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JP6707982B2 - タイヤ劣化判定装置及びそれを備えた空気入りタイヤ - Google Patents
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JP6707982B2 - タイヤ劣化判定装置及びそれを備えた空気入りタイヤ - Google Patents

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Description

本発明は、劣化度合いの判定試験に供される判定ゴム層をタイヤ内面に装着するようにしたタイヤ劣化判定装置及びそれを備えた空気入りタイヤに関し、更に詳しくは、判定ゴム層を異物が付着しない状態でタイヤ内面から簡単に剥がすことを可能にしたタイヤ劣化判定装置及びそれを備えた空気入りタイヤに関する。
近年、資源の有効活用及び省エネルギーの観点から、空気入りタイヤのトレッド部が摩耗して使用不能の状態になった後、その空気入りタイヤを再生して得られる更生タイヤが普及している。特に、トラックやバスに使用される重荷重用空気入りタイヤについては、更生タイヤが広く使用されている。
使用済みの空気入りタイヤを更生する場合、トレッドゴムが研削された台タイヤを作製し、その台タイヤに対して新たなトレッドゴムを被覆する。そのような更生作業を行うにあたって、台タイヤの残存耐久性を確認するために、シェアログラフィ検査により内部セパレーションの有無を確認したり、外観検査により外傷の有無を確認したりすることが行われている。しかしながら、このような検査では空気入りタイヤを構成するゴム組成物の劣化度合いを十分に評価することができない。
これに対して、硫黄架橋可能なジエン系ゴム組成物からなる芯体ゴムがタイヤのインナーライナー層と同等又はそれ以上の酸素透過係数を有するカバーゴムで被覆されたタイヤ劣化判定具をタイヤ内面に設置し、そのタイヤ劣化判定具の屈曲試験の結果に基づいて空気入りタイヤの劣化度合いを判定することが提案されている(例えば、特許文献1参照)。この場合、タイヤ劣化判定具はタイヤ内面に予め接着されており、それをタイヤ劣化判定時に引き剥がすようにしている。
しかしながら、このようなタイヤ劣化判定具をタイヤ内面に対して接着剤により強固に接着した場合、そのタイヤ劣化判定具をタイヤ内面から剥がす作業が難しいという問題がある。しかも、タイヤ劣化判定具をタイヤ内面から剥がしたとき、タイヤ劣化判定具に接着剤等の異物が付着した状態にあると、タイヤ劣化判定具を用いて空気入りタイヤの劣化度合いを判定する際にタイヤ劣化判定具から異物を除去する必要があり、その除去作業が極めて煩雑である。また、引き剥がし作業時にタイヤ劣化判定具に大きな歪が生じると、そのタイヤ劣化判定具を用いて空気入りタイヤの劣化度合いを判定する際の判定精度が低下する要因にもなる。
特開2006−327469号公報
本発明の目的は、劣化度合いの判定試験に供される判定ゴム層をタイヤ内面に装着するようにしたタイヤ劣化判定装置を構成するにあたって、判定ゴム層を異物が付着しない状態でタイヤ内面から簡単に剥がすことを可能にしたタイヤ劣化判定装置及びそれを備えた空気入りタイヤを提供することにある。
上記目的を達成するための本発明のタイヤ劣化判定装置は、ゴム組成物からなる判定ゴム層と該判定ゴム層に対して積層された粘着層とから構成され、前記判定ゴム層が前記粘着層を介してタイヤ内面に対して装着され、前記タイヤ内面と前記粘着層との間の接触面積が前記粘着層と前記判定ゴム層との間の接触面積よりも大きいことを特徴とするものである。
また、上記目的を達成するための本発明の空気入りタイヤは、ゴム組成物からなる判定ゴム層と該判定ゴム層に対して積層された粘着層とから構成されたタイヤ劣化判定装置を備えた空気入りタイヤであって、前記判定ゴム層が前記粘着層を介してタイヤ内面に対して装着され、前記タイヤ内面と前記粘着層との間の接触面積が前記粘着層と前記判定ゴム層との間の接触面積よりも大きいことを特徴とするものである。
