以下に、本願が開示する基地局、基地局の制御方法、および無線通信システムの実施例を図面に基づいて説明する。なお、以下に示す実施例により本願が開示する基地局、基地局の制御方法、および無線通信システムが限定されるものではない。
<無線通信システム10>
図1は、無線通信システム10の一例を示す図である。無線通信システム10は、例えば図1に示すように、eNB(evolved Node B)20と、複数のUE(User Equipment)30−1〜30−n(nは2以上の整数)とを有する。eNB20は、セル11内の複数のUE30−1〜30−nのそれぞれとの間で、例えばTDD方式により無線通信を行う。なお、以下では、複数のUE30−1〜30−nのそれぞれを区別することなく総称する場合にUE30と記載する。また、説明の便宜上、図1において、無線通信システム10内には1つのeNB20が設けられているが、eNB20は無線通信システム10内に複数設けられてもよい。eNB20は、基地局の一例である。また、それぞれのUE30は、端末の一例である。
eNB20は、UE30毎に、UE30からeNB20へ送信される上り信号のデータ量と、eNB20からUE30へ送信される下り信号のデータ量とに基づいて、UL/DL構成を随時変更する。UL/DL構成とは、1つのフレーム内において、上り区間のサブフレームと、下り区間のサブフレームとの組み合わせのパターンを規定する情報である。UL/DL構成は、切替パターンおよび配列パターンの一例である。それぞれのUE30は、eNB20から指示されたUL/DL構成に従い、上り区間のサブフレームにおいてeNB20へデータを送信し、下り区間のサブフレームにおいてeNB20からデータを受信する。
<eNB20>
図2は、eNB20の一例を示すブロック図である。eNB20は、例えば図2に示すように、受信部21、制御部22、送信部23、およびアンテナ24を有する。アンテナ24は、UE30から送信された上り信号を受信して受信部21へ出力する。また、アンテナ24は、送信部23から出力された下り信号を、UE30へ送信する。
受信部21は、品質情報抽出部210、制御情報抽出部211、復調・復号部212、自己干渉除去部213、および無線受信部214を有する。制御部22は、オフセット算出部220、システム情報管理部221、および無線回線制御部222を有する。送信部23は、制御信号作成部230、パイロット作成部231、無線回線制御情報作成部232、符号化・変調部233、多元接続処理部234、遅延部235、および無線送信部236を有する。
<受信部21>
無線受信部214は、アンテナ24から出力された上り信号に対して、ダウンコンバート等の処理を施し、処理後の上り信号を自己干渉除去部213へ出力する。
自己干渉除去部213は、無線受信部214から出力された上り信号から、送信部23から出力された下り信号をキャンセルする。これにより、eNB20は、上り信号の受信と下り信号の送信とを同一の周波数において同時に行われた場合であっても、UE30から受信した上り信号の品質劣化を抑制することができる。自己干渉除去部213は、下り信号がキャンセルされた上り信号を復調・復号部212へ出力する。
復調・復号部212は、自己干渉除去部213から出力された上り信号を復調する。そして、復調・復号部212は、復調後の上り信号から受信データを復号する。そして、復調・復号部212は、復号された受信データを、コアネットワークへ出力する。また、復調・復号部212によって復号された受信データは、品質情報抽出部210および制御情報抽出部211へも出力される。
制御情報抽出部211は、復調・復号部212から出力された受信データから制御情報を抽出する。そして、制御情報抽出部211は、抽出された制御情報をシステム情報管理部221へ出力する。また、制御情報抽出部211は、抽出された制御情報にBSR(Buffer Status Report)が含まれていた場合、BSRの送信元のUE30の情報と共に、BSRを無線回線制御部222へ出力する。
品質情報抽出部210は、復調・復号部212から出力された受信データに、下り区間のデータの受信成功または受信失敗を示す品質情報が含まれているか否かを判定する。品質情報には、下り区間のデータの受信成功を示すACK(ACKnowledgement)、または、受信失敗を示すNACK(Negative ACK)が含まれる。復調・復号部212から出力された受信データに品質情報が含まれている場合、品質情報抽出部210は、品質情報の送信元のUE30の情報と、品質情報の対象のデータが含まれていた下り区間のサブフレームの識別情報とをオフセット算出部220へ出力する。
<制御部22>
システム情報管理部221は、品質情報抽出部210から出力された制御情報に基づいて、UE30毎にシステム情報を管理する。システム情報管理部221は、例えば、セル11内でアクティブ状態のUE30の識別情報を管理している。アクティブ状態のUE30とは、例えば、RRC(Radio Resource Control)コネクテッドモードのUE30である。また、システム情報管理部221は、パイロット信号の作成に用いられる情報を送信部23へ出力する。
無線回線制御部222は、UE30毎に、コアネットワーク側からUE30へ送信される下り信号のデータ量を管理している。そして、無線回線制御部222は、下り信号のデータ量と、品質情報抽出部210から出力されたBSRとに基づいて、UE30毎に、UL/DL構成を決定する。また、無線回線制御部222は、UE30に割り当てられた物理リソース、および、eNB20とUE30との間の伝搬損失等に基づいて、UL/DL構成の上り区間における基準送信電力Pdefを決定する。そして、無線回線制御部222は、決定されたUL/DL構成および基準送信電力Pdefの情報を、UL/DL構成の割り当て対象となるUE30の識別情報と共に無線回線制御情報作成部232へ出力する。なお、本実施例において、無線回線制御部222は、セル11内のいずれかのUE30のUL/DL構成を変更した場合、所定期間、該セル11内の他のUE30のUL/DL構成の変更を行わない。所定期間とは、例えば、UL/DL構成が変更されたUE30において、上り区間における送信電力のオフセットAの制御を行っている期間である。
また、無線回線制御部222は、セル11内のいずれかのUE30のUL/DL構成を変更する場合、変更後のUL/DL構成において第1のサブフレームがあるか否かを判定する。第1のサブフレームとは、変更前のUL/DL構成において下り区間に指定され、変更後のUL/DL構成において上り区間に指定されるサブフレームである。上り区間に指定されるサブフレームは、上り区間用サブフレームの一例であり、第1のサブフレームは、特定の上り区間用サブフレームの一例である。以下では、UL/DL構成が変更されたUE30を、第1のUE30と呼ぶ。第1のUE30は、第1の端末の一例である。
