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JP6700376B2 - 有意性が未知のバリアントに優先順位をつけるシステム及び方法 - Google Patents
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有意性が未知のバリアントに優先順位をつけるシステム及び方法 Download PDF

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Description

本発明は、遺伝子のバリアントに対する優先度スコアを、疾患に対するその潜在的な有意性に基づき生成するシステム及び方法に関する。
世界的にゲノミクスにおける研究が直面している大きな課題は、次世代シーケンシング装置によって提供される膨大な量のデータをどのように分析するかを決定することである。データを処理し、疾患の診断及び治療において使用することができる臨床的に関連している情報に変換することは挑戦である。ゲノムは、全体として、依然として完全には理解されていない。1つの課題は、有意性が未知のバリアントの影響を決定することである。
1つの遺伝子に対する1つの配列のうち数百又は数千ものバリアントが存在し得る。これらのバリアントのうちかなりの部分は、遺伝子の機能又は発現に影響を与えない可能性がある。しかし、バリアントの一部は、癌等の疾患状態に影響を及ぼし得る。これらのバリアントは、特定の疾患を治療するためにどの療法が効果的であり得るのか決定するのに(例えば、特定のバリアントを示す腫瘍は、そのバリアントを伴わない腫瘍よりも薬物に対して感受性があり得る等)、及び/又は、新しい療法に対する標的を見つけるのに有用であり得る。どのバリアントが研究及び/又は治療に有用であり得るか、及び、どのバリアントが有意な影響を有さないかを決定することは依然として課題である。
様々なアルゴリズムが、バリアントの機能的影響を予想するために開発されてきた。各アルゴリズムは、良性、有害、潜在的に有害、耐性等、クラスにバリアントを分類するその独自のスコアを有する。これらのアルゴリズムのそれぞれは、上記のカテゴリーにバリアントを分類するためのその測定基準を有する。しかし、これらのアルゴリズムの結果には矛盾がある。
本開示の一実施形態による例証的な方法は、遺伝子の複数のバリアントを含み得る遺伝子配列をメモリから受信するステップ;遺伝子の第1バリアントに対する複数の病原性スコアを受信するステップであって、複数の病原性スコアのそれぞれ第1バリアントがおそらく病原性であることを示し得る、ステップ;少なくとも1つのプロセッサを用いて、少なくとも1つのプロセッサが利用できるデータベースに格納された疾患データセットにおける第1バリアントの普及率を計算するステップ;少なくとも1つのプロセッサを用いて、データベースに格納された健康な母集団データセットにおける第1バリアントの普及率を計算するステップ;少なくとも1つのプロセッサを用いて、データベースに格納された疾患データセットにおける遺伝子に対する変異率を計算するステップ;少なくとも1つのプロセッサを用いて、データベースに格納された健康な母集団データセットにおける遺伝子に対する変異率を計算するステップ;少なくとも1つのプロセッサを用いて、第1バリアントの接合状態を計算するステップであって、接合状態は、第1バリアントがホモ接合型であるのか又はヘテロ接合型であるのかに少なくとも部分的に基づく、ステップ;複数の病原性スコア、計算された疾患データセット及び健康な母集団データセットにおける第1バリアントの普及率、計算された疾患データセット及び健康な母集団データセットにおける遺伝子に対する変異率、及び、計算された第1バリアントの接合状態の組み合わせに少なくとも部分的に基づき、第1バリアントに対する優先度スコアを生成するステップであって、優先度スコアは、疾患に対するバリアントの有意性を示す、ステップ遺伝子の残りの複数のバリアントのそれぞれに対する優先度スコアを生成するステップ;それぞれのバリアントの生成された優先度スコアに基づき、第1バリアント及び複数のさらなるバリアントをランク付けするステップであって、バリアントのランクが高いほど、示す疾患に対するバリアントの有意性は高い、ステップ;及び、バリアントのランク及び関連する優先度スコアをユーザに提供するステップ;を含み得る。
