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JP6697271B2 - セラミックグロープラグ - Google Patents
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Description

本発明は、ディーゼルエンジン等の始動のために用いられるセラミックグロープラグに関する。
従来、ディーゼルエンジンにおいては、低温時の燃料の着火を補助するために、グロープラグが用いられる。具体的には、グロープラグによって燃焼室が昇温されることにより、低温時にもディーゼルエンジンの始動が可能となる。このようなグロープラグとして、金属外筒に、発熱体が埋設された棒状のセラミックヒータが嵌め込まれて保持されたセラミックグロープラグが広く用いられている。
なお、金属外筒にセラミックヒータを保持させる構成としては、セラミックヒータと金属外筒との間にロウ材を配置させ、セラミックヒータと金属外筒とをロウ付けにより接合した構成(特許文献1)や、セラミックヒータを金属外筒に圧入し、セラミックヒータと金属外筒とが締まり嵌めにより固定された構成(特許文献2)が知られている。
特開2004−28413号公報 特開2002−364842号公報
ところで、熱膨張に起因した、金属外筒とセラミックヒータとの体積膨張差により、セラミックヒータ内に埋設された発熱体が断線する虞があった。具体的には、金属外筒とセラミックヒータとの線膨張係数は大きく異なっており、セラミックグロープラグの使用温度において、金属外筒がセラミックヒータに対して軸線方向に大きく伸びる傾向がある。一方、特許文献1や、特許文献2のように、セラミックヒータと金属外筒とはロウ付けや圧入によりセラミックヒータが金属外筒に保持されている構造である。そのため、セラミックヒータのうち金属外筒に保持された保持部に軸線方向に沿う引張応力が発生し、その結果、セラミックヒータ(保持部)内に埋設された発熱体に亀裂が入り断線する虞があった。特に、近年、エンジンの高出力化の影響により、燃焼状態が高温化する傾向となっており、上述のような、熱膨張に起因した金属外筒とセラミックヒータとの体積膨張差がますます大きくなる傾向となっている。
本発明は、上述した従来の課題を解決するためになされたものであり、セラミックヒータが金属外筒に保持されてなるセラミックグロープラグにおいて、セラミックヒータ内の発熱体の断線を抑制することを目的とする。
セラミックグロープラグは、軸線方向に延びるセラミックヒータであり、前記セラミックヒータの先端側から後端側に亘って埋設されてなる発熱体を有する棒状のセラミックヒータと、前記セラミックヒータの先端側を突出させつつ、前記セラミックヒータの周囲を取り囲み、前記セラミックヒータが嵌め込まれてなる筒状の金属外筒と、を備え、
前記セラミックヒータのうち、前記金属外筒に保持されてなる保持部には、前記軸線方向に沿う圧縮応力が付与されていてもよい。
このセラミックグロープラグによれば、セラミックヒータのうち、金属外筒に保持されてなる保持部には、軸線方向に沿う圧縮応力が付与されている。これにより、エンジンの燃焼状態が高温化によって、金属外筒とセラミックヒータとの体積膨張差がますます大きくなる傾向となったとしても、セラミックヒータの保持部内に埋設された発熱体が断線することを抑制できる。これは、セラミックヒータの保持部に予め圧縮応力を与えておく(残留させておく)ことで、保持部に、金属外筒とセラミックヒータとの体積膨張差に起因する引張応力が発生したとしても、この引張応力と圧縮応力とが互いを打消すことができ、保持部に応力が加わることを抑制できるからである。
また、セラミックグロープラグは、前記保持部の先端側部位よりも先端側には、径方向内側に向かって縮径し、前記金属外筒の内面に対して前記軸線方向に係合可能な段差部、又は先端側に向かうにつれて径方向内側に縮径し、前記金属外筒の内面に対して前記軸線方向に係合可能なテーパ部の何れか一方が設けられていてもよい。このように、保持部の先端側部位よりも先端側に金属外筒に軸線方向に係合可能な段差部又はテーパ部が設けられることで、セラミックヒータが金属外筒に機械的に係合することができ、セラミックヒータの保持部に先端側に向かう引張応力が発生したとしても、段差部又はテーパ部によりセラミックヒータが軸線方向先端側に延びることを抑制でき、保持部に引張応力が加わることを抑制できる。
