すように、エンブレム20における加熱シート33下部の受電用の接続端子36が、窓部12の内壁面底部における給電用の接続端子13に接触し、電気的に接続される。さらに、エンブレム20は、装飾本体部21の後面の複数箇所に設けられた取付け座22a(図1、図2参照)において車両10(フロントグリル11)に取付けられる。
上記エンブレム20においては、基材22と透明部材25との間に形成された加飾層32が、車両前部を装飾する機能を発揮する。エンブレム20を前方から見た場合には、凹凸状に形成された加飾層32において光が反射される。そのため、前透明部材26、加熱シート33及び後透明部材27を通じて、それらの奥側に金属光沢を有する文字が立体的に見える。
図1及び図2に示すように、前方車両と自車(車両10)との車間距離や相対速度を測定するために、ミリ波レーダ装置15からミリ波が前方へ送信される。このミリ波は、エンブレム20における基材22、熱伝達抑制層37、加飾層32、後透明部材27、前透明部材26及びハードコート層31のそれぞれにおいて、複数の取付け座22aによって囲まれる領域の内側の透過領域Z1を透過する。加飾層32では、ミリ波は、蒸着された金属粒子間の隙間を透過する。
上記のようにミリ波が装飾本体部21を透過する際、ヒータ35は、複数の取付け座22aにより囲まれる領域の外側の部分に設けられている。この部分は、装飾本体部21における透過領域Z1よりも外側の部分である。そのため、ヒータ35はミリ波の透過を妨げにくい。
ミリ波は、後透明部材27及び前透明部材26間に配置された加熱シート33の主要部33aのうち、線状のヒータ35によって囲まれた箇所を透過する。送信方向前方の車両や障害物等の対象物に当たって反射したミリ波についても、同様に装飾本体部21及び加熱シート33を透過する。従って、ミリ波は、装飾本体部に金属層が設けられたもの(特許文献2)よりもエンブレム20を透過しやすい。
また、装飾本体部21及び加熱シート33のうち少なくとも透過領域Z1(図1参照)では、エンブレム20の前後方向の厚みTが、上記式1を満たす値で、しかも均一であるため、装飾本体部の前面に凹凸が形成されていて前後方向の厚みが均一でないもの(特許文献1)に比べ、ミリ波が透過する際の減衰量が少ない。
また、エンブレム20の前面に雪が付着した場合には、フロントグリル11の窓部12において、互いに電気的に接続された給電用の接続端子13と、受電用の接続端子36とを通じて、車両側からエンブレム20におけるヒータ35に給電される。この給電によりヒータ35が発熱する。ヒータ35は、ミリ波の透過領域Z1を取り囲む環状である楕円形状に配置されている。そのため、ヒータ35が発した熱の一部は、同ヒータ35によって囲まれた透過領域Z1の中心部に向けて全方向から伝わる。この熱により、エンブレム20の前面のうち透過領域Z1となる箇所に付着した雪は、付着箇所に拘わらず一様に溶かされる。
ここで、加熱シート33は、装飾本体部21の前部を構成する透明部材25(前透明部材26と後透明部材27との間)に配置されることで、同装飾本体部21の前面に近い箇所に位置する。従って、ヒータ35の熱が、エンブレム20の前面に付着した雪に伝わりやすい。雪がヒータ35の熱によって効率よく溶かされる。
ところで、基材22を構成するAES樹脂の加重たわみ温度は78℃であり、あまり高くない。しかし、ヒータ35で発生された熱が基材22に伝わることは、加熱シート33の主要部33aと基材22との間に形成された熱伝達抑制層37によって抑制される。従って、ヒータ35からの熱によって基材22が変形することが抑制される。仮に、基材22が熱により変形すると、装飾本体部21の前後方向の厚みT1が均一でなくなり、ミリ波の減衰量が多くなるおそれがあるが、本実施形態では、ミリ波の減衰量が少ない状態に維持される。また、基材22に熱が伝わりにくくなる分、雪に伝わる熱が多くなり、融雪機能が向上する。
さらに、前透明部材26がハードコート層31によって前方から保護され、前透明部材26に傷が付くことや、太陽光、風雨、温度変化等が原因で、変質や劣化を起こすことが抑制される。
なお、上記実施形態は、これを以下のように変更した変形例として実施することもできる。
・加熱シートとして、透明な樹脂シート上に透明導電膜からなる線状のヒータが形成されたものが用いられてもよい。透明導電膜は、例えば、ITO(酸化インジウムスズ)を材料として用い、スパッタリング、蒸着等することによって形成される。この場合には、ヒータが見えにくくなるため、車両用装飾部品の見栄えが向上する。
・加熱シート33は、基材22、透明部材25及び加飾層32のうちの1つ又は隣り合う2つに重ねられた状態で配置されることを条件に、装飾本体部21の上記実施形態とは異なる箇所に配置されてもよい。例えば、加熱シート33は、透明部材25に対し前側から重ねられた状態で配置されてもよい。また、加熱シート33は、基材22に対し後側から重ねられた状態で配置されてもよい。この場合、熱伝達抑制層37は不要となる。さらに、加熱シート33は、加飾層32と基材22との間においてそれらに対し重ねられた状態で配置されてもよいし、加飾層32と透明部材25との間においてそれらに対し重ねられた状態で配置されてもよい。
