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JP6686586B2 - 粒子成分分析装置 - Google Patents
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Description

本発明は、粒子成分分析装置に関する。
従来、気体中の粒子を減圧チャンバ内に導入して粒子線を生成して、生成された粒子線を、加熱されたモリブデン表面に衝突させて気化することによって、気化物をイオン化して質量分析する装置が知られている(非特許文献1)。また、定量的な粒子の成分分析を実現するために、捕捉体を用いて粒子を予め定められた領域に捕捉する粒子成分分析装置が知られている(特許文献1)。この粒子成分分析装置は、捕捉された粒子にエネルギー線を照射することによって粒子の脱離成分を生じさせて、脱離成分を分析する(特許文献1)。
[先行技術文献]
[非特許文献]
[非特許文献1] 1.ALLAN J D et al.,Quantitative sampling using an Aerodyne aerosolmass spectrometer 1. Techniques of data interpretation and error analysis.,JGeophys Res,2003年 2月16日,Vol.108 No.D3 ,AAC1.1-AAC1.10
[特許文献]
[特許文献1] 国際公開第2011/114587号
しかし、捕捉体を用いて粒子を捕捉する粒子成分分析装置において、エネルギー線を照射させて微粒子を脱離させる構成では、エネルギー線の照射光源および光学部品などの高価な部品が必要となっていた。
本発明の態様においては、粒子成分分析装置を提供する。粒子成分分析装置は、捕捉体と、ヒータと、分析器とを備えてよい。捕捉体は、測定対象となるエアロゾル中の粒子を捕捉してよい。ヒータは、捕捉体に配置されてよい。ヒータは、捕捉体を加熱して捕捉体に捕捉された粒子を脱離させて脱離成分を生じさせてよい。分析器は、脱離成分に基づいて粒子の成分および量の少なくとも一方を分析してよい。
捕捉体は、メッシュ構造体を含んでよい。メッシュ構造体は、粒子を捕捉するメッシュ部が形成されてよい。ヒータは、メッシュ構造体に設けられてよい。
捕捉体は、積層構造を有してよい。積層構造は、複数のメッシュ構造体が積層されてよい。ヒータは、複数のメッシュ構造体のうち、少なくとも2つのメッシュ構造体に設けられてよい。
複数のメッシュ構造体は、互いにメッシュ部の空隙率が異なる少なくとも2つのメッシュ構造体を含んでよい。
一のメッシュ構造体に配置されるヒータと他のメッシュ構造体に配置されるヒータとは、互いに交差する方向に延伸されてよい。
メッシュ構造体の面内方向において、ヒータが設けられる領域とメッシュ部が形成される領域とが交互に配置されてよい。
ヒータは、メッシュ部に形成されてよい。
メッシュ部は、熱絶縁支持層を有してよい。ヒータは、熱絶縁支持層に形成されてよい。
メッシュ構造体は、支持枠部を有してよい。支持枠部は、メッシュ部の周囲に位置してよい。支持枠部は、メッシュ部を支持してよい。ヒータは、支持枠部の領域に形成されてよい。
ヒータは、メッシュ構造体の温度が300°C以上500°C以下となるように加熱してよい。
ヒータは、ヒータ用の導電膜を含んでよい。ヒータは、導電膜に電流が流れることによって発熱してよい。
なお、上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではない。また、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