また、セラミックグロープラグは、前記保持部の後端側部位よりも後端側には、径方向内側に向かって縮径し、前記金属外筒の内面に対して前記軸線方向に係合可能な段差部、又は後端側に向かうにつれて径方向内側に縮径し、前記金属外筒の内面に対して前記軸線方向に係合可能なテーパ部の何れか一方が設けられていてもよい。このように、保持部の後端側部位よりも後端側に金属外筒に軸線方向に係合可能な段差部又はテーパ部が設けられることで、セラミックヒータが金属外筒に機械的に係合することができ、セラミックヒータの保持部に後端側に向かう引張応力が発生したとしても、段差部又はテーパ部によりセラミックヒータが軸線方向後端側に延びることを抑制でき、保持部に引張応力が加わることを抑制できる。
本発明のセラミックグロープラグの製造方法は、軸線方向に延びるセラミックヒータであり、前記セラミックヒータの先端側から後端側に亘って埋設されてなる発熱体を有する棒状のセラミックヒータと、前記セラミックヒータの先端側を突出させつつ、前記セラミックヒータの周囲を取り囲み、前記セラミックヒータが嵌め込まれてなる筒状の金属外筒と、を備えるセラミックグロープラグであり、
前記セラミックヒータ前記金属外筒に挿入すると共に、前記セラミックヒータに固化した環状又はC字状のロウ材を嵌め込む配置工程と、前記ロウ材を加熱により溶融させ、その後、冷却により固化させることで、前記セラミックヒータの外表面及び前記金属外筒の内表面に前記ロウ材を介在させて、前記セラミックヒータと前記金属外筒とを接合するロウ付け工程とを有し、前記ロウ付け工程より前の工程において、前記セラミックヒータを前記軸線方向に沿って圧縮し、前記ロウ付け工程後に前記セラミックヒータへの前記圧縮を開放することを特徴とする。
本発明のセラミックグロープラグの製造方法によれば、ロウ付け工程より前の工程において、セラミックヒータを軸線方向に沿って圧縮し、ロウ付け工程後にセラミックヒータへの圧縮を開放している。これにより、ロウ付けにより金属外筒に保持されたセラミックヒータの保持部に圧縮応力が付与された状態となる。そのため、エンジンの燃焼状態が高温化によって、金属外筒とセラミックヒータとの体積膨張差がますます大きくなる傾向となったとしても、セラミックヒータの保持部内に埋設された発熱体が断線することを抑制できる。
本発明のセラミックグロープラグの製造方法は、軸線方向に延びるセラミックヒータであり、前記セラミックヒータの先端側から後端側に亘って埋設されてなる発熱体を有する棒状のセラミックヒータと、前記セラミックヒータの先端側を突出させつつ、前記セラミックヒータの周囲を取り囲み、前記セラミックヒータが嵌め込まれてなる筒状の金属外筒と、を備えるセラミックグロープラグであり、
前記セラミックヒータの外表面及び金属外筒の内表面の少なくとも一方に潤滑剤を配置する潤滑剤配置工程と、前記セラミックヒータを前記金属外筒に圧入する圧入工程と、前記セラミックヒータのうち前記金属外筒に圧入された部位を熱処理する熱処理工程とを有し、前記熱処理工程より前の工程において、前記セラミックヒータを前記軸線方向に沿って圧縮し、前記熱処理工程後に前記セラミックヒータへの前記圧縮を開放することを特徴とする。
本発明のセラミックグロープラグの製造方法によれば、圧入工程より前の工程において、セラミックヒータを軸線方向に沿って圧縮し、圧入工程後にセラミックヒータへの圧縮を開放している。これにより、圧入により金属外筒に保持されたセラミックヒータの保持部に圧縮応力が付与された状態となる。そのため、エンジンの燃焼状態が高温化によって、金属外筒とセラミックヒータとの体積膨張差がますます大きくなる傾向となったとしても、セラミックヒータの保持部内に埋設された発熱体が断線することを抑制できる。
実施形態1、2のセラミックグロープラグ10、100の全体断面概略図である。 実施形態1の金属外筒30とセラミックヒータ40との断面図である。 実施形態1のセラミックグロープラグ10の製造方法を表す工程図である。 のステップS110を表す説明図である。 実施形態2の金属外筒30とセラミックヒータ40との断面図である。 実施形態2のセラミックグロープラグ100の製造方法を表す工程図である。 図6のステップS210を表す説明図である。
図1は、実施形態1のセラミックグロープラグ10の全体断面概略図である。セラミックグロープラグ10は、主体金具20と、金属外筒30と、セラミックヒータ40と、リング45と、中軸50と、Oリング55と、絶縁部材60と、端子70とを備えている。セラミックグロープラグ10の中心軸Acを、図1において、一点鎖線で示す。
