以下、複数の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、各実施形態において対応する構成要素には同一の符号を付すことにより、重複する説明を省略する場合がある。各実施形態において構成の一部分のみを説明している場合、当該構成の他の部分については、先行して説明した他の実施形態の構成を適用することができる。また、各実施形態の説明において明示している構成の組み合わせばかりではなく、特に組み合わせに支障が生じなければ、明示していなくても複数の実施形態の構成同士を部分的に組み合せることができる。
(第1実施形態)
本開示の第1実施形態による照明装置20は、車両に搭載され、車両の乗員を撮像するための照明光を発光する。照明装置20は、撮像装置10等と共に、撮像システム9を構成している。本実施形態の撮像システム9は、車両の乗員、特に運転者の顔を撮像対象として撮像し、その画像を処理することで、運転者の居眠りやわき見等の状態を監視するドライバステータスモニタ(Driver Status Monitor、DSM)に利用されている。
図1に示すように、本実施形態の照明装置20は、撮像システム9と一体的に形成された車両用表示装置100の内部に配置されている。したがって、照明装置20は、車両用表示装置100と共に、視認者としての乗員が着座する座席とは対向するインストルメントパネルに設置されている。
車両用表示装置100は、指針60が指標42を指示することによるアナログ表示と、画像表示器38が表示する画像によるデジタル表示とを組み合わせたコンビネーションメータを構成しており、視認側へ向けて情報を表示する。表示される情報としては、例えば車両の速度、エンジン回転数、燃料残量、エンジン冷却水の水温、電動モータの電流値、その他車両の異常等の車両の状態が挙げられる。その他表示される情報としては、例えば警報、道路情報、視界補助情報、電子メール等の各種情報が挙げられる。
このような車両用表示装置100は、画像表示器38、表示板40、表示用光源部50、及び指針60の他、撮像システム9等により構成されている。
画像表示器38は、装置100の略中央に配置されている。本実施形態において画像表示器38は、薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor、TFT)を用いた透過型の液晶パネルであって、2次元方向に配列された複数の液晶画素から形成されたアクティブマトリクス型の液晶パネルが採用された液晶表示器となっている。なお、画像表示器38としては、液晶表示器以外の有機ELディスプレイ等が採用されていてもよい。
表示板40は、一般的に文字板とも呼ばれており、車両用表示装置100において、視認側に筒状に形成された見返し板及び見返し板の視認側開口部を塞ぐ透明板に囲まれた空間に露出する露出部品である。表示板40は、例えばポリカーボネイト樹脂ないしはアクリル樹脂等の合成樹脂からなる透光性の基材の表面に、半透光性又は遮光性の印刷が部分的又は全体的に施されて、平板状に形成されている。なお、印刷に代えて、塗装が施されていてもよく、近赤外光を透過する光学樹脂又は光学フィルタ材が貼付等により表示板40に保持されていてもよい。
表示板40は、画像表示器38よりも視認側に配置されている。表示板40において画像表示器38と重なる箇所には、例えば開口穴41が開けられており、画像が表示板40と干渉せずに視認側に表示される。表示板40において、画像表示器38を挟んだ左右の領域には、指針60に指示される指標42がそれぞれ形成されている。表示板40の指標42は、可視光源部により、視認側とは反対側(以下、反視認側という)から照明される。
表示用光源部50は、図2に示すように、表示板40よりも反視認側に配置されており、可視表示光を発光する複数の表示用発光素子51を有している。各表示用発光素子51には、例えば発光ダイオード素子が採用されており、各表示用発光素子51は、基板70上の導通パターンを通じて電源と接続されることで、表示板40に向けて可視表示光を発光する。特に本実施形態では、各表示用発光素子51としては、400〜800nm程度の波長の範囲に広く分布した光からなる白色光が採用されている。
表示板40には、上述の印刷により、遮光領域SA及び表示領域DAが形成されている。遮光領域SAは、表示板40の多くの面積を占めており、例えば遮光性の印刷により暗色(例えば黒色)をなすことで、反視認側からの可視表示光を遮光している。表示領域DAは、半透光性の印刷が施されることないしは印刷が施されないことにより、反視認側からの可視光源光を透過するようになっており、指標42が表示領域DAに設定されていることにより、当該指標42が発光して表示されている。
