図1および図2には、EAP装置の2つの可能な作動モードを示す。
装置は、対向する電極4、6の間に挟まれた、電気活性ポリマー層8を有する。
図1には、固定されていない装置を示す。電圧が使用されると、図に示すように、全ての方向において、電気活性ポリマー層が膨脹する。
図2には、膨脹が一つの方向にのみ生じるように構成された装置を示す。装置は、キャリア層10により支持されている。電圧が使用されると、電気活性ポリマー層は、湾曲しまたは反りが生じる。
電極、電気活性ポリマー層、およびキャリアは、合わせて電気活性ポリマー構造全体を構成すると見なされ得る。
例えば、この移動の性質は、作動の際に膨脹する活性層と、パッシブなキャリア層との間の相互作用により生じる。示されたような軸の周りに非対称な湾曲を得るには、例えば、一方向の動きが強いられるように、分子配向(薄膜伸縮)が適用される。
一方向の膨脹は、EAPポリマーにおける非対称性に起因し、あるいは、これはキャリア層の特性の非対称性、またはその両方に起因する。
前述の電気活性ポリマー構造は、作動と検知の両方に使用されてもよい。最も重要な検知機構は、力の測定および歪み検出に基づく。例えば、誘電体エラストマは、外力により、容易に伸縮することができる。センサに低電圧を印加することにより、電圧の関数として、歪みを測定することができる(電圧は面積の関数である)。
フィールド駆動システムにより検知する別の方法は、容量変化を直接測定すること、または歪みの関数として、電極抵抗の変化を測定することである。
圧電および電歪ポリマーセンサは、印加された機械的応力に応じて、電荷を発生できる(結晶化の量は、検出可能な電荷を発生するほど十分に高いと仮定)。共役ポリマーは、圧電イオン効果を使用することができる(機械的応力がイオンの移動につながる)。CNTに応力が加わると、CNT表面での電荷の変化が生じ、これは、測定することができる。CNTの抵抗は、気体状分子(例えば、O2、NO2)と接触した際に、変化することが示されており、CNTは、ガス検出器として利用できる。
機械的アクチュエータは、通常、応力歪み組み合わせの特定の組に関して特徴があり、これは、それらの作動特性において実現可能である。応力歪みの組み合わせの範囲は、アクチュエータの固有の特性により制限され、その結果、アクチュエータの可能な用途が制限される。
電気活性材料アクチュエータの場合、達成可能な応力-歪みの組み合わせの範囲を拡張することが望ましい。これにより、技術に対する潜在的な適用を広げることができる。この領域における改善は、今のところ、相互に結合された複数のEAPアクチュエータの組み合わせで形成された、複雑な化合物アクチュエータ構造の構成を介してのみ行われている。そのような構成は、製造が煩雑で、大きな形状因子を有し、制御に大きな追加駆動電子機器が必要となる。これは、それ自身、これらの解決策の適用範囲を制限する。
従来のEAPアクチュエータでは、作動特性の制限に加えて、達成可能な検知特性も制限される。EAPアクチュエータの作動の範囲は、アクチュエータ駆動信号に、低振幅のAC検知信号を重ね合わせることにより、検出できることが知られている。ただし、これらの方法を使用した検知特性は、制限される。特に、EAPの信号対ノイズ比は限定的であり、その結果、通常、フィードバック測定において高い精度が必要となる用途では、追加のセンサを設ける必要が生じる。
より正確な検知測定を可能にするため、追加の専用検知層により、EAPアクチュエータを増強することが知られている。しかしながら、これは、複雑性、およびアクチュエータの形状因子を追加し、頻繁な作動サイクルの結果、検知層の変形により、アクチュエータの寿命の潜在的な劣化につながる。
従って、通常、アクチュエータの変形に関し、改善された作動特性が提供され、および/または改善されたフィードバック検知が提供される、EAM系アクチュエータおよび方法が求められる。
アクチュエータ装置の分野において、作動効果を提供する異なる方法で変形できる装置を提供するため、パッシブポリマーマトリクス内に磁性粒子を埋設することは、広く知られている。ただし、作動の動きの範囲およびそのような装置で実現可能な力は、限られることが知られている。
米国特許出願公開第2009/0165877号には、マイクロ流体システムに使用される、多くのアクチュエータ装置が記載されている。ある実施例の組では、アクチュエータは、電場の印加に応じて変形するように適合される。これらは、この効果を容易にするため、電気活性ポリマー材料を有してもよい。別の実施例の組では、アクチュエータは、磁場の印加に応答するように適合される。これらは、この機能を容易にするため、磁性粒子を有してもよい。
また、磁気センサの分野において、圧電材料マトリクス内に埋設された磁性粒子を使用して、磁場強度を検知することが知られている。例えば、日本国出願公開第2000038643号には、圧電マトリクスに磁気応答性粒子を分散させることにより作製された、磁気センサが記載されている。磁気エネルギーの変化が、磁性粒子に機械的な応答を生じさせ、これにより、圧電マトリクスに応力が印加される。従って、これらの応力は、発生した圧電電流において検出可能である。
本願発明者らにより、好適な修正を用いて、作動または検知能力を改善するため、電気活性材料装置の分野にこれらの効果の一部を組み込み得ることが実現される。
本発明は、請求項により定められる。
本発明は、全般に、改善された作動および/または検知効果を容易化するため、磁性粒子が組み込まれた電気活性材料アクチュエータに関する。以下に記載の例のいかなる特徴も、有意に組み合わせることができる。
一例では、アクチュエータ装置が提供される。当該アクチュエータ装置は、
アクチュエータ部材であって、
電気的刺激の印加に応答して変形するように適合された電気活性材料、および
前記電気活性材料内に分散された軟質磁性材料の粒子、
を有するアクチュエータ部材と、
アクチュエータ部材に印加される、設定可能なフィールド強度パターンの磁場を発生するように作動可能な、磁場発生手段と、
電気的刺激発生手段と、
協働した方法で、磁場発生手段および電気的刺激発生手段を制御するように作動される制御器であって、これによりアクチュエータ部材に1または2以上の変形パターンが実現される、制御器と、
を有する。
これらの例は、電気活性材料部材内に軟質磁性粒子を導入し、これにより、電気的および磁気的応答性の両方の特性を取り込んだアクチュエータを提供するという概念に基づくものである。これらの2つの機能が利用されることにより、例えば、一方のみを利用する従来の装置で得られる、または達成可能な範囲を超える、作動効果が提供される。
電気活性材料(EAM)は、特定の例では、電気活性ポリマー材料(EAP)であってもよい。
制御器は、電気的刺激発生手段と磁場発生手段の協働制御が提供するように作動可能であり、これにより、アクチュエータ部材に1または2以上の変形形状、構成、または作動が生じる。制御器は、例えば、2つの手段の協働制御を提供するように作動可能であり、これによりアクチュエータ部材における1または2以上の変形形状、構成、または作動の
プログラムが生じる。
協働制御は、2つの手段を同時に活性化することを含んでもよく、および/または2つの手段を連続的に活性化することを含んでもよい。制御器は、例えば、磁場および電場をともに活性化する動作の少なくとも一つのモードと対応するように構成され、これにより、アクチュエータ部材において、例えば、電気的刺激と磁気的刺激の一方のみを使用した場合と比較して、高められた大きさを有する化合物変形が提供され、または達成される。
これに加えてまたはこれとは別に、制御器は、2つの手段を同時に活性化させる作動の少なくとも一つのモードに対応するように構成され、単一の刺激手段のみを使用して得られる形状と比べて、複雑なまたは入り組んだ追加の度合いを有するアクチュエータ部材において、特定の形状または変形パターンが提供されてもよい。
例えば、2つの手段が相互に利用され、基本変形(例えば、電気的刺激により生じる部材全体にわたる均一な曲げ)で形成された、化合物作動形状が提供されてもよく、これに、(例えば、アクチュエータ部材の少なくとも局所的な領域内の粒子の磁気的刺激により生じる)追加の局所的な変形が重畳される。この方法では、従来得られる範囲を超える、新たな作動効果を提供することができる。
1または2以上の例による別の例では、磁場および電場発生手段は、逐次活性パターンに制御され、1または2以上の作動形状または効果が提供される。逐次制御を利用して、異なる特定の作動形状または構成の進展が提供されてもよく、および/またはこれを用いて、うねりや振動の挙動のような、動的な作動効果が提供されてもよい。そのような電気的および/または磁気的刺激のシーケンスは、変形パターンのプログラムを形成してもよく、制御器は、これを発生するように構成される。
従って、EAP材料と磁性粒子の組み合わせにより、アクチュエータ部材の変形を制御する際に、自由度の追加の度合いが有効に提供される。これは、より複雑なまたはより機械的に強力な、動作の動きおよび効果に有意に使用される。
電気的刺激発生手段は、例えば、少なくともアクチュエータ部材の区画にわたって電場を印加する電極の組であってもよい。あるいは、手段は、アクチュエータ部材と電気的に接続可能な電流源を有し、少なくともアクチュエータ部材の区画にわたって、電流が提供されてもよい。
磁場発生手段は、例えば、制御可能な磁石(すなわち電磁石)であってもよい。手段は、追加でまたはこれに変えて、磁場を構築する循環電気を流す導電性コイルを有してもよい。これは、例えば、ソレノイドであってもよい。ある例では、コイルは、少なくともアクチュエータ部材の区画に巻き付けられてもよい。別の例では、コイルは、アクチュエータ部材の区画に隣接して配置されてもよい。
全ての例において、磁場発生手段は、構成可能なフィールド強度パターンのフィールドを発生するように作動可能であり、これは、少なくともアクチュエータ部材の区画全体に広がる空間にわたって構成可能なベクトル場量を有する、より広い磁場を意味する。磁気ベクトル場は、しばしば、磁場線の組により表され、これは、空間の特定の領域における磁場の方向を表す。磁場の磁場線は、実施例に従って構成可能である。
1または2以上の例では、制御器は、アクチュエータ部材における変形パターンの予め定められた任意の組を生じさせるように作動可能である。制御器は、例えば、メモリを有し、これは、アクチュエータ部材において、任意の複数の異なる作動モードまたは構成を実現するプログラム指令を有する。これらのプログラム指令は、特定の設定またはコマンドの組み合わせを有し、協働された方法で、電気的刺激発生手段および磁場発生手段が制御される。これらのプログラム指令は、電気的刺激発生手段および磁場発生手段を制御する指令を有し、これらは、合わせて作動され、または例えば、逐次的方法で別個に作動されてもよい。
1または2以上の例では、制御器は、アクチュエータ部材の変形を制御するため、例えば、予め定められた制御スケジュールを実行するように作動し、制御スケジュールは、電気的刺激発生手段および磁場発生手段の両方を制御するステップを有し、必要な場合、前記制御スケジュールは、1または2以上の入力パラメータに依存するステップを有する。
1または2以上の例では、入力パラメータは、1または2以上のユーザ入力コマンドを有する。ユーザ入力コマンドは、1または2以上のユーザインターフェースユニットから受信され、実行される特定の1または2以上の制御モードを示すコマンド、または実現される1または2以上の変形パターンを表すコマンドを有してもよい。あるいは、これは、(制御モードの範囲のいずれかにおいて)単にアクチュエータの活性化または非活性化のトリガーに使用されてもよい。
これに加えてまたはこれとは別に、入力パラメータは、1もしくは2以上のセンサ装置もしくは検知素子から得られ、または受信されるパラメータを有してもよい。検知素子は、例えば、以降の別の例により詳しく説明される、作動の範囲を定める部材を有してもよい。
「軟質」磁性粒子と言う用語は、可逆的な磁化示す磁性材料を広く表す。これらは、通常、磁場に晒された際に磁化され、磁場の除去の際に、前記磁化を失う特性を有する。これは、印加外部磁場が存在しない場合でも、飽和または永久磁化を示す、いわゆる硬質磁性材料とは対照的である。
1または2以上の特定の例では、軟質磁性材料の粒子は、軟質強磁性材料、常磁性材料、および超常磁性材料の少なくとも一つを有してもよい。
1または2以上の例の組では、軟質磁性材料は、磁歪材料であってもよく、これは、磁場発生手段による磁場の印加に応答して、アクチュエータ部材の収縮または膨脹を示す。
特定の例では、磁場発生手段は、アクチュエータ部材にわたる印加のため、均一なフィールド強度の磁場を発生するように構成される。均一なフィールド強度は、位置とは無関係のフィールド強度を有することを意味し、特に、これは、アクチュエータ部材本体の範囲全体にわたって同じである。あるいは、均一な磁場は、均質な磁場として知られている。
均一なフィールド強度の磁場の存在により、磁歪粒子は、磁力の引力または斥力を受けないが、磁気的に刺激され、形状または寸法が変化し、または変形する。粒子のこの変形の結果、周囲の電気活性材料マトリクス、さらにはアクチュエータ部材の対応する変形が全体として生じる。巨視的スケールでは、これらの磁気誘導変形の結果、アクチュエータ部材に膨脹または収縮が生じる。
別の特定の例では、磁場発生手段は、アクチュエータ部材にわたって印加される、不均一な磁場強度の磁場を発生するように構成される。不均一な磁場強度は、位置により変化するフィールド強度を意味し、特に、これは、アクチュエータ部材の本体にわたって変化する。