セラミックグロープラグ10は、主体金具20においてディーゼルエンジンのシリンダーヘッドに固定される。セラミックグロープラグ10がシリンダーヘッドに固定された状態において、セラミックグロープラグ10の先端に位置するセラミックヒータ40の先端は、ディーゼルエンジンの燃焼室内に露出する。一方、セラミックグロープラグ10の後端に位置する端子70には、コード(図示せず)が接続され、電力が供給される。実施形態1の本明細書では、セラミックグロープラグ10において、セラミックヒータ40が配されている側の端を「先端」と呼び、端子70が配されている側の端を「後端」と呼ぶ。
主体金具20は、略筒状の形状を有する。主体金具20は、導電性を有する素材で構成される。本実施形態において、主体金具20は、鉄等の金属で形成される。主体金具20の内部には、金属外筒30の一部と、セラミックヒータ40の一部と、リング45と、中軸50の一部と、Oリング55と、絶縁部材60の一部と、が配置される。
金属外筒30は、導電性を有する素材で構成される。本実施形態において、外筒30は、ステンレス鋼等の金属で形成される。金属外筒30は、主体金具20の先端に取り付けられる。その結果、外筒30は、主体金具20と電気的に接続される。金属外筒30は、セラミックヒータ40を保持する。
セラミックヒータ40は、長手方向の中央近傍の部分Psを金属外筒30によって囲まれて、保持されている。セラミックヒータ40の先端側および後端側は、金属外筒30から露出している。
セラミックヒータ40は、発熱体42と、発熱体42が埋設された基体44とを備える。基体44は窒化珪素等の絶縁体である。発熱体42は炭化タングステン等の導電性を有するセラミック部材である。発熱体42は2箇所において基体44の表面から露出し、一方の箇所427において金属外筒30に電気的に接続されている。また、他方の箇所425においてリング45を介して中軸50に電気的に接続されている。発熱体42は、外筒30や中軸50を介して電圧を印加されることにより、発熱する。なお、セラミックヒータ40と金属外筒30との関係の詳細については、後述する。
リング45は、両端に開口を有する略筒状の形状を有する。リング45は、導電性を有する素材で構成される。本実施形態において、リング45は、ステンレス鋼等の金属で形成される。リング45は、先端側の開口を通じて空隙内にセラミックヒータ40の後端部を受け入れ、これを保持している。また、リング45は、後端側の開口を通じて空隙内に中軸50の先端部を受け入れ、これを保持している。その結果、セラミックヒータ40と中軸50は、リング45を介して接続される。また、セラミックヒータ40の発熱体42は、基体44の表面から露出している他方の箇所425において、リング45を介して中軸50に電気的に接続される。
中軸50は、導電性を有する素材で構成される。本実施形態において、中軸50は、ステンレス鋼等の金属で形成される。中軸50は、主体金具20の内部において、リング45を介してセラミックヒータ40の後端側と接続される。その結果、中軸50は、リング45を介してセラミックヒータ40の発熱体42と電気的に接続される。中軸50は、絶縁部材60を介して、主体金具20に保持される。また、中軸50は、主体金具20の内部において、主体金具20の内壁とは空隙をあけて位置している。その結果、中軸50と主体金具20とは、絶縁されている。
Oリング55は、絶縁性の弾性体(例えば、ゴム等)で構成される。Oリング55は、中軸50の外周であって、絶縁部材60の先端と接する位置に配される。Oリング55の外周は、主体金具20の内周面と接する。その結果、主体金具20の内壁と中軸50の外周との間の空隙は、後端部側においてOリング55によって気密に封止されている。
絶縁部材60は、絶縁性の樹脂等で構成されており、主体金具20の後端部において、筒状の主体金具20の空隙内に一部を配されて、固定されている。絶縁部材60の後端部は、主体金具20から露出している。絶縁部材60は、中軸50を保持している。中軸50は、絶縁部材60を貫通している。その結果、中軸50の後端部は、主体金具20から露出している。主体金具20の外部に露出している中軸50の後端部には、端子70が接続される。
端子70は、導電性を有する素材で構成される。本実施形態において、端子70は、鉄等の金属で形成される。端子70は、中軸50に固定されている。その結果、端子70は、中軸50と電気的に接続されている。一方、端子70と主体金具20の間には、絶縁部材60が介在する。このため、端子70と主体金具20は、絶縁されている。