指針60は、表示板40の左右の領域にそれぞれ対応して複数設けられている。特に本実施形態では、指針60が左右の領域に1つずつ設けられている。各指針60は、連結部61及び指示部62を一体的に有している。連結部61は、表示板40よりも反視認側に配置されており、平板状の基板に保持されたステッピングモータ63の回転軸と連結されている。指示部62は、表示板40よりも視認側に配置されており、針状を呈していることで、指標42を指示可能となっている。
各指針60は、ステッピングモータ63の出力に応じて指針軸まわりに回動するようになっており、それぞれ対応する指標42を指示することにより、指示位置に応じた情報を表示するようになっている。特に本実施形態では、左側の指針60及び指標42により、車両の速度が表示され、右側の指針60及び指標42により、車両のエンジン回転数が表示されるようになっている。
撮像システム9は、図3に示すように、撮像装置10及び照明装置20等により構成されている。撮像装置10は、車両の乗員(特に本実施形態では運転者の顔)を撮像する。具体的に図4に示すように、撮像装置10は、カメラ11、カメラカバー部13及び画像処理部14を有している。カメラ11は、表示板40よりも反視認側の、例えば画像表示器38の脇に配置されている。
カメラ11は、検出素子11a、及び検出素子11a上に撮像対象を結像するためのレンズ11bを有している。検出素子11aとしては、例えばCMOSセンサ等、可視光から可視光の上界の波長の光(近赤外光を含む)にかけて良好な感度を持ち、検出する像の解像度が高い素子が採用されている。ここで、可視光の上界の波長の光(以下、可視上界光という)とは、780〜830nmの人間が視認できる上界に近い波長の光を意味している。
表示板40においてカメラ11と対向する箇所は、例えば印刷によって、近赤外光透過フィルタ層43が設けられることで、カメラ11を視認側から覆うカメラカバー部13が平板状に形成されている。近赤外光透過フィルタ層43は、可視上界光を含む近赤外光を透過すると共に、可視上界光よりも短波長の可視光の透過率が低く設定されていることで、検出素子により可視上界光を含む近赤外光を検出可能としつつ、視認側の乗員からカメラが明確に視認されないようになっている。
画像処理部14は、少なくとも1つのプロセッサ、メモリ、入出力インターフェース等を基板70上に実装した電子回路を主体として構築されている機能ブロックとして、実現されている。プロセッサは、入出力インターフェースを通じて入力された検出素子からの信号に基づいて、メモリに記憶されているコンピュータプログラムを実行することで、画像処理を実施可能となっている。より詳細に、画像処理部は、検出素子11aから入力された信号から、撮像対象が撮像された画像データを生成する。生成された画像データは、そのまま車両のECU(Electric Control Unit)等の車両用表示装置100の外部に出力され、当該ECUで解析されるようにしてもよいし、画像処理部14が画像データを解析し、運転者の居眠りやわき見の有無を判定するようにしてもよい。
照明装置20は、図5に示すように、撮像装置10に撮像される乗員を照明光により照明する。照明装置20は、面発光部21、照明カバー部30及び照明制御部35を有している。面発光部21は、車両用表示装置100において、表示板40よりも反視認側の可視光源部とは遮光壁71を隔てて区画された空間に配置されている。
表示板40において面発光部21と対向する箇所は、近赤外光透過フィルタ層44が設けられることで、面発光部21を視認側から覆う照明カバー部30が平板状に形成されている。近赤外光透過フィルタ層44は、カメラカバー部13と同様に、可視上界光を含む近赤外光を透過すると共に、可視上界光よりも短波長の可視光の透過率が低く設定されている。
また、本実施形態の照明カバー部30において、車両用表示装置100の空間に露出する視認側表面は、車両用表示装置100の周辺部品であるインストルメントパネル、ステアリング部品、又はメータフードの表面加工に合わせた凹凸による加飾模様が施されている。なお、加飾模様は、印刷又はフィルムの貼付により施されていてもよく、この場合、例えば金属調、カーボン調、木目調等の加飾模様が採用され得る。こうした加飾模様により、照明カバー部30の見栄えと上述の周辺部品との見栄えの差が小さくなり、照明装置20の存在が目立ち難くなる。
面発光部21は、近赤外発光素子22及び面発光化光学素子23を有している。近赤外発光素子22には、例えば発光ダイオードが採用されている。近赤外発光素子22は、基板70の視認側表面に保持され、基板70上の導通パターンを通じて電源と接続されることで、可視上界光を含む近赤外光を発光する。特に本実施形態では、例えば850nmにピーク波長を有し、半値幅が30〜40nm程度の波長特性を有する近赤外発光素子22が採用されている。
