JP6676928B2 - タイヤモデル作成方法、タイヤ形状最適化方法、タイヤモデル作成装置、タイヤ形状最適化装置、およびプログラム - Google Patents
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Description
特許文献2のタイヤの設計方法では、タイヤ断面形状のみならず補強層の位置もコントロールする。特許文献2では移動後の各制御点により形成されるタイヤ断面形状を波状に形成させずに、なだらかな形状にさせることができるとされている。しかしながら、特許文献2においても、タイヤの厚さ(ゲージの変化)のみを変数として変化させることはできないという問題点がある。
また、特許文献2の手法で得られた最適形状において、タイヤの厚さ(ゲージの変化)のみを変化させた場合、例えば、タイヤ剛性のように目的特性によっては、特性を悪化させてしまうこともある。これは、形状変化の中にタイヤの厚さ(ゲージの変化)も従属するためであり、特許文献2では、解析者が意図的にタイヤの厚さ(ゲージの変化)を調整できないと考えられている。
第1のタイヤモデルにおいて、タイヤ断面形状内における全領域をS1とし、タイヤ断面形状内における全領域S1のうち形状を変化させる領域をS2、厚さを変化させる領域をS3とするとき、タイヤ断面形状内における全領域S1、形状を変化させる領域S2、厚さを変化させる領域S3は、S1>S2≧S3の関係にあることが好ましい。
また、形状最適化計算において、目的関数または制約条件は、タイヤの質量または質量に関する物理特性を含むことが好ましい。
また、第1のタイヤモデルにおいて、タイヤ断面形状内における全領域をS1とし、タイヤ断面形状内における全領域S1のうち形状を変化させる領域をS2、厚さを変化させる領域をS3とするとき、タイヤ断面形状内における全領域S1、形状を変化させる領域S2、厚さを変化させる領域S3は、S1>S2≧S3の関係にあることが好ましい。
第1のタイヤモデルにおいて、タイヤ断面形状内における全領域をS1とし、タイヤ断面形状内における全領域S1のうち形状を変化させる領域をS2、厚さを変化させる領域をS3とするとき、タイヤ断面形状内における全領域S1、形状を変化させる領域S2、厚さを変化させる領域S3は、S1>S2≧S3の関係にあることが好ましい。
第1のタイヤモデルにおいて、タイヤ断面形状内における全領域をS1とし、形状を変化させる領域をS2とし、厚さを変化させる領域をS3とするとき、タイヤ断面形状内における全領域S1、形状を変化させる領域S2、厚さを変化させる領域S3は、S1>S2≧S3の関係にあることが好ましい。
また、本発明は、タイヤ形状最適化方法の各工程を手順としてコンピュータに実行させるためのプログラムを提供するものである。
更に、本発明によれば、タイヤの軽量化を考慮し、材料のコストまたはタイヤ質量を抑え、目的特性を高次元にて満足するタイヤ断面形状を取得することができる。
図1は本発明の実施形態のタイヤモデル作成方法およびタイヤ形状最適化方法に利用される解析装置を示す模式図である。
上述のようにタイヤモデル作成方法およびタイヤ形状最適化方法には解析装置10が用いられるが、タイヤモデル作成方法およびタイヤ形状最適化方法をコンピュータ等のハードウェアおよびソフトウェアを用いて実行することができれば解析装置10に限定されるものではない。タイヤモデル作成装置およびタイヤ形状最適化装置は、解析装置10の構成に限定されるものではない。
処理部12は、制御部32により制御される。また、処理部12において条件設定部20、モデル設定部22、データ作成部24、演算部26および判定部27はメモリ28に接続されており、条件設定部20、モデル設定部22、データ作成部24、演算部26および判定部27のデータがメモリ28に記憶される。
タイヤモデル作成方法では、タイヤ形状とタイヤの厚さ(ゲージ)を同時に独立して変化させることにより、軽量化を実現したできるタイヤ断面形状をコンピュータを用いて効率よく算出することができる。
本実施形態のタイヤ形状最適化方法は、ゲージ変化と形状変化を独立したパラメータ(設計変数)として取り扱いながら、タイヤの軽量化を考慮し、材料のコストまたはタイヤ質量を抑え、目的特性を高次元にて満足するタイヤ断面形状を取得することを目的とするものであり、コンピュータを用いたタイヤ形状最適化方法に関する。