変更後のUL/DL構成において第1のサブフレームがある場合、無線回線制御部222は、第1のサブフレームが下り区間となっているUL/DL構成が割り当てられている他のUE30がセル11内に存在するか否かを判定する。以下では、第1のサブフレームが下り区間となっているUL/DL構成が割り当てられている他のUE30を第2のUE30と呼ぶ。第2のUE30は、第2の端末の一例である。
第2のUE30がセル11内に存在する場合、無線回線制御部222は、第1のサブフレームの情報と、第1のUE30の識別情報と、第2のUE30の識別情報と、第1のUE30の基準送信電力Pdefの情報とをオフセット算出部220へ出力する。なお、無線回線制御部222は、オフセット算出部220からUL/DL構成を元に戻す旨の指示が出力された場合、第1のUE30のUL/DL構成を、変更前のUL/DL構成に戻す。無線回線制御部222は、制御部および特定部の一例である。
ここで、UL/DL構成が変更された場合の影響について説明する。図3は、UL/DL構成の切り替えによる影響を説明する図である。図3(a)〜(c)には、1フレーム分のUL/DL構成が示されている。1フレームには、10個のサブフレーム#0〜#9が含まれる。図3(a)〜(c)において、「D」は下り区間のサブフレームを示し、「U」は上り区間のサブフレームを示し、「S」はスペシャルサブフレームを示す。
第2のUE30のUL/DL構成が例えば図3(c)に示すUL/DL構成である場合に、第1のUE30のUL/DL構成が、例えば図3(a)に示すUL/DL構成から、例えば図3(b)に示すUL/DL構成に変更された場合を考える。図3(a)に示すUL/DL構成と、図3(b)に示すUL/DL構成とでは、#6〜9のサブフレームの割り当てが異なっている。また、#7〜9のサブフレームは、下り区間から上り区間に変更されている。図3の例では、#7〜#9のサブフレームが第1のサブフレームとなる。第1のサブフレームの中で、第2のUE30のUL/DL構成において下り区間に設定されているサブフレームは、例えば図3(c)に示すように、#9のサブフレームである。
第1のUE30は、例えば図3(b)に示すように、#7〜#9の第1のサブフレームにおいてeNB20へ上り信号を送信する。第2のUE30は、例えば図3(c)に示すように、#7〜#9の第1のサブフレームの中で、#9のサブフレームにおいてeNB20から下り信号を受信する。そのため、UL/DL構成が変更されたことにより、#9のサブフレームにおいて、第1のUE30から送信された上り信号は、第2のUE30に対して新たに干渉を与える可能性がある。第1のUE30と、第2のUE30との間の距離が短い場合には、第1のUE30から送信された上り信号により、第2のUE30は、下り信号の受信に失敗する場合がある。これにより、第2のUE30における下り区間のスループットが低下する場合がある。
そこで、本実施例のeNB20は、第1のサブフレームにおける第1のUE30の送信電力を、基準送信電力PdefからオフセットA分低い電力となるように制御する。即ち、変更後のUL/DL構成内において、第1のサブフレームで送信される信号に適用される送信電力と、該第1のサブフレーム以外の上り区間に指定されたサブフレームで送信される信号に適用される送信電力との間には、オフセットが設定される。これにより、第2のUE30による下り信号の受信失敗を抑制することができ、下り区間のスループットの低下を抑制することができる。eNB20は、第1のUE30に適用するUL/DL構成を変更する際、オフセットAがどのサブフレームに適用されるかを具体的に示す情報を第1のUE30に対して通知してもかまわない。この際、UL/DL構成の単位がmサブフレームの場合(一つのUL/DL構成パターンがmサブフレームごとに繰り返される場合)、長さmのビットマップを用いて、オフセットAの適用対象となるサブフレームを示すことが可能である。eNB20は、UL/DL構成の変更内容を示す情報と共に、このビットマップを第1のUE30に対して送信してもよい。また、eNB20は、UE30に対して信号送信の許可を与えるために使用する制御信号の中にオフセットAの値を含めることにより、オフセットAの値をUE30に通知してもよい。
また、本実施例のeNB20は、第1のサブフレームの下り信号について第2のUE30のNACK発生率をモニタし、該NACK発生率に基づいて第1のサブフレームにおける第1のUE30の送信電力を制御する。具体的には、eNB20は、UL/DL構成が変更される前の第2のUE30のNACK発生率を基準として、UL/DL構成が変更された後の第2のUE30のNACK発生率の変化量が、所定値未満となるように、第1のUE30の送信電力を制御する。これにより、eNB20は、下り区間における第2のUE30のスループットの低下を抑制することができる。
また、eNB20は、第2のUE30のNACK発生率の変化量が所定値未満となる範囲で、第1のUE30の送信電力が大きくなるように、第1のUE30の送信電力を制御する。これにより、第1のUE30における上り区間のスループットを向上させることができる。なお、第1のUE30は、例えば図3(b)に示すように、第1のサブフレーム以外の上り区間のサブフレームについては、基準送信電力Pdefで上り信号を送信する。
図2に戻って説明を続ける。オフセット算出部220は、第1のサブフレーム等の情報が無線回線制御部222から出力された場合に、第1のUE30が第1のサブフレームにおいて出力する送信電力のオフセットAの初期値A0を算出する。
オフセット算出部220は、eNB20のセル11の面積と該セル11内のUE30の数とに基づいて、第1のサブフレームにおける第1のUE30の送信電力Pの初期値を算出する。例えば、オフセット算出部220は、セル11内でアクティブ状態のUE30の数と、セル11の面積とに基づいて、アクティブ状態の複数のUE30がセル11内に均等に分布する場合の隣接UE30間の平均距離を算出する。そして、オフセット算出部220は、算出された平均距離で第1のUE30と第2のUE30とが隣接すると仮定し、第2のUE30のNACK発生率が悪化しない範囲で、第1のUE30の上り信号の送信電力の最大値Pmaxを算出する。最大値Pmaxは、第1のサブフレームにおける第1のUE30の送信電力Pの初期値の一例である。そして、オフセット算出部220は、無線回線制御部222によって算出された基準送信電力Pdefと、前述の最大値Pmaxとの差分を、オフセットAの初期値A0として算出する。そして、オフセット算出部220は、算出されたオフセットAの初期値A0を、第1のサブフレームの情報および第1のUE30の識別情報と共に送信部23へ出力する。なお、最大値Pmaxが、基準送信電力Pdefと等しいか基準送信電力Pdefより大きい場合、オフセットAの初期値A0は0となる。オフセットAの初期値A0は、UL/DL構成を変更する際に、UL/DL構成の情報と共に第1のUE30に対して通知されてもよい。