特に、この場合、フィールドは、磁場発生手段から遠ざかる方向において、例えば、磁場発生手段空の距離の関数として、フィールド強度の減少を示してもよい。あるいは、不均一なフィールドは、空間的に不均質な磁場として知られている。
任意の磁場(均一または不均一)の存在下では、軟質磁性材料は、刺激を受け、前記印加磁場の方向と同じ方向に、平行な磁化を示す。特に、不均一磁場の存在下では、2つの「磁極」作用する、力の不均衡の結果、任意の磁化粒子が正味の力を受ける。軟質磁性粒子の存在下では、各粒子の磁化は、印加磁場と平行かつ共配向となり、各粒子は、粒子の配置において、フィールドの(正の)勾配の方向に正味の力を受ける。磁場の強度が、磁場発生手段から遠ざかる方向に減少すると(本例の場合)、各軟質磁性粒子は、磁場発生手段に向かって引力を受ける。
従って、示された例による不均一磁場を印加することにより、磁性粒子は、磁場発生手段に向かって引き寄せられる力を受ける。磁場発生手段を好適に制御することにより、特定のフィールド強度パターンの磁場を刺激し、アクチュエータ部材において、特定の変形パターンが得られる。特に、アクチュエータ部材には、例えば、磁場発生手段の方向に、曲げまたは反りが生じる(特に、アクチュエータ部材が各端部で固定されている場合)。
従って、1または2以上の例では、制御器は、アクチュエータ部材を介して、前記所与の曲げ方向に対して逆平行な方向に延びる磁場線を有する不均一な磁場強度の磁場を発生するように磁場発生手段を制御することにより、少なくともアクチュエータ部材の区画において、所与の方向に曲げを発生するように作動可能であってもよい。
1または2以上の例では、磁性粒子は、電気活性材料内のポリマー滴に懸濁され、ポリマー滴は、電気活性材料よりも低い粘度を有する。この場合、磁場の印加の際に、ポリマー滴は、アクチュエータ部材の電気的に生じる任意の変形に追随するが、EAPマトリクスを介しては泳動しない。2つの材料は、不混和性である。そのようなポリマー滴を提供する効果により、アクチュエータ部材内でのEAPマトリクスの変形に対する抵抗が低下する。これは、EAPの変形の際に、周囲のEAPに対して大きな抵抗を受けることなく、ポリマー粒子が変形できるためである。これは、磁性粒子がEAPマトリクス内に直接埋設されるシステムとは対照的である。後者の場合、粒子は、EAPの変形に対して部分的な抵抗を示す。EAP分子は、粒子の表面に沿って、泳動(剪断)する必要があるためである。ポリマー滴に対する剪断も生じるが、これらのポリマー滴の粘度は、EAPポリマーよりも十分に小さいため、変形に対する粒子抵抗は小さい。
1または2以上の例の組では、軟質磁性材料の粒子は、アクチュエータ部材内に不均一に分散され、不均一な変形パターンが達成される。
特に、粒子は、例えば、アクチュエータ部材内に、空間的に別個の濃度の組に配置されてもよい。これらの場合、電気活性材料は、磁場発生手段の磁場による磁力の行使の際に、材料を介した粒子の泳動を抑制するような粘性を有することが好ましい。
これらの場合、磁場発生手段は、空間的に別個の濃度の前記組の各々にわたって、異なる磁場強度を有する磁場を発生するように作動可能であってもよい。制御器は、特定の制御モードに対応するように構成され、磁場発生手段が制御され、異なる磁場強度の前記磁場が発生してもよい。この方法では、アクチュエータ部材の異なる局部的な区画、または領域は、異なる範囲まで、または異なるパターンまたは構成に変形される。
従って、これらの例では、より複雑で込み入った作動パターンおよび動作が達成される。特に、この変形にわたる局部的な制御は、電気的刺激の変形と組み合わされ、広い範囲で可能な変形パターン、および作動移動および動作が実現される。従って、これは、提供されるアクチュエータ部材の潜在的な適用の範囲を大きく広げ、既に構築された用途において、それらの特性を高める。
別の例では、アクチュエータ部材を用いる作動方法が提供される。アクチュエータ部材は、
電気的刺激の印加に応答して変形するように適合された電気活性材料と、
電気活性材料内に分散された軟質磁性材料の粒子と、
を有し、
当該方法は、
構成可能なフィールド強度パターンの磁場を発生するように作動される磁場発生手段と、電気的刺激発生手段と、を協働する方法で制御することを有し、これにより、アクチュエータ部材において、1または2以上の変形パターンが実現される。
別の例では、アクチュエータ装置が提供される。当該アクチュエータ装置は、
アクチュエータ部材であって、
電気的刺激の印加に応答して変形するように適合された電気活性材料、および
前記電気活性材料内に分散され、少なくともアクチュエータ部材の区画が所与の方向に磁化を示すように整列された硬質磁性材料の粒子、
を有するアクチュエータ部材と、
少なくともアクチュエータ部材の区画にわたる印加のため、構成可能なフィールド強度パターンの磁場を発生するように作動可能である、磁場発生手段と、
電気的刺激発生手段と、
磁場発生手段および電気的刺激発生手段を、協働した方法で、制御し、これにより、アクチュエータ部材に1または2以上の変形パターンが実現されるように作動可能な制御器と、
を有する。
この例の組は、前述の第1の例の組の概念と同様の概念に基づくものであり、すなわち、磁気的応答粒子を、電気活性材料部材の本体内に導入するものである。しかしながら、ここで示された例は、軟質磁性粒子の代わりに、硬質磁性粒子を使用する。前述のように、硬質磁性粒子には、外部印加磁場に依存しない、持続するまたは永久磁化を示すという特徴がある。これは、アクチュエータ部材の変形の制御に対して、広い範囲の新たな可能性およびオプションを導入し、新たなおよび関心のある作動パターンおよび効果が得られる。
前述の例のように、協働制御は、2つの手段を同時に活性化させることを含み、および/または2つの手段を連続的に活性化させることを含む。
制御器は、例えば、アクチュエータ部材において、予め定められた任意の変形パターンの組を発生させるように作動可能であってもよい。
1または2以上の例の組において、制御器は、アクチュエータ部材の変形を制御するため、予め定められた制御スケジュールを実行するように作動可能であり、制御スケジュールは、電気的刺激発生手段と磁場発生手段の両方を制御するステップを有してもよい。必要な場合、前記制御スケジュールは、1または2以上の入力パラメータに依存するステップを有する。入力パラメータは、ユーザ入力コマンドであってもよい。
1または2以上の特定の例では、硬質磁性材料の粒子は、硬質強磁性材料、フェライト材料、SmCo、およびNdFeBの少なくとも一つを有してもよい。
前述の例のように、硬質磁性材料は、磁歪材料であり、磁場発生手段による磁場の印加に応答して、アクチュエータ部材の収縮または膨脹を示してもよい。
特定の例では、磁場発生手段は、アクチュエータ部材にわたる印加のため、均一または不均一な磁場強度の磁場を発生するように構成されてもよい。これらの用語は、前述の定義のように理解される。
均一な磁場強度の磁場の存在下、磁歪粒子は、磁気的な引力または斥力を受けないが、磁気的に刺激され、形状または寸法が変化し、変形する。粒子のこの変形の結果、周囲の電気活性材料マトリクス、さらにはアクチュエータ部材全体としての対応する変形が生じる。巨視的スケールでは、これらの磁気的に誘導された変形の結果、アクチュエータ部材の膨脹または収縮が生じる。
不均一磁場強度の(例えば、磁場発生手段から遠ざかると強度が低下する)磁場の存在下、硬質磁性材料は、正味の力を受ける。力の方向は、それ自身の磁化の方向に依存する。特に、硬質磁性材料の磁化が、印加磁場と平行かつ共配向である場合、磁性粒子は、粒子の配置位置において、磁場強度の(正の)勾配の方向に力を受ける。磁場発生手段から遠ざかる方向に、磁場強度が減少すると、この場合、粒子は、磁場発生手段に向かう引力を受ける。
一方、硬質磁性粒子の磁化が磁場の全般的な方向と反対に配向される場合、粒子は、粒子の配置位置での磁場勾配とは反対の方向に磁力を受ける。また、磁場は、磁場発生手段から遠ざかる方向に減少し、この場合、磁性粒子は、磁場発生手段から遠ざかるように押し出される斥力を受ける。
従って、ここに示された例では、粒子の変形の方向が、印加磁場の方向に応じて変化するため、双方向の変形が達成される。特に、アクチュエータ部材の異なる区画は、磁場発生手段により生じるフィールド線が前記区画を横切る方向に依存して、磁場発生手段に向かって、または遠ざかる方向に、反るように制御される。
特に、制御器は、例えば、磁場発生手段を制御して、アクチュエータ部材を介して磁化と実質的に同じ方向に延びるフィールド線を有する、不均一な磁場強度の磁場を発生させることにより、アクチュエータ部材の前記少なくとも一つの区画の磁化の方向と反平行な方向に、アクチュエータ部材の曲げを実現するように構成されてもよい。
これに加えてまたはこれとは別に、制御器は、磁場発生手段を制御して、アクチュエータ部材を介して実質的に磁化と反対の方向に延伸する磁場線を有する、不均一な磁場強度の磁場を発生させることにより、例えば、前記少なくともアクチュエータ部材の区画の磁化の方向と平行な方向に、アクチュエータ部材の曲げを実現するように構成されてもよい。
1または2以上の例では、制御器は、磁場発生手段を制御して、前記隣接する区画にわたって延伸する磁場線を有するアクチュエータ部材にわたって、それぞれ、アクチュエータ部材の磁化の方向と反平行の方向に、不均一な磁場強度の磁場を発生させ、印加することにより、アクチュエータ部材の少なくとも2つの隣接する区画において、反対に誘導された曲げを実現するように構成されてもよい。これらの例では、隣接する区画は、磁場発生手段に対して、それぞれ異なる方向に、反りまたは変形(例えば曲げ)を示すように制御されてもよい。これは、これらそれぞれの区画にわたって、異なる方向性の磁場を印加することにより達成される。
特定の例では、制御器は、前記それぞれの隣接する区画の各々に対して、磁場を連続的に活性化させるように構成され、これにより、アクチュエータ部材に波状の動きを実現させてもよい。うねりまたは起伏の動きは、隣接する区画の組の各々の反対に誘導された反りを制御し、同時に一括ではなく、一つずつ順番に活性化させることにより、達成される。そのようなうねりの動きは、例えば、ある機械的な「潤滑」効果を達成するため、またはアクチュエータ部材のうねり表面と結合された、任意の固体または流体本体の推進または移動を達成するため、流体を推進し移動させる微小流体システムにおける適用の範囲において、有益または有利である。
1または2以上の例の組では、硬質磁性材料の粒子は、アクチュエータ部材内に不均一に分散され、不均一な変形パターンが達成されてもよい。
特に、粒子は、例えば、アクチュエータ部材内に、空間的に別個の濃度の組に配置されてもよい。
これらの場合、磁場発生手段は、例えば、空間的に別個の濃度の前記組の各々にわたって、異なる磁場強度の磁場を発生するように作動可能であってもよい。制御器は、特定の制御モードに応じて、磁場発生手段を制御し、異なる磁場強度の前記磁場を発生するように構成されてもよい。この方法では、アクチュエータ部材の異なる局部区画または領域で、異なる範囲に、異なる方向、または異なるパターンもしくは構成で、変形が生じる。
従って、これらの例では、より複雑で込み入った作動パターンと動作が可能となる。特に、変形にわたるこの局在化された制御は、電気的刺激の変形と組み合わされ、広範囲に実行可能な変形パターンおよび動作の動きが実現される。従って、これは、提供されたアクチュエータ部材の潜在的な適用の範囲を大きく広げ、既に構築された適用の範囲内で、それらの特性が高められる。
別の例では、アクチュエータ部材を使用する作動方法が提供される。アクチュエータ部材は、
電気的刺激の印加に応答して変形するように適合された電気活性材料と、
前記電気活性材料内に分散され、少なくとも前記アクチュエータ部材の区画が、所与の方向の磁化を示すように整列された、硬質磁性材料の粒子と、
を有し、
当該方法は、
構成可能な磁場強度パターンの磁場を発生するように作動可能な磁場発生手段と、電気的刺激発生手段とを、協働した方法で制御すること
を有し、
これにより、前記アクチュエータ部材に1または2以上の変形パターンが実現される。
以下、本発明の一例について概説する。
本発明の態様による例では、アクチュエータ装置が提供され、これは、
厚さを有するアクチュエータ部材であって、
電気的刺激の印加に応答して変形するように適合された電気活性材料、および
前記電気活性材料内に分散された磁性材料の粒子、
を有するアクチュエータ部材と、
少なくとも前記アクチュエータ部材の区画の内部、または近傍において、磁場の強度を検出するように適合された磁場センサと、
前記磁場センサからの出力に基づいて、前記アクチュエータ部材の形状の変化の徴候を定めるように適合された制御器と、
を有する。
本発明の実施例は、電気活性材料部材内に埋設された磁性粒子を使用し、ある固有の検知機能を有するアクチュエータ装置を提供することに基づく。特に、本発明の本態様の実施例は、制御可能に、リアルタイムで、アクチュエータ部材の電気的刺激と同時に、アクチュエータ部材の形状の変化の態様の正確な徴候を提供する。従って、少なくともある例による実施例では、アクチュエータ部材の変形の範囲に関する、リアルタイムフィードバックが提供される(部材の形状の変化に具現化される)。本発明によるこれらの検知機能は、前述の例の任意のアクチュエータ装置(またはこれらの例の特徴)に有意に導入され、またはこれと組み合わされ、これは、以下に詳しく説明される。
