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JP6716616B2 - 粒状大豆たんぱく加工食品を含む液状調味料 - Google Patents
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Description

本発明は、液状調味料配合のための粒状大豆たんぱく加工食品の製造法、およびこれを具材として含有する液状調味料に関する。
大豆たんぱくは優れたたんぱく質源であり、様々な用途に加工され、利用されている。特に、粒状に加工された粒状大豆たんぱくは、肉様の組織を有することから、肉の代替品としてハンバーグや挽肉料理等の調理食品に使用されるほか、肉のそぼろと液状調味料を配合して得る「肉みそ」のような食品において、肉の代替として用いられる場合もある。
粒状大豆たんぱく加工食品に関しては、その品質を向上させるための工夫が従来なされている。例えば、糖アルコール及び味噌を含む粒状大豆たん白に、加熱処理を施すことで良好な風味を有する粒状大豆たん白加工食品を得る方法(特許文献1)や、大豆たんぱく質含有原料とおからの混合物に酢酸を含む調味液を含有させることで、好適な微生物耐性を有し、かつ肉そぼろに近い好適な風味、香味、食感を付与する方法(特許文献2)などが知られる。
また、粒状大豆たんぱく加工食品を具材として含む液体調味料としては、当該加工食品を特定の水分活性や酸度の液に含有せしめることで、具材の食感を向上させた調味液(特許文献3、4)などが知られる。
特開2012−39953号公報 特開2016−149967号公報 特開2013−42724号公報 特開2013−42725号公報
本発明の課題は、液状調味料に配合するのに適した粒状大豆たんぱく加工食品の製造法を確立することにある。
このような知見の中で、発明者らはさらに検討を行った結果、粒状大豆たんぱく加工食品の前処理を行う際に、醤油および乳酸を含有する液に浸漬することによって、風味や味のバランスがよく、大豆由来のきな粉様の異味も抑えられ、さらに食感も適当であるというすぐれた性質を有し、液状調味料への配合に適した粒状たんぱく加工食品を得られることを見出し、本発明を完成させた。
本発明の方法で得た粒状大豆たんぱく加工食品は、風味や味のバランスがよく、大豆由来のきな粉様の異味も十分に抑えられ、さらに食感もふっくらとしていて適度な硬さを有し、具材の存在感が感じられるというすぐれた性質を有し、液状調味料への配合に適したものである。
本発明において用いる「粒状大豆たんぱく加工食品」とは、典型的には「植物性たん白の日本農林規格」(平成28年2月24日農林水産省告示第489号)に規定される粒状植物性たん白のうち、植物性たん白の主原料が、大豆又は脱脂大豆であるものをいう。例としては、原料として脱脂大豆、大豆粉、豆乳粉末、脱脂豆乳粉末、濃縮大豆たんぱく、分離大豆たんぱくなどから選択される一種以上を用い、これを二軸エクストルーダー等によって組織化し、成形したものを挙げることができる。形状としては、粒状又はフレーク状に成形したものであって、かつ、肉様の組織を有するものである。
本発明で用いる粒状大豆たんぱくは、乾燥品、あるいは、冷凍品のいずれを用いてもよいが、乾燥品を用いることが好ましい。また、前記粒状植物性たん白の大きさとしては、あまり大きすぎると前処理用調味液を含ませにくく、あまり小さすぎると肉様の食感が得られ難いことから、長径1〜15mmであることが好ましく、2〜10mmであることがさらに好ましい。具体的な市販品としては、日清オイリオグループ株式会社製の「ニューソイミー」、「ニューコミテックス」や、不二製油株式会社製の「ニューフジニック」「フジニックエース」などを挙げることができる。これらの乾燥品は、使用前に任意の成分を含む液(「前処理液」と称する)に浸漬し、戻してから使用されるものである。
本発明は、粒状大豆たんぱくを、醤油および乳酸を含有する前処理液に浸漬することを特徴とするものである。