本発明では、ゴム組成物からなる判定ゴム層と該判定ゴム層に対して積層された粘着層とからタイヤ劣化判定装置を構成し、判定ゴム層を粘着層によりタイヤ内面に対して装着するので、タイヤ劣化判定時に判定ゴム層をタイヤ内面から簡単に剥がすことができる。しかも、タイヤ内面と粘着層との間の接触面積を粘着層と判定ゴム層との間の接触面積よりも大きくすることにより、タイヤ内面と粘着層との界面よりも粘着層と判定ゴム層との界面において優先的に剥離が生じるようになるので、判定ゴム層を粘着層からなる異物が付着しない状態で採取することができる。そのため、判定ゴム層を用いて空気入りタイヤの劣化度合いを判定する際に判定ゴム層から異物を除去する作業が不要となる。また、判定ゴム層が無理なく引き剥がされるので、その引き剥がし作業において判定ゴム層に与えられる歪を抑制し、判定ゴム層を用いて空気入りタイヤの劣化度合いを判定する際の判定精度を改善することも可能である。
本発明において、タイヤ内面から判定ゴム層を取り外す際の平均引き剥がし力は2.0N/inch〜100N/inchであることが好ましい。これにより、タイヤ走行時においては判定ゴム層をタイヤ内面にしっかりと保持する一方で、タイヤ劣化判定時には判定ゴム層をタイヤ内面から簡単に剥がすことができる。
粘着層の弾性率はタイヤ内面を形成する部材の弾性率よりも小さく、粘着層の厚さは0.01mm〜3.0mmであることが好ましい。タイヤ内面を形成する部材の弾性率よりも粘着層の弾性率を小さくすることにより、タイヤ走行中にタイヤ内面に生じる歪みに対して粘着層が十分に追従することができる。そして、粘着層の厚さを十分に確保することにより、タイヤ走行中にタイヤ内面に生じる歪の影響で判定ゴム層がタイヤ内面から剥離するのを回避することができる。また、粘着層の厚さの上限値を規定することにより、粘着層に起因するタイヤ周上の質量アンバランスを抑制することができる。
判定ゴム層と粘着層との界面には両者が互いに直接接触しない非粘着領域と両者が互いに直接接触する粘着領域が存在し、これら非粘着領域及び粘着領域の少なくとも一方が他方によって複数に分割されていることが好ましい。このように判定ゴム層と粘着層との界面に非粘着領域と粘着領域を設け、これら非粘着領域及び粘着領域の少なくとも一方を他方によって複数に分割することにより、粘着層に基づく粘着性を十分に維持しながら、判定ゴム層を剥がし易くすることができる。
また、判定ゴム層と粘着層との界面の少なくとも一部には離型材が介在していることが好ましい。これにより、判定ゴム層と粘着層との界面に離型材に基づいて非粘着領域を形成し、判定ゴム層を剥がし易くすることができる。
粘着層と離型材との間の引き剥がし力は離型材と判定ゴム層との間の引き剥がし力よりも大きいことが好ましい。より具体的には、離型材は離型性が異なる複数の層を含む積層構造を有し、離型性が最も低い層が粘着層に当接する一方で離型性が最も高い層が判定ゴム層に当接するように判定ゴム層と粘着層との間に離型材が配置されていることが好ましい。判定ゴム層と粘着層との界面に離型材が介在する場合、判定ゴム層を引き剥がす際に離型材が判定ゴム層に付着してしまう恐れがあるが、粘着層と離型材との間の引き剥がし力を離型材と判定ゴム層との間の引き剥がし力よりも大きくした場合、判定ゴム層に対する離型材の付着を防止することができる。
本発明において、平均引き剥がし力はJIS−Z0237「粘着テープ・粘着シートの試験方法」に記載された「90°引き剥がし粘着力」の測定方法に準拠して測定されるものである。この平均引き剥がし力は判定ゴム層の端部を掴んだ状態で当該端部を引っ張ることで測定される。また、弾性率はJIS−K7161:1994により測定される弾性率(MPa)である。