面発光化光学素子23は、近赤外発光素子22と照明カバー部30との間に配置され、例えばポリカーボネイト樹脂ないしはアクリル樹脂等の合成樹脂からなる透光性の基材を主体に形成されているプリズムレンズである。面発光化光学素子23は、近赤外発光素子22からの可視上界光を含む近赤外光を導入する導入部24、及び導入部24に導入された可視上界光を含む近赤外光を面発光化して射出する面発光化部25を有している。
導入部24は、面発光化部25から反視認側に突出して形成され、近赤外発光素子22と僅かな隙間で対向する導入面24aを有している。導入面24aは、鏡面状に形成され、近赤外発光素子22が発光した可視上界光を含む近赤外光を、効率良く、基材内部に導入する。基材内部に導入された可視上界光を含む近赤外光は、導入部24において側壁を形成する側壁反射面24bに反射されながら、視認側の面発光化部25へ導光される。
面発光化部25は、導入面24aの視認側に配置された偏向反射面25a、及び偏向反射面25aから照明カバー部30の延設方向に沿って延びる板部25bを有している。偏向反射面25aは、導入部24に導光された可視上界光を含む近赤外光を、板部25bに向かう方向に偏向するように、反射する。
板部25bは、照明カバー部30と対向する対向面25c、及び対向面25cとは板部25bの本体を挟んで反対側に形成された背面25dを有している矩形板状に形成されている。対向面25cと背面25dとの間隔は、偏向反射面25aから遠ざかるに従って、漸次小さくなるように、対向面25c及び背面25dの角度が調整されている。本実施形態において、対向面25c及び背面25dは、それぞれシボ加工等が施されることにより、粗面状に形成されている。こうして可視上界光を含む近赤外光は、対向面25c及び背面25dにより拡散されることとなり、面発光化される。
したがって、面発光部21は、可視上界光を含む近赤外光としての照明光を、面状発光する。特に本実施形態の面発光部21は、板部25bの形状に基づいた矩形面状に、照明光を面状発光する。面状発光された照明光は、照明カバー部30を透過して、車両の乗員を照明する。
照明制御部35は、少なくとも1つのプロセッサ、メモリ、入出力インターフェース等を基板70上に実装した電子回路を主体として構築されている機能ブロックとして、実現されている。この電子回路は、照明装置20のために個別に設けられていてもよく、撮像装置10の画像処理部14を実現する電子回路と共通化されていてもよく、さらには、画像表示器38、指針60等を制御するための制御回路と共通化されていてもよい。
照明制御部35は、車両のイグニッションスイッチのオン及びオフ等に応じて、近赤外発光素子22の点灯及び消灯を制御し、近赤外発光素子22が点灯されている場合には、その発光量を制御する。
偏向反射面25a、対向面25c及び背面25dの角度の設定、並びに対向面25c及び背面25dの粗面状態の設定により、配光が調整され、可視上界光を含む近赤外光の面発光化における単位面積当たりの光度(輝度に対応)の分布(図5の右側参照)が任意に実現される。
そして、本実施形態では、面発光部21において、単位面積当たりの照明光の光度が最大となる最大箇所MPが、対向面25cの略中央に形成されている。この最大箇所MPは、上述の分布におけるピーク箇所PPに対応しており、本実施形態では当該最大箇所MPが1箇所形成されている。そして、最大箇所MPから離れるに従って、なだらかに単位面積当たりの照明光の光度が低下するようになっている。
ここで光度は、一般的に知られている通り、放射強度を波長毎の視感度で重み付けして算出される。本実施形態の照明光は、近赤外光であるが、0よりも大きな視感度を有する、780〜830nmの波長の光(すなわち可視上界光)を含むものであるから、照明光の光度も0より大きな値を有する。
面発光部21において、こうした最大箇所MPにおける単位面積当たりの照明光の光度は、照明装置20を視認した乗員が可視上界光を独立したものとして相対的に感知可能となる下限値である感知限界値CVよりも小さくなるように設定されている。ここで感知限界値CVとは、本実施形態において新たに開示される概念であり、最大箇所MPにおける単位面積当たりの照明光の光度が感知限界値CV以上であれば、乗員は、照明装置20を視認する際に、最大箇所MPにおいて可視上界光の発光を独立に感知し得る。一方で、最大箇所MPにおける単位面積当たりの照明光の光度が感知限界値CVよりも小さければ、乗員は、可視上界光の発光を独立したものとして感知することができない。
こうした感知限界値CVは、常に一定の絶対値ではなく、周辺環境に対する依存性があり、周囲の環境によっても上下する。例えば夜など、車内が暗い場合には、乗員は可視上界光を独立したものとして感知し易くなるため、感知限界値CVは低下する。一方で、例えば昼など、車内が明るい場合には、可視上界光が周囲の外光の中に存在することとなり、乗員は可視上界光を独立したものとして感知し難くなるため、感知限界値CVは上昇する。