また、オフセット算出部220は、制御情報抽出部211から出力された品質情報に基づいて、それぞれのUE30について、サブフレーム毎にNACK発生率を算出する。NACK発生率は、受信品質の一例である。また、オフセット算出部220は、いずれかのUE30のUL/DL構成が変更された場合、第2のUE30のNACK発生率R1と、第2のUE30のNACK発生率R2との差を、変化量ΔRとして算出する。NACK発生率R1は、UL/DL構成の変更前の第1のサブフレームのNACK発生率であり、NACK発生率R2は、UL/DL構成の変更後の第1のサブフレームのNACK発生率R2である。例えば、オフセット算出部220は、NACK発生率R2からNACK発生率R1を引いた値を、変化量ΔRとして算出する。
なお、オフセット算出部220は、UL/DL構成が変更された後に、例えば数フレーム毎に、UL/DL構成の変更後の第1のサブフレームのNACK発生率R2を算出する。そして、オフセット算出部220は、算出されたNACK発生率R2と、NACK発生率R1とを用いて、変化量ΔRを更新する。
変化量ΔRが第1の閾値Rth1以上である場合、即ち、UL/DL構成の変更により第2のUE30のNACK発生率が大きく悪化した場合、オフセット算出部220は、オフセットAを所定の変更量ΔA1分増加させた場合の第1のUE30の送信電力Pを算出する。オフセットAが変更量ΔA1分増加した場合、第1のUE30の送信電力Pは、変更量ΔA1分減少する。オフセットAの変更量ΔA1は、送信電力を第1の電力分下げる指示の一例である。
算出された送信電力Pが所定の下限値Pthより大きい場合、オフセット算出部220は、算出されたオフセットAの変更量ΔA1を、第1のUE30の識別情報と共に制御信号作成部230へ出力する。算出されたオフセットAの変更量ΔA1は、第1のUE30へ送信される。これにより、第1のサブフレームにおける第1のUE30の送信電力が変更量ΔA1分減少し、第1のサブフレームにおける第2のUE30のNACK発生率が改善される。下限値Pthは、第3の閾値の一例である。
一方、算出された送信電力Pが下限値Pth以下である場合、オフセット算出部220は、UL/DL構成を元に戻す旨の指示を無線回線制御部222へ出力する。そして、オフセット算出部220は、第1のUE30のオフセットAを制御する処理を終了する。
また、変化量ΔRが第2の閾値Rth2未満である場合、即ち、第2のUE30のNACK発生率の悪化の幅が小さい場合、オフセット算出部220は、オフセットAを所定の変更量ΔA2分減少させた場合の第1のUE30の送信電力Pを算出する。オフセットAが変更量ΔA2分減少した場合、第1のUE30の送信電力Pは、変更量ΔA2分増加する。なお、第2の閾値Rth2は、第1の閾値Rth1より低い値である。
算出された送信電力Pが基準送信電力Pdef以上である場合、オフセット算出部220は、第1のUE30の現在の送信電力Pと、基準送信電力Pdefとの差分を変更量ΔA2’として算出する。そして、算出されたオフセットAの変更量ΔA2’を、第1のUE30の識別情報と共に制御信号作成部230へ出力し、第1のUE30のオフセットAを制御する処理を終了する。算出されたオフセットAの変更量ΔA2’は、第1のUE30へ送信される。これにより、第1のサブフレームにおける第1のUE30の送信電力が基準送信電力Pdefまで増加する。
一方、算出された送信電力Pが基準送信電力Pdefより低い場合、オフセット算出部220は、算出されたオフセットAの変更量ΔA2を、第1のUE30の識別情報と共に送信部23へ出力する。算出されたオフセットAの変更量ΔA2は、第1のUE30へ送信される。これにより、第1のサブフレームにおける第1のUE30の送信電力Pが変更量ΔA2分増加し、第1のサブフレームにおける第1のUE30の上り信号のスループットが向上する。オフセットAの変更量ΔA2および変更量ΔA2’は、送信電力を第2の電力分上げる指示の一例である。なお、変更量ΔA1の絶対値と、変更量ΔA2の絶対値とは、同じ大きさであってもよく、異なる大きさであってもよい。
また、変化量ΔRが、第1の閾値Rth1未満であり、且つ、第2の閾値Rth2以上である場合、オフセット算出部220は、第1のUE30のオフセットAを変更しない。この場合、オフセット変更量が0であるということが、第1のUE30に対して送信される制御信号の中で示されてもよい。そして、第1のUE30のオフセットAを変更しない期間が所定時間以上継続した場合、オフセット算出部220は、第1のUE30のオフセットAを制御する処理を終了する。所定時間とは、例えば数フレーム分の時間である。この所定時間の値は、UL/DL構成を変更する際に、UL/DL構成の情報と共に第1のUE30に対して通知されてもよい。あるいは、この所定時間の値は、eNB20によって共通情報として各eNB20に報知され、eNB20と通信する全てのUE30の間で共通の値として用いられてもよい。また、eNB20から通知されたオフセットAの値がUE30の送信電力に適用されてから所定時間が経過した後に、UE30において、該オフセットAの値が無効、あるいは、該オフセットAの値が零になってもよい。これにより、eNB20から通知されたオフセットAの値がUE30の送信電力に適用されてから所定時間が経過した後に、UE30の送信電力が通常の送信電力に戻る。
なお、第2のUE30がセル11内に複数存在する場合、オフセット算出部220は、それぞれの第2のUE30について変化量ΔRを算出し、算出された変化量ΔRの中で、例えば最も大きい値の変化量ΔRを特定する。そして、オフセット算出部220は、特定された変化量ΔRを用いて、変化量ΔRが第1の閾値Rth1以上か否か、および、変化量ΔRが第2の閾値Rth2以上か否かを判定する。オフセット算出部220は、指示部および算出部の一例である。
<送信部23>
制御信号作成部230は、オフセット算出部220から出力された第1のサブフレーム、オフセットAの初期値A0、変更量ΔA1、変更量ΔA2、変更量ΔA2’、オフセット値の有効期間等の情報の中の一つまたは複数を含み、第1のUE30を宛先とする制御信号を作成する。そして、制御信号作成部230は、作成された制御信号を符号化・変調部233へ出力する。