タイヤ形状最適化方法では、形状変化とゲージ変化を兼ね備えつつも、それぞれ独立した設計変数として、形状最適化計算を行うことが可能となり、従来よりも広い特性値空間から目的特性と軽量化を両立したタイヤ断面形状をコンピュータを用いて効率よく算出することができる。
条件設定部20では、その他、タイヤモデルの形状最適化計算に必要な各種の条件、情報が入力され、設定する。設計変数、目的関数および制約条件、各種の条件、情報は、入力部14を介して入力される。条件設定部20で設定する設計変数、目的関数および制約条件、各種の条件、情報はメモリ28に記憶される。
また、条件設定部20は、タイヤモデルの形状最適化計算に必要な設計変数、目的関数(特性値)および制約条件を設定する。この場合、第1のタイヤモデルの形状を変化させる形状変化ベクトルの大きさと、第1のタイヤモデルの厚さを変化させる厚さ変化ベクトルの大きさを設計変数とし、タイヤ物理量を目的関数として設定する。
目的関数(特性値)として設定されるタイヤ物理量は、タイヤ性能として評価しようとする物理量のことである。具体的には、例えば、操縦安定性の指標となるスリップ角ゼロ近傍における横力であるCP(コーナリングパワー)、乗心地性の指標となるタイヤの1次固有振動数、転動抵抗の指標となる転がり抵抗、操縦安定性の指標となる横ばね定数、縦剛性、耐摩耗性の指標となるタイヤトレッド部材の摩耗エネルギー、燃費性能等が挙げられる。他にも、タイヤの物理量としては、たわみ量、接地圧分布、転がり抵抗およびコーナリング特性等がある。これ以外に、タイヤの物理量としては、形状および寸法値がある。形状としては、例えば、断面形状である。寸法値としては、例えば、タイヤの幅、タイヤの外径等である。
タイヤおよびタイヤを構成する材料は、タイヤ単体ではなく、タイヤを構成するパーツ、タイヤのアッセンブリ形態等のタイヤを含むシステム全体、またはその一部を対象としてもよい。
目的関数(特性値)は、性能として好ましい方向があり、値が大きくなる、小さくなる、または所定の値に近づく等がある。また、目的関数については、上述の好ましい方向以外に、好ましい方向とは反対の好ましくない方向もある。
なお、目的関数は1つでもよく、すなわち、単目的でもよい。目的関数は、複数であってもよいことはもちろんである。
また、タイヤの負荷荷重、タイヤの転動速度を初めとする走行条件、タイヤが走行する路面条件、例えば、凹凸形状、摩擦係数等、車両の走行シミュレーションに用いるための車両諸元の情報等が設定される。
条件設定部20では、非線形応答関係により生成するモデル、そのモデルの境界条件、FEM等の数値シミュレーションする場合には、そのシミュレーション条件、シミュレーションにおける制約条件を設定する。
また、条件設定部20では、FEM、理論式以外に、入出力の関係が定義された計算式を設定してもよい。入出力の関係が定義された計算式としては、例えば、形状変化後の断面積を周方向へ展開し体積を算出すること、経験式に形状変化後の情報をパラメータとして用いて目的とする特性を算出することである。
これ以外に、条件設定部20に設計変数の定義域を設定する。設計変数の定義域は、離散的な水準値でも、定数であってもよい。なお、複数種の設計変数があるため、全ての設計変数に対して、それぞれに離散的な水準値を設定し、残りの設計変数については定義域を定数として、設計変数の組合せをコンピュータが変更しながら特性値を算出し、後述するパレート解の抽出を行ってもよい。
第1のタイヤモデルは基準形状となるものであり、例えば、タイヤ断面形状で表されるものである。第1のタイヤモデルに基づき、タイヤの軽量化を考慮したタイヤモデルが作成される。第1のタイヤモデルとしては、軽量化の対象となるタイヤであるが、特に限定されるものではなく、任意のタイヤ形状とすることができる。第1のタイヤモデルとしては、市販品のタイヤでも、設計中のタイヤでもよい。
第1のタイヤモデルは、例えば、入力部14を介して条件設定部20に入力され、メモリ28に記憶される。また、モデル設定部22では、メモリ28に第1のタイヤモデルとなるタイヤ断面形状のデータを予め記憶させておき、メモリ28からタイヤ断面形状のデータを呼び出し、第1のタイヤモデルを設定するようにしてもよい。
