JP6660089B2 - 不溶性カルシウムを含有する高エネルギー飲料 - Google Patents
不溶性カルシウムを含有する高エネルギー飲料 Download PDFInfo
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Description
(1)飲料を容器詰めした容器詰飲料であって、
ここで、飲料の液状部分が、以下の(i)〜(iii)の特徴を備える:
(i)脂質及びタンパク質を含み、
(ii)液状部分の全固形分の合計重量が、液状部分全体量に対して、19重量%以上であり、
(iii)50〜600mg/100gの不溶性カルシウムを含有する;
上記容器詰飲料。
(2)前記液状部分がチキソトロピー性を示していることを特徴とする、(1)に記載の容器詰飲料。
(3)前記飲料のカロリーが、70kcal/100g以上である、(1)又は(2)に記載の容器詰飲料。
(4)前記脂質及びタンパク質が、乳原料由来の脂質及びタンパク質を含む、(1)〜(3)のいずれかに記載の容器詰飲料。
(5)前記飲料が、前記液状部分と固体部分とからなる、(1)〜(4)のいずれかに記載の容器詰飲料。
(6)前記固体部分がゼリー状である、(5)に記載の容器詰飲料。
(7)前記飲料のpHが、4.5〜7.5である、(1)〜(6)のいずれかに記載の容器詰飲料。
(8)容器詰飲料の製造方法であって、
当該製造方法が、
不溶性カルシウム及びその他の原料を混合して調製した液状部分を含む飲料を調製する工程;及び
得られた飲料を容器詰めする工程;
を含み、
ここで、飲料に含まれる液状部分が、以下の(i)〜(iii)の特徴を備える:
(i)脂質及びタンパク質を含み、
(ii)液状部分の全固形分の合計重量が、液状部分全体量に対して、19重量%以上であり、
(iii)50〜600mg/100gの不溶性カルシウムを含有する;
上記製造方法。
(9)容器詰飲料の劣化臭をマスキングする方法であって、
容器詰飲料に容器詰めする飲料が、液状部分及び固体部分からなり、
ここで、液状部分が以下の(i)及び(ii)の特徴を備え:
(i)脂質及びタンパク質を含み、
(ii)液状部分の全固形分の合計重量が、液状部分全体量に対して、19重量%以上である;
液状部分に、50〜600mg/100gの不溶性カルシウムを含有させることを特徴とする、
上記方法。
以下に説明する本発明の1態様である容器詰飲料に関する記載は、特に断りがない限り、本発明の別態様である容器詰飲料の製造方法及び劣化臭のマスキング方法において言及される容器詰飲料にも該当するものである。
本発明の容器詰飲料は、ベースとなる飲料である液状部分を含み、液状部分は、脂質及びタンパク質を含む。本発明の容器詰飲料は、朝食代替となり得る高エネルギー飲料であることが好ましいため、脂質及びタンパク質等の可溶性固形分を比較的多く含む。例えば、本発明における液状部分の原料は、乳原料、大豆原料、アーモンド原料、穀類原料等であり、好ましくは乳原料であり、より好ましくは牛乳、脱脂粉乳、クリーム類から選ばれる1つ以上の乳原料である。
本発明における飲料の液状部分は、不溶性カルシウムを含有する。ここで、不溶性カルシウムの一部あるいは全部は、液状部分にあらかじめ含まれていてもよく、液状部分に添加してもよい。
(1)可溶性カルシウム及び乳タンパク結合カルシウムと不溶性カルシウム(炭酸カルシウム)の分離
飲料をマイクロチューブに量りとり、プロテイナーゼK(Worthington社製)水溶液を加え、よく攪拌する。各チューブを加温しながら静置し、酵素によりタンパク質を分解させる。反応後、遠心分離により乳脂肪等の浮遊物と上清を完全に除去する。沈殿物入りのマイクロチューブに80%ショ糖水溶液を加え、マイクロピペット用チップで攪拌し、さらにvortexして沈殿物をよく分散させる。再度、遠心分離を行い、浮遊物および上清を完全に除去する。
