JP6705685B2 - 生体由来液処理フィルター及びフィルターデバイス - Google Patents
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Description
l+m+n=100,
0<l,m,n<100
の関係を満たしてもよい。
本実施形態に係るフィルターに含まれるポリマーは、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートと、双性イオンを含む官能基と、−NH2,−NHR1又は−NR2R3(R1,R2,R3は炭素数1〜3のアルキル基)である塩基性含窒素官能基と、を含有する。
ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートとしては、例えば、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート及びヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートが挙げられる。
担体の材質は、赤血球を含む生体由来液を処理するフィルターとして使用されるものであれば特に制限されるものではないが、熱可塑性ポリマーであることが好ましい。担体の材質が熱可塑性ポリマーであると、溶融させて紡糸を行うことが可能であるため、例えば、メルトブロー法、フラッシュ紡糸法又は抄造法等により、不織布、紙、織布又はメッシュの形態にすることができる。このような形態の自由度の観点から、担体の材質は、ポリエチレンテレフタラート又はポリブチレンテレフタラートであることがより好ましい。
フィルターにおいて、コーティングポリマーは、担体に担持されており、その担持量(「コーティング量」ともいう。)は、担体1gあたり1.0mg以上32.5mg以下、好ましくは2.0mg以上32.0mg以下、より好ましくは2.5mg以上31.5mg以下である。コーティング量が担体1gあたり1.0mg以上であると、フィルターの赤血球を含む生体由来液への濡れ性が高く、フィルターの流れ性が良いため、フィルターの一部が使われないエアーブロックを起し難い。また、ポリマーの赤血球を含む生体由来液への溶出及び溶血を防止する観点で、コーティング量は担体1gあたり32.5mg以下が好ましい。ここで、担持とは、コーティングポリマーが、例えば、化学的、物理的又は電気的に担体と結合又は吸着していることを意味する。
コーティング量(mg/g担体)=(B−A)×1000/A
フィルターは、上述した担体に、上述したコーティングポリマーを担持させることにより得ることができる。担持方法、具体的にはコーティング方法は、特に限定はされないが、例えば、塗布法、スプレー法、ディップ法を用いることができる。
図1は、一実施形態に係る生体由来液処理フィルターデバイスを示す分解斜視図である。図1に示す生体由来液処理フィルターデバイス100は、赤血球を含む血液製剤の入口1を有する樹脂製治具10と、血液製剤の出口2を有する樹脂製治具11とを備え、樹脂製治具10及び樹脂製治具11で形成されたハウジング内に本実施形態に係るフィルター20を9枚重ねたフィルターユニット21を含んでなる。フィルターユニット21におけるフィルター20の枚数は、特に制限はなく、適宜設定してよい。また、樹脂製治具10及び樹脂製治具11は、融着、接着剤による接着等により、結合していてもよい。
(コーティングポリマーの合成及びモル比測定)
ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート(HEMA)と、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート(DEAEMA)と、メタクリル酸メチルベタイン(CMB)と、の共重合体を通常の溶液重合によって合成した。重合条件は、各モノマー濃度が1モル/Lのエタノール溶液に、開始剤としてアゾイソブチロニトリル(AIBN)0.0025モル/L存在下、60℃で8時間重合反応を行った。得られたポリマー重合液を水中に滴下し、析出したポリマーを回収した。回収したポリマーは粉砕した後、減圧条件下で24時間乾燥してコーティングポリマーを得た。
上記コーティングポリマーを90W/W%のエチルアルコールへ添加した後、12時間撹拌し、コーティングポリマー濃度が0.56重量%のコーティング液を調整した。
平均繊維直径1.2μmのポリエチレンテレフタラート(PET)繊維よりなる不織布(40g/m2目付、旭化成せんい社製「マイクロウェッブ」)を210mm×150mmの大きさに切り出し、上記コーティング液を入れた金属製バットへ20秒間浸漬させた。余剰コーティング液を落とした後、室温にて風乾させた。
上記コーティングの際に、210mm×150mmに切り出した不織布を60℃設定の熱風乾燥機で1時間乾燥の後に測定した不織布重量(Ag)と、上記方法によりコーティングを行った不織布を同様に60℃設定の熱風乾燥機で1時間以上乾燥の後に測定したコーティング後不織布重量(Bg)を用いて、下記算出式よりコーティング量を求めた。
コーティング量=(重量B−重量A)×1000/重量A
その結果、担体1gあたりのコーティング量は20.0mgであった。
上記コーティング後不織布を20φmmの打ち抜き刃で打ち抜き、9枚重ねて図1に示すような血液製剤の入口1と出口2を備えた樹脂製治具10及び11に挟んで除去フィルターデバイスを作製した。この除去フィルターデバイスについて、図2に示すような濾過システムを用いて血液評価試験(白血球除去性能、血小板除去性能及び溶血試験)を実施した。血液評価試験に用いた血液製剤は、CPD添加保存ヒト全血である。ドナーより採血し、室温にて24時間保存後の血液を用いた。試験の際の血液製剤の流量は40mL/時に設定した。
