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JP6662882B2 - ケイ素含有三元金属間化合物からハロシランを生成する方法 - Google Patents
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ケイ素含有三元金属間化合物からハロシランを生成する方法 Download PDF

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Description

本願は、米国特許法第119条(e)の下で、2014年12月18日出願の米国特許仮出願第62/093,487号の利益を主張する。米国特許仮出願第62/093,487号は、参照により本明細書に組み込まれる。
ハロシランを調製する方法は、当該技術分野において既知である。典型的には、ハロシランは、銅触媒及び様々な任意の促進剤の存在下でハロゲン化化合物を0価ケイ素(Si)に通すことを含む、Mueller−Rochow直接法によって商業的に生成する。ハロシランの混合物は、直接法によって生成する。不飽和ヒドロカルビルハロゲン化物を使用した場合、オルガノハロシランの混合物が直接法によって生成する。ハロゲン化水素を使用した場合、ヒドリドハロシランの混合物が直接法によって生成する。
直接法で使用されるSiを作製する典型的な方法は、電気アーク炉でSiOを炭素熱還元することからなる。SiOの還元には極めて高い温度が必要とされるので、上記の方法はエネルギー集約型である。結果として、Siの生成は、ハロシランを生成するための直接法のコストを増大させる。したがって、Siを使用する必要性を回避又は低減する、より経済的なハロシランの生成方法が必要とされている。
様々なハロシランは、様々な産業で利用されている。ジオルガノジハロシラン、例えば、ジメチルジクロロシランは、加水分解されて広範なポリオルガノシロキサン、例えば、ポリジオルガノシロキサンを生成する。オルガノヒドリドハロシランを用いて、ポリオルガノヒドリドシロキサンを作製することができ、これは、防水剤として有用である。あるいは、オルガノヒドリドハロシランは、他のオルガノハロシランを作製するための原材料として用いることができる。したがって、所望のハロシランを選択的に生成する方法が必要とされている。
ハロシランを含む反応生成物を調製する方法は、不飽和ヒドロカルビルハロゲン化物と、銅(Cu)、ケイ素(Si)、並びに銀(Ag)、コバルト(Co)、クロム(Cr)、鉄(Fe)、モリブデン(Mo)及びロジウム(Rh)からなる群から選択される遷移金属を含む三元金属間化合物と、を300℃〜700℃の温度で接触させて、反応生成物を形成すること、を含み、前記ハロシランが、一般式R SiX(4−m−n−o)(式中、各Rは、独立して、飽和一価ヒドロカルビル基であり、各Rは、独立して、不飽和一価ヒドロカルビル基であり、各Xは、独立して、ハロゲン原子であり、下付き文字mは、1、2又は3であり、下付き文字nは、0、1又は2であり、下付き文字oは、0、1又は2であり、量(m+n+o)は、1、2又は3である。)を有する。
発明の概要及び要約は、参照により本明細書に組み込まれる。全ての比、パーセント及び他の量は、特に指定のない限り、重量による。冠詞「a」、「an」及び「the」は、各々、明細書の文脈によって特に指示されない限り、1つ以上を指す。接頭語「ポリ」は、1つより多くを意味する。本明細書で使用する略記を以下の表1に定義する。
「アルキル」は、非環式、分枝状又は非分枝状、飽和一価炭化水素基を意味する。アルキル基の例としては、Me、Et、Pr、1−メチルエチル、Bu、1−メチルプロピル、2−メチルプロピル、1,1−ジメチルエチル、1−メチルブチル、1−エチルプロピル、ペンチル、2−メチルブチル、3−メチルブチル、1,2−ジメチルプロピル、2,2−ジメチルプロピル、ヘキシル、ヘプチル、2−エチルヘキシル、オクチル、ノニル及びデシルが挙げられる。アルキル基は、少なくとも1個の炭素原子を有する。あるいは、アルキル基は、1〜12個の炭素原子、あるいは1〜10個の炭素原子、あるいは1〜6個の炭素原子、あるいは1〜4個の炭素原子、あるいは1〜2個の炭素原子、あるいは1個の炭素原子を有していてよい。
