JP6699052B2 - ナトリウム二次電池用正極及びナトリウム二次電池 - Google Patents
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Description
(2)上記ポリカルボン酸及び/又はポリカルボン酸アルカリ金属塩が、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸アルカリ金属塩、カルボキシメチルセルロース及びカルボキシメチルセルロース金属塩からなる群より選ばれる少なくとも1種を含むことを特徴とする(1)に記載のナトリウム二次電池用正極。
(3)上記電極合剤層における結着剤の含有量が15質量%以下であることを特徴とする(1)または(2)に記載のナトリウム二次電池用正極。
(4)(1)乃至(3)のいずれかに記載のナトリウム二次電池用正極を有するナトリウム二次電池。
本発明の正極に用いられる正極活物質は複合金属酸化物を含有し、その一態様である複合金属酸化物(以下、「実施態様に係る複合金属酸化物1」と略す場合がある。)は、少なくともP2型又はP3型の結晶構造を有するNa2/3Ni1/3Mn2/3O2である。また、金属複合酸化物の別態様である複合金属酸化物(以下、「実施態様に係る複合金属酸化物2」と略す場合がある。)は、P3型の結晶構造を有するNaxMO2(MはMn、Fe、Co、Niから選ばれる少なくとも1種の遷移金属であって、0<x≦1であり、前記Mの一部はLi,Mg,Al,Znから選ばれる少なくとも1種の元素で置換されている。)で表されることを特徴とする。
本発明者らは、安定して充放電を繰り返すことができるナトリウム二次電池の研究を進める中で、正極活物質となる層状構造のナトリウム含有複合酸化物の中に、大気中の水分と反応して変質してしまうものがあることを見出している。このような複合金属酸化物は、ナトリウム二次電池の製造過程において厳密な水分管理が求められ、水系結着剤を利用できない。
そして、本発明者らは、ナトリウム含有複合酸化物の中でも前述の複合金属酸化物1および複合金属酸化物2が、水との反応による変質を抑制して、水系結着剤を適用できることを見出したのである。
実施態様に係る複合金属酸化物1及び複合金属酸化物2は、P2またはP3型の結晶構造を有するものであれば、X線回折におけるピークの位置等の詳細は特に限定されないが、X線源にCuKα線を用いた粉末X線回折測定において、18°から20°の範囲にピークが観察されないことが好ましい。18°から20°の範囲にピークが観察されないことによって、P2またはP3型の結晶構造以外の酸化物の含有量が少なく、良質な複合金属酸化物であると判断することができる。なお、「ピークが観察されない」とは、実質的にピークが観察されないことを意味し、ノイズと判断することができるピークは含まれないものとする。
xは、好ましくは1/3以上、より好ましくは1/2以上であり、好ましくは5/6以下、より好ましくは2/3以下である。xが大きいほど可動ナトリウムイオンが増加するため、可逆容量が大きくなり好ましいが、xが5/6を超えるとP2またはP3型構造以外の構造が現れる傾向があり、固相法での直接合成が難しくなるため、5/6以下とすることが好ましい。
数変化の無い元素という特徴を持っている。上記式におけるMをこれらの元素により置換することによって、充電端でNaイオンが抜けきらないことによるピラー効果のため、材料の体積変化が抑制され、繰り返し充放電に対して安定な材料となるものと推定している。合計の置換量が30モル%を超えると容量低下が大きく好ましくない。また置換量が1モル%以下では置換効果が小さく好ましくない。
実施態様に係る複合金属酸化物1及び複合金属酸化物2の平均径(平均一次粒子径)は、特に限定されないが、下限としては、好ましくは0.1μm以上、より好ましくは0.2μm以上、最も好ましくは0.3μm以上、また、上限としては、好ましくは5μm以下、より好ましくは3μm以下、さらに好ましくは2μm以下、最も好ましくは1.5μm以下である。平均一次粒子径が、上記上限を超えると比表面積が低下したりするために、レート特性や出力特性等の電池特性が低下する可能性が高くなる可能性がある。上記下限を下回ると結晶が未発達であるために充放電の可逆性が劣る等の問題を生ずる可能性がある。
なお、本発明における平均一次粒子径は、走査型電子顕微鏡(SEM)で観察した平均径であり、30,000倍のSEM画像を用いて、10〜30個程度の一次粒子径の平均値として求めることができる。