第1実施形態の粒子成分分析装置100の概略構成を示す図である。 第1実施形態の粒子成分分析装置100の全体構成を示す図である。 第2実施形態の粒子成分分析装置100における捕捉体200に含まれるメッシュ構造体204の裏面図である。 第2実施形態の粒子成分分析装置100における捕捉体200に含まれるメッシュ構造体204のA−A´線に沿う断面図である。 第2実施形態における複数のメッシュ構造体204a、204bが積層された積層構造206を示す図である。 第3実施形態における積層構造206に含まれる複数のメッシュ構造体204a、204bの断面図である。 第4実施形態における捕捉体200に含まれるメッシュ構造体208を示す裏面図である。 第5実施形態における捕捉体200に含まれるメッシュ構造体260の裏面図である。 第5実施形態における捕捉体200に含まれるメッシュ構造体260のA−A´線に沿う部分断面図である。 第5実施形態における複数のメッシュ構造体260a、260bが積層された積層構造262を示す図である。 第6実施形態における捕捉体200に含まれるメッシュ構造体270の拡大平面図である。 第6実施形態における捕捉体200に含まれるメッシュ構造体270のA−A´線に沿う断面図である。
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
図1は、第1実施形態の粒子成分分析装置100の概略構成を示す図である。粒子成分分析装置100は、粒子線生成部10、分析器20、捕捉体200、およびヒータ300を備える。また、粒子成分分析装置100には、ヒータ300の温度を制御する制御部30がヒータ制御線302を介して接続されてよい。
粒子線生成部10は、測定対象となるエアロゾル中の粒子を粒子線16として減圧容器400内に導入する。捕捉体200は、粒子線16中のエアロゾル中の粒子を捕捉する。ヒータ300は、捕捉体200を加熱して捕捉体200に捕捉された粒子を脱離させて脱離成分を生じさせる。分析器20は、脱離成分に基づいて粒子の成分、粒子の量、あるいは粒子の成分と量の両方を分析する。本明細書において、「脱離」には、気化、昇華、または脱離反応させることが含まれる。
捕捉体200は、粒子線16が照射される捕捉面202を有する。捕捉体200は、捕捉面202から予め定められた厚さの部分まではメッシュ状構造を有してよい。捕捉体200は、粒子線16が射出される位置に配置される。捕捉体200は、捕捉体200を保持する治具である捕捉体支持部40によって位置が固定されてよい。捕捉体200は、捕捉面202が粒子線生成部10の射出口に対して、傾けて対向するように配置されてよい。これにより、粒子が捕捉体200に跳ね返されて捕捉できない確率を低減することができ、より効率的に粒子線16中の粒子を捕捉することができる。
本例のヒータ300は、電気ヒータである。ヒータ300は、捕捉体200に配置される。本例では、ヒータ300は、捕捉体200の裏面側に配置される。ヒータ300は、捕捉体200の裏面側に配置された捕捉体支持部40に内蔵されてよい。本明細書において、捕捉体200の主面のうち粒子線生成部10側の面を「おもて面」とし、反対側の主面を「裏面」と称する。「捕捉体200の裏面側」とは、必ずしも捕捉体200の裏面自体でなくてもいい。例えば、捕捉体200が複数の層に分かれている場合には、捕捉体200の裏面側には、最表層のおもて面以外の面が含まれる。
粒子成分分析装置100は、捕捉体200の裏面側に温度センサ304を備えてよい。したがって、ヒータ300と温度センサ304は、同じ面に配置されてよい。温度センサ304は、温度を測定する温度計測部であり、測温抵抗体、サーミスタ、または熱電対であってよい。温度センサ304は、温度センサ用配線306を介して制御部30に接続される。制御部30は、温度センサ304から温度測定結果を取得する。制御部30は、温度測定結果が、予め定められた温度に近づくように、ヒータ300を制御する。
エアロゾル中の粒子は、硫酸塩および硝酸塩の成分を含んでよい。硫酸塩の昇華温度は、250°C〜300°Cであり、硝酸塩の分解温度は235°C〜280°Cである。したがって、制御部30は、硫酸塩および硝酸塩を脱離できるように、捕捉体200の温度が300°C以上になるようにヒータ300を制御することが望ましい。一方、捕捉体200の温度が500°Cより高くなると、捕捉体200内のメッシュ構造体等の熱劣化の可能性がある。したがって、制御部30は、捕捉体200の温度が300°C以上500°C以下になるようにヒータ300を制御することが望ましい。
