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JP6669593B2 - ハニカム構造体 - Google Patents
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Description

本発明は、たとえば、内燃機関の排ガスに含まれる粒子状物質等を捕集するために用いられるハニカム構造体に関する。
内燃機関の排ガスに含まれる粒子状物質等(以下、「PM等」という)を捕集するためのフィルタとして、DPF(Diesel Particulate Filter)と呼ばれるハニカム構造体が知られている(特許文献1参照)。ハニカム構造体は、内燃機関の排気通路に設けられたケーシング内に収容される。このハニカム構造体は、円柱状をなし、外周面を全周に亘って外方へ突出するリング状凸部が形成されている。このリング状凸部は、ハニカム構造体をケーシング内に固定されるための機能を果たす。ハニカム構造体の製造では、ハニカム構造を有する多角形状のワークを加工対象とし、その加工では、ハニカム構造体が円柱状であり、かつ軸方向の中央にリング状凸部が形成されるように、ワークの周面を研削して成形する。研削によって成形されたワークは、リング状凸部を含めて周面全体に塗布層用ペーストが塗布されて塗布層が形成される。
特開2014−64978号公報
特許文献1に開示されているハニカム構造体では、リング状凸部がハニカム構造を有して構成されることから、リング状凸部の強度としては、十分とは言い切れない。本発明の目的は、リング状凸部を備えるハニカム構造体の強度向上を図ることにある。
上記目的を達成するハニカム構造体は、断面ハニカム形状の隔壁によって区画された複数のセルが並設されている柱状のセラミックブロックと、前記セラミックブロックの周面を被覆する外装材層と、前記セラミックブロックの外周面を全周に亘って外方へ突出するとともに前記外装材層と一体物として構成されたリング状凸部とを有する。
この構成によれば、外装材層とリング状凸部とが一体物として構成されていて、リング状凸部にセラミックブロックが備えるようなセルは形成されていない。したがって、リング状凸部にセルが形成されている構成に比べて、リング状凸部の強度向上が可能となる。
上記ハニカム構造体において、前記リング状凸部は、断面台形状をなし、前記セラミックブロックの一端側に第1傾斜面を有するとともに他端側に第2傾斜面を有し、頂面からの前記第1傾斜面の下り傾斜角と頂面からの前記第2傾斜面の下り傾斜角とが等しいことが好ましい。
この構成によれば、第1傾斜面と第2傾斜面を用いてハニカム構造体を被取付部に取り付ける際には、それら傾斜面に対して、軸方向において均等に力が作用するため、リング状凸部に部分的に高い応力がかかることなく、リング状凸部の破損を防ぐことができる。
上記ハニカム構造体において、前記リング状凸部は、無機粒子、無機繊維、及び無機バインダを含んで形成されることが好ましい。
この構成によれば、リング状凸部の強度をさらに向上させることができる。
上記ハニカム構造体において、前記セラミックブロックは、複数のハニカム部材が接合層を介して結束されてなることが好ましい。
この構成によれば、部分的に接合層と外装材層が接するため、セラミックブロックと外層材層及びリング状凸部との密着性が向上する。
上記ハニカム構造体において、前記隔壁の気孔率が、60〜75%であることが好ましい。
この構成によれば、ハニカム構造体の圧力損失を低減させつつ、リング状凸部の強度向上の効果を最大限に発揮できる。
上記ハニカム構造体において、前記セラミックブロックの外周面に充填層が形成されていることが好ましい。
セラミックブロックと外装材層との間に、充填層を形成することで、外装材層の剥離を抑制することができる。
上記ハニカム構造体において、前記充填層は、前記セラミックブロックの最外周を構成するハニカム部材のうち、相対的に断面積の大きいハニカム部材の外周面に形成されていることが好ましい。
セラミックブロックの最外周を構成するハニカム部材のうち、相対的に断面積の大きいハニカム部材は、外周面に加工凹凸面が少ないため、外装材層との密着性が悪く剥離しやすいが、この構成にすることで、外装材層の剥離を抑制することができる。