本発明の実施形態からなる重荷重用の空気入りタイヤを示す子午線断面図である。 本発明に係るタイヤ劣化判定装置の一例を示す斜視図である。 本発明に係るタイヤ劣化判定装置の一例を示す側面図である。 図3のタイヤ劣化判定装置において判定ゴム層を引き剥がし始めた状態を示す側面図である。 本発明に係るタイヤ劣化判定装置の変形例を示す側面図である。 本発明に係るタイヤ劣化判定装置の他の変形例を示す側面図である。 本発明に係るタイヤ劣化判定装置の更に他の変形例を示す側面図である。 (a)〜(b)はそれぞれ本発明に係るタイヤ劣化判定装置の更に他の変形例を示す平面図である。 は本発明に係るタイヤ劣化判定装置に使用される離型材の一例を示す側面図である。 本発明に係るタイヤ劣化判定装置に使用される離型材の変形例を示す側面図である。
以下、本発明の構成について添付の図面を参照しながら詳細に説明する。図1は本発明の実施形態からなる重荷重用の空気入りタイヤを示し、図2〜図4は本発明に係るタイヤ劣化判定装置を示すものである。
図1に示すように、本実施形態の空気入りタイヤは、タイヤ周方向に延在して環状をなすトレッド部1と、該トレッド部1の両側に配置された一対のサイドウォール部2,2と、これらサイドウォール部2のタイヤ径方向内側に配置された一対のビード部3,3とを備えている。
一対のビード部3,3間にはカーカス層4が装架されている。このカーカス層4は、タイヤ径方向に延びる複数本の補強コードを含み、各ビード部3に配置されたビードコア5の廻りにタイヤ内側から外側へ折り返されている。ビードコア5の外周上には断面三角形状のゴム組成物からなるビードフィラー6が配置されている。
一方、トレッド部1におけるカーカス層4の外周側には複数層のベルト層7が埋設されている。これらベルト層7はタイヤ周方向に対して傾斜する複数本の補強コードを含み、かつ層間で補強コードが互いに交差するように配置されている。ベルト層7において、補強コードのタイヤ周方向に対する傾斜角度は例えば10°〜60°の範囲に設定されている。ベルト層7の補強コードとしては、スチールコードが好ましく使用される。
上記空気入りタイヤにおいて、図1〜図3に示すように、タイヤ気室に面するタイヤ内面Sにはシート状の判定ゴム層11がシート状の粘着層12を介して着脱自在に貼着されている。つまり、粘着層12はその粘着性に基づいて判定ゴム層11を取り外し可能な状態で保持している。これら判定ゴム層11及び粘着層12がタイヤ劣化判定装置10を構成している。タイヤ劣化判定装置10は走行時の変形が相対的に小さいトレッド部1又はビード部3に配設されることが望ましい。なお、タイヤ劣化判定装置10のタイヤ内面Sへの装着は空気入りタイヤの加硫前でも加硫後でも良く、粘着層11だけを加硫前に装着しても良い。通常は、判定ゴム層11と粘着層12を含むタイヤ劣化判定装置10が加硫後にタイヤ内面Sに対して装着される。
判定ゴム層11を構成するゴム組成物としては、例えば、硫黄架橋可能なジエン系ゴム組成物を使用することができる。ジエン系ゴムとしては、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、エポキシ化天然ゴム、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ブタジエンゴム(BR)、ニトリルゴム(NBR)、水素化NBR、水素化SBR等を挙げることができる。但し、判定ゴム層11に使用されるゴムは上記ジエン系ゴムに限定されるものではなく、そのゴムには硫黄、加硫促進剤、老化防止剤、カーボンブラック等の充填剤、オイル等の軟化剤、樹脂、ワックス、コバルト塩等の金属塩、ステアリン酸、亜鉛華等の添加物を適宜配合することができる。特に、タイヤの酸化劣化を判定するにあたって、酸化劣化を生じ易い天然ゴム系のゴム組成物が好ましく、硫黄、更には金属塩を含有するものが好ましい。
粘着層12としては、例えば、基材の両面に粘着剤が塗布された両面テープや粘着剤からなるシートを使用することができる。粘着剤としては、特にアクリル系粘着剤を使用すると良い。アクリル系粘着剤は、高温時(例えば、約100℃)でも粘着力があまり低下しないため、好適な粘着剤である。
上記空気入りタイヤにおいて、タイヤ内面Sと粘着層12との間の接触面積は粘着層12と判定ゴム層11との間の接触面積よりも大きくなるように設定されている。より具体的には、タイヤ内面Sと粘着層12とはその界面の全域にわたって互いに接触しているのに対して、粘着層12の判定ゴム層11との界面には少なくとも1つの凹部13が形成されており、粘着層12が凹部13に対応する部分において判定ゴム層11に対して非接触状態になっている。