コンピュータで数値解析可能な要素の第1のタイヤモデルとは、例えば、FEM等の数値シミュレーションに利用されるメッシュデータ、CADデータ等の設計データである。
データ作成部24では、例えば、形状変化ベクトルと厚み変化ベクトルに対して、重み係数を掛けて線形和を求めることで、第2のタイヤモデルを作成する。なお、データ作成部24における第2のタイヤモデルの作成方法は、特に限定されるものではない。第2のタイヤモデルの作成方法については、後に詳細に説明する。
入出力の関係が定義された計算式の場合には、形状変化後の断面積を周方向へ展開し体積を算出する式、経験式に形状変化後の情報をパラメータとして用いて目的とする特性を算出する式が作成され、演算部26で上述の作成された式の演算がなされる。
なお、計算モデルは、少なくとも、この計算モデルを転動させる対象である路面モデルも併せて生成する。また、タイヤが装着されるリム、ホイール、およびタイヤ回転軸を再現するものを計算モデルとしてもよい。また、必要に応じて、タイヤが装着される車両を再現するモデルを計算モデルに組み込んでもよい。この際、第2のタイヤモデル、リムモデル(ホイールモデル)、およびタイヤ回転軸モデルを、予め設定された境界条件に基づいて一体化した計算モデルを作成することもできる。
また、解析に用いる計算モデルの形態は、特に限定されるものではなく、溝のないスムースタイヤでも主溝のみのものでもパターン付きであってもよい。
例えば、タイヤを複数の節点で構成される有限個の要素に分割して、計算モデルを作成する。
タイヤモデルを構成する要素は、例えば、2次元平面では四辺形要素、3次元体では四面体ソリッド要素、五面体ソリッド要素、六面体ソリッド要素等のソリッド要素、三角形シェル要素、四角形シェル要素等のシェル要素、面要素等のコンピュータで解析可能な要素とする。このようにして分割された要素は、解析の過程においては、3次元モデルでは3次元座標を用いて、2次元モデルでは2次元座標を用いて逐一特定される。
演算部26は、非線形応答関係を用いて、複数種の設計変数の値と特性値で構成される特性値空間での出力値(サンプリング点)を計算する。また、演算部26は、設計変数と出力値(サンプリング点)とを用い、出力値である特性値を目的関数として、近似モデル(メタモデル)を作成する。
上述の近似モデル(メタモデル)は、入出力の関係を近似する数学的モデルのことであり、パラメータを調整することにより、様々な入出力関係を近似できるものである。上述の近似モデルには、例えば、多項式モデル、クリギング、ニューラルネットワークおよび動径基底関数等を用いることができる。
ここで、パレート解は、トレードオフの関係にある複数の特性値(目的関数)において、他の任意の解よりも優位にあるとはいえないが、より優れた解が他に存在しない解をいう。一般にパレート解は集合として複数個存在する。パレート解の探索には、例えば、パレートランキング法を用いる。
判定条件は、例えば、タイヤ質量と、演算部26で得られた目的関数(特性値)の結果、例えば、タイヤ質量、縦剛性、転がり抵抗等の特性値の結果に対して設定された閾値である。例えば、タイヤを軽量化しつつ、縦剛性を維持することタイヤを得る場合には、タイヤ質量に対する縦剛性の程度が閾値として設定される。
判定部27では、判定条件を満たせば、第2のタイヤモデルは、軽量化と目的特性が実現できたと判定する。一方、判定部27では、判定条件を満たさない場合、第2のタイヤモデルは、軽量化と目的特性が実現できていないと判定する。
なお、演算部26および判定部27は、タイヤ形状最適化方法で必要な構成であり、タイヤモデル作成方法では不要である。このため、第2のタイヤモデルだけを作成する場合には、制御部32により演算部26および判定部27を動作させない。すなわち、タイヤモデル作成装置は、解析装置10において演算部26および判定部27がない構成とすることができる。
また、表示制御部30は、入力部14を介して入力される各種の情報、タイヤモデル、数値計算の結果、および最適解を表示部16に表示させることもできる。例えば、タイヤモデル、タイヤモデルの形状最適化計算の結果をメモリ28から読み出し、表示部16に表示させる。