上記ハニカム構造体において、前記充填層は、前記外装材層及び前記リング状凸部と一体物として構成されることが好ましい。
この構成によれば、充填層と外装材層およびリング状凸部との密着性が向上する。また、充填層形成工程が不要となる。
上記目的を達成するハニカム構造体の製造方法は、断面ハニカム形状の隔壁によって区画された複数のセルが並設されている柱状のセラミックブロックを形成するセラミックブロック形成工程と、周方向に沿って延びる環状の凹溝が形成された型枠の内部に、前記型枠の内面と所定間隔をおいて前記セラミックブロックを配置する配置工程と、前記型枠の内面と前記セラミックブロックとの間に外装材層用ペーストを充填する充填工程と、前記外装材層用ペーストを乾燥固化させて前記セラミックブロックに外装材層及びリング状凸部を形成する乾燥工程とを有する。
この製造方法によれば、リング状凸部にセラミックブロックが備えるようなセルは形成されず、しかも、リング状凸部が外装材層と一体物であるハニカム構造体を製造することができる。上記特許文献1に開示された技術のような、リング状凸部をセラミックブロックに対する研削によって成形し、そのリング状凸部に塗布層用ペーストを塗布する構成に比べて、製造が容易になる。
上記ハニカム構造体の製造方法において、前記セラミックブロック形成工程は、複数のハニカム部材を接合してハニカム集合体を形成し、該ハニカム集合体の周面を研削してセラミックブロックを形成する工程を含むことが好ましい。
この製造方法によれば、セラミックブロックにリング状凸部が備えられるように、セラミックブロックを研削する必要がなく、それだけ、研削が容易となる。
本発明によれば、リング状凸部を備えるハニカム構造体のリング状凸部の強度が向上し、特に排気通路に設置して使用した際に破損せず、ハニカム構造体をケーシング内に確実に固定できる。また、リング状凸部の強度が向上したハニカム構造体を容易に製造することができる。
(a)本実施形態のハニカム構造体の斜視図。(b)本実施形態のハニカム構造体の側面図。 (a)図1におけるA−A線での一部断面図。(b)(a)の部分拡大図。 (a)ハニカム部材の斜視図。(b)ハニカム部材のB−B断面図。 表面に充填層を形成したハニカム集合体の斜視図。 表面に充填層を形成したハニカム集合体を研削した後のセラミックブロックの斜視図。 ハニカム構造体の製造方法における配置工程を示し、(a)は正面図、(b)は平面図。 ハニカム構造体の製造方法における配置工程を示す斜視図。 ハニカム構造体の製造方法における充填工程を示す正面図。 ハニカム構造体の製造方法における乾燥工程後、充填装置からハニカム構造体を取り出し可能な状態を示す斜視図。
ハニカム構造体の一実施形態を図1〜9に従って説明する。
図1(a)(b)に示すように、本実施形態のハニカム構造体10は、円柱状をなすセラミックブロック11を有している。セラミックブロック11は、柱状をなすハニカム部材12が複数、接合層13によって接合されていることによって構成している。接合層は、ハニカム構造体の製造に使用される公知の材料、例えば無機粒子、無機バインダ、無機繊維等を含有するものを適宜採用することができる。また、後述する充填層及び外装材層の形成に用いられる材料を選択してもよい。これらは、一種のみが単独で使用されてもよいし、二種以上が組み合わされて使用されてもよい。
図2,3に示すように、ハニカム部材12は、柱状の周壁12aと、周壁12aの内部を周壁12aの軸方向に延びる複数のセルに区画する断面ハニカム形状の隔壁12bと備えている。図3(a)(b)に示すように、隔壁12bにより区画されたセルCは、一方の端部が開放されているとともに他方の端部が封止材12cにより閉塞されている第1セルC1と、一方の端部が封止材12cにより閉塞されているとともに他方の端部が開放されている第2セルC2との2種類のセルから構成されている。セルCは、流体の流路として機能し、第1セルC1の開口を流路上流側の第1端面、第2セルC2の開口を下流側の第2端面とすると、排ガスGは、第1端面から隔壁12bを通り、第2セルC2へ流入し、第2端面から排出される。
ハニカム部材の周壁及び隔壁は、主として多孔質セラミックから形成されている。このセラミックの具体例としては、窒化アルミニウム、窒化ケイ素、窒化ホウ素、窒化チタン等の窒化物セラミックや、炭化珪素、炭化ジルコニウム、炭化チタン、炭化タンタル、炭化タングステン等の炭化物セラミックや、アルミナ、ジルコニア、コージェライト、ムライト、シリカ、チタン酸アルミニウム等の酸化物セラミック、金属珪素−炭化珪素複合材等が挙げられる。これらは、一種のみが単独で使用されてもよいし、二種以上が組み合わされて使用されてもよい。