(2)不溶性カルシウムの溶解
工程(1)で得られた試料に、0.1%硝酸を加え、マイクロピペット用チップでよく攪拌し、さらにvortexして沈殿物を完全に分散させる。炭酸カルシウムは硝酸に溶けてCO2の泡が発生するため、この泡の発生が完全に終了するまで攪拌を繰り返す。さらに、全体が0.1%硝酸で希釈し、ICP−OESにてカルシウム量を定量する。
本発明の容器詰飲料は、液状部分と固体部分とから構成されていてもよい。固体部分としては、例えば、穀物(禾穀類・菽穀類・擬似穀類を含む)及びその加工品、果実、タピオカ等が挙げられ、また、これらをゼリー状、ペースト状等に加工した固体も含まれる。
本発明の別の態様は、容器詰飲料の製造方法であり、不溶性カルシウム及びその他の原料を混合して調製した液状部分を含む飲料を調製する工程、及び得られた飲料を容器詰めする工程を含む。本態様の製造方法においては、飲料の調製工程において、液状部分が、50〜600mg/100g、好ましくは50〜400mg/100g、より好ましくは200〜300mg/100gの不溶性カルシウムを含有するように不溶性カルシウムを添加して液状部分を調製することを特徴とする。不溶性カルシウムの一部あるいは全部は、液状部分のその他の原料にあらかじめ含まれていてもよい。液状部分は、例えば脂質及びタンパク質を含有する原料(例えば乳原料、大豆原料、アーモンド原料、穀類原料)、果汁、糖類、香料、ゲル化剤、エキス、ビタミン類、食物繊維等をその他の原料として混合して製造され、得られる液状部分の全固形分の合計重量が、液状部分全体量に対して、19重量%以上であることを特徴とする。また、液状部分は、さらにチキソトロピー性を示してもよい。また、液状部分と調製した固体部分とを混合して飲料を調製してもよい。固体部分は、原料(例えば穀物、果実)、糖類、香料、エキス等を混合して製造され、好ましくは混合物にゲル化剤(例えば、寒天、κ−カラギーナン、ローカストビーンガム、脱アシルジェランガム、ネイティブジェランガム、グルコマンナン、キサンタンガム)をさらに加えてゼリー状に加工し、所望の平均粒径になるように破砕して得ることができる。液状部分及び固体部分を別々に、あるいは飲料調製工程後に、85〜140℃、好ましくは100〜135℃、より好ましくは120〜130℃で殺菌処理する殺菌工程を設けることができる。さらに、飲料調製工程後であって、必要に応じて殺菌工程後に、得られた混合物を各種容器に充填する工程を経て容器詰飲料とすることができる。なお、殺菌工程と充填工程を行う順序は特に限定されず、いずれを先に行ってもよい。
本発明の別の態様は、容器詰飲料の劣化臭をマスキングする方法に関し、ここで、当該容器詰飲料の液状部分の全固形分の合計重量は、液状部分全体量に対して、19重量%以上であり、液状部分はさらにチキソトロピー性を示してもよい。本態様の方法は、液状部分に、50〜600mg/100g、好ましくは50〜400mg/100g、より好ましくは200〜300mg/100gの不溶性カルシウムを含有させることにより容器詰飲料の劣化臭をマスキングすることを特徴とする。
容器詰飲料に容器詰めする飲料のベース飲料となる液状部分を調製し、全固形分量とチキソトロピー性を測定することにより、ベース飲料自体の飲みにくさへの影響を評価した。本評価には、本発明の容器詰飲料のベース飲料に加えて、比較的全固形分が高く、チキソトロピー性を備える、市販の容器詰飲料A〜Hのベース飲料も試料として用いた。
(ベース飲料の調製)