「アラルキル」及び「アルカリール」は、それぞれ、ペンダント及び/若しくは末端アリール基を有するアルキル基、又はペンダントアルキル基を有するアリール基を指す。例示的なアラルキル基としては、ベンジル、トリル、キシリル、フェニルエチル、フェニルプロピル及びフェニルブチルが挙げられる。アラルキル基は、少なくとも4個の炭素原子を有する。単環式アラルキル基は、4〜12個の炭素原子、あるいは4〜9個の炭素原子、あるいは4〜7個の炭素原子を有していてよい。多環式アラルキル基は、7〜17個の炭素原子、あるいは7〜14個の炭素原子、あるいは9〜10個の炭素原子を有していてよい。
「アルケニル」は、二重結合を有する、非環式、分枝状又は非分枝状、不飽和一価炭化水素基を意味する。アルケニル基は、Vi、アリル、プロペニル及びヘキセニルを含む。アルケニル基は少なくとも2個の炭素原子を有する。あるいは、アルケニル基は、2〜12個の炭素原子、あるいは2〜10個の炭素原子、あるいは2〜6個の炭素原子、あるいは2〜4個の炭素原子、あるいは2個の炭素原子を有してもよい。
「アルキニル」は、三重結合を有する、非環式、分枝状又は非分枝状、不飽和一価炭化水素基を意味する。アルキニル基は、エチニル及びプロピニルを含む。アルキニル基は、少なくとも2個の炭素原子を有する。あるいは、アルキニル基は、2〜12個の炭素原子、あるいは2〜10個の炭素原子、あるいは2〜6個の炭素原子、あるいは2〜4個の炭素原子、あるいは2個の炭素原子を有していてよい。
「アリール」は、環式、完全不飽和炭化水素基を意味する。アリールは、Ph及びナフチルによって例示されるが、これらに限定されない。アリール基は、少なくとも5個の炭素原子を有する。単環式アリール基は、6〜9個の炭素原子、あるいは6〜7個の炭素原子、あるいは6個の炭素原子を有していてよい。多環式アリール基は、10〜17個の炭素原子、あるいは10〜14個の炭素原子、あるいは12〜14個の炭素原子を有していてよい。
「炭素環」及び「炭素環式」は、炭化水素環を指す。炭素環は、単環式であってもよく、あるいは縮合環、架橋環又はスピロ多環式環であってもよい。炭素環は、少なくとも3個の炭素原子を有する。単環式炭素環は、3〜9個の炭素原子、あるいは4〜7個の炭素原子、あるいは5〜6個の炭素原子を有していてよい。多環式炭素環は、7〜17個の炭素原子、あるいは7〜14個の炭素原子、あるいは9〜10個の炭素原子を有していてよい。炭素環は、飽和であっても部分的に不飽和であってもよい。
「シクロアルキル」は、飽和炭素環を含む飽和炭化水素基を指す。シクロアルキル基は、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル及びメチルシクロヘキシルによって例示される。シクロアルキル基は、少なくとも3個の炭素原子を有する。単環式シクロアルキル基は、3〜9個の炭素原子、あるいは4〜7個の炭素原子、あるいは5〜6個の炭素原子を有していてよい。多環式シクロアルキル基は、7〜17個の炭素原子、あるいは7〜14個の炭素原子、あるいは9〜10個の炭素原子を有していてよい。
「金属(Metallic)」とは、その金属が酸化数0を有することを意味する。
「パージ」は、不必要な気体又は液体材料を除去するために、三元金属間化合物を含有する反応器に気流を導入することを意味する。
「滞留時間」とは、連続プロセスでは材料が反応器系を通過するのにかかる時間、又はバッチプロセスでは材料が反応器内で費やす時間を意味する。例えば、滞留時間は、連続プロセスでは三元金属間化合物が反応器系を通過するときに1反応器容量の三元金属間化合物が不飽和ヒドロカルビルハロゲン化物と接触している間、又はバッチプロセスでは三元金属間化合物が反応器内に置かれている間の時間を指し得る。あるいは、滞留時間は、1反応器容量の反応物質気体が三元金属間化合物を仕込んだ反応器を通過するのにかかる時間、例えば、1反応器容量の不飽和ヒドロカルビルハロゲン化物が三元金属間化合物を仕込んだ反応器を通過するのにかかる時間を指し得る。
