図面を参照しながら、複数の実施形態を説明する。複数の実施形態において、機能的におよび/または構造的に対応する部分および/または関連付けられる部分には同一の参照符号、または百以上の位が異なる参照符号が付される場合がある。対応する部分および/または関連付けられる部分については、他の実施形態の説明を参照することができる。
第1実施形態
図1において、車両用空調装置1は、車両に搭載されている。車両用空調装置1は、例えば、車両の前席の前方に搭載されている。図中には、車両における上方向UP、下方向BT、左方向LT、右方向RT、前方向FR、および後方向RRが図示されている。
車両用空調装置1は、内外気切換装置2、送風機3、および温度調節機4を有する。内外気切換装置2、送風機3、および温度調節機4は、それぞれ、樹脂製のケースを有する。これらケースは、空気通路を形成する。これらケースは、熱交換器、およびドアのような機能部品を収容している。
内外気切換装置2は、車両の室内の空気を導入する内気取入口11と、車両の外の空気を導入する外気取入口12とを有する。内外気切換装置2は、内気取入口11からの内気と、外気取入口12からの外気との導入割合を調節するドアを有する。送風機3は、ファンを駆動する電動機を備える。図中には、吸気フィルタを装着するための空洞が図示されている。吸気フィルタは図示されていない。送風機3は、空気を内外気切換装置2から導入し、温度調節機4に向けて送風する。温度調節機4は、クーラユニット5、ヒータユニット6、および吹出ユニット7を有する。
クーラユニット5は、空気を冷却するための冷却熱交換器を備える。冷却熱交換器は、冷凍サイクルのエバポレータである。クーラユニット5は、冷却熱交換器が機能する場合に、送風機3によって送風された空気の全量を冷却する。
ヒータユニット6は、ヒータコア21を備える。ヒータユニット6は、複数のエアミックスドアを備える。ヒータユニット6は、クーラユニット5を通過した空気を加熱する。ヒータユニット6は、車両の室を仮想的に複数に分割して得られる複数の領域に対して、独立した温度制御を提供する。ヒータユニット6は、運転席領域、助手席領域、および後席領域に対して、独立した温度調節を提供する。運転席領域は、車両の運転席の周辺空間である。助手席領域は、車両の前席であって、運転席の隣の席の周辺空間である。運転席領域は、前席の右席、または左席に配置されうる。後席領域は、車両の後席の周辺空間である。複数の領域は、任意に設定可能である。ヒータユニット6は、3席独立温度制御型ユニットとも呼ばれる。ヒータユニット6の詳細は後述する。
吹出ユニット7は、室内に向けて空気を吹き出すための複数の吹出口を備える。吹出ユニット7は、複数の吹出モードに応じて、複数の吹出口を切換える。図示される複数の吹出口は、図示されない複数のダクトに接続されている。複数のダクトは、車両に設けられた吹出グリルに連通している。
吹出ユニット7は、少なくともデフ吹出口13を有する。デフ吹出口13は、車両の前方ウインドシールドに向けて空気を吹き出す。デフ吹出口13は、主としてウインドシールドの曇りを除去するために利用される。デフ吹出口13は、主として、デフモードにおいて開かれる。吹出ユニット7は、デフモード以外のモードにおいても、デフ吹出口13を追加的に開く場合がある。例えば、吹出ユニット7は、後述する前席フット吹出口15、および/または後席フット吹出口18から空気を吹き出すフットモードにおいても、デフ吹出口13を追加的に開く場合がある。
吹出ユニット7は、前席フェース吹出口14を有する。前席フェース吹出口14は、右席のためのフェース吹出口14a、14b、および、左席のためのフェース吹出口14c、14dを有する。前席フェース吹出口14は、主として、前席の上部に向けて空気を吹き出すために利用される。吹出ユニット7は、前席のための前席フット吹出口15を有する。前席フット吹出口15は、右席のためのフット吹出口15a、および、左席のためのフット吹出口15bを有する。前席フット吹出口15は、主として、前席の下部に向けて空気を吹き出すために利用される。