実施態様に係る複合金属酸化物1及び複合金属酸化物2の二次粒子のメジアン径(50%積算径(D50))は特に限定されないが、通常2μm以上、好ましくは2.5μm以上、最も好ましくは4μm以上で、通常20μm以下、好ましくは18μm以下、最も好ましくは15μm以下である。メジアン径がこの下限を下回ると、正極活物質層形成時の塗布性に問題を生ずる可能性があり、上限を超えると電池性能の低下を来す可能性がある。
実施態様に係る複合金属酸化物1及び複合金属酸化物2のBET比表面積は、特に限定されないが、通常0.1m2/g以上、好ましくは0.2m2/g以上、最も好ましくは0.3m2/g以上で、通常10m2/g以下、好ましくは5m2/g以下、より好ましくは3m2/g以下、更に好ましくは2m2/g以下、最も好ましくは1m2/g以下である。
BET比表面積がこの範囲よりも小さいと電池性能が低下しやすく、大きいと嵩密度が上がりにくくなり、正極活物質層形成時の塗布性に問題が発生しやすくなるという可能性がある。
実施態様に係る複合金属酸化物1及び複合金属酸化物2のタップ密度は、特に限定されないが、通常0.8g/cc以上、好ましくは1g/cc以上、より好ましくは1.4g/cc以上、最も好ましくは1.5g/cc以上で、通常3.0g/cc以下、好ましくは2.8g/cc以下、最も好ましくは2.5g/cc以下である。タップ密度がこの上限を上回ることは、粉体充填性や電極密度向上にとって好ましい一方、比表面積が低くなり過ぎる可能性があり、電池性能が低下する可能性がある。タップ密度がこの下限を下回ると粉体充填性や正極調製に悪影響を及ぼす可能性がある。
なお、本発明におけるタップ密度は、複合金属酸化物粉体5〜10gを10mlのメスシリンダーに入れ、ストローク20mmで200回タップした時の粉体充填密度として求
める。
実施態様に係る複合金属酸化物1及び複合金属酸化物2は、下記の通り、金属含有化合物の混合物を焼成することによって製造できるが、かかる製造方法によって製造された複合金属酸化物に限定されないことは言うまでもない。
が好ましい。
ポリカルボン酸とは、ポリマーの構成単位(例えばモノマーなど)の平均10%以上にカルボキシル基が直接または間接的に結合されたポリマーのことである。また、ポリカルボン酸アルカリ金属塩とは、前記ポリカルボン酸の少なくとも一部のカルボキシル基のH+がアルカリ金属イオンに置換されたポリマーのことである。なお、アルカリ金属としては、Naに限定されるものではなく、Li、Kなど他のアルカリ金属であってもよい。また、ポリカルボン酸等におけるポリマーの主鎖(場合によっては更に側鎖)は、置換又は非置換脂肪族炭化水素基(例えばメチレン基)、置換又は非置換脂環炭化水素基(例えばβ-グルコース)、置換又は非置換芳香族炭化水素基(例えばフェニレン基)などを構成単位とするものを適用することができる。ポリカルボン酸及びポリカルボン酸アルカリ金属塩は、単独重合体であってもよく、共重合体であってもよい。共重合体の場合には、ランダム共重合体、交互共重合体、ブロック共重合体、グラフト共重合体のいずれであってもよい。
これらは、1種のみを単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。例えば、ポリカルボン酸の好適例としてはカルボキシメチルセルロース、ポリアクリル酸を挙げることができ、ポリカルボン酸アルカリ金属塩の好適例としてはカルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリアクリル酸ナトリウムを挙げることができる。これらを適用した場合、優れたサイクル特性を実現できる。
本発明の一形態であるナトリウム二次電池は、前述の本実施態様の複合金属酸化物1または2から構成される正極活物質とポリカルボン酸及び/又はポリカルボン酸アルカリ金属塩を含む結着剤とを含有する電極合剤層を有する正極を備えるものであれば、その他については特に限定されず、公知のナトリウム二次電池に用いられる材料、技術を適宜採用することができる。なお、本発明のナトリウム二次電池に使用される具体的な材料の種類およびその製造方法等については、後述するもののほか、例えば特開2011−236117号公報に記載されている内容を適宜採用することができる。
本発明の一形態である正極は集電体と、その集電体の表面に形成された電極合剤層(以下、正極活物質層ともいう。)を含み、正極活物質層は、正極活物質、導電材、結着剤を含む。
負極は集電体と、その集電体の表面に形成された負極活物質層を含み、負極活物質層は負極活物質及び結着剤を含む。また、負極としては、負極活物質を含む負極合剤を負極集電体に担持したもの、ナトリウム金属又はナトリウム合金等のナトリウムイオンを吸蔵・脱離可能な電極を用いることができる。