「処理」とは、不飽和ヒドロカルビルハロゲン化物と接触させる前に、三元金属間化合物を含有する反応器に気流を導入して、三元金属間化合物を前処理することを意味する。
ハロシランを含む反応生成物を調製する方法は、不飽和ヒドロカルビルハロゲン化物と三元金属間化合物とを300℃〜700℃の温度で接触させて、反応生成物を形成すること、を含む。不飽和ヒドロカルビルハロゲン化物は、式RX(式中、各Rは、独立して、不飽和一価ヒドロカルビル基であり、各Xは、独立して、ハロゲン原子である。)を有し得る。三元金属間化合物は、銅(Cu)、ケイ素(Si)、並びに銀(Ag)、コバルト(Co)、クロム(Cr)、鉄(Fe)、モリブデン(Mo)及びロジウム(Rh)からなる群から選択される遷移金属を含む。反応生成物は、一般式R SiX(4−m−n−o)(式中、各Rは、独立して、飽和一価ヒドロカルビル基であり、各Rは、独立して、不飽和一価ヒドロカルビル基であり、各Xは、独立して、ハロゲン原子であり、下付き文字mは、1、2又は3であり、下付き文字nは、0、1又は2であり、下付き文字oは、0、1又は2であり、量(m+n+o)は、1、2又は3である。)のハロシランを含む。
式RXの不飽和ヒドロカルビルハロゲン化物では、Rは、上に定義したとおり、アルケニル及びアルキニルからなる群から選択してよい。あるいは、Rは、アルケニル基であってもよい。Rのアルケニル基は、2〜10個の炭素原子、あるいは2〜6個の炭素原子、あるいは2〜4個の炭素原子、あるいは2個の炭素原子を有していてよい。少なくとも3個の炭素原子を含有するアルケニル基は、分枝状又は非分枝状構造を有していてよい。あるいは、Rは、ビニル又はアリルであってもよい。あるいは、Rは、ビニルであってもよい。Xの各ハロゲン原子は、独立して、Br、Cl又はI、あるいはBr又はCl、あるいはClから選択してよい。不飽和ヒドロカルビルハロゲン化物の例としては、塩化ビニル、臭化ビニル、ヨウ化ビニル、塩化アリル、臭化アリル及びヨウ化アリルが挙げられるが、これらに限定されない。
三元金属間化合物は、Cu、Si、並びにAg、Co、Cr、Fe、Mo及びRhから選択される遷移金属を含む。三元金属間化合物は、実験式CoCuSiAgCrFeMoRh(式中、下付き文字b、c、d、e、f、g及びhは、存在する各元素のモル量を表し、a≧0、b>0、c>0、d≧0、e≧0、f≧0、g≧0及びh≧0であるが、ただし、a、d、e、f、g及びhのうちの少なくとも1つは0ではない。)を有し得る。三元金属間化合物では、b>cである。あるいは、2.5≦b≦8、c=1、かつa、d、e、f及びgのうちの1つは0よりも大きい。あるいは、遷移金属は、Ag、Cr、Fe及びMoからなる群から選択してよい。あるいは、遷移金属は、Cr及びFeから選択してよい。あるいは、遷移金属は、Cr、Fe及びRhから選択してよい。あるいは、遷移金属は、Crであってよい。あるいは、三元金属間化合物は、式(M)(CuSi)(式中、Mは、Ag、Co、Cr、Fe、Mo及びRhから選択される遷移金属である。)を有し得る。下付き文字iは、遷移金属のモル量を表し、0<i≦1である。下付き文字kは、ケイ素に対する銅のモル量を表し、2.5≦b≦8である。あるいは、3≦k≦5である。下付き文字jは、遷移金属の量に対する銅及びケイ素の合計モル量を表し、jは、量(i+j)=100になるのに十分な値を有する。例示的な三元金属間化合物としては、(Cu、Si及びAg)、(Cu、Si及びCo)、(Cu、Si及びCr)、(Cu、Si及びFe)、(Cu、Si及びMo)、並びに(Cu、Si及びRh)の三元金属間化合物が挙げられる。あるいは、三元金属間化合物は、式(M:Cu(1−m)Si(式中、Mは、上記のとおりである。)を有し得る。下付き文字0<m≦0.01、あるいは、0.001≦m≦0.01かつ2.5≦n≦8である。あるいは、Mは、Ag、Cr、Fe及びMoからなる群から選択される。あるいは、Mは、Ag、Cr及びMoからなる群から選択される。あるいは、Mは、Crである。