吹出ユニット7は、後席フェース吹出口17を有する。後席フェース吹出口17は、主として、後席の上部に向けて空気を吹き出すために利用される。吹出ユニット7は、後席のための後席フット吹出口18を有する。後席フット吹出口18は、右後席のための右後席フット吹出口18a、および左後席のための左後席フット吹出口18bを有する。後席フット吹出口18は、主として、後席の下部に向けて空気を吹き出すために利用される。
車両用空調装置1において、空気は、内外気切換装置2、送風機3、および温度調節機4の順に流れる。温度調節機4によって温度調節された空気は、複数の吹出口から室内へ供給される。この実施形態では、室内の3つの領域へ供給される空気の温度が、互いに独立して温度調節される。具体的には、運転席領域と、助手席領域と、後席領域とに異なる温度の空気が供給される。この結果、車両用空調装置1は、室内の3つの領域を互いに独立して温度制御する。
図2は、車両用空調装置1の側面を示す。温度調節機4において、クーラユニット5とヒータユニット6とは、車両の前方向FRから後ろ方向RRへ向かう空気の流れに沿って配置されている。ヒータユニット6は、空気を加熱するための加熱熱交換器としてのヒータコア21を有する。ヒータコア21は、車両において利用可能な温水を熱源とする温水ヒータである。ヒータコア21は、温水が流されると空気を加熱する。
ヒータユニット6は、電気ヒータ21eを備える場合がある。電気ヒータ21eは、選択的に設けられる。電気ヒータ21eは、前席フット吹出口15、および、後席フット吹出口18に向かう空気の通路に配置されている。電気ヒータ21eは、活性化されると空気を加熱する。吹出ユニット7は、車両の後ろ方向RRに配置されている。
温度調節機4において、温度調節された空気は、吹出ユニット7の内部を、複数のドアによって選択された吹出口に向けて流れる。
図3において、クーラユニット5は、エバポレータ22を有する。エバポレータ22には、冷凍サイクルから低温低圧の冷媒が供給される。エバポレータ22は、クーラユニット5の空気通路のすべてを横切るように配置されている。送風機3から送風された空気の全量がエバポレータ22を通過する。
ヒータユニット6は、複数のエアミックスドア23を備える。ヒータユニット6のケースは、ヒータコア21をバイパスするバイパス通路24を区画している。ヒータユニット6のケースは、ヒータコア21を通過するヒータコア通路25を区画している。ヒータコア通路25は、ヒータコア21の上流側から下流側にわたって形成されている。ヒータコア通路25は、エアミックスドア23とヒータコア21との間から始まり、ヒータコア21の中を通過し、ヒータコア21の下流側において終わるように延在している。
エアミックスドア23は、バイパス通路24とヒータコア通路25との入口側に設けられている。エアミックスドア23は、エバポレータ22とヒータコア21との間に設けられている。エアミックスドア23は、いわゆる、スライドドア型である。エアミックスドア23は、揺動軸型、フィルム型など多様な構成により提供することができる。
エアミックスドア23は、バイパス通路24の入口面積と、ヒータコア通路25との入口面積の比率を調節する。エアミックスドア23は、バイパス通路24の風量と、ヒータコア通路25の風量との比率を調節する。バイパス通路24を通過した空気と、ヒータコア通路25を通過した空気とは、これらの通路の下流において混合される。よって、エアミックスドア23は、空気の温度を調節する部材である。
ヒータユニット6および吹出ユニット7のケースは、複数の吹出口13、14、15、17、18へ向かう空気通路を区画している。これらの空気通路は、デフ吹出口13に向かう空気通路を含む。デフ吹出口13に向かう空気通路は、ヒータコア21の下流側(後方向RR)から、上方向UPに向けて湾曲しながら延びている。吹出ユニット7は、デフ吹出口13を開閉するためのデフドア31を備える。
