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JP6715159B2 - 流路切換弁及び自動車用熱媒体システム - Google Patents
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JP6715159B2 - 流路切換弁及び自動車用熱媒体システム - Google Patents

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Description

本発明は流路切換弁、及びこの流路切換弁を使用した自動車用熱媒体システムに係り、例えば、内燃機関やリチウム電池等の熱源を冷却する冷却水を種々の熱補機類に分配するために用いられる流路切換弁、及この流路切換弁を使用した自動車用熱媒体システムに関するものである。
一般的な自動車においては、内燃機関を冷却する冷却水の熱を外部に放熱するために冷却水をラジエータに循環させる、或いは車室内を暖房するために温度の高い冷却水を暖房装置に循環させるといった目的のために、流路切換弁を使用して各種熱補機類に冷却水を分配することが行われている。
このような自動車の内燃機関を冷却する冷却水を各種熱補機類に分配する流路切換弁としては、例えば特開2015−218775号公報(特許文献1)に記載されている。この特許文献1に記載された流路切換弁は、ハウジング内に、筒状の弁体である弁本体を回転可能に収容し、その弁本体の回転位置に応じて流路を切り換えるロータリー式バルブあって、ハウジングの連通路と弁本体の開口部との重なり合いにより開弁し、流入口から流入した冷却水を弁本体の開口部、及びハウジングの連通路を介して自動車の各種熱補機類に分配する構成となっている。
特開2015−218775号公報
ところでこの流路切換弁は、中空円筒状の弁本体と、この弁本体を外側から囲み各熱補機類に繋がる連通路を備えるハウジング本体とから構成されている。そして、連通路内に配置される筒状のシール部材の先端面と弁本体の外周面との間には、弁本体が摺動可能なように微小な隙間が形成されており、その隙間に冷却水内に含まれるアルミニウムや鉄からなる金属粉等の浮遊物が侵入する現象を生じる。
侵入した浮遊物は、弁本体が回転した際に弁本体の外周面とシール部材の先端面の間に挟まり、その浮遊物によって弁本体やシール部材の接触面を損傷させる恐れがある。このため、弁本体やシール部材の接触面が損傷すると、結果的にシール性能を劣化させるという課題を生じるようになる。
次に、この課題について図面を用いて簡単に説明するが、以下の説明では熱媒体として内燃機関の冷却水を使用する場合を例示的に示している。そして、図10は流路切換弁の連通路付近を横方向に断面したものであり、図11は弁本体とシール部材の接触領域付近を拡大したものである。
図10において、参照番号10は流路切換弁を示しており、ハウジング本体11に形成した弁収納部27に弁本体12が回転自在に取り付けられている。弁本体12は紙面に垂直に延びる軸線を中心にして回動することが可能であり、弁本体12の外周面12Sの接線に直交する方向に連通路13が開口している。
冷却水ポンプから圧送されてくる内燃機関からの冷却水は、紙面に垂直な方向から流入して弁本体12に形成した開口14を介して連通路13に流出するものである。連通路13と弁本体12の外周面12Sの間には筒状のシール部材15が配置されており、シール部材15は、ハウジング本体11に嵌入される接続パイプ16Dの端面に配置された圧縮ばね17によって、弁本体12の外周面12Sに押圧されて液密的に接触されている。尚、図10については実施形態の説明の中で更に補足的な説明を行うようにする。
ここで、図11に示しているように、従来のシール部材15の内周面15Sの軸方向の形状は、弁本体12の外周面12Sに接触する先端面15Cまで直線状の内周面15Sに形成されている。そして、開口14と連通路13が連通し、且つ弁本体12の外周面12Sに形成した開口14の開口縁12Eが、シール部材15の内部に形成した内部通路15Pの領域に位置している状態で、冷却水が開口14から連通路13に流れ出る場合において、冷却水は流線Sで示すように流れ出る。
このため、弁本体12に形成した開口14の開口縁12Eの下流で、シール部材15の内周面15Sの先端付近に形成される空間領域に渦Vrが発生する。しかも、この渦Vrは上述の開口縁12Eの下流の空間領域に留まる傾向が強く、冷却水に混入している浮遊物Dstも、この渦Vrの動きにしたがって開口縁12Eの下流の空間領域に留まることになる。