封止材を形成する主な材料としては、上記ハニカム部材と同一の特性、例えば熱膨張率等を確保する点から、ハニカム部材と同一の多孔質セラミックにより構成されることが好ましい。
隔壁には、白金族元素(例えばPt等)や、その他の金属元素及びその酸化物等からなる酸化触媒が担持されていてもよい。この場合、隔壁の表面及び内部に捕集されたPM等の除去が、そうした酸化触媒の触媒作用により促進される。隔壁の厚みの上限は、好ましくは0.45mm、より好ましくは0.33mmである。かかる場合、例えば隔壁の表面及び内部に捕集されたPM等を除去する際、排ガスが隔壁を通過する際の抵抗が低減し、圧力損失を低減することができる。隔壁の厚みの下限は、0.1mmであることが好ましい。かかる場合、ハニカム構造体の機械的強度を充分に確保することができる。
隔壁に形成されるセルの開口率の下限は、好ましくは55%、より好ましくは60%である。また、セルの開口率の上限は、好ましくは70%、より好ましくは65%である。開口率がかかる範囲にある場合、ハニカム構造体の圧力損失を低減することができる。また、セラミックブロックの必要な強度を保持することができる。なお、本発明において、開口率とは、セラミックブロックを構成するセルの長手方向に対して垂直なセラミックブロックの断面積に対する全てのセルの長手方向に対する垂直方向の断面積の合計の割合(%)をいう。
隔壁の気孔率の下限は、好ましくは60%、より好ましくは62%である。隔壁の気孔率を60%以上とすることにより、圧力損失を低減することができる。また、触媒の担持量を多くすることができ、排ガスの浄化性能の向上を図ることができる。一方、隔壁の気孔率の上限は、好ましくは75%、より好ましくは70%である。隔壁の気孔率を75%以下とすることにより、セル隔壁の機械的強度の向上を図り、例えばハニカム構造体の再生時等におけるクラックの発生を抑制することができる。
隔壁の気孔率、気孔径は、水銀圧入法により、水銀ポロシメーター(島津製作所製オートポアIV9510)を用いて、接触角を130°、表面張力を485mN/mの条件で測定する。
隔壁の気孔率は、原料の粒子径の調整、造孔剤の添加、焼成条件等により調整することができる。造孔剤の具体例としては、微小中空球体であるバルーンや、球状アクリル粒子、グラファイト、デンプン等が挙げられる。バルーンの具体例としては、アルミナバルーン、ガラスマイクロバルーン、シラスバルーン、フライアッシュ(FA)バルーン、ムライトバルーン等の酸化物セラミックを主成分とするバルーン等が挙げられる。これらは、一種のみが単独で使用されてもよいし、二種以上が組み合わされて使用されてもよい。
図2(a)(b)に示すように、第1方向及び第2方向において、最も外側に位置する2つのハニカム部材12は、外方を指向する周壁12aの外側に充填層14が接合されている。充填層14は、2つのハニカム部材12の周壁12aに接する接合面14aと外側に位置する円弧面14bとを有している。したがって、セラミックブロック11の周面は、ハニカム部材12の周壁12a及び隔壁12bの壁端面と、充填層14の円弧面14bとから構成されている。
図1に示されるように、ハニカム構造体10は、環状に形成されたリング状凸部20を有している。リング状凸部20は、セラミックブロック11の中心軸線X方向における中央であって、セラミックブロック11の外周面を全周に亘って外方へ突出している。リング状凸部20は、セラミックブロック11の中心軸線Xを含む仮想断面において、断面形状が台形状に形成されている。リング状凸部20は、頂面21とセラミックブロック11の周面に接する内面とを有し、これら頂面21と内面とはセラミックブロック11の径方向において対向している。また、リング状凸部20は、セラミックブロック11の一方の第1端部11a側に位置する第1傾斜面23とセラミックブロック11の他方の第2端部11b側に位置する第2傾斜面24とを有している。第1傾斜面23における頂面21からの下り傾斜角に相当するθ1と第2傾斜面24における頂面21からの下り傾斜角に相当するθ2は、等しくなるように設定されている。
