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JP6714799B2 - パッティングラインの予測プログラムおよびそのプログラムを用いた装置 - Google Patents
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JP6714799B2 - パッティングラインの予測プログラムおよびそのプログラムを用いた装置 - Google Patents

パッティングラインの予測プログラムおよびそのプログラムを用いた装置 Download PDF

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Description

本発明は、ゴルフのパッティングにかかわり、無限に存在するカップインするパッティングラインの中から競技者の所望するパッティングラインを唯一選択し予測するプログラム、およびカップインしやすいパッティングラインを狙ったパッティングを競技者が実行できるように仮想カップ位置を表示する装置に関する。
ゴルフボールのパッティングラインの予測表示方法としてボール速度の一定値とカップ位置におけるボール速度とを比較することにより、カップインするボールの軌跡を予測してテレビ画面に表示する方法がある(例えば、特許文献1参照。)。
一般家庭等の室内においてロングパットの練習を行うために、ボールの初速および打ち出し角度を電子回路により算出し、これらに基づいて、仮想グリーン上を転がるボールの位置を逐次計算でシミュレーションして、この結果をテレビ画面に表示するようにしたものがある(例えば、特許文献2参照。)。
特開平8−71194号 公報 特開平8−057093号 公報
パッティングで難しいことの一つにパッティングラインを予測することがある。年に数回しかゴルフ場でプレーしない競技者は、急な上り斜面では半分も届かないようにショートしたり、下り斜面では、カップの倍近くオーバーしたりすることも、珍しくない。色々な斜面でのパッティング経験が少ないために競技者のパッティングの技術は向上し難いものとなっている。
そこで前記先行技術を応用することによりパーソナルコンピュータやスマートフォンなどの電子機器に様々なグリーンの下でカップインが予想されるパッティングラインやパットの打ち出し方向と強さを示し、競技者のパッティングを支援することが考えられる。
しかしながら従来の技術では以下の二つの点で実施が難しかった。第一の課題は、ボールがカップに入るパッティングラインが無数に存在しうることである。競技者は、グリーンの傾斜に従って弧を描きながらカップギリギリに止まるようにカップインさせたい場合もあれば、グリーンの傾斜をものともせず勢いよく直線的な軌跡でカップインさせたい場合もある。カップインするボールの打ち出し方向とボールに与える初速度の組み合わせは、無数に存在するのである。
勢いよくパットした場合は、軌跡が直線的になるのでカップインする確率は上がるが、カップを外した場合に大きくオーバーするので、3パットや4パットの危険性が高い。逆にカップにようやく届くように競技者が弱めにパットした場合は、軌跡が弧を描くのでカップインする確率は低くなるが、外れた場合でもカップの近傍にボールが止まるので3パットや4パットの危険性は低く、大多数の場合に2パットでカップインできる。
どのようなパッティングラインを採用するかは、競技者の好みや心理状態、競技の状況によって競技者が選択するべきものである。例えばカップの穴が塞がれていた場合にカップの上を通過してカップを43cmオーバーして停止する強さでパッティングラインにしたいと競技者が欲すれば、それを実現するパッティングラインが予測され、ボールの打ち出し方向とボールに与える初速度の組み合わせが特定されるのが望ましい。従来の発明は、このように無数にあるカップインするパッティングラインの中から競技者が所望する唯一のパッティングラインを選択し、それを予測する技術がなかった。
第二の課題は、電子機器がカップインするパッティングラインが予測できたとしてもそれを競技者が実現できるように、競技者に分かりやすく伝達することが難しかった。例えばパットの打ち出し方向は、カップに向かって時計回りに3度の方向でボールの初速度が1.5m/sになるようにパットすれば、カップインすると電子機器に表示されても、一般の競技者は、表示された速度でパットすることは困難である。また逆に競技者が考えるパットの強さを電子機器に正確に伝える手段がなかった。