例示的な三元金属間化合物としては、(Ag0.01Cu0.99Si、(Cr0.01Cu0.99Si、(Fe0.01Cu0.99Si、(Mo0.01Cu0.99Si、(Rh0.01Cu0.99Si、(Co0.01Cu0.99Si、(Ag0.01Cu0.99Si、(Co0.01Cu0.99Si、(Rh0.01Cu0.99Si、(Cr0.01Cu0.99Si、(Fe0.01Cu0.99Si、(Mo0.01Cu0.99Si、(Ag0.01Cu0.99Si、(Cr0.01Cu0.99Si、(Fe0.01Cu0.99Si、(Mo0.01Cu0.99Si、(Co0.01Cu0.99Si及び(Rh0.01Cu0.99Siが挙げられる。三元金属間化合物は、市販されている。あるいは、三元金属間化合物は、従来の方法によって、例えば、電気アーク溶融装置などの加熱装置を用いて所定の化学量論組成の個々の元素の溶融物から調製してもよい。あるいは、三元金属間化合物により、ケイ素粒子に2つの金属ハロゲン化物を真空含浸させて混合物を生成し、不活性雰囲気下で当該混合物を機械化学的に加工し、それによって、三元金属間化合物を含む反応生成物を生成すること、を含む、方法によって調製してもよい。上記三元金属間化合物は、このようにして調製してよい。
上記方法では、不飽和ヒドロカルビルハロゲン化物と三元金属間化合物とを接触させている間に追加の反応物質を添加してよい。追加の反応物質は、水素(H)、飽和ヒドロカルビルハロゲン化物又はこれらの両方であってよい。飽和ヒドロカルビルハロゲン化物は、式RX(式中、R及びXは、上記のとおりである。)を有し得る。あるいは、Rは、1〜10個の炭素原子、あるいは1〜6個の炭素原子、あるいは1〜4個の炭素原子のアルキル基であってもよい。Rは、Me、Et、Pr又はBuであってもよく、あるいは、Rは、Me又はEtであってもよい。飽和ヒドロカルビルハロゲン化物の例としては、塩化メチル及び塩化エチルが挙げられる。
上記の方法は、気体と固体とを合わせるのに好適な任意の反応器、又は液体と固体とを合わせるのに好適な任意の反応器内で実施してよい。例えば、反応器の構成は、バッチ容器、充填床、撹拌床、振動床、移動床、再循環床又は流動床であってよい。あるいは、反応器は、充填床、撹拌床又は流動床であってよい。反応を促進するために、反応器は、反応領域の温度を制御する手段を有していなければならない。
三元金属間化合物と不飽和ヒドロカルビルハロゲン化物とを接触させる温度は、少なくとも300℃、あるいは300℃〜700℃、あるいは300℃〜600℃、あるいは300℃〜500℃、あるいは500℃〜700℃、あるいは600℃〜700℃、あるいは500℃〜600℃、あるいは300℃〜320℃、あるいは350℃〜400℃、あるいは370℃〜400℃、あるいは300℃〜400℃である。理論に束縛されるものではないが、温度が300℃未満である場合、所望の生成物を生成するのに十分な速度で反応が進行しない場合があり、温度が700℃を超える場合、不飽和ヒドロカルビルハロゲン化物、及び/又は反応生成物中のハロシランが分解する場合があると考えられる。
不飽和ヒドロカルビルハロゲン化物(及び存在する場合、H)を三元金属間化合物と接触させる圧力は、大気圧未満、大気圧又は大気圧超であってよい。例えば、圧力は、0キロパスカルゲージ(kPag)〜2000kPag、あるいは100kPag〜1000kPag、あるいは100kPag〜800kPagの範囲であり得る。
水素(H)を添加する場合、三元金属間化合物と接触させる不飽和ヒドロカルビルハロゲン化物に対するHのモル比は、10,000:1から0.01:1まで、あるいは100:1から1:1まで、あるいは20:1から5:1まで、あるいは20:1から4:1まで、あるいは20:1から2:1まで、あるいは20:1から1:1まで、あるいは4:1から1:1までの範囲であり得る。
