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JP6683604B2 - 高密度粗製細胞培養回収物の清澄化のための方法 - Google Patents
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JP6683604B2 - 高密度粗製細胞培養回収物の清澄化のための方法 - Google Patents

高密度粗製細胞培養回収物の清澄化のための方法 Download PDF

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Description

本発明は、細胞培養精製の分野に関する。より詳細には、本発明は、高細胞密度を有する粗製細胞培養回収物の清澄化のための改善された方法に関する。
生物製剤、ワクチン、および抗体などの生物学的物質の産生の分野における最近の発展により、大規模製造の必要性が生じた。頑健で高収率のプロセスは、あらゆる種類の疾患を根絶するための十分な量の生物学的物質により世界を支援するために必要とされる。
その理由のために、多大な努力が、生物学的物質の産生のための細胞ベースのプロセスの最適化に注がれている。前記プロセスでは、細胞は、容量当たりより高い産物収率を得るために、密度を増加させて培養される。そのような高細胞密度プロセスは、たとえば国際公開第2004099396号パンフレット、国際公開第2005095578号パンフレット、または国際公開第2008006494号パンフレットにおいて開示される。その内容は、参照によって本明細書において組み込まれる。
国際公開第2008006494号パンフレットは、細胞培養物が分離系を循環する、バイオリアクターにおいて生物学的物質を産生する細胞の培養のためのプロセスを開示する。前記分離系は、生物学的物質よりも低い分子量を有する物質から細胞および生物学的物質を分離する。細胞および生物学的物質は、リアクター中で一緒に保持され、互いに分離されない。
国際公開第2005095578号パンフレットは、細胞培養物がフィルターモジュールを循環し、細胞培養物よりも低い細胞密度を有し、生物学的物質を含む液体の流出物がもたらされる、バイオリアクターにおいて生物学的物質を産生する細胞の培養のためのプロセスを開示する。流出物における細胞および生物学的物質の濃度は、灌流速度が23日間の期間にわたる1〜13,7L/日の範囲にわたるので、バイオリアクターよりも実質的に低い(すなわち、処理される容量は、バイオリアクターの容量よりも20倍高い)。
前記最適化された細胞培養プロセスは、細胞当たりの高い生産性の保持と共に、高細胞密度(たとえば10×10細胞/mlよりも高い)で細胞を培養する能力に依存する。これとともに、彼らは、単一のバイオリアクターにおいて高濃度のタンパク質(たとえば抗体)を有する回収溶液を得る方法を提示する。
細胞が高密度で培養されるプロセスは、多量の細胞片および他の不純物が蓄積する傾向がある。細胞と一緒にあるこれらの混入物は、精製プロセスからさらに進んだところで廃棄しなければならず、これは、厄介な作業となる。第1のステップとして、細胞および細胞片などの固形物質は、細胞ブロス液から分離され、このステップは、清澄化と呼ばれる。現在までに使用されている清澄化方法の例は、遠心分離法、濾過(精密濾過、深層濾過、および絶対的なポアサイズ膜を通しての濾過など)、ならびに拡張床クロマトグラフィー(expanded bed chromatography)を含む。
抗体などの生物学的物質を精製する多くの方法は、たとえばvan Reis et al.(Biotechnology and bioengineering,1991,Vol.38,p.413−422)において、以前に記載された。前記参考文献は、発酵槽から細胞培養物液を収集し、タンジェンシャルフロー濾過によって細胞タンパク質分離を実行するステップを含むプロセスを記載する。しかしながら、前記方法は、約0.5〜4×10細胞/mLを含む低密度細胞培養物で実行されたにすぎない。そのようなプロセスを高細胞密度を含有する培養物に適用することができることは、これまで開示も、予想もされなかった。それと反対に、前記プロセスを高細胞密度を含有する培養物に適用することができないという、先行技術から強い示唆を推論することができた。たとえば、ウイルス産生の分野に関する国際公開第2011/045381号パンフレットにおいて、高細胞密度を有する細胞培養物を直接清澄化する試みがなされた(国際公開第2011/045381号パンフレットの実施例1を参照されたい)。前記試みの間、フィルターの急な目詰まりにより適切な清澄化を実現することができなかった。明らかに、処理された高細胞密度のブロスが、精製ステップを妨げ、タンジェンシャルフロー濾過(TFF)を直接的な清澄化に適さないものにした。細胞ブロスをさらに処理することができたのは(清澄化によって)、Triton(細胞を溶解するための)、その後臭化ドミフェン(DB)による高細胞密度ブロスの処置の後のみであった。粗製細胞培養物は、回収後、TFFによって直接処理されなかった。