パイロット作成部231は、システム情報管理部221から出力された情報に基づいてパイロット信号を作成し、作成したパイロット信号を符号化・変調部233へ出力する。
無線回線制御情報作成部232は、UE30の識別情報と共に、UL/DL構成、送信電力のオフセットが適用されるサブフレームを示す情報、基準送信電力Pdefの情報等の中の一つまたは複数が無線回線制御部222から出力された場合、これらの情報を含み、該UE30を宛先とする無線回線制御情報を作成する。そして、無線回線制御情報作成部232は、作成された無線回線制御情報を符号化・変調部233へ出力する。
符号化・変調部233は、コアネットワークから出力された送信データ、制御信号作成部230から出力された制御信号、パイロット作成部231から出力されたパイロット信号、および無線回線制御情報作成部232から出力された無線回線制御情報を符号化する。制御信号作成部230から出力された制御信号と無線回線制御情報作成部232から出力された無線回線制御情報とは、互いに独立して同時に、または、互いに独立して別々の時間に送信されてもかまわない。そして、符号化・変調部233は、符号化された下り信号を変調し、変調後の下り信号を多元接続処理部234へ出力する。
多元接続処理部234は、各UE30への下り信号を、物理リソースにマッピングする。そして、多元接続処理部234は、マッピング後の下り信号を、遅延部235および無線送信部236へ出力する。遅延部235は、多元接続処理部234から出力された下り信号を、所定時間遅延させて自己干渉除去部213へ出力する。
無線送信部236は、多元接続処理部234から出力された下り信号に対して、アップコンバート等の処理を施し、処理後の下り信号をアンテナ24を介して送信する。
<第1のUE30の送信電力の制御>
図4から図6は、第1のUE30の送信電力の制御の一例を説明する図である。UL/DL構成の変更により第2のUE30のNACK発生率の変動量ΔRが第1の閾値Rth1以上となった場合のオフセットAおよび第1のUE30の送信電力Pは、例えば図4に示すように変化する。なお、図4(b)には、第1のサブフレームにおける第1のUE30の送信電力Pの変化が示されている。
まず、オフセット算出部220は、時刻t0において、例えば図4(a)に示すように、オフセットAの初期値A0を算出する。オフセットAの初期値A0の情報は、第1のUE30に通知される。これにより、第1のUE30は、時刻t0において、例えば図4(b)に示すように、基準送信電力Pdefより初期値A0分低い電力P0で上り信号の送信を開始する。
その後、第2のUE30のNACK発生率の変化量ΔRが第1の閾値Rth1以上となった時刻t1において、オフセット算出部220は、例えば図4(a)に示すように、オフセットAを初期値A0から変更量ΔA1分増加させる。これにより、第1のUE30は、時刻t1において、例えば図4(b)に示すように、上り信号の送信電力Pを、電力P0より変更量ΔA1分減少させる。このように、第2のUE30のNACK発生率の変化量ΔRが第1の閾値Rth1以上となるたびに、オフセット算出部220は、オフセットAを変更量ΔA1ずつ増加させ、第1のUE30の送信電力Pは、変更量ΔA1ずつ減少する。
そして、オフセットAを変更量ΔA1分増加させることにより、第1のUE30の送信電力Pが下限値Pth以下となる時刻t2において、オフセット算出部220は、UL/DL構成を元に戻す旨の指示を無線回線制御部222へ出力する。これにより、第1のUE30のUL/DL構成が元に戻る。そして、オフセット算出部220は、第1のUE30のオフセットAを制御する処理を終了する。
UL/DL構成の変更により第2のUE30のNACK発生率の変動量ΔRが第2の閾値Rth2未満となった場合のオフセットAおよび第1のUE30の送信電力Pは、例えば図5に示すように変化する。図5(b)には、第1のサブフレームにおける第1のUE30の送信電力Pの変化が示されている。
まず、オフセット算出部220は、時刻t0において、例えば図5(a)に示すように、オフセットAの初期値A0を算出し、第1のUE30は、時刻t0において、例えば図5(b)に示すように、電力P0で上り信号の送信を開始する。
その後、第2のUE30のNACK発生率の変化量ΔRが第2の閾値Rth2未満となった時刻t1において、オフセット算出部220は、例えば図5(a)に示すように、オフセットAを初期値A0から変更量ΔA2分減少させる。これにより、第1のUE30は、時刻t1において、例えば図5(b)に示すように、上り信号の送信電力Pを、電力P0より変更量ΔA2分増加させる。このように、第2のUE30のNACK発生率の変化量ΔRが第2の閾値Rth2未満となるたびに、オフセット算出部220は、オフセットAを変更量ΔA2ずつ減少させ、第1のUE30の送信電力Pは、変更量ΔA2ずつ増加する。
そして、オフセットAを変更量ΔA2分減少させることにより、第1のUE30の送信電力Pが基準送信電力Pdef以上となる時刻t2において、オフセット算出部220は、現在のオフセットAの値をオフセットAの変更量ΔA2’として算出する。変更量ΔA2’は、現在の送信電力P’と、基準送信電力Pdefとの差分に相当する。変更量ΔA2’の情報は、第1のUE30に通知される。これにより、第1のUE30は、時刻t2において、例えば図5(b)に示すように、上り信号の送信電力Pを、変更量ΔA2’分増加させる。これにより、第1のUE30の送信電力Pが基準送信電力Pdefとなる。そして、オフセット算出部220は、第1のUE30のオフセットAを制御する処理を終了する。これ以降、第1のUE30は、基準送信電力Pdefで、第1のサブフレームにおける上り信号を送信する。
UL/DL構成の変更により第2のUE30のNACK発生率の変動量ΔRが第1の閾値Rth1と第2の閾値Rth2の間となった場合のオフセットAおよび第1のUE30の送信電力Pは、例えば図6に示すように変化する。図6(b)には、第1のサブフレームにおける第1のUE30の送信電力Pの変化が示されている。
まず、オフセット算出部220は、時刻t0において、例えば図6(a)に示すように、オフセットAの初期値A0を算出し、第1のUE30は、時刻t0において、例えば図6(b)に示すように、電力P0で上り信号の送信を開始する。
その後、第2のUE30のNACK発生率の変化量ΔRに応じて、オフセット算出部220は、例えば図6(a)に示すように、オフセットAを変更量ΔA1分増加または変更量ΔA2分減少させる。これにより、第1のUE30は、例えば図6(b)に示すように、上り信号の送信電力Pを、変更量ΔA1分減少または変更量ΔA2分増加させる。そして、オフセットAを変更しない期間が所定時間ΔT以上継続した時刻t1において、オフセット算出部220は、第1のUE30のオフセットAを制御する処理を終了する。これ以降、第1のUE30は、時刻t1における送信電力Pで、第1のサブフレームにおける上り信号を送信する。