本開示の一実施形態による例証的なシステムは、プロセッサと、プロセッサが利用できるメモリであり、遺伝子の複数のバリアントを含み得る遺伝子配列をデジタルの形態で格納するように構成され得るメモリと、プロセッサが利用できるデータベースと、プロセッサに結合されるディスプレイと、を含んでもよく、プロセッサは:遺伝子配列をメモリから受信し、遺伝子の第1バリアントに対する複数の病原性スコアを計算し、高い病原性スコアが、第1バリアントの病原性の尤度がより高いことを示すことができ、データベースに格納された疾患における遺伝子に対する変異率に少なくとも部分的に基づき、遺伝子に対する疾患遺伝子変異スコアを計算し、高い疾患遺伝子変異スコアが、疾患に対する遺伝子の有意性の尤度がより高いことを示すことができ、
データベースに格納された疾患における第1バリアントの頻度に少なくとも部分的に基づき、第1バリアントに対する疾患頻度スコアを計算し、高い疾患頻度スコアが、疾患に対する第1バリアントの有意性の尤度がより高いことを示すことができ、データベースに格納された健康な母集団における第1バリアントの頻度に少なくとも部分的に基づき、第1バリアントに対する健康頻度スコアを計算し、高い健康頻度スコアが、疾患に対するバリアントの有意性の尤度がより低いことを示すことができ、データベースに格納された健康な母集団における遺伝子の率に少なくとも部分的に基づき、遺伝子に対する健康遺伝子変異スコアを計算し、高い健康遺伝子変異スコアが、疾患に対する遺伝子の有意性の尤度がより低いことを示すことができ、第1バリアントの接合状態を計算し、接合状態は、第1バリアントがホモ接合型であるのか又はヘテロ接合型であるのかに少なくとも部分的に基づき、複数の病原性スコア、計算された疾患遺伝子変異スコア、計算された疾患頻度スコア、計算された健康頻度スコア、計算された健康遺伝子変異スコア、及び、計算された第1バリアントの接合状態を共に組み合わせて、第1バリアントに対する優先度スコアを作成し、優先度スコアは、疾患に対する遺伝子のバリアントの有意性を示すことができ、遺伝子の残りの複数のバリアントのそれぞれに対する優先度スコアを生成し、それぞれのバリアントの生成された優先度スコアに基づき、第1バリアント及び残りの複数のバリアントをランク付けし、バリアントのランクが高いほど、示す疾患に対するバリアントの有意性は高く、さらに、バリアントのランク及び関連する優先度スコアをディスプレイに提供する、ように構成されてもよい。
本開示の一実施形態による遺伝子配列の図である。 本開示の一実施形態によるシステムの機能ブロック図である。 本開示の一実施形態による方法の流れ図である。
以下の特定の例証的な実施形態の説明は、実際は単なる例証に過ぎず、決して本発明又はその適用若しくは用途を限定するとして意図されない。以下の本発明のシステム及び方法の実施形態の詳細な説明では、本明細書の一部を形成する付随の図面が参照され、図面においては、例示として、説明されるシステム及び方法が実施され得る特定の実施形態が示されている。これらの実施形態は、当業者が本開示のシステム及び方法を実施することを可能にするのに十分詳細に記載されているが、他の実施形態が利用されてもよいということ、及び、構造的及び論理的変更が、本発明のシステムの真意及び範囲から逸脱することなく行われてもよいということが理解されたい。
従って、以下の詳細な説明は限定的な意味で解釈されることはなく、本発明のシステムの範囲は付随の特許請求の範囲によってのみ定められる。図中の参照番号の1つ又は複数の最初の桁は、本明細書において、典型的には、多数の図に現れる同一の構成要素が同じ参照番号によって識別されることを除いて、図の番号に対応する。さらに、明瞭化目的のために、特定の特徴の詳細な説明は、本発明のシステムの説明を不明瞭にしないように、当業者には明らかである場合に論じられることはない。
例となる方法及びシステムが、一般に非常に不調和である様々なバリアントの病原性スコアを統合するために本明細書において記載される。本明細書において記載されるスコアリングスキームは、従来のスコアリングアルゴリズムよりも高い感度及び特異性で、有意性が未知のバリアントに優先順位を付けるために使用され得るより頑強な及び/又は信頼できるスコアを提供することができる。
健康な母集団及び疾患による影響を受ける母集団にわたるバリアントの普及率は、健康な母集団においても非常に蔓延しているバリアントを排除することによってバリアントを病原性と関連付けるために使用することができる。母集団レベルの情報の追加は、従来のスコアリングアルゴリズムによって有害であると予測され得るが、健康な母集団においても頻繁に見つかるバリアントの偽陽性を排除又は減少させ得る。