上述した空気入りタイヤでは、ゴム組成物からなる判定ゴム層11と該判定ゴム層11に対して積層された粘着層12とからタイヤ劣化判定装置10を構成し、判定ゴム層11が粘着層12によりタイヤ内面Sに対して装着されるので、図4に示すように、判定ゴム層11の端部を引っ張ることにより、タイヤ劣化判定時に判定ゴム層11をタイヤ内面Sから簡単に剥がすことができる。しかも、タイヤ内面Sと粘着層12との間の接触面積を粘着層12と判定ゴム層11との間の接触面積よりも大きくすることにより、タイヤ内面Sと粘着層12との界面よりも粘着層12と判定ゴム層11との界面において優先的に剥離が生じるようになるので、判定ゴム層11を粘着層12からなる異物が付着しない状態で採取することができる。そのため、判定ゴム層11を用いて空気入りタイヤの劣化度合いを判定する際に判定ゴム層11から異物を除去する作業が不要となる。また、判定ゴム層11が無理なく引き剥がされるので、その引き剥がし作業において判定ゴム層11に与えられる歪を抑制することができる。その結果、判定ゴム層11を用いて空気入りタイヤの劣化度合いを判定する際の判定精度を改善することができるという利点もある。
上記空気入りタイヤにおいて、タイヤ内面Sと粘着層12との間の接触面積をA1とし、粘着層12と判定ゴム層11との間の接触面積をA2としたとき、0.3×A1≦A2≦0.7×A1の関係、さらに好ましくは、0.4×A1≦A2≦0.6×A1の関係を満足することが好ましい。接触面積A2が接触面積A1の30%未満であるとタイヤ走行時に判定ゴム層11が粘着層12から離脱してしまう恐れがあり、逆に接触面積A1の70%よりも大きいと粘着層12と判定ゴム層11との界面において優先的に剥離を生じさせる効果が低下し、判定ゴム層11を引き剥がす際に粘着層12が部分的に判定ゴム層11に付着してしまう恐れがある。
上記空気入りタイヤにおいて、タイヤ内面Sから判定ゴム層11を取り外す際の平均引き剥がし力は2.0N/inch〜100N/inch、より好ましくは、10N/inch〜50N/inch、さらに好ましくは、20N/inch〜40N/inchであると良い。これにより、タイヤ走行時においては判定ゴム層11をタイヤ内面Sにしっかりと保持する一方で、タイヤ劣化判定時には判定ゴム層11をタイヤ内面Sから簡単に剥がすことができる。判定ゴム層11の平均引き剥がし力が2.0N/inch未満であるとタイヤ走行時に判定ゴム層11がタイヤ内面Sから離脱してしまう恐れがあり、逆に100N/inchを超えると判定ゴム層11の引き剥がしが困難になる。
上記空気入りタイヤにおいて、粘着層12の弾性率はタイヤ内面Sを形成する部材の弾性率よりも小さく、粘着層12の厚さt(図3参照)は0.01mm〜3.0mm、より好ましくは、0.03mm〜2.0mm、さらに好ましくは、0.03mm〜1.0mmであると良い。タイヤ内面Sを形成する部材(例えば、インナーライナー層)の弾性率よりも粘着層12の弾性率を小さくすることにより、タイヤ走行中にタイヤ内面Sに生じる歪みに対して粘着層12が十分に追従することができる。粘着層12の厚さtが0.01mm未満であると、タイヤ走行中にタイヤ内面Sに生じる歪の影響で判定ゴム層11がタイヤ内面Sから剥がれてしまう恐れがあり、逆に3.0mmを超えると、粘着層12に起因するタイヤ周上の質量バランスが悪化することになる。また、粘着層12の弾性率をE1とし、タイヤ内面Sを形成する部材の弾性率をE2としたとき、その比E1/E2は例えば0.001〜0.7であると良い。
図5は本発明に係るタイヤ劣化判定装置の変形例を示すものである。図5において、タイヤ内面Sには凹部及び/又は凸部を含む起伏部14Aが形成されており、粘着層12のタイヤ内面Sとの界面には起伏部14Aに整合する他の起伏部14Bが形成されている。このようにタイヤ内面Sと粘着層12との界面において起伏部14Aと他の起伏部14Bとが互いに噛み合う構造を採用することにより、タイヤ内面Sと粘着層12との間の接触面積が粘着層12と判定ゴム層11との間の接触面積よりも大きくなるように設定されている。この場合、判定ゴム層11を引き剥がす際に、タイヤ内面Sと粘着層12との界面よりも粘着層12と判定ゴム層11との界面において優先的に剥離が生じるようになる。
