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JP6690873B2 - ロータリーキルン - Google Patents
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Description

本発明は、各種の被処理物の焼却・焼成処理等に用いられるロータリーキルンに関し、特にキルン本体内に耐火物を内張りしたロータリーキルンに関する。
従来、細かく破砕処理した廃木材等の可燃性廃棄物を焼却処理したり、粉末状の石膏等の無機質系材料を焼成処理等する場合に、例えばロータリーキルンが採用されることがある。この種のロータリーキルンは、キルン本体を構成する円筒状の鋼板の内周壁に、例えば耐火レンガや耐火モルタル等の耐火物を内張りし、被処理物の焼却・焼成処理に伴う高温からキルン本体を保護するように図っている。
ところで、前記キルン本体の鋼板の内周壁に内張りされた耐火物の表面を平滑に形成すると、キルン本体内に供給される被処理物はあまり攪拌されないため、被処理物の底層部分等においては炉内空気(酸素)と十分に接触しないまま流下して排出されてしまう可能性があり、例えば廃木材等の可燃性廃棄物であれば酸素不足によって燃焼不良を来して未燃残渣が多く発生したり、また石膏等の無機質系材料であれば焼成の不十分な材料が多く発生する可能性がある。
一方、特許文献1(特開平8−233234号公報)には、キルン本体を構成する金属製の胴の内周壁に耐火物を内張りし、該耐火物の内壁面に同じ耐火物からなるリフタを螺旋状に凸設したごみ焼却用のロータリーキルンが記載されており、上記構造のロータリーキルンであれば、キルン本体内に供給される被処理物を前記リフタにて掻上げ落下させながら適当に攪拌することができ、それによって炉内空気との接触機会も高められて比較的ムラなく焼却・焼成処理することができると考えられる。
特開平8−233234号公報
しかしながら、上記従来装置のように、キルン本体内に内張りした耐火物の内壁面より突き出すように設けられた断面略凸状構造のリフタは、被処理物を掻き上げる度にリフタ部分に荷重や剪断等の負荷が繰り返し掛かるため、場合によっては比較的短い運転時間でもリフタ部分やその周辺の耐火物に摩耗やクラック、欠損等が発生し、攪拌機能が早期に低下してしまう可能性も想定される。
本発明は上記の点に鑑み、キルン本体内に耐火物を内張りしたロータリーキルンにおいて、耐火物の内壁面の構造を工夫して早期摩耗やクラック、欠損等の発生を抑制可能としながらも、キルン本体内に供給される被処理物を適当に攪拌できて炉内空気との接触機会を高めながらムラの少ない焼却・焼成処理が可能なロータリーキルンを提供することを課題とする。
上記の課題を解決するために、本発明に係る請求項1記載のロータリーキルンでは、円筒状の鋼板の内周壁に耐火物を内張りしたキルン本体を回転自在に傾斜支持し、該キルン本体の一端部に熱風供給用のバーナを備えたロータリーキルンであって、前記耐火物の内壁面に対して長辺部及び短辺部とからなる横長の矩形凹部をキルン周方向に及び長手方向へ所定間隔にて複数刻設、前記矩形凹部は幅広で浅底構造とし、かつ前記周方向への間隔を前記矩形凹部の幅よりも短い間隔として前記矩形凹部の面積が前記耐火物の内壁面の大半を占めるようにすると共に、前記キルン本体の回転時に上昇する側の前記矩形凹部の長辺部側をキルン本体の傾斜方向に対して逆方向へ傾斜させるように刻設し、前記矩形凹部内の被処理物を持ち回りながら前記矩形凹部の傾斜に沿って落下させて被処理物をキルン上流側へと戻す構成としたことを特徴としている。
