《第1の実施形態》
以下、第1の実施形態及びその変形例について、図1〜図8を用いて説明する。
図1には、第1の実施形態に係る液晶露光装置10の構成が概略的に示されている。液晶露光装置10は、例えば液晶表示装置(フラットパネルディスプレイ)などに用いられる矩形(角型)のガラス基板P(以下、単に基板Pと称する)を露光対象物とするステップ・アンド・スキャン方式の投影露光装置、いわゆるスキャナである。
液晶露光装置10は、照明系12、回路パターンなどが形成されたマスクMを保持するマスクステージ14、投影光学系16、装置本体18、表面(図1で+Z側を向いた面)にレジスト(感応剤)が塗布された基板Pを保持する基板ステージ装置20、及びこれらの制御系等を有している。以下、露光時にマスクMと基板Pとが投影光学系16に対してそれぞれ相対走査される方向をX軸方向とし、水平面内でX軸に直交する方向をY軸方向、X軸及びY軸に直交する方向をZ軸方向とし、X軸、Y軸、及びZ軸回りの回転方向をそれぞれθx、θy、及びθz方向として説明を行う。また、X軸、Y軸、及びZ軸方向に関する位置をそれぞれX位置、Y位置、及びZ位置として説明を行う。
照明系12は、例えば米国特許第5,729,331号明細書などに開示される照明系と同様に構成されている。照明系12は、図示しない光源(例えば、水銀ランプ)から射出された光を、それぞれ図示しない反射鏡、ダイクロイックミラー、シャッター、波長選択フィルタ、各種レンズなどを介して、露光用照明光(照明光)ILとしてマスクMに照射する。照明光ILとしては、例えばi線(波長365nm)、g線(波長436nm)、h線(波長405nm)などの光(あるいは、上記i線、g線、h線の合成光)が用いられる。
マスクステージ14は、光透過型のマスクMを保持している。マスクMの下面(−Z側を向いた面)には、所定の回路パターン(マスクパターン)が形成されている。マスクステージ14は、例えばリニアモータ(不図示)を介してマスクMを照明系12(照明光IL)に対してX軸方向(スキャン方向)に所定の長ストロークで駆動するとともに、Y軸方向、及びθz方向に微少駆動する。マスクMの水平面内の位置情報は、例えばレーザ干渉計を含むマスクステージ位置計測系(不図示)により求められる。
投影光学系16は、マスクステージ14の下方に配置されている。投影光学系16は、例えば米国特許第6,552,775号明細書などに開示される投影光学系と同様な構成の、いわゆるマルチレンズ投影光学系であり、例えば両側テレセントリックな等倍系で正立正像を形成する複数の光学系を備えている。
液晶露光装置10では、照明系12からの照明光ILによってマスクM上の照明領域が照明されると、マスクMを通過した照明光により、投影光学系16を介してその照明領域内のマスクMの回路パターンの投影像(部分正立像)が、基板P上の照明領域に共役な照明光の照射領域(露光領域)に形成される。そして、照明領域(照明光IL)に対してマスクMが走査方向に相対移動するとともに、露光領域(照明光IL)に対して基板Pが走査方向に相対移動することで、基板P上の1つのショット領域の走査露光が行われ、そのショット領域にマスクMに形成されたパターンが転写される。
装置本体18は、複数の防振装置19を介してクリーンルームの床11上に設置されている。装置本体18は、例えば米国特許出願公開第2008/0030702号明細書に開示される装置本体と同様に構成されており、上記マスクステージ14、及び投影光学系16を支持する上架台部(不図示)、一対の下架台部18a、及び一対の中架台部18b(図1では不図示。図2参照。)を有している。
基板ステージ装置20は、定盤22、一対のベースフレーム24(図1では一方は不図示。図2参照)、基板ステージ30、Xミラーステージ60x、及びYミラーステージ60yを備えている。
定盤22は、図2に示されるように、例えば石材により形成された平面視で(+Z側から見て)矩形の板状部材から成り、その上面は、平面度が非常に高く仕上げられている。定盤22は、2つの下架台部18a上に架け渡された状態で載置されている。
一対のベースフレーム24は、一方が定盤22の+Y側に、他方が定盤22の−Y側に配置されている。図1に戻り、ベースフレーム24は、X軸方向に延びる部材から成り、装置本体18に対して振動的に絶縁された状態(下架台部18aを跨いだ状態)で床11上に設置されている。ベースフレーム24の上端面には、図2に示されるように、X軸に平行に延びるXリニアガイド26aが固定されている。また、ベースフレーム24の両側面には、X軸方向に所定間隔で配列された複数の永久磁石を含むX固定子28aが固定されている。
基板ステージ30は、図3に示されるように、X粗動ステージ32、Y粗動ステージ34、重量キャンセル装置36、微動ステージ38(基板テーブル40、基板ホルダ42)を有している。
X粗動ステージ32は、図2に示されるように、一対のベースフレーム24間に架設された一対のYビーム44aを有している。一対のYビーム44aは、それぞれY軸方向に延びるXZ断面矩形の部材から成り、X軸方向に所定間隔で互いに平行に配置されている。Yビーム44aの長手方向両端部近傍それぞれには、Xキャリッジ44bと称される部材が固定されている。Xキャリッジ44bは、YZ断面逆U字状の部材から成り、一対の対向面間にベースフレーム24が挿入されている。Xキャリッジ44bの内側面には、上記Xリニアガイド26aとともにXキャリッジ44bをX軸方向に直進案内するためのXリニアガイド装置を構成するXスライド部材(不図示)、上記X固定子28aとともにXキャリッジ44bをX軸方向に駆動するためのXリニアモータ装置を構成するX可動子(不図示)が固定されている。+Y側の一対のXキャリッジ44b、及び−Y側の一対のXキャリッジ44bそれぞれは、接続板44cにより機械的に接続されており、一対のYビーム44aは、X軸方向に一体的に移動される。
Yビーム44aの上面には、図4に示されるように、一対のYリニアガイド45aが固定されている。一対のYリニアガイド45aは、それぞれY軸方向に延びる部材から成り、X軸方向に所定間隔で互いに平行に配置されている。また、Yビーム44aの上面における一対のYリニアガイド45a間の領域には、Y軸方向に所定間隔で配列された複数の永久磁石を含むY固定子46aが固定されている。X粗動ステージ32のX位置情報は、不図示のXリニアエンコーダシステムを介して不図示の主制御装置により求められる。