これらの結果に基づけば、当業者は、回収物が急速に妨害してしまうことを予想して、清澄化フィルターで高細胞密度回収物を直接(前処置なしで)処置することをあきらめたであろう。
現在使用されており、高細胞密度培養物の処置についての技術的現状と見なされる方法は、たとえば国際公開第2010/043700号パンフレットにおいてまたはSchirmer et al.(Bioprocess International,January 2010,p.32−39)において記載される。後者の参考文献は、回収物が最初に希釈され、続いてSi−PEIビーズと混合され、その後ビーズが沈み、上清が深層濾過によって除去され、濾過されるプロセスに関する。
この方法の欠点は、回収物が、回収物中の細胞濃度に依存して、3〜5倍に最初に希釈されるということであり、これは、さらに、抗体力価が3〜5倍希釈されることを暗示する。第2に、プロセスの間に大量に使用されるクロマトグラフィー樹脂は、非常に高価で、再利用することができない。最後に、この技術での発明者ら自身の経験から、発明者らは、収集率が変わりやすいことがわかった。
細胞培養プロセスの規模が大きくなりつつあり、細胞の密度を増加させて培養されているので、好ましくは、他に記載される方法と比較して、低コストで、高い信頼性の、単純さが増した、高細胞密度懸濁液の処置を可能にする、下流の精製プロセスの必要性が産業界においてある。これは、組換えタンパク質および抗体の産生の分野に特に適用される。
発明者らは、高細胞密度の細胞および分泌タンパク質を含有する粗製細胞培養回収物を、事前の希釈を伴うことなく、TFFデバイスで処理することができることを本明細書において発見した。前記粗製細胞培養回収物は、非常に濃縮されており、高負荷量の細胞片を含有するが、回収物の清澄化に成功し、フィルターの遮断に至る圧力上昇は、観察されなかった。
そのうえ、本発明によるプロセスは、これまで使用されたプロセスよりも速く、安い。高価なクロマトグラフィー樹脂および長時間の設定ステップは、もはや必要とされず、プロセスは、拡大が容易である。
そのため、本発明は、細胞および分泌された所望のタンパク質を含む粗製細胞培養回収物の清澄化のための方法であって、細胞が、少なくとも15×10細胞/mlの回収時の細胞密度であり、前記細胞の少なくとも20%が、生存可能であり、
a.所望の分泌タンパク質を含む粗製細胞培養回収物を得るために、少なくとも15×10細胞/mlの細胞密度までバイオリアクターにおいて細胞を培養するステップ、
b.続いて、タンジェンシャルフロー濾過(TFF)によって、ステップa)において得られた実質的に全部の粗製細胞培養回収物を処理するステップであって、前記粗製細胞培養回収物の処理容量が、粗製細胞培養回収物が産生されたバイオリアクターの容量の2倍未満であり、所望のタンパク質が、粗製細胞ブロスから分離されるステップ、および
c.濾液中の所望のタンパク質を収集するステップを含む方法に関する。
好ましい実施形態では、ステップb)における細胞ブロスが、ステップa)において得られた細胞ブロスの事前の希釈を伴うことなく、TFFにかけられる。
いくつかの好ましい実施形態では、前記細胞が、少なくとも50×10細胞/mlの回収時の細胞密度である。他の好ましい実施形態では、前記細胞が、少なくとも50×10細胞/ml〜200×10細胞/mlの範囲にわたる回収時の細胞密度である。
他の好ましい実施形態では、所望のタンパク質が、モノクローナル抗体である。別の好ましい実施形態では、ステップbにおいて収集された所望のタンパク質が、さらに精製される。
他の好ましい実施形態では、TFFが、中空糸フィルターにより実行される。前記中空糸フィルターは、好ましくは、750KDa〜0.65μmの範囲にわたるポアサイズを構成する。
他の好ましい実施形態では、TFFデバイスにおける中空糸フィルターが、0.25mm〜1mmの範囲にわたる内腔直径を構成する。