競技者にパッティングの強さを伝達する方法としてボールの初速度の代わりに電子機器の画面上にパッティングの目標位置として仮想カップを表示することが考えられる。例えば上りのパットで強くパットしなければならないときは、実際のカップ位置よりも遠い位置に、逆に下りのパットで弱くパットしなければならないときは、実際のカップよりも近くに仮想カップを表示する。右にグリーンが傾斜しているスライスラインであれば、仮想カップを実際のカップよりも左側に、左ににグリーンが傾斜している場合は、仮想カップを実際のカップよりも右側に表示をする。そして競技者は表示された位置にカップがあると仮想して競技者の有している距離の感覚、いわゆる競技者の距離感に従ってパッティングするものである。
パターをこのぐらいの振幅で振ればこのくらいボールは転がるという競技者の距離感は、ある一つのグリーンの速さや傾斜を基準として競技者に形成されている。最も一般に距離感の基準と考えられているのは、平坦なグリーンである。しかしゴルフ場でプレー前にパッティングの練習をする練習グリーンは、決して平坦でなく、1度から2度の傾斜である場合が殆どである。そういう理由である競技者は、スタート前に練習で培われた若干の傾斜のあるグリーンを基準とした距離感に基づいて仮想カップ位置を考えたいと思うかもしれない。しかしプレーが進めば実際のグリーンの急な傾斜に慣れ、距離よりもボールの曲がりの量だけが気になってくる場合も多い。例えばカップの右10cmを狙うなどである。
仮想カップの位置を競技者に表示するにあたっては競技者の距離感にあわせる必要がある。競技者の距離感の基準となる斜面の傾斜角度は、競技者の好みや心理状態、競技の状況によって競技者が選択するべきものである。例えば基準となる角度が平坦であれば仮想カップの位置は遠目になり、基準となる角度が上り傾斜であれば仮想カップの位置は近くなる。従来の発明は、このように無数にありうる仮想カップの位置から競技者が所望する傾斜角を想定することで一つの仮想カップに限定し、それを表示するという発想がなかった。
本発明は上記の点を鑑み、競技者が所望する強さのパッティングでカップインするパッティングラインを予測するプログラムを提供すること、さらに前記のパッティングラインを実現する仮想カップの位置を競技者が所望するグリーンの条件を基準として表示できるプログラムを提供することを目的とするものである。
上記第一の課題を解決するために、ゴルフボールのパッティングラインをパッティングライン演算部で計算して予測するにあたって、上記パッティングラインの終端部に余長を設定する余長設定部と、前記余長の起点位置とカップ位置の差異からゴルフボールの次の打ち出し角度と初速度を前回の値から修正する打ち出し条件修正部と、前記余長の起点位置とカップ位置との距離の大きさにより前記パッティングライン演算部での演算を繰り返すか、演算を終了するかを判断する演算終了判断部とを含み、これにより競技者が所望する強さのパッティングラインが予測できカップインを容易にすることを特徴とする。
上記第二の課題を解決するために、パッティングの打ち出し方向と一致する向きに最大傾斜線を有する仮想平面を設定する仮想平面設定部と、前記仮想平面の傾斜角を競技者の所望する値に設定する傾斜角設定部と、前記仮想平面に打ち出すゴルフボールの初速度が決まっているときは仮想平面上でゴルフボールが停止する位置を計算により推定し、あるいは逆にゴルフボールを停止させたい位置が最初に決まっているときには前記停止位置にゴルフボールが停止する打ち出し速度と向きを計算により推定する仮想カップ演算部、前記停止位置を仮想カップ位置として表示する仮想カップ表示部とを備え、これにより競技者の距離感に合致するパッティングができてカップインを容易にすることを特徴とする。
上述したように本発明によれば無数にあるパッティングラインの中から唯一競技者の感性と合致するパッティングラインを予測する方法が提供でき、この結果、競技者のカップインの確率が向上するという効果を発揮するのである。
また、予想されたパッティングラインを実際に実現させるために競技者の距離感に一致する平面を選択して目標地点を仮想カップの位置として表示するので実際にボールの転がる距離が合わせやすくなり、これらにより更にカップインの確率が上がるという効果を発揮する。