端子70に接続されたプラグコード(図示せず)によって、端子70と主体金具20の間に電圧が印加されることにより、端子70、中軸50、リング45、発熱体42、金属外筒30、主体金具20に電流が流れ、発熱体42が発熱する。金属外筒30および主体金具20は、ディーゼルエンジンのシリンダーヘッド(図示せず)を介して接地されている。
図2は、金属外筒30及びセラミックヒータ40の断面図である。なお、金属外筒30は点線で示している。セラミックヒータ40は、先端部441及び後端部443が金属外筒30から露出し、保持部442が金属外筒30に囲まれて、保持されている。具体的には、セラミックヒータ40は、金属外筒30に圧入により挿入されてなる。
発熱体42は基体44内に保持されている。発熱体42は、一対の導電部424,426と、発熱部428とを備える。一対の導電部424、426は、グロープラグ10の中心軸Acの方向(以下、軸線方向D1と言う)に沿って伸びている。導電部424の他方の箇所425は、基体44から露出している。他方の箇所425は、リング45を介して中軸50と電気的に接続される。導電部426の一方の箇所427は、基体44から露出している。一方の箇所427は、外筒30と電気的に接続される。
そして、実施形態1においては、セラミックヒータ40のうち金属外筒30に保持されている保持部442に、軸線方向D1に沿う圧縮応力Tが付与されている。具体的には、図2に示すように、保持部442の先端側には軸線方向D1の後端側に向かう応力T1が付与されており、また、保持部442の後端側には軸線方向D1の先端側に向かう応力T2が付与されている。このように、保持部442に軸線方向にD1に沿う圧縮応力Tが付与されているので、エンジンの燃焼状態が高温化によって、金属外筒30とセラミックヒータ40との体積膨張差がますます大きくなる傾向となったとしても、セラミックヒータ40の保持部442内に埋設された発熱体42(導電部424,426)が断線することを抑制できる。これは、セラミックヒータ40の保持部442に予め圧縮応力Tを与えておく(残留させておく)ことで、保持部442に、金属外筒30とセラミックヒータ40との体積膨張差に起因する引張応力(図2におけるS)が発生したとしても、この引張応力Sと圧縮応力Tとが互いを打消すこととなり、保持部442に応力が加わることを抑制できるからである。
なお、「セラミックヒータ40の保持部442に圧縮応力Tが付与されている」ことは、以下の方法にて確認することが可能である。例えば、金属外筒30に圧入されたセラミックヒータ40を金属外筒30から取り外した際に、取り外す前のセラミックヒータ40の軸線方向長さが取り外した後のセラミックヒータ40の軸線方向長さよりも短いことで確認可能である。
また、実施形態1のような、金属外筒30に圧入したセラミックヒータ40の場合、圧入によってセラミックヒータ40が軸線方向に延び、圧入前のセラミックヒータ40よりも軸線方向長さが長くなる場合がある。すると、後述するような方法にて保持部442に圧縮応力を付与するようにしたセラミックヒータ40の軸線方向長さが、圧入する前のセラミックヒータ40の軸線方向長さよりも長くなる場合が考えられる。そのため、例えば、金属外筒30に圧入されたセラミックヒータ40を金属外筒30から取り外した後、再度、金属外筒30にセラミックヒータ40を圧入し、この圧入したセラミックヒータ40の軸線方向長さよりも、取り外す前のセラミックヒータ40の軸線方向長さが短いかどうかで、「セラミックヒータ40の保持部442に圧縮応力Tが付与されている」かどうかを確認することも可能である。
さらに、取り外す前のセラミックヒータ40の軸線方向長さが、取り外した後のセラミックヒータ40の軸線方向長さの100ppm以上短いことが好ましい。もしくは、再度、金属外筒30に圧入した後のセラミックヒータ40の軸線方向長さよりも、取り外す前のセラミックヒータ40の軸線方向長さが100ppm以上短いことが好ましい。これにより、保持部442に軸線方向にD1に沿う圧縮応力Tが十分に付与されることとなる。
また、実施形態1においては、図2の右下拡大図に示すように、保持部442の先端側部位P1よりも先端側には、先端側に向かうにつれて径方向内側に向かって縮径するテーパ部430が設けられてなる。これにより、セラミックヒータ40が金属外筒30(の縮径部P2)に機械的に係合することができ、セラミックヒータ40の保持部442に先端側に向かう引張応力Sが発生したとしても、テーパ部430によりセラミックヒータ40が軸線方向D1先端側に延びることを抑制でき、保持部442に引張応力Sが加わることを抑制できる。