解析装置10では、形状または構造を変化させる際の入力ファイルにおいて、境界条件および解析ステップ等の共通した部分と節点座標値、補強材の配置角度および初期張力などの個々の形状によって異なる部分を分割し、共通部分に取り込むようなファイル形式を用いて自動化すること、すなわち、個別の情報をインクルードファイル化することにより、多数のタイヤ形状について検討を行う場合であっても容易にタイヤ形状の検討が可能である。
図2は、本発明の実施形態のタイヤモデル作成方法を工程順に示すフローチャートである。図3(a)は本発明の実施形態のタイヤの基準形状を示す模式図であり、(b)は本発明の実施形態のタイヤの第1の形状変化を示す模式図であり、(c)は本発明の実施形態のタイヤの第2の形状変化を示す模式図であり、(d)は本発明の実施形態のタイヤの第3の形状変化を示す模式図である。
図4(a)は従来のタイヤの基準形状を示す模式図であり、(b)は従来のタイヤの第1の形状変化を示す模式図であり、(c)は従来のタイヤの第2の形状変化を示す模式図である。
図5は本発明の実施形態のタイヤモデル作成方法の第2のタイヤ断面モデルの取得方法を説明するための模式図である。
第1のタイヤモデルは、基準形状となるものであり、例えば、軽量化の対象となるタイヤが用いられる。
第1のタイヤモデルは、任意のタイヤ形状とすることができ、市販品のタイヤでも、設計中のタイヤでもよく、特に限定されるものではない。コンピュータで数値解析可能な要素の第1のタイヤモデルとは、例えば、FEM等の数値シミュレーションに利用されるメッシュデータ、CADデータ等の設計データである。
第1のタイヤモデルは、例えば、入力部14を介して条件設定部20に入力され、メモリ28に記憶される。また、メモリ28に第1のタイヤモデルとなるタイヤ断面形状のデータが予め記憶されていれば、メモリ28からタイヤ断面形状のデータを呼び出す。
厚さを変化させる厚さ変化ベクトルを、形状変化ベクトルと独立したパラメータとして扱うために、形状変化ベクトルは第1のタイヤモデル(基準形状)に対してタイヤ厚さ方向の変化を除いた形状を用いることが好ましい。加えて、各形状変化ベクトル間において同一値を与えることが好ましい。すなわち、形状変化ベクトルは、形状変化ベクトル毎にゲージ変化量(タイヤの厚さ)が変わらないように、第1のタイヤモデルのタイヤ厚さを変えることなく、形状だけを変えるものであることが好ましい。
各形状変化に対する変化量を統一するために、形状変化ベクトルは第1のタイヤモデル(基準形状)に対して予め正規化した変位量(形状変化ベクトルの大きさ)を用いることが望ましい。
形状変化ベクトルと、その大きさは、例えば、タイヤ断面方向の固有モードに基づいて決定することができる。タイヤ固有モードは、1次以上5次以下のタイヤ断面方向の固有モードを含むことが好ましい。
タイヤの厚さの変化は、厚さを増加させても、厚さを減少させてもよい。すなわち、タイヤ厚さを厚くすることも、薄くすることもタイヤの厚さの変化に含まれる。
また、変化させるタイヤの厚さは、特に限定されるものではなく、タイヤ全体であっても、トレッド部、サイド部等の部材毎であってもよく、またバットレス部、サイド上部、サイド下部等場所毎であってもよい。
図3(b)に示すタイヤモデル42は、設定された形状変化ベクトル43で変形された形状を示す。図3(c)に示すタイヤモデル44は、設定された形状変化ベクトル45で変形された形状を示す。図3(d)に示すタイヤモデル46は、設定された厚み変化ベクトル47で変形された形状を示す。
図3(a)に示す第1のタイヤモデル40、図3(b)に示すタイヤモデル42、図3(c)に示すタイヤモデル44、および図3(d)に示すタイヤモデル46は、いずれもタイヤ赤道線Cに対して対称形であるため半分だけ示す。
図4(b)に示すタイヤモデル102は、設定された形状変化ベクトル103で変形された形状を示す。図4(c)に示すタイヤモデル104は、設定された形状変化ベクトル105で変形された形状を示す。図4(a)に示すタイヤモデル100、図4(b)に示すタイヤモデル102、および図4(c)に示すタイヤモデル104は、いずれもタイヤ赤道線Cに対して対称形であるため半分だけ示す。
ステップS16における第1のタイヤモデルの変化は、例えば、図5に示す第1の形状変化のタイヤモデル42に重み係数として、重み1を掛ける。また、第2の形状変化のタイヤモデル44に重み係数として、重み2を掛ける。形状変化ベクトルの数の分、形状変化のタイヤモデルに重み係数を掛ける。更に、厚さ変化ベクトル47に応じた厚み変化のタイヤモデル46に重み係数として、重みαを掛ける。これらの線形和を求める。これにより、第2のタイヤモデルを取得することができる。