Y粗動ステージ34は、板状の部材から成り、X粗動ステージ32上に載置されている。Y粗動ステージ34は、図5(A)に示されるように、平面視矩形の本体部35aと、本体部35aの+X側且つ−Y側の端部から−Y方向に突き出して形成された突き出し部35b、及び本体部35aの−X側且つ+Y側の端部から−X方向に突き出して形成された突き出し部35cとを有している。本体部35a、突き出し部35b、及び突き出し部35cは、一体的に形成されていても良いし、別部材であっても良い。本体部35aの中央部には、平面視矩形の開口部37が形成されている。突き出し部35bは、図2に示されるように、X粗動ステージ32の+X側のYビーム44aの上方に位置し、突き出し部35cは、X粗動ステージ32の−X側のYビーム44aよりも−X方向(X粗動ステージ32の外側)に突き出して配置される。
図4に戻り、Y粗動ステージ34の下面には、複数のYリニアガイド45aそれぞれに対応して複数(図4では紙面奥行き方向に重なっている)のYスライド部材45bが固定されている。Yスライド部材45bは、対応するYリニアガイド45aとともに、例えば米国特許第6,761,482号明細書に開示されるような機械的なYリニアガイド装置45を構成しており、Y粗動ステージ34をX粗動ステージ32上でY軸方向に直進案内する。また、Y粗動ステージ34の下面には、Y固定子46aに対向してY可動子46bが固定されている。Y可動子46bは、不図示のコイルユニットを含む。コイルユニットに供給される電流の向き、及び大きさは、不図示の主制御装置により制御される。Y可動子46bは、対応するY固定子46aとともに、例えば米国特許第8,030,804号明細書に開示されるようなYリニアモータ46を構成している。Y粗動ステージ34は、一対のYリニアモータ46を介して、X粗動ステージ32上でY軸方向に直進駆動される。Y粗動ステージ34のY位置情報は、不図示のYリニアエンコーダシステムを介して不図示の主制御装置により求められる。
重量キャンセル装置36は、Y粗動ステージ34の開口部37内に挿入され、一対のYビーム44a間に配置されている。重量キャンセル装置36は、有底筒状の筐体36a、筐体36a内に収容された空気ばね36b、空気ばね36b上に載置されたZスライド部材36cを含む。重量キャンセル装置36は、筐体36aの下面に取り付けられた複数のエアベアリング36dを介して定盤22上に所定のクリアランスを介して浮上している。上述したY粗動ステージ34の開口部37を規定する部分(開口端部)からは、矩形枠状の部材48が吊り下げ固定されており、重量キャンセル装置36は、その重心高さ位置で、上記矩形枠状の部材48に複数のフレクシャ49と称される装置を介して機械的に、且つY粗動ステージ34に対してXY平面に交差する方向に関して振動的に分離された状態で接続されている。重量キャンセル装置36は、複数のフレクシャ49の少なくともひとつを介してY粗動ステージ34に牽引されることにより、Y粗動ステージ34と一体的にX軸方向、及び/又はY軸方向に移動する。フレクシャ49を含み、重量キャンセル装置36の構成は、例えば米国特許出願公開第2010/0018950号明細書に開示されている。
重量キャンセル装置36は、Zスライド部材36cの上面に取り付けられた不図示のエアベアリングを介して球面軸受け装置47を下方から非接触支持している。球面軸受け装置47は、微動ステージ38をθx及びθy方向に揺動(チルト動作)自在に下方から支持している。球面軸受け装置47は、微動ステージ38と一体的にXY平面に沿って移動することが可能であり、微動ステージ38と重量キャンセル装置36とは、XY平面に沿って相対移動可能となっている。なお、球面軸受け装置47に換えて、例えば米国特許出願公開第2010/0018950号明細書に開示されるような疑似球面軸受け装置を用いても良い。
微動ステージ38は、基板テーブル40、及び基板ホルダ42を有している。基板テーブル40は、平面視矩形の板状(あるいは箱形)の部材から成り、中央部が上述した球面軸受け装置47を介して重量キャンセル装置36に下方から支持されている。基板ホルダ42は、平面視矩形の板状部材から成り、基板テーブル40の上面に固定されている。基板ホルダ42の上面には、基板Pが載置される。基板ホルダ42は、基板ステージ装置20の外部に設置されたバキューム装置(不図示)から供給される真空吸引力を用いて基板Pを吸着保持する。
微動ステージ38は、複数のボイスコイルモータを含む微動ステージ駆動系により、Y粗動ステージ34上で3自由度方向(X軸、Y軸、θz方向)に微少駆動される。本実施形態において、複数のボイスコイルモータには、図2に示されるように、基板テーブル40の+X側に配置された、例えば2つのXボイスコイルモータ50x、及び基板テーブル40の+Y側に配置された、例えば2つのYボイスコイルモータ50yが含まれる。
Xボイスコイルモータ50xは、図4に示されるように、Y粗動ステージ34に支持柱51を介して固定された断面T字状の固定子50aと、基板テーブル40の+X側の側面に固定された断面U字状の可動子50bとを含む。Xボイスコイルモータ50xは、固定子50aに不図示のコイルユニット、可動子50bに不図示の磁石ユニットがそれぞれ設けられたムービングマグネットタイプのリニアモータであり、X軸に平行な方向の推力を発生する。Xボイスコイルモータ50xの高さ位置(Z位置)は、微動ステージ38の重心Gsの高さ位置と概ね一致しており、Xボイスコイルモータ50xから付与される推力に起因して微動ステージ38がθy方向に回転すること(ピッチングモーメントの発生)が抑制される。Yボイスコイルモータ50y(図4では不図示。図2参照)は、Y軸に平行な推力を発生する点を除き、Xボイスコイルモータ50xと実質的に同様の構成のムービングマグネットタイプのリニアモータであるので説明を省略する。
不図示の主制御装置は、Y粗動ステージ34をX軸、及び/又はY軸方向に所定の長ストロークで駆動する際に、上記複数のボイスコイルモータを介して微動ステージ38にX軸、及び/又はY軸方向の推力(電磁力)を作用させる。これにより、重量キャンセル装置36に非接触支持された微動ステージ38が、Y粗動ステージ34と一体的にX軸方向、及び/又はY軸方向に所定の長ストロークで移動する。また、不図示の主制御装置は、例えば2つのXボイスコイルモータ50x(あるいは2つのYボイスコイルモータ50y(図4では不図示。図2参照))それぞれの出力(推力)を異ならせることにより、微動ステージ38をY粗動ステージ34に対してθz方向に微少駆動する。
