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JP6663782B2 - 細孔膜を備えた参照電極 - Google Patents
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JP6663782B2 - 細孔膜を備えた参照電極 - Google Patents

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Description

本発明は、電気化学センサの分野に関する。特に、例えば最小化のような、制限されたドリフトを有する参照電極に関する。
電位差センサは、溶液中の化学的または生化学的な化合物を検出するために使用される。そのような電位差センサは、特定されるイオンの濃度と共に変化する電圧を生じる電気化学的センサである。pHセンサは、そのような電位差センサの一例である。電位差センサは、通常、イオン選択性電極と参照電極とを含む。参照電極は、イオン選択性電極のための参照電位として使用される電位を有する。イオン選択性電極と参照電極との間の電位差が、イオン選択性電極が敏感である化合物の濃度の測定値である。重要な条件は、参照電圧が安定でかつ一定であることである。
操作時、イオン選択性電極と共に参照電極が試験される溶液に浸される。適切な操作のために、参照電極の電位は溶液の成分に依存すべきでない。
一般に使用されるタイプの参照電極は、塩化銀電極(Ag/AgCl)である。この電極は、固定された塩素濃度(例えば3モルKCl)を有する貯蔵器と接触した場合、固定された電位を有する。そのような従来技術の参照電極の例が図1に示される。図1はAg/AgClワイヤ110を含む従来技術の参照電極を示し、例えば3モルKCl(参照電極電解液)のような所定の塩素濃度を含む貯蔵器120に浸される。電解質ブリッジまたは多孔質セラミックプラグは、測定される必要がある溶液から、参照電解液を分離する。図1の例示の参照電極では、電解質ブリッジは、バルク溶液から内部の貯蔵器120を分離する多孔質フリット(塩橋)である。イオンはこの接合を通り抜けることができ、それゆえにイオンコンタクトが形成される。Ag/AgCl電極の電位は、参照電解液中の塩素濃度に依存する。電解質ブリッジまたは多孔質セラミックプラグ130は、参照電極の液体とバルク溶液との間で塩素イオンが即座に移動するのを妨げる。もし参照電極が異なった塩素濃度の溶液に浸された場合、塩素イオンは電解質ブリッジを通って浸出する。参照電解液の体積に依存して、それらの浸出は参照電解液中の塩素濃度を変化させ、これにより参照電圧(ドリフト)を変化させる。図1の例では、貯蔵器は幾分大きいため、ドリフトは制限される。参照電圧を安定化する1つの方法は、参照電解液の体積を増やすことである。しかしながら、これは微細化された参照電圧では、定義によって電極の大きさが制限されるため、これは不可能である。
微細化された参照電極は、一般には、フォトリソグラフィ技術またはスクリーン印刷技術により形成され、アガロースまたはポリヒドロキシエチルメタクリレート(pHEMA)のようなハイドロゲルにより覆われる。Simonisらの ”Miniaturised reference electrodes for field-effect sensors compatible to silicon chip technology” Electrochimica Acta 51, volume 51, issue 5, 10 November 2005, 930-937頁により開発された例を図2に示す。図2は、シリコン層222と、それを覆うSiO層220と、それを覆うAg/AgCl層218のスタックを含むプリント回路基板216を示す。Ag/AgCl層218は、例えばアガロース(アガー)+KClまたはポリヒドロキシエチルメタクリレート(pHEMA)+KClのような、KClを含むハイドロゲル214により覆われる。ハイドロゲル層214は、PVC層でシールされ、PVC層はナフィオンまたはニトロセルロース層212により覆われる。
被覆されたハイドロゲル層214、210は、シール手段(例えばOリング)によりその側壁でシールされる。シーリング208は、Ag/AgCl層に対してシールされる。シーリング208の外側では、エポキシ樹脂204が提供され、これにより雰囲気からAg/AgCl電極の外側(シーリング208とハイドロゲル214により覆われない部分)がスクリーニングされる。シリコーン206は、エポキシ樹脂204、シーリング208、およびナフィオンまたはニトロセルロース層212を部分的に覆うように適用される。電気コンタクト202が、Ag/AgCl層218とコンタクトされ、電極218の電位の測定を可能にする。
参照電解液の体積を増加することなく、小型化された参照電極の安定性を増加させることが好ましい。小型化された参照電極についての多くの研究は、参照電解液(例えばハイドロゲル)の成分に焦点を当て、それを膜で覆って塩素イオンの外部拡散を遅くしている。それらの努力とは別に、小型化された参照電極の安定性を改良する余地がいまだに存在する。
本発明の具体例の目的は、例えば最小化のように制限されたドリフトを有する参照電極の提供を目的とする。
上記目的は、本発明にかかる方法およびデバイスにより達成される。
第1の形態では、本発明は、イオン選択性電極と共に、操作において、テストするためにバルク溶液に浸され、検出されるイオンの濃度を測定する、例えば電圧のような電気信号を形成する参照電極を提供する。本発明にかかる参照電極は、電解液で満たされた貯蔵器の体積を規定する貯蔵器壁を有する貯蔵器と、電解液と接触する、貯蔵器の中の電極とを含む貯蔵器は、例えば底、側壁、または可能であれば上壁のような少なくとも貯蔵器の1つの壁の、少なくとも1つの細孔を除いて閉じられ、少なくとも1つの細孔は、電解液で満たされて、貯蔵器中の電解液と参照電極が浸されるバルク溶液との間のイオンコンタクトが可能になるように適用される。