<UE30>
図7は、UE30の一例を示すブロック図である。UE30は、例えば図7に示すように、受信部31、制御部32、送信部33、およびアンテナ34を有する。アンテナ34は、eNB20から送信された下り信号を受信して受信部31へ出力する。また、アンテナ34は、送信部33から出力された上り信号をeNB20へ送信する。
受信部31は、無線受信部310、復調・復号部311、システム情報抽出部312、制御信号抽出部313、パイロット抽出部314、および回線品質測定部315を有する。制御部32は、端末情報制御部320、システム情報管理部321、および無線回線制御部322を有する。送信部33は、無線送信部330、符号化・変調部331、パイロット作成部332、制御信号作成部333、および無線回線制御情報作成部334を有する。
<受信部31>
無線受信部310は、無線回線制御部322からの制御に応じて、受信動作を実行する。無線受信部310は、受信動作において、アンテナ34から出力された下り信号に対して、ダウンコンバート等の処理を施し、処理後の下り信号を復調・復号部311へ出力する。
復調・復号部311は、無線受信部310から出力された下り信号を復調する。そして、復調・復号部311は、復調後の下り信号から受信データを復号する。そして、復調・復号部311は、復号された受信データを、受信データに基づいて処理を行うアプリケーション処理部(図示せず)へ出力する。また、復調・復号部311によって復号された受信データは、システム情報抽出部312、制御信号抽出部313、およびパイロット抽出部314へも出力される。
システム情報抽出部312は、復調・復号部311から出力された受信データからシステム情報を抽出する。そして、システム情報抽出部312は、抽出されたシステム情報をシステム情報管理部321へ出力する。
制御信号抽出部313は、復調・復号部311から出力された受信データから無線回線制御情報および制御信号を抽出する。そして、制御信号抽出部313は、抽出された無線回線制御情報から、UL/DL構成および基準送信電力Pdefの情報を抽出して無線回線制御部322へ出力する。また、制御信号抽出部313は、抽出された制御信号から、第1のサブフレーム、オフセットAの初期値A0、変更量ΔA1、変更量ΔA2、および変更量ΔA2’を抽出して無線回線制御部322へ出力する。また、制御信号抽出部313は、復調・復号部311が受信データの復号に成功したか否かを示す情報を回線品質測定部315へ出力する。
パイロット抽出部314は、復調・復号部311から出力された受信データからパイロット信号を抽出する。そして、パイロット抽出部314は、抽出したパイロット信号を回線品質測定部315へ出力する。
回線品質測定部315は、パイロット抽出部314から出力されたパイロット信号に基づいて、無線回線の品質を測定する。また、回線品質測定部315は、制御信号抽出部313から受信データの復号に成功したか否かを示す情報を取得し、下り区間のサブフレーム毎にACKまたはNACKの情報を作成する。そして、回線品質測定部315は、サブフレーム毎に生成されたACKまたはNACKの情報を、無線回線制御情報作成部334へ出力する。
<制御部32>
端末情報制御部320は、UE30の送信バッファ内のデータ量を監視し、送信バッファ内のデータ量を示すBSRを作成する。そして、端末情報制御部320は、作成したBSRを無線回線制御部322へ出力する。
システム情報管理部321は、システム情報抽出部312から出力されたシステム情報を管理する。そして、システム情報管理部321は、パイロット信号の生成に用いられる情報をパイロット作成部332へ出力する。
無線回線制御部322は、端末情報制御部320からBSRが出力された場合に、BSRの情報を制御信号作成部333へ出力する。また、無線回線制御部322は、制御信号抽出部313から出力されたUL/DL構成に基づいて、下り区間のサブフレームにおいて無線受信部310に受信動作を指示し、上り区間のサブフレームにおいて無線送信部330に送信動作を指示する。
また、無線回線制御部322は、制御信号抽出部313から、基準送信電力Pdef、第1のサブフレーム、およびオフセットAの初期値A0の情報が出力された場合に、基準送信電力Pdefから初期値A0を引いた電力を送信電力Pの初期値P0として算出する。そして、無線回線制御部322は、算出された送信電力Pの初期値P0で、第1のサブフレームにおける上り信号を送信するように、無線送信部330を制御する。
また、無線回線制御部322は、制御信号抽出部313から変更量ΔA1が出力された場合、第1のサブフレームにおける送信電力Pを、現在の送信電力Pから変更量ΔA1分減少させるように無線送信部330を指示する。また、無線回線制御部322は、制御信号抽出部313から変更量ΔA2または変更量ΔA2’が出力された場合、第1のサブフレームにおける送信電力Pを、現在の送信電力から変更量ΔA2または変更量ΔA2’分増加させるように無線送信部330を制御する。
また、無線回線制御部322は、制御信号抽出部313から所定時間以上、変更量ΔA1、ΔA2、またはΔA2’のいずれも出力されなかった場合、変更量ΔA1、ΔA2、またはΔA2’に基づく第1のサブフレームにおける送信電力Pの制御を終了する。
<送信部33>
無線回線制御情報作成部334は、回線品質測定部315から出力されたACKまたはNACKの情報を含む無線回線制御情報を作成する。そして、無線回線制御情報作成部334は、作成された無線回線制御情報を符号化・変調部331へ出力する。制御信号作成部333は、無線回線制御部322から出力されたBSRを含む制御信号を作成する。そして、制御信号作成部333は、作成された制御信号を符号化・変調部331へ出力する。パイロット作成部332は、システム情報管理部321から出力された情報を用いてパイロット信号を作成する。そして、パイロット作成部332は、作成されたパイロット信号を符号化・変調部331へ出力する。
符号化・変調部331は、アプリケーション処理部(図示せず)から出力された送信データを符号化して上り信号を生成する。また、符号化・変調部331は、パイロット作成部332から出力されたパイロット信号、制御信号作成部333から出力された制御信号、および無線回線制御情報作成部334から出力された無線回線制御情報を符号化して上り信号を生成する。そして、符号化・変調部331は、符号化された上り信号を変調し、変調後の上り信号を無線送信部330へ出力する。