不飽和ヒドロカルビルハロゲン化物(及び存在する場合、H)の滞留時間は、不飽和ヒドロカルビルハロゲン化物(及び存在する場合、H)が三元金属間化合物と接触し、反応生成物を形成するのに十分である。例えば、十分な滞留時間は、少なくとも0.01秒、あるいは少なくとも0.1秒、あるいは0.1秒〜10分、あるいは0.1秒〜1分、あるいは0.5秒〜10秒であり得る。所望の滞留時間は、不飽和ヒドロカルビルハロゲン化物(及び存在する場合、H)の流速を調節することによって、又は総反応器容積を調節することによって、又はこれらの任意の組合せによって達成できる。
水素(H)を使用する場合、不飽和ヒドロカルビルハロゲン化物及びHを同時に反応器に供給してもよいが、別個のパルス又は別個の流れによるなど他の合わせる方法も想定される。
三元金属間化合物は、十分な量で存在する。十分な量の三元金属間化合物とは、不飽和ヒドロカルビルハロゲン化物(及び存在する場合、H)を三元金属間化合物と接触させたときにハロシランを形成するのに十分な三元金属間化合物である。例えば、十分な量の三元金属間化合物は、反応器容積1cmあたり少なくとも0.01mgの三元金属間化合物、あるいは反応器容積1cmあたり少なくとも0.5mgの三元金属間化合物、あるいは反応器容積1cmあたり1mg〜10,000mgの三元金属間化合物であってよい。
上記の方法を実施する時間に上限はない。例えば、上記の方法は、少なくとも0.1秒、あるいは1秒〜30時間、あるいは1分〜8時間、あるいは1時間〜5時間、あるいは3時間〜30時間実施してよい。
不飽和ヒドロカルビルハロゲン化物が標準的な温度及び圧力(又は目的のために選択された温度及び圧力)以下の液体である場合、上記の方法は、不飽和ヒドロカルビルハロゲン化物を三元金属間化合物と接触させる前に、公知の方法、例えば、予熱によって不飽和ヒドロカルビルハロゲン化物を気化させること、を更に含んでいてよい。あるいは、上記の方法は、水素及び不飽和ヒドロカルビルハロゲン化物を三元金属間化合物と接触させる前に、液体不飽和ヒドロカルビルハロゲン化物に水素を吹き込んで、不飽和ヒドロカルビルハロゲン化物を気化させること、を更に含んでいてもよい。
不飽和ヒドロカルビルハロゲン化物が標準的な温度及び圧力以下の固体である場合、上記の方法は、三元金属間化合物と接触させる前に、不飽和ヒドロカルビルハロゲン化物を、融点を上回る温度まで予熱し、液化又は気化させることを更に含んでいてよい。
本明細書に記載の方法は、不飽和ヒドロカルビルハロゲン化物を三元金属間化合物と接触させる前に、パージ及び/又は処理することを更に含んでいてよい。「パージ」及び「処理」は、上に定義したとおりである。この工程は、三元金属間化合物を含有する反応器に不活性気流を導入することを含む。パージ及び/又は処理は、周囲温度又は高温、例えば、少なくとも25℃、あるいは少なくとも300℃、あるいは25℃〜500℃、あるいは300℃〜500℃で実施してよい。パージは、H、O、HO及び/又はHX(式中、Xは上に定義したとおりである。)などの不必要な物質を除去するために実施してよい。パージ及び/又は処理は、N若しくはArなどの不活性気体、又はH若しくは不飽和ヒドロカルビルハロゲン化物などの反応性気体を用いて行ってよい。
あるいは、上記の方法は、不飽和ヒドロカルビルハロゲン化物と接触させる前及び/又は接触させている間に、三元金属間化合物をHと接触させること、を更に所望により含んでいてよい。Hを不飽和ヒドロカルビルハロゲン化物流に添加してもよい。あるいは、H及び不飽和ヒドロカルビルハロゲン化物を別個の流れで反応器に並行して添加してもよい。
上記の方法は、反応生成物からハロシランを回収すること、を更に含んでいてよい。ハロシランは、例えば、反応器からガス状生成物を除去し、続いて蒸留によって分離することにより、反応生成物から回収することができる。本明細書に記載及び例示する方法によって生成する上記の反応生成物は、一般式R SiX(4−m−n−o)(式中、各Rは、独立して、飽和一価ヒドロカルビル基であり、各Rは、独立して、不飽和一価ヒドロカルビル基であり、各Xは、独立して、ハロゲン原子であり、下付き文字mは、1、2又は3であり、下付き文字nは、0、1又は2であり、下付き文字oは、0、1又は2であり、量(m+n+o)は、1、2又は3である。)のハロシランを含み得る。