重み係数の値は、条件設定部20で設定される。重み係数の値は、例えば、公知の実験計画手法、具体的には、ラテンハイパーキューブまたは直交表といった計画行列を用いて設定することができる。
重み係数の値は、上述の計画行列に従って設定されても、定められた範囲の中で逐次変更されてもよく、重み係数の値が変更される度に、第2のタイヤモデルが作成される。いずれも設定された範囲内全体を満遍なくカバーするように重み係数の値を変更して第2のタイヤモデルを作成する。重み係数の値は、例えば、一定の大きさずつ大きく、または小さくなるように変更されるが、この他に重み係数の値はランダムに変更されてもよい。
図6(a)は本発明の実施形態のタイヤの基準形状を示す模式図であり、(b)は本発明の実施形態のタイヤの基準形状の厚さ方向の第1の変更例を示す模式図であり、(c)は本発明の実施形態のタイヤの基準形状の厚さ方向の第2の変更例を示す模式図であり、(d)は本発明の実施形態のタイヤの基準形状の厚さ方向の第3の変更例を示す模式図であり、(e)は本発明の実施形態のタイヤの基準形状の厚さ方向の第4の変更例を示す模式図であり、(f)は本発明の実施形態のタイヤの基準形状の厚さ方向の第5の変更例を示す模式図である。
なお、図6(a)〜(f)において、図3(a)と同一構成物には同一符号を付して、その詳細な説明は省略する。また、図6(b)〜(f)において同一構成物には同一符号を付して、その詳細な説明は省略する。
図6(a)に示す第1のタイヤモデル40のタイヤサイド部40aの厚さを例にして説明する。
図6(b)は、図6(a)のタイヤサイド部40aの拡大図である。図6(b)に示すようにタイヤサイド部40aは4層構造であり、内側から第1の層50、第2の層52、第3の層54および第4の層56が積層されている。第1の層50、第2の層52、第3の層54および第4の層56は、節点57により四辺形要素に分割されている。
第1の層50の内側が第1のタイヤモデル40のタイヤ内周線51であり、第4の層56の外側が第1のタイヤモデル40のタイヤ外周線58である。例えば、構造要素にて表現される層53がカーカスラインに相当し、第1の層50がインナーライナー層に相当する。
図6(d)に示すように、第2の層52の内側のカーカスラインに相当する層53の各節点57に対して、上述の層53の法線方向に、外側厚み変化ベクトル60と、内側厚み変化ベクトル62を設定してもよい。
図6(f)に示すように、第2の層52と第3の層54が共有する節点57aと、この節点57aに隣接する第1の層50と第2の層52が共有する節点57bと、隣接する第3の層54と第4の層56が共有する節点57cを結ぶ直線(図示せず)に沿って、上述の節点57aに対して外側厚み変化ベクトル60と、内側厚み変化ベクトル62を設定してもよい。
図6(e)では、四辺形要素毎に厚み変化ベクトル64の向きを変えてもよい。この場合、四辺形要素に対して等積変形させる制約を与えることにより、四辺形要素毎にタイヤの厚さを増加または減少させることができる。
厚さ変化ベクトルの大きさは、例えば、タイヤ内周長上またはタイヤ外周長上における節点のいずれか一方を固定し、その他の節点に正規化した変位を与えるように、その変化量を設計変数として容易に用いるようにできることが好ましい。
図7(a)は本発明の実施形態のタイヤの基準形状を示す模式図であり、(b)は本発明の実施形態のタイヤの基準形状の要部拡大図である。
図8(a)は本発明の実施形態のタイヤの基準形状を示す模式図であり、(b)は本発明の実施形態のタイヤの基準形状の要部拡大図であり、(c)は本発明の実施形態のタイヤの基準形状の厚さ方向の第6の変更例を示す模式図である。
なお、図7(a)、(b)および図8(a)において、図3(a)と同一構成物には同一符号を付して、その詳細な説明は省略する。また、図8(a)〜(c)において、図6(b)〜(f)と同一構成物には同一符号を付して、その詳細な説明は省略する。
なお、タイヤ断面形状内における全領域S1は、図8(a)では、第1のタイヤモデル40の半分だけとしたが、これに限定されるものではなく、第1のタイヤモデル40の全域をタイヤ断面形状内における全領域S1としてもよい。
