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JP6670541B2 - コーマにおけるラップ交換時のラップ切断方法 - Google Patents
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Description

本発明は、コーマにおけるラップ交換時のラップ切断方法に関する。
コーマにおいては、使用中のラップ即ち旧ラップが少なくなると、旧ラップの端部(旧ラップ端)に新しいラップ巻の始端(新ラップ端)を重合して接合するラップ継ぎを行う。このラップ継ぎを自動で行う場合、旧ラップを自動で切断する必要がある。
従来、旧ラップを自動で切断する方法として、旧ラップの切断時にラップボビンを一対のラップローラにローラで押圧し、その状態でラップボビンを、ラップシートを巻き取る方向に逆転して切断する方法が開示されている。詳述すると、ラップローラ上のラップボビンが空に近付くと、機台の運転を停止し、供給中のラップシートをパイプにより、ガイド位置に配置されている可動ガイドプレートに押圧保持する。次にボビン押圧機構のエアシリンダが作動して、押圧レバーがローラを介してラップボビンをラップローラに押圧する押圧位置に配置する。そして、この状態で、ラップモータが駆動されて、ラップボビンがラップシートを巻き取る方向に回動され、ラップシートはパイプによる押圧位置と、ラップボビン及びラップローラの当接位置との間で切断される。
特開平5−117921号公報
特許文献1の方法では、ボビン押圧機構(加圧装置)を必要とし、ボビン押圧機構として、ラップボビンをラップローラに押圧するためのローラと、ローラを押圧する押圧レバーと、押圧レバーを押圧位置と待機位置とに駆動するエアシリンダとを備えた複雑な機構が必要となる。
また、ボビン押圧機構(加圧装置)がない場合、ラップローラを介してラップボビンを逆転させる際、ラップボビンをラップローラ上に保持するのはボビンの自重のみとなる。ラップ単位長さ当たりの重量が重い場合や繊維長が長い場合、ラップの強力が強く、ボビンの自重のみではスリップするため、ラップの切断ができなかったり、残ラップ表面が乱れたりする。
本発明は前記の問題に鑑みてなされたものであって、その目的は加圧装置が無くても、コーマに装備されている他の装置の運転を利用して安定してラップを切断することができるコーマにおけるラップ交換時のラップ切断方法を提供することにある。
上記課題を解決するコーマにおけるラップ交換時のラップ切断方法は、ラップローラとニッパ装置との間にキャリアローラ及びトップローラを備え、前記キャリアローラ及び前記トップローラによりラップが把持された状態で、前記ラップローラの逆転により前記ラップを切断するコーマにおけるラップ交換時のラップ切断方法である。そして、前記ラップローラの逆転の前に、前記ラップローラと前記キャリアローラとの間の回転速度差で前記ラップを引き伸ばすラップの引き伸ばしを行う。
この構成によれば、コーマのラップ交換時に、ラップローラの逆転によりラップを切断する場合、ラップローラの逆転の前に、ラップローラとキャリアローラとの間の回転速度差でラップを引き伸ばす。そのため、ラップは引き伸ばされる前の状態に比べて強力が低下しているため切断し易い状態になる。その状態でラップローラの逆転が行われるため、ラップボビンをラップローラに押圧するための加圧装置が無く、ラップボビンをラップローラに押圧する力が残ラップを有するラップボビンの自重のみであっても、ラップローラの逆転により、ラップボビンのスリップがない状態でラップを確実に切断することができる。したがって、加圧装置が無くても、コーマに装備されている他の装置の運転を利用して安定してラップを切断することができる。
前記ラップの引き伸ばしは、前記ラップローラのみ停止し、前記キャリアローラ以降の駆動部を通常の運転速度より低速で駆動することにより行われてもよい。この方法では、ラップローラは停止したまま、キャリアローラ以降の駆動部を通常の運転速度より低速で駆動することにより、ラップボビンが停止した状態でキャリアローラ及びトップローラによりラップが引っ張られて、ラップが引き伸ばされる。この方法は、コーマの運転を停止した後、ラップローラは駆動せず、キャリアローラ以降の駆動部を通常の運転速度より低速で駆動することにより行っても、コーマの運転停止動作中に、先ずラップローラを停止させ、その状態でキャリアローラ以降の駆動部を通常の運転速度より低速で駆動してもよい。
前記ラップの引き伸ばしは、コーマの運転停止動作中に、前記ラップローラと前記キャリアローラとに回転速度差を付けることにより行われてもよい。ここで、「ラップローラとキャリアローラとに回転速度差を付ける」とは、ラップローラが停止状態でキャリアローラが駆動される場合も含む。この方法では、ラップ交換のためのコーマの運転停止動作中に、ラップローラ及びキャリアローラの回転速度に差を設けることにより、コーマの運転が停止された状態では、ラップがラップローラとキャリアローラ及びトップローラとの間で引き伸ばされた状態となる。そして、運転停止後、ラップローラを逆転させることで、ラップ切断を良好に行うことができる。