複数の空気通路は、前席のための吹出口14、15に向かう空気通路を含む。前席フェース吹出口14に向かう空気通路は、ヒータコア21の下流側から、上方向UPに向けて、デフ吹出口13に向かう空気通路の外側に巻き付くように延びている。前席フット吹出口15に向かう空気通路は、ヒータコア21の下流側から、吹出ユニット7の右方向RTと左方向LTに向けて延びている。前席のための吹出口14、15に向かう空気通路は、右席のための吹出口14a、14b、15aに向かう空気通路と、左席のための吹出口14c、14d、15bに向かう空気通路とを含む。吹出ユニット7は、右席フェース吹出口14a、14bと、左席フェース吹出口14c、14dとを、それぞれ、開閉する複数のフェースドア32を備える。
複数の空気通路は、後席のための吹出口17、18に向かう空気通路を含む。後席のための吹出口17、18に向かう空気通路は、ヒータコア21の下流側から、下方向BTかつ後方向RRへ延びている。後席のための吹出口17、18に向かう空気通路は、車両の中央部において、後方向RRへ向けて延びている。後席のための吹出口17、18に向かう空気通路は、車両の床などに沿って配置された後席へ向かうダクトに接続されている。吹出ユニット7は、後席フェース吹出口17と、後席フット吹出口18とを、それぞれ、開閉する後席ドア34を有する。
図4において、図示されるヒータユニット6のほぼ全面がエバポレータ22に面している。ヒータユニット6は、複数の温度調節機構を提供するために、複数のエアミックスドア23a、23b、23c、23d、23eを備える。図中には、駆動機構としての回転軸と、歯車機構とが図示されている。ヒータユニット6のケースは、複数のバイパス通路24a、24b、24c、24d、24eを区画する。
図5は、ヒータコア21の上における、バイパス通路24a−24eと、ヒータ通路25a−25eとの配置を示す。バイパス通路24a、ヒータ通路25a、バイパス通路24c、ヒータ通路25cは、主として、前席の右席のための吹出口14a、14b、15aに連通している。バイパス通路24b、ヒータ通路25b、バイパス通路24d、ヒータ通路25dは、主として、前席の左席のための吹出口14c、14d、15bに連通している。バイパス通路24a、ヒータ通路25a、バイパス通路24c、ヒータ通路25c、バイパス通路24b、ヒータ通路25b、バイパス通路24d、ヒータ通路25dは、デフ吹出口13にも連通する場合がある。バイパス通路24e、ヒータ通路25eは、主として、後席のための吹出口17、18に連通している。バイパス通路24e、ヒータ通路25eは、デフ吹出口13にも連通する場合がある。
図4、図5において、複数のエアミックスドア23a、23bは、複数のヒータ通路25a、25bの上流に設けられ、複数のヒータ通路25a、25bのそれぞれの開口面積を調節する。複数のエアミックスドア23c、23d、23eは、複数のヒータ通路25c、25d、25eの上流に設けられ、複数のヒータ通路25c、25d、25eのそれぞれの開口面積を調節する。
エアミックスドア23aとエアミックスドア23cとは、連動している。エアミックスドア23aとエアミックスドア23cとは、バイパス通路24a、ヒータ通路25a、バイパス通路24c、ヒータ通路25cにおける開口面積の比率を調節する。エアミックスドア23aとエアミックスドア23cとは、前席の右席のための温度調節部材である。エアミックスドア23bとエアミックスドア23dとは、連動している。エアミックスドア23bとエアミックスドア23dとは、バイパス通路24b、ヒータ通路25b、バイパス通路24d、ヒータ通路25dにおける開口面積の比率を調節する。エアミックスドア23bとエアミックスドア23dとは、前席の左席のための温度調節部材である。エアミックスドア23eは、バイパス通路24e、ヒータ通路25eにおける開口面積の比率を調節する。エアミックスドア23eは、後席のための温度調節部材である。
