JP6672244B2 - セラミックス接合体の製造方法 - Google Patents
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A−1.加熱装置100の構成:
図1は、本実施形態における加熱装置100の外観構成を概略的に示す斜視図であり、図2は、本実施形態における加熱装置100のXZ断面構成を概略的に示す説明図である。各図には、方向を特定するための互いに直交するXYZ軸が示されている。本明細書では、便宜的に、Z軸正方向を上方向といい、Z軸負方向を下方向というものとするが、加熱装置100は実際にはそのような向きとは異なる向きで設置されてもよい。
保持体10は、所定の方向(本実施形態では上下方向)に略直交する保持面S1および裏面S2を有する略円板状の部材である。保持体10は、例えば、Al2O3(アルミナ)を主成分とするセラミックスにより形成されている。なお、ここでいう主成分とは、含有割合(重量割合)の最も多い成分を意味する。保持体10の直径は、例えば100mm以上、500mm以下程度であり、保持体10の厚さ(上下方向における長さ)は、例えば3mm以上、10mm以下程度である。保持体10は、特許請求の範囲における第2のセラミックス部材に相当する。
柱状支持体20は、上記所定の方向(上下方向)に延びる略円柱状部材である。柱状支持体20は、保持体10と同様に、例えばアルミナを主成分とするセラミックスにより形成されている。柱状支持体20の外径は、例えば30mm以上、90mm以下程度であり、柱状支持体20の高さ(上下方向における長さ)は、例えば100mm以上、300mm以下程度である。柱状支持体20は、特許請求の範囲における第1のセラミックス部材に相当する。
次に、本実施形態における加熱装置100の製造方法を説明する。図3は、本実施形態における加熱装置100の製造方法を示すフローチャートであり、図4は、加熱装置100の製造工程の一部を概略的に示す説明図であり、図5は、加熱装置100の製造工程における温度と湿度との関係を示す説明図である。
プレス成形法により、プレス成形前駆体20Pを成形する(S110)。まず、アルミナ粉末(例えば、AES−12、住友化学株式会社製、平均粒径約0.5μm以下)100重量部に、焼結助剤として酸化マグネシウム(MgO、アルミナ粉末に対する含有量0.05重量部)を添加する。このアルミナ粉末に酸化マグネシウムを添加した混合物に、さらに、溶剤としての水と、アクリル樹脂(例えば、約22.1vol%)とを加えて、ボールミルにて混合し、プレス用スラリーを得る。このプレス用スラリーをスプレードライヤーにて顆粒化し、原料粉末を作製する。次に、貫通孔22に対応する中子が配置されたゴム型に原料粉末を充填し、冷間静水圧プレスを行う。これにより、略円柱状のプレス成形前駆体20Pが成形される。なお、プレス成形前駆体20Pの各サイズは、例えば、上下方向の長さが約50mm、外径が約6mm、内径が2.4mmである。
シート積層法により、シート積層前駆体10Pを成形する(S120)。まず、上述のプレス成形前駆体20Pの成形工程(S110)で使用した、アルミナ粉末100重量部に酸化マグネシウム0.05重量部を添加した混合物と同じものに、さらに、溶剤としてのトルエン(例えば、アルミナ粉末に対する含有量約16.7重量部)とメチルエチルケトン(MEK 例えば、アルミナ粉末に対する含有量約16.7重量部)とを添加する。これらの溶剤が添加された混合物を、直径約10mmの玉石が2kg入った樹脂製ポットに入れて、分散混合を約20時間行う。次に、分散混合して得られたスラリーに、バインダとしての樹脂(例えばブチラール樹脂またはアクリル樹脂)を、例えば39.5vol%以上、45.5vol%以下だけ添加し、約30分間樹脂混合を行って、グリーンシート用スラリーを作製する。このグリーンシート用スラリーを約1分間脱泡した後、図示しないキャスティング装置でシート状に成形した後に乾燥させ、グリーンシートを複数枚作製する。
接合スラリー30Pを作製する(S130)。接合スラリー30Pは、後に接合層30になる硬化・焼成前の接合剤である。まず、上述のプレス成形前駆体20Pの成形工程(S110)で使用した、アルミナ粉末100重量部に酸化マグネシウム0.05重量部を添加した混合物と同じものに、さらに、分散剤としてのカルボン酸含有ポリマー変性物(例えば、フローレンG−700、共栄社化学株式会社製、アルミナ粉末に対する含有量約0.5重量部)を添加し、溶剤としてのイオン交換水(例えば、アルミナ粉末に対する含有量約19重量部)を投入し、約12時間分散混合を行う。次に、分散混合したスラリーに水溶性エポキシ樹脂(例えば、グリセロールポリグリシジルエーテル、EX313、ナガセケムテックス株式会社製、水溶率99%、アルミナ粉末に対する含有量約7.16重量部)を投入し、約10分間、スプーンで混合を行う。スプーンで混合後のスラリーに硬化剤としての鎖状脂肪族ポリアミン(例えば、トリエチレンテトラミン、アルミナ粉末に対する含有量約1.24重量部)を添加し、さらに約2分間、スプーンで混合を行う。これにより、接合スラリー30Pが作製される。