醤油としては、通常の醸造法によって得られたものを使用することができ、濃口醤油、淡口醤油、たまり醤油、再仕込醤油、しろ醤油等から選ばれる1種または2種以上を用いることが可能である。
また、本発明における前処理液は、食塩濃度12%(w/v)以下の液であることが好ましい。より具体的には、醤油、乳酸と水を混合し、好ましくは食塩濃度が4%(w/v)以上12%(w/v)以下、より好ましくは5%(w/v)以上、10%(w/v)以下となるように調整する。また、有機酸を加える場合は、混合後の液のpHが3.0以上5.5以下、より好ましくは3.2以上5.0以下とすることが好ましい。
前処理液において、上記範囲よりも食塩濃度が低いか、pHが高すぎる場合には、品質保持性の面でリスクを生じる恐れがある。一方で、食塩濃度が高いか、pHが低すぎると、塩味や酸味が強くなり過ぎて食味に影響を及ぼす場合がある。
粒状大豆たんぱくを前処理液に浸漬する際には、たとえば、当該前処理液に乾燥粒状大豆たんぱくを5分〜60分、より好ましくは10分〜20分浸漬することにより、水戻しする。水戻しするとき、乾燥粒状たんぱくに対する前処理液の量は、100gの乾燥粒状たんぱく質に対し、200〜1000mlとすることが好ましい。
浸漬時間や、乾燥粒状たんぱくに対する前処理液の使用量が十分でないと、粒状大豆たんぱくの中心部まで前処理液が十分に行き渡らず、所期の効果を得られなくなる恐れがある。
前処理においては、浸漬中または浸漬後、当該前処理済粒状大豆たんぱくを加熱することができる。加熱条件としては、品温50〜90℃で5〜30分加熱すればよい。
このようにして得られた粒状大豆たんぱく加工食品は、各種の食品用途に使用可能である。とくに、液状調味料に具材として配合して例えば肉みそだれなどのようにして用いたときに、すぐれた官能を発揮するものである。配合対象である液状調味料は、任意のたれ類、つゆ類、ソース類などから選ぶことができる。
以下、実施例を挙げて本願発明を具体的に説明するが、本願発明はこれらによって何ら限定されるものではない。
(実施例1)粒状大豆たんぱく加工食品の前処理法の検討
粒状大豆たんぱくの好ましい前処理法を明らかにするべく、下記のような各処理法によって得た粒状大豆たんぱくを用い、官能評価を実施した。
まず、前処理液として下記表に示す液(1)〜(6)を調製した。乾燥粒状大豆たんぱく質(「ニューソイミーK−20」、日清オイリオグループ製)100gを各液に浸漬し、常温で20分間静置して、液を浸透させた。その後、60℃で15分間加熱した。
Figure 0006716616
得られた各種の前処理済粒状大豆たんぱく質について、下記の要領に従い官能評価を実施した。なおすべての評価は、12名の訓練された社内パネラーによって行った。
(官能評価1・総合評価)
各液で前処理した前処理済粒状大豆たんぱく質の、「保形性」、「前処理液の浸透性」、「風味」、「総合的な嗜好」について評価を行った。それぞれの項目について、液(1)で前処理を行った粒状大豆たんぱく質における評点を3としたときの評点を、保形性および前処理液の浸透性については1(弱い)〜5(強い)、風味および総合的な嗜好については1(好ましくない)〜5(好ましい)として採点し、全パネラーの平均を算出した。結果を下記表に示す。
Figure 0006716616
上記に示すように、醤油および乳酸を併用する(2)、(3)では、風味や総合的な嗜好の評点が比較的高かった。風味の評価では、(1)醤油、(2)醤油+乳酸での評価が高かったが、一方で醤油の含有量が多いと塩辛さも強く感じられ、全体的には(3)の醤油+乳酸+水が最も味のバランスが良いという評価であった。酢酸を用いた(4)は、総合的な嗜好は比較的良好であったが、風味や保形性においてやや劣っていた。また、クエン酸を用いた(5)では酸味が、ソルビトールを用いた(6)では甘味が強く感じられ、風味や嗜好の評価は低かった。