次に、粒子成分分析装置100の全体構成を説明する。図2は、第1実施形態の粒子成分分析装置100の全体構成を示す図である。粒子成分分析装置100は、減圧容器400を有する。減圧容器400は、外部に対して減圧された領域を提供するための減圧チャンバである。減圧容器400は、隔壁402および隔壁404によって、複数の減圧室405、406、407に区切られていてよい。本例の減圧室405、406、407は、それぞれ吸引部50によって減圧される。吸引部50は、減圧容器400内の減圧状態を保つための真空ポンプである。
粒子線生成部10は、エアロゾル中の粒子の粒子線16を射出する。粒子線生成部10は、例えばエアロダイナミックレンズである。粒子線生成部10は、減圧容器400の壁部の一部に設けられる。粒子線生成部10は、減圧容器400の気密性を保ちつつ減圧容器400の壁部を貫通する。粒子線生成部10は、管状構造体の内壁から内側に伸びる複数の絞り機構である複数のオリフィス12を備えてよい。粒子線生成部10の一端には、粒子線射出口14が設けられている。
本明細書において、エアロゾル中の粒子の粒子線16とは、固体又は液体で構成された微粒子の空力学的特性を利用して、微粒子が浮遊したエアロゾル(気体試料)から、各微粒子が気体試料中で同じような飛行・移動特性を持つようにビーム状に離隔濃縮されてなる微粒子の粒子線である。減圧容器400内外の圧力差によって、エアロゾルが粒子線生成部10に流入する。粒子線生成部10内をエアロゾルが通り抜けるときは、媒質である気体は拡散しながら移動するので、オリフィス12によって直線的な移動が妨げられる。
一方、固体または液体で構成された粒子は、直進性が気体分子に比べて高いので、初段のオリフィス12を通過した粒子の移動が2段目以降のオリフィス12により大きく妨げられることがない。したがって、各粒子がビーム状に収束しつつ、粒子線射出口14を通って、減圧雰囲気側に粒子の粒子線16として射出される。
上述した捕捉体200およびヒータ300は、捕捉体保持容器420内に保持されてよい。捕捉体保持容器420には、粒子の粒子線16が入射する方向に向けて、口細に構成されたスキマー部が形成されてよい。捕捉体保持容器420は、粒子の脱離成分を分析器20に供給するための導管422が一体として形成されてよい。導管422によって導かれた脱離成分は、イオン化領域22においてイオン化されて、分析器20に供給されてよい。
分析器20は、質量分析計または分光分析装置であってよい。分析器20は、イオン化して供給された粒子の量または成分に応じて分析信号を出力する。分析器20は、電気信号として受信された分析信号に基づいて粒子の量または成分を分析する。分析器20は、粒子の成分及び成分別の量を導出してよい。分析信号から粒子の成分及び成分別の量の導出は、従来の質量分析計などと同様であるので詳しい説明を省略する。
本例の粒子成分分析装置100によれば、粒子線16に含まれる粒子を捕捉体200で捕捉するタイプの粒子成分分析装置100でありながら、捕捉体200に捕捉された粒子を脱離させる手段として、ヒータ300を用いる。したがって、本発明によれば、エネルギー線の照射光源および光学部品などの高価な部品が必要なくなる。
本例の粒子成分分析装置100は、単に粒子線16を衝突させて気化するタイプの装置ではなく、粒子線16に含まれる粒子を捕捉体200で捕捉するタイプの粒子成分分析装置100である。したがって、本例の粒子成分分析装置100によっても、粒子線16内の粒子の大部分又は全てが跳ね返ってしまうことを防止して定量的な分析に適用できるといったメリットは維持できる。
図3は、第2実施形態の粒子成分分析装置100における捕捉体200に含まれるメッシュ構造体204の裏面図である。図4は、第2実施形態の粒子成分分析装置100における捕捉体200に含まれるメッシュ構造体204のA−A´線に沿う断面図である。図3及び図4において、メッシュ構造体204の裏面をX−Y面とし、裏面に垂直な方向をZ軸とする。第2実施形態の粒子成分分析装置100は、捕捉体200およびヒータ300の構成を除いて、第1実施形態の粒子成分分析装置100と同様である。したがって、同様の構成についての繰り返しの説明を省略し、同様の部材には、同じ符号を用いて説明する。
本例の粒子成分分析装置100において、ヒータ用導電膜310が、ヒータ300として、メッシュ構造体204に設けられる。メッシュ構造体204は、メッシュ部220と支持枠部210とを備える。メッシュ部220は、格子状の開口部224を形成する。支持枠部210は、メッシュ部220の外周を支持する。本例のメッシュ構造体204は、粒子を捕捉するメッシュ部220とヒータ300としてのヒータ用導電膜310を一つのチップ上に含む。また、1個または複数の温度センサ304がメッシュ構造体204に形成されてよい。