集電体としては、ニッケル、アルミニウム、銅、ステンレス(SUS)等の導電性の材料を用いる。集電体は正極用の集電体と同様に、箔、メッシュ、エキスパンドグリッド(エキスパンドメタル)、パンチドメタル等から構成される。
電解質は特に限定されず、一般的な電解液、固体電解質のいずれも使用可能である。電解液としては、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、イソプロピルメチルカーボネート、ビニレンカーボネート、フルオロエチレンカーボネート、4−トリフルオロメチル−1,3−ジオキソラン−2−オン、1,2−ジ(メトキシカルボニルオキシ)エタン等のカーボネート類;1,2−ジメトキシエタン、1,3−ジメトキシプロパン、ペンタフルオロプロピルメチルエーテル、2,2,3,3−テトラフルオロプロピルジフルオロメチルエーテル、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン等のエーテル類;ギ酸メチル、酢酸メチル、γ−ブチロラクトン等のエステル類;アセトニトリル、ブチロニトリル等のニトリル類;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド類;3−メチル−2−オキサゾリドン等のカーバメート類;スルホラン、ジメチルスルホキシド、1,3−プロパンサルトン等の含硫黄化合物;又は上記の有機溶媒にさらにフッ素置換基を導入したものを用いることができる。通常は有機溶媒として、これらのうちの二種以上を混合して用いる。
の単独使用を除く)、又は飽和環状カーボネートと鎖状カーボネートとの混合溶媒からなる非水溶媒を採用することが好ましい。特に、これらの非水溶媒の中からいずれかを採用し、負極活物質としてハードカーボンを採用すると、ナトリウム二次電池は優れた充放電効率及び充放電特性を持つ。必要に応じてリチウムイオン電池に用いられている既知の添加剤を用いてもよい。特に、フルオロエチレンカーボネートは添加剤として好ましい。
本発明のナトリウム二次電池の構造としては特に限定されず、形態・構造で区別した場合には、積層型(扁平型)電池、捲回型(円筒型)電池等、従来公知のいずれの形態・構造にも適用しうるものである。また、ナトリウム二次電池内の電気的な接続形態(電池構造)で見た場合、(内部並列接続タイプ)電池及び双極型(内部直列接続タイプ)電池のいずれにも適用しうるものである。
Na2CO3、Ni(OH)2、Mn2O3を、Na:Ni:Mnのモル比が7/10(5%過剰) : 1/3 : 2/3 となるように秤量し、ボールミルで12時間にわたって混合して金属含有化合物の混合物を得た。得られた混合物をペレット成型した後、アルミナボートに充填し、電気炉を用いて大気雰囲気において900℃で24時間の条件で焼成することによって、複合金属酸化物1(P2−Na2/3Ni1/3Mn2/3O2)を得た。
結着剤としてポリアクリル酸ナトリウム(PAANa)を使用した以外は実施例1と同様の方法で、実施例2のコイン型ナトリウム二次電池を作製した。
Na2CO3、Ni(OH)2、Mn2O3を、Na:Ni:Mnのモル比が7/10(5%過剰) : 1/3 : 2/3 となるように秤量し、ボールミルで12時間にわたって混合して金属含有化合物の混合物を得た。得られた混合物をペレット成型した後、アルミナボートに充填し、電気炉を用いて大気雰囲気において700℃で24時間の条件で焼成することによって、複合金属酸化物2(P3−Na2/3Ni1/3Mn2/3O2)を得た。
結着剤としてポリアクリル酸ナトリウム(PAANa)を使用した以外は実施例3と同様の方法で、実施例4のコイン型ナトリウム二次電池を作製した。
Na2CO3、Ni(OH)2、Mn2O3、MgOを、Na:Ni:Mn:Mgのモル比が7/10(5%過剰) : 5/18 : 2/3 : 1/18となるように秤量し、ボールミルで12時間にわたって混合して金属含有化合物の混合物を得た。得られた混合物をペレット成型した後、アルミナボートに充填し、電気炉を用いて大気雰囲気において700℃で24時間の条件で焼成することによって、複合金属酸化物4(P3−Na2/3[Mg1/18Ni5/18Mn2/3]O2)を得た。
Na2CO3、Ni(OH)2、Mn2O3、ZnOを、Na:Ni:Mn:Mgのモル比が7/10(5%過剰) : 5/18 : 2/3 : 1/18となるように秤量し、ボールミルで12時間にわたって混合して金属含有化合物の混合物を得た。得られた混合物をペレット成型した後、アルミナボートに充填し、電気炉を用いて大気雰囲気において700℃で48時間の条件で焼成することによって、複合金属酸化物5(P3−Na2/3[Zn1/18Ni5/18Mn2/3]O2)を得た。