また、上述の照明カバー部30の加飾模様によっても、迷彩のような擬装効果によって、乗員は可視上界光を独立したものとして感知し難くなるため、照明カバー部30に模様がない場合よりも感知限界値CVは上昇する。
こうして面発光部21が面状発光する照明装置20では、単位面積での放射照度は小さくなるものの、発光面積を広く設定することにより、単位面積での放射照度と発光面積との積で得られる照明光の放射エネルギーの総量を確保することにより、車両の乗員を照明するために十分な照明光を提供することができる。
したがって、照明制御部35は、感知限界値CVの上下に応じて、近赤外発光素子の発光量(放射エネルギーの量)を変化させるようにしてもよいし、感知限界値CVが低下した場合には、当該発光量を変化させずに、照明光の放射エネルギーの総量の確保を優先するようにしてもよい。
(作用効果)
以上説明した第1実施形態の作用効果を改めて以下に説明する。
第1実施形態の照明装置20によると、面発光部21が可視上界光を含む近赤外光としての照明光を、面状発光するようになっているので、発光を面状に分散させることで、単位面積当たりの光度を低下させることができる。そして、面発光部21のうち単位面積当たりの光度が最大となる最大箇所MPにおいても、単位面積当たりの光度が感知限界値CVよりも小さくなるように、発光が分散される。故に、乗員が面発光部21の方を見た場合に、可視上界光を、独立したものとして感知することが困難となるため、煩雑な印象を乗員に与えることは、抑制されるのである。
また、第1実施形態によると、照明装置20は、面発光部21を覆い、照明光を透過する照明カバー部30を、さらに備える。このような照明カバー部30を備えることで、面発光部21が露出して直接視認される事態が抑制されるので、面発光部21の存在が目立ち難くなる。したがって、煩雑な印象を乗員に与えることは、抑制される。
また、第1実施形態によると、照明カバー部30は、車両用表示装置100において、視認側に露出する露出部品としての表示板40に設けられている。このような車両用表示装置100は視認側へ向けて情報を表示するので、その露出部品は特に注目され易い。注目され易い露出部品としての表示板40に覆われた位置に、面発光部21を配置することは、乗員の顔等を照明するのに好適である。そして、面発光部21の上記最大箇所MPにおいても、単位面積当たりの光度が感知限界値CVよりも小さくなるように、発光が分散されているので、乗員が露出部品としての表示板40を注目しても、可視上界光を、独立したものとして感知することが困難となるため、煩雑な印象を乗員に与えることは、抑制されるのである。
また、第1実施形態によると、照明装置20は、近赤外発光素子22から発光された可視上界光を含む近赤外光を、面発光化する面発光化光学素子23と、を有する。このような面発光化光学素子23による面発光化により、面状発光する面発光部21を容易に実現することができる。
また、第1実施形態によると、面発光化光学素子23は、透光性基材により形成され、近赤外発光素子22から発光された可視上界光を含む近赤外光を内部に取り込んで導光しつつ面状発光させるプリズムレンズである。こうしたプリズムレンズの形状を適宜設計することにより、近赤外発光素子22からの可視上界光を任意に分散させることができるので、容易に、上述の最大箇所MPにおける単位面積当たりの光度を、感知限界値CVよりも小さくなるように設定できる。
また、第1実施形態の撮像システム9によると、面発光部21が可視上界光を含む近赤外光としての照明光を、面状発光するようになっているので、発光を面状に分散させることで、単位面積当たりの光度を低下させることができる。そして、面発光部21のうち単位面積当たりの光度が最大となる最大箇所MPにおいても、単位面積当たりの光度が感知限界値CVよりも小さくなるように、発光が分散される。故に、乗員が面発光部21の方を見た場合に、可視上界光を、独立したものとして感知することが困難となるため、煩雑な印象を乗員に与えることは、抑制されるのである。
そして、独立したものとして感知することが困難な可視上界光を、撮像装置10が感知して撮像することが可能となる。撮像システム9が照明光を上手く活用することにより、撮像品質の低下を抑制することができる。
また、第1実施形態の車両用表示装置100によると、面発光部21が可視上界光を含む近赤外光としての照明光を、面状発光するようになっているので、発光を面状に分散させることで、単位面積当たりの光度を低下させることができる。そして、面発光部21のうち単位面積当たりの光度が最大となる最大箇所MPにおいても、単位面積当たりの光度が感知限界値CVよりも小さくなるように、発光が分散される。故に、乗員が表示される情報を見る際に、面発光部21からの照明光を受けても、可視上界光を、独立したものとして感知することが困難となるため、煩雑な印象を乗員に与えることは、抑制されるのである。