図6は本発明に係るタイヤ劣化判定装置の他の変形例を示すものである。図6において、判定ゴム層11と粘着層12との界面の少なくとも一部には離型材15が介在している。これにより、判定ゴム層11と粘着層12との界面には離型材15に基づいて非粘着領域X1が形成されるので、判定ゴム層11を剥がし易くすることができる。
図7及び図8(a)〜(b)はそれぞれ本発明に係るタイヤ劣化判定装置の更に他の変形例を示すものである。図7において、判定ゴム層11と粘着層12との界面には複数の離型材15が介在している。これら離型材15は判定ゴム層11と粘着層12との界面に沿って間隔をおいて配置されている。これにより、判定ゴム層11と粘着層12との界面には両者が互いに直接接触しない非粘着領域X1と両者が互いに直接接触する粘着領域X2が形成されている。平面視においては、図8(a)〜(b)に示すように、判定ゴム層11と粘着層12との界面には両者が互いに直接接触しない非粘着領域X1とが両者が互いに直接接触する粘着領域X2(斜線部)が存在し、これら非粘着領域X1及び粘着領域X2の少なくとも一方が他方によって複数に分割されている。このように判定ゴム層11と粘着層12との界面に非粘着領域X1と粘着領域X2を設け、これら非粘着領域X1及び粘着領域X2の少なくとも一方を他方によって複数に分割することにより、粘着層12に基づく粘着性を十分に維持しながら、判定ゴム層11を剥がし易くすることができる。
離型材15は、シリコーン系やフッ素系等の樹脂や溶剤等からなる離型層の単層構造とすることができる。しかしながら、離型材15の構造は特に限定されるものではなく、各種の積層構造を採用することができる。
図9は本発明に係るタイヤ劣化判定装置に使用される離型材の一例を示すものである。図9において。離型材15はフィルム状の基材層15Aと該基材層15Aの両面に被着された離型層15B,15Bとから構成されている。基材層15Aの構成材料としては、樹脂や紙等を使用することができる。一方、離型層15Bの構成材料としては、シリコーン系やフッ素系等の樹脂等を使用することができる。
図10は本発明に係るタイヤ劣化判定装置に使用される離型材の変形例を示すものである。図10において、離型材15はフィルム状の基材層15Aと該基材層15Aの片面に被着された離型層15Bとから構成されている。離型層15Bは基材層15Aよりも離型性が高い層である。そして、基材層15Aが粘着層12に当接する一方で離型層15Bが判定ゴム層11に当接するように判定ゴム層11と粘着層12との間に離型材15が配置されている。これにより、粘着層12と離型材15との間の引き剥がし力が離型材15と判定ゴム層11との間の引き剥がし力よりも大きくなっている。このように粘着層12と離型材15との間の引き剥がし力を離型材15と判定ゴム層11との間の引き剥がし力よりも大きくした場合、判定ゴム層11を引き剥がす際に離型材15が判定ゴム層11に付着するのをより確実に防止することができる。
なお、図10の例では、離型材15を基材層15Aと離型層15Bとから構成した場合について説明したが、離型性が異なる複数の層を含む積層構造を有する離型材を構成するにあたって、例えば、基材層の両側にそれぞれ離型層を積層し、これら離型層の構成材料を互いに異ならせることも可能である。