Na2CO3、Ni(OH)2、Mn2O3、Al2O3を、Na:Ni:Mn:Mgのモル比が7/10(5%過剰) : 11/36 : 23/36 : 1/18となるように秤量し、ボールミルで12時間にわたって混合して金属含有化合物の混合物を得た。得られた混合物をペレット成型した後、アルミナボートに充填し、電気炉を用いて大気雰囲気において700℃で24時間の条件で焼成することによって、複合金属酸化物6(P3−Na2/3[Al1/18Ni11/36Mn23/36]O2)を得た。
結着剤としてポリビニリデンフルオライド(PVDF)、蒸留水の代わりにN−メチルピロリドンを使用した以外は、実施例1と同様の方法で、比較例1のコイン型ナトリウム二次電池を作製した。
結着剤としてポリビニリデンフルオライド(PVDF)、蒸留水の代わりにN−メチルピロリドンを使用した以外は、実施例3と同様の方法で、比較例2のコイン型ナトリウム二次電池を作製した。
Na2CO3、Ni(OH)2、Mn2O3を、Na:Ni:Mnのモル比が21/20(5%過剰) : 1/2 : 1/2 となるように秤量し、ボールミルで12時間にわたって混合して金属含有化合物の混合物を得た。得られた混合物をペレット成型した後、アルミナボートに充填し、電気炉を用いて大気雰囲気において800℃で24時間の条件で焼成することによって、複合金属酸化物3(O3−NaNi1/2Mn1/2O2)を得た。
結着剤としてポリビニリデンフルオライド(PVDF)、蒸留水の代わりにN−メチルピロリドンを使用した以外は、実施例5と同様の方法で、比較例4のコイン型ナトリウム二次電池を作製した。
結着剤としてポリビニリデンフルオライド(PVDF)、蒸留水の代わりにN−メチルピロリドンを使用した以外は、実施例6と同様の方法で、比較例5のコイン型ナトリウム二次電池を作製した。
結着剤としてポリビニリデンフルオライド(PVDF)、蒸留水の代わりにN−メチルピロリドンを使用した以外は、実施例7と同様の方法で、比較例6のコイン型ナトリウム二次電池を作製した。
(式1) NaFe(III) 0.4Ni(II) 0.3Mn(IV) 0.3O2+H2O
→NaOH+Fe(III) 0.4Ni(II) 0.3Mn(IV) 0.3OOH
(式2) Na2/3Fe(III) 1/2Mn(III) 1/6Mn(IV) 1/3O2+H2O
→1/6NaOH+1/12H2+Na1/2Fe(III) 1/2Mn(IV) 1/2O2
実施例及び比較例の複合金属酸化物について、粉末X線回折測定を行った。測定は、リガク製の粉末X線回折測定装置MultiFlexを用いて、以下の条件で行った。
X線:CuKα
電圧−電流:40kV−20mA
測定角度範囲:2θ=10〜70°
ステップ:0.02°
スキャンスピード:6°/分
実施例1のナトリウム二次電池について、充放電評価を行った。各正極材料に対して電流密度が13mA/gになるように設定し、4.5V(充電電圧)まで定電流充電を行った。充電後、電流密度が13mA/gの電流になるように設定し、2.0V(放電電圧)まで定電流放電を行った。この充放電を10サイクル行い、10サイクル後の容量維持率は94.0%であり、高サイクル維持率であることが確認された。なお、充放電は、温度25℃の条件下で行った。
イクル維持率であることが確認された。
Claims (4)
- 少なくともP2型又はP3型の結晶構造を有するNa2/3Ni1/3Mn2/3O2、及びP3型の結晶構造を有するNaxMO2(MはMn、Fe、Co、Niから選ばれる少なくとも1種の遷移金属であって、1/3≦x≦5/6であり、前記Mの一部はLi,Mg,Al,Znから選ばれる少なくとも1種の元素で置換されている。)の複合金属酸化物から選択される何れか含有する正極活物質と、ポリカルボン酸及び/又はポリカルボン酸アルカリ金属塩を含む結着剤とを含有する電極合剤層を有することを特徴とするナトリウム二次電池用正極。
- 上記ポリカルボン酸及び/又はポリカルボン酸アルカリ金属塩が、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸アルカリ金属塩、カルボキシメチルセルロース及びカルボキシメチルセルロース金属塩からなる群より選ばれる少なくとも1種を含むことを特徴とする請求項1に記載のナトリウム二次電池用正極。
- 上記電極合剤層における結着剤の含有量が15質量%以下であることを特徴とする請求項1または2に記載のナトリウム二次電池用正極。
- 請求項1乃至3のいずれかに記載のナトリウム二次電池用正極を有するナトリウム二次電池。
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