次に、実施形態1のセラミックグロープラグ10の製造方法を説明する。図3は、実施形態1のセラミックグロープラグ10の製造方法を表わす工程図である。セラミックグロープラグ10を製造する際には、まず、リング45内にセラミックヒータ40を挿入固定する(ステップS100)。なお、リング45内にセラミックヒータ40を挿入固定する方法としては、圧入やロウ付け等が挙げられる。これにより、導電部424の他方の箇所425がリング45の内壁に接触して、導電部424とリング45とが電気的に接続される。
その後、金属外筒30にセラミックヒータ40を圧入し、金属外筒30の先端からセラミックヒータ40の先端部441を突出させる(ステップS110)。これにより、導電部426の一方の箇所427が金属外筒30の内壁に接触して、導電部426と金属外筒30とが電気的に接続される。なお、ステップS110の金属外筒30にセラミックヒータ40を圧入する工程の詳細については、後述する。
次に、リング45に中軸50の先端側を圧入、溶接する(ステップS120)。そして、セラミックヒータ40、外筒30、リング45、中軸50が一体となった部材を主体金具20に組み付け、金属外筒30と主体金具20とを溶接、ロウ付け等により接合する(ステップS130)その後、主体金具20および中軸50の後端部の間に、Oリング55及び絶縁部材60を配置し、中軸50の後端にさらに端子70を取り付けて(ステップS140)、グロープラグ10を完成する。
図4は、図3のステップS110の詳細を示す説明図である。
リング45が挿入固定されたセラミックヒータ40を金属外筒30に圧入するにあたり、図4(a)に示すように、まず、セラミックヒータ40の外表面と、金属外筒30の内表面とに潤滑剤80を配置する(特許請求の範囲の潤滑剤配置工程に相当)。潤滑剤80は、セラミックヒータ40を金属外筒30に圧入する際の摩擦を低減させて、圧入荷重を抑えるためのものである。そのため、セラミックヒータ40の先端から、少なくとも金属外筒30が配置される位置まで、潤滑剤80を付着させればよい。なお、図4(a)では、リング45を除くセラミックヒータ40の外表面全体に潤滑剤80を配置する様子を示している。また、図4(a)では、セラミックヒータ40の外表面と、金属外筒30の内表面との両方に潤滑剤80を配置しているが、セラミックヒータ40の外表面のみ、又は金属外筒30の内表面のみに潤滑剤80を配置してもよい。なお、潤滑剤80としては、例えば、パスキン(商品名:共栄社化学株式会社)を用いている。
次に、図4(b)に示すように、リング45が圧入されたセラミックヒータ40の先端側を金属外筒30に圧入する(特許請求の範囲の圧入工程に相当)。
そして、図4(c)に示すように、金属外筒30が圧入されたセラミックヒータ40に対して、セラミックヒータ40の軸線方向長さが短くなる方向に荷重をかけ、セラミックヒータ40に圧縮を加える。後述する熱処理工程の前であれば、セラミックヒータ40や金属外筒30に配置した潤滑剤が分解除去される前であり、セラミックヒータ40と金属外筒30との摩擦係数が低いため、金属外筒30に圧入されたセラミックヒータ40の保持部442を含めてセラミックヒータ40全体に圧縮を加えることができる。
次に、図4(d)に示すように、セラミックヒータ40に圧縮を加えたまま、リング45および金属外筒30が圧入されたセラミックヒータ40を熱処理する(特許請求の範囲の熱処理工程に相当)。これにより、セラミックヒータ40の外表面と金属外筒30の内表面に配置された潤滑剤を分解除去する。これにより、セラミックヒータ40に金属外筒30が固定されることになる。
その後、セラミックヒータ40に加えていた圧縮を開放する。この際、セラミックヒータ40のうち金属外筒30が圧入された保持部442については、潤滑剤が既に分解除去されてセラミックヒータ40に金属外筒30が固定された状態であるため、保持部442には圧縮応力が付与された(圧縮応力が残留した)ままの状態となる。