非常に可変の遺伝子があり、すなわちそのような遺伝子は、他の遺伝子よりも高い変異率を有する。非常に可変の遺伝子のバリアントは、より低い変異率を有する遺伝子におけるバリアントより有意性が低い可能性がある。遺伝子に対する自然に存在する変異率は、非常に可変の遺伝子に存在するバリアントに対する病原性スコアを低くするために使用されてもよい。
本明細書において記載される方法及びシステムは、特定のバリアントの病原性を予想することにおいて重要な因子と共に、現在使用されている機能的予想アルゴリズムを統合することによって、有意性が未知のバリアントに対する優先度スコアを作成する複合スコアリング方法を含み得る。例えば、SIFT、Polyphen、LRT及びMutation Taster等のアルゴリズムは、様々なスコアリング基準及び方法を有し、バリアントに対する最終的な優先度スコアを作成するために使用され得る1つ又は複数のスコアを生成するために使用されてもよい。
本明細書において記載される方法及びシステムによって計算されたバリアントに対する優先度スコアを使用して、1つ又は複数の遺伝子のバリアントに優先順位をつけることができる。優先度スコアは、矛盾するスコアを減らし得る多数の基準に基づいてもよく、バリアントが病原性である及び/又は疾患に対して有意である可能性を反映する。
図1は、本開示の一実施形態による遺伝子配列100の図である。遺伝子配列100は、1つの遺伝子、多数の遺伝子又は1つの遺伝子の一部に対する配列であってもよい。遺伝子配列100は、遺伝子のバリアント105を含み得る。バリアント105は、点変異であってもよく、又は、多数の塩基対を含んでもよい。バリアント105は、配列100のうちエクソーム110の部分に含まれていてもよい。エクソーム110は、1つ又は複数のアミノ酸をコードしてもよい。遺伝子配列100はまた、1つ又は複数のイントロン115の部分を含み得る。一部の実施形態では、遺伝子配列100は、1つ又は複数のイントロン115の部分を排除するように選択されてもよい。
遺伝子内のバリアント105は、1つ又は複数のアミノ酸を代替的なアミノ酸と置換させる、及び/又は、遺伝子配列100のその部分から合成されたタンパク質から除去させることができる。バリアント105による遺伝子によりコードされるアミノ酸における変化は、1つ又は複数のタンパク質の機能及び/又は構造に影響を及ぼし得る。バリアントは、1つ又は複数のタンパク質の過剰発現又は過少発現を引き起こす恐れがある。これらの影響は有害であり、バリアント105の病原性に寄与し得る。例えば、p53遺伝子内のバリアントは、変異細胞が分裂するのを停止させる責任があるタンパク質の産生を停止するか、又は、形成異常のタンパク質の産生を引き起こす恐れがある。活性型のタンパク質がなければ、変異細胞は分裂して腫瘍を形成し得る。
バリアント105及びその影響が特定の疾患(例えば癌、自己免疫障害)と高度に関連する場合、バリアント105を用いて、標的療法を選択する、及び/又は、臨床研究に対する候補を選ぶことができる。しかし、多くのバリアントはほとんど又は全く影響を与えない。多くのバリアントは、疾患又は他の状態に特異的ではない可能性がある。遺伝子は、何千ものバリアントを有し得るが、ごく一部のみが(例えば、病原性の影響を有する等)潜在的に臨床的に関連している可能性がある。SIFT及びPolyphen等の既存のアルゴリズムは、バリアントの病原性を予想し、病原性スコアを割り当てることを試みる。しかし、これらのアルゴリズムは、矛盾する結果をもたらし、さらに、バリアントの病原性を過大に又は過少に予想する恐れがある。どのバリアントが最も有意であるかをシステム又はユーザが決定することは困難であり得る。バリアントの病原性を決定し、さらに、多数のバリアントに優先順位をつけるための既存のアルゴリズムを改善し得るさらなる因子が考慮されてもよい。