バイパス通路24aは、ヒータコア21の上を迂回する。バイパス通路24aとヒータ通路25aとは、ヒータコア21の下流(後方向RR)において合流する。バイパス通路24bは、ヒータコア21の上を迂回する。バイパス通路24bとヒータ通路25bとは、ヒータコア21の下流(後方向RR)において合流する。バイパス通路24cは、ヒータコア21の下を迂回する。バイパス通路24cとヒータ通路25cとは、ヒータコア21の下流(後方向RR)において合流する。バイパス通路24dは、ヒータコア21の下を迂回する。バイパス通路24dとヒータ通路25dとは、ヒータコア21の下流(後方向RR)において合流する。バイパス通路24eは、ヒータコア21の下を迂回する。バイパス通路24eとヒータ通路25eとは、ヒータコア21の下流(後方向RR)において合流する。バイパス通路24eおよびヒータ通路25eは、バイパス通路24cおよびヒータ通路25cと、バイパス通路24dおよびヒータ通路25dとの間を通って、後方向RRへ向けて延び出している。
図6は、ヒータユニット6のケースを示す。図中には、分解状態が図示されている。図7は、センタケース41と、2つのミドルケース44、45との組合せ状態を示す。ミドルケース44は、第1のケースとも呼ばれる。ミドルケース45は、第2のケースとも呼ばれる。図6および図7は、ヒータユニット6の背面、すなわち車両の前端から後方向RRを見た場合の外観を示している。
ヒータユニット6は、複数のケース41−45を有する。ヒータユニット6は、センタケース41、および、両側のサイドケース42、43を備える。センタケース41の両側から、センタケース41に、サイドケース42、43が組み合わせられている。さらに、ヒータユニット6は、2つのミドルケース44、45を備える。
センタケース41は、ヒータ通路25aと、ヒータ通路25bとの間を仕切る仕切部材を提供する。ミドルケース44は、センタケース41と、サイドケース42との間に配置されている。ミドルケース45は、センタケース41と、サイドケース43との間に配置されている。ミドルケース44は、ヒータ通路25cと、ヒータ通路25eとの間を仕切る仕切部材を提供する。ミドルケース45は、ヒータ通路25dと、ヒータ通路25eとの間を仕切る仕切部材を提供する。センタケース41は、ヒータ通路25eを仕切っていてもよい。よって、2つのミドルケース44、45は、ヒータコア21の上流側および下流側において、複数のヒータ通路25c、25d、25eを区画している。
ミドルケース44、45は、他の部材、例えばセンタケース41およびサイドケース42、43より小さい部材である。また、ミドルケース44、45が担う機能は、他の部材、例えばセンタケース41およびサイドケース42、43より少ない。このため、ミドルケース44、45の形状は、他の部材への影響を抑制しながら変更することができる。例えば、形状が異なるミドルケース44、45を数種類準備し、車種、仕様の違いに適するミドルケース44、45が選択されている。ミドルケース44、45は、車種、仕様の違いに適する形状を有することができる。
図8は、車両用空調装置1の側面を示す。図中では、ヒータコア21から延び出すパイプや、ドア駆動機構などが省略されている。
図9は、図8のIX−IX線におけるモデル化された端面を示す。端面は、部材の切り口を示す。IX−IX線は、ヒータ通路25c、ヒータ通路25d、およびヒータ通路25eを通る。送風機3から送風された空気は、エバポレータ22を通過し、エアミックスドア23c、23d、23eに到達する。
ヒータ通路25cは、主として、サイドケース42およびミドルケース44によって区画されている。ミドルケース44は、ヒータ通路25cの断面積を変化させる調節部46を有する。調節部46は、第1の調節部とも呼ばれる。調節部46は、ミドルケース44の仕切部に湾曲した形状を設けることにより形成されている。調節部46は、エアミックスドア23cからヒータコア21に向けて、ヒータ通路25cの断面積を徐々に増加させる。調節部46は、ヒータコア21から下流に向けて、ヒータ通路25cの断面積を徐々に減少させる。調節部46は、エアミックスドア23cにより調節されるヒータ通路25cの面積に影響を与えることなく、ヒータコア21を通過する面積を増加させる。