本発明の実施形態を示すパッティングライン予測プログラムの構成図 同パッティングラインの説明図 同予測方法の手順を示すフローチャート 同別な予測方法の手順を示すフローチャート 同仮想カップの設定方法の原理の説明図 同図5を側面図にて模式的に説明した図 同パッティングライン表示装置の表示画面を示す図 同実グリーンとパッティングライン表示装置の表示画面を示す図
まず、前述した第一の課題を解決するための本発明の実施の形態を図1〜図3に基づいて説明する。図1は、ここではパッティングライン予測プログラムの構成を示す図、図2は、パーソナルコンピュータやスマートフォンなどの電子機器の中の仮想空間におけるパッティンググリーン上のパッティングライン示したもの、図3は、同実施形態に係る予測方法の手順を示すフローチャートである。なお、図1における傾斜角設定部60、仮想カップ演算部61、仮想カップ表示部63、仮想平面設定部66は、第二の課題を解決するための本発明の実施形態を説明するときに用いる。
図2においてグリーン10は説明を分かりやすくするために平面としている。矢印Kmは、グリーン10の最大傾斜線を示すもので矢印の向きに傾斜をしている。グリーン10の側面図10sは、最大傾斜線と平行な直線での断面図を示していて、グリーン10の傾斜角はθである。グリーン10の上にゴルフボール3が、点Oに位置している。カップ2との距離はLcである。カップ2の中心を点Cと呼び、点Oから点Cに向かう直線を座標軸としてY軸をとる。このY軸の直角方向にX軸をとることにする。Y´は、Y軸と平行な線であり最大傾斜線との角度がβであることを示している。
目標にするパッティングラインは、図2に示す破線30bのパッティングラインである。このパッティングライン30bは、点Oから点Cまでの部分と、点Cから点Dまで部分30dとで構成されている。このパッティングライン30bの終端部に位置する点Cから点Dまで部分30dは、カップ2が塞がれていると仮定したときにゴルフボールがオーバーランする軌跡を示すものであって、余長と呼ぶことにする。余長30dはパッティングラインの始点側に位置する前記余長の起点部をカップの中央の点Cと一致するよう配置される。ただしカップ2が塞がれていない通常の状態では、ボール3は、カップインするので余長30dは、観察されない。
この余長30dの長さLvは、例えば競技者や競技者を指導する第三者等の指定により任意の値に設定して、パッティングラインの形を調節することができる。例えば、パッティングラインを強めに直線的に狙いたいときは余長の長さLvを大きめの正の値に、弱めに弧を描くようなパッティングラインを所望するときは、余長の長さLvを零に近い値に設定する。
上述の余長30dを有してカップインするパッティングライン30bを実現する方法を図1〜図3を用いて説明する。最初に図1に示すグリーン条件設定部21は、図3のフローチャートに示すようにグリーン条件を取得する(S100)。このグリーン条件というのは、斜面の傾斜角θ、斜面の最大傾斜線の方向β、カップまでの距離Lc、および上述したグリーン10の傾斜情報の他に図示されていないスティンプメータと呼ばれるグリーンの速さを示す指標である。
スティンプメータとは、およそ1.83m/sの速度でボールを転がして停止するまでの距離を計測するものである。アマチュアがプレーする通常のグリーンでは、8.0〜9.5フィート程度に設定されることが多い。上記に述べた1.83m/sの速度で転がるゴルフボールの運動エネルギーは、ゴルフボールの質量と慣性モーメントからおよそ0.108Jと求まる。グリーン条件設定部21は、前記の停止する距離で除算することによりグリーンの転がり抵抗Rを求める。例えばスティンプメータが8.5フィート、メートルに換算して2.59mのときは0.108÷2.59から転がり抵抗Rは、0.042Nと求まる。
次に図1に示す余長設定部52は、余長Lvの値を取得し、パッティングライン全体に対する余長の割合を考える指標として(1)式で示す余長比δを導入し、δの値を求める(S101)。
Figure 0006714799
ここでパッティングを行うにあたり、1回目の演算なので収束計算の回数を示すiを1に設定する(S102)。