牛乳(100g)、水(734.5g)、バナナピューレ(50g)、脱脂粉乳(50g)、クリーム(25g)、砂糖(40g)、ゲル化剤(ジェランガム(0.3g)、カラギーナン(0.2g))を混合し、本発明のベース飲料である試料1を調製した。試料1に含まれる脂質は1.1g/100g、タンパク質は1.5g/100g、全固形分は20.9重量%であった。
(評価方法)
試料1(100ml)の粘度を、異なる回転数およびずり速度で測定し、図1、2に示した。粘度の測定には、TVB−10型粘度計(東機産業株式会社製)を用い、M2ローターを用いてCGS系、10℃60rpmまたは30rpmの条件下で測定を行った。
(評価結果)
図1、2に示すように、試料1は、回転数およびずり速度の両者が、同じ挙動を示し、試料1のベース飲料がチキソトロピー性を有することが判明した。試料1の30rpmと60rpmの条件で測定した粘度の比(60rpmの粘度/30rpmの粘度)は、0.66であった。
不溶性カルシウム量の異なる飲料(液状部分)を調製し、訓練された専門家による官能評価を実施し、飲料の飲みやすさがどの程度改善され、飲料中の乳の劣化臭がどの程度低減できたかについて評価した。
(容器詰飲料の調製)
牛乳(100g)、水(734.5g)、バナナピューレ(50g)、脱脂粉乳(50g)、クリーム(25g)、砂糖(40g)、ゲル化剤(ジェランガム(0.3g)、カラギーナン(0.2g))を混合し、ベース飲料を調製した。試料1に含まれる脂質は1.1g/100g、タンパク質は1.5g/100g、全固形分は20.9重量%であった。
(評価方法)
得られた飲料1〜8について、専門パネラー3名により飲料としての飲みやすさの官能評価と劣化臭の強さに関する官能評価を以下の基準により評価した。そして、飲料としての飲みやすさと劣化臭の強さの官能評価結果を指標に総合評価を◎、○、△、×の4段階評価で示した。
・飲料としての飲みやすさの基準
1点:ざらつきを強く感じ、口当たりが非常に悪かった
2点:ざらつきを感じ、口当たりが悪かった
3点:ざらつきをやや感じたが、口当たりの悪さはほとんど感じなかった
4点:ざらつきをほとんど感じず、口当たりが良かった
5点:ざらつきを感じず、口当たりが非常に良かった
・劣化臭の強さの基準
1点:乳劣化臭を強く感じた
2点:乳劣化臭をやや強く感じた
3点:乳劣化臭を感じた
4点:乳劣化臭をやや感じた
5点:乳劣化臭をほとんど感じなかった
(評価結果)
官能評価及び総合評価の結果を表3に示す。表3の結果から、不溶性カルシウム量が600mg/g以下の場合、ざらつきや口当たりの悪さを感じさせにくく飲みやすい飲料が得られ、不溶性カルシウム量が50mg/g以上の場合、乳劣化臭を感じさせにくい飲料を調製できることが明らかとなった。そして、不溶性カルシウム量が50〜600mg/gの場合に、総合評価が良好な、好ましい品質の飲料が得られることが明らかとなった。また、不溶性カルシウム量が50〜400mg/gの場合に飲料としての総合評価がより高く、不溶性カルシウム量が200〜300mg/gの場合に、総合評価が特に高い、非常に良好な品質の容器詰飲料を調製できることが明らかとなった。
飲料には原料由来の可溶性カルシウム及び不溶性カルシウムが含まれることから、飲料中の不溶性カルシウムのみを回収して、定量分析する方法を確立した。
(試料の調製)
乳原料を使用して調製した試料A〜Dの不溶性カルシウム量を、下記(1)及び(2)の工程を含む分析方法により測定した。試料A〜Dには表4に理論値として示す量の炭酸カルシウムが含まれていた。対照として、炭酸カルシウムを含有しない試料を用いた。
(分析方法)
調製した試料A〜D及び対照試料の不溶性カルシウム量を、下記(1)及び(2)の工程を含む分析方法により測定した。