第1実施形態について、比較例との比較により、追加説明する。図6に示す比較例の照明装置920では、近赤外発光素子922から発せられた可視上界光を含む近赤外光を、レンズ923が集光して、点状発光するようになっている。このような比較例では、図5と比較しても分かるように、単位面積当たりの光度が感知限界値CVを超えた部分が生じている。この結果、乗員は、感知限界値CVを超えた部分の可視上界光を独立したものとして認識してしまうこととなる。
(第2実施形態)
図7〜11に示すように、第2実施形態は第1実施形態の変形例である。第2実施形態について、第1実施形態とは異なる点を中心に説明する。
第2実施形態の照明装置220において、図7に示すように、照明カバー部230は、加飾模様の代わりに、反射構造部231を有している。図9,10にも示すように、反射構造部231は、照明カバー部230に、面発光部221とは反対側(すなわち視認側)から入射してくる太陽光等の外光を、再び面発光部221とは反対側に反射する。
本実施形態の反射構造部231は、照明カバー部230の視認側表面において、複雑な凹凸構造232を形成することにより設けられている。より詳細に、複雑な凹凸構造232として、ダイヤモンドカットを模した構造が採用されている。凹凸構造232において鏡面状に形成された複数の反射面232aが互いに異なる方向を向いていることにより、面発光部221とは反対側から入射してくる外光は、再び面発光部221とは反対側の様々な方向に反射される。
第2実施形態の照明装置220は、近赤外発光素子222に加え、可視光としての可視混合光を発光する複数の可視発光素子226を有している。各可視発光素子226には、例えば発光ダイオードが採用されている。本実施形態の可視発光素子226は、2つ設けられており、近赤外発光素子222を挟む両側に配置されている。各可視発光素子226は、基板70上の導通パターンを通じて電源と接続されることで、面発光化光学素子223へ向けて可視混合光を発光可能となっている。特に本実施形態の可視発光素子226は、可視混合光として白色光を発光可能となっているが、緑色光、赤系色光等の他の色の光を発光するようにしてもよい。
第2実施形態の面発光化光学素子223は、例えばポリカーボネイト樹脂ないしはアクリル樹脂等の合成樹脂からなる透光性の基材を主体に形成されているプリズムレンズであり、ブロック状に形成されている。面発光化光学素子223において導入面223aは、近赤外発光素子222及び各可視発光素子226と同時に対向可能な面積を有した平面状に形成されている。面発光化光学素子223において照明カバー部230と対向する対向面223bは、導入面223aより一回り大きな面積を有した平面状に形成されていることで、反射構造部231の略全域に重なっている。
このような面発光化光学素子223は、導入面223a及び対向面223bを鏡面状に形成していることにより、照明光及び可視混合光を拡散する要素は有していない。しかしながら、導入面223aから対向面223bでの光路上において、側壁反射面223cに一部が反射されたりすることで、近赤外発光素子222及び各可視発光素子226が照明光及び可視混合光をそのまま発光する場合と比較して面発光化が図られる。
さらに照明装置220の照明制御部235は、図8に示すように、可視発光量変更部236を有している。可視発光量変更部236は、各可視発光素子226の点灯及び消灯を制御し、各可視発光素子226が点灯されている場合には、その発光量を制御する。
特に本実施形態の照明制御部235は、車両において、例えばインストルメントパネルの上面部に設けられた外光センサ7及び画像処理部14と通信可能となっている。外光センサ7は、外光を検出することができる。またカメラ11によっても外光を検出することができる。これら検出結果を、外光センサ7及び画像処理部14から取得して、照明装置220の周囲の明るさが推定可能され得る。
図11のフローチャートにも示すように、照明制御部235に外光センサ7の検出結果が入力されると、可視発光量変更部236は、その値を判定し(図11のS10参照)、各可視発光素子226が発光する発光量を変更する。より詳細に、外光センサ7の外光検出量が所定量以上であれば、可視発光量変更部236は、各可視発光素子226が発光する発光量を0とする(すなわち各可視発光素子226を消灯する。図11のS20参照)。外光センサ7の外光検出量が所定量よりも少なければ、可視発光量変更部236は、各可視発光素子226を点灯させ(図11のS30参照)、外光センサ7の外光検出量が少なくなるに従って、各可視発光素子226が発光する発光量が多くなるように、各可視発光素子226が発光する発光量を変更する(図11のS40参照)。