次に、接合前駆体100Pを形成する(S140)。接合前駆体100Pは、プレス成形前駆体20Pとシート積層前駆体10Pとの間に、接合硬化体30PXが介在したものである。接合硬化体30PXは、熱硬化処理によって接合スラリー30Pが硬化したものである。この接合硬化体30PXによって、プレス成形前駆体20Pとシート積層前駆体10Pとが接着されている(図4(B)参照)。まず、シート積層前駆体10Pを、図示しないシリコンゴム型に入れて、シート積層前駆体10Pの裏面S2側に所定量の接合スラリー30Pを塗布し、その接合スラリー30Pが塗布された部分にプレス成形前駆体20Pを配置する。そして、接合スラリー30Pが介在したシート積層前駆体10Pとプレス成形前駆体20Pとの組付体に対して、図示しない恒温恒湿器によって熱硬化処理を施すことにより、接合スラリー30Pが硬化して接合硬化体30PXが形成される。これにより、接合前駆体100Pが形成される。
接合前駆体100Pを脱脂・焼成することによって、接合焼結体100Xを形成する(S150)。接合焼結体100Xは、加熱装置100のうち、保持体10と柱状支持体20と接合層30とを含み、接合部56と電極端子70とを含まないものである。まず、接合前駆体100Pを、シリコンゴム型から取り出して加湿乾燥を行う。この加湿乾燥条件は、例えば、図5に示すように、乾燥温度80℃、相対湿度80%RHにて12時間乾燥し、相対湿度80%RHから降湿速度5%RH/hで4時間かけて相対湿度60%RHまで降湿し、相対湿度60%RHにて12時間乾燥し、相対湿度60%RHから降湿速度5%RH/hで4時間かけて相対湿度40%RHまで降湿し、相対湿度40%RHにて12時間乾燥し、最後に降温速度5℃/hで約10時間かけて室温付近まで降温して接合焼結体100Xを取り出す。降温時の湿度は成行きで変化した。相対湿度を制御しながら、80℃で合計44時間乾燥を行った。乾燥温度80℃、相対湿度80%RHの高温高湿環境から湿度を緩やかに低下させることにより、乾燥収縮に起因して接合硬化体30PXまたは接合層30にクラックが発生することが抑制される。以下、加湿乾燥後の接合前駆体100Pを、「接合加湿乾燥体」という。
接合焼結体100Xは、特許請求の範囲におけるセラミックス接合体に相当する。
以上説明したように、本実施形態の加熱装置100の製造方法では、プレス成形前駆体20Pとシート積層前駆体10Pとの間に、セラミックスの粉末を含む接合スラリー30Pを介在させることによって、プレス成形前駆体20Pとシート積層前駆体10Pとの焼成前の接合前駆体100Pを形成する(図3のS140、図4(B)参照)。その後、接合前駆体100Pを焼成することによって、接合焼結体100Xを形成する(図3のS150、図4(C)参照)。このように、本実施形態の加熱装置100の製造方法によれば、プレス成形前駆体20Pの形成のための焼成と、シート積層前駆体10Pの形成のための焼成と、プレス成形前駆体20Pとシート積層前駆体10Pとの接合のための焼成とが一括で行われるため、接合焼結体100X(加熱装置100)の製造効率の向上を図ることができる。
焼成割り掛け=焼成前の部材の寸法/焼成後の部材の寸法
焼成による収縮量が多いほど、焼成割り掛けの値は大きくなり、焼成による収縮量が少ないほど、焼成割り掛けの値は「1」に近づく。本実施形態では、接合前駆体100P(接合加湿乾燥体)の焼成工程(S150)において、プレス成形前駆体20Pの焼成割り掛けと、シート積層前駆体10Pの焼成割り掛けと、接合スラリー30Pの焼成割り掛けとの間の差は、1%以内であることが好ましい。ここで、これら3者10P,20P,30Pの間における焼成割り掛けの差が1%以内である、とは、これらの3者から任意に選択したどの2者についても、2者の間における焼成割り掛けの差は、2者のそれぞれの焼成割り掛けの値の1%以内であることを意味する。これにより、焼成工程後において接合焼結体100Xにクラックや剥離が生じることを抑制することができる。
接合焼結体100Xの製造方法に関する実施例1〜5について性能評価を行った。図6は、性能評価結果を示す説明図である。以下、この性能評価について説明する。