リング状凸部20は、周方向に交互に配置されている平坦部20Aと円弧部20Bとを有している。平坦部20Aは、セラミックブロック11の第1方向及び第2方向に位置し、頂面21が平坦面によって構成されている。円弧部20Bは、頂面21が円弧面によって構成されている。
図1に示すように、ハニカム構造体10は、外装材層30を有している。外装材層30は、セラミックブロック11の第1端部11a側の周面全体を被覆する第1外装材層30Aとセラミックブロック11の第2端部11b側の周面全体を被覆する第2外装材層30Bとを有している。外装材層30とリング状凸部20とは一体物として構成している。したがって、セラミックブロック11は、周面全体が一体物としてのリング状凸部20及び外装材層30によって被覆されている。図1に示すように、セラミックブロック11の中心軸線Xを含む仮想断面において、第1外装材層30Aの外周面とリング状凸部20の第1傾斜面23とがなす角度K1と第2外装材層30Bの外周面とリング状凸部20の第2傾斜面24とがなす角度K2とは、等しく設定されている。
リング状凸部及び外装材層は、同一材料により、一体的に形成され、無機粒子、無機繊維、無機バインダを含有する。無機粒子は、リング状凸部及び外装材層のマトッリクス材料として機能する。無機粒子の具体例としては、炭化珪素、窒化珪素、コージェライト、アルミナ、ムライト、ジルコニア、リン酸ジルコニウム、チタン酸アルミニウム、チタニア、シリカ及びこれらの組み合わせよりなる群から選ばれるセラミックス等が挙げられる。これらは、単独で使用されてもよく、二種以上を組み合わせて使用してもよい。
無機繊維は、リング状凸部及び外装材層の強度を向上させる機能を有する。この種の無機繊維の具体例としては、シリカ−アルミナファイバ、ムライトファイバ、シリカファイバ、アルミナファイバ等が挙げられる。これらは、単独で使用されてもよく、二種以上を組み合わせて使用してもよい。
無機バインダは、リング状凸部及び外装材層の強度を向上させる機能を有する。この種の無機バインダの具体例としては、アルミナゾル、シリカゾル、チタニアゾル等が挙げられる。これらは、単独で使用されてもよく、二種以上を組み合わせて使用してもよい。
上記無機繊維に代えて、或いは無機繊維とともに、無機中空体(無機バルーン)を、リング状凸部及び外装材層に含有させてもよい。この種の無機中空体の具体例としては、ガラスマイクロバルーン、アルミナバルーン、ムライトバルーン、シリカバルーン等が挙げられる。無機中空体の平均粒径は特に限定されるものではない。
リング状凸部及び外装材層には、他の成分として有機バインダが含有されてもよい。有機バインダの具体例としては、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコール、メチルセルロース、エチルセルロース等の親水性有機高分子が挙げられる。これらは、単独で使用されてもよく、二種以上を組み合わせて使用してもよい。有機バインダは熱により除去されるため、加熱後はリング状凸部及び外装材層には含まれない。
リング状凸部及び外装材層の気孔率の下限は、好ましくは20%、より好ましくは30%である。リング状凸部及び外装材層の気孔率を20%以上とすることにより、強度を向上させることができるとともに、熱膨張によるリング状凸部の破損を防ぐことができる。一方、リング状凸部及び外装材層の気孔率の上限は、隔壁の気孔率よりも低く、好ましくは50%、より好ましくは45%である。リング状凸部及び外装材層の気孔率を50%以下とすることにより、リング状凸部の強度の向上を図ることができる。
本実施形態のハニカム構造体の各寸法は、適宜設定されるが、例えばセラミックブロックの直径が好ましくは140〜150mmであり、長手方向の長さが好ましくは100〜170mmである。また、リング状凸部の形状としては、中心軸線X方向における基端部の幅に相当するX1が好ましくは20〜22mm、平坦部20Aの上面幅に相当するX2が好ましくは19〜21mmである。また、中心軸線Xから第1方向における外装材層30の外周面から、円弧部20Bの外周面を含む仮想周面25までの高さY1が好ましくは6〜7mm、外装材層30の外周面から平坦部20Aの上面までの高さY2が好ましくは4〜5mmである。第1傾斜面23の頂面21に対する傾斜角θ1、第2傾斜面24の頂面21に対する傾斜角θ2は、共に好ましくは27〜43度である。第1外装材層30A及び第2外装材層30Bの厚さは好ましくは0.05〜1.0mmである。