また、微動ステージ駆動系は、微動ステージ38をY粗動ステージ34に対してZ軸方向、θx方向、及びθy方向(以下、Z・チルト方向と称する)に微少駆動するための複数のZボイスコイルモータ50zを有している。本実施形態において、Zボイスコイルモータ50zは、基板テーブル40の四隅部に対応して、例えば合計で4つ配置されている。Zボイスコイルモータ50zは、上述したXボイスコイルモータ50xと配置が異なる点を除き、実質的に同様の構成のムービングマグネットタイプのリニアモータであるので説明を省略する。不図示の主制御装置は、投影光学系16(図1参照)の焦点深度内に基板Pの表面が位置するように、上記複数のZボイスコイルモータ50zを用いて適宜微動ステージ38をZ・チルト方向に駆動する制御(オートフォーカス制御)を行う。この際、上述した重量キャンセル装置36により、微動ステージ38の重量(重量加速度による下向き(−Z方向)の力)が打ち消され、これにより、複数のZボイスコイルモータ50zの負荷が低減される。なお、図面の錯綜を避ける観点から、図1では、重量キャンセル装置36、及び微動ステージ駆動系を構成する複数のボイスコイルモータの図示が省略されている。
次に、微動ステージ38(すなわち基板P)の6自由度方向の位置情報を求めるための基板位置計測系について説明する。微動ステージ38のZ・チルト方向の位置情報を求めるためのZ・チルト位置計測系は、図4に示されるように、基板テーブル40の下面に取り付けられたプローブ52aと、重量キャンセル装置36の筐体36aに取り付けられたターゲット52bとを含むZセンサ52を複数備えている。複数のZセンサ52は、例えば微動ステージ38の重心Gsを通るZ軸に平行な軸線回りに所定間隔で、例えば4つ(少なくとも3つ)配置されている。不図示の主制御装置は、上記複数のZセンサ52の出力に基づいて、微動ステージ38のZ位置情報、及びθx、及びθy方向の回転量情報を求める。上記Zセンサ52を含み、Z・チルト位置計測系の構成については、例えば米国特許出願公開第2010/0018950号明細書に詳しく開示されている。
微動ステージ38のX軸方向、Y軸方向、及びθz方向の位置情報(以下、XY平面内の位置情報と称する)は、基板干渉計システムにより求められる。基板干渉計システムは、図2に示されるように、一対のXレーザ干渉計58x、一対のYレーザ干渉計58y、Xミラーステージ60x、Yミラーステージ60y、一対のX変位計70x、及び一対のY変位計70yを含む。
一対のXレーザ干渉計58xは、そのZ位置が基板ホルダ42のZ位置をほぼ同じとなるように、干渉計コラム18cと称される部材を介して装置本体18に固定されている。干渉計コラム18cは、図3に示されるように、XZ断面L字状の部材から成り、装置本体18が有する−X側の下架台部18aに固定されている。図2に戻り、一対のXレーザ干渉計58xは、Y軸方向に所定間隔で離間して配置されている。また、一対のYレーザ干渉計58yは、そのZ位置が基板ホルダ42のZ位置をほぼ同じとなるように、装置本体18が有する−Y側の中架台部18bに固定されている。一対のYレーザ干渉計58yは、X軸方向に所定間隔で離間して配置されている。
Xミラーステージ60xは、基板ステージ30と分離された状態で定盤22上に載置され、X粗動ステージ32の−X側であって、該X粗動ステージ32に所定のクリアランスを介して配置されている。Xミラーステージ60xは、図1に示されるように、ベース部材62、ミラー支持部材63、Xバーミラー64xを備えている。ベース部材62は、平面視円形に形成されている(図5(A)参照)。ベース部材62の下面には、複数のエアベアリング61が取り付けられている。Xミラーステージ60xは、複数のエアベアリング61から定盤22の上面に対して噴出される加圧気体(例えば空気)の静圧により、定盤22上に所定のクリアランスを介して浮上した状態で自立している。ミラー支持部材63は、正面視(−X側から見て)で上底よりも下底が短い等脚台形状の板状の部材から成り(Yミラーステージ60yのミラー支持部材63を参照)、下端部がベース部材62の上面に固定されている。
Xバーミラー64xは、ミラー支持部材63の上端部に固定されている。Xバーミラー64xは、図2に示されるように、Y軸に平行に延びるXZ断面矩形の棒状の部材から成り、−X側及び+X側それぞれの面が鏡面加工されている。なお、Y軸方向に延びるXZ断面矩形の棒状部材の−X側及び+X側それぞれの面に鏡(例えば平面鏡)を固定したものをXバーミラー64xとしても良い。この場合、−X側の面にはY軸方向に長尺な鏡を設け、+X側の面には、少なくとも一対のX変位計70xからの測長ビームが照射される位置に鏡を設けると良い。Xバーミラー64xとX変位計70xとは、Y軸方向に関して相対移動しないように設けられているため、+X側の面に設ける鏡は、必ずしも長尺な鏡である必要はない。なお、Xバーミラー64xの長手方向(Y軸方向)の寸法は、基板ホルダ42のY軸に平行な辺(短辺)の寸法と同程度に設定すると良い(本実施形態では幾分長く設定されている)。
Xミラーステージ60xは、図5(A)に示されるように、Y粗動ステージ34の突き出し部35cに固定された固定子とミラー支持部材63に固定された可動子とを含むYボイスコイルモータ66yを介して、Y粗動ステージ34からY軸方向(+Y方向、又は−Y方向)の推力を付与される。また、Xミラーステージ60xは、Y粗動ステージ34の本体部35aに固定された固定子とミラー支持部材63に固定された可動子とを含む一対のXボイスコイルモータ66xを介して、Y粗動ステージ34からX軸方向(+X方向、又は−X方向)及びθz方向の推力を付与される。Xボイスコイルモータ66x、及びYボイスコイルモータ66yそれぞれは、配置が異なる点を除き、上述したXボイスコイルモータ50x(図4参照)と実質的に同様の構成のムービングマグネットタイプのリニアモータであるので詳細な説明は省略する。
不図示の主制御装置は、Xミラーステージ60xに対して上記Yボイスコイルモータ66y、及び一対のXボイスコイルモータ66xを用いてX軸、Y軸、及びθz方向の推力を適宜付与することにより、Xミラーステージ60xのXY平面内の位置制御を行う。Xボイスコイルモータ66x、及びYボイスコイルモータ66yそれぞれの高さ位置(Z位置)は、Xミラーステージ60xの重心Gmx(図4参照)の高さ位置と概ね一致しており、Yボイスコイルモータ66y、及び一対のXボイスコイルモータ66xを介して付与される推力に起因してXミラーステージ60xがθxあるいはθy方向に回転すること(ピッチングモーメントの発生)が抑制される。
Xミラーステージ60xのX位置情報(及びθz方向の回転量情報)は、図6に示されるように、上述した一対のXレーザ干渉計58xにより、Xバーミラー64xの−Xの反射面を用いて求められる。Xレーザ干渉計58xは、固定の参照ミラー(不図示)に参照ビームを照射するとともに、Xバーミラー64xに測長ビームを照射し、上記参照ビームの参照ミラーからの反射光と、上記測長ビームのXバーミラー64xからの反射光との光に干渉に基づいて、参照ミラーのX位置を基準とするXバーミラー64x(−X側の反射面)のX位置情報(X軸方向の変位量情報)を求める。Xレーザ干渉計58xの出力は、不図示の主制御装置に供給される。