図1の打ち出し条件設定部50の一部分である初回部501は、ボールの初速度Vと打ち出し角度αを設定する(S103)。このボールの初速度Vと打ち出し角度αは、どのような値でも原理的には構わないが、最終的に求められる値に近い方が演算する回数が少なくなるので好ましく、Lv、Lc、θ、βなどを説明変数とする重回帰式や表などで最終的に得られるカップインする初速度と打ち出し角度に近い値を求めて、それらを最初に用いる初速度Vと打ち出し角度αに使用すると効率が良くなる。なお、ボールの初速度Vと打ち出し角度αにおける数字またはiと記載されている添え字は、繰り返し計算の回数を表すものである。
ここでは、グリーン10は左に傾斜しているので、最初の第一のパットは線分OC対して角度αだけカップの右側を狙い、ボールにある値の初速度Vを設定する。
図1に示すパッティングライン演算部51は、与えられたグリーン条件と打ち出し条件のもとに時間t=0からΔTの刻み時間ごとに逐次計算で運動方程式の解を求めてパッティングライン全体の軌跡を求めてゆく(S104)。このようにして破線で示すパッティングライン30aが最初に計算される。パッティングライン30a上の点Q2,Q3,〜Qj〜、Qnは、刻み時間毎に得られたボールの位置を表すものとする。
最初に計算したパッティング30aは、当然のことながら30bのようにはカップインしない。そこで余長設定部52は、パッティングライン30a上に最終端Qnから距離Tv、点Oからは距離Tcの位置にある任意の点を考えて、(2)式に示す比率γを導入する。
Figure 0006714799
図1に示す余長設定部52は、上記の点を最終端Qnからパッティングライン30a上を点O側に精細に走査してゆくと、γ=δとなる点が出現する。この点を点Pと呼ぶ(S105)。最終端Qnと点Pを結ぶ部分が余長であり、点Pは余長の起点となっている。
ここで線分CPの長さが前もって設定されている許容値よりも小さければ、演算終了判断部53は、点Cと点Pの位置が同じと見なし、パッティングライン30bのように終端に所定の余長30dを有しながらカップインする軌跡を得たとし、ここで計算を終了する(S106)。
演算終了判断部53は、線分CPが許容値以上であればもう一度収束計算を繰り返すという判断をして、収束計算の回数を示すiに1加算する(S107)。
線分CPが許容値以上であれば再び点Oからカップに向けてパッティングを行う。この場合に打ち出し条件設定部50の修正部502は、点Pが点Cに近づくように次の繰り返し計算に用いる打ち出し方向αiと速度Viをそれぞれ(3)式、(4)式に示すように修正する。
Figure 0006714799
Figure 0006714799
ここで添え字iは、この収束計算の繰り返しの回数で現在はi=2である。(3)式は次回の打ち出し角度を示していて、前回の打ち出し角度αから誤差∠POCを減じてカップの方向にパッティングラインを向かせるものである。(4)式は次回の打ち出しの初速度を示しており、ボールの転がる距離は、運動エネルギー、即ち速度の二乗に比例することから、次回の打ち出すボールの初速度は、(4)式に示すように距離の平方根に比例して修正してする(S108)。
パッティングライン演算部51は、修正されたボール速度Viと打ち出し方向αで再び時間t=0から逐次計算でΔTの刻み時間ごとに運動方程式の解を求めてパッティングラインを計算する(S104)。
以下、この繰り返しを数回行うと、パッティングライン30aにおける点Pは許容される範囲で実質的に点Cと一致する。すなわちここで、Tc=Lcとなりγ=δという条件があるので、結局(1)式、(2)式からTv=Lvとなる。すなわち所望の余長Lvを有しカップインするパッティングライン30bが以上の手順によって得ることができる。
図2に示したパッティングライン30bを実現する第二の方法を図4のフローチャートを用いて説明する。この実施の形態では、図1に示すグリーン条件設定部21は、図4のフローチャートに示すようにグリーン条件を取得する(S100)。
次に余長設定部52は、余長Lvの値を取得する(S109)。しかしここでは前に説明した余長比δは計算しない。
1回目の演算なので収束計算の回数を示すiを1に設定する(S102)。
打ち出し条件設定部50の一部分である初回部501は、ボールの初速度Vと打ち出し角度αを設定する(S103)。パッティングライン全体の軌跡を求める(S104)。
このようにして破線で示すパッティングライン30aが最初に計算され、このパッティングラインは要求を満足するようにはカップインしない。そこで余長設定部52は、パッティングライン30a上の最終端Qnから距離Tvにある点を最終端Qnからパッティングライン30a上を点Oに向かって精細に走査してゆき、Tv=Lvになる点を探し、その点を点Pと呼ぶ(S110)。最終端Qnと点Pを結ぶ線分が余長部であり、点Pは余長部の起点となっている。