このため、弁本体12が矢印R方向に回転する時に、弁本体12の外周面12Sとシール部材15の先端面15Cの隙間に浮遊物Dstが噛み込まれる現象が発生する。尚、この現象は冷却水ポンプの吐出側が弁収納室27に接続されて、冷却水が弁収納部27からハウジング本体11の連通路13に流出する場合を説明している。
一方、これとは逆に、冷却水ポンプの吸入側が弁収納室27に接続されて、冷却水がハウジング本体11の連通路13から弁収納部27に流入する形態もある。この場合、図11に示す流線Sが逆方向になり、冷却水に混在している浮遊物が、流体の流線Sに沿って流れて、シール部材15と弁本体12の外周面12Sの接触面付近に直接的に衝突して留まることになる。そして、弁本体12が矢印R方向に回転する時に、弁本体12の外周面12Sとシール部材15の先端面15Cの隙間に、浮遊物Dstが噛み込まれる現象が発生する。
このように、いずれにしても冷却水に混在する浮遊物Dstが、弁本体12とシール部材15の間に挟まり、その浮遊物Dstによって弁本体12の外周面12Sやシール部材15の先端面15Cが損傷され、結果的にシール性能を劣化させるという課題を生じることになる。
本発明の目的は、浮遊物が弁本体の外周面とシール部材の先端面との間に噛み込まれて挟まることを抑制することができる新規な流路切換弁、及びこの流路切換弁を使用した自動車用熱媒体システムを提供することにある。
ここで、本発明は内燃機関の冷却水に限定されず、例えばリチウム電池のような熱源を冷却する冷却水にも適用可能なものである。よって、冷却水は熱媒体であり、内燃機関やリチウム電池は熱源と言い換えることができる。
本発明の第1の特徴は、弁本体の外周面と接触するシール部材の内周面側の先端部分に、弁本体に形成した開口の開口縁の下流に発生する渦を弁本体の開口を流れ出る流体に向けて流れるように方向転換させる方向転換部が形成されている、ところにある。
本発明の第2の特徴は、弁本体の外周面と接触するシール部材の内周面側の先端部分に、弁本体に形成した開口の開口縁付近に衝突する流体の流れを弁本体の開口に向けて流れるように方向転換させる方向転換部が形成されている、ところにある。
本発明の第1の特徴によれば、方向転換部によって弁本体に形成した開口の開口縁の下流に発生する渦を弁本体の開口を流れる流体に向けて流れるように方向転換させるので、浮遊物が開口から流れ出る流体に積極的に搬送、排出されるようになる。このため、浮遊物が弁本体の外周面とシール部材の先端面の間に挟まることを抑制でき、良好なシール性能を維持することができるようになる。
また、本発明の第2の特徴によれば、方向転換部によって流体の流線の方向が弁本体に形成した開口側に曲げられ、これによって、浮遊物も開口側に流れるようになる。このため、浮遊物が弁本体の外周面とシール部材の先端面の間に噛み込む恐れが少なくなり、良好なシール性能を維持することができるようになる。
本発明の流路切換弁が適用される一例としての内燃燃関の冷却システムの構成図である。 本発明が適用される流路切換弁の全体斜視図である。 図2に示す流路切換弁の分解斜視図である。 本発明の第1の実施形態になる弁本体とシール部材の接触領域の部分拡大図である。 第1の実施形態の変形例になる弁本体とシール部材の接触領域の部分拡大図である。 本発明の第2の実施形態になる弁本体とシール部材の接触領域の部分拡大図である。 第2の実施形態の第1の変形例になる弁本体とシール部材の接触領域の部分拡大図である。 第2の実施形態の第2の変形例になる弁本体とシール部材の接触領域の部分拡大図である。 本発明の第3の実施形態になる弁本体とシール部材の接触領域の部分拡大図である。 図2に示す流路切換弁の連通路付近を横方向に断面した断面図である。 従来の流路切換弁の弁本体とシール部材の接触領域の部分拡大図である。
以下、本発明の実施形態について図面を用いて詳細に説明するが、本発明は以下の実施形態に限定されることなく、本発明の技術的な概念の中で種々の変形例や応用例をもその範囲に含むものである。
本発明の実施形態を説明する前に、本発明が適用される流路切換弁の構成について簡単に説明するが、上述した様に以下の説明では熱媒体として内燃機関の冷却水を使用する場合を例示的に示している。しかしながら、本発明は内燃機関の冷却水に限定されず、リチウム電池のような熱源を冷却する熱媒体にも適用可能なものである。
図1において、内燃機関01のシリンダジャケットには冷却水ポンプ02から冷却水が供給されており、シリンダジャケットを冷却した冷却水は流路切換弁10に送られ、一部はサーモスタットを介して常時循環用として再び冷却水ポンプ02の吸入側に戻されている。また、残りの冷却水は暖房装置03やラジエータ04、及びオイルクーラ05等の熱補機類に送られている。尚、これらの熱補機類は例示的に示しているものであり、これ以外の熱補機類を使用しても差し支えないものである。