一対のX変位計70xは、基板ホルダ42とXミラーステージ60xとのX軸方向の相対移動(変位)量を求めるのに用いられる。一対のX変位計70xは、基板ホルダ42の−X側の側面に、Z位置がXバーミラー64x(すなわちXレーザ干渉計58x)のZ位置と概ね同じとなるように固定されている。一対のX変位計70xは、上述した一対のXレーザ干渉計58xの間隔とほぼ同じ間隔でY軸方向に離間して配置されている。本実施形態において、X変位計70xは、反射式のレーザ変位計が用いられており、Xバーミラー64xの+X側の反射面に測長ビームを照射し、該反射面からの反射ビームに基づいて、基板ホルダ42とXミラーステージ60xとの相対変位量を求める。ここで、X変位計70xは、Xレーザ干渉計58xと同等の(あるいはXレーザ干渉計58xよりも高い)分解能(計測精度)を有することが好ましい。Xバーミラー64xのZ方向寸法(高さ)は、微動ステージ38がZ・チルト方向に駆動されても、X変位計70xからの測長ビームが反射面から外れないように設定されている。
基板ホルダ42のX位置情報は、Xレーザ干渉計58xの出力と、X変位計70xの出力と、Xバーミラー64xの−X側の反射面(Xレーザ干渉計58x用の反射面)と、+X側の反射面(X変位計70x用の反射面)との間の距離(すなわち、既知であるXバーミラー64xの厚み)と、の合計により求められる。このため、Xバーミラー64xは、例えば熱によって厚み(X軸方向寸法)が変化しないように、熱膨張率の低い材料(例えばゼロデュア(登録商標))などにより形成されている。また、上述したミラー支持部材63、ベース部材62(それぞれ図1参照)も同様に、熱膨張率の低い材料で形成されている。また、Xバーミラー64xを含み、Xミラーステージ60xは、熱が均等に分散するように正面視(X軸方向から見て)熱対称構造となっており、Xバーミラー64xの変形が抑制されるようになっている。また、基板ホルダ42のθz方向の回転量情報は、上記一対のX変位計70xの出力に基づいて、Xミラーステージ60xを基準に求められる。
Yミラーステージ60yは、図2に示されるように、基板ステージ30と分離された状態で定盤22上に載置され、Y粗動ステージ34の−Y側であって、X粗動ステージ32が有する一対のYビーム44aの間に挿入されている。駆動系、計測系を含み、Yミラーステージ60yの構成及び機能は、上記Xミラーステージ60xと概ね同じである(ただし、Xミラーステージ60xをZ軸回りに、ほぼ90°回転させたように構成されている)。すなわち、Yミラーステージ60yは、図1に示されるように、ベース部材62、ミラー支持部材63、Yバーミラー64yを備えており、複数のエアベアリング61を介して定盤22上に載置されている。
Yミラーステージ60yは、図5(A)に示されるように、Xボイスコイルモータ66x、及び一対のYボイスコイルモータ66yを介してY粗動ステージ34から付与される推力により、XY平面内の位置制御が行われる。Yバーミラー64yの長手方向(X軸方向)の寸法は、図2に示されるように、基板ホルダ42のX軸に平行な辺(長辺)の寸法と同程度に(本実施形態では幾分長く)設定されており、Xバーミラー64xに比べて幾分長い。
Yミラーステージ60yのY位置情報(及びθz方向の回転量情報)は、図6に示されるように、上述した一対のYレーザ干渉計58yにより、Yバーミラー64yの−Y側の反射面を用いて求められる。また、基板ホルダ42に固定された一対のY変位計70yにより、基板ホルダ42に対するYミラーステージ60yのY軸方向の位置情報(及びθz方向の回転量情報)が、Yバーミラー64yの+Y側の反射面を用いて求められる。そして、基板ホルダ42のY軸方向の位置情報(及びθz方向の回転量情報)が、上記一対のYレーザ干渉計58yの出力と、一対のY変位計70yの出力と、既知であるYバーミラー64yの厚さ方向(Y軸方向)寸法と、に基づいて求められる。
なお、Xミラーステージ60xとY粗動ステージ34とのY軸方向に関する相対位置情報、及びYミラーステージ60yとY粗動ステージ34とのX軸方向に関する相対位置情報は、図1に示されるように、Y粗動ステージ34に固定された変位センサ68aの出力に基づいて求められる。なお、図1では、Yミラーステージ60yとY粗動ステージ34とのX軸方向に関する相対位置情報を求めるためのX変位センサのみが図示され、Xミラーステージ60xとY粗動ステージ34とのY軸方向に関する相対位置情報を求めるためのY変位センサは、Xミラーステージ60xのミラー支持部材63の紙面奥側に隠れている。
ここで、変位センサ68aは、微動ステージ38(基板P)の位置情報を求めるために用いられるものではないので、変位センサ68aの分解能は、上記Xレーザ干渉計58x、Yレーザ干渉計58y、X変位計70x、Y変位計70y(それぞれ図2参照)の分解能よりも低くても良い。変位センサ68aとしては、例えば、三角測量方式のレーザ変位計、過電流センサ、静電容量センサ、リニアエンコーダ、レーザ干渉計などを用いることができる。この場合、変位センサ68aに対向した状態でミラー支持部材63に取り付けられるターゲット68bも、変位センサ68aの種類に応じて、適宜選択すると良い。
また、図4に示されるように、Y粗動ステージ34には、ギャップセンサ69aが取り付けられている。ギャップセンサ69aは、Xミラーステージ60xに取り付けられたターゲット69bを用いて、Y粗動ステージ34とXミラーステージ60xとのX軸方向の間隔を計測する。なお、不図示であるが、Y粗動ステージ34には、Y粗動ステージ34とYミラーステージ60yとのY軸方向の間隔を計測するためのギャップセンサも取り付けられている。ギャップセンサ69aの出力は、微動ステージ38の位置情報を求めるためには用いられず、主に上記基板干渉計システムを用いて微動ステージ38のXY平面内の位置情報を高精度で求めることができない場合に、Xミラーステージ60x、Yミラーステージ60yとY粗動ステージ34(あるいは基板ホルダ42)との衝突を防止するために用いられる。従って、ギャップセンサ69aの分解能は、上記変位センサ68a(図1参照)よりも低くても良い。
また、不図示であるが、基板ステージ装置20(図2参照)は、Y粗動ステージ34に対してXミラーステージ60x、Yミラーステージ60yそれぞれを機械的に連結可能する連結装置を備えている。例えば、基板ステージ装置20の初期化時など、レーザ干渉計及びレーザ変位計を用いた基板ホルダ42の位置制御ができない場合には、上記連結装置を用いてY粗動ステージ34に対してYミラーステージ60y、Xミラーステージ60xそれぞれを連結することにより、Y粗動ステージ34とXミラーステージ60x、Yミラーステージ60yとの衝突を防止すると良い。さらに、不図示であるが、基板ステージ装置20は、Y粗動ステージ34に対するYミラーステージ60y、Xミラーステージ60xそれぞれの移動可能範囲を規定する機械的なストッパ装置を備えている。該ストッパ装置の作用により、仮にXミラーステージ60x、Yミラーステージ60y(あるいはY粗動ステージ34)の位置制御が不能となった場合であっても、Xミラーステージ60x、Yミラーステージ60yとY粗動ステージ34(あるいは基板ホルダ42)との衝突が防止される。