本発明に係る請求項1記載のロータリーキルンによれば、耐火物の内壁面に対して長辺部及び短辺部とからなる横長の矩形凹部をキルン周方向に及び長手方向へ所定間隔にて複数刻設し、前記矩形凹部は幅広で浅底構造とし、かつ前記周方向への間隔を前記矩形凹部の幅よりも短い間隔として前記矩形凹部の面積が前記耐火物の内壁面の大半を占めるようにすると共に、前記キルン本体の回転時に上昇する側の前記矩形凹部の長辺部側をキルン本体の傾斜方向に対して逆方向へ傾斜させるように刻設し、前記矩形凹部内の被処理物を持ち回りながら前記矩形凹部の傾斜に沿って落下させて被処理物をキルン上流側へと戻す構成としたので、耐火物へあまり荷重や剪断等の負荷を掛けずに被処理物を適当に攪拌処理することができ、耐火物の早期摩耗やクラック、欠損等の発生を抑制可能としながらも、被処理物と炉内空気との接触機会を高められてムラの少ない焼却・焼成処理が可能となる。また、前記矩形凹部を浅底構造としたことにより、被処理物を耐火物の内壁面に沿わせるようにして持ち上げ落下させて攪拌することができ、それによって例え飛散性の高い被処理物を焼却・焼成処理する場合でも、未焼却・未焼成のまま飛散してしまうといった不具合を抑えられて好適に処理することができる。
また、キルン本体内に供給される被処理物をより効果的に攪拌処理でき、被処理物と炉内空気との接触機会を一層高められてムラの少ない焼却・焼成処理が可能となる。
本発明に係るロータリーキルンの一実施例を示す概略説明図である。 図1のA−A端面図である。 図1の要部拡大図である。
本発明に係るロータリーキルンにあっては、円筒状の鋼板の内周壁に、例えば耐火レンガや耐火モルタル等の耐火物を内張りしたキルン本体を回転自在に傾斜支持し、該キルン本体の一端部には熱風供給用のバーナを備えている。また、前記耐火物の内壁面には、長辺部及び短辺部とからなる横長の矩形凹部をキルン周方向及び長手方向へ所定間隔にて複数刻設し、前記キルン本体の回転に伴ってキルン本体内を流動する被処理物を前記矩形凹部内に次々と落とし込んで持ち回るようにしており、従来の断面略凸状構造のリフタと比較して、耐火物への荷重や剪断等の負荷を低減できて、早期摩耗やクラック、欠損等の発生を抑制可能としながらも、被処理物を適当に攪拌できて、炉内空気(酸素)との接触機会を高められてムラの少ない焼却・焼成処理を可能としている。
また、前記矩形凹部は、その深さを比較的浅めに、好ましくは約10〜20mm程度の浅底構造としており、それによって矩形凹部内の被処理物がキルン本体の上部側まで持ち上がる前に徐々に耐火物の内壁面に沿ってこぼれ落ち、例えば被処理物が細かくて飛散性の高いようなものであっても、バーナからの熱風に不必要に煽られて未焼却・未焼成のまま飛散してキルン本体より流出してしまうような不具合を抑制でき、またダスト量の低減も図れるようにしている。
また、前記矩形凹部の長辺部側をキルン本体の傾斜方向に対して逆方向へ傾斜させるように刻設し、矩形凹部内の被処理物をキルン本体の回転と共に持ち回りつつ矩形凹部の傾斜に沿って落下させることでキルン上流側へと若干戻すようにしており、これによって被処理物をより効果的に攪拌処理できて炉内空気との接触機会を一層高められるようにしている。
このように、上記構成のロータリーキルンによれば、キルン本体内に内張りされる耐火物の内壁面に対し、従来のリフタに代えて、横長でかつ浅底構造の矩形凹部を刻設するようにしたので、耐火物への荷重や剪断等の負荷を低減できて早期摩耗やクラック、欠損等の発生を抑制できメンテナンス面において好適なものとなると共に、特に飛散性の高いような被処理物でも飛散量を抑えながら適当に攪拌でき、炉内空気との接触機会を高めてムラなく焼却・焼成処理することができる。また、構造もシンプルであるため、比較的簡単にかつ低コストにて設けることができて採用のしやすいものとなる。
以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説明する。