メッシュ構造体204は、典型的には、X−Y面におけるそれぞれの辺が5mm以上10mm以下程度の矩形であってよい。支持枠部210のZ軸における厚さは、典型的には、100μm以上300μm以下であってよい。メッシュ部220の領域は、X−Y面における直径が3mm以上8mm以下であってよい。メッシュ部220の厚さは、典型的には、10μm以上100μm以下であってよい。メッシュ部220内には、線部222が格子状に形成されている。メッシュ部220の格子サイズは、図4に示される線部222の幅Wが1μm以上10μm以下程度でよく、開口部224の目開きDが10μm以上100μm以下程度でよい。
メッシュ部220の空隙率は、80%以上99%以下であってよい。図4は、線部222と開口部224を模式的に示しており、線部222と開口部224の寸法は、誇張されている。本明細書において「空隙率」は、捕捉面202を上面視した場合における面積空隙率である。面積空隙率とは、メッシュ部220のおもて面の面積に対する、空隙部分が占める面積の割合である。
図3に示されるとおり、本例のメッシュ構造体204では、ヒータ用導電膜310は、メッシュ構造体204のうち、支持枠部210の領域に形成される。支持枠部210は、メッシュ部220に比べて平坦面が多いので、ヒータ用導電膜310の面積を拡大することができる。ヒータ用導電膜310は、その内部に電流が流れることによって発熱するヒータ層であってよい。ヒータ用導電膜310は、例えば、Ta/Pt−W(タリウム/白金−タングステン)、Ni−Cr(ニッケル−クロム)、Pt−W(白金−タングステン)などの金属で形成される。
ヒータ用導電膜310は、導電膜に電流を流すための複数の電極部分312、314を含んでよい。複数の電極部分312、314は、メッシュ構造体204を貫通するビアであってよい。ビアを通じて、ヒータ用導電膜310への電力供給がされてよい。ヒータ用導電膜310は、メッシュ構造体204の温度が300°C以上500°C以下となるように加熱してよい。
以上のようなメッシュ構造体204は、SOI(Silicon on Insulator)基板をフォトエッチングにより微細加工して製造することができる。具体的には、メッシュ構造体204の骨格、骨組み、または枠組みを、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)技術を用いてシリコン材質で形成してよい。具体的には、メッシュ部220については、予め定められた線部222と開口部224とになるようにパターニングされる。
支持枠部210をマスクした上で、メッシュ部220の領域の裏面部分をエッチングして、メッシュ部220と支持枠部210で囲まれて空洞化された空間が形成されてよい。そして、必要に応じて、シリコン材質の骨格、骨組み、または枠組みに対して、白金、金、パラジウム、ロジウム、イリジウム、及びそれらの合金などの薄膜形成等を施して最終的にメッシュ構造体204としてもよい。
ヒータ用導電膜310についても、シリコン材質の支持枠部210に、導電膜を形成し、導電膜に対して、パターニングを施すことによって、予め定められた形状にヒータ用導電膜310を形成してよい。ヒータ用導電膜310を保護するために、 絶縁膜などにより保護膜311を形成してもよい。
以上のような微細加工によって形成したメッシュ構造体204を1層で、又は典型的には2〜10層、好ましくは3〜6層を貼り合わせて積層して積層構造を構成してもよい。すなわち、捕捉体200は、複数のメッシュ構造体204が積層された積層構造206を有してよい。図5は、第2実施形態における複数のメッシュ構造体204a、204b(以下、メッシュ構造体204と総称する場合がある)が積層された積層構造206を示す図である。メッシュ構造体204を複数積層した場合に、すべてのメッシュ構造体204にヒータ用導電膜310を形成してもよいが、本実施形態は、この場合に限られない。ヒータ用導電膜310は、複数のメッシュ構造体204のうち、少なくとも2つのメッシュ構造体204に設けられてよい。