1または2以上の実施例による制御器は、アクチュエータ部材の厚さの変化の徴候を定めるように適合されてもよい。アクチュエータ部材は、例えば、対向する主表面を有する層状構造を有してもよい。この場合、厚さは、2つの主表面の、各々に対して垂直な方向における、両者間に延在するアクチュエータ部材の寸法として理解される。ただし、より一般には、厚さは、アクチュエータ部材のいかなる任意の寸法を表してもよいが、通常は、本発明の実施例により提供される任意のアクチュエータ部材の3つの寸法のうち、小さい方、または最小の寸法を表す。
以下、アクチュエータ部材の厚さの変化の測定に関して、本発明の概念を示すが、別の例では、同様の概念を、形状変化の他の態様の決定に、容易に適用され得ることが理解される。非限定的な例では、これらは、アクチュエータ部材の幅、高さ、もしくは長さの変化、またはアクチュエータ部材の曲率もしくはトポロジーの変化を有してもよい。別の例では、形状の変化は、アクチュエータ部材の全体的なプロファイルまたは輪郭の変化を有してもよい。これは、例えば、以下に示す決定方法またはステップを、アクチュエータ部材の複数の異なる区画に適用し、結果を処理して、アクチュエータ部材の全体の形状またはプロファイルがどのように変化したかを定めることにより、達成されてもよい。
実施例の少なくとも一つのサブセットでは、制御器は、磁場センサからの前記出力に基づいて、磁場強度の変化を定め、前記磁場強度の定められた変化に基づいて、アクチュエータ部材の形状の前記変化を定めるように適合されてもよい。この決定は、例えば、これらの2つの値の間の既知の直接的な、または間接的な関係に基づいてもよい。決定は、2つの値に関する式または表現に基づいてもよい。別の例では、例えば、決定の実行のため、制御器にアクセス可能な参照表の使用に基づいてもよい。
実施例の少なくとも一つのサブセットでは、制御器は、さらに、アクチュエータ部材への電気的刺激の印加、および/またはアクチュエータ部材への磁場の印加により、アクチュエータ部材の変形を発生させるように構成されてもよい。従って、これらの実施例では、制御器は、アクチュエータの作動と検知挙動の両方を制御するように構成されてもよい。アクチュエータ部材の作動の制御は、磁気的に刺激された変形、および/または電気的に刺激された変形を有してもよい。検知フィードバックは、例えば、電気的および/または磁気的手段による変形の制御とともに、制御器により得られてもよい。特に、制御器は、アクチュエータ部材の形状の前記変化の決定と同時に、前記変形を発生するように作動可能であってもよい。
前記電気的刺激の印加は、電気的刺激発生手段のアクチュエータ装置内の別のものを介して行われてもよい。あるいは、制御器は、外部電気的刺激発生手段と作動可能に結合され、またはこれと結合可能であってもよい。刺激は、例えば、電流であり、または別の例では、電場であってもよい。
1または2以上の例では、制御器は、前記定められた形状変化に応じてアクチュエータ部材に生じる変形の形状または範囲を制御するように適合されてもよい。従って、本発明の実施例の固有の検知機能を用いて、直接、アクチュエータ部材の変形の制御が通知されてもよい。例えば、制御器は、少なくとも一つの制御モードにおいて、アクチュエータ部材の特定の閾値厚さ(または他の寸法もしくは形状の閾値)に合致するまで、印加作動電圧を高め続けるように構成されてもよい。従って、この時点では、制御器は、得られた変形レベルを維持するため、固定のレベルに電圧を維持するように構成されてもよい。以下の章では、別の例を詳しく説明する。
本発明の本態様の全ての実施例において、制御器は、アクチュエータ部材の少なくとも形状(例えば厚さ)の変化の徴候を提供するように構成される。ある実施例では、徴候は、その形状の変化の態様の数値の決定を含む。あるいは、徴候は、ある別の変数またはパラメータであり、これは、形状の変化の代わりの測定または徴候を提供してもよい。
ある例では、制御器は、磁場センサからの出力に基づいて、アクチュエータ部材の厚さの徴候を同定するように適合されてもよい。これらの例では、厚さの変化の単なる徴候ではなく、アクチュエータ部材の全体のまたは絶対的な厚さの徴候が得られる。これは、絶対厚さの数値測定であり、または厚さに直接的または間接的に相関する、他のある値もしくはパラメータを有してもよい。
前述のように、本発明の実施例において提供される検知機能は、前述の例の任意の特徴と組み合わされ、またはこれに導入されることが有意である。特に、磁性粒子は、硬質磁性粒子または軟質磁性粒子であり、磁歪粒子を含んでもよい。以下、これらのオプションの各々に関する特定の実施例について概説する。
実施例の少なくとも一つのサブセットでは、粒子は、硬質磁性材料の粒子であり、制御器は、検出される磁場強度とアクチュエータ部材の形状との間の既知の直接的なまたは間接的な関係に基づいて、アクチュエータ部材の形状の変化の前記徴候を定めるように適合される。
特定の例では、制御器は、メモリを有し、該メモリに保管された予め定められた参照表により、アクチュエータ部材の形状の変化の前記徴候を定めるように適合されてもよい。参照表は、各検出される磁場強度と関連するアクチュエータ部材形状(例えば厚さ)値を保管する。
あるいは、制御器は、所与の時間のインターバルにわたって、検出された磁場強度の変化を定めるように構成されてもよい。参照表は、想定される検出磁場強度変化の範囲に関する形状変化値を保管する。次に、測定された磁場強度の変化は、参照表内で確認され、これにより対応する形状の変化が定められる。
実施例の少なくとも一つのサブセットでは、粒子は、磁歪磁性材料の粒子であり、制御器は、アクチュエータ部材の示された磁化の定められた変化に基づいて、形状の変化の前記徴候を定めるように適合されてもよい。磁歪粒子は、通常、力または歪みの印加に応答して、予測可能な方法で変化しまたは変動する(永久または磁場誘導)磁化を示すという特徴がある。磁場センサを用いて、示された磁化の変化をモニターすることにより、アクチュエータ部材の既知の材料特性に基づいて、例えば、既知の弾性率に基づいて、またはアクチュエータ部材材料の本体内でのアクチュエータ形状変化と発生応力の間の既知の関係に基づいて、形状の変化の徴候を定めることが可能となる。
従って、制御器は、アクチュエータ部材の形状の変化と、粒子により生じる磁化の変化との間の既知の関係に基づいて、形状の変化の前記徴候を定めるように構成される。
実施例の少なくとも一つのサブセットでは、粒子は、軟質磁性材料の粒子であり、制御器は、磁場センサからの前記出力に基づいて、アクチュエータ部材にわたる透磁率の変化を定め、前記定められた透磁率の変化に基づいて、アクチュエータ部材の形状の変化の前記徴候を定めるように適合されてもよい。
特に、1または2以上の例では、アクチュエータ部材の厚さの変化は、
の関係に基づいて定められる。ここで、αは、材料に依存する定数であり、Nは、厚さに垂直な単位断面積当たりの粒子の数であり、dは、各粒子の前記厚さに平行な方向における寸法であり、<g>は、前記厚さに平行な方向における粒子間の平均相互間距離である。
(例えば電気的刺激の印加により)アクチュエータ部材が厚さと平行な方向に変形した場合、相互間距離ギャップ<g>は、粒子が圧縮され相互に接近したり(収縮の場合)、相互から離れるように引き離されたりすると(膨脹の場合)、変化する。この相互間距離ギャップの変化は、透磁率の変化が生じた際に、前述の(1)式により、測定可能である。
参照表を用いて、制御器により検出された透磁率の特定の変化が、アクチュエータ部材の形状(例えば厚さ)の変化に対応付けられる。あるいは、これは、定められた<g>の変化(測定されたμの変化から得られる)に基づいて、および<g>とアクチュエータ形状との間の既知の関係に基づいて、制御器により計算されてもよい。これは、実験的に得られた、対象となる特定のアクチュエータ部材との関係であってもよい。あるいは理論的に得られた関係であってもよい。
1または2以上の例では、粒子は、非円形の、対称な断面を有してもよい。特に、粒子は、1よりも大きなアスペクト比を有してもよく、すなわち、長さの寸法が幅の寸法よりも大きな断面を有してもよい。この非対称性は、透磁率の示された変化に関する、印加される変形に対する材料の感度の向上を助長する。形状の小さな変化が、透磁率に関して、大きな応答につながる。これは、アクチュエータ形状の定められた変化の精度を高める。
透磁率は、例えば、外部磁場Bの印加に応答してアクチュエータ部材にわたって生じる、予備的な磁場Hを測定することにより、定められてもよい。BとHの商から、透磁率が直接得られる(すなわち、B=μH)。
従って、1または2以上の例では、アクチュエータ装置は、さらに、アクチュエータ部材にわたって磁場を印加する磁場発生手段を有し、磁場センサは、アクチュエータ部材にわたる前記印加磁場の強度を検出するように配置される。磁場は、例えば、磁気記録ヘッドまたはホールセンサにより、測定可能であってもよい。
ある例では、制御器は、前記磁場発生手段に作動可能に結合され、アクチュエータ部材に前記磁場を印加するように、前記手段を制御するように適合されてもよい。
また、実施例のこのサブセットの例では、電気活性材料は、磁場発生手段の磁場による磁力の行使の際に、材料を介した粒子の泳動を抑制する上で十分な粘性を有してもよい。これにより、アクチュエータ部材にわたる粒子の調和した分布が確保され、これにより透磁率の測定された変化が、アクチュエータ部材の形状の対応する変化と高い信頼性で相関するようになる。
本態様の任意の実施例による例では、磁性材料の粒子は、アクチュエータ部材内に不均一に分散され、空間的に別個の粒子の濃度の組が形成され、磁場センサは、前記空間的に別個の濃度の各々にわたる磁場強度を独立に検出する手段を有する。
これにより、より微妙で複雑な検知機能が得られ、アクチュエータ部材の異なる区画の形状(例えば厚さ)の変化が、独立に測定されてもよい。これは、例えば、アクチュエータ部材が、不均一な変形パターンにより変形可能となるように適合される場合、特に有意である。これらの場合、アクチュエータ部材の異なる区画は、異なる特定の形状または構成を採用するように制御可能であり、これにより、より複雑な全体変形パターンが提供されてもよい。従って、例えば、これらの個々の区画の各々にわたる厚さ変化の検知は、例えば、アクチュエータ部材を制御するフィードバックを提供する際に、特に有意である。
これに加えてまたはこれとは別に、そのような化合物検知機能は、部材の全体的なプロファイルにおける変化など、アクチュエータ部材の形状のより複雑な態様の変化の決定が可能であってもよい。部材の一連の連続区画の各々により、例えば、厚さまたは長さがどのように変化するかをモニターすることにより、部材の全体的な輪郭またはプロファイルがどのように変化するかを定めることが可能となる。
また、本発明の別の態様による例では、アクチュエータ部材の形状の変化を検知する方法が提供され、
前記アクチュエータ部材は、
電気的刺激の印加に応答して変形するように適合された電気活性材料と、
前記電気活性材料内に分散された磁性材料の粒子と、
を有し、
当該方法は、
前記アクチュエータ部材の少なくとも区画の内部、または近傍において、磁場の強度を検出するように適合された磁場センサからの入力を受信し、
前記磁場センサからの前記入力に基づいて、前記アクチュエータ部材の形状の変化の徴候を定める。
以下、添付図面を参照して、一例について詳しく説明する。
本発明は、全般に、改善された作動および/または検知効果を容易にするため、例えば、埋設された磁性粒子を有する電気活性ポリマーを有する、電気活性材料アクチュエータに関する。
一例では、埋設された軟質磁性粒子を有するEAMアクチュエータ部材、ならびにアクチュエータ部材に電気的刺激および磁場を印加する手段を含む、アクチュエータ装置が提供される。制御器は、調整された方法で、これらの2つの手段を制御するように適合され、これにより、アクチュエータ部材において、1または2以上の変形パターンが実現される。
一例では、埋設された硬質磁性粒子を有するEAMアクチュエータ部材、ならびにアクチュエータ部材に電気的刺激および磁場を印加する手段を含む、アクチュエータ装置が提供される。制御器は、調整された方法で、これらの2つの手段を制御するように適合され、これにより、アクチュエータ部材において、1または2以上の変形パターンが実現される。
一例では、埋設された磁性粒子を有するEAMアクチュエータ部材、ならびにアクチュエータ部材の本体の内部またはこれに近接する磁場の強度を検出する磁場センサを含む、アクチュエータ装置が提供される。制御器は、磁場センサからの出力に基づき、アクチュエータ部材の形状変化の徴候を定めるように構成される。制御器は、特に、アクチュエータ部材の厚さの変化を定めてもよい。特定の実施例では、形状の変化の決定は、アクチュエータ部材の変形パターンを制御するフィードバックとして、使用されてもよい。
図3には、アクチュエータ装置の第1の例を示す。装置は、厚さ16を有するアクチュエータ部材12、および複数の分散磁性粒子が導入された電気活性ポリマー材料を有する。アクチュエータ部材は、それぞれのクランプ18により、一方の端部で固定される。2つのクランプは、面内または面外の曲げもしくは変形におけるアクチュエータ部材の任意の横の膨脹を誘導する。
アクチュエータ部材12に近接して磁場発生手段22が配置され、これは、アクチュエータ部材の本体にわたって延びる磁界線を有する磁場を発生するように作動する。磁場発生手段は、導電性コイルまたは巻線の形態の、ソレノイドのような、制御可能な電磁石を有してもよい。あるいは、磁場発生手段は、永久磁石であってもよい。ただし、これは好適ではない。印加される磁場強度を変化させるため(または全体の磁場の印加を停止するため)、アクチュエータ部材から、またはこれに向かって、磁石を物理的に動かすさらに別の手段が必要となるからである。