本発明の具体例の長所は、参照電極がバルク溶液に浸された場合に、参照電極の貯蔵器中の電解液がバルク溶液とイオンコンタクトすることである。本発明の具体例の長所は、細孔が、電解液とバルク溶液との間のイオンコンタクトを可能にするとともに、電解液から外にイオンが拡散するのを制限することである。本発明の具体例の特徴は、少なくとも1つの細孔の存在を除いて貯蔵器が閉じられ、これにより電解液から外へのイオンの拡散を制限することである。
本発明の具体例にかかる参照電極では、一方では細孔の断面積Aと電解液中のイオンの拡散係数Dとの積と、一方では細孔長さLと貯蔵器体積Vresとの積との間の比は、1より小さい。
(D*A)/(L*Vres)<1
本発明の具体例の長所は、細孔を通るイオンの拡散が、適切な細孔寸法を選択することにより制限できることである。本発明の具合例の長所は、本発明の具体例にかかる参照電極の安定性が、適切な体積の貯蔵器と組み合わせた適切な細孔寸法を選択することにより設計できることである。
本発明の具体例にかかる参照電極では、貯蔵器の壁は、基板、基板の上に配置された側壁、および側壁の上に配置されたキャップを含み、基板、側壁およびキャップは、共に貯蔵器を取り囲む。本発明の具体例では、側壁は例えば半導体材料のような一片の材料から形成されて、その中に孔がエッチングされ、その一片の材料は基板上に配置されても良い。孔の壁は、貯蔵器の側壁を形成する。特別な具体例では、基板および側壁は一体として形成されても良く、即ち同じ塊の材料から形成しても良い。本発明の具体例の長所は、参照電極が、標準のエッチング技術と微細加工技術を用いて形成できることである。
本発明の具体例では、少なくとも1つの細孔は基板中に配置されても良い。本発明のそのような具体例の長所は、細孔が標準的なエッチング技術を用いて作製できることである。
本発明のそれらの具体例または代わりの具体例では、少なくとも1つの細孔は、側壁中に位置しても良い。本発明の具体例の特徴は、そのような細孔が、エッチング技術またはモールディング技術を用いて作製できることである。
本発明の上記具体例または代わりの具体例では、少なくとも1つの細孔は、キャップの中に位置しても良いことである。本発明のそのような具体例の特徴は、少なくとも1つの細孔が、エッチング技術またはモールディング技術を用いて作製できることである。
本発明の具体例では、少なくとも1つの細孔は、蛇行構造を有する。本発明の具体例の長所は、この方法で、細孔の長さが増えることである。細孔の長さの拡張は、電解液からの拡散の減少となる。このように、貯蔵器の体積の増加なしに、参照電極の安定性を増加させることができる。蛇行する細孔の増加した長さのおかげで、貯蔵器、そしてこれにより参照電極の体積の減少も可能となり、一方で蛇行した細孔の無いセンサと比較して参照センサの安定性を維持または改良できる。
本発明の具体例では、電極はAgClから形成されても良い。代わりに、電極は、金属酸化物または金属から形成されても良い。本発明の具体例の長所は、イオンセンサ(例えばpHセンサ)として、参照電極の電極を使用できることである。酸化ルテニウム(RuO)や酸化イリジウム(IrO)のような金属酸化物は、pH感度が高く、それゆえに同じ材料が、参照電極と同様にpHイオンセンサにも使用できる。pH感度の高い金属酸化物の場合、電解液は例えばpH7のような一定のpHを有するpH溶液である。本発明の具体例の長所は、参照電極の長時間安定性が、電極をAgClから形成し、電解液を塩素溶液とする場合より、電極を金属酸化物から形成した場合の方が良好であることである。
本発明の具体例にかかる参照電極では、電解液はハイドロゲルでも良い。細孔を通るハイドロゲルの拡散は、水系の溶液の拡散より遅いため、ハイドロゲルの使用が有利である。
第2の形態では、本発明は、参照電極を作製する方法を提供する。本発明は、貯蔵器を形成する工程を含み、貯蔵器は細孔を含み、これにより、貯蔵器は1つの側で開いている工程と、電解液で貯蔵器を充填する工程と、その後に、貯蔵器を閉じる工程とを含む。本発明の具体例の長所は、貯蔵器に電解液を充填する場合に、毛細管力により細孔に電解液が充填されることである。充填された多孔質は、参照電極がバルク溶液の中に浸された場合に、電解液とバルク溶液との間の良好なイオンコンタクトを保証する。
本発明の具体例では、細孔を含む貯蔵器を作製する工程は、深い反応性イオンエッチングの手段により、基板の第1表面に細孔をエッチングする工程、少なくとも細孔の内側に保護層を適用する工程であって、保護層は第1表面から遠い基板の第2表面を覆わない工程、基板の第2表面に水酸化カリウム(KOH)を適用する工程、およびその後に、細孔を開けるために保護層を除去する工程、を含む。本発明のそのような具体例では、KOHエッチングのみを用いて良く形成された細孔を得るために、基板が薄すぎる場合であっても、良く形成された細孔が実現できるという長所を有する。
代わりに、細孔を含む貯蔵器を作製する工程は、基板を得る工程、および側壁にも細孔が存在するように、基板上に側壁をシールする工程を含む。細孔は、基板上にシールする前に、例えばモールディングまたはエッチングにより側壁上に形成されても、または側壁の形状および基板上のその位置により、例えば側壁材料と基板との間のような側壁中に形成されても良い。本発明のそのような具体例の長所は、基板に向かって側壁をシールすることにより、細孔が形成されることである。貯蔵器の壁または基板のいずれかの上に浅い微細流路チャネル(例えば、エッチングにより)形成する工程は、貯蔵器の壁に細孔を形成するために十分である。基板中に細孔をエッチングする工程と比較して、この場合、細孔の深いエッチングは必要とされない。さらに、この方法は、側壁中に蛇状の細孔を形成することを可能にする。
本発明の具体例にかかる方法では、貯蔵器を閉じる工程は、貯蔵器の上にキャップを配置またはシールする工程、またはグラブトップ(glob top)の液滴またはエピタキシの手段により貯蔵器を封止する工程、でも良い。