本明細書に記載する方法により、選択的にハロシランを生成する。本明細書の記載を用いて、所望のハロシラン種を生成するためのプロセス条件(例えば、三元金属間化合物中の遷移金属の選択、三元金属間化合物中の各金属の相対量、プロセス温度、及び選択する不飽和ヒドロカルビルハロゲン化物、及び三元金属間化合物と不飽和ヒドロカルビルハロゲン化物とを接触させている間にHを添加するかどうか)を選択することができる。例えば、遷移金属がAgであり、各Xが塩素原子であり、Rがエチルであり、Rがビニルであるとき、反応生成物は、式ViSiCl、ViSiCl、ViEtSiCl、ViSiCl、EtSiCl及びViHSiClのハロシランの混合物を含み得る。
あるいは、遷移金属がCrであり、各Xが塩素原子であり、Rがエチルであり、Rがビニルであるとき、反応生成物は、式ViEtSiCl、EtSiCl、EtSiCl及びViSiClのハロシランの混合物を含み得る。あるいは、接触中に水素を添加しないとき、反応生成物は、式ViSiCl、ViSiCl、ViEtSiCl、ViHSiCl、EtSiCl、ViSiCl及びEtSiClのハロシランを含み得る。あるいは、遷移金属がCrであり、各Xが塩素原子であり、Rがエチルであり、Rがビニルであり、接触中に水素を添加するとき、反応生成物は、式ViEtSiCl、EtSiCl、ViSiCl、EtSiCl及びEtHSiClのハロシランの混合物を含み得る。
あるいは、遷移金属がFeであり、各Xが塩素原子であり、Rがエチルであり、Rがビニルであるとき、反応生成物は、式ViSiCl、ViEtSiCl、EtSiCl、ViSiCl、EtSiCl及びViHSiClのハロシランの混合物を含み得る。
あるいは、遷移金属がMoであり、各Xが塩素原子であり、Rがエチルであり、Rがビニルであるとき、反応生成物は、式ViSiCl、ViEtSiCl、EtSiCl、ViSiCl、EtSiCl3、ViHSiCl及びEtHSiClのハロシランの混合物を含み得る。
本明細書に記載する方法は、不飽和ヒドロカルビルハロゲン化物における不飽和ヒドロカルビル基(R)の少なくとも一部がハロシランにおける飽和ヒドロカルビル基(R)に変換されるという点で予想外の利点を提供し、この有益な技術的効果は、不飽和ヒドロカルビルハロゲン化物を三元金属間化合物と接触させている間に追加の反応物質(すなわち、水素及び/又は不飽和ヒドロカルビルハロゲン化物)を添加しない場合でさえも観察される。
これら実施例は、本発明のいくつかの実施形態を説明することを意図しており、特許請求の範囲に記載された本発明の範囲を限定すると解釈すべきではない。
全ての反応は、加熱に用いる0.95cm(3/8”)ステンレス管内部の0.64cm(1/4”)石英管反応器において実行した。反応器の流出液をGCで分析し、個々の有機成分及び他の副生成物は定量しなかった。塩化ビニル(VCM)のシランへの変換を表1に報告する。組成が(M:Cu)Si(式中、Mは遷移金属を表す。)であり、遷移金属:銅のモル比が1:99である三元金属間化合物のサンプルを調製した。各三元金属間化合物を反応器に入れ、300℃の温度で塩化ビニルと接触させた。塩化ビニルは、5sccmの速度で反応器に供給した。反応器内の圧力は、6.89kPag(1psi)であった。三元金属間化合物は、各実施例において反応器に0.25gのSiを提供するのに十分な量で存在していた。金属にアスタリスク「」が示されている場合、これは10sccmのHコフィードを塩化ビニルと共に反応器に供給したことを示す。用いた遷移金属及び結果を以下の表1に示す。