図3では、磁場発生手段は、アクチュエータ部材から離間して示されているが、別の例では、磁場発生手段は、アクチュエータ部材と接触するように配置されてもよい。1または2以上の例では、磁場発生手段は、コイルを有し、該コイルは、アクチュエータ部材12の少なくとも一区画の周囲に巻き回されてもよい。
アクチュエータ装置は、さらに、一組の電極26を有し、該電極は、アクチュエータ部材12の対向する両主表面に設置される。電極は、例えば、前記主表面の各々にラミネートされてもよい。あるいは、他の任意の固定または定置手段が使用されてもよい。電極をアクチュエータ部材に結合する好適な手段は、当業者には明らかである。
電極26の組は、電気的刺激を発生し、アクチュエータ部材12の電気活性ポリマー材料に印加する電気的刺激の発生手段を提供し、これにより、アクチュエータ部材に変形が生じる。特に、電極は、アクチュエータ部材の厚さ16にわたって電場を印加するように作動される。この場合、電気活性ポリマー材料は、エラストマまたは他の好適なフィールド駆動電気活性ポリマー材料のような、フィールド駆動電気活性ポリマー材料である(好適な例は、上述の通りであるが、以下にも記載されている)。
この特定の例では、電気的刺激の発生手段は、電極26の組の形態で提供されるが、別の例では、手段は、これに加えて、またはこれとは別に、電流を印加するように提供されてもよい。これは、例えば、アクチュエータ部材のそれぞれの位置の組において、アクチュエータ部材と電気的に結合された、電気的コンタクトの組を有してもよい。これらの場合、電気活性ポリマー材料は、前述の例による、または以降に示す、イオン性電気活性ポリマーであってもよい。
アクチュエータ装置は、さらに、制御器30を有し、これは、磁場発生手段22および電極組26と作動可能に結合され、調整された方法で、2つの手段を制御するように作動され、アクチュエータ部材12における1または2以上の変形パターンのプログラムが実現される。図3の特定の例では、制御器は、磁場発生手段および電極の組と電気的に結合され、各手段への制御可能な電流または電圧の供給を介して、2つの手段の制御を実行するように適合される。電場発生手段に供給される電流または電圧を制御することにより、印加電場の大きさが変化する。電極組26に供給される電圧を制御することにより、アクチュエータ部材12の厚さ16にわたって誘導される電場の強度が制御されてもよい。
別の例では、磁場発生手段22には、さらに別個の専用電源が設けられてもよく、制御器30は、作動結合を介した制御コマンドの伝送により、手段22により生じる磁場の強度またはフィールドパターンを制御するように適合される。
示された例では、EAP材料内に分散された磁性粒子は、軟質磁性材料の粒子である。ただし、図3に示したアクチュエータ装置構造は、軟質磁性粒子または硬質磁性粒子を有するアクチュエータ部材12と完全に互換性があることが理解される。硬質磁性粒子を導入する特定の例は、以下に詳しく記載されている。
本例のアクチュエータ部材12は、軟質磁性粒子と混合された電気活性ポリマー材料を有し、これにより、EAP複合体が形成される。軟質磁性粒子は、例えば、外部印加磁場により、反転磁化が可能な粒子であって、外部印加磁場の除去の際に、実質的にその磁化を(ほぼ瞬間的に)失う粒子として理解される。特定の例では、軟質磁性粒子は、例えば、軟強磁性粒子、常磁性粒子、または超常磁性粒子である。
図3(a)には、アイドルの非作動状態のアクチュエータ部材12が示されている。
図3(b)には、磁場発生手段22により、アクチュエータ部材に磁場32が印加された際のアクチュエータ部材12が示されている。本例では、磁場発生手段は、不均一な磁場強度、特に、磁場発生手段の磁極から離れる方向において、磁場強度が減少する磁場を発生するように構成される。
前述のように、軟性(パラ)磁性粒子に任意の磁場を印加した際に、材料は、磁化され、印加磁場(すなわち、フィールド源22の磁場)の方向と共配向する方向に、磁化が得られる。本例では、各磁性粒子は、印加磁場と共配向された方向に磁化される。
印加磁場が、フィールド源に向かう方向に配向されたフィールド強度勾配を有する場所では、従って、磁化された磁性材料と、印加磁場源との間に、引き寄せ合う正味の磁力が誘導される。これは、不均一な磁場において、各磁化粒子の2つのそれぞれの磁極の間に強度勾配が生じ、これにより、それぞれに感知される引力と斥力の不均衡が生じるためである。磁場は、誘導された粒子の「S」極(図3の視図から上部)では、N極よりも強くなる。従って、S極での引力(磁気源22のN極に引き寄せられる)は、N極での斥力(磁気源22のN極により反発される)よりも強くなる。従って、磁場発生手段22に向かって、正味の引力が存在する。
従って、図3(b)に示すように、磁場32の印加の際、粒子と磁場発生手段22との間に誘導された引力は、アクチュエータ部材に変形を生じさせる。特に、アクチュエータ部材には、磁場発生手段の方向に曲げ36が生じる。
図3(c)には、アクチュエータ部材の厚さ16にわたって、磁場と電場を同時印加した際のアクチュエータ部材12が示されている。図に示すように、これらの2つの刺激の組み合わせにより、アクチュエータ部材12に同様の曲げが生じるが、振幅または大きさは、磁気的刺激のみによる場合に比べて、有意に上昇する。電極26による電場の印加により、電気活性ポリマー材料に変形が生じ、(クランプ18のため)面外変形が生じる。この電気的に誘導される変形は、磁気的変形と組み合わされ、全体として高められた作動応答が発生する。
以下、図面を参照して、磁場発生手段の多くの異なる制御モードについて、詳しく説明する。単に明確化のため、これらの制御モードの例を示す図には、電気的刺激の発生手段と、制御器は示されていない。ただし、各添付図および例において、一例の制御モードを実施するアクチュエータ装置は、実際には、前記示されていない特徴物を有し、制御器は、全ての場合、電気的刺激発生手段と磁場発生手段の両方の調整された制御により、1または2以上の変形パターンを実施するように構成されることが理解される。前述のような調和制御は、同期および/またはシーケンシャル制御を有してもよい。
図3の例では、軟質磁性粒子は、アクチュエータ部材にわたって、実質的に均一に分散される。ただし、別の例では、磁性粒子は、不均一に分散されてもよい。この場合、例えば、不均一な変形パターンが実現できる。
図4(a)には、第1の例を示す。ここでは、磁性粒子は、中央領域42に局部的に濃縮され、周囲領域には、磁性粒子は含まれない。その結果、磁場32の活性化の際には、この中央領域42のみが、磁場発生手段22に向かう引力を受ける。これにより、より局所的な変形の形態が生じる。特に、生じた曲げまたは反りは、アクチュエータ部材全体にわたって均等に延在する形態とは対照的に、アクチュエータ部材の小さな中央区画のみを延伸させ、または網羅する。
これに加えて、またはこれとは別に、図4(a)に示す粒子の配置では、アクチュエータ部材12の全長にわたって磁場が均一に印加された場合であっても、アクチュエータ部材の曲げが磁気的に誘導されるようになる。これは、図3および図4の例に示したような、磁場が狭小の局部領域のみにわたって印加される態様とは対照的である。
図4(b)には、非中央局部濃縮部42に集中された軟質磁性粒子を有するアクチュエータ部材の一例を示す。図に示すように、この場合、アクチュエータ部材の最も左の区画に局在化された、アクチュエータ部材の変形の刺激が可能となる。例えば、これは、電極(図示されていない)を用いて、例えば、アクチュエータ部材の電気的刺激と組み合わされ、これにより、図4(b)に示すような大きく生じる局部的な変形36と組み合わされた、全体的に実質的に均質なアクチュエータ部材の曲げまたは反りが形成された化合物の変形パターンが提供される。
図4(a)の例では、図において局部的な磁場32が示されているが、この例は、アクチュエータ部材12の全長にわたって均一に印加される磁場と完全に互換性がある。
図4(c)には、アクチュエータ部材12の全長にわたって、3つの均等に離間された領域42に局部的に濃縮された磁性粒子を有する、別の例を示す。それぞれのクランプ18は、各それぞれの局部領域42の間に提供される。図に示すように、磁場発生手段22は、それぞれの局部領域42の各々にわたって延在する磁場を印加するように作動される。別個の局部的な磁場32は、(図4(c)に示すように)各それぞれの領域に印加され、あるいはアクチュエータ部材の全長にわたって、それぞれの局部領域42の各々が覆われるように、単一の磁場が均等に印加される。この後者の代替例は、図5を参照して説明される。この場合、集中は、図4(c)の配置よりも弱くなり、局部的な磁場の多重化が促進されることが留意される。
3つの局所領域42にわたる磁場の印加の際、各領域にわたって、局部的に濃縮された変形が生じ、これにより、アクチュエータ部材12の全長に沿った、3つのバンプまたは突起の配置からなる化合物変形パターンが生じる。他の例では、これは、アクチュエータ部材におけるEAP材料の電気的刺激と組み合わされ、これにより、アクチュエータ部材の全長にわたって、均等に延在するアクチュエータ部材の広い全体的な曲げまたは反りの上に重ね合わされた、図4(c)に示す3つの局所バンプからなる化合物変形パターンが提供される。
3つの区画は、例えば、同時に、別々に、または動的に連続的に、磁気的に刺激されてもよい。区画の独立した刺激には、図4(c)の配置の提供が必要となり、3つの区画の各々にわたる印加のため、別個の局部的な磁場が生じる。同様に、単一の磁場発生手段を提供して、アクチュエータ部材の異なる区画で変化するフィールド強度を有する磁場を発生してもよい。
前述の実施例では、電気活性ポリマーマトリクスは、埋設された磁性粒子がEAPマトリクス材料を介して泳動することを抑制するような粘性を有することが仮定される。粘性は、磁場発生手段22により粒子に印加される磁力が、ポリマーマトリクスの粘性抵抗を超えるには不十分となるようにされる。これは、通常、電気活性ポリマーが、比較的大きな弾性率(例えばヤング率)を有する場合に相当する。
1または2以上の例のサブセットでは、磁性粒子は、EAPマトリクスよりも低い粘性を有する、弾性変形可能なポリマー滴に取り囲まれてもよい。図6には、これを概略的に示す。図には、ポリマー滴48に磁性粒子が懸濁される、アクチュエータ部材の領域の一例が示されている。液滴は、周囲のEAPマトリクス46内に埋設されてもよい。
ポリマー滴は、EAPマトリクス全体に分散され、各々は、1または2以上の剛性磁性粒子の集合を有する。(図6の右側に示されている)EAPの電気的刺激の際に、ポリマー滴は、その形状の弾性変化を介して、EAPマトリクスの誘導された変形に追随するものの、それらの比較的低い粘性のため、ポリマーマトリクスを介しては泳動しない。特に、2つのポリマーは、不混和性である必要がある。
ポリマー滴内に封入された磁性粒子を提供する効果は、EAPマトリクスの変形に対する抵抗の軽減である。これは、EAPの変形の際に、ポリマー粒子は、周囲のEAPに十分な抵抗を加えなくても、変形を受けることができるためである。これは、EAPマトリクス内に磁性粒子が直接埋設されたシステムと対照的である。この場合、粒子には、EAPの変形に対する部分的な抵抗が生じる。EAP分子は、粒子の表面に沿って、泳動(剪断)する必要があるからである。また、ポリマー滴に対する剪断も生じなくなるが、これらのポリマー滴の粘性は、EAPの粘性よりも十分に低いため、変形に対する粒子抵抗は、小さくなる。
前述のように、広範囲の変形形状および効果は、磁場発生手段と電場発生手段の両方の調整された制御を介した、本願に記載の例により実現される。例えば、これは、2つの手段を同時に活性化させ、化合物作動パターンを提供することを含む。印加される磁場の方向に応じて、電場の効果および磁場の効果は、同じ方向に、または反対の方向に印加されてもよい。これらが同じ方向に印加されると、強められ、高めたれた変形応答が得られる。これらが反対方向に印加されると、双方向の作動パターンが得られる。アクチュエータ部材の異なる区画において、反対方向の曲げが生じてもよい。
電場および磁場が同時に印加されると、高められた強度の変形応答を生成するため、誘導される磁力は、帯電電極により生じる静電力よりも大きくなることが留意される。
前述の任意の実施例では、アクチュエータ部材における変形応答を強めるため、または弱めるため、磁性粒子の濃度、および/または変形可能なポリマー滴の濃度は、変化してもよい。従って、粒子の濃度は、アクチュエータを調整するため、アクチュエータ部材にわたって不均一に変化してもよく、これにより変形応答の不均一なパターンが提供される。
一例では、改善された特性能を有するEAPアクチュエータが提供される。特に、本願に記載の例では、磁気的および電気的刺激の変形を組み合わせることにより、大きな作動力を提供することができ、および/または電気的および磁気的刺激の両方の調整された実施により、広範囲の異なる作動動作および変形形状を提供することができる。各刺激手段により生じる変形は、重ね合わされてもよく、あるいは、連続的な形式で制御されてもよい。