そして、これらの熱補機類への冷却水の分配は、電子流路切換手段06によって制御されている。例えば、この電子流路切換手段06には、流路切換弁10に設けた水温センサ07からの水温情報、内燃機関01の運転状態情報、車室内の各種操作機器の操作状態情報が入力されており、電子流路切換手段06によって演算された制御信号に応じて各熱補機類への流路を切り換えるものである。
流路切換弁10には後述するように電動モータが内蔵されており、この電動モータは電子流路切換手段06からの制御信号によって、その回転が制御されるものである。電動モータには弁本体が固定されており、弁本体を回転させることで流路切換弁10に形成した各熱補機類に接続される連通路に冷却水を流し、内燃機関からの冷却水を各熱補機類に分配するものである。
図2は流路切換弁10の外観を示しており、ハウジング本体11には、シリンダジャケットに繋がる接続パイプ16A、暖房装置03に繋がる接続パイプ16B、ラジエータ04に繋がる接続パイプ16C、オイルクーラ05に繋がる接続パイプ16Dが設けられている。また、流路切換弁10には内燃機関01から矢印CAで示す冷却水が流入しており、ハウジング本体11の内部に設けられた弁本体によって、接続パイプ16A〜16Dに冷却水が分配されている。
流路切換弁10にはワックスが封入されたサーモスタット18が設けられており、接続パイプ16Aに流れる冷却水を温度によって制御している。また、流路切換弁10のハウジング本体11の頂部には電子流路切換手段06が固定されており、ハウジング本体11の内部に収納された電動モータを制御している。
図3は、図2に示す流路切換弁10を分解して斜め方向から眺めた構成を示している。ハウジング本体11には中空円筒状の弁本体12を収納する弁収納部(図10参照)と、電動モータ19が収納されるモータ収納部20が形成されている。また、ハウジング本体11には、外側から電子流路切換手段06が固定ボルトによって固定され、いわゆる機電一体型に構成されている。
更に、ハウジング本体11の周囲には、シリンダジャケットに繋がる接続パイプ16A、暖房装置03に繋がる接続パイプ16B、ラジエータ04に繋がる接続パイプ16C、オイルクーラ05に繋がる接続パイプ16Dが取り付けられている。尚、接続パイプ16Cにはサーモスタット18を覆うカバー部21が一体的に形成されている。ここで、ハウジング本体11と各接続パイプ16B〜16Dの間には、シール部材15と圧縮ばね17が配置されている。シール部材15は、両端が開口した円形筒状に形成されており、圧縮ばね17によって、その先端面15C(図4参照)は弁本体12の外周面12ASに押圧、接触されている。
弁本体12は有底円筒状に形成されており、その外周面12Sに上述した各接続パイプ16A〜16Dに接続される開口14が形成されている。したがって、冷却水ポンプ02から圧送されて内燃機関から流れてきた冷却水CAは、開口14を介して各接続パイプ16A〜16Bに流れ出るものである。
弁本体12は回転軸22に固定されており、回転軸22の回転に同期してハウジング本体11の弁収納部内で回転されるものであり、この回転に同期して弁本体12は、各接続パイプ16A〜16Dとの接続関係を選択(流路の切り換え)するものである。尚、弁本体12の回転状態によって開口14はシール部材15との重なり度合いを制御できるので、流量を制御するように動作される場合もある。
電動モータ19と弁本体12とはウォームギア機構で連結されている。すなわち、弁本体12が固定された回転軸22の反対側の端部には、ウォームホイール23が固定されており、このウォームホイール23はウォーム軸の一方に形成されたウォームホイール24と噛み合わされている。また、ウォーム軸の他方に形成されたウォーム25は電動モータ19に固定されたウォーム26と噛み合わされている。したがって、電動モータ19が回転すると、この回転はウォーム26⇒ウォームホイール25⇒ウォーム24⇒ウォームホイール23を経て回転軸23に伝えられ、最終的に弁本体12を回転させるものである。
また、電動モータ19やウォームギア機構を覆うようにして、電子流路切換手段06がハウジング本体11に固定されている。電子流路切換手段06からの制御信号は、電動モータ19に与えられて所定の回転動作を行うように動作される。
このような構成の流路切換弁10の構成、及び動作は基本的に良く知られているので、これ以上の説明は省略する。そして、このような構成の流路切換弁10においては、上述したように、弁本体12が回転した際に、冷却水に混在する浮遊物が弁本体12の外周面12Sとシール部材15の先端面の間に挟まり、その浮遊物によって弁本体やシール部材の接触面を損傷させる恐れがある。