本実施形態のハニカム構造体は、排ガス浄化装置として、例えば排ガスを排出する排気通路の途中に設けられるケーシング内に配置されることにより使用される。リング状凸部の第1傾斜面及び第2傾斜面がケーシングの内面と、当接することにより、ハニカム構造体は、ケーシング内に保持され、上下左右方向、通気方向への移動が規制される。また、リング状凸部の平坦部とケーシングの内面を当接することにより、ハニカム構造体の周面方向への移動が規制される。
以下、本発明のハニカム構造体の製造方法について具体的に説明する。なお、本発明のハニカム構造体の製造方法は、以下の構成に限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲において適宜変更して適用することができる。
図4〜9に基づいて、ハニカム構造体の製造方法について説明する。ハニカム構造体は、セラミックブロック形成工程、配置工程、充填工程、乾燥工程を順に経ることによって製造される。
(セラミックブロック形成工程)
セラミックブロック形成工程は、成形工程、接合工程、及び研削工程を有する。
[成形工程]
ハニカム成形体は、4つの周壁から構成される四角柱状をなしていて、周壁の内部を周壁の軸方向に延びる複数のセルに区画する断面ハニカム形状の隔壁と備えている。セラミック粉末及びバインダを含む原料組成物を、押出成形機を用いて押出成形することでハニカム成形体となる。押出成形されたハニカム成形体は、乾燥機を用いて乾燥する。原料組成物としては、上述したハニカム構造体に用いられる材料を用いることができる。乾燥処理は、ハニカム構造体の製造工程で用いられる公知の処理を採用することができる。
乾燥されたハニカム成形体は、切断装置を用いて所望の長さに切断される。切断された端面について、所定量の封止材ペーストを充填してセルを目封じすることによって、第1セル及び第2セルが構成される。目封じしたハニカム成形体は、乾燥後、脱脂炉中で加熱して脱脂され、さらに、焼成炉内で焼成されて、ハニカム部材が作製される。
[接合工程]
ハニカム部材の接合工程では、16本のハニカム部材を互いに接合する。ハニカム部材は、軸方向が互いに平行となるとともに、隣り合うハニカム部材同士であって、対向する周壁同士は、面方向が平行となるように所定の間隔をおいて配置される。周壁同士の間には接合層が形成され、ハニカム部材は、その接合層によって四角柱状をなすように接合される。
図4に示すように、接合されたハニカム部材12の壁面には充填部材を含むスラリーを塗布及び乾燥させることにより長方形板状の充填層31を形成した。充填層31は、接合されたハニカム部材の4つの壁面に対して、それら壁面に露出した接合層13の端面を被覆するようにそれぞれ配置される。このようにしてハニカム部材12が互いに接合されて周壁に充填層31を有するハニカム集合体32が作製される。
[研削工程]
ダイヤモンドカッターのついた研削装置を用いてハニカム集合体32の形状が円柱状となるように研削することで、図5に示される円柱状をなすセラミックブロック11が作製される。
(配置工程)
配置工程では、セラミックブロック11について、リング状凸部及び外装材層を形成するための充填装置に配置する工程である。図6(a)(b)及び図7に示すように、充填装置80は、円板状に形成された型枠としての載置プレート81を有し、この載置プレート81の上方には、載置プレート81と同じ形成に形成された型枠としての押圧プレート82を有している。これら載置プレート81と押圧プレート82とは、それら中心軸線が互いに同軸となるように配置されている。載置プレート81の載置面81aと押圧プレート82の押圧面82aとは、面方向が互いに平行となるように設定されている。載置プレート81には弁機能を有する充填部81bを有している。押圧プレート82は、内外を連通する連通部82bを有している。充填装置80は、押圧プレート82を垂直方向に往復動させる第1駆動部E1を有している。押圧プレート82は、第1駆動部E1の駆動が制御されることによって、載置プレート81に対して接近及び離間する。