これら実施例は、たとえ最適化されていない反応条件であっても、本発明の方法を用いて著しい塩化ビニル変換(5%以上)が観察され、各例において、塩化ビニルによって提供されるビニル基の、反応生成物のハロシラン中のエチル基への変換が観察されたことを示す。遷移金属としてAlを用いた比較例では、この例で試験した条件下で反応生成物は形成されなかった。遷移金属としてMnを用いた比較例では、塩化ビニル由来のビニル基の、反応生成物のハロシラン中のエチル基への変換は観察されなかった。遷移金属としてZnを用いた比較例では、塩化ビニルと三元金属間化合物との反応がわずか0.4%の量でしか生じなかったので、試験した条件下においてこの三元金属間化合物では、商業的規模の生産方法として不十分な反応性が観察された。これら実施例は、評価した条件下で塩化ビニルが特定の三元金属間化合物と反応することを示す。三元金属間化合物中に存在する特定の遷移金属を用いると、塩化ビニルによって提供されるビニル基の少なくとも一部を反応生成物のハロシラン中のエチル基へ変換するという有益な効果が本明細書に記載の方法によって達成される。
様々な実施形態の特定の特徴又は態様を記載するために本明細書が依拠するマーカッシュ群に関して、他の全てのマーカッシュ要素から独立したそれぞれのマーカッシュ群の各要素から、異なる、特別な及び/又は予期しない結果が得られる可能性があることが理解されるべきである。マーカッシュ群の各要素は、添付の特許請求の範囲内の特定の実施形態が個別に及び/又は組み合わせて依拠することがあり、適切な根拠を提供する。
また、本開示の種々の実施形態を記載する際に依存する任意の範囲及び部分範囲が、添付の特許請求の範囲内に個別かつ集合的に入ることも理解されるべきであり、またかかる値が明白に記載されていない場合でも、全体及び/又は部分値を含む全ての範囲を記載し、考慮することが理解される。列挙された範囲及び部分範囲が十分に本開示の種々の実施形態を記述し可能にすること、このような範囲及び部分範囲は、更に、関連する半分、3分の1、4分の1、5分の1などと表現できる。ほんの一例として、範囲「300〜700」は、下から3分の1、即ち、300〜433、中間の3分の1、即ち、434〜566及び上から3分の1、すなわち、567〜700と更に詳述でき、これらは、個別的かつ集合的に添付の特許請求の範囲内であり、添付の特許請求の範囲内の特定の実施形態が個別的及び/又は集合的に依拠することがあり、適切な根拠を提供し得る。更に、「少なくとも」、「より大きい」、「未満」、「以下」などの範囲を定義又は修飾する用語に関して、このような用語が部分範囲及び/又は上限若しくは下限を含むことを理解されたい。別の例として、「少なくとも0.1%」の範囲は、本質的に、0.1%〜35%の部分範囲、10%〜25%の部分範囲、23%〜30%の部分範囲などを含み、各部分範囲は、添付の特許請求の範囲内の特定の実施形態が個別的及び/又は集合的に依拠することがあり、適切な根拠を提供する。最終的には、開示された範囲内の個々の数は、添付の特許請求の範囲内の特定の実施形態が依拠することがあり、適切な根拠を提供する。例えば、範囲「1〜9」は、様々な個々の整数、例えば、3、並びに小数点(又は分数)を含む個別の数、例えば、4.1を含み、これは添付の特許請求の範囲内の特定の実施形態が依拠することがあり、適切な根拠を提供する。
独立請求項及び従属請求項(単一項従属及び多数項従属の両方とも)の全ての組合せの主題が明白に想到されるが、簡潔にするために詳細には記載されていない。本開示は例示的に記載したものであり、使用されている用語は、限定ではなく説明の言葉としての性質を持つものであることが理解されるべきである。前述した教示に照らして本開示の多くの修正形態及び変形形態が可能であり、本開示は、具体的に記述されているものとは異なる方法で実施することができる。

Claims (15)

  1. ハロシランを含む反応生成物、を調製する方法であって、
    不飽和ヒドロカルビルハロゲン化物と、
    銅、ケイ素、並びに銀、クロム、鉄、モリブデン及びロジウムからなる群から選択される遷移金属を含む三元金属間化合物と、
    を300℃〜700℃の温度で接触させて、前記反応生成物を形成すること、を含み、
    前記ハロシランが、一般式R SiX(4−m−n−o)
    (式中、各Rは、独立して、飽和一価ヒドロカルビル基であり、各Rは、独立して、不飽和一価ヒドロカルビル基であり、各Xは、独立して、ハロゲンであり、下付き文字mは、1、2又は3であり、下付き文字nは、0、1又は2であり、下付き文字oは、0、1又は2であり、量(m+n+o)は、1、2又は3である。)