第3の形態では、本発明は、バルク溶液中のイオン濃度を検出するためのイオンセンサを提供する。イオンセンサは、本発明の第1の形態のいずれかの具体例にかかる参照電極、イオンを測定するためにイオン選択性である第1電極、および電解液中の参照イオンに対して、または測定されるイオンとは異なるイオンに対してイオン選択性の第2電極、を含む。第1電極と第2電極は、イオンセンサがバルク溶液中に浸された場合に、バルク溶液と直接コンタクトするように適用される。イオンセンサは、更に、バルク溶液中のイオン濃度の測定値として第1電極と第2電極との間の第1電位差を特定するための、および参照電極のドリフトを補償するために、第2電極と参照電極との間の第2電位差を用いて、第1電極と参照電極との間のこの第1電位差を補正するための、コントローラを含んでも良い。
本発明の具体例にかかるイオンセンサの長所は、参照電極のドリフトが、参照電極中の電解液の体積を増やすことなく改良できることである。本発明の具体例の長所は、参照電極中の電解液の体積がマイクロリットルのオーダであることである。本発明の具体例の長所は、参照電極のドリフトが、バルクと直接コンタクトした第2電極の上での測定の手段により、直接測定され、補償されることである。これは、参照電極中の電解液の体積をさらに減らすことを可能にする。本発明の具体例では、第2電極は、参照イオンに対してイオン選択的である。この場合、第2電極と参照電極との間の電位差は、参照電極中の電解溶液中の参照イオンと、バルク溶液中の参照イオンとの間の濃度差のための測定である。
この濃度差は、ドリフトのための駆動力である。それゆえに、本発明の具体例の長所は、第2電極と残照電極との間の電位差が、バルク溶液中にイオンセンサを浸した場合に、参照電極が経験しようとしているドリフトのための測定値であることである。電位差が0Vに到達した場合に、参照センサはバルク溶液と平衡し、それ以上ドリフトは期待されない。小型化されたイオンセンサは、従来の参照電極が大きすぎて硬すぎるために適合しない応用に使用できる。イオンセンサは、例えば最小化でき、汗パッチで使用することができ、または素早い傷のモニタリングのために着ずの近くに配置でき、またはおしめと一体化できる。本発明の具体例の長所は、参照電極のドリフトが、第2電極と参照電極との間の電位差を測定することにより補償できることであり、参照電極は、第1電極に関する電位差を測定するために使用される参照電極と同じである。
第2電極は、参照イオンのためにイオン選択的でも良い。第2電極と参照電極の双方は、例えば同じ材料から形成されるが、しかしながら本発明はこれに限定されるものではない。イオンセンサがバルク溶液中に浸された場合、参照電極中の電解液中の参照イオンの濃度は、参照イオンがバルク溶液中に拡散するため、変化するかもしれない。この濃度の変化は、参照電極の電圧をドリフトさせる。このドリフトは、バルク溶液と直接コンタクトしている第2電極で補償できる。
本発明の特別で好ましい形態が、添付の独立請求項および従属請求項に述べられる。従属請求項の特徴は、適当に、独立請求項の特徴と組み合わせても良く、他の従属請求項の特徴と組み合わせても良く、単に請求項に記載された通りではない。
本発明のそれらの形態および他の形態は、以下に記載された具体例から明らかであり、これを参照することにより明瞭になる。
従来技術の参照電極を示す。 小型化された従来技術の参照電極を示す。 小型化された参照電極と3つの裸のAgCl電極を含む従来技術のイオンセンサの写真を示す。 参照電極溶液中の塩素濃度と異なる塩素濃度を有する溶液に浸した場合の、本発明の具体例にかかる参照電極のドリフトと、図3の参照電極のドリフトとを示す。 参照電極と2つの裸の電極とを含む、本発明の具体例にかかるイオンセンサの模式図である。 本発明の具体例にかかる基板中に細孔を有する参照電極の模式図を示す。 (a)は本発明の具体例にかかる側壁中に細孔を有する参照電極の模式的な側面図であり、(b)は本発明の具体例にかかる蛇行した細孔を有する参照電極の模式的な上面図である。 本発明の具体例にかかる参照電極を得るための本発明の具体例にかかる処理工程を示す。 (a)は本発明の具体例にかかる、プリント回路基板を含む参照電極の模式図である。(b)は(a)に模式的に示された参照電極の実際の実施の2つの写真、参照電極の上面図および底面図が示される。(c)は基板中に細孔を得るための本発明の具体例にかかる処理工程を示す。 本発明の具体例にかかる参照電極のドリフトを示す。具体例の1つでは、参照電極はIrOxから形成され、他の具体例では電極はAgClから形成される。 本発明の具体例にかかる参照電極の時間の関数の、電解液濃度の変化を示す。異なる曲線は、異なる細孔サイズを有する参照電極に対応する。
図面は、単に模式的であり限定的ではない。図面では、図示目的のために、要素の幾つかのサイズは誇張され、縮尺通りには描かれない。
請求項中の参照符号は、範囲を限定するものと解釈すべきではない。
本発明は、特定の具体例に関して、所定の図面を参照しながら記載されるが、本発明はこれに限定されるものではなく、請求項によってのみ限定される。記載された図面は単に模式的であり、限定的ではない。図面において、要素の幾つかの大きさは、記載目的で、誇張され、縮尺通りには描かれない。寸法および相対寸法は、本発明の実施のための、実際の縮尺には対応していない。
記載や請求項中の、第1、第2等の用語は、類似の要素の間で区別するために使用され、順序付けや他の方法で、時間的および空間的のいずれかの順序を表す必要は無い。そのように使用される用語は、適当な状況下で入替え可能であり、ここに記載された開示の具体例は、ここに記載や図示されたものと異なる順序によっても操作できることを理解すべきである。
また、記載や請求項中の、上、下、上に、下に等の用語は、記載目的のために使用され、相対的な位置を示す必要はない。そのように使用された用語は、適当な状況下で入替え可能であり、ここに開示された具体例は、ここに記載や図示されたものと異なる位置でも操作できることを理解すべきである。
請求項で使用される「含む(comprising)」の用語は、それ以降に列挙される手段に限定されるように解釈すべきではなく、他の要素または工程を排除しない。このように、言及された特徴、数字、工程、または成分の特定は、言及されたままに解釈され、1またはそれ以上の他の特徴、数字、工程、または成分、またはこれらの組み合わせの存在または追加を排除してはならない。このように、「手段AおよびBを含むデバイス」の表現の範囲は、手段AとBのみを含む方法に限定されるべきではない。本発明では、単にデバイスに関連した構成がAとBであることを意味する。