したがって、例えば昼などの周囲が十分明るい場合には、図9に示すように、各可視発光素子226は消灯状態となる。このため、近赤外発光素子222だけが点灯状態となり、近赤外発光素子222が発した可視上界光を含む近赤外光としての照明光は、面発光化光学素子223及び反射構造部231を透過して、面状発光される。この際に、反射構造部231により反射された外光が、可視上界光を含む近赤外光に混合されることとなる。このため、乗員は可視上界光を独立したものとして感知し難くなるため、感知限界値CVは上昇する。故に、面発光部221の最大箇所MPにおける単位面積当たりの光度を、感知限界値CVより小さくすることの許容性は、高い状態となる。
一方、例えば夜などの周囲が暗い場合には、図10に示すように、外光(図10の破線矢印参照)そのものが少ないため、可視上界光を含む近赤外光としての照明光に外光を混合すること自体が困難となる。このため、可視発光量変更部236が各可視発光素子226を点灯させる。そうすると、近赤外発光素子222が発した可視上界光を含む近赤外光としての照明光と、各可視発光素子226が発した可視混合光とが、面発光化光学素子223にて混合されつつ、面発光化される。こうして、反射構造部231を透過した可視上界光を含む近赤外光としての照明光は、可視混合光と混合された状態となり、乗員は可視上界光を独立したものとして感知し難くなるため、感知限界値CVは上昇する。故に、面発光部221の最大箇所MPにおける単位面積当たりの光度を、感知限界値CVより小さくすることの許容性は、高い状態となる。
さらに、可視混合光としての白色光が反射構造部231の反射面232aを透過される際に屈折し、色収差を発生させつつ、凹凸構造232に応じた複雑な光学模様を演出するので、乗員は可視上界光を独立したものとしてより感知し難くなる。
以上説明した第2実施形態によると、照明カバー部230は、当該カバー部230に面発光部221とは反対側から入射してくる外光を、再び面発光部221とは反対側に反射する反射構造部231を有する。こうした反射構造部231により反射された外光が、面発光部221からの可視上界光に混合されることとなる。したがって、乗員が可視上界光を独立したものとして感知し難くなる結果、上記感知限界値CVを高めて、上記最大箇所MPにおける単位面積当たりの光度を感知限界値CVよりも小さくすることが容易に可能となるので、煩雑な印象を乗員に与えることは、抑制されるのである。
また、第2実施形態によると、面発光化光学素子223は、近赤外発光素子222から発光された可視上界光を含む近赤外光に、可視発光素子226から発光された可視混合光を混合して、面発光化する。可視混合光が可視上界光に混合されるので、乗員が可視上界光を独立したものとして感知し難くなる結果、上記感知限界値CVを高めて、上記最大箇所MPにおける単位面積当たりの光度を感知限界値CVよりも小さくすることが容易に可能となるので、煩雑な印象を乗員に与えることは、抑制されるのである。
また、周囲の外光が少なくなると、反射構造部231での反射によって、面発光部221からの可視上界光に混合される外光も減少する。この結果、乗員が可視上界光を独立したものとして感知し易くなり、感知限界値CVが小さくなることが懸念される。
しかしながら、第2実施形態では、周囲の明るさに応じて、可視発光素子226が発光する発光量が変更される。周囲の明るさに応じて感知限界値CVが上下しそうになっても、周囲の明るさに応じて可視上界光に混合される可視混合光の発光量を変えることで、感知限界値CVの変動を抑制できるようになる。したがって、常時、上記最大箇所MPにおける単位面積当たりの光度を感知限界値CVよりも小さくすることが可能となるので、煩雑な印象を乗員に与えることは、確実に抑制されるのである。
また、第2実施形態では、周囲の外光が少なくなるに従って、可視発光素子226が発光する発光量が多くなるように、可視発光素子226が発光する発光量が変更される。故に、面発光部221からの可視上界光に混合される可視混合光の増加により、外光の減少が補われて、感知限界値CVの低下を抑制することができる。この結果、上記最大箇所MPにおける単位面積当たりの光度を感知限界値CVよりも小さくすることが容易に可能となるので、煩雑な印象を乗員に与えることは、抑制されるのである。
(具体的条件について)
ここでは、各実施形態における単位面積当たりの照明光の光度、及び可視上界光に可視混合光を混合した場合の色比率についての適正な条件について説明する。
ここで、以下の説明における昼環境とは、車内の明るさが500lx以上かつ100,000lxより小さい条件の環境として定義され、晴天時かつ車両のライトが非点灯の環境が想定されている。日出・日入・夜環境とは、車内の明るさが0lx以上500lxより小さい条件の環境として定義され、車両のライトが点灯している環境が想定されている。また、車両のガラスフロントは透明色であり、車両用表示装置100の表示板40の大半が黒色であることが想定されている。