適切な固定により、異なる領域で異なる形状または作動アクションを示す、アクチュエータ部材を導入できる。例えば、図4(c)に示すように、アクチュエータ部材は、3つの領域を有する。これは、4、5、または任意の数の領域に拡張してもよい。各領域は、磁気的刺激を介して、独立に制御されてもよい。区画は、相互にまたは別個に刺激を与える制御器であってもよい。示されたいかなる例においても、複数の磁場発生手段22が提供され、アクチュエータ部材の異なる領域または区画に対する、独立の磁気的刺激が容易になってもよい。磁場発生手段は、アクチュエータ部材12の同じ側、または異なる側に提供されてもよく、異なる方向性を有する磁場の印加が可能になる。異なる領域に、異なる方向のフィールド場を印加することにより、異なる方向の変形が誘導される。従って、双方向性が達成できる。
以下、図面を参照して、別の例について詳しく説明する。これらの例では、分散された硬質磁性粒子を有するEAPアクチュエータ部材を有し、さらに、電気的刺激および磁気的刺激をアクチュエータ部材に印加する手段を有する、アクチュエータ装置が提供される。制御器は、2つの手段を調整された方法で制御するように適合され、これにより、アクチュエータ部材において、1または2以上の変形パターンのプログラムが実現される。
前述のように、図3に示した装置構成は、例えば、前述のように、または本願に記載の例の組により、好適に実施されても良い。図3に示した特定の例は、軟質磁性粒子を有するが、これらの粒子は、硬質磁性材料の粒子と置換され、示された例の組により、全体的なアクチュエータ部材が提供される。従って、読者は、好適な例のアクチュエータ装置の構造の詳細な説明のため、前述の図3に関する記載を参照する。
本願の例によるアクチュエータ部材は、分散された硬質材料の粒子を有する、EAP材料を有する。本願の目的のため、硬質材料は、(外部磁場の事前印加を介して)不可逆に磁化された材料であり、これは、磁場を除去した際に、その磁化を消失しないことが理解される(すなわち、十分な残留磁気を有する)。硬質磁性粒子は、例えば、これに限られるものではないが、フェライトのような強磁性材料、およびSmCoまたはNdFeBのような金属で構成されてもよい。硬質磁性粒子を形成する他の好適な材料は、当業者には即座に把握される。
分散された硬質磁性粒子を有するアクチュエータ部材を提供するため、硬質磁性粒子は、電気活性ポリマー内に混合され、EAP複合体が形成されてもよい。この複合体は、アクチュエータ部材12の主要本体の形成に使用されてもよい。アクチュエータ部材の均一で一貫した磁化を確保するため、磁性粒子には、磁化のプロセスが必要となり、これは、粒子の磁気モーメントを均一な方向に整列させるため、強磁場の印加を介して行われる。
この磁化は、粒子を混合する前に行われてもよい。しかしながら、これは、粒子内の磁気的引力のため、粒子の固定化につながる。この場合、その後、EAP材料を介して粒子を均一に混合することが難しくなる。従って、粒子の磁化は、EAP複合体の混合の後に行うことがより好ましい。その際、粒子は、EAP内の位置に既に固定される。この場合、EAPは、磁場の印加に応答して、分散された磁性粒子がEAPを介して泳動することを抑制するため、十分に大きな粘性を有する必要がある。
粒子の磁化のため、混合および形成の後、アクチュエータ部材に外部磁場が印加され、磁気モーメントが同一の方向に整列される。磁場は、粒子の保磁力よりも大きな磁場強度を有する必要がある。好適な場合、均質な(すなわち、均一なフィールド強度)の磁場を用いて、粒子が磁化される。これにより、アクチュエータ部材の全体にわたって、より均一な磁化が得られる(同じ磁場強度が各点に付与されるため)。しかしながら、印加磁場強度が十分に高く、粒子が磁気飽和される場合、不均一なフィールド強度の磁場を用いた磁化も考えられる。
1または2以上の例では、磁化の際に、アクチュエータ部材に、意図的に不均一な磁場が印加され、部材にわたって磁化の不均一なパターンが生じる。不均一な磁化を与えることにより、アクチュエータ部材の動作挙動が変化する。特に、特定の領域の変形応答は、局部的な磁化の大きさに依存する。異なる領域にわたって、磁化の強度を変化させることにより、異なる領域は、均一な磁場の印加に対して、より多くのまたは少ない量で応答できる。これにより、均一なフィールド場の単純な印加に応答して、関心のある複雑な変形パターンの形成が可能になる。
特定の例では、ある領域は、左が非磁化部分となり、残りが均一に磁化される。これにより、ヒンジまたは接合された応答が提供され、印加磁場により磁化領域が生じ、未磁化領域の周囲または近傍が変形する。磁性粒子の領域は、例えば、非磁化粒子の領域により、分離されてもよい。1または2以上の例では、アクチュエータ部材の異なる領域に、異なる極性または方向性の磁化が提供され、例えば、2つの隣接する領域は、反対方向に磁化されてもよい。
また、本願の例によるアクチュエータ装置の一例の基本構造は、前述の図3の構成から理解されることが留意される。ただし、アクチュエータ部材において、(磁気的および電気的手段により)変形パターンを刺激する制御モードは、通常、前述の例に利用されるものとは異なる場合がある。以下、記載された例のアクチュエータ部材を制御するモードおよび手段について、詳細に説明する。
図7には、示された例の組による、一例のアクチュエータ部材12を磁気的に操作する、簡単な第1の手段を概略的に示す。図には、分散された硬質磁性粒子を有するアクチュエータ部材12の一例の小さな区画を示す。粒子は、均一に整列され、アクチュエータ部材を、(図7の視野から)上向きの方向に全体的に磁化する。粒子は、永久残留磁化を有し、これは、磁場の連続印加に依存しない(前述の例の組による例とは異なる)ため、示された例では、印加磁場の方向性の制御を介して、異なる所望の方向に変形するように、アクチュエータ部材を制御することが可能になる。
これは、図7に示す2つの構成において示されている。左側の構成では、磁場発生手段22は、アクチュエータ部材12に分散された粒子の磁化と共配向された磁化を有する(不均一なフィールド強度の)磁場を印加するように制御される。この場合、印加フィールド場は、粒子に引力を加える(すなわち、磁場発生手段の方向22)。この例では、電気活性ポリマーの粘度は、十分に大きく、ポリマーマトリクスを介した粒子の泳動が抑制される。その結果、印加磁場により行使される引力により、磁場発生手段22に向かう方向に、アクチュエータ部材の曲げが生じる。
図7の右側の構成では、磁場発生手段22は、アクチュエータ部材12内の粒子の磁化に対して反対に配向された磁化を有する、不均一なフィールド強度の磁場を印加するように制御され、または構成される。この場合、印加フィールド場は、粒子に斥力を与える(すなわち、磁場発生手段22から遠ざかる方向)。その結果、この磁場の印加により、磁場発生手段22から遠ざかる方向に、アクチュエータ部材12の少なくとも示された区画の曲げが生じる。
従って、印加磁場の方向を制御することにより、一例のアクチュエータ部材12の1または2以上の区画に生じる曲げ(または他の変形)の方向を制御することが可能になることがわかる。
両方の場合、不均一フィールド強度の磁場が印加される。特に、磁場は、磁場発生手段22から遠ざかる方向において、フィールド強度が低下する。通常、外部磁場により、磁化本体に負荷される磁力は、
の関係により提供される。その結果、磁場発生手段からの増加する距離の関数として、フィールド強度が低下する磁場の場合、磁場発生手段に向かう方向において、正の勾配
が得られる(アクチュエータ部材にわたって均一な磁場を仮定)。いずれの場合も、磁性粒子に負荷される磁力の特定の方向は、粒子の磁化の方向に対する印加磁場の方向に依存する。
磁場発生手段が小さく、または少なくとも磁場発生手段が、空間範囲に含まれ、または制限される磁場を発生できる場合、アクチュエータ部材の局部的に集中した変形が生じ得る。
この概念は、図8に概略的に示されている。この例におけるアクチュエータ部材12は、その全長にわたって均一な磁化を有するように調製され、アクチュエータ部材の各区画52、54における磁化の方向は、同じである。
図8(a)では、第1の磁場発生手段22により、アクチュエータ部材12の第1の区画52にわたって、粒子の磁化と反対方向に磁場32が印加され、第2の磁場発生手段22により、アクチュエータ部材の第2の区画54にわたって、粒子の磁化と共配向の方向に磁場32が印加される。その結果、第1の区画52内の粒子は、斥力を受け、第1の区画は、第1の磁場発生手段から遠ざかるように変形し、第2の区画54における粒子は、引力を受け、第2の区画は、第2の磁場発生手段に向かって変形する。その結果、アクチュエータ部材に、波状またはうねり状の変形パターンが得られる。
図8(b)には、同様の制御方式を示す。ここでは、2つの磁場の方向性は、反転され、第1の区画52は下向きに変形し、第2の区画54は上向きに変形する。
時間の関数として、2つの磁場発生手段22の方向を反復的に切り換えることにより、動的な波状の、または揺れ動く変形が達成される。
2つの磁場の方向を変化させることに加えて、2つの磁場の強度を、時間の関数として、または静的に、変化させ、2つの隣接する区画の各々に、異なる度合いの変形を達成してもよい。その結果、異なる双方向変形パターンのほとんど制限のない範囲が達成される。
また、図8には2つの区画のみが示されているが、本概念が、任意の数の異なる区画を有するアクチュエータ部材に拡張されてもよいことは、当業者には容易に理解される。各区画には、独立に制御可能な磁場が提供される。これは、各区画に、独立の磁場発生手段を提供すること、または異なる横方向配置において異なる強度を有する磁場を発生できる磁場発生手段を提供することにより、容易化されてもよい。
独立して制御可能な区画が、例えば10またはそれ以上に拡張される場合、各連続する区画の磁場の連続的な活性化を介して、アクチュエータ部材に沿って移動する波形パターンを形成することが可能となる。そのような移動する波形は、例えば、アクチュエータ部材にわたる流体流の発生に使用することが有意である。これは、例えば、ポンプとして使用され得る。この種のうねり状の変形モードは、例えば、流体を推進または移動させる微小流体システムに、特に有益である。
図9には、図8の一例の制御モードに対する変形例を示す。ここでは、アクチュエータ部材にわたって、(横方向に)均一な磁場が印加される。2つの隣接する区画52、54に分散される粒子は、それぞれ、異なって配向された磁化を有する。その結果、横方向に均一な磁場32が印加されると、アクチュエータ部材12の2つの隣接する区画52、54の各々は、異なるそれぞれの方向に変形する。
図9(b)に示すように、印加磁場32の方向を切り換えることにより、2つの隣接する区画52、54のそれぞれの変形方向が反転される。従って、単一の横方向に均一な磁場32の方向を反復的に切り換えることにより、本例においても、図8の例において得られる動的なうねりの動きが達成される。
また、本例では、アクチュエータ部材12の電気活性ポリマーマトリクス内の粒子の不均一な分配を介して、別の変形効果を得ることもできる。これらの達成可能な効果は、前述の図4の例を参照して説明されたものと同様である。局部的な濃縮の態様で磁性粒子を配置することにより、局所的な変形の効果が実現される。
図4を参照すると、中央領域42における硬質磁性粒子の濃縮により、中央に局在化された曲げまたは変形が生じる。また、本例では、印加磁場32の極性が反転され、これにより、アクチュエータ部材のこの中心区画42の異なる方向の曲げが達成される。磁場方向は、反復的に反転され、これにより、例えば、振動の動きが達成される。図4(b)に示すように、非中心区画42に関しても、同じ原理が適用される。
これに加えてまたはこれとは別に、図4(c)に示すように、複数の局部的な粒子の濃縮を提供することにより、局所的変形が局部領域42のアレイにわたって実現され得る。隣接する領域の各々の間にクランプを提供することにより、局部的な変形効果が高められる。また、本例により、各個々の区画の曲げの方向は、所与の領域における印加磁場の方向を変化させることにより、独立に制御されてもよい。その結果、広い範囲で異なる変形パターンが達成される。
前述の例では、アクチュエータ部材の磁気的変形の制御しか、詳細に記載されていない。しかしながら、前述のいかなる例の実施の際にも、磁気的変形の効果は、電気的に生じる変形効果とともに、または補完的に、適用されることが理解される。例えば、図3に示すように、ある例では、アクチュエータ部材の対向する主表面に電極組が提供され、印加電場の形態で、電気活性ポリマーに電気的刺激が印加されてもよい。
電気的に生じる変形は、磁気的に生じる変形と同時に印加されてもよい。または制御器30は、2つの刺激の協調された連続的な制御を実行するように構成され、複雑な、静的または時間変化する変形パターンが達成されてもよい。全ての場合、2つの刺激手段(電気および磁気)の協調制御により、異なる変形動作、形状、および効果の範囲や幅を、有意に広げることができる。
前述の任意の例において、磁性粒子は、磁歪粒子であってもよい。磁歪粒子は、磁気エネルギーを機械的エネルギーに転換もしくは変換し、またはその逆が可能であるという特徴がある。磁歪材料の磁化の際、材料は歪みを示し、すなわち、単位ユニット長さ当たりのその全長が変化する。一方、材料の外部誘導歪み(すなわち、外部力の印加により生じる)では、材料の磁気状態に変化が生じ、これにより、材料にわたって示される磁場に変化が生じる。磁歪材料の磁気状態と機械的状態の間のこの双方向の結合は、変換機能を提供し、これは、作動および形状変化の検知の両方に使用されてもよい。
磁歪粒子は、軟質磁性粒子または硬質磁性粒子で形成されてもよい。従って、以下に示す例は、前述の任意の例と互換性がある。