この明細書を通じて参照される「一の具体例(one embodiment)」または「ある具体例(an embodiment)」は、この具体例に関係して記載された特定の長所、構造、または特徴は、本発明の少なくとも1つの具体例に含まれることを意味する。このように、この明細書を通して多くの場所の「一の具体例(one embodiment)」または「ある具体例(an embodiment)」の語句の表現は、同じ具体例を表す必要はなく、表しても構わない。更に、特定の長所、構造、または特徴は、この開示から当業者に明らかなように、1またはそれ以上の具体例中で適当な方法で組み合わせることができる。
同様に、本発明の例示的な具体例の開示の中において、開示を合理化し、1またはそれ以上の様々な発明の形態の理解を助ける目的で、本発明の様々な長所は、時には1つの具体例、図面、またはその開示中にまとめられることを評価すべきである。しかしながら、この開示の方法は、請求される発明がそれぞれの請求項に記載されたものより多くの特徴を必要とすることを意図して表されていると解釈すべきではない。むしろ、以下の請求項が表すように、発明の態様は、1つの先に記載された具体例の全ての長所より少なくなる。このように、詳細な説明に続く請求項は、これにより詳細な説明中に明確に含まれ、それぞれの請求項は、この発明の別々の具体例としてそれ自身で成立する。
更に、ここで記載された幾つかの具体例は幾つかの特徴で、他の具体例に含まれる以外の特徴を含み、異なった具体例の長所の組み合わせは、本発明の範囲に入ることを意味し、当業者に理解されるように、異なった具体例を形成する。例えば、以下の請求項では、請求された具体例のいくつかは、他の組み合わせにおいても使用することができる。
ここで与えられる開示において、多くの特別な細部が示される。しかしながら、本発明の具体例はそれらの特別な細部無しに実施できることを理解すべきである。他の例では、公知の方法、構造、および技術は、この記載の理解をわかりにくくしないために、詳細には示されていない。
本発明の具体例において電極の電圧について言及された場合、ドリフトの無い大きな参照電極に関する電極の電圧が言及される。
本発明の具体例において「裸の電極(a bare electrode)」が言及された場合、バルク溶液に浸された場合に、バルク溶液と直接コンタクトする電極が言及される。
本発明の具体例において、「電解液(an electrolyte)」が言及された場合、その中でイオンの移動により電荷が運ばれる、溶解したイオンを含む流体が言及される。これにより、電解液中のイオンと共に電荷の移動が可能なように電極の材料が選択されることが重要である。電解液は、例えば公知の塩成分を有する水、または一定の塩素濃度を有する水でも良い。対応する電極は、Ag/AgCl電極でも良い。電解液は、公知の塩成分を有するアグロースまたはpHEMAのようなハイドロゲルでも良い。電解液は、また、一定のpHを有する溶液のようなバッファでも良い。対応する電極は、金属酸化物電極(例えばIrOx、RuO)でも良い。金属電極の場合、対応する電解液は、例えばヘロセン、フェロセンメタノール、ルテニウムヘキサミン、またはキンヒドロンを含む水でも良い。金属電極は、好適には金、プラチナ、または炭素(Ag、Pt、C)のような不活性な金属で形成され、または覆われるのが好ましい。
本発明の具体例では、「参照イオン(a reference ion)」が言及された場合、貯蔵器の中の対応する電極を用いて電荷を移動させることができる電解液中のイオンが参照される。
本発明の具体例では、「貯蔵器壁(a reservoir wall)」が言及された場合、貯蔵器の体積を規定し、区切る物理的な壁が参照される。本発明の具体例では、これは側壁、基板、またはキャップでも良い。
第1の形態では、本発明は、例えば小型化された参照電極である参照電極600に関する。参照で電極600は、バルク溶液に浸した場合に、参照電圧を形成するために使用できる。それゆえに、参照電極600がバルク溶液に浸された場合、参照電極600の貯蔵器650中の電解液は、バルク溶液とイオンコンタクトしなければならない。本発明の具体例では、貯蔵器650の壁の少なくとも1つに細孔651を設けて、これにより、細孔651も電解液で満たすことにより、これが実現される。細孔651は、貯蔵器650の中の電解液と、細孔651ではなくバルク溶液との間でイオンコンタクトを形成し、その大きさにより、貯蔵器650からの電解液中の参照イオンの拡散を防止または制限する。少なくとも1つの細孔651の存在を除いて、貯蔵器650は閉じられ、これは、参照電極600中で、安定した濃度の参照イオンを有する電解液を保持するための有利である。
図6は、本発明の具体例にかかる参照電極の断面図である。参照電極600は、それ以外には、シリコン、ガラス、またはホイルから形成されても良い。この例では、電極620は基板610の上に配置される。しかしながら、貯蔵器650中では、電極620が貯蔵器650の中の電解液とコンタクトする限り、電極620はいずれの位置でも可能である。本発明の具体例では、電極620は、それ以外には、塩化銀または金属酸化物から形成される。好ましい金属の例は、酸化イリジウム(IrOx)、酸化ルテニウム(RuO)、金、プラチナ、炭素、または貯蔵器650中の電解液中でイオンを用いて電荷移動ができる他の材料である。基板610の中の細孔651は、また図6に示される。この細孔の直径は、1μmと100μmの間でも良い。図6の細孔651は、貯蔵器650を満たす電解液により満たされ、電解液と、その中に参照電極600が浸されるバルク溶液との間にイオンコンタクトを形成する。細孔651は、例えばその形状および/または寸法により、貯蔵器650中の電解質中のイオンバルク溶液に、またはその反対に拡散するのを防止するように形成され、これにより電解液の濃度変化を制限する。本発明の具体例の長所は、参照電極600により形成された電圧のドリフトを制限することである。