この理由は図11に示している通りである。すなわち、開口14と連通路13が連通し、且つ弁本体12の外周面12Sの開口14の開口縁12Eが、シール部材15の内部に形成した内部通路15Pに位置している状態で、冷却水が開口14から連通路13に流れ出ると、弁本体12に形成した開口14の開口縁12Eの下流で、シール部材15の内周面15Sの先端付近に形成される空間領域に渦Vrが発生する。しかも、この渦Vrは開口縁12Eの下流の空間領域に留まる傾向が強く、冷却水に混入している浮遊物Dstも、この渦Vrの動きにしたがって開口縁12Eの下流の空間領域に留まり、弁本体12が回転する時に、弁本体12の外周面12Sとシール部材15の先端面15Cの隙間に浮遊物Dstが噛み込まれるからである。
このような課題を解決するため、本発明の第1の実施形態では、弁本体の外周面と接触するシール部材の内周面側の先端部分に、弁本体に形成した開口の開口縁の下流に発生する渦を弁本体の開口を流れ出る冷却水に向けて流れるように方向転換させる方向転換部を形成する、構成としたものである。
これによれば、弁本体に形成した開口の開口縁の下流に発生する渦を弁本体の開口を流れる冷却水に向けて流れるように方向転換させるので、浮遊物が開口から流れ出る冷却水に積極的に搬送、排出されるようになる。このため、浮遊物が弁本体の外周面とシール部材の先端面の間に挟まることを抑制でき、良好なシール性能を維持することができるようになる。
ここで、本発明の第1の実施形態の具体的な構成についての説明を行う前に、流路切換弁10の連通路付近を横方向に断面した図10を補足説明する。
図10において、ハウジング本体11には、弁本体12を収納する弁収納部27と、電動モータ19が収納されるモータ収納部20が一体的に形成されている。弁本体12は弁収納部27の内部で回転可能に収納されており、上述した回転軸22によって回転されるものである。弁本体12の外周面12Sの接線に直交する方向に、ハウジング本体11に連通路13が形成されており、この連通路13に嵌入されるようにしてオイルクーラ05に接続される接続パイプ16Dが取り付けられている。また、これのほぼ反対側には、サーモスタット18が取り付けられ、続いて接続パイプ16Aに接続されている。
連通路13と弁本体12の外周面12Sの間には、両端が開口した筒状のシール部材15が配置されており、シール部材15は、ハウジング本体11に嵌入される接続パイプ16Dの端面に配置された圧縮ばね17によって、弁本体12の外周面12Sに押圧、接触されている。シール部材15は滑りが円滑で形状安定性に優れた合成樹脂で作られ、本実施形態では、フッ素系樹脂(ポリテトラフルオロエチレン:PTFE)が用いられている。
弁本体12に形成された開口14は、弁本体12が回転することによってシール部材15と摺動しながら、シール部材15に形成した内部通路15Pと重なり合い、弁本体12の内部と連通路13とを接続するものである。そして、内燃機関からの冷却水は、紙面に垂直な方向から弁本体12の内部に流入し、弁本体12に形成した開口14を介してシール部材15の内部通路15P、連通路13、及び接続パイプ16Dに流出するものである。
次に本発明の第1の実施形態の具体的な構成について、図4を用いて詳細に説明する。尚、図4は弁本体とシール部材の接触領域を拡大したものである。
本実施形態の特徴は、弁本体12の外周面12Sと接触するシール部材15の内周面15S側の先端部分に、弁本体12に形成した開口14の開口縁12Eの下流に発生する渦の流れを、弁本体12の開口14を流れ出る冷却水に向けて流れるように方向転換させる方向転換部15Gを形成したものである。
図4に示す通り、シール部材15の先端面15Cの内周面15S側には、内周面15Sの周方向形状に沿って、内側に向けて傾斜する環状の方向転換部15Gが形成されている。この方向転換部15Gは、シール部材15の軸方向に直線状に延びる内周面15Sから内側に、しかも弁本体12の外周面12Sに向かって連続的に内径が縮小するように傾斜されており、更にこの方向転換部15Gの傾斜面は、軸方向の断面が直線状に形成されている。尚、この方向転換部15Gの傾斜面の反対側は、シール部材15の先端面15Cと同平面(いわゆる面一となっている)に形成されている。
そして、開口14と連通路13が連通し、且つ弁本体12の外周面12Sに形成した開口14の開口縁12Eが、シール部材15の内部に形成した内部通路15Pの領域に位置している状態で、冷却水が開口14から連通路13に流れ出る場合において、冷却水は流線Sで示すように流れ出る。