ヒータコア21の前後におけるヒータ通路25cの断面積の変化は、ヒータコア21による空気への加熱量を調節する。よって、調節部46は、加熱量を調節する。この実施形態では、ミドルケース44によって加熱量の調節が可能である。
ヒータ通路25dは、主として、サイドケース43およびミドルケース45によって区画されている。ミドルケース45は、ヒータ通路25dの断面積を変化させる調節部47を有する。調節部47は、第2の調節部とも呼ばれる。調節部47は、ミドルケース45の仕切部に湾曲した形状を設けることにより形成されている。調節部47は、エアミックスドア23dからヒータコア21に向けて、ヒータ通路25dの断面積を徐々に増加させる。調節部47は、ヒータコア21から下流に向けて、ヒータ通路25dの断面積を徐々に減少させる。調節部47は、エアミックスドア23dにより調節されるヒータ通路25dの面積に影響を与えることなく、ヒータコア21を通過する面積を増加させる。
ヒータコア21の前後におけるヒータ通路25dの断面積の変化は、ヒータコア21による空気への加熱量を調節する。よって、調節部47は、加熱量を調節する。この実施形態では、ミドルケース45によって加熱量の調節が可能である。
ヒータ通路25eは、ミドルケース44とミドルケース45との間に区画されている。調節部46、47は、ヒータ通路25eの断面積を変化させている。調節部46、47は、エアミックスドア23eからヒータコア21に向けて、ヒータ通路25eの断面積を徐々に減少させる。調節部46、47は、ヒータコア21から下流に向けて、ヒータ通路25eの断面積を徐々に増加させる。調節部46、47は、エアミックスドア23eにより調節されるヒータ通路25eの面積に影響を与えることなく、ヒータコア21を通過する面積を減少させる。
ミドルケース44、45は、ヒータコア21を通過する複数のヒータ通路25c、25d、25eを仕切る部材でもある。ミドルケース44、45は、ヒータコア21の上流側および/または下流側において、複数のヒータ通路25c、25d、25eの面積を、ミドルケース44、45で仕切られた一方のヒータ通路25c、25dでは増加させ、ミドルケース44、45で仕切られた他方のヒータ通路25eでは減少させる調節部46、47を有する。調節部46、47は、下記のような形状を有する。調節部46、47は、ヒータコア21の上流からヒータコア21へ向けて、複数のヒータ通路25c、25d、25eの面積を、ミドルケース44、45で仕切られた一方のヒータ通路25c、25dでは増加させ、ミドルケース44、45で仕切られた他方のヒータ通路25eでは減少させる。調節部46、47は、ヒータコア21からヒータコア21の下流へ向けて、複数のヒータ通路25c、25d、25eの面積を、ミドルケース44、45で仕切られた一方のヒータ通路25c、25dでは減少させ、ミドルケース44、45で仕切られた他方のヒータ通路25eでは増加させる。
ミドルケース44、45は、ヒータコア21を通過する3つのヒータ通路25c、25e、25dを仕切る第1のミドルケース44および第2のミドルケース45でもある。この場合、調節部46、47は、第1のミドルケース44に設けられた第1の調節部46と、第2のミドルケース45に設けられた第2の調節部47とでもある。第1の調節部46と第2の調節部47とは、それらの間のヒータ通路25eに関して対称である。
ヒータコア21の前後におけるヒータ通路25eの断面積の変化は、ヒータコア21による空気への加熱量を調節する。よって、調節部47は、加熱量を調節する。この実施形態では、ミドルケース44、45によって加熱量の調節が可能である。
ヒータコア21の前後に位置づけられた調節部46、47は、ヒータ通路25cのためのヒータコア21の熱交換面積と、ヒータ通路25eのためのヒータコア21の熱交換面積との比率を調節し、設定する。この比率は、一方が増加すると、他方が減少する相補的な関係にある。この比率は、ミドルケース44、45における調節部46、47の形状を変更するだけで調節可能である。この比率は、センタケース41および/またはサイドケース42、43を共用しながら、異なる調節部をもつミドルケース44、45を装着することで変更可能である。