図1は、実験装置を示す図である。
本発明は、高細胞密度を含む細胞および分泌タンパク質を含有する細胞ブロスの清澄化のための方法に関する。本発明との関連において、「粗製細胞培養回収物」、「回収物」、または「細胞ブロス」は、インタクトな細胞が接種された、下記に定義される培養培地および分泌タンパク質をさらに含有してもよい細胞培養物を意味する。好ましくは、細胞は、タンパク質分泌細胞である。
「清澄化」は、細胞ブロス液からの細胞および細胞片などの固形物質の分離を意味する。本発明によれば、分泌タンパク質は、細胞外に存在し、したがって、細胞ブロス液中に存在するであろう。本発明では、「清澄化」は、細胞含有粗製細胞培養回収物からの分泌タンパク質の分離を意味する。
本発明のプロセスでは、特に細胞密度が非常に高い場合、バイオリアクター由来の出発物質は、好ましい細胞密度まで任意選択で希釈される。しかしながら、本発明による前記粗製細胞培養回収物の処理容量は、粗製細胞培養回収物が産生されたバイオリアクターの容量の2倍を超えない。本発明の目的のために、そのように希釈された物質は、粗製細胞培養回収物または細胞ブロスという用語によってなお包含される。好ましくは、粗製細胞培養回収物または細胞ブロスは、粗製細胞培養回収物の事前の希釈を伴うことなくTFFにかけられる。
さらに、本発明によれば、それは、TFFによって続いて処理されるステップa)において得られた実質的に全部の粗製細胞培養回収物または細胞ブロスである。「実質的に全部の粗製細胞培養回収物」は、粗製細胞培養回収物全体の少なくとも70%を意味し、好ましくは、それは、粗製細胞培養回収物全体の少なくとも80%、より好ましくは、粗製細胞培養回収物全体の少なくとも90%、さらにより好ましくは、粗製細胞培養回収物全体の少なくとも95%を意味する。
「分泌タンパク質」により、細胞によるタンパク質の産生に際して、培養培地の中に主に放出される(能動的にまたは受動的に)タンパク質をここで意味する。「所望の」により、タンパク質が、細胞を利用して意図的に産生されていることをここで意味する。
本出願において使用される「約」は、特に指定のない限り、±10%を意味する。
本発明の方法によって清澄化される粗製細胞培養回収物または細胞ブロスは、少なくとも15×10細胞/mlの哺乳動物細胞の細胞密度に達成するのに適した任意の細胞培養方法によって得られてもよい。この点で適した方法は、たとえば国際公開第2005095578号パンフレット、国際公開第2004099396号パンフレット、および国際公開第2008006494号パンフレットにおいて記載される。その内容は、参照によって本明細書において組み込まれる。本発明によれば、高細胞密度懸濁液は、高細胞密度まで哺乳動物細胞を培養することによって得られる。そのような培養は、(制限されないが)回分、流加、または灌流モードで実行されてもよい。
本発明の好ましい実施形態では、前記粗製細胞培養回収物中の細胞密度が、少なくとも約15×10細胞/mL、たとえば少なくとも約20×10細胞/mL、たとえば少なくとも約25×10細胞/mL、たとえば少なくとも約30×10細胞/mL、たとえば少なくとも約40×10細胞/mL、たとえば少なくとも約50×10細胞/mLである。
本発明の別の好ましい実施形態では、前記粗製細胞培養回収物中の細胞密度が、たとえば約150×10細胞/mLまで、たとえば約200×10細胞/mLまで、たとえば約250×10細胞/mLまで、たとえば約300×10細胞/mLまでである。
本発明によれば、清澄化された細胞ブロスは、10×10〜300×10細胞/mL、たとえば約15×10〜250×10細胞/mL、たとえば約30×10〜200×10細胞/mL、たとえば約50×10〜150×10細胞/mL、たとえば約70×10〜130×10細胞/mL、たとえば約90×10〜110×10細胞/mLの範囲にわたる細胞密度を含む。
細胞密度は、トリパンブルー色素排除方法を使用するVi−CELL(商標)などのセルカウンターを使用して、測定することができる。他の適した方法は、血球計算、赤血球沈殿容積決定、または電気的検知帯法(Electrical Sensing Zone Method)を使用するコールターカウンターを含む。