ヒータ用導電膜310は、複数のメッシュ構造体204のうち、最表層に配置されるメッシュ構造体204aの裏面、2層目以降のメッシュ構造体204bのおもて面および裏面のいずれかの面に形成してもよい。例えば、2層目以降のメッシュ構造体204bについては、おもて面および裏面の双方にヒータ用導電膜310をヒータ300として配置して、加熱効率を高めてもよい。
複数のメッシュ構造体204を張り合わせる方法としては、例えば、低融点ガラスを300℃〜500℃で加熱溶解させこれを介して接着することができる。このとき低融点ガガラスを上述したヒータ用導電膜310の保護膜311として兼用してもよい。また、ガラス基板を利用した陽極接合によって貼り合わせてもよく、単に重ねるだけでもよい。
以上のように、本実施形態の粒子成分分析装置100によれば、捕捉体200は、粒子を捕捉するメッシュ部220が形成されたメッシュ構造体204を含み、ヒータ用導電膜310がメッシュ構造体204に設けられる。したがって、エネルギー線の照射光源および光学部品などの高価な部品が必要なくなるのみならず、別途のヒータ300を設置する必要がない。特に、ヒータ300として、ヒータ用導電膜310を採用することにより、メッシュ構造体204の製造時に、MEMS等の微細加工プロセス中の工程として、ヒータ用導電膜310を形成することができる。
図6は、第3実施形態における積層構造206に含まれる複数のメッシュ構造体204aおよび204bの断面図である。本例において、積層構造206を構成する複数のメッシュ構造体204は、空隙率が異なる少なくとも2つのメッシュ構造体を含んでよい。この点を除いて、本例の積層構造206は、第2実施形態の積層構造206を有する捕捉体200と同様である。したがって、繰り返しの説明を省略し、同様の部材には、同じ符号を用いて説明する。
おもて面側に比較的空隙率の大きい第1のメッシュ構造体204aを1層または複数層配置してよい。裏面側に、空隙率が第1のメッシュ構造体204aより小さい第2のメッシュ構造体204bを1層または複数層配置してよい。この態様によれば、第1のメッシュ構造体204aの空隙率が第2のメッシュ構造体204bより大きくとられているので、上記粒子線16中の微粒子が捕捉体200の表面で跳ね返る確率が小さく、第1のメッシュ構造体204aの内部や第2のメッシュ構造体204bに到達し易くなっている。そして、微粒子は第1または第2のメッシュ構造体204a、204bで捕捉されるか、あるいは、第2のメッシュ構造体204bから跳ね返ったとしても、第1のメッシュ構造体204aを構成するいずれかの格子層に衝突して速度が弱められ捕捉されるので、メッシュ構造体204の空隙中に微粒子を確実に捕捉することができる。
また、別の態様において、おもて面側に図4に示されるようなメッシュ構造体204を1層または複数層配置し、裏面側に空隙を有さない板体が配置されたものであってもよい。これによれば、メッシュ構造体204を通り抜けた粒子であっても、板体によって跳ね返されることによって、メッシュ構造体204で捕捉することができる。よって、微粒子を外部に取り逃がすことを防ぎ、大気微粒子を効率よく捕捉することができる。なお、図1で示したような裏面側のヒータ300を、裏面側の板体として兼用してもよい。この場合、図1で示したように、裏面側のヒータ300で加熱するようにして、各層におけるヒータ用導電膜310を省略してもよい。
また空隙率が最も小さいメッシュ構造体204にヒータ用導電膜310を設け、空隙率が最も大きい204には、ヒータを設けなくともよい。これにより、捕集量の大きいメッシュ構造体204を効率よく加熱できる。また、同様に、空隙率が最も小さいメッシュ構造体204の前後のメッシュ構造体204にもヒータ用導電膜310を設けてもよい。
図7は、第4実施形態における捕捉体200に含まれるメッシュ構造体208を示す裏面である。本例のメッシュ構造体208は、第2および第3実施形態のメッシュ構造体204とヒータ用導電膜320の形状および配置位置が異なる点を除いて、他の構成は同様である。したがって、同様の構成については繰り返しの説明を省略し、同様の部材には、同じ符号を用いて説明する。本例のメッシュ構造体208も、第2および第3実施形態と同様に、メッシュ部220と支持枠部210とを備える。