最初に、単位面積当たりの照明光の光度について説明する。昼環境では、可視上界光を含む近赤外光としての照明光を面状発光する面発光部21,221の最大箇所MPにおいて、単位面積当たりの照明光の光度を、5cd/m2以下にすることにより、乗員は、可視上界光を独立したものとして感知できなくなるといえる。日出・日入・夜環境では、面発光部21,221の最大箇所MPにおいて、単位面積当たりの照明光の光度を、0.5cd/m2以下にすることにより、乗員は、可視上界光を独立したものとして感知できなくなるといえる。
また、感知限界値CVは、車両用表示装置100の表示用光源部50等による、単位面積当たりの可視表示光の光度によっても影響を受ける。具体的に、単位面積当たりの照明光の光度を、単位面積当たりの可視表示光の光度の5%以下に抑制することで、可視上界光の独立的感知は困難となる。
具体的に、各実施形態の車両用表示装置100は、昼環境(又はライト非点灯時)において、単位面積当たりの可視表示光の光度を100cd/m2とし、日出・日入・夜環境(又はライト点灯時)において、単位面積当たりの可視表示光の光度を10cd/m2に減光する減光機能を有している。これに対応して、照明装置20,220は、上述の5%以下の条件を満足するように、昼環境(又はライト非点灯時)において、単位面積当たりの照明光の光度を、5cd/m2以下にし、日出・日入・夜環境(又はライト非点灯時)において、単位面積当たりの照明光の光度を0.5cd/m2以下に減光する。
次に、第2実施形態のように、可視上界光に可視混合光を混合した場合の色比率について説明する。まず、可視混合光が白色光であるか、赤色光(波長は620〜780nm)であるか、緑色光(波長は495〜570nm)であるか、青色光(波長は450〜495nm)であるかによって、すなわち、可視混合光の色に応じて、可視上界光が独立したものとして感知される水準に、差異が存在する。傾向としては、赤色光の混合では、最も可視上界光が独立したものとして感知され難いため効果が最も高い。続いて、緑色光の混合、青色光の混合、白色光の混合の順となっている。
そして、可視混合光が白色光である場合には、可視混合光の放射エネルギー10に対して、可視上界光の放射エネルギーを、1以下に抑制することで、可視上界光の独立的感知は困難となる。可視混合光が青色光である場合には、可視混合光の放射エネルギー10に対して、可視上界光の放射エネルギーを、2以下に抑制することで、可視上界光の独立的感知は困難となる。可視混合光が緑色光である場合には、可視混合光の放射エネルギー10に対して、可視上界光の放射エネルギーを、3以下に抑制することで、可視上界光の独立的感知は困難となる。
可視混合光が赤色光である場合には、そもそも可視混合光と可視上界光との色の区別が殆ど生じなくなる。このため、可視混合光の放射エネルギーに対する可視上界光の放射エネルギーの比率に、制約はないといえる。
(他の実施形態)
以上、複数の実施形態について説明したが、発明は、それらの実施形態に限定して解釈されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の実施形態及び組み合わせに適用することができる。
具体的に変形例1としては、照明装置20は、表示板40の表示領域DAにより形成されている指標42、表示灯、画像表示器38等に隣接して配置されるようにしてもよい。また、照明装置20は、指針60の回動範囲を囲んで発光する加飾部品に隣接して配置されるようにしてもよい。このようにすると、表示領域DAへの誘目性等を利用して、可視表示光をより認識させ難くすることができる。
例えば図12のスペクトル分布図に示すように、図6に示した点状発光の照明装置920が表示領域DAに隣接していない場合では、照明光の単位面積当たりの光度が認識閾値V0(感知限界値CVに対応)を超えてしまっている(図12,13では一点鎖線による図示)。図13のスペクトル分布図に示すように、面状発光の照明装置20が表示領域DAに隣接していない場合では、光が面状に分散される結果、照明光の最大箇所MPにおける単位面積当たりの光度が認識閾値V0を下回る(図14では破線による図示)。
一方、図14のスペクトル分布図に示すように、黄緑色光を発光する表示領域DAに照明装置20が隣接している場合では、黄緑色光への誘目性が生じる結果、認識閾値自体がV0からV1に上昇する。したがって、最大箇所MPにおける単位面積当たりの光度を感知限界値CVよりも小さくするための余裕度が向上し、照度エネルギーの総量を維持しつつ、発光面積の増大を抑制することが可能となる。この結果、面発光部23が面状発光する構成であっても、照明装置20をより省スペースに形成することができる。