充填装置80は、水平方向において互いに対向する型枠としての一対の側方プレート83、84を有している。これら側方プレート83、84は、同一形状をなし、これら側方プレート83、84同士が互いに対向する対向面は、中央部に半円柱状に凹んだ円弧凹面83a、84aと両端部で円弧凹面83a、84aに隣接する当接面83b、84bとから構成されている。円弧凹面83a、84aには凹溝85が凹み形成されている。凹溝85は、側方プレート83、84の上下方向の中央において、一方の当接面83b、84bから他方の当接面83b、84bまでの半円周に亘って凹み形成された溝である。充填装置80は、第2駆動部E2を有し、側方プレート83、84は、第2駆動部E2の駆動が制御されることによって、互いに接近及び離間する。側方プレート83、84が接近位置に配置された場合には、当接面83b、84b同士が当接する。また、一対の円弧凹面83a、84aによって円柱状の空間が形成されるとともに、上下方向の中央には、周方向の全周に亘って環状に延びる凹溝85が形成される。
凹溝85は、一対の側面85aと、底面85bとから構成される。一対の側面85aは開口側から底面85bに向かって互いに接近する傾斜面に構成されている。底面85bは、平坦面と円弧凹面83a、84aの円弧に沿った円弧面とから構成されている。平坦面と円弧面とは周方向において交互に形成されていて、一対の当接面83b、84bから延びている平坦面の周方向長さL1は、円弧凹面83a、84aの最も奥側に位置する平坦面の周方向長さL2の半分に設定されている。したがって、一対の側方プレート83、84が接近位置に配置された場合には、凹溝85の底面85bの形状は、周方向において周方向長さL2の平坦面が4つと円弧面4つとが交互に配置された形状となる。
配置工程では、セラミックブロック11が載置プレート81の載置面81aに載置される。このとき、載置面81aには空気透過性の離型シートが配置されていて、セラミックブロック11の一方の端面が離型シート上に載置される。この離型シートには、載置プレート81に形成された充填部81bに対応して開口が形成されている。載置されたセラミックブロック11は、セラミックブロック11の中心軸線と載置プレート81の中心軸線が一致するように配置される。また、セラミックブロック11の径は、載置プレート81の径よりも小さく設定されている。そのため、セラミックブロック11が載置プレート81の載置面81aに載置されたときでは、載置面81a上の離型シートの外周側が露出した状態となっている。
押圧プレート82は、押圧面82aに空気透過性の離型シートを配置している。押圧プレート82は、第1駆動部E1の駆動によって載置プレート81に接近した接近位置に配置される。このとき、押圧プレート82の押圧面82aは、載置プレート81の載置面81aに載置されたセラミックブロック11の他方の端面を押圧する。押圧プレート82による押圧によってセラミックブロック11は、載置プレート81との間で位置決めされる。
一対の側方プレート83、84は、第2駆動部E2の駆動によって互いに接近する。一対の側方プレート83、84の円弧凹面83a、84aの内面には、共に空気透過性の離型シートが配設されている。図8に示すように、一対の側方プレート83、84が接近した接近位置に配置されて、当接面83b、84b同士が当接するとともに、円弧凹面83a、84aと載置面81a及び押圧面82aの側面とが当接する。こうした各プレートの当接によって、載置プレート81の載置面81a、押圧プレート82の押圧面82a、及び側方プレート83、84の円弧凹面83a、84aによって囲まれる内域に密閉された円柱形状の充填空間が形成される。このとき、側方プレート83、84の円弧凹面83a、84aとセラミックブロック11の周面との間には、所定の間隙が形成されている。
(充填工程)
充填工程は、充填装置内に収納されたセラミックブロックと側方プレートの円弧凹面の間の間隙に外装材層用ペーストが充填される工程である。図8に示されるように、外装材層用ペーストは、載置プレート81の充填部81bを介して充填される。充填空間内に充填された外装材層用ペーストは、セラミックブロック11の周面と側方プレート83、84の円弧凹面83a、84aの間の間隙に行き渡る。この外装材層用ペーストの充填に伴って充填空間内の空気は、押圧プレート82の連通部82bを介して外部へ放出される。なお、外装材層用ペースト、離型シートとしては、ハニカム構造体の製造で用いられている従来のものを採用することができる。