上述のようにして構成された液晶露光装置10(図1参照)では、主制御装置(不図示)の管理の下、不図示のマスクローダによって、マスクステージ14上へのマスクMのロード、及び不図示の基板ローダによって、基板ステージ装置20上への基板Pのロードが行なわれる。その後、主制御装置により、不図示のアライメント検出系を用いてアライメント計測が実行され、アライメント計測の終了後、ステップ・アンド・スキャン方式の露光動作が行なわれる。なお、この露光動作は従来から行われているステップ・アンド・スキャン方式と同様であるので、その詳細な説明は省略するものとする。上記基板Pのロード時、アライメント計測時、ステップ・アンド・スキャン方式の露光動作時において、上述した基板干渉計システムを用いて微動ステージ38のXY平面内の位置が適宜制御される。
以上説明した第1の実施形態に係る基板ステージ装置20によれば、基板Pを保持する微動ステージ38(基板ステージ30)と、基板Pの水平面内の位置情報を求めるために用いられるXバーミラー64x、Yバーミラー64y(Xミラーステージ60x、Yミラーステージ60y)とが、分離して配置されているので、微動ステージ38に干渉計システム用のバーミラーを固定する場合に比べ、微動ステージ38を軽量化することができる。また、微動ステージ38の重量バランスも良くなる。従って、基板Pの位置制御性が向上し、高精度の露光処理を行うことができる。
また、Xミラーステージ60x、Yミラーステージ60yが微動ステージ38に対して分離しているので、基板ステージ装置20の熱的なバランスが向上する。これにより、例えばバイメタル作用、あるいは温度分布(温度勾配)の発生によるXバーミラー64x、Yバーミラー64yの変形が抑制される。従って、干渉計システムを用いて基板Pの高精度の位置決め制御を長期的に行うことができる。
なお、上記第1の実施形態の基板ステージ装置20の構成は、適宜変更が可能である。例えば、図5(B)に示される基板ステージ装置120のように、Yミラーステージ60yにX軸方向の推力を付与するXボイスコイルモータ66xをYミラーステージ60yの−X側に、Xミラーステージ60xにY軸方向の推力を付与するYボイスコイルモータ66yをXミラーステージ60xの−Y側に、それぞれ追加的に配置しても良い。また、基板テーブル40にX軸方向の推力を付与するXボイスコイルモータ50xを基板テーブル40の−X側に一対、基板テーブル40にY軸方向の推力を付与するYボイスコイルモータ50yを基板テーブル40の−Y側に一対、それぞれ追加的に配置しても良い。この場合、基板ステージ装置120の熱的なバランスをさらに向上させることができる。
また、上記第1の実施形態では、図7(A)に示されるように、Xバーミラー64xの一面と他面との、ほぼ同じ高さ位置にXレーザ干渉計58xからの測長ビーム、及びX変位計70xからの測長ビームが照射されたが、反射面の位置は、これに限られない。例えば、図7(B)に示されるように、Xバーミラー164xの−X側の面に、+X側の面に反射面を有する別の平面ミラー65aを固定し、X変位計70xからの測長ビームがXバーミラー164xに形成された貫通孔65bを介して平面ミラー65aに照射されるようにしても良い。この場合、Xレーザ干渉計58xからの測長ビームを反射するXバーミラー164xの反射面のX位置と、X変位計70xからの測長ビームを反射する平面ミラー65aの反射面のX位置とが同じとなるので、基板ホルダ42(図4参照)の位置を求める際に、Xバーミラー164xのX軸方向の寸法(厚み)を考慮する必要がなく、仮にXバーミラー164xが、例えば熱により変形しても計測精度に影響がない。また、図7(C)に示されるように、Xバーミラー64xの上面に+X側の面に反射面を有する別の平面ミラー65cを固定し、X変位計70xからの測長ビームが平面ミラー65cに照射されるようにしても良い。この場合も、Xバーミラー64xが、例えば熱により変化しても計測精度に影響がない。なお、平面ミラー65a,65cは、少なくとも一対のX変位計70xからの測長ビームが照射される位置に配置されていれば良く、Xバーミラー164xのようにバーミラー(換言すると長尺鏡)でなくてもよい。上記図7(B)及び図7(C)に示される変形例は、Yバーミラー64y(図1参照)に適用することができる。
また、Xミラーステージ60x、Yミラーステージ60yにおいて、ベース部材62、及びミラー支持部材63(Xバーミラー64x、Yバーミラー64yを除く部分)は、中実に形成されても中空に形成されても良い。中空とする場合には、内部に補剛用のリブなどを配置すると良い。また、図8に示される基板ステージ装置220ように、Xミラーステージ260x、Yミラーステージ260yを、熱の影響による伸縮の少ない材料(例えばCFRP(Carbon Fiber Reinforced Plastics))により形成された棒状の部材を複数組み合わせたトラス構造としても良い。なお、図面の錯綜を避ける観点から、図8では、重量キャンセル装置36、及び微動ステージ駆動系を構成する複数のボイスコイルモータの図示が省略されている。
《第2の実施形態》
次に第2の実施形態及びその変形例に係る液晶露光装置について、図9〜図13を用いて説明する。第2の実施形態に係る液晶露光装置の構成は、基板ステージ装置80の一部の構成が異なる点を除き、上記第1の実施形態と同じであるので、以下、相違点についてのみ説明し、上記第1の実施形態と同じ構成及び機能を有する要素については、上記第1の実施形態と同じ符号を付してその説明を省略する。
上記第1の実施形態において、Yミラーステージ60y、及びXミラーステージ60xそれぞれは、重量キャンセル装置36とともに定盤22上に載置されたのに対し(それぞれ図2及び図3参照)、本第2の実施形態では、図9及び図10に示されるように、重量キャンセル装置36(図9では不図示)とXミラーステージ60xとが第1ステップ定盤96上に載置され、Yミラーステージ60yが第2ステップ定盤98上に載置される点が異なる。また、上記第1の実施形態では、X粗動ステージ32上にY粗動ステージ34が載置されたのに対し(それぞれ図2参照)、本第2の実施形態では、図9に示されるように、Y粗動ステージ92上にX粗動ステージ94が載置される点が異なる。