図中の1は、例えば、細かく破砕処理した廃木材等の可燃性廃棄物を焼却処理したり、粉末状の石膏等の無機質系材料を焼成処理などするのに使用されるロータリーキルンであって、円筒状の鋼板2の内周壁に、例えば耐火レンガや耐火モルタル等の耐火物3を所定の層厚にて内張りしてなるキルン本体4を、基台5上に回転自在に傾斜支持しており、前記キルン本体4の一端部には被処理物供給用の供給コンベヤ6と、熱風供給用のバーナ7とを備えている一方、キルン本体4の他端部には二次燃焼室8を備えており、該二次燃焼室8の上端部には排気ダクト9を連結していると共に、下端部には被処理物の焼却・焼成処理に伴って発生する焼却灰や焼成物等を排出する排出部10を備えている。
また、前記キルン本体4の内周壁に内張りされた耐火物3の内壁面には、対向する一対の平行な長辺部11a及び対向する一対の平行な短辺部11bとからなる横長の矩形凹部11をキルン本体4の周方向及び長手方向へ所定間隔にて複数刻設し、前記キルン本体4の回転に伴ってキルン本体4内を流動する被処理物を前記矩形凹部11内に次々と落とし込んで持ち回るようにしており、断面略凸状構造のリフタと比較して、耐火物3に対する荷重や剪断等の負荷を軽減できて、耐火物3の早期摩耗やクラック、欠損等の発生を抑制可能としながらも、被処理物を適当に攪拌できて、被処理物と炉内空気(酸素)との接触機会を高められるようにしている。
また、前記矩形凹部11の深さは比較的浅めに、好ましくは約10〜20mm程度の浅底構造としており、それによって矩形凹部11内の被処理物がキルン本体4の上部側まで持ち上がりきる前に徐々に耐火物3の内壁面に沿うようにしてこぼれ落ち、例えば、細かく破砕処理した廃木材や粉末状の石膏等、飛散性の高いようなものであっても、バーナ7からの熱風に不必要に煽られて未焼却・未焼成のまま飛散してしまうといった不具合を抑制できるように図っている。
なお、前記矩形凹部11の大きさや設置間隔等は、キルン本体4のサイズ等を考慮して炉内にバランス良く配置されるように適宜決定すると良いが、前記のように、矩形凹部11を浅底構造とすると矩形凹部11にて一度に持ち回れる被処理物の量が減少して攪拌処理能力の低下が懸念されるものの、例えば、キルン本体4の内周径が約1900mm程度であれば、矩形凹部11の長辺部11aの長さを約1000mm程度、短辺部11bの長さを約400mm程度の幅広構造に形成し、キルン周方向へ8〜10個程度設けるように配置すれば、矩形凹部11にて一度に持ち回れる被処理物の量をあまり減らすことなく、従来のリフタと比べてもそれ程遜色のない攪拌処理能力を維持することが可能となってより好ましいものとなる。
また、前記矩形凹部11は、図3に示すように、その長辺部11a側をキルン本体4の傾斜方向(図中、左方向)に対して逆方向へ傾斜させるように刻設し、キルン本体4内の被処理物をキルンの回転と共に持ち回りながら前記矩形凹部11の傾斜に沿って落下させることで被処理物をキルン上流側へと若干戻すようにしており、こうすることによって被処理物をある程度の時間を掛けながらより効果的に攪拌処理でき、例えば、前記のように矩形凹部11を幅広構造とするのと併せて採用すれば、矩形凹部11を浅底構造とすることに伴う攪拌処理能力の低下分を十分に補うことができて、リフタと略同等程度に被処理物を攪拌処理することが可能となる。
なお、矩形凹部11を傾斜配置した場合には、矩形凹部11内の被処理物は隅部11c付近に誘導されてこぼれ出ていくため、被処理物の詰まりや隅部11cの偏摩耗等を抑制すべく前記隅部11cを略円弧形状に成形している。