これ以外にも、カーカス等の一部部材における厚さを変化させない手法として、図8(c)のように拘束する節点59を設けること、隣り合う節点間距離を不変とするように設定する方法がある。なお、拘束する節点59とは、拘束する節点41と同じである。
図9は本発明の実施形態のタイヤ形状最適化方法を工程順に示すフローチャートである。図9にタイヤ形状最適化方法において、図2に示すタイヤモデル作成方法と同じ工程について、その詳細な説明は省略する。
タイヤ形状最適化方法では、ステップS18の第2のタイヤモデルを取得する工程までは、上述のタイヤモデル作成方法と同じであるため、その詳細な説明は省略する。
タイヤ形状最適化方法では、第2のタイヤモデルに対して、形状最適化計算を実施する(ステップS20)。
なお、縦剛性、転がり抵抗等の特性値の閾値等の判定条件は予め設定されており、メモリ28に予め記憶されている。
ステップS22において、縦剛性、転がり抵抗等の特性値が判定条件を満たせば、第2のタイヤモデルは、タイヤの軽量化と目的特性が実現できたと判定する。これにより、タイヤの軽量化と、縦剛性、転がり抵抗等の目的特性が実現できたタイヤ断面形状が得られる。
その後、形状変化ベクトルの大きさおよび厚さ変化ベクトルの大きさをパラメータとして第1のタイヤモデルを変化させ(ステップS16)、再度、第2のタイヤモデルを取得し、更新された第2のタイヤモデルを得る(ステップS18)。そして、更新された第2のタイヤモデルに対して形状最適化計算を実施する(ステップS20)。
判定条件を満たすまで、上述のステップS12〜ステップS20を繰り返し実施する。なお、判定の結果、ステップS12に戻ったが、これに限定されるものではなく、例えば、ステップS12をスキップして、ステップS14に戻ってもよい。ステップS14をスキップして、ステップS12だけ実施するようにしてもよい。
本実施例では、以下に示す実施例1および比較例1、2を用いて本発明のタイヤの形状最適化方法の効果について確認した。
実施例1では、設計変数として、形状変化ベクトル、厚み変化ベクトルを5つ設定し、重み係数を用いて線形和によって、基準形状のタイヤモデルの形状を変化させて、第2のタイヤモデルを得て、この第2のタイヤモデルに対して形状最適化計算を行い、目的特性として、縦剛性および転がり抵抗を求めた。
図11(a)は比較例2のタイヤの基準形状を示す模式図であり、(b)は比較例2のタイヤの第1の形状変化を示す模式図であり、(c)は比較例2のタイヤの第2の形状変化を示す模式図である。
図10(a)に示す第1のタイヤモデル70、図10(b)に示すタイヤモデル72、図10(c)に示すタイヤモデル74および図10(d)に示すタイヤモデル76は、タイヤ赤道線Cに対して対称形であるため半分だけ示す。
図11(a)に示すタイヤモデル110に対して形状最適化計算を行い、目的特性として、縦剛性および転がり抵抗を求めた。
具体的には、図11(a)に示すタイヤモデル110を基準形状とした。タイヤモデル110が図11(b)に示すタイヤモデル112となる形状変化ベクトル113を設定した。また、タイヤモデル110が図11(c)に示すタイヤモデル114のように形状変化ベクトル115を設定した。2つの形状変化ベクトル113、115を示したが、これ以外に形状変化ベクトルを3つ設定した。
図11(a)に示すタイヤモデル110、図11(b)に示すタイヤモデル112、および図11(c)に示すタイヤモデル114は、タイヤ赤道線Cに対して対称形であるため半分だけ示す。
下記表1の縦剛性、転がり抵抗、およびタイヤ質量のそれぞれの数値は、比較例1を100とした指数で示したものである。縦剛性の値、転がり抵抗の値、およびタイヤ質量の値は、±3%以上で有意差があるとみなす。縦剛性は数値が大きい方が特性が良く、転がり抵抗およびタイヤ質量は数値が小さい方が特性が良い。
比較例2は、形状変化ベクトルだけを変えたものであるが、比較例1に対して縦剛性は維持しているが、軽量化を実現できず、転がり抵抗も小さくできなかった。
このように、本発明では、軽量化により悪化するタイヤ剛性の低下を抑制しつつ、低燃費性能を改善する形状を探索することができた。
12 処理部
14 入力部
16 表示部
20 条件設定部
22 モデル設定部
24 演算部
27 判定部
26 データ作成部
28 メモリ
30 表示制御部
32 制御部