図9に示されるように、基板ステージ装置80は、一対のベースフレーム82、基板ステージ90、第1ステップ定盤96、第2ステップ定盤98、Yミラーステージ60y、及びXミラーステージ60xを備えている。ベースフレーム82は、上記第1の実施形態のベースフレーム24(図2参照)をθz方向に、ほぼ90°回転させたような構成の部材であり、Y軸方向に延びている点、及び長手方向の寸法が幾分短い点を除き、ベースフレーム24と同様の構成及び機能を有している。基板ステージ90は、Y粗動ステージ92、X粗動ステージ94、重量キャンセル装置36(図9では不図示。図10参照)、微動ステージ38を有している。
Y粗動ステージ92は、上記第1の実施形態に係るX粗動ステージ32(図2参照)をθz方向に、ほぼ90°回転させたような構成の部材であり、一対のベースフレーム82上に架設された一対のXビーム93aを有し、一対のベースフレーム82上をY軸方向に所定の長ストロークで駆動される。X粗動ステージ94は、上記第1の実施形態に係るY粗動ステージ34(図2参照)とほぼ同じ構成の部材であり、Y粗動ステージ92上に載置され、該Y粗動ステージ92上でX軸方向に所定の長ストロークで駆動される。Y粗動ステージ92、X粗動ステージ94の駆動系、及び計測系については、上記第1の実施形態と同様であるので、説明を省略する。重量キャンセル装置36(図10参照)、及び微動ステージ38(駆動系も含む)の構成も、上記第1の実施形態と実質的に同じであるので、説明を省略する。
第1ステップ定盤96は、X軸方向に延びるYZ断面矩形の部材から成り、一対のXビーム93a間に配置されている。第1ステップ定盤96のX軸方向(長手方向)の寸法は、上記第1の実施形態における定盤22(図2参照)のX軸方向の寸法と同程度に設定されている。これに対し、第1ステップ定盤96のY軸方向(幅方向)の寸法は、定盤22よりも短く、重量キャンセル装置36(図9では不図示。図10参照)のフットプリントと同程度に設定されている。第1ステップ定盤96は、図10に示されるように、下架台部18aの上面に固定されたYリニアガイド81aと、第1ステップ定盤96の下面に固定された複数(紙面奥行き方向に重なっている)のYスライド部材81bとにより構成される複数のYリニアガイド装置81を介してY軸方向に直進案内されている。
図9に戻り、第1ステップ定盤96は、一対のXビーム93aに対して複数のフレクシャ97を介して機械的に接続されており、Y粗動ステージ92と一体的にY軸方向に移動する。駆動系、計測系を含み、Xミラーステージ60xの構成は、上記第1の実施形態と実質的に同じであるので、説明を省略する。重量キャンセル装置36(図10参照)、及びXミラーステージ60xは、X粗動ステージ94がX軸方向にのみ移動する場合、静止状態の第1ステップ定盤96上をX軸方向に移動し、X粗動ステージ94がY軸方向に移動する場合(X軸方向への移動を伴う場合も含む)、第1ステップ定盤96と共にY軸方向に移動する。従って、微動ステージ38の位置に関わらず、Xミラーステージ60xが第1ステップ定盤96から脱落しない。
図9に戻り、第2ステップ定盤98は、X軸方向に延びるYZ断面矩形の部材から成り、−Y側のXビーム93aの−Y側に配置されている。第2ステップ定盤98上には、Yミラーステージ60yが載置されている。駆動系、計測系を含み、Yミラーステージ60yの構成は、上記第1の実施形態と実質的に同じであるので、説明を省略する。第2ステップ定盤98のX軸方向(長手方向)の寸法は、第1ステップ定盤96よりも短く設定されており、第1ステップ定盤96の−X側の端部近傍が、第2ステップ定盤98の−X側の端部よりも−X側に延びて(突き出して)いる。これは、第1ステップ定盤96が、重量キャンセル装置36(図10参照)、及びXミラーステージ60xをガイドする必要があるのに対し、第2ステップ定盤98は、Yミラーステージ60yのみをガイドすれば良いからである。なお、第1ステップ定盤96において、上記突き出した部分(Xミラーステージ60xのみをガイドする部分)は、その他の部分(重量キャンセル装置36をガイドする必要がある部分)よりもZ軸方向の剛性が低くても良い。
第2ステップ定盤98は、第1ステップ定盤96に対して複数のフレクシャ99を介して機械的に接続されており、第1ステップ定盤96と一体的にY軸方向に移動する。従って、微動ステージ38の位置に関わらず、Yミラーステージ60yが第2ステップ定盤98から脱落しない。なお、第2ステップ定盤98は、Y粗動ステージ92に接続されても良い。また、第1ステップ定盤96、第2ステップ定盤98それぞれをY粗動ステージ92から分離して配置し、独立した駆動系(例えばリニアモータ)によりY位置制御しても良い。以上説明した第2の実施形態でも、上記第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
なお、上記第2の実施形態の基板ステージ装置80の構成は、適宜変更が可能であり、例えば、図11(A)〜図13に示されるような変更が可能である。なお、図11(A)〜図12では、重量キャンセル装置36、微動ステージ38(それぞれ図10参照)の図示が省略されている。図11(A)に示される変形例では、Xミラーステージ360x、Yミラーステージ360yそれぞれのベース部362がYZ断面逆U字状に形成されている。Xミラーステージ360xのベース部362の一対の対向面間には、第1ステップ定盤96が挿入され、Yミラーステージ360yのベース部362の一対の対向面間には、第2ステップ定盤98が挿入されている。ベース部362それぞれの一対の対向面、及び天井面には、不図示のエアベアリングが配置されており、該エアベアリングから第1ステップ定盤96、第2ステップ定盤98の上面、及び両側面に加圧気体が噴出され、該加圧気体の静圧により、Xミラーステージ360xが第1ステップ定盤96上に、Yミラーステージ360yが第2ステップ定盤98上に、それぞれ非接触で載置されている。Xミラーステージ360xは、ベース部362の作用により、第1ステップ定盤96に対するY軸方向の相対移動が制限され、Yミラーステージ360yは、ベース部362の作用により、第2ステップ定盤98に対するY軸方向の相対移動が制限される。従って、第1ステップ定盤96、第2ステップ定盤98それぞれをY軸方向に移動させることにより、Xミラーステージ360x、Yミラーステージ360yそれぞれをY軸方向に移動させることができ、Xミラーステージ360x、Yミラーステージ360yをY軸方向に駆動するためのアクチュエータ(上記第1及び第2の実施形態のYボイスコイルモータ66y(図5(A)参照)に相当)が不要となる。
