JP6665425B2 - レーザー印字用多層積層フィルム及びそれよりなる印字体 - Google Patents
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そしてこのような特殊インキは非常に高価であるため、基材上の印字したい部分のみに、該特殊インキ層を予め設けることが行われている。しかしながら、その場においても位置合わせが難しく、印字位置を容易に変更することもできない。また、印字線が細く、読み取り難いという欠点がある。
すなわち、十分な視認性を得るために、レーザー照射部分の中間層が、その深さ方向(フィルムの一方の表面から他方の表面に向かう方向)の全厚さにわたって、全て蒸散するまでレーザー出力を高める必要がある。したがって、強力なレーザー光の照射によって、ベースとなるフィルムに穴があくなどの問題がある。また、強力なレーザー光を照射する必要があることから印字スピードが遅いという問題がある。
、該印刷層は、金属酸化物及びバインダー樹脂を含むインキ組成物からなる層であることを特徴とする、上記レーザー印字用多層積層フィルムが、上記の目的を達成することを見出したものである。
そして、さらに望ましくは、該基材層と該印刷層との間のラミネート強度と該印刷層と該シーラント層との間のラミネート強度の差が0.2N/15mm以上であるレーザー印字用多層積層フィルムとする発明である。
1.少なくとも、基材層、印刷層、及びシーラント層からなるレーザー印字用多層積層フィルムであって、該基材層は、樹脂フィルムからなる層であり、該印刷層は、金属酸化物及びバインダー樹脂を含むインキ組成物からなる層であって、基材層と隣接する第1の印刷層と、シーラント層と隣接する第2の印刷層との少なくとも2層からなり、該第2の印刷層において、バインダー樹脂は、塩素化ポリプロピレン系樹脂であり、該第1の印刷層において、バインダー樹脂は、塩素化ポリプロピレン系樹脂以外の樹脂であり、該シーラント層は、ポリプロピレン樹脂からなる層であることを特徴とする、上記レーザー印字用多層積層フィルム。
2.前記基材層と前記第1の印刷層との間のラミネート強度と該第2の印刷層と該シーラント層との間のラミネート強度の差が0.2N/15mm以上であることを特徴とする、上記1に記載のレーザー印字用多層積層フィルム。
3.前記インキ組成物が、金属酸化物70〜90質量部及びバインダー樹脂10〜30質量部を溶剤希釈した樹脂組成物であることを特徴とする、上記1または2に記載のレーザー印字用多層積層フィルム。
4.前記インキ組成物中の金属酸化物が、酸化チタンであることを特徴とする、上記1〜3のいずれかに記載のレーザー印字用多層積層フィルム。
5.前記第1及び第2の印刷層のインキ組成物の塗布量の合計が、乾燥後の塗布量として0.5〜6.0g/m2であることを特徴とする、上記1〜4のいずれかに記載のレーザー印字用多層積層フィルム。
6.前記基材層を形成する樹脂フィルムが、延伸ポリプロピレンフィルムであり、
前記第1の印刷層を形成するインキ組成物中のバインダー樹脂が、ウレタン樹脂であることを特徴とする、上記1〜5のいずれかに記載のレーザー印字用多層積層フィルム。
7.上記1〜6のいずれかに記載のレーザー印字用多層積層フィルムに、YAGまたはYVO4レーザーを基材層側から照射することにより、前記基材層と前記第1の印刷層との間に空隙を形成し、レーザー印字画像を有することを特徴とする、印字体。
これにより、レーザー照射によって炭化したインキ組成物が、基材と印刷層との境界に広がるため弱い出力で、すなわち、印刷層を全層厚にわたって全て蒸散させるまでレーザー出力を高める必要なしに、基材層側からの視認性に優れたレーザー印字画像を鮮明に形成することができる。
<I>本発明のレーザー印字用多層積層フィルム及び印字体の層構成
図1は、本発明のレーザー印字用多層積層フィルムの層構成についてその一例を示す概略的断面図である。
図1に示されるように、本発明のレーザー印字用多層積層フィルムは、基材層1、印刷層2及びシーラント層3からなる構成を基本とする。