図6の例では、貯蔵器650の側壁630はポリマーまたはプラスチックから形成される。貯蔵器650はキャップを用いて閉じられる。図6に示された具体例では、細孔651は基板61に形成されている。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではなく、図示しない本発明の代わりに具体例では、細孔はキャップ640に配置されても良い。細孔は、キャップ640を通っても良いし、またはキャップ640と側壁630との間に(例えば、キャップ640の中に浅いチャネルを形成し、側壁630の手段でそれを閉じることにより、または側壁630の中に浅いチャネルを形成し、それをキャップ640の手段でそれを閉じることにより)配置されても良い。
本発明の他の具体例では、細孔751が、参照電極700の側壁に配置される。その例を図7に示す。図7の(a)は、電極720がその上に載置され、そして側壁730がその上に載置された基板710を示す。側壁730の1つでは、細孔751は、参照電極の外側が、参照電極の貯蔵器750にコンタクトするように形成される。貯蔵器750はキャップ740を用いて閉じられる。この例では、貯蔵器750は、微細加工を用いて形成される。この側壁730は、ガラスから形成されても良く、貯蔵器750は、深いエッチング(例えばHFエッチング)、パウダーブラスティング、またはレーザードリリングを用いて形成されても良い。細孔751は、例えばHFエッチングを用いて形成された、側壁730に形成された浅いマイクロ流体チャネルでも良い。マイクロ流体チャネルを含む側壁730を基板710も接続することにより、細孔751が得られる。本発明の具体例では、側壁730は、例えばPDMS(ポリジメチルシロキザン)のようなポリマーから形成されても良い。貯蔵器750と細孔751の反転を描く予め形成されたフォトレジスト(例えば、SU−8)を有するシリコンウエハの上に、液体PDMSをモールドすることにより、マイクロ流体チャネルを含む側壁730が形成できる。
図示しない、本発明の代わりの具体例では、マイクロ流体チャネルが基板の上面にエッチングされても良く、側壁によりマイクロ流体チャネルを覆った場合に細孔となる。
本発明の具体例では、細孔751は蛇行した細孔でも良い。これは、細孔を長くすることができる。そのような蛇行した細孔の例が、本発明の具体例にかかる参照電極の水平断面を示す図7の(b)に示される。図では、貯蔵器750と蛇行した細孔751が見られる。本発明の具体例の長所は、蛇行した細孔751が、参照電極の側壁の幅より大きな長さを有することである。本発明の具体例は、異なる位置の複数の細孔を含んでも良い。
図4は、本発明の具体例にかかる参照電極(図9の示された参照電極)のドリフト420を示す。図4は、また、従来技術の参照電極310(図3に示された参照電極)のドリフト410を示す。双方のカーブは、参照電極が、0.1MのKClの塩素濃度を有するバルク溶液に浸された場合のドリフトを示し、この濃度は、参照電極の電解液中の塩素濃度(3MのKCl)とは異なる。本発明の具体例では、参照電極の細孔951は下方への拡散(down diffusion)を示すため、カーブ420から見られるように、ドリフトは、8日間で約10mVに制限される。カーブ410は、電解液340中に埋められた参照電極310のドリフトを示す。見られるように、本発明の具体例の長所は、数時間後には60mVのドリフトが観察される図3の従来技術の参照電極310に比較してドリフトが低減されることである。
図10は、本発明の具体例にかかる参照電極600のドリフトを示す。カーブ1010は、電極620がIrOxから形成され、バッファ溶液に浸された場合のドリフトを示し、カーブ1020は、電極620がAgClから形成され、KCl溶液に浸された場合のドリフトを示す。IrOxはpH感度が高く、これにより、例えばpH電極のような、イオンセンサを作製した場合に容易な処理を暗示する、イオン選択性電極580(図5参照)に関して、参照電極600の電極620と同じ材料を用いることができる。電極620がIrOxから形成された場合、貯蔵器650の中の電解液は、一定のpHを有するバッファ(例えばpHMAゲル中でpH7を有するバッファ)である。IrOxから形成された電極を有する参照電極600は、pH7のバッファ中で調整され、この参照電極の安定性は、pH4のバルク溶液中に浸すことにより測定される。結果は図10(カーブ1010)に示される。比較のために、カーブ1020は、本発明の具体例にかかるAgCl参照電極600のドリフトを示し、3MのKClの中で調整されて、その後に0.1MのKClバルク溶液中に浸される。金属酸化物から形成された電極620は、電解液(バッファ溶液)中のプロトンと反応し、安定したプロトン濃度が確立できれば、安定した電圧を発生させる。本発明の具体例の長所は、バッファ溶液がpHの変化に対して抵抗するため、バッファ溶液が貯蔵器650の中で使用されることである。
本発明の具体例にかかる参照電極の寿命は、貯蔵器の体積(イオンの量、モル)と細孔寸法(イオンの外部拡散、モル/秒)の間の比に依存する。この比は、システムの効率(寿命)を表す時定数を生じる。寿命の絶対値は、他のパラメータ(拡散係数)にも依存するが、時定数は、異なる貯蔵器−細孔形状を比較するために使用できる。細孔を通る拡散は、断面積に比例し、長さに反比例する(フィックの拡散法則)。
時間当たりの電圧である、参照電極電位のドリフトは、もし参照電極の電極感度(10年の濃度毎の電圧(Volt per decade of concentration)、または濃度塩素溶液の場合はV/pCl)が公知であれば、時間に対する貯蔵器の内側の濃度差で表される。
以下の式:
Drift=ΔE/t
で表される。ここでtは特定のドリフトに必要とされる時間であり、Nernstの式:
E=E0+RT/F*In(C)または
E=sensitivity*log(C)+constant
であり、これにより
ΔE=sensitivity*log(C/C)または