ここで演算終了判断部53は、線分CPの長さが許容値未満であれば、ここで計算を終了する(S106)。
線分CPが許容値以上であればもう一度収束計算を繰り返すので、収束計算の回数を示すiに1加算する(S107)。
線分CPが許容値以上であれば打ち出し条件設定部50の修正部502によって打ち出し角度と初速度を点Pが点Cに近づくように修正する(S108)。再びパッティングライン演算部51は、与えられたグリーン条件と打ち出し条件のもとにt=0から逐次計算でΔTの刻み時間ごとに運動方程式の解を求めてパッティングラインを計算する(S104)。
以下、この繰り返しを数回行うと、パッティングライン30aにおける点Pは許容される範囲で点Cと一致、すなわちTc=Lcとなり所望する余長を有してカップインするパッティングラインが得られる。本例では、点Pを容易に求められる利点がある。
第三の実施の形態を以下に説明する。この場合では(5)式に示すように余長比として以下のように線分ODの長さに対する余長比としてδ´を考える。
Figure 0006714799
したがってパティングラインもこのδ´に対応するように点OとQnを結ぶ線分の長さを分母としTvを分子とした比率がδ´と同じになる点を、パッティングライン30a上から求めて、今までと同様に収束計算により所望の余長部を持ったパッティングラインを求めることができる。
パッティングラインの終端に余長を設け、パッティングライン始点側に位置する前記余長の起点部をカップに一致させる方法は、三つの例で述べた以外にも他の変形した方法があり得る。またその収束計算も収束の速さや安定性を考慮した別の改良された方法が考えられるが、いずれも本発明の範囲内にある。パッティングラインの終端部分に余長部を設け、余長部の起点をカップに一致させることによって、競技者が所望する強さのパッティングラインを得ることができるのである。
第二の課題を解決するための実施の形態を図1と図5〜図6を用いて説明する。図5は、仮想カップの設定方法の原理を説明する図、図6は、図5を側面図にてゴルフボールに作用する力を説明した説明図である。
図5は、図2に示したグリーン10上の同じ位置にカップ2があり、パッティングライン30bは、図2で説明した余長を有してカップ2にカップインするパッティングラインである。座標のX軸とY軸も、図2と同じものであり、Y軸は原点Oからカップ2に向かっている。上述したように余長を有してカップインする打ち出し条件は、図1に示す打ち出し条件設定部50により既に求められている。最終的に得られたカップインする打ち出し条件は、打ち出し速度はVe、打ち出す方向は、カップに対してαe度とする。
ここで図1に示す仮想平面設定部66は、図5に示すようにグリーン10の上に破線で示す仮想平面69を設定する。仮想平面69は、起伏のない平面であり、グリーン10の原点Oと同じ点を原点とし、この点にゴルフボール3が静止している。
矢印Kkは、仮想平面69の最大傾斜線を示しており、仮想平面設定部66は、ボール3の打ち出し方向と最大傾斜線の向きが平行になるように、仮想平面69を配置する。仮想平面69の座標軸はYk軸とXk軸であり、Yk軸は最大傾斜線Kkと平行にボールの打ち出し方向と一致していてY軸に対して時計回りにαe度傾く方向に配置する。
競技者がパッティングする際に最も競技者の距離感に合致するように、傾斜角設定部60は、仮想平面69を競技者の所望する傾斜角度θkに傾斜させる。矢印KkないしはYk軸に沿って切断された仮想平面69の断面図69sは、水平面に対して傾斜角がθkの平面となる。ただし以上述べたこの仮想平面は、競技者のパッティングの目標とする仮想カップの位置を求めるためのものであり電子機器の画面に表示されることはない。
仮想カップ演算部61は、ボール3を点Oから初速度Ve、方向αeで仮想平面69の上を転がす。図6は、そのときのボール3に作用する力関係を側面図で示したものである。ここで矢印Rは芝生の転がり抵抗であり、仮想平面69においてもグリーン10と同じとしてグリーン条件設定部21から入手できる情報である。ボールの質量をm、重力加速度をgとすればボール3の運動に関係する力は、芝生の転がり抵抗Rと重力の分力であるmg・sin(θk)の二つである。初速度Veで斜面を転がり始めたボール3の運動エネルギーは、一部は、芝生の転がり抵抗Rによって消費され、残りは斜面を登ることで位置エネルギーに変換され、ボール3は停止する。ゴルフボール3は、均質な材料と考えれば、公知の方法により停止距離Lは(6)式のように求まる。