無線送信部330は、無線回線制御部322からの制御に応じて、送信動作を実行する。無線送信部330は、送信動作において、符号化・変調部331から出力された上り信号に対して、アップコンバート等の処理を施す。そして、無線送信部330は、処理後の上り信号を、無線回線制御部322から指示された送信電力Pで、アンテナ34を介して送信する。
<eNB20の動作>
図8および図9は、eNB20の動作の一例を示すフローチャートである。eNB20は、例えば、起動後の所定のタイミングで、図8に示す動作を開始する。なお、図8に示すフローチャートとは別に、eNB20のオフセット算出部220は、それぞれのUE30について、所定のタイミング毎に、サブフレーム毎のNACK発生率を算出している。
まず、無線回線制御部222は、UE30毎に、UL/DL構成を変更するか否かを判定する(S100)。無線回線制御部222は、UE30毎に、例えば、コアネットワーク側からUE30へ送信される下り信号のデータ量と、UE30から送信されたBSRとに基づいて、UL/DL構成を変更するか否かを判定する。無線回線制御部222は、UL/DL構成を変更しないと判定した場合(S100:No)、再びステップS100に示した処理を実行する。
無線回線制御部222は、UL/DL構成を変更すると判定した場合(S100:Yes)、下り信号のデータ量と、品質情報抽出部210から出力されたBSRとに基づいて、変更後のUL/DL構成を決定する。また、無線回線制御部222は、UL/DL構成を変更するUE30の基準送信電力Pdefを決定する。
次に、無線回線制御部222は、セル11内のいずれかのUE30のUL/DL構成を変更する場合、変更後のUL/DL構成において第1のサブフレームを特定する(S101)。そして、無線回線制御部222は、第1のサブフレームが下り区間となっているUL/DL構成が割り当てられている第2のUE30がセル11内に存在するか否かを判定する(S102)。
第2のUE30が存在しない場合(S102:No)、無線回線制御部222は、変更後のUL/DL構成および基準送信電力Pdefを、第1のUE30の識別情報と共に送信部23へ出力する。送信部23は、UL/DL構成および基準送信電力Pdefの情報を第1のUE30へ送信する(S106)。そして、無線回線制御部222は、再びステップS100に示した処理を実行する。
一方、第2のUE30が存在する場合(S102:Yes)、eNB20は、第1のUE30のオフセットAを制御する処理を開始する。具体的には、無線回線制御部222は、変更後のUL/DL構成および基準送信電力Pdefを、第1のUE30の識別情報と共に送信部23へ出力する。そして、無線回線制御部222は、第1のサブフレームの情報と、第1のUE30の識別情報と、第2のUE30の識別情報と、第1のUE30の基準送信電力Pdefの情報とをオフセット算出部220へ出力する。オフセット算出部220は、第1のサブフレームについて、UL/DL構成が変更される前の第2のUE30のNACK発生率R1を保存する(S103)。
次に、オフセット算出部220は、第1のUE30が第1のサブフレームにおいて送信する上り信号の送信電力Pに適用されるオフセットAの初期値A0を算出する(S104)。そして、オフセット算出部220は、算出されたオフセットAの初期値A0を、第1のサブフレームの情報および第1のUE30の識別情報と共に送信部23へ出力する。送信部23は、変更後のUL/DL構成、第1のサブフレーム、オフセットAの初期値A0、および基準送信電力Pdefの情報を第1のUE30へ送信する(S105)。
次に、オフセット算出部220は、タイマをリセットスタートする(図9のS107)。そして、オフセット算出部220は、制御情報抽出部211から出力された品質情報に基づいて、第2のUE30について、UL/DL構成の変更後の第1のサブフレームのNACK発生率R2を算出する(S108)。そして、オフセット算出部220は、ステップS108において算出されたNACK発生率R2から、ステップS103において保存されたNACK発生率R1を引いた値を、変化量ΔRとして算出する(S109)。
次に、オフセット算出部220は、変化量ΔRが第1の閾値Rth1以上であるか否かを判定する(S110)。変化量ΔRが第1の閾値Rth1以上である場合(S110:Yes)、オフセット算出部220は、オフセットAを変更量ΔA1分増加させた場合の第1のUE30の送信電力Pを算出する(S111)。オフセットAを変更量ΔA1分増加させると、第1のUE30の送信電力Pは、変更量ΔA1分減少する。オフセット算出部220は、算出された送信電力Pが下限値Pth以下であるか否かを判定する(S112)。
算出された送信電力Pが下限値Pth以下である場合(S112:Yes)、オフセット算出部220は、UL/DL構成を元に戻す旨の指示を無線回線制御部222へ出力し、eNB20は、第1のUE30のオフセットAを制御する処理を終了する。無線回線制御部222は、第1のUE30のUL/DL構成を元に戻す(S113)。そして、無線回線制御部222は、再び図8のステップS100に示した処理を実行する。
一方、算出された送信電力Pが下限値Pthより大きい場合(S112:No)、オフセット算出部220は、オフセットAの変更量ΔA1を、第1のUE30の識別情報と共に送信部23へ出力する。送信部23は、オフセットAの変更量ΔA1を、第1のUE30へ送信する(S114)。これにより、第1のサブフレームにおける第1のUE30の送信電力Pが変更量ΔA1分減少する。そして、オフセット算出部220は、再びステップS107に示した処理を実行する。
変化量ΔRが第1の閾値Rth1未満である場合(S110:No)、オフセット算出部220は、変化量ΔRが第2の閾値Rth2未満であるか否かを判定する(S115)。変化量ΔRが第2の閾値Rth2未満である場合(S115:Yes)、オフセット算出部220は、オフセットAを変更量ΔA2分減少させた場合の第1のUE30の送信電力Pを算出する(S116)。オフセットAを変更量ΔA2分減少させると、第1のUE30の送信電力Pは、変更量ΔA2分増加する。そして、オフセット算出部220は、算出された送信電力Pが基準送信電力Pdef以上であるか否かを判定する(S117)。
算出された送信電力Pが基準送信電力Pdef以上である場合(S117:Yes)、オフセット算出部220は、現在のオフセットAの値をオフセットAの変更量ΔA2’として算出する。変更量ΔA2’は、現在の送信電力P’と、基準送信電力Pdefとの差分に相当する。そして、オフセット算出部220は、算出されたオフセットAの変更量ΔA2’を、第1のUE30の識別情報と共に送信部23へ出力し、第1のUE30のオフセットAを制御する処理を終了する。送信部23は、オフセットAの変更量ΔA2’を、第1のUE30へ送信する(S118)。これにより、第1のサブフレームにおける第1のUE30の送信電力Pが基準送信電力Pdefまで増加する。そして、無線回線制御部222は、再び図8のステップS100に示した処理を実行する。