本例では、ヒータ用導電膜320は、メッシュ構造体208のメッシュ部220の周囲を取り囲むように、支持枠部210に配置される。ヒータ用導電膜320は、メッシュ部220の領域の外形に沿って配置されてよい。本例では、メッシュ部220の領域が円形であるので、ヒータ用導電膜320は、円環状の形態をした円環部分と、円環部から円環の外側方向に向かって延びた複数の電極部分322、324とを有してよい。以上のような微細加工によって形成したメッシュ構造体208を1層で、又は典型的には2〜10層、好ましくは3〜6層を貼り合わせて積層して積層構造を構成してもよい。この場合、積層構造を構成する複数のメッシュ構造体208は、空隙率が異なる少なくとも2つのメッシュ構造体208を含んでよい。
本例の粒子成分分析装置100によっても、エネルギー線の照射光源および光学部品などの高価な部品が必要なくなるのみならず、別途のヒータ300を設置する必要がないという効果を奏する。また、ヒータ用導電膜320がメッシュ部220を取り囲むように配置されるので、メッシュ部220を効果的に加熱して、メッシュ部220に捕捉された粒子を効率的に脱離することができる。
図8は、第5実施形態における捕捉体200に含まれるメッシュ構造体260の裏面図である。第2実施形態の粒子成分分析装置100は、第2および第3実施形態のメッシュ構造体204、および第4実施形態のメッシュ構造体208に比べて、ヒータ用導電膜330aから330fの形状および配置位置が異なることを除いて、他の構成は同様である。したがって、同様の構成についての繰り返しの説明を省略し、同様の部材には、同じ符号を用いて説明する。
本例のメッシュ構造体260は、メッシュ部220と支持枠部210とを備える。しかし、メッシュ部220は、複数のメッシュ部220aから220gに分割されている。図では、メッシュ部220は、模式的に7つのメッシュ部220aから220gを有するが、本例は、この場合に限定されない。メッシュ部220は、Y方向に、2以上であって、開口部224の数以下に分割されてよい。
本例では、ヒータ300として複数のヒータ用導電膜330aから330fが、Y方向に配列されている。各ヒータ用導電膜330aから330fは、X方向に延びている。隣接するメッシュ部220aとメッシュ部220bの間にヒータ用導電膜330aが配置されている。したがって、メッシュ構造体260の面内方向であるX‐Y面方向において、ヒータ用導電膜330aから330fが設けられる領域と、メッシュ部220aから220gが設けられる領域とが交互に配置されている。本例では、Y方向に沿って、ヒータ用導電膜330aから330fが設けられる領域と、メッシュ部220aから220gが設けられる領域とが交互に配置されている。
図9は、第5実施形態における捕捉体200に含まれるメッシュ構造体260のA−A´線に沿う部分断面図である。複数のメッシュ部220bおよび220cは、それぞれ線部222と、隣接する線部222間の開口部224とを含んでよい。複数のメッシュ部220bおよび220cにおいて、それぞれ、線部222と開口部224とが交互に配置されることによって、メッシュ構造が形成されている。
各メッシュ部220b、220cの間には、ヒータ用枠部226が形成されてよい。ヒータ用枠部226の枠幅は、線部222の幅よりも広くてよい。ヒータ用枠部226の表面には、ヒータ用導電膜330a、330b、330cが配置されている。ヒータ用枠部226の厚さは、複数のメッシュ部220bおよび220cの厚さと同じであってよい。この場合、ヒータ用枠部226と、複数のメッシュ部220b、220cとを同一工程で製造することが可能となる。ただし、ヒータ用枠部226の厚さは、この場合に限られず、適宜に設定してよい。隣接するヒータ用導電膜330a、330b間の開口部224の数は、複数であってよく、特に制限されない。
以上のように構成されるメッシュ構造体260を1層で、又は典型的には2〜10層、好ましくは3〜6層を貼り合わせて積層して積層構造を構成してもよい。図10は、第5実施形態における複数のメッシュ構造体260a、260bが積層された積層構造262を示す図である。図10に示されるとおり、捕捉体200は、複数のメッシュ構造体204aおよび204bが積層された積層構造262を有してよい。