・加熱シート33における主要部33aでのヒータ35の配線パターンが、上記実施形態とは異なる配線パターンに変更されてもよい。
例えば、ヒータ35は、一直線状をなすものであってもよい。この形状のヒータ35が用いられる場合にも、ミリ波の透過を妨げにくくするために、同ヒータ35は、装飾本体部21のうちミリ波の透過領域Z1よりも外側の部分に配置される。
例えば、ヒータ35として、左右方向に一直線状に延びるものが用いられる場合には、同ヒータ35は、加熱シート33の上部及び下部の少なくとも一方に配置されてもよい。また、ヒータ35として、上下方向に一直線状に延びるものが用いられる場合には、同ヒータ35は、加熱シート33の左側部及び右側部の少なくとも一方に配置されてもよい。
・ヒータ35が加熱シート33の一部として設けられた上記実施形態とは異なり、同ヒータ35は単体で装飾本体部21に配置されてもよい。
・加熱シート33の主要部33aのうち、図6において一点鎖線で示す外周部分が、ホットメルト又はポッティング(樹脂盛り)によって封止されてもよい。こうすると、融雪により生じた水が、上記外周部分とこれに隣接する部材(前透明部材26及び後透明部材27)との間に入り込むのを規制し、耐水性を高めることができる。
・上記実施形態においては、前透明部材26及び後透明部材27のそれぞれを形成する樹脂材料の組合わせによっては、それらの境界部分に位置する加熱シート33を見えにくくする屈折率で光を入射及び反射させることが可能である。
・車両用装飾部品の最前部に位置する部材の前面に、撥水性が付与されてもよい。このようにすると、上記部材の前面に付着した水を弾き、同部材を濡れにくくすることで、融雪時に上記部材の前面に水の膜が形成されるのを抑制することができる。
撥水性を付与する手段として、例えば、上記部材の前面に、有機系塗装膜、シリコーン膜等からなる撥水膜が形成されてもよい。また、上記部材を成形する際に用いられる金型の成形面にシボが形成されたり、ナノ加工が施されたりしてもよい。
・また、上記撥水膜として、ハードコート機能を有するものが用いられてもよい。この場合には、ハードコート層31が省略されてもよい。
・上記各実施形態において、エンブレム20は、フロントグリル11に代えて、車体に取付けられてもよい。
・装飾本体部21は、楕円とは異なる形状の板状に形成されてもよい。
・車両用装飾部品は、車両10において、ミリ波レーダ装置15からのミリ波の送信方向の前方に取付けられて、同車両10を装飾するとともに、ミリ波透過性を有するものであることを条件に、エンブレム20とは異なる車両用装飾部品に適用されてもよい。
10…車両、15…ミリ波レーダ装置、20…エンブレム(車両用装飾部品)、21…装飾本体部、22…基材、22a…取付け座、25…透明部材、32…加飾層、33…加熱シート、33a…主要部、34…樹脂シート、35…ヒータ、Z1…透過領域。

Claims (2)

  1. 車両において、ミリ波レーダ装置からのミリ波の送信方向の前方に取付けられて、同車両を装飾するとともに、ミリ波透過性を有する装飾本体部を備え、
    前記装飾本体部は、
    樹脂材料により形成された基材と、
    樹脂材料により形成され、かつ前記送信方向における前記基材の前側に配置された透明部材と、
    前記基材及び前記透明部材の間に形成され、かつミリ波透過性を有する加飾層と
    を備え、
    前記装飾本体部には、一部が樹脂シートにより形成されてなる加熱シートが設けられており、
    前記加熱シートは、前記加飾層と前記透明部材との間においてそれらに対し重ねられた状態で配置されており、
    前記装飾本体部のうちミリ波の透過領域よりも外側の部分には、前記加熱シートにおける前記樹脂シートに形成されたヒータが設けられており、
    前記装飾本体部の後面の複数箇所には、同装飾本体部を車両に取付けるための取付け座が形成されており、
    前記透過領域は、複数の前記取付け座により囲まれる領域の内側に設定されており、
    前記ヒータは線状をなし、複数の前記取付け座により囲まれる領域の外側の部分に環状に配置されている車両用装飾部品。
  2. 車両において、ミリ波レーダ装置からのミリ波の送信方向の前方に取付けられて、同車両を装飾するとともに、ミリ波透過性を有する装飾本体部を備え、
    前記装飾本体部は、
    樹脂材料により形成された基材と、
    樹脂材料により形成され、かつ前記送信方向における前記基材の前側に配置された透明部材と、
    前記基材及び前記透明部材の間に形成され、かつミリ波透過性を有する加飾層と
    を備え、
    前記装飾本体部には、一部が樹脂シートにより形成されてなる加熱シートが設けられており、
    前記加熱シートは、前記加飾層と前記透明部材との間においてそれらに対し重ねられた状態で配置されており、
    前記装飾本体部のうちミリ波の透過領域よりも外側の部分には、前記加熱シートにおける前記樹脂シートに形成されたヒータが設けられている車両用装飾部品。
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