図2は、本開示の一実施形態によるシステム200の機能ブロック図である。システム200は、疾患及び/又は他の状態に対するその有意性の基準であり得る、バリアントに対する優先度スコアを生成するために使用することができる。遺伝子配列(例えば、図1において示されている遺伝子配列100)がデジタルの形態で、メモリ205に含まれていてもよい。メモリ205は、プロセッサ215が利用可能であってもよい。プロセッサ215は、1つ又は複数のプロセッサを含み得る。プロセッサ215は、(例えば、The Cancer Genome Atlas(TCGA)等)1つ又は複数のデータセットを含むデータベース210を利用することができる。一部の実施形態では、データベース210は、1つ又は複数のデータベースを含んでもよい。プロセッサ215は、その計算の結果を提供することができる。例えば、結果は、ディスプレイ220及び/又はデータベース210に提供されてもよい。ディスプレイ220は、ユーザに可視の電子ディスプレイであってもよい。一部の実施形態では、システムはまた、プリンタ等、結果を提供する他の装置を含んでもよい。任意選択で、プロセッサ215は、コンピュータシステム225にさらにアクセスすることができる。コンピュータシステム225は、追加のデータベース、メモリ及び/又はプロセッサを含んでもよい。コンピュータシステム225は、システム200の一部であってもよく、又は、システム200によって遠隔からアクセスされてもよい。一部の実施形態では、システム200は、遺伝子配列決定装置230も含むことができる。遺伝子配列決定装置230は、生体試料(例えば、腫瘍生検、口腔粘膜検体の遺伝子単離物等)を処理して、遺伝子配列を生成し、さらに、デジタル形態の遺伝子配列を生成することができる。
プロセッサ215は、データベース210に格納することができる1つ又は複数のデータセットに格納された1つ又は複数の母集団におけるバリアントの普及率を計算するように構成することができる。プロセッサ215は、データベース210に格納することができる1つ又は複数のデータセットに格納された1つ又は複数の母集団における遺伝子の変異率を計算するように構成することができる。プロセッサ215は、計算された普及率、変異率及び/又は受信された病原性スコアに少なくとも部分的に基づき優先度スコアを生成するように構成することができる。一部の実施形態では、プロセッサ215は、1つ又は複数の病原性スコアを組み合わせて優先度スコアを生成するように構成することができる。一部の実施形態では、プロセッサ215は、バリアントの接合状態を決定するように構成することができる。プロセッサ215は、ディスプレイ220、データベース210、メモリ205及び/又はコンピュータシステム225に優先度スコアを提供するように構成することができる。一部の実施形態では、プロセッサ215が2つ以上のプロセッサを含む場合、プロセッサは、異なる計算を行って優先度スコアを決定する、及び/又は、複数の計算を並行して行うように構成することができる。
一部の実施形態では、プロセッサ215は、2つ以上のバリアントに対する優先度スコアを計算するように構成することができる。これらの実施形態では、プロセッサ215は、各バリアントの優先度スコアに少なくとも部分的に基づきそれらのバリアントをランク付けするように構成することができる。一部の実施形態では、メモリ205内の1つ又は複数の遺伝子配列が、データベース210に追加されてもよい。遺伝子配列は、データベース210内の1つ又は複数のデータセットに追加されてもよく、及び/又は、バリアントの優先度スコアの計算、ランク付けを動的に更新するために使用されてもよく、及び/又は、後のバリアントの優先度スコアの計算に使用されてもよい。
一部の実施形態では、プロセッサ215は、上記の病原性スコア及び他の計算にDempster−Shaferの理論を適用して、バリアントに対する優先度スコアを生成するように構成することができる。
システム200は、バリアントの優先順位付けを改善することによって、疾患又は他の状態に対して最も有意なバリアントのより迅速な決定を可能にし得る。これは、(例えば、タンパク質フォールディングの分析、遺伝子発現等)最も有意なバリアントのより迅速な分析を導き得る。既存のシステムは、バリアントの有意性に対して高い割合の偽陽性をもたらし、広範な追加の計算及び/又は時間のかかる再調査を要求し、最も有意なバリアントを決定する能力を低下させる。最も有意なバリアントの決定は、システム200、他のシステム及び/又はユーザが、その最も有意なバリアントに基づき治療及び/又は研究の意思決定を行うことを可能にし得る。システム200は、研究室、病院及び/又は他の環境で使用することができる。ユーザは、疾患研究者、医師及び/又は他の臨床家であってもよい。