以下の計算式に従い、白血球除去性能を算出した結果、白血球除去性能は4.7であった。
白血球除去能=−log[(濾過後血液製剤中の白血球濃度)/(濾過前血液製剤中の白血球濃度)]
以下の計算式に従い、血小板除去性能を算出した結果、血小板除去性能は99%であった。
血小板除去性能(%)=[(濾過前血液製剤中の血小板濃度−濾過後血液製剤中の血小板濃度)/濾過前血液製剤中の血小板濃度]×100
濾過前後の血液製剤を3000回転/分(1700×g)15分間遠心分離した後、白い紙等を背景にして、上清部分の着色を濾過前後で観察比較し、以下の基準で評価した。その結果、(−)溶血無であった。
(i)濾過前の血液製剤の上清と比べて濾過後の血液製剤の上清の赤色が明らかに濃いものを(+)溶血あり
(ii)濾過前の血液製剤の上清と比べて濾過後の血液製剤の上清に赤色着色が見られるものを(±)溶血あり
(iii)濾過前の血液製剤の上清と比べて濾過後の血液製剤の上清に赤色着色を認められないものを(−)溶血無
コーティングポリマーのコーティング量が担体1gあたり2.5mgであること以外は実施例1と同様であるフィルターを使用した。実施例1と同様の方法で白血球除去性能、血小板除去性能、及び溶血評価を実施した結果、それぞれ、4.6、99%、及び(−)溶血無であった。
コーティングポリマーのコーティング量が担体1gあたり30.0mgであること以外は、実施例1と同様であるフィルターを使用した。実施例1と同様の方法で白血球除去性能、血小板除去性能及び溶血評価を実施した結果、それぞれ、4.6、99%、及び(−)溶血無であった。
コーティングポリマーの組成がHEMA/DEAEMA/CMB=95.0/2.5/2.5(モル比)であること、及びコーティングポリマーのコーティング量が担体1gあたり1.0mgであること以外は、実施例1と同様であるフィルターを使用した。実施例1と同様の方法で白血球除去性能、血小板除去性能及び溶血評価を実施した結果、それぞれ、4.6、99%、及び(−)溶血無であった。
コーティングポリマーの組成がHEMA/DEAEMA/CMB=67.5/30.0/2.5(モル比)であること、及びコーティングポリマーのコーティング量が担体1gあたり30.0mgであること以外は、実施例1と同様であるフィルターを使用した。実施例1と同様の方法で白血球除去性能、血小板除去性能及び溶血評価を実施した結果、それぞれ、4.7、99%、及び(−)溶血無であった。
コーティングポリマーの組成がHEMA/DEAEMA/CMB=67.5/2.5/30.0(モル比)であること、及びコーティングポリマーのコーティング量が担体1gあたり1.0mgであること以外は、実施例1と同様であるフィルターを使用した。実施例1と同様の方法で白血球除去性能、血小板除去性能及び溶血評価を実施した結果、それぞれ、4.5、99%、及び(−)溶血無であった。
コーティングポリマーの組成がヒドロキシプロピルメタクリル酸(HPMA)/DEAEMA/CMB=67.5/30.0/2.5(モル比)であること、及びコーティングポリマーのコーティング量が担体1gあたり30.0mgであること以外は、実施例1と同様であるフィルターを使用した。実施例1と同様の方法で白血球除去性能、血小板除去性能及び溶血評価を実施した結果、それぞれ、4.7、99%、及び(−)溶血無であった。
コーティングポリマーの組成がHPMA/DEAEMA/CMB=95.0/2.5/2.5(モル比)であること、及びコーティングポリマーのコーティング量が担体1gあたり1.0mgであること以外は、実施例1と同様であるフィルターを使用した。実施例1と同様の方法で白血球除去性能、血小板除去性能及び溶血評価を実施した結果、それぞれ、4.5、99%、及び(−)溶血無であった。
用いた不織布の材料がポリブチレンテレフタラート(PBT)である事以外は、実施例1と同様であるフィルターを使用した。実施例1と同様の方法で白血球除去性能、血小板除去性能及び溶血評価を実施した結果、それぞれ4.7、99%及び(−)溶血無であった。
コーティングポリマーの組成がHEMA/DEAEMA=70.0/30.0(モル比)であること、及びコーティングポリマーのコーティング量が担体1gあたり5.0mgであること以外は、実施例1と同様であるフィルターを使用した。実施例1と同様の方法で白血球除去性能、血小板除去性能及び溶血評価を実施した結果、それぞれ、4.0、99%、及び(+)溶血ありであった。
コーティングポリマーの組成が、HEMA/CMB=85.0/15.0(モル比)であること以外は、実施例1と同様であるフィルターを使用した。実施例1と同様の方法で白血球除去性能、血小板除去性能及び溶血評価を実施した結果、それぞれ、2.8、60%、及び(−)溶血無であった。
コーティングポリマーの組成がHEMA/DEAEMA/CMB=30.0/35.0/35.0(モル比)であること以外は、実施例1と同様であるフィルターを使用した。実施例1と同様の方法で白血球除去性能、血小板除去性能及び溶血評価を実施した結果、それぞれ、3.8、99%、及び(±)溶血ありであった。
コーティングポリマーのコーティング量が担体1gあたり35.0mgであること以外は、実施例1と同様であるフィルターを使用した。実施例1と同様の方法で白血球除去性能、血小板除去性能及び溶血評価を実施した結果、それぞれ、4.7、99%、及び(+)溶血ありであった。