40、70 第1のタイヤモデル
42、44、46、100、102、104、110,112、114 タイヤモデル
51 タイヤ内周線
53 カーカスライン
41、57、57a、57b、57c、59 節点
58 タイヤ外周線
60 厚み変化ベクトルベクトル(外側厚み変化ベクトル)
62 厚み変化ベクトルベクトル(内側厚み変化ベクトル)
72、74 タイヤモデル
C タイヤ赤道線
Claims (12)
- コンピュータを用いたタイヤモデル作成方法であって、
前記コンピュータが、
前記コンピュータで解析可能な要素で第1のタイヤモデルを設定する工程と、
前記第1のタイヤモデルに対して、形状を変化させる形状変化ベクトルと、前記形状変化ベクトルの大きさをそれぞれ少なくとも1つ設定する工程と、
前記第1のタイヤモデルに対して、前記第1のタイヤモデルの厚さを変化させる厚さ変化ベクトルと、前記厚さ変化ベクトルの大きさをそれぞれ少なくとも1つ設定する工程と、
前記形状変化ベクトルの大きさおよび前記厚さ変化ベクトルの大きさをパラメータとして前記第1のタイヤモデルを変化させ、コンピュータで解析可能な要素の第2のタイヤモデルを得る工程とを実行し、
前記厚さ変化ベクトルの方向は、タイヤ外周線、タイヤ内周線およびタイヤ部材境界線のいずれかにおける法線方向、または隣接節点間を結ぶ直線方向であることを特徴とするタイヤモデル作成方法。 - 前記第1のタイヤモデルにおいて、タイヤ断面形状内における全領域をS1とし、前記タイヤ断面形状内における前記全領域S1のうち形状を変化させる領域をS2、厚さを変化させる領域をS3とするとき、前記タイヤ断面形状内における前記全領域S1、前記形状を変化させる領域S2、前記厚さを変化させる領域S3は、S1>S2≧S3の関係にある請求項1に記載のタイヤモデル作成方法。
- コンピュータを用いたタイヤ形状最適化方法であって、
前記コンピュータが、
前記コンピュータで解析可能な要素で第1のタイヤモデルを設定する工程と、
前記第1のタイヤモデルに対して、形状を変化させる形状変化ベクトルと、前記形状変化ベクトルの大きさをそれぞれ少なくとも1つ設定する工程と、
前記第1のタイヤモデルに対して、前記第1のタイヤモデルの厚さを変化させる厚さ変化ベクトルと、前記厚さ変化ベクトルの大きさをそれぞれ少なくとも1つ設定する工程と、
前記形状変化ベクトルの大きさおよび前記厚さ変化ベクトルの大きさをパラメータとして前記第1のタイヤモデルを変化させ、コンピュータで解析可能な要素の第2のタイヤモデルを得る工程と、
前記形状変化ベクトルの大きさと前記厚さ変化ベクトルの大きさを設計変数とし、タイヤ物理量を目的関数として、前記第2のタイヤモデルに対して形状最適化計算を行う工程を実行し、
前記第1のタイヤモデルにおいて、タイヤ断面形状内における全領域をS 1 とし、前記タイヤ断面形状内における前記全領域S 1 のうち形状を変化させる領域をS 2 、厚さを変化させる領域をS 3 とするとき、前記タイヤ断面形状内における前記全領域S 1 、前記形状を変化させる領域S 2 、前記厚さを変化させる領域S 3 は、S 1 >S 2 ≧S 3 の関係にあり、
前記厚さ変化ベクトルの方向は、タイヤ外周線、タイヤ内周線およびタイヤ部材境界線のいずれかにおける法線方向、または隣接節点間を結ぶ直線方向であることを特徴とするタイヤ形状最適化方法。 - 前記コンピュータが、前記形状最適化計算の結果について、所定の判定条件に基づき判定する判定工程を実行し、
前記判定工程で、前記形状最適化計算の結果が所定の判定条件を満たさないと判定された場合、
前記形状変化ベクトルの大きさおよび前記厚さ変化ベクトルの大きさを変更する変更工程と、
変更された前記形状変化ベクトルの大きさおよび前記厚さ変化ベクトルの大きさをパラメータとして前記第1のタイヤモデルを変化させ、更新された第2のタイヤモデルを作成する作成工程と、
前記更新された第2のタイヤモデルに対して前記形状最適化計算を行う最適化計算工程とを実行し、
前記判定工程で、前記形状最適化計算の結果が所定の判定条件を満たすと判定されるまで、前記変更工程、前記作成程および前記最適化計算工程を繰り返し実行する請求項3に記載のタイヤ形状最適化方法。 - 前記形状最適化計算において、目的関数または制約条件は、タイヤの質量または前記質量に関する物理特性を含む請求項3または4に記載のタイヤ形状最適化方法。