図10は、この実施形態のケース42、43、44、45のモデル化された断面を示す。上述のように、ヒータ通路25cの断面積は、調節部46の形状に依存して、面積A1から、面積A3を経て、面積A5へ変化する。面積A1は、面積A3より小さい(A1<A3)。面積A5は、面積A3より小さい(A3>A5)である。面積A1は、面積A5と等しい(A1=A5)。面積A1と面積A5とは、ほぼ同じでもよい。このような面積の変化は、エアミックスドア23cにより調節されるヒータ通路25cの面積A1に影響を与えることなく、ヒータコア21による加熱量を変化させる。ヒータコア21を通過する面積A3が、面積A1を上回る場合、加熱量が増加される。
ヒータ通路25dの断面積は、調節部47の形状に依存して、変化する。このような面積の変化は、エアミックスドア23dにより調節されるヒータ通路25dの面積に影響を与えることなく、ヒータコア21による加熱量を変化させる。
ヒータ通路25c、25dの間に位置付けられたヒータ通路25eでは、調節部46、47の形状に依存して、面積A2から、面積A4を経て、面積A6へ変化する。面積A2は、面積A4より大きい(A2>A4)。面積A6は、面積A4より大きい(A4<A6)である。面積A2は、面積A6と等しい(A2=A6)。面積A2と面積A6とは、ほぼ同じでもよい。このような面積の変化は、エアミックスドア23eにより調節されるヒータ通路25eの面積A2に影響を与えることなく、ヒータコア21による加熱量を変化させる。ヒータコア21を通過する面積A4が、面積A2を下回る場合、加熱量が減少される。
調節部46、47は、皿状、またはテーパ状と呼びうる形状である。調節部46、47の形状は、ヒータ通路25c、25dと、ヒータ通路25eとの間に、望ましい温度差が得られるように調節されている。具体的には、皿状の調節部46、47の深さが、所望の温度特性が得られるように調節されている。
複数のヒータ通路25c、25d、25eは、車両の室内の複数の領域に対応付けられている。複数の領域は、車両の席に対応する領域であって、前席の右席領域、前席の左席領域、および後席領域を含む。
エアミックスドア23cにより提供される温度調節機構による加熱量が増加され、逆に、エアミックスドア23eにより提供される温度調節機構による加熱量が減少される。複数の温度調節機構の間において望ましい加熱量の差を与えることができる。また、別の観点では、前席のための加熱量と、後席のための加熱量との比率を調節することができる。
調節部46、47の形状は、車種、仕様など多様な用途においても、所望の温度特性が得られるように、車種、仕様など用途に応じて設定される。調節部46、47は、複数の車両用空調装置1の機種ごとに異なる形状である。ヒータコア21の上流では、複数の機種において、共通の形状をもつエアミックスドア23c、23d、23eを備えることができる。ヒータコア21の下流でも、複数の機種において、同じ構造が採用される。例えば、バイパス通路24eとヒータ通路25eとは、後席のための吹出口17、18へ向けて接続される。この接続部において複数の機種において同じ形状を採用することができる。
比較的小さい部材であるミドルケース44、45の形状を変更するだけで、多様な用途に対応することができる。しかも、車種変更などに起因して、調整が必要となっても、ミドルケース44、45の外形を変えることなく、仕切りである調節部46、47の変更だけで良い。エアミックスドア23など他の部品を変更することなく、加熱量の差を調節することができる。さらに、小さい部品であるミドルケース44、45は、成形型の変更など調整に要する作業量、コストを抑制するために貢献する。また、調節部46、47は、ミドルケース44、45の剛性を高める場合がある。この場合、複数のケースを組み合わせる製造方法が容易になる場合がある。