表面処理としては、例えば、コロナ放電処理、オゾン処理、酸素ガス若しくは窒素ガス等を用いた低温プラズマ処理、グロー放電処理、化学薬品等を用いて処理する酸化処理等の前処理を施すことができる。
図2に示されるように、本発明の印字体は、本発明のレーザー印字用多層積層フィルムに、YAGまたはYVO4レーザーを基材層側から照射することにより製造されるものであって、印刷層の表面に、炭化したインキ組成物が広がった印字部を有する。
本発明において、基材層は、その使用目的、用途等に応じた樹脂フィルムを使用する。さらに好ましくは、印刷層を積層した際に、該印刷層とのラミネート強度が0.1〜2.0N/15mmとなる任意の樹脂フィルムを使用することができる。
上記の樹脂フィルムとしては、未延伸フィルム、あるいは、一軸方向または二軸方向に延伸した延伸フィルム等のいずれのものでも使用することができる。
本発明においては、上記のような理由から、約3〜100μm、好ましくは約5〜50μmが最も望ましい。
本発明において、印刷層は、金属酸化物とバインダー樹脂を含むインキ組成物を、基材層上に印刷や塗布等により積層して設けられる層である。
該ウレタン樹脂は、また、上述の基材層として好適に使用される延伸ポリプロピレンフィルム上に積層する際に、該基材層との好ましいラミネート強度を与える。
本発明の第2の印刷層のバインダー樹脂としては、シーラント層との接着性や印字再現性を考慮すると、ポリプロピレン系樹脂が好ましく、さらにポリプロピレン樹脂などのシーラント層との強固な接着性を考慮すると、特に極性基を有するポリプロピレン系樹脂、例えば、塩素化ポリプロピレン系樹脂が好適である。
これらを、必要に応じて慣用の溶剤で希釈し、基材層上に印刷または塗布することにより、印刷層を形成することができる。金属酸化物が上記範囲より多いと、フィルムがレーザー照射によるダメージを受け易くなる。逆に、金属酸化物が上記範囲より少ないと、印字画像が不明瞭になり易い。
その他、顔料分散剤、消泡剤、レベリング剤、ワックス、シランカップリング剤、防腐剤、防錆剤、可塑剤、難燃剤、顕色剤等の添加剤を加えてもよい。これら添加剤は、特に印刷適性、印刷効果等の改善を目的に使用され、その種類、使用量は、印刷方法、印刷基材、印刷条件により適宜選択できる。
また、シーラント層と接する側の印刷層を形成するインキ組成物は、該シーラント層との間のラミネート強度がより強くなるように、好ましくは、その差が0.2N/15mm以上となるように、同様に調整する。当該構成により、レーザー照射時に、基材層と印刷層との境界に確実に空隙が形成され、且つ、印刷層とシーラント層とのデラミネーションを防ぐことができる。
本発明において、シーラント層は、シーラント層として慣用の熱可塑性樹脂からなる層、または該樹脂のフィルムからなる層である。
該シーラント層を形成する熱可塑性樹脂中には、印刷層とのラミネート強度を調整する等の各種目的のために、滑剤、充填剤、熱安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、難燃剤、着色剤等の各種添加剤を添加することができる。
上記基材層が延伸ポリプロピレンフィルムからなり、上記インキ組成物中のバインダー樹脂として、ウレタン樹脂が使用されている場合は、シーラント層を形成する樹脂として、ポリプロピレンを使用し、これを、印刷層上に押出コーティング法により積層することにより、該印刷層との好適なラミネート強度が得られ、レーザー照射によって明瞭な印字画像が得られる。
また、上記インキ組成物中のバインダー樹脂として、塩素化ポリプロピレン系樹脂が使用されている場合は、シーラント層を形成する樹脂として、ポリプロピレンを使用し、こ
れを積層することにより、該シーラント層との好適なラミネート強度が得られ、レーザー照射によって明瞭な印字画像が得られる。