図3は、本開示の一実施形態による、バリアントに対する優先度スコアを生成する方法300の流れ図である。一部の実施形態では、方法300は、図2において示されているシステム200等のシステムによって行うことができる。バリアントに対する遺伝子配列をブロック305にて受信することができる。遺伝子配列はデジタルの形態であってもよく、さらに、メモリに提供することができる。遺伝子配列は、次世代シーケンシング装置又は別の供給源(例えば、データベース、ポータブルハードドライブ、インターネット等)によって提供されてもよい。バリアントに対する1つ又は複数の病原性スコアを、ブロック310にて受信することができる。病原性スコアは、SIFT、Polyphen、LRT、Mutation Taster及び/又は他のアルゴリズム等、既知のアルゴリズムを使用して計算されたものであってもよい。2つ以上の病原性スコアが受信される場合、一部の実施形態では、(例えば、平均化、正規化及び合計、又は、正規化及び掛け算等)スコアを組み合わせて単一の病原性スコアにすることができる。
ブロック315にて、疾患におけるバリアントの普及率を計算することができる。普及率は、バリアントが存在する疾患例の割合、遺伝子配列の試料中のバリアントの例の総数及び/又は他の方法によって計算されてもよい。普及率は、疾患の遺伝子配列のデータセットにおけるバリアントの出現の頻度を決定することによって計算されてもよい。ブロック320にて、健康な母集団におけるバリアントの普及率を計算することができる。健康な母集団におけるバリアントの普及率は、疾患におけるバリアントの普及率と同様の方法で計算されてもよい。例えば、普及率は、バリアントが健康な母集団に存在する場合の割合、及び/又は、健康な母集団からの遺伝子配列の試料中のバリアントの例の総数によって決定することができる。
1つ又は複数の遺伝子に対する配列のデータセットを使用して、1つ又は複数の母集団におけるバリアントの普及率を決定することができる。母集団は、個体(例えば、ヒト、マウス)又は細胞(例えば、肝臓、HeLa)の集団であってもよい。図3には示されていないけれども、さらなる母集団及び/又は分集団が分析されてもよい(例えば、多数の種、民族、性別等)。健康な母集団における普及率と比較して疾患におけるバリアントの相対的な普及率が大きいほど、バリアントが疾患に対して有意である可能性が高い。配列のデータセットの例は、The Cancer Genome Atlas(TCGA)である。TCGAは、疾患母集団に対するデータセットとして使用されてもよい。配列のデータセットの別の例は1000Genome Projectである。このデータセットは、健康な母集団に対して使用されてもよい。他のデータセットも使用することができる。
データセットはまた、遺伝子における突然変異の普及率を決定するために使用され得る。遺伝子における突然変異の普及率は、遺伝子の変異率に対応し得る。ブロック325にて、バリアントを含む遺伝子の変異率が計算され、ブロック330にて健康な母集団におけるバリアントを含む遺伝子の変異率の計算が続く。変異率は、置換率、変異蓄積系統、系統発生方法及び/又は他の方法を使用して計算することができる。健康な母集団における変異率と比較して疾患における遺伝子の相対的な変異率が大きいほど、遺伝子における突然変異が疾患に対して有意である可能性が高い。健康な母集団においても疾患母集団においても低い変異率を有する遺伝子における突然変異は、健康な母集団においても疾患母集団においても高い変異率を有する遺伝子における突然変異よりも有意であり得る。
ブロック315〜330における計算されたバリアントの普及率及び変異率は、ブロック310にて計算された病原性スコアを修正するために使用することができる。優先度スコアを、ブロック335にて生成することができる。優先度スコアは、バリアントの普及率及び変異率によって調整される病原性スコアであってもよい。この調整によって、既存のアルゴリズムによって計算される病原性の過大評価及び/又は過小評価を減らすことができる。次に、優先度スコアを、ブロック340にてユーザに提供することができる。バリアントに対する優先度スコアは、デジタルディスプレイ、プリントアウト、非一時的なコンピュータ可読媒体及び/又は他のデバイスに提供されてもよい。