(乾燥工程)
乾燥工程は、充填空間内に充填された外装材層用ペーストが乾燥固化される工程である。セラミックブロックの周面と側方プレートの円弧凹面の間の間隙に外装材層用ペーストが充填された後、各プレートは加熱される。この加熱によって外装材層用ペーストが乾燥固化されて、図9に示されるように、セラミックブロック11の周面にリング状凸部20及び外装材層30が形成されたハニカム構造体10が作製される。
本実施形態のハニカム構造体の作用効果について説明する。
(1)セラミックブロックの周面は、その全面が一体物として構成される外装材層とリング状凸部とによって被覆される。ここでリング状凸部は、セラミックブロックが備えるようなセルを有して構成されていない。したがって、リング状凸部にセルが形成されている構成に比べて、リング状凸部の強度向上が可能となる。
(2)リング状凸部の第1傾斜面と第2傾斜面について、それらの頂面からの下り傾斜角が等しく設定されている。したがって、第1傾斜面と第2傾斜面を用いてハニカム構造体を被取付部に取り付ける際には、第1傾斜面と第2傾斜面のそれぞれに対して、軸方向において均等に力が作用するため、リング状凸部に部分的に高い応力がかかることなく、リング状凸部の破損を防ぐことができる。
(3)リング状凸部は、無機粒子、無機繊維、及び無機バインダを含んで形成されている。したがって、リング状凸部の強度をさらに向上させることができる。
(4)セラミックブロックは、複数のハニカム部材が接合層を介して結束されている。したがって、部分的に接合層と外装材層が接するため、セラミックブロックと外層材層及びリング状凸部との密着性が向上する。
(5)リング状凸部は、型枠の内面とセラミックブロックとの間に外装材層用ペーストを充填する充填工程と、外装材層用ペーストを乾燥固化させる乾燥工程を経ることによって、セラミックブロックにリング状凸部を形成することができる。したがって、リング状凸部にセラミックブロックが備えるような複数のセルは形成されることがなく、しかも、リング状凸部と外装材層とが一体物となるハニカム構造体を容易に製造することができる。
(6)リング状凸部は、上記のように、充填工程と乾燥工程という特徴構成を経ることによってセラミックブロックの周面に形成される。したがって、たとえば、リング状凸部をハニカム集合体に対する研削によって成形し、そして作製されたセラミックブロックのリング状凸部に外装材層を塗布する構成に比べて、製造が容易になる。
(7)セラミックブロックを形成するセラミックブロック形成工程において、複数のハニカム部材を接合してハニカム集合体を形成し、該ハニカム集合体の周面を研削してセラミックブロックを形成している。このセラミックブロックの製造方法によれば、セラミックブロックにリング状凸部が備えられるように、セラミックブロックを研削する必要がなく、それだけ、セラミックブロックの研削が容易となる。
(8)セラミックブロックを形成するセラミックブロック形成工程において、接合されたハニカム部材には充填層が形成される。充填層は、接合されたハニカム部材の4つの外壁面に対してそれぞれ配置される。このようにして充填層が形成されたハニカム集合体が、その周面を研削する研削工程に供されることとなるため、研削時におけるハニカム部材同士の接合状態が安定する。
上記実施形態は以下のように変更してもよい。また、上記実施形態の構成や以下の変更例に示す構成を適宜組み合わせて実施することも可能である。
・ハニカム構造体の形状は円柱状に限定されない。たとえば、多角形状に形成することも可能である。こうしたハニカム構造体の形状変更に合わせて、充填装置の各プレートの形状も変更される。
・セラミックブロックの周面にさらに被覆層を形成してもよい。この場合、外装材層及びリング状凸部の外周面に被覆層が形成されることとなる。被覆層を形成することによってハニカム構造体の端面の真円度が向上する。なお、この被覆層は、多層であってもよい。
・リング状凸部は、4つの平坦部と4つの円弧部から構成していたが、この構成に限定されない。たとえば、3つの平坦部と3つの円弧部とから構成するといったように、8つ以外の数の部位からリング状凸部を構成することが可能である。また、すべての部位を平坦部のみ、または、円弧部のみで構成することも可能である。これら平坦部と円弧部との組み合わせは、種々変更可能である。