- コンピュータで数値解析可能な要素で第1のタイヤモデルを設定するモデル設定部と、
前記第1のタイヤモデルの形状を変化させる形状変化ベクトルと、前記形状変化ベクトルの大きさを少なくとも1つ設定し、前記第1のタイヤモデルの厚さを変化させる厚さ変化ベクトルと、前記厚さ変化ベクトルの大きさをそれぞれ少なくとも1つ設定する条件設定部と、
前記形状変化ベクトルの大きさおよび前記厚さ変化ベクトルの大きさをパラメータとして前記第1のタイヤモデルを変化させ、コンピュータで解析可能な要素の第2のタイヤモデルを作成するデータ作成部とを有し、
前記厚さ変化ベクトルの方向は、タイヤ外周線、タイヤ内周線およびタイヤ部材境界線のいずれかにおける法線方向、または隣接節点間を結ぶ直線方向であることを特徴とするタイヤモデル作成装置。 - 前記第1のタイヤモデルにおいて、タイヤ断面形状内における全領域をS1とし、前記タイヤ断面形状内における前記全領域S1のうち形状を変化させる領域をS2、厚さを変化させる領域をS3とするとき、前記タイヤ断面形状内における前記全領域S1、前記形状を変化させる領域S2、前記厚さを変化させる領域S3は、S1>S2≧S3の関係にある請求項6に記載のタイヤモデル作成装置。
- コンピュータで数値解析可能な要素で第1のタイヤモデルを設定するモデル設定部と、
前記第1のタイヤモデルの形状を変化させる形状変化ベクトルと、前記形状変化ベクトルの大きさを少なくとも1つ設定し、前記第1のタイヤモデルの厚さを変化させる厚さ変化ベクトルと、前記厚さ変化ベクトルの大きさを少なくとも1つ設定し、前記形状変化ベクトルの大きさと前記厚さ変化ベクトルの大きさを設計変数とし、タイヤ物理量を目的関数として設定する条件設定部と、
前記形状変化ベクトルの大きさおよび前記厚さ変化ベクトルの大きさをパラメータとして前記第1のタイヤモデルを変化させ、コンピュータで解析可能な要素の第2のタイヤモデルを作成するデータ作成部と、
前記条件設定部で設定された前記設計変数、前記目的関数および前記制約条件に基づき、前記タイヤモデルについて形状最適化計算を行う演算部とを有し、
前記第1のタイヤモデルにおいて、タイヤ断面形状内における全領域をS 1 とし、前記タイヤ断面形状内における前記全領域S 1 のうち形状を変化させる領域をS 2 、厚さを変化させる領域をS 3 とするとき、前記タイヤ断面形状内における前記全領域S 1 、前記形状を変化させる領域S 2 、前記厚さを変化させる領域S 3 は、S 1 >S 2 ≧S 3 の関係にあり、
前記厚さ変化ベクトルの方向は、タイヤ外周線、タイヤ内周線およびタイヤ部材境界線のいずれかにおける法線方向、または隣接節点間を結ぶ直線方向であることを特徴とするタイヤ形状最適化装置。 - 前記形状最適化計算の結果について、所定の判定条件に基づき判定する判定部を有し、
前記判定部で、前記形状最適化計算の結果が所定の判定条件を満たさないと判定された場合、前記条件設定部に前記形状変化ベクトルの大きさおよび前記厚さ変化ベクトルの大きさを変更させ、
前記データ作成部に、変更された前記形状変化ベクトルの大きさおよび前記厚さ変化ベクトルの大きさをパラメータとして前記第1のタイヤモデルを変化させ、更新された第2のタイヤモデルを作成させ、
更に、前記条件設定部に、前記形状変化ベクトルの大きさと前記厚さ変化ベクトルの大きさを設計変数とし、タイヤ物理量を目的関数として設定させ、前記演算部に、更新された第2のタイヤモデルに対して前記形状最適化計算を行わせる制御部を有し、
前記判定部で、前記形状最適化計算の結果が所定の判定条件を満たすまで、前記制御部は、前記条件設定部、前記データ作成部、および前記演算部による処理を繰り返し行わせる請求項8に記載のタイヤ形状最適化装置。 - 前記形状最適化計算において、目的関数または制約条件は、タイヤの質量または前記質量に関する物理特性を含む請求項8または9に記載のタイヤ形状最適化装置。
- 請求項1または2に記載のタイヤモデル作成方法の各工程を手順としてコンピュータに実行させるためのプログラム。
- 請求項3〜5のいずれか1項に記載のタイヤ形状最適化方法の各工程を手順としてコンピュータに実行させるためのプログラム。
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