Figure 0006714799
仮想カップ演算部61は、ボールが停止するまでの距離Lを(6)式によって求める。
次に図1に示す仮想カップ表示部63は、打ち出し方向と一致して設置されたYk軸上に原点Oからの距離がLとなる点を仮想カップ位置として例えば図5に示す仮想カップ62のようにグリーン10の上に表示する。この仮想カップ位置の表示は、グリーン10の上に図示することに限定するものでなくX座標、Y座標の値を数値で表現しても良い。
このように競技者がパッティングする際に競技者の距離感に最も合致する傾斜角の平面69を仮想し、その仮想された平面上に仮想カップ62を想定しているので、カップインすると推定されたパッティングライン30bを競技者がどのように狙えばよいかを理解するのに最も適している。本実施の形態によれば、競技者は自分の距離感にあった感覚でパッティングの目標位置を理解できてパッティングラインの読み方が上達することにより、実際のゴルフ場においてもカップインする確率が向上するものである。
上述の実施の形態は、電子機器がパッティングラインを推定し、打ち出し速度と向きを競技者に知らせるために仮想カップ位置として表示をする場合を説明した。この場合と逆に競技者がパッティングラインとそれが実行できると思う打ち出しの強さと方向を考えて、電子機器がその条件でパッティングをシミュレーションして競技者の考えたパッティングが正しいか否かを検証したい場合がある。この場合も本発明は以下のように対応することが可能である。
競技者の考えたパッティングラインをシミュレーションする実施の形態も前と同様に図1と図5〜図6を用いて説明する。傾斜角設定部60は、競技者がパッティングする際に最も距離感に合致する傾斜角度θkを仮想平面69に設定する。そして仮想平面設定部66は、現在設定されている仮想カップ62の位置と原点Oを結ぶ線と最大傾斜線の向きが一致し、かつその傾斜角がθkになるように仮想平面69を設定する。
競技者は、カップ位置やグリーン10の起伏を観察してパッティングラインがどのようになるかを考えて、打ち出す強さと方向を決め、その条件で仮想平面にパッティングしたときにボールが停止する位置を仮想カップ位置とし、仮想カップ表示部63によってば図5に示すグリーン10上に図示されていないマウスや数値の入力などによって動かして仮想カップ62の位置を設定する。この仮想カップ62の位置の表示は、図示に限ったものでなくX座標、Y座標の値を数値で入力しても良い。なお仮想平面設定部66は、仮想カップ62の位置が移動すれば、その都度、新しく設定された仮想カップ62の位置に対して最大傾斜線が仮想カップ62に向かうように仮想平面69の向きを修正する。
図1に示した仮想カップ演算部61は、上述の仮想カップ62のX,Y座標の値からピタゴラスの定理により原点Oから仮想カップ62まで距離Lを算出する。パッティングしたときにゴルフボールが傾斜角θkの斜面を距離Lだけ転がるのに必要なボールの初速度は、(6)式を変形して(7)式を得る。
Figure 0006714799
すなわち仮想カップ演算部61は、(7)式を演算しボールに所定の初速度を演算する。この初速度Vと打ち出し方向を打ち出し条件設定部50はパッティングライン演算部51に伝えることにより、パッティングライン演算部51は、パッティングライン30aを計算により推定することができる。
以上述べたように競技者が設定した基準の角度の仮想平面上において所定の距離に仮想カップを設定することにより、競技者の距離感と一致する所定の速度と方向をボールに設定することができる。これにより電子機器に備えられたプログラムによってパッティングラインがどのようになるかを予測することが可能になり、競技者のパッティングラインの読みがどの程度正しいものかを競技者に知らせしめることが出来て、これによって競技者のパッティングの技術が向上するものである。
図7は用いて第一の実施例を示しており、パッティングライン表示装置において電子機器の表示画面を示す図である。これは競技者が家庭において図示する画面の電子装置を使用することによって様々なグリーンの斜面で仮想的なパッティング経験をすることができるので、実際のグリーンで経験が少なくても競技者のパッティングラインを読む技術を向上させるものである。