また、図11(B)に示される変形例のように、第2ステップ定盤498のZ軸方向寸法(高さ)を図11(A)に示される変形例に比べて大きく(高く)しても良い。この場合、Yミラーステージ460yのミラー支持部材463のZ軸方向寸法が短くなり、Yミラーステージ460yの重心GmyのZ位置が低くなる(重心Gmyがベース部462内となる)。従って、第2ステップ定盤498を用いてYミラーステージ460yをY軸方向に移動させる際に、Yミラーステージ460yに作用するピッチングモーメントを低減できる(なお、Xミラーステージ360xがθx方向に微少角度回転しても、Xミラーステージ360xのX位置の計測精度には影響がない)。
また、図12及び図13に示される変形例のように、Xミラーステージ60x、Yミラーステージ60yそれぞれを、X粗動ステージ94(便宜上、上記第2の実施形態と同じ符号を用いる)に対して複数のフレクシャ84を介して機械的に、且つXY平面に交差する方向に関して振動的に分離された状態で接続しても良い。フレクシャ84としては、Y粗動ステージ34と重量キャンセル装置36とを接続するフレクシャ49(それぞれ図5(A)参照)と同様の構成のものを用いると良い。複数のフレクシャ84は、そのZ位置がXミラーステージ60x、Yミラーステージ60yの重心高さGmx、Gmy(それぞれ図1参照)のZ位置とほぼ一致するように支柱85を介してX粗動ステージ94に一端が取り付けられている。なお、図13では不図示であるが、Yミラーステージ60yをY軸方向に牽引するためのフレクシャ、及びXミラーステージ60xをX軸方向に牽引するためのフレクシャが、Xバーミラー64x、Yバーミラー64yの紙面奥側に配置されている。この場合、Xミラーステージ60x、Yミラーステージ60yそれぞれが、フレクシャ84を介してX粗動ステージ94に牽引されるので、Xミラーステージ60x、Yミラーステージ60yそれぞれを駆動するためのアクチュエータ(上記第1及び第2の実施形態のYボイスコイルモータ66x、66y(図5(A)参照)に相当)が不要となる。従って、構造が簡単になり、コストダウンが可能となる。また、発熱源であるボイスコイルモータが不要となるので、Xバーミラー64x、Yバーミラー64yの熱変形も抑制することができる。
また、上記第2の実施形態の変形例としては、不図示であるが、一対のXビーム93aを図9よりも離間して配置し、該一対のXビーム93a間に、第1ステップ定盤96、及び第2ステップ定盤98(あるいは、Xミラーステージ60x、及びYミラーステージ60yの両方が載置されるひとつのステップ定盤)を配置しても良い。
《第3の実施形態》
次に第3の実施形態に係る液晶露光装置について、図14を用いて説明する。第3の実施形態に係る液晶露光装置の構成は、微動ステージ38の位置計測系の一部の構成が異なる点を除き、上記第1あるいは第2の実施形態と同じであるので、以下、相違点についてのみ説明し、上記第1あるいは第2の実施形態と同じ構成及び機能を有する要素については、上記第1あるいは第2の実施形態と同じ符号を付してその説明を省略する。
上述したように、上記第1の実施形態において、微動ステージ38とXミラーステージ60xに関して、X軸方向の相対位置情報は、X変位計70xにより求められ、Y軸方向の相対位置情報は、変位センサ68aによりY粗動ステージ34を介して間接的に求められた(それぞれ図1参照。ただし、Y粗動ステージ34とXミラーステージ60xとのY軸方向の相対位置情報を求めるための変位センサ68aは、不図示)。これに対し、本第3の実施形態では、図14に示されるように、Xミラーステージ60xが有する反射型のYスケール72と、基板ホルダ42に固定されたYX2次元エンコーダヘッド74とを含むXY2次元エンコーダシステムにより、基板ホルダ42とXミラーステージ60xとのX軸方向、及びY軸方向の相対位置情報が直接的に求められる。また、不図示であるが、Yミラーステージ60yが有する反射型のXスケールと、基板ホルダ42に固定されたXY2次元エンコーダヘッドとを含むXY2次元エンコーダシステムにより、基板ホルダ42とYミラーステージ60yとのX軸方向、及びY軸方向の相対位置情報が求められる。
Yスケール72は、Xバーミラー64xの+X側の面に固定されている。Yスケール72の表面(+X側面)は、反射面とされ、Y軸方向を周期方向とする回折格子が形成されている。YX2次元エンコーダヘッド74は、例えば米国特許第7,561,280号明細書に開示されるようなエンコーダヘッドと同様に構成されており、Yスケール72とYX2次元エンコーダヘッド74とによりXY2次元エンコーダシステムが構成されている。ここで、2次元エンコーダヘッド74に代えて、1次元エンコーダヘッドを2つ組み合わせたものをXY2次元計測用のエンコーダヘッドとして用いても良い。また、不図示であるが、Yミラーステージ60yが有するXスケールには、X軸方向を周期方向とする回折格子が形成されている。なお、図面の錯綜を避ける観点から、図14では、重量キャンセル装置36、及び微動ステージ駆動系を構成する複数のボイスコイルモータの図示が省略されている。
本第3の実施形態によれば、上記XY2次元エンコーダシステムによって、直接的に基板ホルダ42とXミラーステージ60x、及びYミラーステージ60yそれぞれに対するXY平面内の相対位置情報が求められるので、上記第1の実施形態のような変位センサ68a(図1参照)が不要となり、装置構成が簡単になる。
なお、上記第3の実施形態において、微動ステージ38のZ・チルト方向の位置情報は、上記第1及び第2の実施形態と同様に複数のZセンサ52(図14では不図示。図10参照)により求められるのに対し、図15に示される変形例のように、Xミラーステージ60x、Yミラーステージ60y(図15では不図示。図14参照)が有する2次元スケール72aを用いて、基板ホルダ42に固定された、少なくとも3つの2次元エンコーダヘッド74a(図15では、ひとつのみ図示)により求められても良い。
図15に示される変形例において、Xミラーステージ60xが有するXバーミラー64xの+X側の面には、Y軸及びZ軸方向を周期方向とする2次元回折格子(Y/Z2次元スケール)が形成された反射型の2次元スケール72aが取り付けられている。また、不図示であるが、Yミラーステージ60yが有するYバーミラー64y(それぞれ図14参照)の+Y側の面に取り付けられた反射型の2次元スケールには、X軸及びZ軸方向を周期方向とする2次元回折格子(X/Z2次元スケール)が形成されている。上記2次元スケール72に対向して、基板ホルダ42の−X側の端部には、3次元エンコーダヘッド74aがY軸方向に離間して一対(図15では一方は不図示)固定されている。また、不図示であるが、同様に基板ホルダ42の−Y側の端部には、上記X/Z2次元スケールに対向して3次元エンコーダヘッドがX軸方向に離間して一対固定されている。