さらに、本発明では、清澄化前の細胞培養物の生存率が、20%よりも高い状態にある。これは、培養物における細胞の総量の少なくとも20%が、清澄化プロセスの開始時に生存可能であることを意味する。ある実施形態では、清澄化プロセスの開始時の細胞培養物の生存率は、少なくとも40%である、さらなる実施形態では少なくとも60%、さらなる実施形態では少なくとも80%、さらなる実施形態では少なくとも90%である。生存率は、当業者に利用可能なルーチン的な方法、たとえばトリパンブルー色素排除、Casyセルカウント、およびその他同種のものを使用して測定することができる。
「培養培地」により、細胞の成長および産生を支援する栄養素および他の構成要素を含有するが、老廃物および/または宿主細胞タンパク質(HCP)および/または溶解細胞由来の物質をも含有してもよい、細胞の細胞外環境をここで意味する。培養培地の組成は、細胞の培養の過程の間に、やがては変動し得、清澄化の段階で、1つ以上のもとの構成要素が枯渇してもよい。
一旦、タンパク質が、細胞培養物中に分泌されたら、前記タンパク質は、本発明に従って、高細胞密度懸濁液または粗製細胞培養回収物から精製することができる。所望のタンパク質のそのような精製の第1のステップは、粗製細胞培養回収物の清澄化である。
清澄化
前の培養ステップから得られた粗製細胞培養回収物は、沈殿した不純物および細胞片を除去するために続いて清澄化される。本発明によれば、前記清澄化は、TFFデバイスにより実行される。前記TFFデバイスは、好ましくは、中空ファイバーを含む(図1を参照されたい)。その代わりに、TFFデバイスは、カセットフィルターを含む。清澄化の間に、分泌タンパク質は、タンジェンシャルフロー濾過デバイスにより粗製細胞培養回収物から分離される。分泌タンパク質は、典型的に、濾過デバイスを通ってタンジェンシャル方向に濾過され、濾液中に収集される。タンジェンシャルフロー濾過は、本発明の清澄化の頑健な方法である。
一般に、すべてのタイプの中空ファイバーフィルターを、本出願に使用することができる。好ましい実施形態では、中空ファイバーが、一般に使用される、WaterSepのDiscover、Explorer、Investigator、およびBioProducerフィルターである。本発明の方法に同様に適切な他のフィルターは、Spectrum LabsのMidiKros、MiniKros、KrosFlo、およびCellFloフィルターである。GE Healthcareもまた、PS(ポリスルフホン)で非常に広範囲の中空ファイバーフィルターを作製している。中空糸フィルターの好ましい物質は、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリスルフホン(PS)、修飾ポリエーテルスルホン(m−PES)、混合セルロースエステル(ME)、またはセラミックフィルターである。
本発明によれば、フィルターは、異なるポアサイズを有することができる。本発明によれば、中空ファイバーは、250kDa〜5μm、たとえば約400kDa〜4μm、たとえば約500kDa〜2.5μm、たとえば約600kDa〜1μmの範囲にわたるポアサイズを構成する。好ましい実施形態では、ポアサイズが、750kDa〜0.65μmの範囲にわたる。
別の好ましい実施形態では、中空糸フィルターが、0.1〜6.0mm、たとえば0.2〜5mm、たとえば0.2〜3mm、たとえば0.2〜2mmの範囲にわたる内腔直径を構成する。好ましい実施形態では、内腔直径が、0.25〜1mmの範囲にわたる。さらにより好ましい実施形態では、内腔直径が、約0.5mmである。
本発明の清澄化方法は、少なくとも70%、おそらく少なくとも80%、またはさらに好ましくは少なくとも90%の、細胞ブロス由来の細胞全体および細胞片を、所望のタンパク質を含有する懸濁液から除去する。
タンジェンシャルフロー濾過による粗製細胞培養回収物の清澄化の後に、所望のタンパク質が、収集される。「収集」により、細胞および細胞片が本質的にない所望の産物を得ることをここで意味する。本発明によれば、所望のタンパク質は、TFFデバイスの濾液中に収集される。細胞片および他の不純物は、保持液中に残る。
さらなる精製の方法
上記に記載されるステップから得られた所望のタンパク質を含む懸濁液をさらに精製するために、当業者は、いくつかの精製ステップを知っており、その中から選ぶことができる。それらは、たとえば濾過(深層濾過、精密濾過、限外濾過、ダイアフィルトレーションなど)、クロマトグラフィー(サイズ排除クロマトグラフィー、アフィニティークロマトグラフィー、陰イオン交換クロマトグラフィー、陽イオン交換クロマトグラフィー、疎水性相互作用クロマトグラフィー、固定金属アフィニティークロマトグラフィー(immobilized metal affinity chromatography)など)、水性二相抽出、沈殿、または遠心分離法を含む。Shulka et al.,2007およびKelly et al.,2009は、特に抗体精製のための、当技術分野において一般に使用されるさらなる精製ステップの概要を提供する。