=C*10^(ΔE/sensitivity)となる。
は、時間tにおける貯蔵器中の参照イオンの濃度であり、Cは貯蔵器中の参照イオンの初期濃度(t=0)であり、単位はモル/リットルである。
ドリフトが小さく、それゆえに貯蔵器の内部と外部の濃度変化が小さい場合、細孔を通る拡散フラックスは、一定と見なされる(拡散のための駆動力ΔC=C−Cout=constant=ΔC=C−Cout)。
断面積A(m)で長さL(m)の直線の細孔を通る、モル/秒で表されるこの最初の拡散フラックスは、フィックの拡散の法則に従って以下のように記載できる。
=−D*A*ΔC/L
ここで、Dは、m/秒で表される拡散係数である。これは、初期フラックスJは、初期貯蔵器濃度と細孔のアスペクト比(A/Lの比)にのみ依存し、貯蔵器の大きさには依存しないことを意味する。
図11のカーブは、参照電極600が参照イオン濃度のより低い濃度を有するバルク溶液に浸された場合の、貯蔵器650中の電解液中の参照イオンの濃度を示す。カーブ1110は、直径が10μmの細孔を有する参照電極に対応し、カーブ1120は20μm、カーブ1130は50μm、カーブ1140は100μmに対応する。細孔651の長さ、および貯蔵器650の体積は、この実験で使用した異なる参照電極において同一である。図11から分かるように、細孔の直径が最も大きな参照電極に対して、参照イオンの濃度は、最も速く減少する。
時間を関数とした貯蔵器650中の参照イオンの濃度(図11のカーブのほぼ直線の初期部分)は、初期のイオン量から外部への拡散を引いて、貯蔵器の体積で割ったもので、
=(C*Vres−J*t)/Vresまたは
=C+D*t*ΔC*(A/(L*Vres))
である。ここで、Vresはmで表す貯蔵器の体積で、関数(A/(L*Vres))は貯蔵器/細孔システムの全体形状を表す。2つの式をCに代入すると、
t=(C*(1−10^(ΔE/sensitivity))/(D*ΔC*(A/(L*Vres))となる。
特定の形状の寿命は、次に、選択された許容できるドリフト(ΔE)、拡散係数、および貯蔵器の内部および外部の開始濃度に依存する。または、他の道では、所定の許容できるドリフト(ΔE)、拡散係数、および貯蔵器650の内側および外側の初期濃度に対して、本発明の具体例にかかる貯蔵器650/細孔651システムは、形状A/(L*Vres)により記載される。異なる形状は、それゆえに、A/(L*Vres)関数を用いて直接比較される。
1箇月で5mVのドリフトが安定と見なされ、イオンセンサの感度が約50mV/10年(Nernstian挙動)の場合、これは許容できる濃度の相対的な減少が、
(1−10^(−5/50)):100%=20%
であることを意味する。
貯蔵器650中の濃度が直線的に減少すると考えると(一定の拡散フラックス)、これは、システムの時定数が5箇月であることを意味する。実際に、より長い時間にわたって拡散は一定ではない。図11のカーブから分かるように、内部の貯蔵器濃度が低くなった場合に、拡散が減少する。システムの実際の寿命は、それゆえに、見積もりよりも長い。
拡散形状を有する、本発明の具体例にかかる2つの異なる参照電極600、700の例を以下に説明する。それらの参照電極は、A/(L*Vres)関数を用いて比較される。第1の参照電極600は、作製のために(基板を通るDRIEエッチング、例えば図6に示された参照電極)細孔の長さが制限された細孔651を有する。第2の参照電極700は、制限された貯蔵器750の大きさを有する(例えば、ガラスウエハ中に集積されまたはPDMS中にモールドされた場合、例えば図7に示された参照電極)が、細孔の長さには大きな自由度がある。第1の参照電極600は、直径が10μmで100μmの長さの細孔651と、20μLの貯蔵器650を有し、第2の参照電極700は、幅が50μmで高さが10μmの、6.5mmの長さの(蛇行した)細孔により接続された2μLのオンチップ貯蔵器750に匹敵する。双方の参照電極は、(2e−9/sの拡散係数から推定した)約2箇月の時定数を有する。
本発明の具体例では、細孔の断面積Aと電解液中のイオンの拡散係数Dとの積と、細孔の長さLと貯蔵器の体積Vresとの積との間の比は、1より小さい((D*A/(L*Vres)<1))。
第2の形態では、本発明は参照電極を作製する方法に関する。この方法は、細孔を含む貯蔵器を形成して、これにより貯蔵器が1側面において開放される工程を含む。この方法は、貯蔵器の中に電極を提供する工程を含む。この方法は、貯蔵器を電解液で満たし、この後に貯蔵器を閉じる工程を含む。
この方法の例を図8に示す。工程(a)では、細孔851を含み、更に電極820を含む基板810が形成される。細孔851は基板810の中に存在し、貯蔵器は、基板810の上に側壁830を配置することにより形成される。工程(b)では、貯蔵器850には、電解液(例えばバッファ、固定された塩素濃度を含む水、アガロースゲル、またはpHEMAゲル)が充填される。充填は、例えば分配ロボットにより自動的に行われる。本発明の具体例の長所は、それゆえに、細孔851が既に存在し、貯蔵器850に電解液が充填された場合に、電解液とコンタクトすることである。細孔851とコンタクトした場合、毛細管力により、細孔は電解液で充填されることが保証される。これにより、空気の気泡は細孔851の中にトラップされない。これにより、操作的な使用で、参照電極が電解液に浸された場合に、電解液とバッファ溶液との間の良好なイオンコンタクトが保証される。次の工程(c)において、貯蔵器850が閉じられる。これは、キャップ840を用いて行われても良い。キャップ840は、側壁830にシールされても良い。貯蔵器850は、また、グラブトップの液滴または他のエピタキシによりシールされても良い。本発明の具体例では、シールは取り外し可能である。キャップ840は、例えば取り外し可能でも良い。これにより、装置をリセットするために、貯蔵器を開けて、電解液を新しい溶液で置き換えることができる。