一方、算出された送信電力Pが基準送信電力Pdef未満である場合(S117:No)、オフセット算出部220は、オフセットAの変更量ΔA2を、第1のUE30の識別情報と共に送信部23へ出力する。送信部23は、オフセットAの変更量ΔA2を、第1のUE30へ送信する(S119)。これにより、第1のサブフレームにおける第1のUE30の送信電力Pが変更量ΔA2分増加する。そして、オフセット算出部220は、再びステップS107に示した処理を実行する。
変化量ΔRが第2の閾値Rth2以上である場合(S115:No)、オフセット算出部220は、タイマの値が所定時間ΔTを示す値以上か否かを判定する(S120)。タイマの値が所定時間ΔTを示す値以上である場合(S120:Yes)、オフセット算出部220は、第1のUE30のオフセットAを制御する処理を終了する。そして、無線回線制御部222は、再び図8のステップS100に示した処理を実行する。一方、タイマの値が所定時間ΔTを示す値未満である場合(S120:No)、オフセット算出部220は、再びステップS108に示す処理を実行する。
<無線通信システム10の動作>
図10は、無線通信システム10の動作の一例を示すシーケンス図である。図10の例では、UE30−1が第1のUE30であり、UE30−2が第2のUE30である。
まず、UE30−1は、BSRをeNB20へ送信する(S200)。eNB20は、UE30−1のUL/DL構成の変更を決定した場合、変更後のUL/DL構成、第1のサブフレーム、基準送信電力Pdef、およびオフセットAの初期値A0の情報をUE30−1へ送信する(S201)。
UE30−1は、タイマをリセットスタートし(S202)、eNB20へ送信要求を送信する(S203)。eNB20は、UE30−1へ送信許可を送信する(S204)。その後、UE30−1は、ステップS201においてeNB20から送信された変更後のUL/DL構成における上り区間のサブフレームにおいて、データ送信を開始する(S205)。なお、UE30−1は、変更後のUL/DL構成における第1のサブフレームの区間では、基準送信電力PdefよりオフセットAの初期値A0分低い電力で上り信号の送信を開始する。
UE30−1のUL/DL構成が変更された後、eNB20は、UE30−2から送信されたACKまたはNACKの情報を受信し(S206)、NACK発生率の変化量ΔRを算出する。そして、eNB20は、NACK発生率の変化量ΔRに基づいて、オフセットAの変更量ΔAを算出する(S207)。eNB20は、NACK発生率の変化量ΔRが第1の閾値Rth1以上である場合、変更量ΔA1をUE30−1へ送信し、NACK発生率の変化量ΔRが第2の閾値Rth2未満である場合、変更量ΔA2をUE30−1へ送信する(S208)。そして、UE30−1は、タイマをリセットスタートする(S209)。そして、eNB20、UE30−1、およびUE30−2は、再びステップS203以降の処理を実行する。
<実施例の効果>
上記説明から明らかなように、本実施例のeNB20は、オフセット算出部220と、無線回線制御部222とを有する。無線回線制御部222は、いずれかのUE30のUL/DL構成が変更された場合に、変更前のUL/DL構成において下り区間に設定され、変更後のUL/DL構成において上り区間に変更されたサブフレームである第1のサブフレームを特定する。オフセット算出部220は、UL/DL構成が変更されたUE30である第1のUE30に対して、第1のサブフレームにおける送信電力の初期値を指示する。また、オフセット算出部220は、第2のUE30について、UL/DL構成の変更前の第1のサブフレームにおける下り信号の受信品質と、UL/DL構成の変更後の第1のサブフレームにおける下り信号の受信品質との間の変化量を算出する。また、オフセット算出部220は、第1のUE30が第1のサブフレームにおいて初期値の送信電力で送信を行った後に、変化量に基づいて、第1のUE30に指示する送信電力を制御する。これにより、UE30毎に異なるUL/DL構成を割り当てる場合に、下り区間のスループットの低下を抑制することができる。
また、オフセット算出部220は、UL/DL構成が変更される前において第2のUE30が下り信号の受信に失敗した割合と、UL/DL構成が変更された後において第2のUE30が下り信号の受信に失敗した割合との差を、変化量として算出する。これにより、eNB20は、UL/DL構成を変更したことによる第2のUE30の受信品質の低下を精度よく検出することができる。
また、オフセット算出部220は、受信品質の変化量が第1の閾値以上である場合に、送信電力を第1の電力分下げる指示を第1のUE30へ送信する。また、オフセット算出部220は、受信品質の変化量が、第1の閾値よりも低い第2の閾値未満である場合に、送信電力を第2の電力分上げる指示を第1のUE30へ送信する。これにより、eNB20は、UL/DL構成を変更したことによる第2のUE30の受信品質の低下を抑制することができると共に、UL/DL構成が変更された第1のUE30の上りデータのスループットを高めることができる。
また、オフセット算出部220は、eNB20のセル11の面積と該セル11内のUE30の数とに基づいて、第1のサブフレームにおける第1のUE30の送信電力Pの初期値を算出する。これにより、第1のサブフレームにおける第1のUE30の送信電力Pの初期値が大きくなり過ぎることを防止することができる。
また、無線回線制御部222は、オフセット算出部220により第1のUE30の送信電力Pが制御された結果、第1のUE30の送信電力Pが、第3の電力値以下となった場合、UL/DL構成を、変更前のUL/DL構成に戻す。これにより、UL/DL構成が変更された第1のUE30が、第1のサブフレームにおいて低すぎる送信電力Pで上り信号の送信を継続することを防止することができる。
また、オフセット算出部220は、第1のUE30の送信電力が制御された結果、第1のUE30の送信電力が、基準送信電力に達した場合、受信品質の変化量に基づく第1のUE30の送信電力の制御を終了する。これにより、eNB20の処理負荷を軽減することができる。
また、オフセット算出部220は、第1のUE30に送信電力を指示してから所定時間以上、新たな送信電力を第1のUE30に指示しなかった場合、受信品質の変化量に基づく第1のUE30の送信電力の制御を終了する。これにより、eNB20の処理負荷の増大を抑えることができる。
<ハードウェア>