方法300は、1つ又は複数の遺伝子の多数のバリアントに対して行うことができる。次に、バリアントを、その優先度スコアに基づきランク付けすることができる。優先度スコアが高いほど、バリアントが疾患に対して有意である可能性が高い。例えば、バリアント及びその関連する優先度スコアは、ユーザにリストとして提供することができる。このリストは順序づけ及び/又はランク付けされてもよく、最も高い優先度スコアを有するバリアントはリストのトップにおかれる。これによって、どのバリアントが有意になる可能性が最も高いかをユーザが迅速に決定することが可能になり得る。一部の実施形態では、所望の閾値スコアを上回る優先度スコアを有するバリアントのみがユーザに提供されてもよい。ユーザは、バリアントの優先度スコアに基づき、療法及び/又は臨床試験に対する候補を選択することができる。
一部の例では、最高ランクのバリアントのうち1つ又は複数のバリアントを、図2において示されているプロセッサ215等のプロセッサに提供することができる。プロセッサは、優先度スコアに少なくとも部分的に基づき、タンパク質の発現における変化を決定することができる。タンパク質の発現における変化は、療法を選択する、創薬のために標的に優先順位を付ける及び/又は、他の適用のために臨床医によって使用されてもよい。
さらなる因子が、病原性スコアを改善するために考慮され得る。一部の実施形態では、バリアントの接合状態を分析することができる。ヘテロ接合型バリアントは、病原性スコアを修正してより低い優先度スコアを生成し得るか、又は、病原性スコアを修正しなくてもよい。ホモ接合型バリアントは、病原性スコアを修正してより高い優先度スコアを生成し得る。すなわち、ホモ接合型バリアント(バリアントはどちらの染色体のコピーにおいても生じる)は、ヘテロ接合型バリアントよりも疾患に対して有意であり得る。一部の実施形態では、バリアントの接合状態は、バリアントがホモ接合型である場合には2であり、バリアントがヘテロ接合型である場合には1であり得る。
一部の実施形態では、先に簡単に説明したように、病原性スコアを修正して優先度スコアを生成するために、生殖系列及び/又は機能ドメインのデータセット等、分集団におけるバリアントの普及率を計算することができる。例えば、生殖系列のデータセットでは、中国人の母集団においてはまれに生じるバリアントは中国人患者における疾患に対してより有意であり得るが、バリアントが健康なヨーロッパ人においてより頻繁に生じる場合にヨーロッパ人の母集団における疾患に対してはそれほど有意ではない。別の例では、癌特異的機能ドメイン等の機能ドメインにおけるバリアントの普及率を計算することができる。
本開示の一実施形態による優先度スコアを計算するための例証的な式は、以下の通りである。
Figure 0006700376
式(1)において示されている例は、寛大な優先度スコアの計算である。式(1)は、再調査のために多数のバリアントが望まれる場合に有利であり得る。式(1)は、相加的状況における病原性スコアアルゴリズムからのスコアを考慮し、さらに、バリアントに対するより多くの高い優先度スコアを生成することができる。
本開示の一実施形態による優先度スコアを計算するための第2の例証的な式は、以下の通りである。
Figure 0006700376
変数の定義は、式(1)に対して提供されているものと同じである。式(2)は、減点優先度スコアの計算である。この式は、再調査のために少数のバリアントが望まれる場合に有利であり得る。式(2)は、乗法的状況における病原性スコアアルゴリズムからのスコアを考慮し、さらに、バリアントに対するより少ない高い優先度スコアを生成することができる。
式(1)及び(2)は、例示的で非限定的な例として提供される。他の優先度スコアの計算も可能であり得る。例えば、式(1)又は(2)は、より多くの又はより少ない病原性スコアを含んでもよい。
代替的な実施形態では、Dempster−Shafer理論を使用し、病原性スコア、普及率及び変異率を組み合わせて優先度スコアにすることができる。Dempster−Shafer理論は、異なるソースからの証拠を組み合わせ、優先度スコアとして使用することができる信念関数によって表されるある程度の信念を得る。優先度スコアを生成する他の方法も使用することができる。
本明細書は、疾患に対して最も有意なバリアントを決定する方法及びシステムを記載しているけれども、他の適用も可能である。例えば、耐病性、物理特性、生体適合性、アレルギー及び/又は他の形質に対して最も有意なバリアントを決定することができる。
当然のことながら、上記の実施形態又はプロセスのいずれも、本発明のシステム、装置及び方法に従って、1つ又は複数の他の実施形態及び/又はプロセスと組み合わせることができるか、又は、別々の装置又は装置の一部の中で別にする及び/又は行うことができるということが正しく理解されることになる。