印刷層とシーラント層とのラミネート強度を調整するために、必要に応じて、いずれかの表面に、積層前に所望の表面処理を施すことができる。表面処理としては、例えば、コロナ放電処理、オゾン処理、酸素ガス若しくは窒素ガス等を用いた低温プラズマ処理、グロー放電処理、化学薬品等を用いて処理する酸化処理等の前処理を施すことができる。
シーラント層の積層方法は、特に限定されないが、シーラント層を形成する熱可塑性樹脂を、印刷層上に押出コーティングすることにより積層することができる。また、該熱可塑性樹脂からなるフィルムを、ドライラミネートまたはサンドイッチラミネート法等により積層してもよい。
いずれの場合においても、印刷層とのラミネート強度が適切な強度となるように、樹脂の種類の組み合わせ、積層方法、接着剤の種類、表面処理方法等を選択する。
本発明のレーザー印字用多層積層フィルムにおいて、基材層と印刷層との間のラミネート強度と、印刷層とシーラント層との間のラミネート強度の差は、好ましくは、0.2N/15mm以上であり、より好ましくは0.5N/15mm以上である。この範囲のラミネート強度となる構成によって、レーザー印字が最適に行われる。
基材層と印刷層、印刷層とシーラント間のラミネート強度の差が0.2N/15mmより小さいと、基材と印字の層間以外でデラミネーションを引き起こし、基材/印刷層間の空隙が発生せず、印字画像が不明瞭になる。
また、基材層と印刷層のラミネート強度と印刷層とシーラント層とのラミネート強度の差が0.2N/15mmより小さいと、基材/印刷層間以外でも空隙が発生し、確実な印字層形成が損なわれ。
本発明において、印字は、YAG(イットリウム(Y)・アルミニウム(A)・ガーネット(G))レーザー光線(波長=1.064μm)、または、YVO4(イットリウム・バナデート)レーザー光線(波長=1.064μm)を用いて行うことが好ましい。
これらのレーザーは、透明体を透過する性質を有し、その性質を利用し、さらに、印字時の煙等の発生が抑えられ、また、発色濃度やフィルムに与える影響等を調整することができる。その結果、レーザー印字画像を形成しても穴あき等がない極めて鮮明なレーザー印字画像を形成することができる。
そして、レーザー印字画像が、印刷層表面に形成されることにより、基材層側からの視認性に優れる。
この条件下で印字を行うことにより、レーザー印字用多層積層フィルムに穴をあけることなく、高速印字が可能であり、且つ、明瞭な印字画像が得られる。
本発明のレーザー印字用多層積層フィルムへの印字工程において、レーザーの平均出力を低く設定しても、または、スキャンスピードを速く設定しても、鮮明な印字画像、例えば太くて明瞭な文字を印字することができる。
また、本発明のレーザー印字用多層積層フィルムに印字して得られる印字体は、各種包装材料、ラベル類、カード類等に適用することができる。
[実施例1]
ポリプロピレンフィルム(P−2261:東洋紡社製、厚さ20μm)のコロナ処理面上に、グラビア印刷機を用いて、以下の組成よりなるインキ組成物を塗工量0.8g/m2
(乾燥時)となるように塗布し、第1の印刷層を設けた。
インキ組成物
酸化チタン:40質量部
ウレタン樹脂:15質量部
混合溶剤:50質量部
※混合溶剤 メチルエチルケトン:酢酸n−プロピル:イソプロピルアルコール=3:5:2(質量比)
次いで、該第1の印刷層上に、グラビア印刷機を用いて、以下の組成よりなるインキ組成物を塗工量0.8/m2(乾燥時)となるように塗布し、第2の印刷層を設けた。
インキ組成物
酸化チタン:35質量部
塩素化ポリプロピレン樹脂:10質量部
混合溶剤:50質量部
※混合溶剤 トルエン:メチルエチルケトン:酢酸エチル:イソプロピルアルコール=4:3:2:1(質量比)
次いで、該印刷面上に、ポリプロピレン樹脂を押出コーティング法により、厚さ13μmとなるように積層し、シーラント層を設けた。これにより、本発明のレーザー印字用多層積層フィルムを得た。該フィルムにおいて、基材層と第1の印刷層のラミネーション強度と第2の印刷層とシーラント層のラミネーション強度の差が0.5N/15mm巾であった。