図11は、eNB20を実現する通信装置200のハードウェアの一例を示す図である。通信装置200は、例えば図11に示すように、ネットワークインターフェイス回路201、メモリ202、プロセッサ203、無線回路204、およびアンテナ205を有する。
無線回路204は、プロセッサ203から出力された信号に変調等の所定の処理を施し、処理後の信号をアンテナ205を介して送信する。また、無線回路204は、アンテナ205を介して受信した信号に復調等の所定の処理を施してプロセッサ203へ出力する。無線回路204は、例えば受信部21の無線受信部214および送信部23の無線送信部236の機能を実現する。ネットワークインターフェイス回路201は、有線接続によってコアネットワークや、他のeNB20に接続するためのインターフェイスである。
メモリ202には、受信部21の品質情報抽出部210、制御情報抽出部211、復調・復号部212、および自己干渉除去部213の機能を実現するためのプログラムが格納される。また、メモリ202には、制御部22のオフセット算出部220、システム情報管理部221、および無線回線制御部222の機能を実現するためのプログラムが格納される。また、メモリ202には、送信部23の制御信号作成部230、パイロット作成部231、無線回線制御情報作成部232、符号化・変調部233、多元接続処理部234、および遅延部235の機能を実現するためのプログラムが格納される。
プロセッサ203は、メモリ202に格納されたプログラムをメモリ202から読み出して実行することにより、受信部21の品質情報抽出部210、制御情報抽出部211、復調・復号部212、および自己干渉除去部213の機能を実現する。また、プロセッサ203は、メモリ202に格納されたプログラムをメモリ202から読み出して実行することにより、制御部22のオフセット算出部220、システム情報管理部221、および無線回線制御部222の機能を実現する。また、プロセッサ203は、メモリ202に格納されたプログラムをメモリ202から読み出して実行することにより、送信部23の制御信号作成部230、パイロット作成部231、および無線回線制御情報作成部232の機能を実現する。また、プロセッサ203は、メモリ202に格納されたプログラムをメモリ202から読み出して実行することにより、送信部23の符号化・変調部233、多元接続処理部234、および遅延部235の機能を実現する。
図12は、UE30を実現する通信装置300のハードウェアの一例を示す図である。通信装置300は、例えば図12に示すように、アンテナ301、無線回路302、メモリ303、およびプロセッサ304を有する。
無線回路302は、プロセッサ304から出力された信号に変調等の所定の処理を施し、処理後の信号をアンテナ301を介して送信する。また、無線回路302は、アンテナ301を介して受信した信号に復調等の所定の処理を施してプロセッサ304へ出力する。無線回路302は、例えば受信部31の無線受信部310および送信部33の無線送信部330の機能を実現する。
メモリ303には、受信部31の復調・復号部311、システム情報抽出部312、制御信号抽出部313、パイロット抽出部314、および回線品質測定部315の機能を実現するためのプログラムが格納される。また、メモリ303には、制御部32の端末情報制御部320、システム情報管理部321、および無線回線制御部322の機能を実現するためのプログラムが格納される。また、メモリ303には、送信部33の符号化・変調部331、パイロット作成部332、制御信号作成部333、および無線回線制御情報作成部334の機能を実現するためのプログラムが格納される。
プロセッサ304は、メモリ303に格納されたプログラムをメモリ303から読み出して実行することにより、受信部31の復調・復号部311、システム情報抽出部312、および制御信号抽出部313の機能を実現する。また、プロセッサ304は、メモリ303に格納されたプログラムをメモリ303から読み出して実行することにより、パイロット抽出部314および回線品質測定部315の機能を実現する。また、プロセッサ304は、メモリ303に格納されたプログラムをメモリ303から読み出して実行することにより、制御部32の端末情報制御部320、システム情報管理部321、および無線回線制御部322の機能を実現する。また、プロセッサ304は、メモリ303に格納されたプログラムをメモリ303から読み出して実行することにより、送信部33の符号化・変調部331、パイロット作成部332、制御信号作成部333、および無線回線制御情報作成部334の機能を実現する。
<その他>
なお、開示の技術は、上記した実施例に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で数々の変形が可能である。
例えば、上記実施例のeNB20は、UL/DL構成の変更後の第2のUE30のNACK発生率の変化量ΔRが第1の閾値Rth1以上である場合に、オフセットAを変更量ΔA1ずつ増加させることで、第1のUE30の送信電力Pを変更量ΔA1ずつ減少させる。しかし、開示の技術はこれに限られない。例えば、eNB20は、UL/DL構成を変更した後の第2のUE30のNACK発生率の変化量ΔRが第1の閾値Rth1以上である場合に、該変化量ΔRと第1の閾値Rth1との差分に応じた値をオフセットAの変更量ΔA1として第1のUE30に指示してもよい。例えば、変化量ΔRと第1の閾値Rth1との差分が大きい場合には、大きい値の変更量ΔA1が第1のUE30に指示され、変化量ΔRと第1の閾値Rth1との差分が小さい場合には、小さい値の変更量ΔA1が第1のUE30に指示される。これにより、UL/DL構成を変更した後の第2のUE30のNACK発生率が大幅に悪化した場合、eNB20は、第2のUE30の受信品質をより迅速に回復させることができる。
また、上記実施例のeNB20は、セル11内の第1のUE30について第1のサブフレームの送信電力PのオフセットAを制御している間は、セル11内の他のUE30について、UL/DL構成の変更を行わない。さらに、他の例として、eNB20は、セル11内の第1のUE30の送信電力PのオフセットAを制御している間は、該セル11に隣接する他のセル11においても、他のセル11内のUE30に対してUL/DL構成の変更を行わないようにしてもよい。該セル11に隣接する他のセル11が他のeNB20によって管理されている場合には、eNB20は、UL/DL構成の変更を所定期間行わないように他のeNB20に指示してもよい。これにより、eNB20は、UL/DL構成を変更した後の第2のUE30のNACK発生率の変化において、隣接するセル11内でUL/DL構成が変更されたことの影響を排除することができる。