この時、弁本体12の開口縁12Eの下流で、シール部材15の内周面15Sの先端付近に形成される空間領域に渦Vrが発生する。この渦Vrは、弁本体12の開口14を形成する外周面12S側に移動してくるが、図11に示す従来のシール部材15の場合は、外周面12S側で渦Vrが留まる挙動を行うようになる。
これに対して、本実施形態では方向転換部15Gが形成されているので、外周面12S側に移動してきた渦Vrは、方向転換部15Gによってシール部材15の内部通路15Pの内側方向に向かって流れるように方向転換され、開口14を流れ出る冷却水に合流するように案内される。したがって、渦Vrに含まれている金属粉のような浮遊物Dstも、渦Vrの動きにしたがって開口14を流れる冷却水に合流するように案内される。
これによって、冷却水に混在している浮遊物Dstは、開口縁12Eの下流の空間領域に留まることが抑制される。したがって、開口縁12Eの下流の空間領域に浮遊物が存在する割合が少なくなるので、弁本体12が矢印R方向に回転しても、弁本体12の外周面12Sとシール部材15の先端面15Cの間に浮遊物Dstが挟まる現象が低減される。このため、弁本体12の外周面12Sやシール部材15の先端面15Cが損傷されることが抑制されるので、シール性能を長期に亘って維持することができるようになる。
ここで、方向転換部15Gの軸方向の長さLsや径方向の長さDsは適切な値に決められていれば良く、要は開口縁12Eの下流に発生する渦Vrを、開口14から流れ出る冷却水の流れに向けて搬送、排出させる機能を有すれば良いものである。また、シール部材15に形成した方向転換部15Gは、シール部材15と一体的に形成されているので、製造が容易となると共に、製造コストの上昇も低く抑えることができるものである。
以上述べた通り、本実施形態によれば、弁本体の外周面と接触するシール部材の内周面側の先端部分に、弁本体に形成した開口の開口縁の下流に発生する渦を弁本体の開口を流れ出る冷却水に向けて流れるように方向転換させる方向転換部を形成する、構成とした。これによれば、弁本体に形成した開口の開口縁の下流に発生する渦を弁本体の開口を流れる冷却水に向けて流れるように方向転換させるので、浮遊物が開口から流れ出る冷却水に積極的に搬送、排出されるので、浮遊物が弁本体の外周面とシール部材の先端面の間に挟まることを抑制でき、良好なシール性能を維持することができるようになる。
次に、第1の実施形態の変形例について図5を用いて説明する。第1の実施形態では、方向転換部15Gの断面が、シール部材15の内周面15Sから外周面12Sに向けて内側斜め方向に直線状に延びる傾斜面とされているが、本変形例では、外周面12Sに向けて内側斜め方向に弧状に延びる傾斜面とされている点で異なっている。これ以外の構成は同じ構成なので、その説明は省略する。
図5において、シール部材15の先端面15Cの内周面15S側には、内周面15Sの周方向形状に沿って、内側に傾斜する環状の方向転換部15Hが形成されている。この方向転換部15Hは、シール部材15の軸方向に直線状に延びる内周面15Sから内側に、しかも弁本体12の外周面12Sに向かって連続的に内径が縮小するように傾斜されており、更にこの方向転換部15Hの傾斜面は、軸方向の断面が弧状に形成されている。尚、この方向転換部15Hの傾斜面の反対側は、第1の実施形態と同様にシール部材15の先端面15Cと同平面(いわゆる面一となっている)に形成されている。
本変形例でも方向転換部15Hが形成されているので、外周面12S側に移動してきた渦Vrは、方向転換部15Hによってシール部材15の内部通路15Pの内側方向に向かって流れるように方向転換され、開口14を流れる冷却水に合流するように案内される。したがって、渦Vrに含まれている金属粉のような浮遊物Dstも渦Vrの動きにしたがって開口14を流れる冷却水に合流するように案内される。
これによって、冷却水に混入している浮遊物Dstは開口縁12Eの下流の空間領域に留まることが抑制される。したがって、開口縁12Eの下流の空間領域に浮遊物が存在する割合が少なくなるので、弁本体12が矢印R方向に回転しても、弁本体12の外周面12Sとシール部材15の先端面15Cの間に浮遊物Dstが挟まる現象が低減される。このため、弁本体12の外周面12Sやシール部材15の先端面15Cが損傷されることが抑制されるので、シール性能を長期に亘って維持することができるようになる。
更に、本変形例では方向転換部5Hの形状が弧状に形成されているので、第1の実施形態に比べて、渦Vrをシール部材15の内部通路15Pの内側に円滑に誘導、案内することが可能となる。また、第1の実施形態と同様に、方向転換部15Hがシール部材15と一体的に形成されているので、製造が容易となると共に、製造コストの上昇も低く抑えることができるものである。