このように、実施形態1のセラミックグロープラグ10の製造方法によれば、熱処理工程より前の工程において、セラミックヒータ40を軸線方向に沿って圧縮し、熱処理工程後にセラミックヒータ40への圧縮を開放している。これにより、圧入により金属外筒30に保持されたセラミックヒータ40の保持部442に圧縮応力が付与された状態となる。そのため、エンジンの燃焼状態が高温化によって、金属外筒30とセラミックヒータ40との体積膨張差がますます大きくなる傾向となったとしても、セラミックヒータ40の保持部442内に埋設された発熱体42が断線することを抑制できる。
次に、実施形態2のセラミックグロープラグ100について説明する。なお、実施形態2のセラミックグロープラグ100は、金属外筒30がセラミックヒータ40に圧入により保持されていた実施形態1のセラミックグロープラグ10とは異なり、金属外筒30がセラミックヒータ40にロウ付により保持されている。つまり、実施形態1のセラミックヒータ10と実施形態2のセラミックヒータ100とは、上述のセラミックヒータ40による金属外筒30の保持方法が異なるだけであり、同じ構成である部分については、同符号を用いて説明するか、もしくは省略する。
実施形態2のセラミックグロープラグ100は、実施形態1のセラミックグロープラグ10と同様に、図1に示すように、主体金具20と、金属外筒30と、セラミックヒータ40と、リング45と、中軸50と、Oリング55と、絶縁部材60と、端子70とを備えている。
図5は、金属外筒30及びセラミックヒータ40の断面図である。セラミックヒータ40は、先端部441及び後端部443が金属外筒30から露出し、保持部442が金属外筒30に囲まれて、ロウ付けにより保持されている。
具体的には、セラミックヒータ40の基体44の外表面と、金属外筒30の内表面との間には、ロウ材層90が介在する。ロウ材層90は、セラミックヒータ40と金属外筒30とをそれぞれ接合し、セラミックヒータ40に金属外筒30を固定する。ロウ材層90は、導体部426の一方の箇所427まで覆うように形成されている。よって、ロウ材層90を形成するロウ材としては、導電性を有する材質が好ましく、具体的には、銀ロウを用いている。
そして、実施形態2においても、セラミックヒータ40のうち金属外筒30に保持されている保持部442には、軸線方向D1に沿う圧縮応力Tが付与されている。具体的には、図に示すように、保持部442の先端側には軸線方向D1の後端側に向かう応力T1が付与されており、また、保持部442の後端側には軸線方向D1の先端側に向かう応力T2が付与されている。このように、保持部442に軸線方向にD1に沿う圧縮応力Tが付与されているので、エンジンの燃焼状態が高温化によって、金属外筒30とセラミックヒータ40との体積膨張差がますます大きくなる傾向となったとしても、セラミックヒータ40の保持部442内に埋設された発熱体42(導電部424,426)が断線することを抑制できる。これは、セラミックヒータ40の保持部442に予め圧縮応力Tを与えておく(残留させておく)ことで、保持部442に、金属外筒30とセラミックヒータ40との体積膨張差に起因する引張応力(図におけるS)が発生したとしても、この引張応力Sと圧縮応力Tとが互いを打消すこととなり、保持部442に応力が加わることを抑制できるからである。
なお、「セラミックヒータ40の保持部442に圧縮応力Tが付与されている」ことは、以下の方法にて確認することが可能である。例えば、金属外筒30にロウ付けセラミックヒータ40を金属外筒30から取り外した際に、取り外す前のセラミックヒータ40の軸線方向長さが取り外した後のセラミックヒータ40の軸線方向長さよりも短いことで確認可能である。
さらに、取り外す前のセラミックヒータ40の軸線方向長さが、取り外した後のセラミックヒータ40の軸線方向長さの100ppm以上短いことが好ましい。これにより、保持部442に軸線方向にD1に沿う圧縮応力Tが十分に付与されることとなる。
また、実施形態2においては、図5の右下拡大図に示すように、保持部442の先端側部位P1よりも先端側には、先端側に向かうにつれて径方向内側に向かって縮径するテーパ部430が設けられてなる。これにより、セラミックヒータ40が金属外筒30(縮径部P2)に機械的に係合することができ、セラミックヒータ40の保持部442に先端側に向かう引張応力Sが発生したとしても、テーパ部430によりセラミックヒータ40が軸線方向D1先端側に延びることを抑制でき、保持部442に引張応力Sが加わることを抑制できる。
次に、実施形態2のセラミックグロープラグ100の製造方法を説明する。図6は、実施形態2のセラミックグロープラグ100の製造方法を表わす工程図である。なお、実施形態2のセラミックグロープラグ100の製造方法は、実施形態1のセラミックグロープラグ10の製造方法のステップS110と、ステップS210とが異なるだけであり、他のステップについては、同符号を用いて簡略化する。