    を有し、
    前記不飽和ヒドロカルビルハロゲン化物における不飽和ヒドロカルビル基の少なくとも一部を、前記ハロシランにおける飽和ヒドロカルビル基に変換する、方法。
  2. 請求項1に記載の方法であって、
    前記不飽和ヒドロカルビルハロゲン化物と前記三元金属間化合物とを接触させる前に、前記三元金属間化合物を含有する反応器をパージ及び/又は処理する工程、及び/又は
    前記不飽和ヒドロカルビルハロゲン化物と前記三元金属間化合物とを接触させる前に、前記不飽和ヒドロカルビルハロゲン化物を気化させる工程、及び/又は
    前記不飽和ヒドロカルビルハロゲン化物と前記三元金属間化合物とを接触させる前に、前記不飽和ヒドロカルビルハロゲン化物を液化させる工程、及び/又は
    前記三元金属間化合物と前記不飽和ヒドロカルビルハロゲン化物とを接触させる前に、前記三元金属間化合物をHと接触させる工程、及び/又は
    前記反応生成物から前記ハロシランを回収する工程、
    から選択される前記1つ以上の工程を更に含む、請求項1に記載の方法。
  3. 前記不飽和ヒドロカルビルハロゲン化物と前記三元金属間化合物とを接触させている間に、水素を添加すること、を更に含む、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 前記遷移金属がAgであり、各Rがエチルであり、各Rがビニルであり、各Xがクロロである、請求項1又は2に記載の方法。
  5. 前記反応生成物が、式ViSiCl、Vi SiCl、ViEtSiCl、ViSiCl、EtSiCl及びViHSiCl(式中、Viは、ビニルを表し、Etは、エチルを表す。)のハロシランを含む、請求項4に記載の方法。
  6. 前記遷移金属がCrであり、各Rエチルであり、各Rビニルであり、各Xがクロロである、請求項1又は2に記載の方法。
  7. 前記反応生成物が、式ViSiCl、Vi SiCl、ViEtSiCl、ViSiCl、EtSiCl及びViHSiCl(式中、Viは、ビニルを表し、Etは、エチルを表す。)のハロシランを含む、請求項6に記載の方法。
  8. 前記遷移金属がFeであり、各Rエチルであり、各Rビニルであり、各Xがクロロである、請求項1又は2に記載の方法。
  9. 前記反応生成物が、式ViSiCl、ViEtSiCl、EtSiCl、ViSiCl、EtSiCl及びViHSiCl(式中、Viは、ビニルを表し、Etは、エチルを表す。)のハロシランを含む、請求項8に記載の方法。
  10. 前記遷移金属がMoであり、各Rエチルであり、各Rビニルであり、各Xがクロロである、請求項1又は2に記載の方法。
  11. 前記反応生成物が、式ViSiCl、ViEtSiCl、EtSiCl、ViSiCl、EtSiCl、ViHSiCl及びEtHSiCl(式中、Viは、ビニルを表し、Etは、エチルを表す。)のハロシランを含む、請求項10に記載の方法。
  12. 前記遷移金属がRhであり、各Rエチルであり、各Rビニルであり、各Xがクロロである、請求項1又は2に記載の方法。
  13. 前記反応生成物が、式ViSiCl、EtSiCl、ViHSiCl及びEtHSiCl(式中、Viは、ビニルを表し、Etは、エチルを表す。)のハロシランを含む、請求項12に記載の方法。
  14. 前記不飽和ヒドロカルビルハロゲン化物と前記三元金属間化合物とを接触させている間に、飽和ヒドロカルビルハロゲン化物を添加すること、を更に含む、請求項1又は2に記載の方法。
  15. ポリジオルガノシロキサン及び/又はポリオルガノヒドリドシロキサンを含む反応生成物を調製する方法であって、
    請求項1又は2に記載の方法によってジオルガノジハロシラン及び/又はオルガノヒドリドハロシランを含む反応生成物を調製する工程と、
    前記反応生成物を加水分解及び縮合させて、前記ポリジオルガノシロキサン及び/又はポリオルガノヒドリドシロキサンを含む反応生成物を生成させる工程と
    を含む、方法。
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