次に、本発明の第2の実施形態について図6を用いて説明する。第1の実施形態では、シール部材と一体的に方向転換部を形成しているが、本実施形態では方向転換部を別体に形成してシール部材に一体化している点で異なっている。これ以外の構成は同じ構成なので、その説明は省略する。
図6において、シール部材15の内周面15S側には、シール部材15とは別に作られた方向転換部材28が一体的に固定されている。ここで、シール部材15は形状安定性の良いポリテトラフルオロエチレン(PTFE)で作られており、方向転換部材28は、耐熱性に優れ、しかも柔らかく変形可能な軟質性の合成樹脂、例えば軟質シリコン樹脂で作られている。そして、方向転換部材28は自身の弾性、或いは接着剤によってシール部材15と一体化されている。
方向転換部材28は、圧縮ばね17と接触する平面部28F、シール部材15の内周面15Sと接触する内周面部28S、弁本体12の外周面12Sと接触し、開口縁12Eの下流に発生する渦をシール部材15の内部通路15Pの内側方向に向けて流れるように方向転換させる方向転換部28Gとから形成されている。尚、方向転換部28Gの先端は、シール部材15の先端面15Cを越えて延びる長さに決められており、この先端面15Cを越えた分が変形して外周面12Sと接触するようになっている。
上述したように、軟質シリコン樹脂から作られた方向転換部材28は柔らかく変形し易いので、方向転換部28Gは、直線状の内周面部28Sから内側に、しかも弁本体12の外周面12Sに向かって連続的に内径が縮小する弧状の傾斜面が得られるようになる。この方向転換部28Gも、渦Vrの排出機能については第2の実施形態と同様の作用、効果を奏するものであるので、その説明は省略する。
本実施形態では、既存のシール部材15に方向転換部材28を装着するだけなので、製造が容易となり、また、方向転換部28Gが柔らかいので弁本体12の外周面12Sと密着しやすくなり、シール性能を向上することが可能となるものである。
次に第3の実施形態の第1の変形例について図7を用いて説明する。図7において、方向転換部材28の平面部28Fを取り除いた方向転換部材28とした点が特徴である。図6に示す方向転換部材28は、柔らかい性質を持つ平面部28Fがあるため、圧縮ばね17の圧縮力を適正に管理するのが難しく、これによってシール部材15の接触圧を一定に管理することができないという課題がある。
これに対して、図7に示す第1の変形例では平面部28Fを取り除いているため、圧縮ばね17は、形状安定性の良いポリテトラフルオロエチレンから作られたシール部材15の端面を押圧する。このため、圧縮ばね17の圧縮力をほぼ一定に管理することができ、結果的にシール部材15が弁本体12の外周面12Sに接触する接触圧をほぼ一定に管理することができるようになる。
次に第3の実施形態の第2の変形例について図8を用いて説明する。図7に示す第1の変形例は、方向転換部材28が自身の弾性、或いは接着剤によってシール部材15と一体化されているが、図8に示す第2の変形例では、方向転換部材28はシール部材15に一体的にインサートモールドによって成形されており、シール部材15と方向転換部材28は強固に一体化されることになる。
これによって、方向転換部材28がシール部材15から脱落する恐れが少なくなる。仮に、方向転換部材28が脱落して冷却水中を浮遊して流れると、冷却水ポンプの故障を引き起こすことがあるが、方向転換部材28をシール部材15に一体的にインサートモールド成形することによってこれを防ぐことが可能となるものである。
尚、方向転換部28Gはシール部材15の先端面15Cを越えて延びているが、第1及び第2の実施形態のように先端面15Cと面一になる形状であっても良いものである。この場合においては、変形する方向転換部28Gが存在しないので、方向転換部材28には予め第1及び第2の実施形態にある方向転換部15G、15Hが形成されている。
上述した実施形態(変形例も含む)では、シール部材と、これとは別体に形成される方向転換部材を組み合わせるものであるが、方向転換部材を組み合わせたシール部材は、上述した第1及び第2の実施形態に示すシール部材と等価として見做すことができる。つまり、弁本体の外周面と接触するシール部材の内周面側の先端に方向転換部が形成され、弁本体に形成した開口の開口縁の下流に発生する渦を、方向転換部によって本体の開口を流れ出る流体に向けて流れるように方向転換することができるからである。
次に、本発明の第3の実施形態について図9を用いて説明する。第1の実施形態では、シール部材15の軸方向に直線状に延びる内周面15Sの途中から方向転換部15Gを形成しているが、本実施形態ではシール部材29の軸方向の内周面29Sの全体をテーパ形状に傾斜させた点で異なっている。これ以外の構成は同じ構成なので、その説明は省略する。