また、矩形凹部11の傾斜角度θは被処理物の性状や供給量等に応じて適当な攪拌処理ができるように適宜決定すれば良いが、少なくともその被処理物の安息角以上にしておけば、矩形凹部11内に落とし込んだ被処理物を下位側の長辺部11aに沿わせてキルン上流側へスムーズに誘導させることが可能となって好ましいものとなる。
そして、上記構成のロータリーキルン1にて、例えば、細かく破砕処理した廃木材等の可燃性廃棄物を焼却処理したり、粉末状の石膏等の無機質系材料を焼成処理するときには、先ず、バーナ7を燃焼させてキルン本体4内に熱風を供給して炉内温度を高めた後、供給コンベヤ6より被処理物を所定量ずつ炉内へ供給していく。
キルン本体4内に供給された被処理物は、キルン本体4内に内張りした耐火物3の内壁面上を流下していき、やがて矩形凹部11の位置に到達すると被処理物はその内部へと落ち込むようにして収まり、キルン本体4の回転に伴って持ち回らされていく。そして、矩形凹部11内の被処理物がキルン回転方向へ、例えば約1/8〜1/4周程度まで持ち上げられると、徐々に耐火物3の内壁面に沿ってこぼれ落ちていき、その際にこぼれ落ちる被処理物の一部は傾斜した矩形凹部11の下位側の長辺部11aに沿ってキルン上流側へ若干戻されることになる。そして、これら一連の動作を繰り返しつつ被処理物は効果的に攪拌処理され、炉内空気と万遍なく接触しながらムラなく焼却・焼成処理されていく。
このように、本発明のロータリーキルン1にあっては、キルン本体4内に内張りされる耐火物3の内壁面に対し、従来のリフタに代えて横長でかつ浅底構造の矩形凹部11を設けるようにしたので、被処理物を攪拌する際に掛かる耐火物3への荷重や剪断等の負荷を低減できて早期摩耗やクラック等の発生を抑制できると共に、リフタとほぼ同等程度に被処理物を攪拌することができてムラの少ない焼却・焼成処理が可能となる。また、被処理物をあまり飛散させずに適当に攪拌しながら焼却・焼成処理することができ、例えば、細かく破砕処理した廃木材等の可燃性廃棄物の焼却処理や、粉末状の石膏等の無機質系材料の焼成処理など、飛散性の高い被処理物を処理するのに特に好適な装置となる。
なお、キルン本体4内に供給する被処理物が、例えば廃木材等の可燃性廃棄物である場合には、キルン後半部ではある程度燃焼が完了して灰化しており、そのような状態であまり攪拌されずにキルン本体4底部側に留まっていると、その灰の一部が溶融してクリンカが生成されやすく、場合によってはそれが耐火物3表面に付着成長するなどの不具合を生じる可能性があるものの、前記矩形凹部11を少なくともキルン後半部側に設けるようにすれば、灰化した廃木材を適度に攪拌しながら炉内空気と万遍なく接触させて完全燃焼させることができ、それによってクリンカの発生を効果的に防ぐことができてメンテナンス面において好適なものとなる。
1…ロータリーキルン 2…鋼板
3…耐火物 4…キルン本体
7…バーナ 11…矩形凹部
11a…長辺部(矩形凹部) 11b…短辺部(矩形凹部)

Claims (1)

  1. 円筒状の鋼板の内周壁に耐火物を内張りしたキルン本体を回転自在に傾斜支持し、該キルン本体の一端部に熱風供給用のバーナを備えたロータリーキルンであって、前記耐火物の内壁面に対して長辺部及び短辺部とからなる横長の矩形凹部をキルン周方向に及び長手方向へ所定間隔にて複数刻設、前記矩形凹部は幅広で浅底構造とし、かつ前記周方向への間隔を前記矩形凹部の幅よりも短い間隔として前記矩形凹部の面積が前記耐火物の内壁面の大半を占めるようにすると共に、前記キルン本体の回転時に上昇する側の前記矩形凹部の長辺部側をキルン本体の傾斜方向に対して逆方向へ傾斜させるように刻設し、前記矩形凹部内の被処理物を持ち回りながら前記矩形凹部の傾斜に沿って落下させて被処理物をキルン上流側へと戻す構成としたことを特徴とするロータリーキルン。
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