所望のタンパク質としての免疫グロブリンの場合には、アフィニティークロマトグラフィー、特に、プロテインAクロマトグラフィーおよび陽イオン交換クロマトグラフィーは、とりわけ適した分離法である。
本発明によるある実施形態では、所望のタンパク質を含有する清澄化懸濁液が、限外濾過によって処置することができる。限外濾過は、所望のタンパク質を含有する懸濁液を濃縮するために使用される。懸濁液は、5〜20倍に濃縮することができる。
本発明の別の実施形態では、バッファー交換が、ダイアフィルトレーションを介して実行される。限外濾過膜を使用するダイアフィルトレーション、すなわちバッファー交換は、塩、糖、およびその他同種のものの除去および交換のための方法である。当業者は、どの条件下でバッファー交換が行われるべきか、どのバッファーがこのステップに適切であるかを知っている。
本発明の別の実施形態では、以下のステップが、陰イオン交換クロマトグラフィーステップとすることができる。前記ステップの間に、タンパク質は、正に荷電している物質、たとえば膜、カートリッジ、またはカラムに結合する。続く溶出により、不純物および残っている宿主細胞DNAからタンパク質を分離することが可能になる。別の実施形態では、陰イオン交換クロマトグラフィーステップが、フロースルー系として使用することができる。
ある実施形態では、少なくとも1つの陰イオン交換クロマトグラフィーステップを使用することが好ましい。陰イオン交換クロマトグラフィーステップの後、タンパク質は、十分に純粋であってもよい。ある実施形態では、しかしながら、サイズ排除クロマトグラフィーステップが、プロセスの頑健さを増加させるためにさらに実行される。このステップは、陰イオン交換クロマトグラフィーステップ前にまたはその後にあってもよい。
本発明の任意の特定の実施形態では、陰イオン交換産物が、製剤バッファーの中にダイアフィルトレーションされ、滅菌濾過することができる。その代わりに、さらなるクロマトグラフィーステップ(たとえば陽イオン交換)は、ダイアフィルトレーションの前にまたはその後に追加されてもよく、不純物および/またはウイルス/プリオン排除の頑健さを改善する可能性がある。
滅菌濾過ステップは、プロセス中に含まれてもよく、それはバイオバーデン(bioburden)の排除において役立つ。産物は、0.22ミクロンの改良ポリフッ化ビニリデン(PVDF)膜(Millipore Millipak)によって濾過することができる。
細胞培養系および下流処理系の規模
本発明のプロセスは、拡張可能である。本発明において使用される細胞培養物は、小規模培養物(たとえば1〜10リットルでの実行)から中規模培養物(たとえば10〜1000Lでの実行)、1000〜10000L産生量での実行などの大きな商業規模での調製物までの範囲にわたる。タンジェンシャルフロー濾過ステップ規模は、培養容量に比例するが、陰イオン交換クロマトグラフィー規模などの任意選択の続くステップは、所望のタンパク質の投入量に比例する。そのため、後者のステップのサイズは、バイオリアクター生産性推定値に基づくであろう。
高濃度のタンパク質を含有してもよい高密度粗製細胞培養回収物からのタンパク質の精製は、本発明により可能になる。多量の細胞片および宿主細胞DNAを含有するこれらの細胞懸濁液を処理する実現性により、懸濁液の容量当たりの、抗体などの多量のタンパク質の精製を可能にする。本発明の長所は、高濃度の所望のタンパク質を含有する、高細胞密度を有する細胞培養バッチを処理し、処理容量当たり非常に高い収率をそれと共に可能にするための方法を提供することである。本発明の方法は、大規模細胞培養に適用可能であるが、細胞を小規模であるが高細胞密度まで培養するのを可能にし、効率的にさらに処理することができる高産物収率になお達するであろう。この方法は、生物製剤精製産業界全体に大きな影響を及ぼすであろう、所望のタンパク質の高濃縮バッチを処理する可能性を与える。
細胞
本発明による細胞は、任意のタイプの細胞、好ましくは、CHO(チャイニーズハムスター卵巣)細胞、ハイブリドーマ、BHK(ベビーハムスター腎臓)細胞、骨髄腫細胞、ヒト細胞、たとえばHEK−293細胞、ヒトリンパ芽球様細胞、PER.C6細胞、マウス細胞、たとえばNSO細胞、MDCK細胞、Vero細胞、羊膜細胞、アヒル細胞株などの哺乳動物細胞とすることができる。好ましい実施形態では、本発明のプロセスにおける細胞が、タンパク質分泌細胞である。