図9の(a)は、本発明の具体例にかかる参照電極900の断面を示す。この例では、側壁930はPCB(プリント回路基板)材料である。PCB材料の膜厚は、例えば2.5mmと3.5mmとの間である。この例では、深い反応性イオンエッチング(DRIE)と水酸化カリウム(KOH)エッチングとの組み合わせを用いて、細孔951が、例えばシリコンのような半導体基板910の中に形成される。最初に、基板をDRIEエッチングして、基板910の第1表面に狭い細孔が形成される(図9(c)の第1工程)。細孔951は、10nmと1000μmとの間、好適には10μmと100μmとの間の直径で、1μmと10cmとの間、好適には10μmと1000μmとの間の深さを有する。次に、KOHエッチングのための保護層980、例えば窒化シリコン保護層が、細孔の内側で、細孔951に対向する第2表面を覆わないように堆積される(図9(c)の第2工程)。この後に、KOHエッチング工程が行われる(図9(c)の第3工程)。次に、保護層980が除去されて、これにより、細孔951を開口する(図9(c)の第4工程)。本発明の具体例の長所は、KOHエッチングは、ウエハ910の膜厚を、約100μmの膜厚まで部分的に減らし、例えばDRIEエッチングを用いて、基板を通って狭い細孔951(10〜100μm直径)のエッチングを可能にする。DRIEエッチングでは深さと幅の比が制限されるため、これと共にDRIEエッチングを使用すると便利である。この比は約10で、最大20である。例えばSiのような半導体ウエハの厚さ(例えば650μm)全体を通って10μmの細孔をエッチングする工程は、それゆえに適していない。
次に、側壁930が基板910の上に配置され、これにより形成された貯蔵器950は、キャップ940により閉じられる。記載された具体例では、側壁930は積層されたPCBボードから形成される。2つのPCB基板の間の導電性ワイヤ921は、電極920(例えばAgCl電極)を貯蔵器950の外部と接続する。本発明の具体例では、導電性ワイヤ921は、金属から形成され、腐食を防止するために、不活性金属(例えばAu、Pt)から形成され、またはこれに覆われる。好適には、貯蔵器950の中で電解液とのコンタクトを避けるために、導電性ワイヤ921は、電極(例えばAgCl)で完全に覆われる。例では、貯蔵器950は、約100μLの、3MのKClを含むpHEMAゲルが充填され、キャップ940でシールされる(図9(a)参照)。この例では、キャップ940はシリコンのような半導体材料から形成されても良いが、しかしながら、本発明はこれに限定されるものではない。例では、キャップ940は細孔を有しない。硬化後、pHEMAはもはや液体では無いので、貯蔵器950は、また、エポキシ接着剤やグラブトップのような材料で包んで閉じても良い。図9の(b)は、図9(a)に図示したような参照電極900の実際の実施の、上面の写真および底面の写真を示す。上面図では、電極920と細孔951が見られる。底面図では、基板910が見られる。
本発明の具体例にかかるイオンセンサ500の模式的な断面図が、図5に示される。図5は、本発明の具体例にかかる参照電極501と、2つの裸の電極520、530を有するイオンセンサ500を模式的に示す。参照電極501は、参照電極501の貯蔵器550の中の電解液と、外界との間に形成されたイオンコンタクトを提供する。図示された具体例では、細孔551が基板510を通って形成される。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではない。
図5に示されたイオンセンサ500は、基板510の上に集積されて示される。参照電極501は、貯蔵器側壁530とキャップ540とを有する貯蔵器550を含む。貯蔵器はこのように、基板510と貯蔵器側壁530とキャップ540により範囲を決められ、そのような貯蔵器の体積が規定される。参照電解溶液の周囲にある側壁530とキャップ540は、その中を通ってイオンを移動させない。貯蔵器に電解液が充填される。貯蔵器550の中には、電極520が存在し、電解液とコンタクトする。貯蔵器550は、細孔551の存在を除いて、(基板510、壁530、およびキャップ540により)閉じられる。細孔551は電解液で満たされ、操作的な使用の場合に、貯蔵器550の中の電解液と、イオンセンサ500がその中に浸されるバルク溶液との間でイオンコンタクトを可能にする。
電極520の材料と、参照電極501の貯蔵器550の中の電解液は、参照電極501の電極520に電圧が誘起されるように選択される。この電圧は、電解液の中の参照イオンの濃度に依存する。電極310は、本発明の具体例にかかるいずれかの好適な電極でも良く、例えばAg/AgClから形成されても良い。電解液は、いずれかの好ましい電解液でも良く、例えばClイオンを含むKCl溶液でも良い。小型化されたセンサの実施中の電解液の体積は、一般には数マイクロリットル以下である。参照KCl溶液中の塩素イオンの濃度は、電極501の参照電位を決定する。
本発明の具体例にかかる参照電極501を含むイオンセンサ500が、例えば塩素濃度のようなイオン濃度を有するバルク溶液中に配置され、このイオン濃度は電解液の中の、例えば塩素濃度のような参照イオン濃度とは異なる場合、参照電解質溶液とバルク溶液との間に細孔551を通ってイオン導電性経路が存在し、電解液の中に、または電解液から外に、イオンが拡散する。イオンの拡散は、電解液中のイオン濃度を変更し、参照電極501の電圧をドリフトさせる。しかしながら、細孔の制限された寸法により、イオン濃度のシフトは制限され、参照電極の寿命と、それゆえにイオンセンサの寿命は改良される。
図4に示された例では、本発明の具体例にかかる参照センサは、図3のイオンセンサで使用された参照センサに比較して改良された安定性を有する。それゆえに、本発明の具体例にかかるそのような参照センサを含むイオンセンサは、また改良された安定性を有する。