(1)可溶性カルシウム及び乳タンパク結合カルシウムと不溶性カルシウム(炭酸カルシウム)の分離
各試料(1g)を、1.5mL容のマイクロチューブ(エッペンチューブ)に量りとった。次いで、直前に調製したプロテイナーゼK(Worthington社製、40.8μ/mgDW)の2.0mg/mL水溶液を各チューブに50μLずつ加え、よく攪拌した。各チューブを55℃に60時間おき、酵素によりタンパク質を分解させた。反応後、20,000xg、10℃で30分間遠心し、乳脂肪等の浮遊物と上清を完全に除去した。沈殿物入りのマイクロチューブに80%ショ糖水溶液を1mL加え、マイクロピペット用チップで攪拌し、さらにvortexして沈殿物をよく分散させた。再度、20,000xg、10℃で30分間遠心し、浮遊物および上清を完全に除去した。
(2)不溶性カルシウムの溶解
工程(1)で得られた試料に、0.1%硝酸を1mL程度加え、マイクロピペット用チップでよく攪拌し、さらにvortexして沈殿物を完全に分散させた。炭酸カルシウムは硝酸に溶けてCO2の泡が発生するため、この泡の発生が完全に終了するまで攪拌を繰り返した。さらに、全体が250mLになるよう0.1%硝酸で希釈し、ICP−OESにてカルシウム量を定量した。カルシウム量から炭酸カルシウム量を換算し、回収率を表4に示した。また、炭酸カルシウムの溶媒への溶解分(溶解ロス)を勘案した回収率も、併せて表4に示した。
(分析結果)
表4に示されるように、炭酸カルシウムの回収率は80%を超えており、本分析方法を、飲料中の炭酸カルシウム量、さらには飲料中の不溶性カルシウム量の定量分析に応用できることが判明した。
Claims (6)
- 飲料を容器詰めした0〜10℃保存用の容器詰飲料であって、
ここで、該飲料は液状部分と固体部分とからなり、
該液状部分がチキソトロピー性を示し、かつ以下の(i)〜(iv)の特徴を備える:
(i)乳原料由来の脂質及びタンパク質を含み、
(ii)液状部分の全固形分の合計重量が、液状部分全体量に対して、19重量%以上であり、
(iii)50〜600mg/100gの不溶性カルシウムを含有し、
(iv)液状部分の含量は、飲料全体量の20〜85重量%である;
そして、
該固体部分の含量は、飲料全体量の15〜80重量%である、
上記容器詰飲料。 - 前記飲料のカロリーが、70kcal/100g以上である、請求項1に記載の容器詰飲料。
- 前記不溶性カルシウムの含量が50〜400mg/100gである、請求項1又は2に記載の容器詰飲料。
- 前記固体部分がゼリー状である、請求項3に記載の容器詰飲料。
- 前記飲料のpHが、4.5〜7.5である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の容器詰飲料。
- 0〜10℃保存用の容器詰飲料の製造方法であって、
当該製造方法が、
不溶性カルシウム及びその他の原料を混合して調製した液状部分を含む飲料を調製する工程;及び
得られた飲料を容器詰めする工程;
を含み、
ここで、該飲料が液状部分と固体部分とからなり、該液状部分がチキソトロピー性を示し、以下の(i)〜(iv)の特徴を備える:
(i)乳原料由来の脂質及びタンパク質を含み、
(ii)液状部分の全固形分の合計重量が、液状部分全体量に対して、19重量%以上であり、
(iii)50〜600mg/100gの不溶性カルシウムを含有し、
(iv)液状部分の含量は、飲料全体量の20〜85重量%である;
そして、
該固体部分の含量は、飲料全体量の15〜80重量%である、
上記製造方法。
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