実施例1の第1の印刷層上に、第1のインキ層と同成分のインキを塗工量2.0g/m2(乾燥時)となるように塗布し第2層とし、第3の印刷層として実施例1の第2層と同成分のインキを塗工量2.0g/m2(乾燥時)となるように塗布した以外は、実施例1と同様に作製した。
該フィルムにおいて、基材層と第1の印刷層のラミネーション強度と第3の印刷層とシーラント層のラミネーション強度の差が1.0N/15mm巾であった。
第2の印刷層を設けず、第1の印刷層のインキ組成物の塗布量を0.3g/m2)で(乾燥時)とした以外は実施例1と同様にしてレーザー印字用多層積層フィルムを得た。該フィルムにおいて、基材層と第1の印刷層のラミネーション強度は0.3N/15mm巾、第1の印刷層とシーラント層のラミネーション強度も0.3N/15mm巾であった。
実施例1の第1の印刷層と第2の印刷層を逆にした以外は、実施例1と同様に作製した。材層と第1の印刷層のラミネーション強度と第2の印刷層とシーラント層のラミネーション強度の差が−0.2N/15mm巾であった。
実施例1、2及び比較例1のレーザー印字用多層積層フィルムについて、下記条件下で、基材層側からYVO4レーザーを照射し、レーザー印字画像を形成して印字体を得た。
レーザー照射条件
YVO4レーザー機(パナソニックデバイス SUNX(株)製 LP−Z250)にて平均出力5W、印字パルス20μm、スキャンスピード9000mm/s、カーブ設定:10、ウエイト設定:5
一方、比較例1の場合は、文字の視認は可能であったが、線巾が狭く、白印刷部と印字部のコントラストが不明瞭であり、比較例2の場合は文字全体がぼやけ、実施例1、2と比較すると視認性は劣る結果となった。
2.印刷層
2a.第1の印刷層
2b.第2の印刷層
3.シーラント層
4.印字部
A.空隙の直径
Claims (5)
- 少なくとも、YAGまたはYVO4レーザーが照射される側に配置された基材層、印刷層、及びシーラント層からなるレーザー印字用多層積層フィルムであって、
該基材層は、延伸ポリプロピレンフィルムからなる層であり、
該印刷層は、金属酸化物及びバインダー樹脂を含むインキ組成物からなる層であって、基材層と隣接する第1の印刷層と、シーラント層と隣接する第2の印刷層との少なくとも2層からなり、
該第2の印刷層において、バインダー樹脂は、塩素化ポリプロピレン系樹脂であり、該第1の印刷層において、印刷層を形成するインキ組成物中のバインダー樹脂がウレタン樹脂であり、
該シーラント層は、ポリプロピレン樹脂からなる層であり、
該基材層と該第1の印刷層との間のラミネート強度は0.1〜2.0N/15mmであり、
該第2の印刷層と該シーラント層との間のラミネート強度は、該基材層と該第1の印刷層との間のラミネート強度より大きく、その差が0.2〜0.5N/15mmであることを特徴とする、上記レーザー印字用多層積層フィルム。 - 前記インキ組成物が、金属酸化物70〜90質量部及びバインダー樹脂10〜30質量部を溶剤希釈した樹脂組成物であることを特徴とする、請求項1に記載のレーザー印字用多層積層フィルム。
- 前記インキ組成物中の金属酸化物が、酸化チタンであることを特徴とする、請求項1または2に記載のレーザー印字用多層積層フィルム。
- 前記第1及び第2の印刷層のインキ組成物の塗布量の合計が、乾燥後の塗布量として0.5〜6.0g/m2であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載のレーザー印字用多層積層フィルム。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載のレーザー印字用多層積層フィルムに、YAGまたはYVO4レーザーを基材層側から照射し、印刷層のインキ組成物をガス化及び炭化させ
て前記基材層と前記第1の印刷層との間に空隙を形成し、印刷層表面にレーザー印字画像を形成する印字方法。
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