コーティングポリマーの組成が2−メトキシエチル(メタ)アクリレート(MEMA)/DEAEMA/CMB=70.0/10.0/20.0(モル比)であること以外は、実施例1と同様であるフィルターを使用した。実施例1と同様の方法で白血球除去性能、血小板除去性能及び溶血評価を実施した結果、それぞれ、4.4、99%、及び(−)溶血無であった。
コーティングポリマーの組成がHEMA/DEAEMA/AH(アクリル酸;カチオン性モノマー)=60.0/30.0/10.0(モル比)であること、及びコーティングポリマーのコーティング量が担体1gあたり20.0mgであること以外は、実施例1と同様であるフィルターを使用した。実施例1と同様の方法で白血球除去性能、血小板除去性能及び溶血評価を実施した結果、それぞれ、3.7、90%、及び(+)溶血ありであった。
コーティングポリマーの組成がHEMA/DEAEMA/DEGMEMA(ジエチレングリコールメトキシエチルメタクリル酸;非イオン性モノマー)=60.0/30.0/10.0(モル比)であること以外は、実施例1と同様であるフィルターを使用した。実施例1と同様の方法で白血球除去性能、血小板除去性能及び溶血評価を実施した結果、それぞれ、3.7、99%、及び(+)溶血ありであった。
現行、白血球除去フィルターデバイス(旭化成メディカル社製 Sepacel)よりフィルターを取り出し、実施例1と同様の方法で白血球除去性能、血小板除去性能及び溶血評価を実施した結果、それぞれ、3.0、95%、及び(−)溶血無であった。
Claims (11)
- 赤血球及び血漿を含む生体由来液を処理するフィルターであって、担体と、該担体に担持されたポリマーとを有し、前記ポリマーが、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートと、双性イオンを含む官能基と、塩基性含窒素官能基と、を有し、前記塩基性含窒素官能基が、−NH2,−NHR1又は−NR2R3(R1,R2,R3は炭素数1〜3のアルキル基)であり、
前記ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート(l)と、前記塩基性含窒素官能基を有するモノマー単位(m)と、前記双性イオンを含む官能基を有するモノマー単位(n)と、のモル比が、前記ポリマーを構成するモノマー単位のモル比の全体を100として、
l+m+n=100,
0<l,m,n<100
の関係を満たす、
生体由来液処理フィルター。 - 前記ポリマーが、前記担体1gあたり1.0mg以上32.5mg以下の量で担持されている、請求項1に記載の生体由来液処理フィルター。
- 前記双性イオンを含む官能基が、カルボベタイン、スルホベタイン、及びホスホベタインからなる群より選ばれた少なくとも一種に由来する、請求項1又は2に記載の生体由来液処理フィルター。
- 前記ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート(l)と、前記塩基性含窒素官能基を有するモノマー単位(m)と、前記双性イオンを含む官能基を有するモノマー単位(n)と、のモル比が、l/m/n=40.0〜97.0/1.5〜32.5/1.5〜32.5である、請求項1〜3のいずれかに記載の生体由来液処理フィルター。
- 前記ポリマーにおける前記塩基性含窒素官能基を有するモノマー単位が、N,N−ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレートである、請求項1〜4のいずれかに記載の生体由来液処理フィルター。
- 前記ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートが、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートであり、前記N,N−ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレートが、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレートであり、前記双性イオンを有する官能基がメタクリル酸メチルベタインである、請求項5に記載の生体由来液処理フィルター。
- 前記ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートが、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートであり、前記N,N−ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレートが、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレートであり、前記双性イオンを有する官能基がメタクリル酸メチルベタインである、請求項5に記載の生体由来液処理フィルター。
- 前記担体の材質が、ポリエチレンテレフタラート又はポリブチレンテレフタラートである、請求項1〜7のいずれかに記載の生体由来液処理フィルター。
- 前記担体が不織布である、請求項1〜8のいずれかに記載の生体由来液処理フィルター。
- 血小板除去用である、請求項1〜9のいずれかに記載の生体由来液処理フィルター。
- 赤血球及び血漿を含む生体由来液体を処理するフィルターデバイスであって、生体由来液体の入口及び出口を備えたハウジングと、前記ハウジング内に収容された請求項1〜10のいずれかに記載の生体由来液処理フィルターと、を具備するフィルターデバイス。
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