メッシュ構造体260aは、X方向に延伸するヒータ用導電膜330を有してよく、他のメッシュ構造体260bは、X方向と交差するY方向に延伸するヒータ用導電膜330を有してよい。X方向に延伸するヒータ用導電膜330を有するメッシュ構造体260aとY方向に延伸するヒータ用導電膜330を有するメッシュ構造体260bとが交互に複数組積層されていてもよい。
本例のように、一のメッシュ構造体に配置されるヒータであるヒータ用導電膜330と他のメッシュ構造体に配置されるヒータであるヒータ用導電膜330とが、互いに交差する方向に延伸される場合、積層構造262全体として、XY方向での温度分布を均一化させることができる。したがって、捕捉体200としての積層構造262に捕捉された粒子をX―Y面内の領域の位置によらず効果的に脱離させることが可能となる。
以上のように、本例の粒子成分分析装置100によれば、メッシュ構造体260の面内方向において、ヒータ用導電膜330が設けられる領域とメッシュ部220aから220gが形成される領域とが交互に配置されている。したがって、ヒータ用導電膜330をメッシュ部220aから220gの近くに配置でき、粒子を効率的に脱離することができる。なお、図8から図10の説明では、X方向またはY方向に沿って、ヒータ用導電膜330aから330fが設けられる領域と、メッシュ部220aから220gが設けられる領域とが交互に配置されている場合が示された。しかし、本例は、メッシュ構造体260の面内方向において、ヒータとメッシュ部が形成される領域とが交互に配置されていれば、これらの場合に限られない。同心円状に、ヒータが設けられる領域とメッシュ部が形成される領域とが交互に配置されてもよい。
図11は、第6実施形態における捕捉体200に含まれるメッシュ構造体270の拡大平面図である。図12は、第6実施形態における捕捉体200に含まれるメッシュ構造体270のA−A´線に沿う断面図である。本例のメッシュ構造体270は、ヒータ用導電膜340がメッシュ部220自体に形成されていること、およびメッシュ部220が熱絶縁支持層263を備えていることを除いて、第2実施形態の構成と同様である。したがって、同様の構成について繰り返しの説明を省略し、同様の部材には、同じ符号を用いて説明する。
本例のメッシュ構造体270は、メッシュ部220および支持枠部210を備える。本例のヒータ用導電膜340は、図11に示されるとおり、メッシュ部220の格子サイズに合わせて形成されている。ヒータ用導電膜340の線幅は、線部222の幅に合わせて、1μm以上10μm以下程度でよい。また、隣接する列間のヒータ用導電膜340同士の間隔は、開口部224の目開きに合わせて、10μm以上100μm以下程度でよい。図11に示されるとおり、1本のヒータ用導電膜340を複数の線部222の形状に沿って形成してよい。
メッシュ部220は、熱絶縁支持層263を備える。熱絶縁支持層263は、例えば、熱酸化SiO膜264、Si膜265、SiO膜266の三層構造となっている。ヒータ用導電膜340は、熱絶縁支持層263上に形成されてよい。具体的には、例えば、熱酸化SiO膜264、Si膜265、SiO膜266、およびヒータ用導電膜340の並び順で積層されている。ヒータ用導電膜340は、電気絶縁膜267に覆われて、保護されてよい。電気絶縁膜267は、例えば、SiOである。
支持枠部210は、シリコン材質で形成してよく、シリコン部分272の上方に、熱酸化SiO膜264、Si膜265、SiO膜266、および電気絶縁膜267を有してよい。以上のようなメッシュ構造体270は、Si基板をフォトエッチングにより微細加工して製造することができる。例えば、Si基板の表面に熱酸化SiO膜264を形成する。そして、熱酸化SiO膜264を形成したSi基板上に、Si膜265およびSiO膜266を順次にプラズマCVD法により形成する。この結果、熱酸化SiO膜264、Si膜265、およびSiO膜266により、熱絶縁支持層263を構成する。
次に、例えば、Ta/Pt−Wなどの導電膜層を成膜し、パターニングすることで、ヒータ用導電膜340を形成する。次いで、ヒータ用導電膜340上に電気絶縁膜267を形成する。次いで、電気絶縁膜267および熱絶縁支持層263をパターニングして、線部222および開口部224を形成する。一方、支持枠部210をマスクした上で、メッシュ部220の領域の裏面部分をエッチングして、メッシュ部220と支持枠部210で囲まれて空洞化された空間が形成されてよい。但し、メッシュ構造体270の製造工程は、上記の場合に限定されない。