図においてグリーンの条件を設定する操作パネル25には、斜面の角度、斜面の向き、カップ位置およびグリーンの速度を指示するスティンプメータの値が表示窓に表示されている。それらの値は、個々の表示窓の両脇にある三角形状のボタン22,23等を押すことにより表示窓に表示されている数値を増減することができる。
操作ボタン24を押下すると、斜面の角度、斜面の向き、カップ位置の三つについてそれぞれがプログラムの乱数関数によってランダムな数値が選択され、それらの数値は操作パネル25のそれぞれに対応する表示窓に表示される。これにより競技者は様々なグリーン条件の組み合わせを簡単に選択できる。
操作パネル25に表示されているグリーンの条件は、グリーン条件設定部21によってグリーン10a,10bに設定され、競技者が練習を欲するグリーンとする。
グリーン10a、10bのそれぞれには、カップ2、仮想カップ62a、62b、仮想カップの位置の表示部64a、64b、パットをする操作ボタン35a,35bが備えられている。グリーン10a、10bともに最初のボール位置とカップを結ぶ方向にY軸、それと直角にX軸が設定されている。また操作パネル25に「斜面の向き」として数値で表示され、本実施例の場合は反時計回りに74度で、競技者に視覚で分かりやすくする為に矢印210でその傾斜の方向を示して、さらにカップ2を通る最大傾斜線211でも傾斜の向きを表示している。矢印210の向きで分かるようにこの平面は下り斜面であり、さらに詳しくは操作パネル25の「斜面の角度」から本事例では傾斜角度は、1.3度であることが分かる。
この実施例でグリーン10aは、競技者が練習するグリーンである。「仮想カップの位置」64aは仮想カップの位置をX座標とY座標で表している。64aの表示窓の両脇に三角形状のボタン641,642を押下すると表示窓X,Yに表示されている数値が増減し、その数値に連動して仮想カップ62aの位置が変更する。図では、仮想カップは、X座標0.52m、Y座標1.85mの点に位置している。
パッティングの強さは、私の基準角度65と仮想カップの位置64aによって決定される。図7には図示されていないがグリーン10a、10bには私の基準角度31に設定された傾斜角度2.0度の図5で説明した仮想平面があって、その仮想平面の最大傾斜線は、それぞれのグリーンの仮想カップから原点に向かっている。
競技者は、カップ2にカップインするためにパッティングラインを予想する。左傾斜であるのでいわゆるフックラインと呼ばれる左に曲がるラインであるので仮想カップ62aは右側に配置し、グリーン10aは下り傾斜なので実際のカップ位置2よりも手前の位置に仮想カップ62aを配置した。ボールの初速度Vは、(7)式によって計算される。
ボタン35aはグリーン10aにおいてパットを行う時に押下するボタンである。ボタン35aを押下するとボール3は、私の基準角度65に設定された仮想平面で仮想カップ62aに丁度カップインするように初速度Vが与えられて転がり始め、パッティングライン30aが計算され、表示画面に表示される。
競技者は、カップインできなかったときは、再度64aの表示窓の両脇に三角形状のボタン641,642を押下して仮想カップ62aの位置を調整し、ボタン35aを押下してパッティングを行うことができる。競技者は、パッティングの練習を飽きるまで複数回できるので、パッティングラインを読む訓練ができる。
グリーン10bは競技者に正しいパッティングライン、すなわち競技者の所望する余長を有して必ずカップインするパッティングラインを見せるために用意されている。
グリーン10bには、余長30dの長さを指定できる表示窓と操作ボタンを備えた余長表示部54があり、三角形状のボタンを押すことにより、表示窓に表示されている数値が増減するようになっており、余長の長さに指定することができ、これにより競技者の欲する強さのパッティングが可能となる。
ボタン35bを押下すると、パッティングライン30bの終端には余長表示部54に設定された長さだけオーバーする勢いでカップ2にカップインするパッティングラインがパッティングライン演算部51によって計算され、画面に余長30dを有してカップインするパッティングライン30bと私の基準角65で指定された傾斜角度を基準として(6)式で計算された仮想カップ62bが表示され、仮想カップの位置64bには、X,Y座標の数値が表示される。