図9において、シール部材29の内部通路15Pを形成するテーパ状内周面29Sは、弁本体12の外周面12Sに近づくにつれて内径が小さくなるテーパ形状に形成されている。したがって、テーパ状内周面29Sが形成されているので、外周面12S側に移動してきた渦Vrは、テーパ状内周面29Sによってシール部材15の内部通路15Pの内側方向に向かって流れるように方向転換され、開口14を流れる冷却水に合流するように案内される。このため、渦Vrに含まれている金属粉のような浮遊物Dstも、渦Vrの動きにしたがって開口14を流れる冷却水に合流するように案内される。
これによって、冷却水に混入している浮遊物Dstは開口縁12Eの下流の空間領域に留まることが抑制される。したがって、開口縁12Eの下流の空間領域に浮遊物が存在する割合が少なくなるので、弁本体12が矢印R方向に回転しても、弁本体12の外周面12Sとシール部材15の先端面15Cの間に、浮遊物Dstが挟まる現象が低減される。このため、弁本体12の外周面12Sやシール部材15の先端面15Cが損傷されることが抑制されるので、シール性能を長期に亘って維持することができるようになる。
本実施形態においても第1の実施形態と同様に、シール部材15に形成したテーパ状内周面29Sは、シール部材15と一体的に形成されているので、製造が容易となると共に、製造コストの上昇も低く抑えることができるものである。
尚、上述の説明では冷却水ポンプ02の吐出側が弁収納室27に接続されて、冷却水が弁収納部27からハウジング本体11の連通路13に流出する場合を説明しているが、冷却水ポンプ02の吸入側が弁収納室27に接続されて、冷却水がハウジング本体11の連通路13から弁収納部27に流入する形態もある。
この場合、図11に示す流線Sが逆方向になり、冷却水に混在している浮遊物がシール部材15と弁本体12の外周面12Sの接触面付近に直接的に衝突し、衝突分離作用によって、浮遊物Dstがシール部材15と弁本体12の開口14の開口縁12E付近の領域に留まるようになる。そして、弁本体14が矢印方向に回転すると、弁本体12の外周面12Sとシール部材15の先端面15Cの隙間に噛み込まれる恐れが高くなる。
これに対して、図4に示している方向転換部15Gによって冷却水の流線の方向が開口14側に曲げられ、これによって、浮遊物も開口14側に流れるようになる。このため、浮遊物がシール部材15と弁部材12の外周面12Sの接触面に噛み込まれる恐れが少なくなるものである。この場合は、渦の流れを方向転換する方向転換部15Gとして機能するものではなく、冷却水の流線の流れの方向を転換する方向転換部15Gとして機能するものである。
上述した各実施形態においては、内燃機関の冷却水を熱補機類に分配する流路切換弁について説明したが、本発明はこれに限定されることなく、流体を分配する一般的な流路切換弁にも適用できるものである。
以上述べた通り、本発明によれば、弁本体の外周面と接触するシール部材の内周面側の先端部分に、弁本体に形成した開口の開口縁の下流に発生する渦を弁本体の開口を流れ出る流体に向けて流れるように方向転換させる方向転換部を形成する構成とした。
これによれば、弁本体に形成した開口の開口縁の下流に発生する渦を弁本体の開口を流れる流体に向けて流れるように方向転換させるので、浮遊物が開口から流れ出る流体に積極的に搬送、排出されるので、浮遊物が弁本体の外周面とシール部材の先端面の間に挟まることを抑制でき、良好なシール性能を維持することができるようになる。
また、本発明によれば、弁本体の外周面と接触するシール部材の内周面側の先端部分に、弁本体に形成した開口の開口縁付近に衝突する流体の流れを弁本体の開口に向けて流れるように方向転換させる方向転換部が形成する構成とした。
これによれば、方向転換部によって流体の流線の方向が弁本体に形成した開口側に曲げられ、これによって、浮遊物も開口側に流れるようになる。このため、浮遊物が弁本体の外周面とシール部材の先端面の間に噛み込む恐れが少なくなり、良好なシール性能を維持することができるようになる。
尚、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施形態は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を加えることも可能である。また、各実施形態の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