磁歪粒子を用い、磁気的に誘導される変形の単純な例は、図10に示されている。一例のアクチュエータ部材12は、電気活性ポリマー材料を有し、これには、磁歪粒子が分散される。
上図には、磁場の印加前のアイドル状態のアクチュエータ部材12を示す。この第1の状態における一例の磁性粒子62の磁気特性が、概略的に示されている。一例の粒子は、磁区の組を有するように示されており、各磁区は、異なる相対配置を有する磁気双極子を有する。4つの正確に垂直な配向に整列された粒子を含む、4つの磁区しか記載されていないが、これは、単に概略的な説明のためであり、実際には、異なる方向に配列された双極子を含む粒子内に、より多くの、通常は極めて多くの(ほとんどが微細な)ドメインが存在する。
(粒子62の場合のように)印加磁場がない場合、異なるドメインにわたる磁気双極子は、無秩序な方向を有し、巨視的スケールでは、双極子モーメントは、キャンセルされ、各粒子は、ゼロの正味の磁化を示す。
図10の下図には、均一な磁場(すなわち、アクチュエータ部材にわたって均一で、位置により変化しない磁場強度を有する磁場)を印加した際の、アクチュエータ部材を示す。均一な磁場は、制御可能な電磁石、または他のコイルもしくはソレノイドのような、好適な磁場発生手段(図示されていない)により印加される。
印加磁場の影響下、異なる磁歪粒子の磁区の磁気ダイポールは、共通の方向に(印加磁場と平行に)整列され始める。粒子64には、低い磁場強度の印加の際の、一例の粒子の磁区が概略的に示されている。粒子66には、高い磁場強度の印加の際の、ドメインが示されている。粒子内の全てのドメインの双極子が整列される位置では、双極子の単一の均一なドメインが残り、これらの全ては、共通の方向に配列される。
そのようなアクチュエータ部材12に任意の均一な磁場が印加されると、引力または斥力が生じなくても、磁歪粒子は、印加磁場に応じて、形状変化を受ける。特に、磁歪粒子の体積が変化する。非刺激状態において球状である粒子を仮定すると、磁場の印加により、粒子には、僅かに楕円形状となる変形が生じる。巨視的スケールでは、これを用いて、大きな力を有する、小さな動作が提供されてもよい。
磁場の印加の際に、磁歪材料の特定のタイプに応じて、アクチュエータ部材に、長さの増加または長さの減少が生じる。特に、材料に応じて、正の磁歪効果または負の磁歪効果の、2つの異なる種類のうちの一方の磁歪効果が生じる。これらの異なる効果は、所与の磁場の印加に応答して、異なる関連した変形応答を示す。
図10の例では、負の磁性材料の粒子が示されている。垂直に整列された磁場の印加により、粒子に水平に配列された変形(または収縮)が生じる。これにより、アクチュエータ部材の厚さ16の全体的な減少が生じる。
この変形応答は、均一なまたは不均一な磁場を用いて達成できることが留意される。従って、これらの例は、(非電歪粒子の使用に関する)前述の例とは異なる。この場合、磁気的刺激動作は、不均一な磁場の印加の際にのみ得られる。
図10の特定の例では、アクチュエータ部材12に均一な磁場72が印加され、これにより、磁性粒子に体積変化が生じる。材料の種類に応じて、アクチュエータ部材における長さの増加または長さの減少が達成されてもよい。図10の特定の例では、長さの増加が示されている。その結果、アクチュエータ部材の電気活性ポリマーマトリクスは、アクチュエータ部材の厚さ16と垂直な方向に伸張する。この伸張は、大きな力ではあるが小さな振幅の作動力の提供に利用されてもよい。
前述のように、低強度の磁場の印加に対する一例の粒子の変形応答は、64に示されている。図に示すように、横方向における粒子の僅かの膨脹が認められる。
別の例では、磁場の影響下で収縮するように適合された磁歪材料を使用してもよい。この場合、これに応答して、大きな力、小さな大きさで、電気活性ポリマーマトリクスが収縮する。単一のアクチュエータ部材内でのこれらの材料種の両方の組み合わせにより、例えば、双方向駆動が可能となり、アクチュエータ部材の異なる区画が、それぞれ、膨脹しまたは収縮してもよい。
1または2以上の別の例では、磁歪粒子は、アクチュエータ部材にわたって不均一に分配され、これにより、一組の局部的な磁性粒子の濃縮が提供される。これにより、局部的な変形効果が達成される、図4の例に関して示した効果と同様の効果が可能になる。例えば、図4(c)のような、3つの異なる濃度の組における粒子の濃縮により、前記局部的な領域42の各々において、異なる膨脹または収縮の効果が促進される。特に、粒子の高濃度の領域では、ポリマーマトリクスの任意の膨脹または収縮が大きくなり、従って局部的な変形効果が生じる。電気活性ポリマー混合物における粒子の不均質性は、任意の所望の変形構成を形成するように設計することにより導入される。
1または2以上の別の例では、粒子の均一なまたは不均一な分布が、構造化された磁場と組み合わせて利用され、これにより、アクチュエータ部材の異なる局部領域に、異なる変形効果が得られる。特に、構造化磁場は、異なる局部領域に異なるフィールド強度または方向を有し、これにより、局部的に変化する変形効果が実現される。
磁歪粒子の使用は、前述の任意の他の例と組み合わされることが有意である。
以下、本発明の実施例について説明する。
本発明の実施例は、EAP内に分散された磁性粒子の磁気特性のモニタリングによる、EAPアクチュエータ部材の形状の変化の検知に関する。
ある実施例では、埋設された磁性粒子を有するEAPアクチュエータ部材を含むアクチュエータ装置が提供され、これは、さらに、アクチュエータ部材の本体の内部またはその近傍の磁場の強度を検出する磁場センサを有する。制御器は、磁場センサからの出力に基づいて、アクチュエータ部材の形状の変化の徴候を定めるように構成される。特定の実施例では、定められた形状の変化は、アクチュエータ部材の変形パターンの制御におけるフィードバックとして利用されてもよい。
少なくとも一組の実施例による制御器は、特に、アクチュエータ部材の厚さの変化の徴候を定めるように適合される。アクチュエータ部材は、例えば、対向する主表面を有する層状構造を有してもよい。この場合、厚さは、2つの主表面の、各々に対して垂直な方向における、両者間に延在するアクチュエータ部材の寸法として理解される。ただし、より一般には、厚さは、アクチュエータ部材のいかなる任意の寸法を表してもよいが、通常は、本発明の実施例により提供される任意のアクチュエータ部材の3つの寸法のうち、小さい方、または最小の寸法を表す。
以下、特に、アクチュエータ部材の厚さの変化の測定に関する、特定の例について説明するが、別の例では、同様の概念を、形状変化の他の態様の決定に、容易に適用され得ることが理解される。非限定的な例では、これらは、アクチュエータ部材の幅、高さ、もしくは長さの変化、またはアクチュエータ部材の曲率もしくはトポロジーの変化を有してもよい。別の例では、形状の変化は、アクチュエータ部材の全体的なプロファイルまたは輪郭の変化を有してもよい。
本概念は、硬質磁性粒子、軟質磁性粒子、および/または磁歪粒子を有するアクチュエータ部材に適用されてもよい。以下、これらの場合の各々に関する特定の例について、詳しく説明する。
図11乃至図13には、分散された軟質磁性粒子を有する一例のアクチュエータ部材に適用される概念を示す。この場合、本概念は、分散された軟質磁性粒子を有するアクチュエータ部材の透磁率をモニタリングすることに基づく。
フェライト粒子のような、高い透磁率を有する粒子(透磁率は、容易に1000を超える)では、電気活性ポリマー複合体の透磁率(μ)は、以下の式で表される:
ここで、αは、比例パラメータであり、Nは、アクチュエータ部材の厚さに垂直な単位表面積当たりの粒子の数であり(厚さは、前述の記載の意味に理解される)、dは、アクチュエータ部材の厚さに平行な、各粒子の平均寸法であり、<g>は、厚さと平行な方向における、アクチュエータ部材の磁性粒子の間の平均相互間距離である。
アクチュエータ部材の厚さと平行な方向において、分散された磁性粒子の長さdが増加した場合(すなわち、これらに等しくないアスペクト比が付与された場合)、任意の所与の<g>において示される透磁率の全体の大きさは、大きく増加する。これは、図11に概略的に示されている。図11には、分散された磁性粒子を有する、一例のアクチュエータ部材12が示されている。左側の図では、粒子は、高さおよび幅の次元において、実質的に対称であり、小さなd82および大きなギャップ距離<g>を有する。
右側の図には、大きく膨脹した高さ寸法d82を有する粒子を有するアクチュエータ部材を示す。その結果、相互間距離ギャップ<g>は、大きく低減される。これらの変化の結果、透磁率μは、100倍増加する。これらの数は、一例を示すだけのために提供され、増加した高さ距離dを提供する、粒子のいかなる等価な適合も、等しく適用できる。
これらの高さが伸びた楕円粒子の提供は、任意の良く知られたプロセスの範囲を介して達成され、そのような粒子を形成する手段は、当業者には明らかである(特に、コロイド化学の当業者)。
図11に示す粒子の均一な配列は、例えば、アクチュエータ部材12に、その温度を高めた状態で、比較的大きく均一な磁場を印加することにより行われてもよい。これにより、電気活性ポリマーマトリクスの粘性抵抗力が低下する。また、不均一な磁場を用いて、粒子を整列させてもよい。ただし、これは、粒子に対する正味の移動力の行使につながり、EAPマトリクス内の粒子の分布の不均衡が生じる。均一な磁場の利用により、この不均衡が回避される。
いったん必要な整列が達成されると、温度が再度低下し、粒子は所定の位置に留まり、印加磁場が除去される。高い固有透磁率を有する材料の粒子を考慮すると、アクチュエータ部材12の有効透磁率は、d/<g>に近似的に比例する。図11の右図に示すように、粒子が適切に整列されると、相互空間ギャップ<g>は、通常、粒子「高さ」寸法dに比べて、大きく減少する。比d:gの典型的な値は、例えば、10:1である。その結果、アイドルの未活性化状態におけるアクチュエータ部材の有効透磁率は、μ=α*N*10に近似的に比例する。
電極26(アクチュエータ部材の対向する主表面に設置されている)の間に電圧が印加されると、アクチュエータ部材12にわたって電場が構築され、これによりアクチュエータ部材の厚さの減少が促進される。磁性粒子が電気活性ポリマーマトリクスよりも硬い場合、この厚さの減少により、粒子同士を相互に接近させる力が加わり、これにより平均相互空間距離<g>が低下する。
これは、図12に概略的に示されている。図には、複数の分散された軟質磁性粒子82を有する一例のアクチュエータ部材12が示されている。電極26間に電場が印加されると、アクチュエータ部材が変化し、厚さが収縮し、これにより、図12の右側の図に示すような活性状態が生じる。図に示すように、粒子間の相互空間ギャップdは、大きく低下する。
特に、ギャップが半分のサイズに減少した場合、透磁率μは2倍になり、これは、μ=α*N*20にほぼ比例する。ギャップがその元のサイズの1/10に減少すると、透磁率は、10倍に増加し、これは、α*N*100にほぼ比例する。部材12の収縮が十分に大きく、粒子間のギャップが完全になくなる(すなわち粒子間のEAPは、粒子間のゼロギャップが残るように、完全に排出される)と、透磁率は、粒子の固有の透磁率に戻り、これは、μ=α*N*μintrinsicにほぼ比例する。前述のように、ある場合、これは、1000を超える値である。
従って、(電気的に誘導される変形またはその他を介した)アクチュエータ部材の厚さの変化は、アクチュエータ部材の示された透磁率の測定可能な変化に直接変換される。アクチュエータ部材の構造が図11および図12の例の場合、厚さの小さな変化が、示された透磁率の大きな変化につながる(例えば数桁の大きさの変化)。従って、アクチュエータ部材12の透磁率を測定することにより、厚さの変化が定量的に得られる。
アクチュエータ部材の透磁率は、例えば、別の提供された磁気センサ、例えば、磁気記録ヘッドまたはホールセンサにより、測定されてもよい。例えば、アクチュエータ装置は、さらに、アクチュエータ部材にわたって小さな(例えば均一な)磁場を印加する、磁場発生手段を有してもよい。透磁率は、アクチュエータ部材にわたって示された予備フィールドの変化を測定することにより測定される(すなわち、一般式
を用いる)。均一な磁場を印加することにより、不均一な磁場を用いたいかなる磁気的に誘導されたアクチュエータ部材の変形とも干渉することなく、この検知機能が提供される。この方法では、本願に記載の厚さの検知は、前述の一例の任意のアクチュエータに組み込まれ、またはこれと組み合わされる。
図12のアクチュエータ装置は、さらに、制御器(図示されていない)を有し、これに、磁気センサ(および必要な場合、磁場発生手段)が作動可能に結合されてもよい。制御器は、センサを制御し、アクチュエータ部材の透磁率をモニターし、またはアクチュエータ部材にわたって磁場強度をモニターするように構成される。測定された磁場強度に基づいて、制御器は、アクチュエータ部材にわたる透磁率の変化、またはその絶対値を計算するように構成されてもよい。
例えば、測定または決定された透磁率(または透磁率変化)は、保管された参照表を用いて、対応する厚さ変化に変換されてもよい。参照表は、アクチュエータ装置により構成された、例えば制御器により構成された、メモリに保管されてもよい。参照表は、異なる可能な測定または決定された透磁率値の範囲に対応する、既知の関連の厚さ変化値を保管してもよい。あるいは、厚さの変化は、理論的な関係を用いて、制御器により計算されてもよい。