本発明によれば、加圧装置が無くても、コーマに装備されている他の装置の運転を利用して安定してラップを切断することができる。
コーミングヘッドの概略側面図。 ラップ交換のために停止した状態のラップローラ付近の状態を示す模式図。 ラップ切断時の状態を示す模式図。
以下、本発明を具体化した一実施形態を図1〜図3にしたがって説明する。なお、本願明細書においては、便宜上、図1の左側を前、右側を後とし、上側及び下側をそれぞれ上、下として説明する。
コーマは、一般に、複数個(例えば、8個)のコーミングヘッド11を備えている。
図1に示すように、コーミングヘッド11は、ラップLが巻かれたラップボビンBが載置される一対のラップローラ12を備え、ラップローラ12の下方(下流側)に、コーミング部13が設けられている。コーミング部13は、ニッパ装置14と、コーミングシリンダ15と、コーミングシリンダ15の前方に前後2列に配設されたデタッチングローラ16と、トップコーム17とを備えている。
ラップローラ12は、コーミング部13と独立して駆動可能なラップローラ用モータにより駆動される。ラップローラ用モータは正逆回転駆動可能に構成され、制御装置の指令に基づいて制御されるインバータ装置を介して駆動されるようになっている。
ニッパ装置14は、フィードローラ18と、コーミングシリンダ15の上方で前後進揺動可能に配設されたニッパフレーム19とを有し、ニッパフレーム19にはその前側底部にボトムニッパ20が設けられている。ニッパフレーム19には、ニッパフレーム19の前後進揺動に同期して所定のタイミングで開閉して、ボトムニッパ20と協同してラップLを挟持するトップニッパ21が設けられている。
ラップローラ12の前方でニッパ装置14の上方には、キャリアローラ22及びトップローラ23が配設されている。キャリアローラ22は、ラップローラ12と独立して回転駆動可能に設けられている。トップローラ23はキャリアローラ22に対して上側から押圧される作用位置と、作用位置から上方に移動した退避位置とに移動可能に設けられている。トップローラ23は、ラップ交換時のラップ切断のための作業時以外は、退避位置に保持され、ラップLは自由にキャリアローラ22上を移動可能になっている。
ラップローラ12上に載置されたラップボビンBの下方には、先端が両ラップローラ12の間に位置する状態で吸引ノズル24が設けられている。吸引ノズル24は、ラップボビンBの軸方向長さの範囲にわたって延びる開口を有し、ホース25を介して図示しない負圧源に接続されている。
次に前記のように構成された装置の作用を説明する。
コーマの運転によりラップボビンBのラップ量が予め設定された値まで少なくなった時点でラップ交換が行われる。ラップ交換のためには、ラップローラ12上のラップボビンBからキャリアローラ22を経てニッパ装置14に至るラップLを、ラップローラ12とキャリアローラ22との間で切断する必要がある。
この実施形態では、ラップ交換のためのコーマの運転停止動作を、ラップ交換のため以外の運転停止動作と異なり、図2に示すように、先ずラップローラ12のみを停止し、キャリアローラ22以降の駆動部は通常の運転速度よりも低速で駆動する低速運転を所定時間行った後、停止する。所定時間とは、例えば、ニッパ装置14が数ニップ行う時間である。ラップLは、ニッパ装置14の1ニップ動作で、例えば、5mm程度引き伸ばされる。その結果、コーマの運転が停止された状態では、ラップLがキャリアローラ22とラップローラ12との間で引き伸ばされており、引き伸ばされた部分のラップLは強力が低下しているため、切断し易い状態となる。
次に、図3に示すように、キャリアローラ22及びトップローラ23がラップLを把持し、かつ回転が停止された状態で、ラップローラ用モータが逆転駆動されてラップローラ12が逆転され、ラップボビンBがラップLを巻き取る方向に回転される。その結果、ラップLは、運転停止動作中に引き伸ばされて弱くなった箇所、即ちキャリアローラ22及びトップローラ23による把持位置と、前側のラップローラ12との間の箇所で、ラップボビンBのスリップがない状態で切断される。
ラップローラ12の逆転によりラップLを切断する際に、ラップボビンBのスリップが発生して残ラップ表面が乱れると、吸引ノズル24による残ラップの吸引除去時に、ラップLが吸引ノズル24に詰まる場合がある。しかし、ラップローラ12の逆転によりラップLを切断する際に、ラップボビンBのスリップが発生しないため、吸引ノズル24における詰まりの発生が防止される。
ラップLの切断後、ラップボビンBに残ったラップLは、吸引ノズル24により吸引除去される。そして、ラップLが吸引除去された後のラップボビンBがラップローラ12上から排出された後、ラップローラ12上に満ラップボビンが載置され、ラップ継ぎ作業が行われた後、コーマの紡出運転が再開される。