別の好ましい実施形態では、本発明のプロセスにおける細胞が、PER.C6細胞またはその誘導体である(ここで、内容が参照によって組み込まれる米国特許第5,994,128号明細書および米国特許第7,291,484号明細書を参照されたい)。PER.C6細胞は、ECACC No.96022940の下で委託される細胞によって例証される。
分泌タンパク質
本発明による細胞によって産生されてもよい分泌タンパク質(たとえば、それをコードする組換え遺伝子を発現することによって)は、たとえば組換えタンパク質、特に受容体、酵素、融合タンパク質、血液凝固カスケード由来のタンパク質などの血液タンパク質、たとえばエリトロポイエチンなどの多機能タンパク質、たとえばワクチンで使用されるウイルスまたは細菌タンパク質;たとえばIgG、IgM、およびその他同種のものなどの免疫グロブリンである。本発明による分泌タンパク質は、より好ましくは、免疫グロブリンまたはその一部分であり、細胞によって産生される。好ましい実施形態では、分泌される所望のタンパク質が、モノクローナル抗体である。好ましくは、細胞によって産生されるタンパク質は、医薬調製物における活性成分として使用することができる。
本発明は、以下の実施例においてさらに説明される。実施例は、本発明を決して限定するものではない。それらは、単に、本発明を明らかにするのに役立つにすぎない。
実施例1:
CR6261抗体を発現するPER.C6細胞は、国際公開第2008006494号パンフレットにおいて開示される方法に従って、無血清培養培地中、37℃で、バイオリアクター中およそ75×10総細胞/mlの細胞密度まで培養した。回収時の細胞生存率は、約68%であった。
2Lの粗製細胞培養回収物を、入口圧力が急激に上昇し始めるまで、4000s−1の剪断速度で中空ファイバーを通してタンジェンシャルフロー濾過によって濾過した(保持液中およそ300×10細胞/mlに相当する)。TFFデバイスにおいて使用したフィルターは、0.5mmの内腔直径および1050cmの表面積を有するSpectrum Laboratoriesの0.5μmポアサイズ中空糸フィルターとした(cat#M1−M05E−360−F1N)。
以下のステップで、ダイアフィルトレーションを開始した。保持液を、3ダイアフィルトレーション容量の1×PBSにより洗浄し、次いで、濾過が、高い入口圧力によりもはや可能でなくなるまで、さらに濃縮した。
保持液中の最終細胞濃度は、およそ570×10総細胞/mlであった。最終透過容量(final permeate volume)は、3064gであり、希釈係数は、1.6であり、81%の産物収集率が、実現された。これは、驚いたことに、本発明の方法が、高密度の抗体産生細胞を含む細胞培養回収物の直接的な清澄化に適切であることを示す。
実施例2:
CR57抗体を発現するPER.C6細胞は、国際公開第2008006494号パンフレットにおいて開示される方法に従って、無血清培養培地中、37℃で、バイオリアクター中およそ82×10総細胞/mlの細胞密度まで培養した。回収時の細胞生存率は、約58%であった。
1Lの粗製細胞培養回収物を、入口圧力が急激に上昇し始めるまで、4000s−1の剪断速度で中空ファイバーを通してタンジェンシャルフロー濾過によって濾過した(保持液中およそ270×10細胞/mlに相当する)。TFFデバイスにおいて使用したフィルターは、0.5mmの内腔直径および1050cmの表面積を有するSpectrum Laboratoriesの0.5μmポアサイズ中空糸フィルターとした(cat#M1−M05E−360−F1N)。
以下のステップで、ダイアフィルトレーションを開始した。保持液を、3ダイアフィルトレーション容量の1×PBSにより洗浄し、次いで、濾過が高い入口圧力によりもはや可能でなくなるまで、さらに濃縮した。
保持液中の最終細胞濃度は、およそ540×10総細胞/mlであった。最終透過容量は、1755gであり、したがって、希釈係数は、1.7であり、87%の産物収集率が、実現された。これにより、本発明の方法が、高密度の抗体産生細胞を含む細胞培養回収物の直接的な清澄化に適切であることが確認される。
実施例3:
CR8020抗体を発現するPER.C6細胞は、国際公開第2008006494号パンフレットにおいて開示される方法に従って、無血清培養培地中、37℃で、バイオリアクター中およそ194×10総細胞/mlの細胞密度まで培養した。回収時の細胞生存率は、約85%であった。
1Lの粗製細胞培養回収物を、入口圧力が急激に上昇し始めるまで、4000s−1の剪断速度で中空ファイバーを通してタンジェンシャルフロー濾過によって濾過した(保持液中およそ300×10細胞/mlに相当する)。TFFデバイスにおいて使用したフィルターは、0.5mmの内腔直径および1050cmの表面積を有するSpectrum Laboratoriesの0.5μmポアサイズ中空糸フィルターとした(cat#M1−M05E−360−F1N)。
以下のステップで、ダイアフィルトレーションを開始した。保持液を、3ダイアフィルトレーション容量の1×PBSにより洗浄し、次いで、濾過が高い入口圧力によりもはや可能でなくなるまで、さらに濃縮した。
保持液中の最終細胞濃度は、およそ610×10総細胞/mlであった。最終透過容量は、1780gであり、したがって、希釈係数は、1.8であり、97%の産物収集率が、実現された。これは、驚いたことに、200×10総細胞/mlあたりの高細胞密度でさえ、本発明の方法が、抗体産生細胞を含む細胞培養回収物の直接的な清澄化に適切であることを示す。
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以下に、本願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。

[1] 細胞および分泌された所望のタンパク質を含む粗製細胞培養回収物の清澄化のための方法であって、前記細胞が、少なくとも15×10 細胞/mlの回収時の細胞密度であり、前記細胞の少なくとも20%が、生存可能であり、
a.所望の分泌タンパク質を含む粗製細胞培養回収物を得るために、少なくとも15×10 細胞/mlの細胞密度までバイオリアクターにおいて細胞を培養するステップ、
b.続いて、タンジェンシャルフロー濾過(TFF)によって、ステップa)において得られた実質的に全部の粗製細胞培養回収物を処理するステップであって、前記粗製細胞培養回収物の処理容量が、前記粗製細胞培養回収物が産生された前記バイオリアクターの容量の2倍未満であり、前記所望のタンパク質が、粗製細胞ブロスから分離されるステップ、および
c.濾液中の前記所望のタンパク質を収集するステップを含む方法。
[2] 前記細胞が、少なくとも50×10 細胞/mlの回収時の細胞密度である、請求項1に記載の方法。
[3] 前記細胞が、少なくとも50×10 細胞/ml〜200×10 細胞/mlの範囲にわたる回収時の細胞密度である、[1]に記載の方法。
[4] 前記所望のタンパク質が、モノクローナル抗体である、[1]または[3]のいずれかに記載の方法。
[5] ステップbにおいて収集された前記所望のタンパク質が、さらに精製される、[1]〜[3]のいずれかに記載の方法。
[6] 前記TFFが、中空糸フィルターにより実行される、、[1]〜、[4]のいずれか一項に記載の方法。

Claims (3)

  1. 細胞および分泌された所望のタンパク質を含む粗製細胞培養回収物の清澄化のための方法であって、
    a.所望の分泌タンパク質を含む粗製細胞培養回収物を得るために、少なくとも50×10細胞/mlの細胞密度までバイオリアクターにおいて細胞を培養するステップであって、前記細胞の少なくとも20%が、生存可能であるステップ、
    b.続いて、タンジェンシャルフロー濾過(TFF)によって、ステップa)において得られた実質的に全部の粗製細胞培養回収物を処理するステップであって、前記粗製細胞培養回収物の処理容量が、前記粗製細胞培養回収物が産生された前記バイオリアクターの容量の2倍未満であり、前記所望のタンパク質が、粗製細胞ブロスから分離され、TFFは250kDa〜5μmの範囲のポアサイズを有する中空糸フィルターにより実行されるステップ、および
    c.濾液中の前記所望のタンパク質を収集するステップを含み、
    前記所望のタンパク質が、モノクローナル抗体である、方法。
  2. 前記細胞が、少なくとも50×10細胞/ml〜200×10細胞/mlの範囲にわたる回収時の細胞密度である、請求項1に記載の方法。
  3. ステップbにおいて収集された前記所望のタンパク質が、さらに精製される、請求項1または2に記載の方法。
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