10…流路切換弁、11…ハウジング本体、12…弁本体、12S…外周面、12E…開口縁、13…連通路、14…開口、15…シール部材、15C…先端面、15P…内部通路、15S…内周面、15G…方向転換部、16A、16B、16C、16D…接続パイプ、17…圧縮ばね、18…サーモスタット、19…電動モータ、20…モータ収納部、21…カバー部、22…回転軸、23…ウォームホール、24…ウォーム、25…ウォーム、26…ウォームホイール、27…弁収納部、28…方向転換部材、29…シール部材、29S…テーパ状内周面。

Claims (7)

  1. 軸線が延びる方向に円筒状に形成され、その外周面に流体が流出する開口が形成された弁本体と、
    前記弁本体の前記軸線を中心にして前記弁本体が回転可能に収納される弁収納部、及び前記弁本体の前記外周面の接線に直交する方向で前記弁収納部に開口され外部の補機類と接続される連通路を備えたハウジング本体と、
    前記連通路に設けられると共に、前記弁本体の前記外周面と接触する両端に開口を有する内部通路が形成され、前記弁本体の前記開口と前記内部通路の前記開口が重なると、前記弁本体に流入している流体を、前記内部通路を介して前記連通路に流出させる合成樹脂で作られたシール部材と、を備え、
    更に、前記シール部材の前記弁本体の前記外周面と接触する側の前記シール部材の内周面側の先端部分には、前記弁本体の前記外周面に向かって連続的に内径が縮小して傾斜する環状の方向転換部が前記弁本体の前記外周面まで形成されていると共に、
    前記方向転換部が形成された前記シール部材の先端部分は、圧縮ばねによって前記弁本体の前記外周面に押圧、接触されている
    ことを特徴とする流路切換弁。
  2. 軸線が延びる方向に円筒状に形成され、その外周面に流体が流入する開口が形成された弁本体と、
    前記弁本体の前記軸線を中心にして前記弁本体が回転可能に収納される弁収納部、及び前記弁本体の前記外周面の接線に直交する方向で前記弁収納部に開口され外部の補機類と接続される連通路を備えたハウジング本体と、
    前記連通路に設けられると共に、前記弁本体の前記外周面と接触する両端に開口を有する内部通路が形成され、前記弁本体の前記開口と前記内部通路の前記開口が重なると、前記連通路に流入している流体を、前記内部通路を介して前記弁本体の前記開口から前記弁本体内に流出させる合成樹脂で作られたシール部材と、を備え、
    更に、前記シール部材の前記弁本体の前記外周面と接触する側の前記シール部材の内周面側の先端部分には、前記弁本体の前記外周面に向かって連続的に内径が縮小して傾斜する環状の方向転換部が前記弁本体の前記外周面まで形成されていると共に、
    前記方向転換部が形成された前記シール部材の先端部分は、圧縮ばねによって前記弁本体の前記外周面に押圧、接触されている
    ことを特徴とする流路切換弁。
  3. 請求項1或いは請求項2に記載の流路切換弁において、
    前記シール部材の前記方向転換部は、前記シール部材の軸方向に直線状に延びる前記内周面の途中から内側に、しかも前記弁本体の前記外周面に向かって連続的に内径が縮小して軸方向断面が直線状に形成されている
    ことを特徴とする流路切換弁。
  4. 請求項1或いは請求項2に記載の流路切換弁において、
    前記シール部材の前記方向転換部は、前記シール部材の軸方向に直線状に延びる前記内周面からの途中から内側に、しかも前記弁本体の前記外周面に向かって連続的に内径が縮小して軸方向断面が弧状に形成されている
    ことを特徴とする流路切換弁。
  5. 請求項1或いは請求項2に記載の流路切換弁において、
    前記シール部材の前記方向転換部は、前記内部通路の両方の前記開口の間に亘って形成され、前記内周面が前記弁本体の前記外周面に向かって連続的に内径が縮小するテーパ形状に形成されている
    ことを特徴とする流路切換弁。
  6. 熱源を冷却する熱媒体となる流体を加圧して圧送する流体ポンプと、前記流体ポンプからの前記流体を複数の補機類に送る流路切換弁、或いは前記複数の補機類からの前記流体を前記流体ポンプに送る流路切換弁を備える自動車用熱媒体システムであって、
    前記流路切換弁として、請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の流路切換弁を使用した
    ことを特徴とする自動車用熱媒体システム。
  7. 請求項6に記載の自動車用熱媒体システムにおいて、
    前記熱源は内燃機関であり、また前記補機類は少なくともラジエータ、暖房装置、及びオイルクーラであり、
    前記流路切換弁は、前記内燃機関の冷却水を前記ラジエータ、前記暖房装置、及び前記オイルクーラに選択的に分配する
    ことを特徴とする自動車用熱媒体システム。
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