最後に、上記の考察は、本発明のシステムの単なる例示であり、付随の特許請求の範囲をいかなる特定の実施形態又は実施形態の群に限定するものとして解釈されるべきではないと意図される。従って、本発明のシステムは、例証的な実施形態を参照して特に詳細に記載されているけれども、付随の特許請求の範囲において明記された本発明のシステムのより広範且つ意図された真意及び範囲から逸脱することなく、数多くの修正及び代替的な実施形態が当業者によって考案され得るということも正しく理解されるべきである。従って、本明細書及び図面は、例示的な様式で考慮されることになり、さらに、付随の特許請求の範囲を限定するとして意図されない。

Claims (15)

  1. 遺伝子の複数のバリアントを含む遺伝子配列をメモリから受信するステップと、
    前記遺伝子の第1バリアントに対する複数の病原性スコアを受信するステップであって、前記複数の病原性スコアのそれぞれは前記第1バリアントがおそらく病原性であることを示す、ステップと、
    少なくとも1つのプロセッサを用いて、前記プロセッサが利用できるデータベースに格納された疾患データセットにおける前記第1バリアントの普及率を計算するステップと、
    前記少なくとも1つのプロセッサを用いて、前記データベースに格納された健康な母集団データセットにおける前記第1バリアントの普及率を計算するステップと、
    前記少なくとも1つのプロセッサを用いて、前記データベースに格納された疾患データセットにおける前記遺伝子に対する変異率を計算するステップと、
    前記少なくとも1つのプロセッサを用いて、前記データベースに格納された健康な母集団データセットにおける前記遺伝子に対する変異率を計算するステップと、
    前記少なくとも1つのプロセッサを用いて、前記第1バリアントの接合状態を計算するステップであって、前記接合状態は、前記第1バリアントがホモ接合型であるのか又はヘテロ接合型であるのかに少なくとも部分的に基づく、ステップと、
    前記複数の病原性スコア、計算された前記疾患データセット及び前記健康な母集団データセットにおける前記第1バリアントの普及率、計算された前記疾患データセット及び前記健康な母集団データセットにおける前記遺伝子に対する変異率、及び、計算された前記第1バリアントの接合状態の組み合わせに少なくとも部分的に基づき、前記第1バリアントに対する優先度スコアを生成するステップであって、前記優先度スコアは、前記疾患に対するバリアントの有意性を示す、ステップと、
    前記遺伝子の残りの複数のバリアントのそれぞれに対する前記優先度スコアを生成するステップと、
    それぞれのバリアントの生成された優先度スコアに基づき、前記第1バリアント及び複数のさらなるバリアントをランク付けするステップであって、バリアントのランクが高いほど、示す疾患に対するバリアントの有意性は高い、ステップと、
    前記バリアントのランク及び関連する前記優先度スコアをユーザに提供するステップと
    を含む方法。
  2. 前記複数の病原性スコアは、共に合計され、請求項1に記載の方法。
  3. 前記複数の病原性スコアは、共に掛けられ、請求項1に記載の方法。
  4. 前記病原性スコアのうち少なくとも1つが、SIFTスコア、Polyphenスコア、LRTスコア又はMutation Tasterスコアである、請求項1に記載の方法。
  5. 前記優先度スコアを生成するステップは、Dempster−Shaferアルゴリズムを適用することを含む、請求項1に記載の方法。
  6. 前記少なくとも1つのプロセッサを用いて、前記データベースに格納された健康な母集団の生殖系列データセットにおける前記バリアントの普及率を計算するステップと、
    前記健康な母集団の生殖系列データセットにおけるバリアントの普及率に少なくとも部分的に基づき、前記優先度スコアを生成するステップと、
    をさらに含む、請求項1に記載の方法。
  7. 前記少なくとも1つのプロセッサを用いて、前記データベースに格納された機能ドメインデータセットにおける前記バリアントの普及率を計算するステップと、
    前記機能ドメインデータセットにおけるバリアントの普及率に少なくとも部分的に基づき、前記優先度スコアを生成するステップと、
    をさらに含む、請求項1に記載の方法。
  8. 前記少なくとも1つのプロセッサを用いて、前記優先度スコアに少なくとも部分的に基づき、タンパク質の発現における変化を決定するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