前処理液の浸透性では、浸透圧の高い醤油を用いる(1)、(2)でとくに強かったが、(6)のソルビトールを除くと概ね問題ない範囲であった。粒の保形性では、(2)(3)(5)が比較的良好な評価となった。
(官能評価2・きな粉様異味/具材感の評価)
粒状大豆たんぱく質を用いると、きな粉様の異味を感じ、肉等の代替として不適に感じられる場合がある。また、喫食時の適度な弾力性や具材としての存在感も重要である。そこで、きな粉様異味の強さおよび具材感について評価を実施した。
きな粉様異味の強さの評価では、それぞれの前処理液で処理した粒状大豆たんぱく質について、下記A〜Dの評価基準のいずれかを選択した。
A:きな粉様の異味がほとんど感じられない。
B:きな粉様の異味がわずかに感じられるが問題の無い程度である。
C:きな粉様の異味がやや感じられる。
D:きな粉様の異味が強く感じられる。
同様に、具材性の評価では、それぞれの前処理液で処理した粒状大豆たんぱく質について、下記ア〜オの評価基準のいずれかを選択した。
ア:ふっくらとして適度な硬さがあり、具材の存在感もある大変好ましい食感である。
イ:適度な硬さがあり、具材の存在感のある好ましい食感である。
ウ:食感がやや柔らかく具材の存在感があまりない。
エ:食感が柔らかく具材の存在感がない。
オ:硬すぎる。
評価結果を下記表に示す。表中の数字は、各評価基準を選択したパネラーの人数を示す。
Figure 0006716616
Figure 0006716616
きな粉様異味の評価では、醤油を多く含む(1)(2)でとくに良好な結果が得られた。(3)、(5)は、(1)(2)ほどではないものの概ね良好な評価であった。(4)は、評点Dのパネラーも存在し、(3)(5)よりやや異味が強く感じられる結果となった。ソルビトールを用いた(6)では、評価が大きく分かれ、異味を強く感じるとしたパネラーも半分ほどみられた。
具材感の評価では、(3)が最も好ましいと感じる人数が多く、(1)(2)(4)も比較的好ましい結果となった。
(官能評価まとめ)
以上の官能評価の結果を総合すると、官能評価1では、(2)醤油+乳酸、(3)醤油+乳酸+水のいずれかが、風味・嗜好においてすぐれ、とくに(3)ではバランスの良い味わいとなっていた。
官能評価2では、きな粉様異味の評価において(1)(2)で評価が高く、(3)(5)はそれより若干劣るが概ね良好な評価結果であった。また具材感の評価においては(3)の評価が高く、(1)(2)(4)も比較的好ましい結果であった。
したがって、醤油と乳酸からなる液(2)、醤油、乳酸と水からなる液(3)で前処理を行ったときに、風味・嗜好の評価がよく、きな粉様異味の抑制や具材感においても良好か、概ね好ましい評価結果となり、きわめてすぐれた官能を有する粒状大豆たんぱく加工食品を得られることが明らかになった。とくに(3)では、塩味の風味バランスもよく、きわめて良好な結果となった。
(実施例2)粒状大豆たんぱく加工食品を使用した液体調味料の配合例
実施例1で得た(2)(3)の前処理済粒状大豆たんぱく質を使用し、下記のような液体調味料を調製した。得られた液状調味料に含まれる粒状大豆たんぱく質は、良好な風味を停止、きな粉様の異味はとくに感じられないばかりでなく、食感はふっくらとして適度な硬さがあり、具材としての存在感が感じられるものであった。
Figure 0006716616

Claims (3)

  1. 前処理済粒状大豆たんぱく加工食品の製造方法であって、前処理として、醤油と乳酸を配合し、塩分濃度を4〜12%(w/v)に調整することで得られる前処理液に粒状大豆たんぱく加工食品を浸漬する工程を含むことを特徴とする、前処理済粒状大豆たんぱく加工食品の製造方法
  2. 前処理液のpHが3.0〜5.5である、請求項1記載の製造方法
  3. 請求項1の製造方法で製造された前処理済粒状大豆たんぱく加工食品を具材として配合する、液状調味料の製造方法
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