このような構成の具体例として、照明装置20は、黄緑色表示光をバックライトに採用した液晶表示器、又は蛍光表示管を用いたVFD(Vacuum fluorescent display)に隣接して配置される構成が挙げられる。
第2実施形態に関する変形例2としては、図15に示すように、反射構造部231は、照明カバー部230に対応する表示板40の一部の表面に、印刷等により形成された金属ヘアライン構造233により形成されていてもよい。金属ヘアライン構造233は、指針軸と同心円状に外光を反射可能な微細な金属状細線を複数形成し、金属状細線の間に、照明光を透過可能な透過領域を設けることにより形成される。こうした金属ヘアライン構造233による反射構造部231によっても、照明カバー部230に面発光部221とは反対側から入射してくる外光を、再び面発光部221とは反対側に反射することができる。
第2実施形態に関する変形例3としては、照明カバー部230に、表示板40以外の例えば指針60の回動範囲を囲む加飾部品としての反射リングを採用してもよい。反射リングは、例えばポリカーボネイト樹脂ないしはアクリル樹脂等の合成樹脂からなる透光性の基材の視認側の表面に、スズないしは銀等の金属をめっき又は蒸着すること等により、極薄い金属薄膜を形成してなる。こうした金属薄膜がマジックミラーないしはハーフミラー状の反射構造部231として機能する。したがって照明カバー部230としての反射リングは、面発光部221とは反対側から入射してくる外光を再び面発光部221とは反対側に反射すると共に、照明光を透過可能に形成されている。
第2実施形態に関する変形例4としては、照明カバー部230が指標42を形成するように構成されることで、可視混合光を発光する可視発光素子226に、指標42を照明する機能を付加してもよい。
第2実施形態に関する変形例5としては、画像表示器38のバックライトを、面発光部221に置き換えることにより、可視混合光を用いて画像が表示されるようにしてもよい。
変形例6としては、表示板40を黒色印刷以外の赤色、白色等に印刷に変更して、感知限界値CVを上昇させるようにしてもよい。
変形例7としては、照明カバー部30が設けられていなくてもよく、面発光化光学素子23が車両用表示装置100において見返し板及び透明板に囲まれた空間に露出していてもよい。この場合に、面発光化光学素子23に反射構造部231を形成してもよい。
変形例8としては、面発光化光学素子23は、プリズムレンズに限られず、拡散板でもよく、MEMSを応用した回折格子、マイクロレンズ、ミラーアレイ等との組み合わせであってもよい。
変形例9としては、近赤外発光素子22は、1つの面発光化光学素子23に対して、2つ以上設けられていてもよい。
変形例10としては、面発光部21は、面状発光するものであれば、微細な点光源を隙間少なく配列することにより、面状に形成した構成であってもよい。また、面発光部21は、細線状の光源を隙間少なく配列することにより、面状に形成した構成であってもよい。
変形例11としては、面発光部21において単位面積当たりの照明光の光度が最大となる最大箇所MPは、2箇所以上形成されてもよい。さらには、面発光部21は、全域において、単位面積当たりの照明光の光度が実質同じになるように面状発光していてもよく、この場合には、当該全域が最大箇所MPに該当することとなる。
変形例12としては、照明装置20、又は当該照明装置20等を具備した撮像システム9は、車両用表示装置100の内部に配置された構成に限られない。例えば、照明装置20、又は当該照明装置20等を具備した撮像システム9は、車両用表示装置100に隣接して独立したアセンブリとして配置されてもよい。また例えば、照明装置20、又は当該照明装置20等を具備した撮像システム9は、車両用表示装置100とは離れた位置に独立したアセンブリとして配置されていてもよい。ここで採用され得る構成には、撮像システム9のうち、照明装置20だけを車両用表示装置100の内部に配置し、撮像装置10を車両用表示装置の外部に配置する構成、並びに撮像装置10を車両用表示装置100の内部に配置し、照明装置20だけを車両用表示装置100の外部に配置する構成等が含まれる。また、ここで採用され得る構成には、照明装置20のうち面発光部21だけを車両用表示装置100の内部に配置し、照明装置20の他の部分及び撮像装置10を車両用表示装置100の外部に配置する構成が含まれる。
変形例13としては、照明装置20、又は当該照明装置20等を具備した撮像システム9は、車両の各種機能に対し表示又は操作を行なうための機器(オーディオ、カーナビゲーション、空調装置等の操作パネル)の内部に配置されていてもよい。
変形例14としては、撮像装置10の撮像対象は、乗員の顔に限られない。例えば撮像対象を乗員の手腕とし、乗員のジェスチャ操作入力や脈波等体調を判定するようにしてもよい。