この実施形態によると、複数の温度調節機構の間の温度特性の調節が容易な車両用空調装置1が提供される。言い換えると、望ましい温度特性への調節が容易な車両用空調装置1が提供される。さらに、ヒータコア21の上流における部品、例えばエアミックスドア23に関連する面積などを変えることなく、温度特性を調節可能である。さらに、ヒータコア21の下流における部品、例えば、吹出ユニット7への接続部の面積などを変えることなく、温度特性を調節可能である。
第2実施形態
この実施形態は、先行する実施形態を基礎的形態とする変形例である。上記実施形態では、調節部46、47が設けられている。調節部46、47は、ヒータ通路25eのためのヒータコア21の熱交換面積を、減少させる。これに代えて、ミドルケース44、45は、多様な形状の調節部を備えることができる。この実施形態では、調節部246、247が採用されている。この実施形態は、ミドルケース44、45に採用可能な、多様な形状の調節部の一例を提供する。調節部246、247は、ヒータ通路25eのためのヒータコア21の熱交換面積を、上記実施形態とは逆に増加させる。
図11に図示されるように、調節部246は、ヒータ通路25cの断面積を、面積A1から面積A23へ減少させ、さらに面積A23から面積A5へ増加させる。調節部246と調節部247は、ヒータ通路25eの断面積を、面積A2から面積A24へ増加させ、さらに面積A24から面積A6へ減少させる。
この実施形態でも、複数の温度調節機構の間において望ましい加熱量の差を与えることができる。さらに、比較的小さいミドルケース44、45の調節部を設計変更するだけで、多様な用途に対応することができる。例えば、車種ごとに異なる形状の調節部をもつミドルケース44、45を利用することで、車種ごとのチューニングが可能となる。
第3実施形態
この実施形態は、先行する実施形態を基礎的形態とする変形例である。この実施形態では、調節部346、347が採用されている。この実施形態も、ミドルケース44、45に採用可能な、多様な形状の調節部の一例を提供する。調節部346、347は、ヒータコア21の前後においてまっすぐである。
図12に図示されるように、調節部346は、ヒータ通路25cの断面積を、面積A1から面積A5へ推移させる。面積A1から面積A5への推移は、等しい場合(A1=A5)と、一様に緩やかに増加する場合(A1<A5)と、一様に緩やかに減少する場合(A1>A5)とを選択可能である。調節部346は、まっすぐの面、または湾曲した面によって提供可能である。調節部346と調節部347は、ヒータ通路25eの断面積を、面積A2から面積A6へ推移させる。
第1実施形態、または第2実施形態は、ヒータコア21の前後においてのみ、通路の断面積を変化させる。これに代えて、この実施形態によると、ヒータコア21の前後を含めて通路がほぼ一様に変化する。この結果、調節部の形状の選択肢が増え、多様な用途に対応することができる。
第1実施形態に戻り、ミドルケース44、45を説明する。図13は、第1実施形態のセンタケース41と、ミドルケース44、45とを示す分解図である。図13は、ヒータユニット6の背面、すなわち車両の前端から後方向RRを見た場合の外観を示している。ミドルケース44、45は、センタケース41に対して高さ、幅ともに小さい部品である。ミドルケース44は、センタケース41との間に、ヒータ通路25eと、バイパス通路24eとを形成する。ミドルケース44は、図6に図示されるサイドケース42との間に、ヒータ通路25cと、バイパス通路24cとを形成する。ミドルケース45は、センタケース41との間に、ヒータ通路25eと、バイパス通路24eとを形成する。ミドルケース45は、図6に図示されるサイドケース43との間に、ヒータ通路25dと、バイパス通路24dとを形成する。