参照電極501の他にイオンセンサ500では、測定されるイオンを選択する、イオン選択性電極580が改良される。イオン選択性電極580は、例えばISFET(イオン選択性電界効果トランジスタ)でも良い。イオン選択性電極580は、例えばpH測定に使用できる酸化イリジウム(IrOx)から形成されても良い、イオン選択性電極580は、またイオン選択性膜または自己形成モノレイヤにより覆われたAgCl電極でも良い。イオン選択性電極580は、電解液貯蔵器とコンタクトし、ガラス膜によりサンプル溶液により分離された(これによりpHセンサを形成する)AgCl電極でも良い。イオン選択性電極580は、電解液貯蔵器とコンタクトし、(固体の)イオン選択性膜によりサンプル溶液により分離されたAgCl電極でも良い。
本発明の具体例では、2つの電位差が測定される(図5参照)。イオン選択性電極580と参照電極501との間の第1の電位差V(特定する必要のあるイオン濃度を表す)と、第2電極590と参照電極501との間の第2電位差V(参照電解液とバルク溶液との間のイオン濃度差、それ故に、参照電極501のドリフトの測定値に比例する)。第2の電位差Vが時間をかけて測定された場合、それは参照電極501のドリフトを表示する。
本発明の具体例では、参照電極501のドリフトは、第2電極590と参照電極501との間の第2の電位差Vを用いて、イオン選択性電極580と参照電極501との間の第1の電位差Vを修正することにより補正しても良い。実施のそのような方法は、同じ出願人の、同時係属するEP14199277.6に詳細に述べられており、参照されることによりここに組み込まれる。
本発明の具体例では、ドリフトの補償は、単に計算により、例えば第1の電位差から測定した第2の電位差を引くことにより、常に行われる。しかしながら、予想されるドリフト挙動を考慮するより複雑な解決方法もある。ドリフトは、遅い速度で発生することが予想される。遅いドリフトを補償する場合、第2電極と参照電極との間の第1および/または第2の電位差の速い変化は、それゆえに無視される。それらは、例えば、異なる参照イオン濃度を有する他のバルク溶液で、バルク溶液を置き換えることにより行うことができる。

Claims (12)

  1. バルク溶液に浸すための参照電極であって、
    電解液が充填された貯蔵器の体積(Vres)を規定する貯蔵器壁を有する貯蔵器と、
    貯蔵器の中の、電解液とコンタクトする電極と、を含み、
    参照電極中の電解液の体積はマイクロリットルのオーダであり、
    貯蔵器は、少なくともの1つの貯蔵器の壁の、少なくとも1つの細孔の存在を除いて閉じられ、少なくとも1つの細孔は電解液で満たされて、貯蔵器の中の電解液と、参照電極がその中に浸されるバルク溶液との間のイオンコンタクトが可能になるように適用され
    少なくとも1つの細孔は、蛇行した構造を有し、
    細孔の断面積(A)と電解液中のイオンの拡散係数(D)との積と、細孔長さ(L)と貯蔵器の体積(Vres)との積との間の比は、1より小さい:(D*A)/(L*Vres)<1、かつ貯蔵器の体積(Vres)は20μL以下であることを特徴とする参照電極。
  2. 貯蔵器の壁は、基板、基板の上に配置された側壁、側壁の上に配置されたキャップを含み、基板、側壁、およびキャップは、共に貯蔵器を閉じることを特徴とする請求項1に記載の参照電極。
  3. 少なくとも1つの細孔は、基板の中に配置されることを特徴とする請求項に記載の参照電極。
  4. 少なくとも1つの細孔は、側壁の中に配置されることを特徴とする請求項2または3に記載の参照電極。
  5. 少なくとも1つの細孔は、キャップの中に配置されることを特徴とする請求項2〜4のいずれかに記載の参照電極。
  6. 電極はAgClから形成されることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の参照電極。
  7. 電極は、金属酸化物または金属から形成されることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の参照電極。
  8. 電解液はハイドロゲルであることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の参照電極。
  9. 参照電極を製造する方法であって、
    貯蔵器を形成する工程であって、貯蔵器は細孔を含み、これにより、貯蔵器は1つの側で開いている工程と、
    貯蔵器の中に電極を提供する工程と、
    電解液で貯蔵器を充填する工程と、
    その後に、貯蔵器を閉じる工程と、を含み、
    細孔を含む貯蔵器を作製する工程は、
    深い反応性イオンエッチングの手段により、基板の第1表面に細孔をエッチングする工程と、
    少なくとも細孔の内側に保護層を適用する工程であって、保護層は第1表面から遠い基板の第2表面を覆わない工程と、
    基板の第2表面に水酸化物エッチング工程を適用する工程と、
    その後に、細孔を開けるために保護層を除去する工程、を含むことを特徴とする方法。
  10. 細孔を含む貯蔵器を作製する工程は、
    基板を得る工程と、
    基板の上に側壁をシールして、側壁の中に細孔が存在するようにする工程と、を含むことを特徴とする請求項に記載の方法。
  11. 貯蔵器を閉じる工程は、貯蔵器の上にキャップを配置してシールする工程、またはグラブトップの液滴またはエピタキシの手段により貯蔵器をシールする工程、を含むことを特徴とする請求項9または10に記載の方法。
  12. バルク溶液中のイオン濃度を検出するためのイオンセンサであって、
    請求項1〜8のいずれかに記載の参照電極と、測定されるイオンに対してイオン選択性のある第1電極と、電解液中の参照イオンに対して、または測定されるイオンとは異なるイオンに対してイオン選択性のある第2電極と、を含み、
    第1電極と第2電極は、イオンセンサがバルク溶液中に浸された場合に、バルク溶液と直接コンタクトするように適用され、
    イオンセンサは、更に、バルク溶液中のイオン濃度の測定値として、第1電極と参照電極との間の第1電位差を特定するための、および参照電極のドリフトを補償するために、第2電極と参照電極との間の第2電位差を用いて、第1電極と参照電極との間のこの第1電位差を修正するための、コントローラを含むイオンセンサ。
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