以下、上述したタイヤ劣化判定装置10を用いたタイヤ劣化判定方法について簡単に説明する。先ず、空気入りタイヤにおいて、タイヤ劣化判定装置10の判定ゴム層11を粘着層12によりタイヤ内面Sに対して取り外し可能な状態で装着する。タイヤ劣化判定装置10は空気入りタイヤの製造直後に装着しても良く、或いは、空気入りタイヤの使用開始時に装着しても良い。タイヤ劣化判定装置10の判定ゴム層11は新品時の物理的特性が予め把握されたものである。次いで、タイヤ内面Sに装着された判定ゴム層11をタイヤ使用開始後の任意の時点で取り外す。例えば、タイヤ使用過程において任意の走行距離に到達した時点、更生作業を行う時点又はタイヤを廃棄する時点においてタイヤ内面Sから判定ゴム層11を取り外す。そして、判定ゴム層11の物理的特性を測定し、その測定値を用いて物理的特性の新品時からの変化量を求め、その変化量に基づいて空気入りタイヤの劣化度合いを判定する。
物理的特性としては、重量(比重)、酸素吸着量、電気抵抗、硬度、破断特性、粘弾特性等を挙げることができる。判定ゴム層11が酸化により劣化すると、重量(比重)、酸素吸着量、電気抵抗、硬度、破断特性、粘弾特性が劣化に伴って変化するので、その物理的特性の新品時からの変化量に基づいて空気入りタイヤの劣化度合いを精度良く判定することができる。また、判定ゴム層11を化学的に分析し、その分析結果を劣化度合いの指標とすることも可能である。
ゴム組成物からなる判定ゴム層と該判定ゴム層に対して積層された粘着層とから構成されたタイヤ劣化判定装置を用意し、これらタイヤ劣化判定装置をそれぞれタイヤサイズ11R22.5の空気入りタイヤの内面に装着した(比較例1及び実施例1〜6)。タイヤ劣化判定装置はタイヤ赤道位置においてタイヤ内面に装着した。
比較例1及び実施例1〜6において、判定ゴム層と粘着層との界面に離型材を介在させることにより、タイヤ内面と粘着層との間の接触面積に対する粘着層と判定ゴム層との間の接触面積の比率(粘着層の接触面積比率)を表1のように種々異ならせた。また、タイヤ内面から判定ゴム層を取り外す際の平均引き剥がし力、及び、粘着層の厚さを表1のように設定した。粘着層の粘着剤としては、アクリル系粘着剤を用いた。この粘着層の弾性率はタイヤ内面を形成するインナーライナー層の弾性率よりも小さいものである。
一方、判定ゴム層がタイヤ内面に対して接着剤で接着されるタイプのタイヤ劣化判定装置を用意し、そのタイヤ劣化判定装置をタイヤ内面に装着した(従来例)。接着剤としては、クロロプレンゴム系接着剤を用いた。
上述した従来例、比較例1及び実施例1〜6のタイヤ劣化判定装置を具備した空気入りタイヤについて、以下の方法により、判定ゴム層の保持性及び引き剥がし容易性を評価し、その結果を表1に併せて示した。
判定ゴム層の保持性:
各試験タイヤをリムサイズ22.5×7.50のホイールに組み付けて直径1707mmのドラムを備えたドラム試験機に装着し、空気圧700kPa、荷重37kN、速度45km/hの条件で20000kmの走行試験を実施し、走行後に判定ゴム層の保持状態を調べた。評価結果は、判定ゴム層がタイヤ内面にしっかりと保持された状態にある場合を「A」で示し、判定ゴム層がタイヤ内面に保持されているものの不安定である場合を「B」で示し、判定ゴム層がタイヤ内面から離脱した場合を「C」で示した。
判定ゴム層の引き剥がし容易性:
各試験タイヤの内面から判定ゴム層を引き剥がし、その際の引き剥がし容易性を評価した。評価結果は、判定ゴム層を異物が付着しない状態で容易に引き剥がすことができた場合を「A」で示し、判定ゴム層を引き剥がした際にその判定ゴム層に粘着層からなる異物が付着していた場合を「B」で示し、引き剥がしにより判定ゴム層に変形や欠損が生じた場合を「C」で示した。
Figure 0006707982
表1から明らかなように、実施例1〜6のタイヤにおいては、判定ゴム層をタイヤ内面から簡単に剥がすことが可能であり、その判定ゴム層を良好な状態で採取することができた。また、実施例1〜6のタイヤにおいては、判定ゴム層の保持性も良好であった。これに対して、従来のタイヤでは、判定ゴム層の保持性は良好であるものの、判定ゴム層の引き剥がしが困難であり、引き剥がされた判定ゴム層が大きく変形していた。また、比較例1のタイヤでは、判定ゴム層の引き剥がし作業がやや難しく、引き剥がされた判定ゴム層に粘着層からなる異物が付着していた。
1 トレッド部
2 サイドウォール部
3 ビード部
4 カーカス層
5 ビードコア
6 ビードフィラー
7 ベルト層
10 タイヤ劣化判定装置
11 判定ゴム層