本実施例のパッティングライン表示装置によれば、左側のグリーン10bでは競技者は様々に変化するグリーンに対し、競技者が考えてパッティングを行い、右側のグリーン10bでは、余長を有してカップインする理想的なパッティングラインを競技者に表示する多様に変化する斜面で競技者は家庭に居ながらにして反復練習することによって数多くのパッティングを疑似体験することができるので、ゴルフ場に行かなくてもグリーンのラインを読む技術が格段に向上するという利点を有する。
図8は、ゴルフ場における本発明の実施例を説明するもので、実際のグリーンとパッティングライン表示装置を示す図である。実際のグリーン11の上には競技者のゴルフボール31があり、カップ21へどのように打つべきか競技者は思考している。
電子機器70は可搬型のもので、電子機器70には図示されていないゴルフ場の各ホールの位置情報、グリーン形状情報、芝の転がり抵抗の情報や起伏情報などが入力されているデータベースを備えている。前記のデータベース、または人工衛星を利用した位置情報計測システムからの情報や競技者からの入力などによって表示画面71にはグリーン10b、カップ2、競技者のボール3が表示されている。
表示画面71には、余長の長さを指定する表示窓と操作ボタンを備えた余長表示部54があり、三角形状のボタンを押すことにより、表示窓に表示されている数値を増減して余長の長さを指定して競技者の欲する強さのパッティングにする。
ここには図示されていないがパッティングラインを予測開始の操作ボタンを競技者が押下することによって電子機器70にインストールされているプログラムのパッティングライン演算部51が余長30dを有してカップインするパッティングライン30bを推定し、表示画面71に表示する。そしてあらかじめ指定された仮想平面の傾斜角度を基準としてプログラムにある仮想カップ演算部61は、(6)式により停止するまでの距離Lを計算し、これにより仮想カップ位置を求めて表示画面71に仮想カップ62bと、仮想カップの位置64bにX,Y座標を表示する。
競技者は表示画面71にある仮想カップ62bを実際のグリーン11の上に思い描き、その点を目標にパットすることによってカップインするか、カップインしない場合もカップの近傍に止まるパッティングが出来て、理想的なパッティングを実際に体験することができ、競技者のパッティング技術の向上に寄与するものである。
2 カップ
3 ゴルフボール
10 グリーン
30 パッティングライン
30d 余長
51 パッティングライン演算部
52 余長設定部
61 仮想カップ演算部
62 仮想カップ

Claims (3)

  1. ゴルフ場のグリーンと該グリーン上にゴルフボールを想定し、前記グリーンの傾斜状態、ゴルフボールの転がり抵抗、およびゴルフボールからカップ位置までの距離を設定するグリーン条件設定部と、前記ゴルフボールを打ち出すときの打ち出し方向と初速度を設定する打ち出し条件設定部と、前記の打ち出し条件設定部によって設定された打ち出し条件でゴルフボールを打ち出してゴルフボールの転がる軌跡であるパッティングラインを計算するパッティングライン演算部とを有するコンピュータで実行されるパッティングラインの予測プログラムであって、
    余長設定部と、演算終了判断部とを備え、
    (1)前記余長設定部は、前記パッティングライン演算部で計算されたパッティングラインの終端部に余長を設定し、
    (2)前記打ち出し条件設定部は、前記余長の起点と前記カップ位置の差異から新たな打ち出し方向と初速度を設定し、
    前記演算終了判断部は、前記余長の起点と前記カップ位置との距離が
    許容値未満であれば演算の終了を判断し、
    許容値以上であれば前記パッティングライン演算部は、新たなパッティングラインを計算し(1)に戻るという、
    これら(1)と(2)を繰り返すことにより、余長を有してカップインするパッティングラインを得ることを特徴とするパッティングラインの予測プログラム。
  2. 請求項1に記載のパッティングラインの予測プログラムを具備し余長の長さを指定する入力部を備えた装置。
  3. 請求項1から2のいずれかに記載のパッティングラインの予測プログラムを具備し予測されたパッティングラインを表示画面に表示する装置。
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