図6に示すように、実施例1〜5は、基本的には上述した加熱装置100の製造方法(図3のS110〜S150)と同じ製造方法である。ただし、実施例1〜5は、シート積層前駆体10Pの成形工程(S120)において、グリーンシート用スラリー(シート積層前駆体10P)に含まれる樹脂の種類と該樹脂の含有率との少なくとも1つが互いに異なる。
図6中の「粘度」および「回収率」は、それぞれ、各実施例1〜5におけるグリーンシート用スラリーの粘度(Pa・s)と回収率(%)とを意味する。グリーンシート用スラリーの粘度は、公知のB型粘度計を用いて測定した。グリーンシート用スラリーの回収率は、予め準備されたグリーンシート用スラリーの原料(上述のアルミナ粉末等)の調合量に対する、該原料を上述の樹脂製ポットに入れて分散混合した後に樹脂製ポットから取り出されたグリーンシート用スラリーの重量の比率である。グリーンシート用スラリーの回収率が低いことは、樹脂製ポットや玉石に原料が付着することで樹脂製ポット内に残存し、シート積層前駆体10P(保持体10)の成形に使用されない原料が多いことを意味しており、加熱装置100の生産コストの上昇につながるため、好ましくない。
図6に示すように、実施例1では、焼成割り掛けの評価において、シート積層前駆体10Pの焼成割り掛けの値は「1.220」であり、プレス成形前駆体20Pや接合スラリー30Pの焼成割り掛けの値「1.200」より大きい。具体的には、実施例1において、シート積層前駆体10Pの焼成割り掛けと、プレス成形前駆体20Pや接合スラリー30Pの焼成割り掛けとの間の差は、0.020であり、プレス成形前駆体20P等の焼成割り掛けの値「1.200」の1%に相当する差「0.012」より大きい。ここで、実施例1において、シート積層前駆体10Pの焼成割り掛けの値を小さくして、プレス成形前駆体20P等の焼成割り掛けの値に近づけようとすると、加熱装置100の製造効率が低下するおそれがある。すなわち、シート積層前駆体10Pの焼成割り掛けの値を小さくするには、シート積層前駆体10Pにおけるブチラール樹脂の添加量を減らす必要がある。しかし、ブチラール樹脂の添加量を減らすと、グリーンシートにおいてアルミナの粉末等が十分に分散していない部分が存在することによって、グリーンシートの柔軟性が低下することがある。グリーンシートの柔軟性が低下すると、例えば、グリーンシートの搬送や積層中にグリーンシートにクラックが生じたり、穴開けや切断などの生加工工程でクラックが生じたりするなど、グリーンシートの取り扱い性や加工性が低下するおそれがあるからである。
本明細書で開示される技術は、上述の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の形態に変形することができ、例えば次のような変形も可能である。
Claims (2)
- 第1のセラミックス部材と、所定の方向に略直交する保持面および裏面を有し、半導体ウェハが保持される板状の保持体である第2のセラミックス部材とを備え、前記第1のセラミックス部材と前記第2のセラミックス部材とが互いに接合されたセラミックス接合体の製造方法であって、
前記第1のセラミックス部材は、前記所定の方向に延びる形状であり、前記第2のセラミックス部材の前記裏面に接合された柱状支持体であり、
プレス成形法により、セラミックスを主成分とし、前記第1のセラミックス部材となる焼成前のプレス成形前駆体を成形する工程と、
シート積層法により、前記セラミックスを主成分とし、含有率が45.0vol%以下であるアクリル樹脂を含み、前記第2のセラミックス部材となる焼成前のシート積層前駆体を成形する工程と、
前記プレス成形前駆体と前記シート積層前駆体との間に、前記セラミックスの粉末と水と水溶性エポキシ樹脂とを含む接合剤を介在させることによって、前記プレス成形前駆体と前記シート積層前駆体との焼成前の接合前駆体を形成する工程と、
前記接合前駆体を焼成することによって、前記セラミックス接合体を形成する工程と、を含み、
前記接合前駆体を焼成する工程において、前記プレス成形前駆体の焼成割り掛けと、前記シート積層前駆体の焼成割り掛けと、前記接合剤の焼成割り掛けとの間の差は、1%以内であることを特徴とする、セラミックス接合体の製造方法。 - 請求項1に記載のセラミックス接合体の製造方法において、
前記接合剤は、水溶性の硬化剤と、水溶性の分散剤とが含まれていることを特徴とする、セラミックス接合体の製造方法。
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