・リング状凸部は、セラミックブロックの軸方向における中央に形成していたが、これに限定されない。セラミックブロックの第1端部側の位置に変更してもよいし、第2端部側の位置に変更してもよい。
・リング状凸部の第1傾斜面と第2傾斜面との下り傾斜角は、変更可能である。たとえば、それら下り傾斜角同士を互いに異なるように設定することも可能である。もちろん、下り傾斜角そのものも被取付部の態様に合わせて設定変更可能である。また、第1傾斜面及び第2傾斜面の少なくとも一方を傾斜させることなく、垂直面として構成することも可能である。
・セラミックブロック形成工程において、研削工程を省略することもできる。この場合、予め周壁に円弧壁を備えるハニカム部材を含む複数種(上記実施形態では3種類)のハニカム部材を成形工程で押出成形し、そうして作製されたハニカム部材が全体として円柱状となるように互いに接合させてハニカム集合体を作製することとなる。
・ハニカム集合体の充填層の構成は、変更可能である。たとえば、充填層の大きさを変更して、一部の接合層については、露出させることも可能である。また、厚さについても、作製されるセラミックブロックの径に合わせて厚くしたり、薄くしたりして設定することが可能である。また、ハニカム集合体に充填層を備えないように構成することも可能である。ハニカム集合体に充填層を備えない場合、セラミックブロックの周面は、研削に供されなかったハニカム部材の周壁の外面(平坦面)とハニカム部材の周壁及び隔壁の端面(円弧面)、接合層の端面とから構成されるか、または、ハニカム部材の周壁及び隔壁の端面(円弧面)と接合層の端面とから構成されることとなる。充填工程では、こうしたセラミックブロックの周面と側方プレートとの間隙に外装材層用ペーストが充填される。したがって、セラミックブロックの周面が複数の平坦面と複数の円弧面とから構成される場合は、ハニカム構造体としては、外装材層とリング状凸部と充填層とが一体物として構成されることとなる。
・配置工程、充填工程、及び乾燥工程で用いられる充填装置において、各プレートには離型シートを配置したが、この構成に限定されない。各プレート自体が離型機能を有する材料によって構成されていてもよいし、各プレートに離型剤を塗布することによって離型機能を果たすようにしてもよい。また、充填される外装材層用ペーストに、乾燥後、離型し易いように構成させておくことも可能である。
10…ハニカム構造体、11…セラミックブロック、12…ハニカム部材、12b…隔壁、13…接合層、20…リング状凸部、21…頂面、23…第1傾斜面、24…第2傾斜面、30…外装材層、31…充填層、32…ハニカム集合体、80…充填装置、81…載置プレート、82…押圧プレート、83,84…側方プレート、83a,84a…円弧凹面、C…セル。

Claims (7)

  1. 断面ハニカム形状の隔壁によって区画された複数のセルが並設されている柱状のセラミックブロックと、前記セラミックブロックの周面を被覆する外装材層と、前記セラミックブロックの外周面を全周に亘って外方へ突出するとともに前記外装材層と一体物として構成されたリング状凸部とを有し、
    前記リング状凸部は、断面台形状をなし、前記セラミックブロックの一端側に第1傾斜面を有するとともに他端側に第2傾斜面を有し、頂面からの前記第1傾斜面の下り傾斜角と頂面からの前記第2傾斜面の下り傾斜角とが等しいハニカム構造体。
  2. 前記リング状凸部は、無機粒子、無機繊維、及び無機バインダを含んで形成される請求項1に記載のハニカム構造体。
  3. 前記セラミックブロックは、複数のハニカム部材が接合層を介して結束されてなる請求項1又は2に記載のハニカム構造体。
  4. 前記隔壁の気孔率が、60〜75%である請求項1〜の何れか一項に記載のハニカム構造体。
  5. 前記セラミックブロックの外周面に充填層が形成されている請求項又はに記載のハニカム構造体。
  6. 前記充填層は、前記セラミックブロックの最外周を構成するハニカム部材のうち、相対的に断面積の大きいハニカム部材の外周面に形成されている請求項に記載のハニカム構造体。
  7. 前記充填層は、前記外装材層及び前記リング状凸部と一体物として構成されることを特徴とする請求項又はに記載のハニカム構造体。
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