本例によれば、メッシュ部220自体、すなわちメッシュ部220の線部222自体に、ヒータ用導電膜340が内蔵されている。したがって、メッシュ部220に捕捉された粒子を効果的に加熱しやすい。ヒータ用導電膜340に供給する電力も抑えられるので、低消費電力化することもできる。特に、ヒータ用導電膜340が熱絶縁支持層263上に形成される場合には、熱容量を小さくできるので、さらに低消費電力化を達成することができる。
本明細書における各実施形態は、適宜組み合わせることができる。例えば、第3実施形態は、他の実施形態と組みわせることができる。以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順序で実施することが必須であることを意味するものではない。
10・・粒子線生成部、12・・オリフィス、14・・粒子線射出口、16・・粒子線、20・・分析器、22・・イオン化領域、30・・制御部、40・・捕捉体支持部、50・・吸引部、100・・粒子成分分析装置、200・・捕捉体、202・・捕捉面、204・・メッシュ構造体、206・・積層構造、208・・メッシュ構造体、210・・支持枠部、220・・メッシュ部、222・・線部、224・・開口部、226・・ヒータ用枠部、260・・メッシュ構造体、262・・積層構造、263・・熱絶縁支持層、264・・熱酸化SiO膜、265・・Si膜、266・・SiO膜、267・・電気絶縁膜、270・・メッシュ構造体、272・・シリコン部分、300・・ヒータ、302・・ヒータ制御線、304・・温度センサ、306・・温度センサ用配線、310・・ヒータ用導電膜、311・・保護膜、312・・電極部分、314・・電極部分、320・・ヒータ用導電膜、322・・電極部分、324・・電極部分、330・・ヒータ用導電膜、340・・ヒータ用導電膜、400・・減圧容器、402・・隔壁、404・・隔壁、405・・減圧室、406・・減圧室、407・・減圧室、420・・捕捉体保持容器、422・・導管

Claims (7)

  1. 測定対象となるエアロゾル中の粒子を捕捉する捕捉体と、
    前記捕捉体に配置されて、前記捕捉体を加熱して前記捕捉体に捕捉された粒子を脱離させて脱離成分を生じさせるヒータと、
    前記脱離成分に基づいて粒子の成分および量の少なくとも一方を分析する分析器と、を備えており
    前記捕捉体は、複数のメッシュ構造体が積層された積層構造を有し、
    前記複数のメッシュ構造体は、それぞれ前記粒子を捕捉するメッシュ部が形成されており、
    前記ヒータは、前記複数のメッシュ構造体のうち、一のメッシュ構造体と他のメッシュ構造体とを含む少なくとも2つのメッシュ構造体に設けられており、
    前記一のメッシュ構造体に配置されるヒータと前記他のメッシュ構造体に配置されるヒータとは、互いに交差する方向に延伸されている、粒子成分分析装置。
  2. 前記複数のメッシュ構造体は、互いにメッシュ部の空隙率が異なる少なくとも2つのメッシュ構造体を含む
    請求項に記載の粒子成分分析装置。
  3. 前記メッシュ構造体の面内方向において、前記ヒータが設けられる領域と前記メッシュ部が形成される領域とが交互に配置されている
    請求項1または2に記載の粒子成分分析装置。
  4. 前記ヒータは、前記メッシュ部に形成される
    請求項1から3の何れか1項に記載の粒子成分分析装置。
  5. 前記メッシュ部は、熱絶縁支持層を有し、
    前記ヒータは、前記熱絶縁支持層に形成される
    請求項に記載の粒子成分分析装置。
  6. 前記ヒータは、メッシュ構造体の温度が300°C以上500°C以下となるように加熱する
    請求項1から5の何れか1項に記載の粒子成分分析装置。
  7. 前記ヒータは、ヒータ用の導電膜を含み、
    前記導電膜に電流が流れることによって発熱する
    請求項1から6の何れか1項に記載の粒子成分分析装置。
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