特定の例では、測定された透磁率値または定められた厚さ変化値は、アクチュエータ部材の磁気的および/または電気的刺激を制御する際に、制御器により使用されてもよい。この方法では、測定された部材の厚さの変化を使用して、アクチュエータ部材の作動範囲または形状にわたる制御が通知される。従って、前述の検知機能は、アクチュエータ部材の変形を制御する際に、直接フィードバックの形態で使用されてもよい。
1または2以上の例では、磁性粒子は、アクチュエータ部材12全体に、不均一に分散されてもよい。図13には、一例が概略的に示されている。図には、3つの空間的に離間された、アクチュエータ部材のEAPマトリクスにわたって分散された軟質磁性粒子の局部的な濃縮42を有するアクチュエータ部材が示されている。図に示すような粒子の不均質性を提供することにより、アクチュエータ部材の異なる局部的な区画において、アクチュエータの厚さの検知が可能となる。特に、各局部的な濃縮42にわたる磁場または透磁率の検知のため、別個の専用の磁気センサが提供されてもよい。この方法では、透磁率、さらには厚さ変化の、独立の局所的な測定が可能になる。
図14および図15には、分散された硬質磁性粒子を有する一例のアクチュエータ部材に適用された概念を示す。この場合、本概念は、アクチュエータ部材の限定された横方向の伸張にわたって得られる磁化の強度をモニタリングすることに基づく。厚さが変化すると、アクチュエータ部材の単位表面積当たりの体積が変化し、これにより、任意の固定長さにわたって磁化に寄与する永久磁化粒子の数が変化する。これは、付随の磁場センサにより検知することができ、これを用いて、厚さの任意の変化の範囲の徴候が提供される。
図14には、本実施例の単純な例が示されている。左側の図には、一例のアクチュエータ部材12が示されており、これは、不活性(非動作)状態において、分散された硬質磁性粒子を有する。右側の図には、電極96、98の間に、厚さ16にわたって電場が印加された際のアクチュエータ部材を示す。電場により、アクチュエータ部材のEAP材料が刺激され変形し、これにより厚さの減少が生じる。
アクチュエータ部材12に近接して配置された磁場センサ92は、アクチュエータ部材の内部、またはその近傍の位置において、磁場強度をモニターしまたは測定するように作動する。
図14に概略的に示すように、アクチュエータ部材12の電気的刺激の際に、磁気センサ92の検知領域102内に存在する磁性粒子の数は、減少する。その結果、測定可能な方法において、アクチュエータ部材のこの特定の横方向の区画により得られる全体の磁場強度は、減少する。磁場センサ92により検知される磁場強度の変化をモニターすることにより、アクチュエータ部材の厚さの変化を検出し、モニターすることができる。
磁場センサ92は、制御器(図14には示されていない)に作動可能に結合され、制御器は、検知された磁場強度に基づいて、アクチュエータ部材の厚さの任意の変化の徴候を定めるように構成される。これは、特に、制御器の、または制御器にアクセス可能な、ローカルメモリに保管された、測定された磁場強度組の各々と相関するアクチュエータ部材の厚さ値を保管する、予め定められた参照表により行われてもよい。これらの値は、例えば、各特定のアクチュエータ部材に対する実験により得られてもよよく、または特定の仕様の全てのアクチュエータ部材に関して既知の、標準的な値であってもよい。あるいは、厚さ変化値は、制御器により、既知の理論的な関係に基づいて定められてもよい。
ある実施例では、アクチュエータ部材の厚さの定められた変化を使用して、アクチュエータ12を制御する、位置ずれフィードバックが提供されてもよい。例えば、制御ループが構築され、厚さ測定は、直接的または間接的なフィードバックを提供し、これがアクチュエータ部材の電気的刺激を制御する際に、制御器に通知される。例えば、予め定められた参照表または他のものを介して、制御器は、所望の厚さに到達し、電圧が一定の値に安定するまで、電極96、98の間に印加される電圧を高めるように構成されてもよい。
アクチュエータの厚さと、検知された磁場強度の変化との間の正確な関係は、多くの因子に依存する:磁場センサ92により検知される永久粒子の数、これらの粒子のセンサまでの距離、およびアクチュエータの作動により生じる変形の特定の形状である。例えば、アクチュエータの曲げは、磁性粒子とセンサの間の平均距離における電圧に依存した変化につながる。
これは、図15に概略的に示されている。図には、分散された硬質磁性粒子を有する一例のアクチュエータ部材12が示されている。これは、クランプ18の組により、いずれかの端部が固定されている。アクチュエータ部材が電気的刺激を受けると、固定のため、曲げが生じ、その結果、例えば、磁性粒子と磁場センサ92の間の距離が増加する。これは、通常、検知される磁場強度の減少につながる。このため、制御器は、所定の方法で、電気的変形の結果生じるフィールド強度の予想される変化を補償するように構成されてもよい。これを容易にするため、制御器は、任意の時間で、アクチュエータ部材に印加される特定の電圧を把握するように、両方の電極96、98、および磁場センサと作動可能な結合されてもよい。次に、これを用いて、補償されたフィールド強度値が計算されてもよい。
本発明のこの態様の任意の実施例では、電気的および磁気的作動の効果は、磁性粒子の濃度、粒子直径、および/または粒子形状を変化させることにより、定性的に調整されてもよい。
図16には、分散された磁歪粒子を有する一例のアクチュエータ部材に提供される概念が概略的に示されている。この場合も、本概念は、アクチュエータ部材内の磁性粒子により示される磁化の強度をモニターすることに基づく。アクチュエータ部材の電気的刺激、およびその結果の変形の際、EAPマトリクス内に応力が生じ、この大きさは、変形によりアクチュエータ部材に生じる歪みに依存する。これらの応力は、磁歪粒子に印加される。前述のように、磁歪粒子は、印加応力に応じて、所定の方法で、それらの磁化を変化させる特性を有する。従って、少なくともアクチュエータ部材の区画にわたって、示された磁化をモニターすることにより、アクチュエータ部材(すなわち発生歪みの部材)の厚さの変化を定め、モニターすることができる。
図16には、一例が概略的に示されている。図には、磁歪粒子が分散された電気活性ポリマー材料で形成された、一例のアクチュエータ部材12が示されている。左側の図には、初期の、未作動状態のアクチュエータ部材を示す。一例の磁性粒子の磁気特性は、62により概略的に示されている。初期状態では、粒子は、ゼロの正味磁化を有することが示されている(磁気双極子は、ランダムな方向に整列される)。アクチュエータ部材の変形の際、磁性粒子の形状は、変形し、62のより球に近い形から、63のより楕円に近い形に変化する。その結果、粒子に正味の磁化が生じる(63に示されている)。本例では、粒子は、正の磁歪材料であると仮定する。その結果、粒子が応答して、アクチュエータ部材は、水平に整列された変形を示し、対応する水平に整列された磁化を示す(図16の視図から、本例では左から右の方向)。磁化の方向に関し、以下のことが留意される:磁気双極子が水平面にある限り、好ましい方向は存在しない。ただし、粒子密度が十分に高い場合、磁気双極子の配向は、水平面内の一方向に整列されるようになり、双方の影響がある。これを考慮して、設計または操作が行われる。
図16に示した特定の粒子形状は、単に概念を説明するために提供されたものであり、別の例では、粒子は、本発明の本実施例の効果を消失させない限り、いかなる所望の形状を有してもよい。
示された磁化の変化は、適用された磁場センサにより測定されてもよい。非限定的な例では、これは、導電性の巻線(例えば磁気記録ヘッド)、または例えば、ホールセンサもしくは磁気抵抗センサであってもよい。磁場強度の測定に適した他の従来の磁気センサは、当業者には即座に理解される。
磁場センサは、制御器と作動可能に結合されてもよく、制御器は、検出されたフィールド強度に基づいて、アクチュエータ部材12の厚さ16の値、またはその変化を定めるように作動される。厚さ変化は、例えば、測定される磁場強度組の各々と相関するアクチュエータ部材の厚さ値を保管する制御器の、または制御器にアクセス可能な、ローカルメモリに保管された、予め定められた参照表により定められてもよい。これらの値は、例えば、各特定のアクチュエータ部材に対する実験により得られてもよく、あるいは特定の仕様の全てのアクチュエータ部材に関して把握された、標準的な値であってもよい。あるいは、厚さ変化値は、既知の理論的な関係に基づいて、制御器により定められてもよい。
前述の例のように、本発明の実施例では、例えば、アクチュエータ部材の厚さの定められた変化を用いて、アクチュエータ12を制御する、位置ずれフィーバックが提供されてもよい。例えば、制御ループが構築され、厚さ測定は、直接的または間接的なフィードバックを提供し、これがアクチュエータ部材の電気的刺激を制御する際に、制御器に通知される。
前述の実施例のように、測定された磁場強度は、磁性粒子と磁場センサの間の距離を含む、多くの因子に依存する。アクチュエータ部材が電気的刺激の際に曲がるように適合される場合、この距離は、印加フィールド電圧(または電流)の関数として変化してもよい。制御器は、例えば、前述の例に関して説明した方法により、例えば、そのような電圧依存のフィールド強度変化を補償するように適合されてもよい。
また、前述の例に関して説明したように、定められた厚さ変化は、アクチュエータ部材の変形の制御を通知する際に、制御器により利用されてもよい。定められた厚さ変化は、(前述のように)アクチュエータの作動挙動を制御する際に、例えばフィードバックループの一部として使用されてもよい。
前述のように、磁歪粒子は、硬質または軟質磁性粒子であってもよい。従って、特定の例では、本実施例の例は、前述のいかなる例と組み合わされ、またはこれに導入されてもよい。
本発明の任意の実施例では、アクチュエータ部材の形状の変化の検知は、電気的刺激または磁気的刺激のいずれかによるアクチュエータ部材の変形の刺激と同時に実施されてもよい。磁気的検知と、磁気的に刺激された変形を同時に行うため、形状変化(例えば厚さ)の決定には、アクチュエータ部材にわたって活性に印加される既知の磁場を補償することが必要となる。
例えば、分散された硬質磁性粒子の場合、アクチュエータ部材にわたって測定された任意の磁場強度は、通常、変形を促進するために印加される磁場を含む。(前述の例のように、部材にわたる示された磁場強度変化をモニターすることを介して)形状変化をモニターするため、既知の活性に印加された磁場の大きさを、測定された磁場強度から減算し、または除去することのみが必要となる。同様の補償方法は、埋設された軟質磁性粒子、または磁歪粒子を有するアクチュエータ部材の形状変化を測定する場合にも適用できる。
本発明の任意の実施例では、部材の動作を(電気的にまたは磁気的に)刺激することにより生じる、アクチュエータ部材の形状(例えば厚さ)の変化の決定を行うことができる。これは、特に、作動の前に、部材の形状の徴候を定め、その後、部材の作動の後の形状の徴候を定めることにより可能となる。前述のように、参照表または計算方法を用いて、作動前後の検出された磁場強度に基づいて、アクチュエータ部材の形状の徴候(例えば、厚さ、高さ、または幅の徴候)を定めてもよい。これらの2つの値を比較することにより(例えば、一方から他方の減算により)、形状の変化の徴候を得ることができる。
前述の詳細な記載では、EAPの場合について、本発明による装置やシステムの構成および動作が示されているが、本発明は、実際に、他の種類のEAM(電気活性材料)に基づく装置に、使用することができる。従って、記載がない限り、前述のEAP材料は、他のEAM材料と置換することができる。そのようなEAM材料は、知られており、当業者は、それらの取得場所および適用方法を把握する。以下、多くのオプションが記載される。
フィールド駆動EAMは、有機材料または無機材料であり、有機材料が単一の分子である場合、有機物は、オリゴマーまたは重合体であり得る。これらは、通常、圧電性であり、可能な場合、強磁性であり、従って、自発的な永久極性(双極子モーメント)を有する。あるいは、これらは、電歪性であり、従って駆動の際には、極性(双極子モーメント)を有するが、非駆動の際は、極性を有さない。あるいは、これは、誘電体リラクサ材料である。そのようなポリマーは、これに限られるものではないが、圧電ポリマー、強磁性ポリマー、電歪ポリマー、リラクサ強磁性ポリマー(PVDF系リラクサポリマーまたはポリウレタンなど)、誘電エラストマ、液晶エラストマのサブクラスを有する。他の例には、電歪グラフトポリマー、電歪紙、エレクトレット、電気粘弾性エラストマ、および液晶エラストマが含まれる。
自発的な極性の欠如は、極めて高い作動周波数においても、電歪ポリマーがヒステリシスをほとんど示さないこと、またはヒステリシスロスを示さないことを意味する。ただし、温度安定性を犠牲にする代わりに、利点が得られる。リラクサは、最良の状況で作動し、温度は、約10℃内に安定化される。これは、一見、極めて限定的に見えるが、高周波数および低い駆動フィールドでにおいて、電歪が勝る場合、特殊な小型アクチュエータに適用される傾向にある。そのような小型装置の温度安定化は、比較的簡単であり、設計および開発プロセス全体において、しばしば、小さな問題しか存在しない。
リラクサ強磁性材料は、実際の使用に良好な十分に高い電歪定数を有し、すなわち、同時検知、および作動機能に有意である。リラクサ強磁性材料は、ゼロ駆動フィールド(すなわち電圧)が印加された場合、非強磁性であるが、駆動中は強磁性となる。従って、非駆動の際に、材料内に電気機械的な結合は、存在しない。電気機械的な結合は、駆動信号が印加されると非ゼロになり、前述の手順により、駆動信号の上に、小さな高周波信号を印加することにより、測定することができる。また、リラクサ強磁性材料は、非ゼロ駆動信号において、良好な作動特性と、高い電気機械的な結合の特殊な組み合わせの点で、有意である。