調節部46、47は、ヒータ通路25c、25d、25eのそれぞれがヒータコア21において占める熱交換のための表面積の比率を、上流および/または下流の通路構成に拘束されることなく調整することを可能とする。ミドルケース44、45に設けられた調節部の意図的に計画された形状によって、調整の事実が確認される場合がある。ミドルケース44、45以外の他の部品を共用する複数の機種の調節部を比べることにより、調整の事実が確認される場合がある。
図14は、第1実施形態のミドルケース44を示す斜視図である。図14は、図13における矢印XIVに沿って見たミドルケース44を図示している。図15は、図14のXV―XV線における断面である。図14および図15における曲線状の矢印は、空気の流れを示している。図14および図15により、ミドルケース44、45における調節部46、47の位置が明確に理解される。
ミドルケース44は、ヒータ通路25c、25eを仕切る部材である。ミドルケース44は、ヒータ通路25c、25eを区画する部材のひとつでもある。ミドルケース44は、バイパス通路24cおよび図示されないバイパス通路24eを区画する部材のひとつでもある。
ミドルケース44は、ヒータコア21が配置される主スリット44aと、電気ヒータ21eが配置される副スリット44bとを有する。ヒータコア21は、ヒータ通路25c、25eを横切るように配置されている。電気ヒータ21eは、ヒータ通路25c、25eを横切るように配置されている。
ミドルケース44は、主スリット44aの上流側と下流側との両方に調節部46を有している。調節部46は、ヒータ通路25eとヒータ通路25cとを仕切る壁でもある。調節部46は、主スリット44aより上流側に位置する上流壁46aを有する。調節部46は、主スリット44aより下流側に位置する下流壁46bを有する。ヒータ通路25c、25eにおける空気の流れは、上流壁46aおよび下流壁46bに沿って流れる。
上流壁46aは、エアミックスドア23より下流に配置されている。下流壁46bは、副スリット44bより上流に配置されている。言い換えると、下流壁46bは、電気ヒータ21eより上流に配置されている。これにより、調節部46、47は、ヒータコア21によるヒータ通路25cとヒータ通路25eに対する加熱量の比率のみを調節する。電気ヒータ21eによるヒータ通路25cとヒータ通路25eに対する加熱量の比率は、それらの本来の通路比率に依存する。
他の実施形態
この明細書における開示は、例示された実施形態に制限されない。開示は、例示された実施形態と、それらに基づく当業者による変形態様を包含する。例えば、開示は、実施形態において示された部品および/または要素の組み合わせに限定されない。開示は、多様な組み合わせによって実施可能である。開示は、実施形態に追加可能な追加的な部分をもつことができる。開示は、実施形態の部品および/または要素が省略されたものを包含する。開示は、ひとつの実施形態と他の実施形態との間における部品および/または要素の置き換え、または組み合わせを包含する。開示される技術的範囲は、実施形態の記載に限定されない。開示されるいくつかの技術的範囲は、請求の範囲の記載によって示され、さらに請求の範囲の記載と均等の意味及び範囲内での全ての変更を含むものと解されるべきである。
上記実施形態では、望ましい温度特性を得るように調節部46、47、246、247、346、347を調節した。これに代えて、望ましい圧力損失が得られるように調節部を調節してもよい。また、調節部46、47、246、247、346、347は、ヒータコア21の上流から下流にわたって断面積の変化を与えている。これに代えて、温度調節機構としてのエアミックスドア23がヒータコア21の上流側にある場合、ヒータコア21の上流からヒータコア21までの区間において断面積の変化を与えてもよい。
上記実施形態では、皿状、またはテーパ状と呼びうる形状の調節部46、47、246、247、346、347が設けられている。これに代えて、階段状、凸曲面、凹曲面など、多様な形状を採用することができる。また、調節部46、47、246、247、346、347は、2つのミドルケース44、45のうちの一方にのみ設けられてもよい。