この実施形態によれば、以下に示す効果を得ることができる。
(1)コーマにおけるラップ交換時のラップ切断方法は、ラップローラ12とニッパ装置14との間にキャリアローラ22及びトップローラ23を備え、キャリアローラ22及びトップローラ23によりラップLが把持された状態で、ラップローラ12の逆転によりラップLを切断するコーマにおけるラップ交換時のラップ切断方法である。そして、ラップローラ12の逆転の前に、ラップローラ12とキャリアローラ22との間の回転速度差でラップを引き伸ばすラップLの引き伸ばしを行う。
この構成によれば、ラップLは引き伸ばされる前の状態に比べて強力が低下しているため切断し易い状態になり、その状態でラップローラ12の逆転が行われる。そのため、ラップボビンBをラップローラ12に押圧するための加圧装置が無く、ラップボビンBをラップローラ12に押圧する力が残ラップを有するラップボビンBの自重のみであっても、ラップローラ12の逆転により、ラップボビンBのスリップがない状態でラップLを確実に切断することができる。したがって、加圧装置が無くても、コーマに装備されている他の装置の運転を利用して安定してラップLを切断することができる。また、スリップがないため、ラップボビンBの残ラップ表面が乱れることがなく、吸引ノズル24による残ラップの吸引除去時に、ラップLが吸引ノズル24に詰まることを回避することができる。
(2)ラップLの引き伸ばしは、コーマの運転停止動作中に、ラップローラ12とキャリアローラ22とに回転速度差を付けることにより行われる。この方法では、コーマの運転が停止された状態では、ラップLがラップローラ12とキャリアローラ22との間で引き伸ばされた状態となる。そのため、コーマの運転を停止した後、引き伸ばしを行う方法に比べて、ラップ切断のための動作時間が短くなる。そして、運転停止後、ラップローラ12を逆転させることで、ラップLの切断を良好に行うことができる。
(3)コーマの運転停止動作中に、ラップローラ12とキャリアローラ22とに回転速度差を付ける方法として、ラップローラ12を先に停止し、キャリアローラ22以降の駆動部を通常の運転速度より低速で駆動する。したがって、ラップローラ12とキャリアローラ22以降の駆動部とを同期した状態で、ラップローラ12がキャリアローラ22より遅く回転するように駆動制御する場合に比べて制御が簡単になる。
実施形態は前記に限定されるものではなく、例えば、次のように具体化してもよい。
○ ラップLの引き伸ばしをコーマの運転停止動作中に行う方法として、ラップローラ12を先に完全停止するのではなく、停止前の数ニップ動作の間だけキャリアローラ22以降の動作の減速と、ラップローラ12の減速とを同期させずに、ラップローラ12を低速で駆動した後、コーマの運転を停止するようにしてもよい。
○ ラップLの引き伸ばしは、ラップ交換時以外のコーマの運転停止動作と同様にコーマの運転を停止した後、ラップローラ12を停止させた状態で、キャリアローラ22以降の駆動部を通常の運転速度よりも低速で駆動することにより行ってもよい。この場合、ラップ交換時の運転停止動作をラップ交換時以外の運転停止動作と同じに行うことができる。
○ ラップ交換は、同一品種の紡出時に限らず、品種替えのためのラップ交換のときであってもよい。この場合は、紡出中のラップボビンBは必ずしも空に近い状態でラップ交換が行われるとは限らない。
以下の技術的思想(発明)は前記実施形態から把握できる。
(1)請求項1又は請求項2に記載の発明において、前記ラップの引き伸ばしは、コーマを通常の運転停止動作で停止した後、ラップローラは停止し、キャリアローラ以降の駆動部を通常の運転速度よりも低速で駆動することにより行われる。
L…ラップ、12…ラップローラ、14…ニッパ装置、22…キャリアローラ、23…トップローラ。

Claims (2)

  1. ラップローラとニッパ装置との間にキャリアローラ及びトップローラを備え、前記キャリアローラ及び前記トップローラによりラップが把持された状態で、前記ラップローラの逆転により前記ラップを切断するコーマにおけるラップ交換時のラップ切断方法であって、
    前記ラップローラの逆転により前記ラップを切断する前、前記ラップローラと前記キャリアローラとの間の回転速度差で前記ラップを引き伸ばすラップの引き伸ばしを行い、
    前記ラップの引き伸ばしは、前記ラップローラのみ停止し、前記キャリアローラ以降の駆動部を通常の運転速度より低速で駆動することにより行われることを特徴とするコーマにおけるラップ交換時のラップ切断方法。
  2. 前記ラップの引き伸ばしは、コーマの運転停止動作中に、前記ラップローラと前記キャリアローラとに回転速度差を付けることにより行われる請求項1に記載のコーマにおけるラップ交換時のラップ切断方法。
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