そして、複数のZボイスコイルモータ50zにより微動ステージ38がZ・チルト方向に駆動されると、不図示の主制御装置は、複数(少なくとも3つ)の3次元エンコーダヘッド74aの出力に基づいて、Xミラーステージ60x、及びYミラーステージ60yに対する基板ホルダ42のZ・チルト方向の変位量を求める。また、主制御装置は、基板ホルダ42の−X側の端部に固定された、例えば2つの3次元エンコーダヘッド74aの出力に基づいて、Xミラーステージ60xに対する基板ホルダ42のX軸及びY軸方向の相対変位量を求める。同様に、主制御装置は、基板ホルダ42の−Y側の端部に固定された、例えば2つの3次元エンコーダヘッドの出力に基づいて、Yミラーステージ60y(図15では不図示。図14参照)に対する基板ホルダ42のX軸及びY軸方向の相対変位量を求める。このように、Xミラーステージ60x、及びYミラーステージ60yを用いて微動ステージ38のZ・チルト位置情報が求められるので、上記第2の実施形態のような複数のZセンサ52(図10参照)が不要となり、微動ステージ38が軽量化する。なお、3次元エンコーダヘッド74aに代えて、1次元エンコーダヘッドを3つ組み合わせたものを3次元計測用のエンコーダヘッドとして用いても良い。基板ホルダ42の−Y側の端部に固定される3次元エンコーダヘッドについても同様に、1次元エンコーダヘッドを3つ組み合わせたもの用いることができる。
なお、以上説明した第1〜第3の実施形態で説明した構成は、適宜変更可能である。例えば、上記第1〜第3の実施形態では、互いに直交する2軸方向に関する微動ステージ38の位置情報を求めるために、X位置情報計測用のXミラーステージ60xとY位置情報計測用Yミラーステージ60yとが配置されたが、これに限られず、例えば微動ステージ38のX位置情報は、上記第1〜第3の実施形態のようにXミラーステージ60xを用いて求め、微動ステージ38のY位置情報は、従来の光干渉計システムと同様に、微動ステージ38に固定されたバーミラーを用いて求めても良い(Y位置情報をYミラーステージ60yを用いて求め、X位置情報を微動ステージ38に固定されたバーミラーを用いて求めても良い)。
また、Xミラーステージ60x、Yミラーステージ60yをX軸方向に駆動するためのXボイスコイルモータ66xと、Y軸方向駆動するためのYボイスコイルモータ66yとが、個別に配置されていたが、これに限られず、例えばXY2自由度モータによりXミラーステージ60x、Yミラーステージ60yをXY平面に沿って駆動しても良い。
また、レーザ干渉計システムによる位置情報の計測対象物は、基板Pを保持する微動ステージ38であったが、これに限られず、例えばマスクステージ14、X粗動ステージ32、Y粗動ステージ34など、その他の移動体であっても良い。
また、X変位計70xがXミラーステージ60xに、Y変位計70yがYミラーステージ60yにそれぞれ設けられ、該X変位計70x、Y変位計70yに対応する反射面が基板ホルダ42に設けられても良い。
また、上記第1の実施形態におけるX粗動ステージ32、第2及び第3の実施形態におけるY粗動ステージ92は、一対のビーム状部材を有していたが、これに限られず、X軸方向に延びる長穴が形成された板状の部材であっても良い。また、重量キャンセル装置36は、微動ステージ38に対してXY平面に平行な方向に相対移動可能に配置されたが、これに限られず、微動ステージ38と一体化されていても良い。この場合、重量キャンセル装置36を牽引するためのフレクシャ49が不要となる。また、基板ホルダ42には、基板搬送用の部材(基板トレイなどと称される)を収容するための溝、基板Pを基板ホルダ42から離間されるためのリフトピンなどが設けられても良い。また、微動ステージ38は、基板テーブル40を有していなくても良い。
また、照明光は、ArFエキシマレーザ光(波長193nm)、KrFエキシマレーザ光(波長248nm)などの紫外光や、F2レーザ光(波長157nm)などの真空紫外光であっても良い。また、照明光としては、例えばDFB半導体レーザ又はファイバーレーザから発振される赤外域、又は可視域の単一波長レーザ光を、例えばエルビウム(又はエルビウムとイッテルビウムの両方)がドープされたファイバーアンプで増幅し、非線形光学結晶を用いて紫外光に波長変換した高調波を用いても良い。また、固体レーザ(波長:355nm、266nm)などを使用しても良い。
また、投影光学系16が複数本の光学系を備えたマルチレンズ方式の投影光学系である場合について説明したが、投影光学系の本数はこれに限らず、1本以上あれば良い。また、マルチレンズ方式の投影光学系に限らず、オフナー型の大型ミラーを用いた投影光学系などであっても良い。また、投影光学系16としては、拡大系、又は縮小系であっても良い。
また、露光装置の用途としては角型のガラスプレートに液晶表示素子パターンを転写する液晶用の露光装置に限定されることなく、例えば有機EL(Electro-Luminescence)パネル製造用の露光装置、半導体製造用の露光装置、薄膜磁気ヘッド、マイクロマシン及びDNAチップなどを製造するための露光装置にも広く適用できる。また、半導体素子などのマイクロデバイスだけでなく、光露光装置、EUV露光装置、X線露光装置、及び電子線露光装置などで使用されるマスク又はレチクルを製造するために、ガラス基板又はシリコンウエハなどに回路パターンを転写する露光装置にも適用できる。
また、露光対象となる物体はガラスプレートに限られず、例えばウエハ、セラミック基板、フィルム部材、あるいはマスクブランクスなど、他の物体でも良い。また、露光対象物がフラットパネルディスプレイ用の基板である場合、その基板の厚さは特に限定されず、例えばフィルム状(可撓性を有するシート状の部材)のものも含まれる。なお、本実施形態の露光装置は、一辺の長さ、又は対角長が500mm以上の基板が露光対象物である場合に特に有効である。
液晶表示素子(あるいは半導体素子)などの電子デバイスは、デバイスの機能・性能設計を行うステップ、この設計ステップに基づいたマスク(あるいはレチクル)を製作するステップ、ガラス基板(あるいはウエハ)を製作するステップ、上述した各実施形態の露光装置、及びその露光方法によりマスク(レチクル)のパターンをガラス基板に転写するリソグラフィステップ、露光されたガラス基板を現像する現像ステップ、レジストが残存している部分以外の部分の露出部材をエッチングにより取り去るエッチングステップ、エッチングが済んで不要となったレジストを取り除くレジスト除去ステップ、デバイス組み立てステップ、検査ステップ等を経て製造される。この場合、リソグラフィステップで、上記実施形態の露光装置を用いて前述の露光方法が実行され、ガラス基板上にデバイスパターンが形成されるので、高集積度のデバイスを生産性良く製造することができる。