  9. 決定された前記タンパク質の発現における変化に少なくとも部分的に基づき臨床医によって療法を選択するステップをさらに含む、請求項に記載の方法。
  10. 前記優先度スコアに基づき、臨床試験に対する1又は複数の候補をユーザによって選択するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
  11. プロセッサと、
    前記プロセッサが利用できるメモリであり、遺伝子の複数のバリアントを含む遺伝子配列をデジタルの形態で格納するように構成されたメモリと、
    前記プロセッサが利用できるデータベースと、
    前記プロセッサに結合されるディスプレイと、
    を含むシステムであって、
    前記プロセッサは
    記遺伝子配列を前記メモリから受信し、
    前記遺伝子の第1バリアントに対する複数の病原性スコアを計算し、高い病原性スコアが、前記第1バリアントの病原性の尤度がより高いことを示し、
    前記データベースに格納された疾患における前記遺伝子に対する変異率に少なくとも部分的に基づき、前記遺伝子に対する疾患遺伝子変異スコアを計算し、高い疾患遺伝子変異スコアが、疾患に対する前記遺伝子の有意性の尤度がより高いことを示し、
    前記データベースに格納された疾患における前記第1バリアントの頻度に少なくとも部分的に基づき、前記第1バリアントに対する疾患頻度スコアを計算し、高い疾患頻度スコアが、前記疾患に対する前記第1バリアントの有意性の尤度がより高いことを示し、
    前記データベースに格納された健康な母集団における前記第1バリアントの頻度に少なくとも部分的に基づき、前記第1バリアントに対する健康頻度スコアを計算し、高い健康頻度スコアが、前記疾患に対する前記第1バリアントの有意性の尤度がより低いことを示し、
    前記データベースに格納された健康な母集団における前記遺伝子の率に少なくとも部分的に基づき、前記遺伝子に対する健康遺伝子変異スコアを計算し、高い健康遺伝子変異スコアが、前記疾患に対する前記遺伝子の有意性の尤度がより低いことを示し、
    前記第1バリアントの接合状態を計算し、前記接合状態は、前記第1バリアントがホモ接合型であるのか又はヘテロ接合型であるのかに少なくとも部分的に基づき、
    前記複数の病原性スコア、計算された前記疾患遺伝子変異スコア、計算された前記疾患頻度スコア、計算された前記健康頻度スコア、計算された前記健康遺伝子変異スコア、及び、計算された前記第1バリアントの接合状態を共に組み合わせて、前記第1バリアントに対する優先度スコアを作成し、前記優先度スコアは、前記疾患に対する遺伝子のバリアントの有意性を示し、
    前記遺伝子の残りの複数のバリアントのそれぞれに対する前記優先度スコアを生成し、
    それぞれのバリアントの生成された優先度スコアに基づき、前記第1バリアント及び前記残りの複数のバリアントをランク付けし、バリアントのランクが高いほど、示す疾患に対するバリアントの有意性は高く、さらに、
    前記バリアントのランク及び関連する前記優先度スコアを前記ディスプレイに提供する
    ように構成される、システム。
  12. 前記バリアントは、前記遺伝子配列のエクソームに含まれる、請求項11に記載のシステム。
  13. 前記プロセッサは、前記複数の病原性スコアを正規化し、さらに、前記複数の病原性スコアを組み合わせて、前記病原性スコアを計算するようにさらに構成される、請求項11に記載のシステム。
  14. 前記プロセッサは
    記データベースに格納された健康な母集団の生殖系列データセットにおける前記バリアントの頻度に少なくとも部分的に基づき、前記バリアントに対する生殖系列普及率スコアを計算し、
    前記データベースに格納された機能ドメインデータセットにおける前記バリアントの頻度に少なくとも部分的に基づき、前記バリアントに対する機能ドメインスコアを計算し、さらに
    記生殖系列普及率スコア及び前記機能ドメインスコアを、前記優先度スコアと組み合わせる、
    ようにさらに構成される、請求項11に記載のシステム。
  15. 前記メモリにデジタルの形態で前記遺伝子配列を提供するように構成された遺伝子配列決定装置をさらに含む、請求項11に記載のシステム。
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