実施形態2のセラミックグロープラグ100を製造する際においても、まず、リング45内にセラミックヒータ40を挿入固定する(ステップS100)。なお、リング45内にセラミックヒータ40を挿入固定する方法としては、圧入やロウ付け等が挙げられる。これにより、導電部424の他方の箇所425がリング45の内壁に接触して、導電部424とリング45とが電気的に接続される。
その後、金属外筒30とセラミックヒータ40とをロウ付けして、金属外筒30の先端からセラミックヒータ40の先端部441を突出させる(ステップS210)。これにより、導電部426の一方の箇所427が金属外筒30の内壁に接触して、導電部426と金属外筒30とが電気的に接続される。なお、ステップS210の金属外筒40にセラミックヒータ40をロウ付けする工程の詳細については、後述する。
次に、リング45内に中軸50の先端側を圧入、溶接する(ステップS120)。そして、セラミックヒータ40、外筒30、リング45、中軸50が一体となった部材を主体金具20に組み付け、金属外筒30と主体金具20とを溶接、ロウ付け等により接合する(ステップS130)その後、主体金具20および中軸50の後端部の間に、Oリング55及び絶縁部材60を配置し、中軸50の後端にさらに端子70を取り付けて(ステップS140)、グロープラグ100を完成する。
図7は、図6のステップS210の詳細を示す説明図である。
リング45が挿入固定されたセラミックヒータ40と金属外筒30とをロウ付けするにあたり、図7(a)に示すように、金属外筒30内にセラミックヒータ2を挿通すると共に、ロウ材91をセラミックヒータ40に嵌め込み、金属外筒30の後端側に配置する(特許請求の範囲の配置工程に相当)。
そして、図7(b)に示すように、金属外筒30が挿入されたセラミックヒータ40に対して、セラミックヒータ40の軸線方向長さが短くなる方向に荷重をかけ、セラミックヒータ40に圧縮を加える。後述するロウ付け工程の前であれば、セラミックヒータ40と金属外筒30とが遊嵌状であるため、セラミックヒータ40の保持部442を含めてセラミックヒータ40全体に圧縮を加えることができる。
次に、図7(c)に示すように、金属外筒30の後端側に配置したロウ材91を加熱する。これにより、ロウ材91は溶融し、金属外筒30の内表面とセラミックヒータ40の外表面との間に流れ込む。ロウ材91は、冷却によって固化すると、金属外筒30の内表面とセラミックヒータ40との間にロウ材層90として介在し、金属外筒30とセラミックヒータ40とを接合する(特許請求の範囲のロウ付け工程に相当)。
その後、セラミックヒータ40に加えていた圧縮を開放する。この際、セラミックヒータ40のうち金属外筒30がロウ付けされた保持部442については、金属外筒30とセラミックヒータ40とが接合された状態であるため、保持部442には圧縮応力が付与された(圧縮応力が残留した)ままの状態となる。
このように、実施形態2のセラミックグロープラグ10の製造方法によれば、ロウ付け工程より前の工程において、セラミックヒータ40を軸線方向に沿って圧縮し、ロウ付け工程後にセラミックヒータ40への圧縮を開放している。これにより、ロウ付けにて金属外筒30に保持されたセラミックヒータ40の保持部442に圧縮応力が付与された状態となる。そのため、エンジンの燃焼状態が高温化によって、金属外筒30とセラミックヒータ40と体積膨張差がますます大きくなる傾向となったとしても、セラミックヒータ40の保持部442内に埋設された発熱体42が断線することを抑制できる。
以上、本発明の実施形態1、実施形態2について説明したが、本発明は実施形態1、実施形態2に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、様々な態様にて実施することが可能である。
例えば、実施形態1、実施形態2では、保持部442は、金属外筒30の軸線方向D1の全体に亘って設けられていたが、これに限られるものではない。例えば、保持部は、金属外筒の軸線方向の一部に設けられていても良い。具体的には、セラミックヒータの軸線方向の中央部に径方向外側に突出する部位を設け、この突出する部位を金属外筒に圧入する、又はこの突出する部位と金属外筒とをロウ付け接合する構成であっても良い。もしくは金属外筒の内側に径方向内側に突出する部位を設け、セラミックヒータをこの突出する部位に圧入する、又はセラミックヒータとこの突出する部位をロウ付け接合する構成であっても良い。