無機リラクサ強磁性材料の最もよく使用される例は、鉛マグネシウムニオブ酸塩(PMN)、鉛マグネシウムニオブ酸塩−鉛チタン酸塩(PMN-PT)、および鉛ランタンジルコニア酸チタン酸塩(PLZT)である。ただし、他のものも知られている。
PVDF系リラクサ強磁性系ポリマーは、自発的電気分極を示し、これらは、歪み方向における改善された特性のため、予め歪化され得る。これらは、以下の材料の群から選定された任意の一つであり得る。
フッ化ポリビニリデン(PVDF)、フッ化ポリビニリデン−トリフルオロエチレン(PVDF−TrFE)、フッ化ポリビニリデン−トリフルオロエチレン−クロロフルオロエチレン(PVDF−TrFE−CFE)、フッ化ポリビニリデン−トリフルオロエチレン−クロロトリフルオロエチレン(PVDF−TrFE−CTFE)、フッ化ポリビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン(PVDF−HFP)、ポリウレタン、またはこれらの混合物。
電流駆動EAMおよびEAPは、共役ポリマー、イオン性ポリマー金属複合体、イオン性ゲル、およびポリマーゲルを含む。
イオン性駆動EAPの一例は、共役ポリマー、カーボンナノチューブ(CNT)ポリマー複合体、およびイオン性ポリマー金属複合体(IPMC)である。
サブクラスの誘電体エラストマは、これに限られるものではないが、アクリレート、ポリウレタン、シリコーンを含む。
サブクラスの共役ポリマーは、これに限られるものではないが、ポリピロール、ポリ-3,4-エチレンジオキシチオフェン、ポリ(p-フェニレン硫化物)、ポリアニリンを含む。
前述の材料は、純粋な材料として、または懸濁された材料として、マトリクス材料内に埋設され得る。
EAM材料を有する任意の作動構造に、印加駆動信号に応答して、EAM層の挙動に影響を及ぼす、追加のパッシブ層が提供されてもよい。
EAP装置の作動配置または構造は、1または2以上の電極を有し、電気活性材料の少なくとも一部に、制御信号または駆動信号が提供されてもよい。配置は、2つの電極を有することが好ましい。EAPは、2または3以上の電極の間に挟まれてもよい。この配置は、エラストマー誘電体材料を有するアクチュエータ配置の場合、必要となる。その作動は、特に、駆動信号により、相互に引き合う電極により加わえられる圧縮力によるものであるからである。2または3以上の電極は、エラストマー誘電体材料に埋設され得る。電極は、パターン化されても、されなくてもよい。
基板は、作動配置の一部であってもよい。これは、EAPの集合体および電極に取り付けられ、電極同士の間、または外側の電極の一つに取り付けられる。
電極は、伸縮性であり、EAM材料層の変形に追随してもよい。これは、特に、EAP材料の場合、有意である。電極に適した材料は、知られており、例えば、金、銅、アルミニウムのような薄い金属膜、またはカーボンブラック、カーボンナノチューブ、グラフェン、ポリ−アニリン(PANI)、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)(PEDOT)、例えば、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)ポリ(スチレンスルホン酸塩)(PEDOT:PSS)のような有機導電体からなる群から選定されてもよい。また、例えばアルミニウムコーティングされた、金属化ポリエチレンテレフタレート(PET)のような、金属化ポリエステル膜を使用してもよい。
ある配置は、電気活性材料層の両側に、電極層を有してもよい。例えば、相互嵌合櫛形電極を用いて、片側のみに電極層を提供することも可能である。
異なる層用の材料は、例えば、異なる層の弾性率(ヤング率)を考慮して選定される。
追加のポリマー層のような、追加の層を前述の構成に使用して、装置の電気的または機械的な挙動を適合させてもよい。
前述の例では、電気活性材料(特に、ポリマー)と、他の粒子(通常、「フィラー」と称される)とが組み合わされた、複合材料が使用される。
以下、そのような複合材料を製造する方法、ならびに電気活性材料の物理的および電気的特性に及ぼす影響について説明する。
まず、誘電体エラストマ電気活性材料の例について説明する。これらは、2つの電極の間に挟まれ、誘電体電気活性ポリマーアクチュエータを形成する。シリコーンゴムは、主要な適用エラストマ群である。変形は、正および負に帯電した電極の間の引力の結果生じる。
シリコーン内の粒子の複合化は、産業スケールにおいて広く使用されている。例えば、超音波変換器レンズは、鉄および酸化ケイ素粒子が充填されたシリコーン(PDMS、ポリジメチルシロキサン)で構成され、音響インピーダンスおよび摩耗抵抗が向上する。PDMS(シリコーン)化合物含有ルチル(TiO2)は、屈折率の向上、または白色反射材料の形成に、広く使用されている。
誘電体電気活性ポリマーの特性に関し、セラミックスのような非導電性硬質粒子との複合化は、2つの主要な効果を有する。まず、材料の剛性により、同じ歪みレベルを得るために要求される力が増加する。別の効果は、複合体の誘電率が変化することである(通常、フィラーの誘電率は、3に近いシリコーンよりも高い)。電圧に依存する歪み効果が正または負のいずれであるかは、粒子の誘電率および粒子サイズに依存し、小さい粒子は、剛性に対して、より大きな効果を示す。
これは、S.Somiya,“Handbook of Advanced Ceramics:Materials,Applications,Processing,and Properties” MLCCs,Nonlinear Dielectricity,Waltham,5Academic Press,2013,p.415において検討されている。例えば、粒子の追加により、誘電率は上昇するが、剛性も高まる。
従って、誘電体電気活性ポリマーの特性に影響を与えるため、エラストマにフィラーを複合化することは、既知である。
シリコーンエラストマは、通常、2つの成分を混合することにより調製される。その一つは、Ptまたは過酸化物硬化触媒を含む。異なる成分は、高速ミキサーで混合され得る。同じプロセスにおいて、フィラーが添加され、あるいはフィラーは、1または2以上の成分と、予め予備混合されていてもよい。フィラー材料は、通常、溶媒中に設置されており、これは、処理中に蒸発する。高速ミキサーでの混合の後、または混合中、通常、真空が印加され、含有空気(および/または溶媒)が除去される。この後、混合物は、成形され、硬化され得る。硬化温度および時間は、ポリマーのグレードに依存するが、通常、約80℃で10分である。ほとんどの粒子は、それらが触媒(例えば、硫黄含有材料)を不活性化させない限り、シリコーンと混和性がある。過酸化物硬化シリコーンは、感度が低い。
シリコーンは、射出成形され得る(液体シリコーンゴム、LSR)。2つの成分は、(静電)ミキサーを通過した後、LSR射出成形機のスクリューにおいて射出される。フィラー粒子は、1または2つの成分中で予備混合されてもよい。材料は、コールドスクリューにより輸送され、高温型に射出され、ここで、温度に応じて迅速に硬化される。LSRは、極めて低い粘性を有するため、極めて薄い区画が実現される。通常の硬化温度は、180℃近傍であり、時間は、約30秒から1分である。
成形および射出成形の他にも、他の多くの形状化技術を利用して、薄膜の形態の、シリコンゴム化合物部材を製造することができる。例えば、押出し(薄膜およびプロファイル)、薄膜のローリング法、複数の層の積層およびロール処理、ドクターブレード薄膜成形法、スピンコーティング法、およびスクリーン印刷法がある。
充填は、例えば、マルチショット射出成形法(2ショットまたはオーバーモールディング)、シリコーン分配、およびオーバーキャスト、またはシリコーン添加製造法(すなわち3D印刷法)を使用して製造の位置において局部的に実施することができる。
次に、圧電ポリマー複合体の例について説明する。
PVDF(マトリクスポリマー)、およびPZTのようなセラミック粒子の化合物を含む圧電ポリマー複合体を評価した。溶媒成形およびスピンコーティングのような製造技術が好適である。また、冷間および熱間プレス技術も好適である。PVDFの溶解後に、粘性混合物が得られるまで溶媒が気化され、その後、フィラー粒子の混合が実施され得る。十分に分散されたグレインサイズ分布を有し、未反応ポリマーマトリクスを有するPVDFポリマー系複合体が得られる。
次に、リラクサ電歪ポリマーアクチュエータ装置の例について説明する。
これらは、中間歪みで比較的高い力を示す、準結晶性ターポリマーのクラスである。従って、これらのアクチュエータは、広範囲の潜在適用性を有する。リラクサ電歪ポリマーは、「通常」のPVDFポリマーから、適切な欠陥修正を用いることにより開発されている。これらは、フッ化ビニリデン(VDF)、トリフルオロエチレン(TrFE)、および1,1-クロロフルオロエチレン(CFE)、またはクロロトリフルオロエチレン(CTFE)を含む。
VDF-TrFEと共重合された1,1-クロロフルオロエチレン(CFE)のような化学的モノマーの形態における欠陥の添加により、通常の強誘電体相が排除され、電気機械歪みが7%を超え、150MV/mにおける弾性エネルギー密度が0.7J/cm3のリラクサ強磁性が得られる。また、P(VDF-TrFE)コポリマの高電子照射を介して欠陥を導入することにより、コポリマが、「通常」の強磁性P(VDF-TrFE)から強磁性リラクサに変換され得ることが記載されている。
材料は、F.Carpiら,“電気化学的変換器としての誘電体エラストマ:基本、材料、装置、新たな電気活性ポリマー技術のモデルおよび適用”Oxford,Elsevier,2011,p. 53に記載のように、ポリマー合成により形成されてもよい。これには、懸濁重合プロセスと酸素活性化開始剤の組み合わせが開示されている。これらの膜は、ガラス基板に溶液を注ぎ、その後溶媒を気化させることにより、形成することができる。
膜の成形の前に、溶媒に所望のフィラーを添加してもよい。成形後、複合体が熱処理され、溶媒が除去され、結晶性が高められる。結晶化率は、フィラー濃度および粒子のサイズ分布に応じて低下し得る。伸張により分子鎖が整列され、粒子が分子鎖を固定すると、伸張はより難しくなる。大部分の添加剤の場合、誘電率は上昇し、ある歪みに到達するために必要な作動電圧が低下する。材料剛性の増加により、歪みが低下する。
従って、製造プロセスは、ポリマー溶液を形成するステップ、粒子を添加するステップ、混合するステップ、その後、必要な場合、積層と組み合わせて成形(例えばテープ成形)するステップ、を有する。代替例は、スピンコーティング、プレス等である。
濃度の局部的な変化は、溶媒分散法および/または3D溶媒印刷法を用いて実現され得る。例えば、3D印刷プロセスでは、層の厚さは、10から20μmの間と見積もられる。
全ての例において、フィラーの添加は、通常、ブレークダウン電圧に影響する。電気活性ポリマーにより到達し得る最大歪みは、印加される最大電圧により定まり、これがブレークダウン電圧である(または誘電強度)。
ポリマーのブレークダウン電圧は、印加外部電場下でのポリマー分子の溶解に関係する。ポリマーマトリクスにおけるフィラー粒子の添加は、ブレークダウン電圧に大きな影響を及ぼし得る。特に、大きな粒子は、局部的に電場を高める。従って、サブミクロン範囲の粒子を有する複合化ポリマーは、電圧ブレークダウンに低い悪影響を及ぼす。また、ポリマー-フィラー界面構造は、電圧ブレークダウンに強く影響する。
粒子の凝集は、ブレークダウン電圧を下げる別の影響である。ただし、粒子表面を改質することにより、凝集を抑制でき、界面構造が改善され、電圧ブレークダウンレベルの負の影響が抑制される。しかしながら、充填ポリマーでは、未充填ポリマーに比べて低いブレークダウン強度が得られ、これは低い作動歪みにつながる。
まとめると、粒子と複合化された誘電体電気活性ポリマーは、幅広い産業的複合化および形状化技術を用いて得ることができる。剛性に対する効果を維持し、従って、限られたアクチュエータのストロークの抑制のため、小さな濃度が好ましい。所与の体積濃度において、限られた剛性に及ぼす影響を維持するため、あまり小さくない粒子が好ましい。ソフトベースポリマーが選択され、剛性の上昇が補償されてもよい。高い誘電率では、抑制された電圧での作動が可能となる。絶縁耐力を維持するため、粒子サイズおよび濃度が制限され、ポリマー-フィラー界面、および粒子分散を改善するための方策が取られる。局部的な濃度変化は、印刷することができる。
リラクサタイプの電気活性ポリマーの場合も、粒子との複合化が可能である。剛性および絶縁耐力に及ぼす粒子濃度およびサイズの影響に関する同様の傾向は、前述の影響に相当する。粒子は、重合化の後に添加され得る。溶解ポリマーは、テープキャスト法およびスピンコーティング法のような、各種技術を用いて形状化され得る。また、局部的な濃度変化も可能である。
図面、詳細な説明、および添付の特許請求の範囲の研究から、当業者には、請求された発明の実施の際に、前述の実施例に対する他の変更が理解され、実施され得る。請求項において、「有する」と言う用語は、他の素子またはステップを排除するものではなく、「一つの」と言う用語は、複数を排斥するものではない。単にある手段が複数の異なる従属請求項に記載されていることから、これらの手段の組み合わせが有意に使用できないと解されるものではない。請求項におけるいかなる参照符号も、範囲を限定するものと解してはならない。