12 粘着層
13 凹部
14A,14B 起伏部
15 離型材
15A 基材層
15B 離型層
S タイヤ内面

Claims (14)

  1. ゴム組成物からなる判定ゴム層と該判定ゴム層に対して積層された粘着層とから構成され、前記判定ゴム層が前記粘着層を介してタイヤ内面に対して装着され、前記タイヤ内面と前記粘着層との間の接触面積が前記粘着層と前記判定ゴム層との間の接触面積よりも大きいことを特徴とするタイヤ劣化判定装置。
  2. 前記タイヤ内面から前記判定ゴム層を取り外す際の平均引き剥がし力が2.0N/inch〜100N/inchであることを特徴とする請求項1に記載のタイヤ劣化判定装置。
  3. 前記粘着層の弾性率が前記タイヤ内面を形成する部材の弾性率よりも小さく、前記粘着層の厚さが0.01mm〜3.0mmであることを特徴とする請求項1又は2に記載のタイヤ劣化判定装置。
  4. 前記判定ゴム層と前記粘着層との界面に両者が互いに直接接触しない非粘着領域と両者が互いに直接接触する粘着領域が存在し、これら非粘着領域及び粘着領域の少なくとも一方が他方によって複数に分割されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のタイヤ劣化判定装置。
  5. 前記判定ゴム層と前記粘着層との界面の少なくとも一部に離型材が介在していることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のタイヤ劣化判定装置。
  6. 前記粘着層と前記離型材との間の引き剥がし力が前記離型材と前記判定ゴム層との間の引き剥がし力よりも大きいことを特徴とする請求項5に記載のタイヤ劣化判定装置。
  7. 前記離型材は離型性が異なる複数の層を含む積層構造を有し、離型性が最も低い層が前記粘着層に当接する一方で離型性が最も高い層が前記判定ゴム層に当接するように前記判定ゴム層と前記粘着層との間に前記離型材が配置されていることを特徴とする請求項6に記載のタイヤ劣化判定装置。
  8. ゴム組成物からなる判定ゴム層と該判定ゴム層に対して積層された粘着層とから構成されたタイヤ劣化判定装置を備えた空気入りタイヤであって、前記判定ゴム層が前記粘着層を介してタイヤ内面に対して装着され、前記タイヤ内面と前記粘着層との間の接触面積が前記粘着層と前記判定ゴム層との間の接触面積よりも大きいことを特徴とする空気入りタイヤ。
  9. 前記タイヤ内面から前記判定ゴム層を取り外す際の平均引き剥がし力が2.0N/inch〜100N/inchであることを特徴とする請求項8に記載の空気入りタイヤ。
  10. 前記粘着層の弾性率が前記タイヤ内面を形成する部材の弾性率よりも小さく、前記粘着層の厚さが0.01mm〜3.0mmであることを特徴とする請求項8又は9に記載の空気入りタイヤ。
  11. 前記判定ゴム層と前記粘着層との界面に両者が互いに直接接触しない非粘着領域と両者が互いに直接接触する粘着領域が存在し、これら非粘着領域及び粘着領域の少なくとも一方が他方によって複数に分割されていることを特徴とする請求項8〜10のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
  12. 前記判定ゴム層と前記粘着層との界面の少なくとも一部に離型材が介在していることを特徴とする請求項8〜11のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
  13. 前記粘着層と前記離型材との間の引き剥がし力が前記離型材と前記判定ゴム層との間の引き剥がし力よりも大きいことを特徴とする請求項12に記載の空気入りタイヤ。
  14. 前記離型材は離型性が異なる複数の層を含む積層構造を有し、離型性が最も低い層が前記粘着層に当接する一方で離型性が最も高い層が前記判定ゴム層に当接するように前記判定ゴム層と前記粘着層との間に前記離型材が配置されていることを特徴とする請求項13に記載の空気入りタイヤ。
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