また、実施形態1、実施形態2では、保持部442の先端側部位P1には、先端側に向かうにつれて径方向内側に向かって縮径するテーパ部を設けていたが、これに限られるものではない。例えば、保持部の先端側部位に、保持部から縮径する段差部を設けても良い。
さらに、保持部の後端側部位よりも後端側に、径方向内側に向かって縮径し、金属外筒の内面に対して軸線方向に係合可能な段差部、又は後端側に向かうにつれて径方向内側に縮径し、前記金属外筒の内面に対して前記軸線方向に係合可能なテーパ部の何れか一方が設けてもよい。このように、保持部の後端側部位よりも後端側に金属外筒に軸線方向に係合可能な段差部又はテーパ部が設けられることで、セラミックヒータが金属外筒に機械的に係合することができ、セラミックヒータの保持部に後端側に向かう引張応力が発生したとしても、段差部又はテーパ部によりセラミックヒータが軸線方向後端側に延びることを抑制でき、保持部に引張応力が加わることを抑制できる。
また、実施形態1では、金属外筒30にセラミックヒータ40を圧入した後、セラミックヒータ40に圧縮を加えていたが、これに限られるものではない。例えば、金属外筒にセラミックヒータを圧入する前に、セラミックヒータに圧縮を加え、その後、セラミックヒータに圧縮を加えたまま、金属外筒にセラミックヒータを圧入しても良い。
また、実施形態2では、金属外筒30が挿入されたセラミックヒータ40に対して圧縮を加えていたが、これに限られるものではない。例えば、金属外筒にセラミックヒータを挿入する前に、セラミックヒータに圧縮を加え、その後、セラミックヒータに圧縮を加えたまま、金属外筒にセラミックヒータを挿入しても良い。
さらに、実施形態1、実施形態2では、セラミックヒータ40の発熱体42は、一方の箇所427、他方の箇所425が基体から露出した略U字状の形態を有していたが、これに限られるものではない。
1、100・・・セラミックグロープラグ
20・・・主体金具
30・・・金属外筒
40・・・セラミックヒータ
42・・・発熱体
442・・・保持部
430・・・テーパ部
50・・・中軸
60・・・絶縁部材
70・・・端子
80・・・潤滑剤
90・・・ロウ材層
91・・・ロウ材

Claims (2)

  1. 軸線方向に延びるセラミックヒータであり、前記セラミックヒータの先端側から後端側に亘って埋設されてなる発熱体を有する棒状のセラミックヒータと、
    前記セラミックヒータの先端側を突出させつつ、前記セラミックヒータの周囲を取り囲み、前記セラミックヒータが嵌め込まれてなる筒状の金属外筒と、
    を備えるセラミックグロープラグの製造方法であって、
    前記セラミックヒータを前記金属外筒に挿入すると共に、前記セラミックヒータに固化した環状又はC字状のロウ材を嵌め込む配置工程と、
    前記ロウ材を加熱により溶融させ、その後、冷却により固化させることで、前記セラミックヒータの外表面及び前記金属外筒の内表面に前記ロウ材を介在させて、前記セラミックヒータと前記金属外筒とを接合するロウ付け工程とを有し、
    前記ロウ付け工程より前の工程において、前記セラミックヒータを前記軸線方向に沿って圧縮し、前記ロウ付け工程後に前記セラミックヒータへの前記圧縮を開放することを特徴とするセラミックグロープラグの製造方法。
  2. 軸線方向に延びるセラミックヒータであり、前記セラミックヒータの先端側から後端側に亘って埋設されてなる発熱体を有する棒状のセラミックヒータと、
    前記セラミックヒータの先端側を突出させつつ、前記セラミックヒータの周囲を取り囲み、前記セラミックヒータが嵌め込まれてなる筒状の金属外筒と、
    を備えるセラミックグロープラグの製造方法であって、
    前記セラミックヒータの外表面及び金属外筒の内表面の少なくとも一方に潤滑剤を配置する潤滑剤配置工程と、
    前記セラミックヒータを前記金属外筒に圧入する圧入工程と、
    前記セラミックヒータのうち前記金属外筒に圧入された部位を熱処理する熱処理工程とを有し、
    前記熱処理工程より前の工程において、前記セラミックヒータを前記軸線方向に沿って圧縮し、前記熱処理工程後に前記セラミックヒータへの前記圧縮を開放することを特徴とするセラミックグロープラグの製造方法。
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